JP4822570B2 - 樹脂組成物 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物(以下、EVOHと略記する)の樹脂組成物に関し、更に詳しくは滑り性、ガスバリア性、透明性に優れたEVOHの樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、EVOHはその透明性、ガスバリア性、保香性、耐溶剤性、耐油性などに優れており、かかる特性を生かして、食品包装材料、医薬品包装材料、工業薬品包装材料、農薬包装材料等のフィルムやシート、或いはボトル等の容器等に成形されて利用されている。
かかる成形にあたっては、通常溶融成形によりフィルム状やシート状等に成形されるのであるが、このときには該EVOHに対して、滑り性が求められる。すなわち、成形用機械(溶融押出機)内での装置壁面と溶融状態のEVOHとの滑り性やかかる成形時のロールや案内板等の装置とEVOH成形物との滑り性、更には、得られたフィルム状やシート状等の成形物をロール巻にして保存した場合にも成形物同士の滑り性が求められ、これらの対策の一つとして、EVOHに無機物微粒子等のアンチブロッキング剤を溶融混合した後に溶融成形することが一般的に行われている。
一方、ガスバリア性の良好な皮膜を得る目的で、特開平8−67786号公報には、EVOHのアルコール−水系の溶液と無機酸化物の水性分散液を混合後、アルコールを除去してEVOHの水性分散液を得て、該水性分散液を塗工して皮膜を得る方法が記載されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前者のEVOHに無機物微粒子等のアンチブロッキング剤を溶融混合した樹脂組成物では、該微粒子の分散性を向上させるためには溶融混合時間を長くしたり、練り効果を上げる必要があり、その結果EVOHが劣化する恐れがあって、EVOHの劣化防止とアンチブロッキング剤の分散性(均一性)を両立させることが困難であり、また、後者の溶液同士の混合方法では、酸化物の分散が不均一となり、得られる樹脂組成物を2軸延伸した時に延伸ムラが生じる恐れがあり、また、一般的にEVOHに各種添加剤を用いた場合には透明性が低下する恐れもあり、滑り性、ガスバリア性、透明性に優れたEVOHの樹脂組成物が望まれるところである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
そこで、本発明者は、かかる現況に鑑みて鋭意研究を重ねた結果、pH7〜9のEVOH溶液を酸化物の分散液と混合後、液状分を除去して得られた樹脂組成物が、上記の目的に合致することを見いだして本発明を完成するに至った。
【0005】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明を詳細に述べる。
本発明においては、pHが7〜9に調整されたEVOH溶液と酸化物の分散液とを混合後に液状分を除去することを特徴とするもので、かかるEVOHとしては、特に限定されないが、エチレン含有量が20〜60モル%(更には25〜55モル%)、ケン化度が90モル%以上(更には95モル%以上)のものが用いられ、該エチレン含有量が20モル%未満では高湿時のガスバリア性、溶融成形性が低下し、逆に60モル%を越えると充分なガスバリア性が得られず、更にケン化度が90モル%未満ではガスバリア性、熱安定性、耐湿性等が低下して好ましくない。
また、該EVOHのメルトインデックス(MI)(210℃、荷重2160g)は、0.1〜100g/10分(更には0.5〜50g/10分)が好ましく、該メルトインデックスが該範囲よりも小さい場合には、成形時に押出機内が高トルク状態となって押出加工が困難となり、また該範囲よりも大きい場合には、成形物の機械強度が不足して好ましくない。
【0006】
該EVOHは、エチレン−酢酸ビニル共重合体のケン化によって得られ、該エチレン−酢酸ビニル共重合体は、公知の任意の重合法、例えば、溶液重合、懸濁重合、エマルジョン重合などにより製造され、エチレン−酢酸ビニル共重合体のケン化も公知の方法で行い得る。
【0007】
また、本発明では、本発明の効果を阻害しない範囲で共重合可能なエチレン性不飽和単量体を共重合していてもよく、かかる単量体としては、プロピレン、1−ブテン、イソブテン等のオレフィン類、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、(無水)フタル酸、(無水)マレイン酸、(無水)イタコン酸等の不飽和酸類あるいはその塩あるいは炭素数1〜18のモノまたはジアルキルエステル類、アクリルアミド、炭素数1〜18のN−アルキルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、2−アクリルアミドプロパンスルホン酸あるいはその塩、アクリルアミドプロピルジメチルアミンあるいはその酸塩あるいはその4級塩等のアクリルアミド類、メタクリルアミド、炭素数1〜18のN−アルキルメタクリルアミド、N,N−ジメチルメタクリルアミド、2−メタクリルアミドプロパンスルホン酸あるいはその塩、メタクリルアミドプロピルジメチルアミンあるいはその酸塩あるいはその4級塩等のメタクリルアミド類、N−ビニルピロリドン、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド等のN−ビニルアミド類、アクリルニトリル、メタクリルニトリル等のシアン化ビニル類、炭素数1〜18のアルキルビニルエーテル、ヒドロキシアルキルビニルエーテル、アルコキシアルキルビニルエーテル等のビニルエーテル類、塩化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン、臭化ビニル等のハロゲン化ビニル類、トリメトキシビニルシラン等のビニルシラン類、酢酸アリル、塩化アリル、アリルアルコール、ジメチルアリルアルコール、トリメチル−(3−アクリルアミド−3−ジメチルプロピル)−アンモニウムクロリド、アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸等が挙げられる。
【0008】
また、EVOHとして、異なる2種以上のEVOH(ブレンド物)を用いることも可能で、このときは、エチレン含有量が5モル%以上異なり、及び/又はケン化度が1モル%以上異なるEVOHのブレンド物を用いることも可能である。
【0009】
かかるEVOHの溶液に得るにあたっては、EVOHを溶解可能な溶媒に溶解すればよく、その溶媒や方法等については限定されないが、工業的にはEVOHの製造工程におけるEVOHのアルコール(メタノール、エタノール、プロパノール等のアルコールが用いられるが、好ましくはメタノールが用いられる)溶液に水を加えてEVOH溶液(EVOHの水−アルコール混合溶液)とすることが好ましく、本発明においては、更にこの時に下記(1)式の条件を満足するように水を含有させてEVOHの水−アルコール混合溶液を得ることが好ましい。
【0010】
換言すれば、EVOH中のエチレン含有量により、下記(1)式を満足するように水を加えれば良いのである。
0.0933×(50−X)2+26≧Y≧0.0933×(50−X)2+6 ・・・ (1)
ここで、Xはエチレン含有量(モル%)、YはEVOHの水−アルコール混合溶液の溶媒中の水の含有量(重量%)をそれぞれ表す。
【0011】
上記(1)式の条件において、Yの値が右辺の算出値よりも小さくなるように水を加えたときはEVOH溶液の粘度の安定性がなくなり工業的生産が出来なくなり、逆に左辺の算出値よりも大きくなるように水を加えたときは酸化物が安定して分散しにくくなって好ましくない。
また、EVOH溶液中に含有されるEVOHの量としては、2〜60重量%(更には5〜60重量%、特に10〜55重量%)が好ましく、EVOHの量が2重量%未満では、得られる樹脂組成物が微粒になるため製品得率が悪くなり、逆に60重量%を越えるとEVOH溶液粘度が高くなって該溶液の放置安定性が悪くなり好ましくない。
【0012】
本発明においては、かくして得られたEVOH溶液のpHを7〜9(更には7.5〜9.0)に調整することが重要である。すなわち、一般的に上記の方法でEVOH溶液を作製した時の該EVOH溶液のpHは4〜6程度で、このまま用いたのでは、本発明の作用効果を得ることは困難となる。
かかるpHの調整に当たっては、水酸化ナトリウム、酢酸ナトリウムなどアルカリ金属化合物、水酸化カルシウム酢酸カルシウム、酢酸マグネシウムなどアルカリ土類金属化合物等のを適量加えて、pH値が上記の範囲に入るように調整すればよい。
【0013】
かかるEVOH溶液と混合される酸化物の分散液に用いられる酸化物としては、例えば酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、酸化セリウム、酸化タングステン、酸化モリブデンおよびこれらの複合体等を挙げることができ、これらの中から少なくとも1種以上を選ぶことができる。また、これら酸化物の粒子径は0.1〜10μmが好ましく、更には0.5〜5μmが好ましく、かかる粒子径が0.1μm未満では滑り性の改善効果に乏しく、逆に10μmを越えると成形物中にゲルやフィッシュアイ等が発生して外観不良となって好ましくない。また、上記の酸化物の中では、酸化ケイ素(ケイ酸)や酸化ケイ素−酸化マグネシウム(ケイ酸マグネシウム)を用いることがEVOHとの相溶性の点で好ましい。
【0014】
酸化物の分散液を得るに当たっては、特に限定されることなく、液中に上記の酸化物が分散していれば良く、一般公知の攪拌装置で酸化物を液中に分散せしめればよい。この時の分散液中の酸化物の含有量としては0.1〜20重量%(更には1〜10重量%)が好ましく、かかる含有量が0.1重量%未満ではEVOH溶液と混合したときの混合液の放置安定性が悪くなり、逆に20重量%を越えると酸化物の分散が不均一となって好ましくない。かくして得られたEVOH溶液と酸化物の分散液を混合して混合液を得るに当たっては、最終的に得られる樹脂組成物中の酸化物の含有量が50〜2000ppmになるように、更には50〜1000ppmになるように混合することが好ましく、かかる含有量が50ppm未満では滑り性の改善効果が見られず、逆に2000ppmを越えるとフィルムの透明性が悪くなって好ましくない。
【0015】
上記で得られた混合液から液状分を除去することにより、目的とする樹脂組成物が得られるのであるが、かかる除去に当たっては特に限定されず、混合液を皮膜状に塗布して乾燥させる、噴霧乾燥させる等の方法を採用することができるが、好適には、かかる混合液をEVOHの凝固液中で析出させた後に乾燥させる方法が採用される。
その一例を挙げれば、水又は水/アルコール(メタノール、エタノール、プロパノール等)混合溶媒、ベンゼン等の芳香族炭化水素類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、ジプロピルエーテル等のエーテル類、酢酸メチル、酢酸エチル、プロピオン酸メチル等の有機酸エステル等の凝固液中に上記の混合液をストランド状に押し出して析出させた後、乾燥させるのである。
【0016】
この時、該混合液を凝固液と接触させる温度は、−10〜40℃が好ましく、更には0〜20℃である。上記の有機溶媒はEVOHの非溶剤出あるので、EVOHが凝固液に溶解して樹脂損失を招く心配は殆どないが、なるべく低温での操作が安全である。
【0017】
また、混合液をストランド状に押し出すときのノズルの形状としては、特に限定されないが、円筒形状が好ましく、その長さは1〜100cmが好ましく、更には3〜30cmで、内径は0.1〜10cmが好ましく、更には0.2〜5.0cmである。
かくしてノズルより混合液がストランド状に押し出されるのであるが、ストランドは必ずしも一本である必要はなく、数本〜数百本の間の任意の数で押し出し可能である。
【0018】
次いで、ストランド状に押し出された混合液(樹脂組成物)は凝固が充分進んでから切断され、ペレット化されその後水洗される。かかるペレットの形状は、成形時の作業性や取扱い面から円柱状の場合は径が2〜8mm、長さ2〜8mmのもの(更にはそれぞれ2〜5mmのもの)が、又球状の場合は径が1〜8mmのもの(更には2〜5mmのもの)が実用的である。
【0019】
また、水洗条件としては、ペレットを温度10〜60℃の水槽中で水洗する。かかる水洗により、樹脂組成物中のオリゴマーや不純物が除去される。
次いで、上記のペレット化の後に乾燥工程を経て、本発明の樹脂組成物が得られるのである。
【0020】
かかる乾燥方法として、種々の乾燥方法を採用することが可能であるが、本発明では、流動乾燥を行うことが好ましく、更には該流動乾燥の前または後に静置乾燥を行う乾燥方法、即ち、流動乾燥処理後に静置乾燥処理を行う方法又は静置乾燥処理後に流動乾燥処理を行う方法が特に好ましく、かかる乾燥方法について説明する。
【0021】
ここで言う流動乾燥とは、実質的に樹脂組成物(ペレット)が機械的にもしくは熱風により撹拌分散されながら行われる乾燥を意味し、該乾燥を行うための乾燥器としては、円筒・溝型撹拌乾燥器、円筒乾燥器、回転乾燥器、流動層乾燥器、振動流動層乾燥器、円錐回転型乾燥器等が挙げられ、また、静置乾燥とは、実質的に樹脂組成物(ペレット)が撹拌、分散などの動的な作用を与えられずに行われる乾燥を意味し、該乾燥を行うための乾燥器として、材料静置型としては回分式箱型乾燥器が、材料移送型としてはバンド乾燥器、トンネル乾燥器、竪型サイロ乾燥器等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
【0022】
該流動乾燥処理時に用いられる加熱ガスとしては空気または不活性ガス(窒素ガス、ヘリウムガス、アルゴンガス等)が用いられ、該加熱ガスの温度としては、95℃以下が好ましく、更には40〜90℃が好ましく、該温度が95℃を越えるとEVOHペレットが融着を起こして好ましくない。
また、流動乾燥の時間としては、樹脂組成物(ペレット)の処理量にもよるが、通常は5分〜36時間が好ましく、更には10分〜24時間が好ましい。
【0023】
上記の如く流動乾燥処理された樹脂組成物(ペレット)は、次いで静置乾燥処理に供されるのであるが、かかる静置乾燥処理に用いられる加熱ガスも同様に不活性ガス(窒素ガス、ヘリウムガス、アルゴンガス等)が用いられるが、該加熱ガスの温度は75℃以上が好ましく、更には85〜150℃で、該温度が75℃未満では、乾燥時間を極端に長くする必要があり、経済的に不利となって好ましくない。
また、静置乾燥処理の時間も樹脂組成物(ペレット)の処理量により一概に言えないが、通常は10分〜72時間が好ましく、更には1.0〜48時間が好ましい。
【0024】
上記の条件で樹脂組成物(ペレット)が静置乾燥処理されて最終的に乾燥された樹脂組成物(ペレット)が得られるのであるが、該処理後(最終)の樹脂組成物(ペレット)の含水率は0.001〜2.0重量%(更には0.01〜1.0重量%)になるようするのが好ましく、該含水率が0.001重量%未満では、樹脂組成物(ペレット)のロングラン成形性が低下する傾向にあり、逆に2.0重量%を越えると成形品に発泡が発生しやすくなり好ましくない。
【0025】
尚、上記の混合液には、飽和脂肪族アミド(例えばステアリン酸アミド等)、不飽和脂肪酸アミド(例えばオレイン酸アミド等)、ビス脂肪酸アミド(例えばエチレンビスステアリン酸アミド等)、脂肪酸金属塩(例えばステアリン酸カルシウム等)、低分子量ポリオレフィン(例えば分子量500〜10,000程度の低分子量ポリエチレン、又は低分子量ポリプロピレン等)などの滑剤、無機塩(例えばハイドロタルサイト等)、可塑剤(例えばエチレングリコール、グリセリン、ヘキサンジオール等の脂肪族多価アルコールなど)、熱安定剤(ヒンダードフェノール系、ヒンダードアミン系等)、紫外線吸収剤、着色剤、抗菌剤等を配合しても良い。
【0026】
本発明の樹脂組成物は、溶融成形等により、フィルム、シート、容器、繊維、棒、管、各種成形品等に成形され、又、これらの粉砕品(回収品を再使用する時など)を用いて再び溶融成形に供することもでき、かかる溶融成形方法としては、押出成形法、射出成形法が主として採用される。溶融成形温度は、150〜300℃の範囲から選ぶことが多い。
また、本発明の樹脂組成物は、単層として用いることもできるし、該樹脂組成物からなる層の少なくとも片面に熱可塑性樹脂層等を積層して多層積層体として用いることも有用である。
【0027】
該積層体を製造するに当たっては、該樹脂組成物からなる層の片面又は両面に他の基材を積層するのであるが、積層方法としては、例えば該樹脂組成物からなるフィルムやシートに熱可塑性樹脂を溶融押出する方法、逆に熱可塑性樹脂等の基材に該樹脂組成物を溶融押出する方法、該樹脂組成物と他の熱可塑性樹脂とを共押出する方法、更には該樹脂組成物からなるフィルムやシートと他の基材のフィルム、シートとを有機チタン化合物、イソシアネート化合物、ポリエステル系化合物、ポリウレタン化合物等の公知の接着剤を用いてドライラミネートする方法等が挙げられる。
【0028】
共押出の場合の相手側樹脂としては直鎖状低密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマー、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、ポリプロピレン、プロピレン−α−オレフィン(炭素数4〜20のα−オレフィン)共重合体、ポリブテン、ポリペンテン等のオレフィンの単独又は共重合体、或いはこれらのオレフィンの単独又は共重合体を不飽和カルボン酸又はそのエステルでグラフト変性したものなどの広義のポリオレフィン系樹脂、ポリエステル、ポリアミド、共重合ポリアミド、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、アクリル系樹脂、ポリスチレン、ビニルエステル系樹脂、ポリエステルエラストマー、ポリウレタンエラストマー、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン等が挙げられる。他のEVOHも共押出可能である。上記のなかでも、共押出製膜の容易さ、フィルム物性(特に強度)の実用性の点から、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリスチレン、PETが好ましく用いられる。
【0029】
更に、本発明の樹脂組成物から一旦フィルムやシート等の成形物を得、これに他の基材を押出コートしたり、他の基材のフィルム、シート等を接着剤を用いてラミネートする場合、前記の熱可塑性樹脂以外に任意の基材(紙、金属箔、一軸又は二軸延伸プラスチックフィルム又はシート、織布、不織布、金属綿状、木質等)が使用可能である。
【0030】
積層体の層構成は、本発明の樹脂組成物からなる層をa(a1、a2、・・・)、他の基材、例えば熱可塑性樹脂層をb(b1、b2、・・・)とするとき、フィルム、シート、ボトル状であれば、a/bの二層構造のみならず、b/a/b、a/b/a、a1/a2/b、a/b1/b2、b2/b1/a/b1/b2等任意の組み合わせが可能であり、フィラメント状ではa、bがバイメタル型、芯(a)−鞘(b)型、芯(b)−鞘(a)型、或いは偏心芯鞘型等任意の組み合わせが可能である。
【0031】
かくして得られた積層体の形状としては任意のものであってよく、フィルム、シート、テープ、ボトル、パイプ、フィラメント、異型断面押出物等が例示される。又、得られる積層体は必要に応じ、熱処理、冷却処理、圧延処理、印刷処理、ドライラミネート処理、溶液又は溶融コート処理、製袋加工、深絞り加工、箱加工、チューブ加工、スプリット加工等を行うことができる。
上記の如く得られたフィルム、シート或いは容器等は食品、医薬品、工業薬品、農薬等各種の包装材料として有用である。
【0032】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明する。
尚、実施例中「部」、「%」とあるのは特に断りのない限り重量基準を示す。
【0033】
実施例1
EVOH[エチレン含有量35モル%、ケン化度99.5モル%、MI12g/10分(210℃、荷重2160g)]の水/メタノール(水/メタノール=40/60混合重量比)混合溶液(EVOH濃度45%)に酢酸ナトリウムを加えてpH7.5に調製したEVOH溶液1000部と無定形シリカ(富士シリシア化学社製『サイリシア310』、二酸化ケイ素主成分、平均粒子径1.4μm)を10%分散させた水性液2部を70℃で45分間混合撹拌して、混合液を得た。
尚、上記の混合溶液の溶媒中の水の含有量(Y)は40%で、上記のエチレン含有量(X=35モル%)を本文中の(1)式に代入すると、47≧Y≧27となり、かかる水の含有量(Y=40)は(1)式を満足するものであった。
【0034】
次いで、該混合液を5℃に維持された凝固液(水/メタノール=95/5(重量比)の混合液)槽に内径0.4cm、長さ6.0cmの円筒形のノズルよりストランド状に押し出して凝固させた後、カッターで切断して樹脂組成物のペレット(ペレット形状は直径5mm、長さ5mmで、含水率50%)を得た。
得られた樹脂組成物のペレットを下記の方法により乾燥処理を行った。
【0035】
<流動乾燥工程>
上記で得られた樹脂組成物のペレットを回分式流動層乾燥器(塔型)を用いて、75℃の窒素ガスを流動させながら、30分乾燥を行って含水率20%の樹脂組成物のペレットを得た。
尚、流動乾燥前の樹脂組成物のペレットの含水率は、50%で、流動乾燥前後の樹脂組成物のペレットの含水率差は30%であった。
【0036】
<静置乾燥工程>
次いで、流動乾燥処理後の樹脂組成物のペレットを回分式箱型乾燥器(通気式)を用いて、125℃の窒素ガスで、約18時間乾燥を行って含水率0.3%の本発明の樹脂組成物のペレット[無定形シリカを480ppm含有]を得た。
次いで、得られた該ペレットを下記の条件で製膜して、得られたフィルムを縦横それぞれ2.5倍に延伸して、厚さ10μmのフィルムを得て、かかるフィルムについて、下記の要領で動摩擦係数(滑り性)、ガスバリア性、透明度の測定を行った。
【0037】
[製膜条件]
単軸押出機による製膜条件は下記の通りとした。
Figure 0004822570
【0038】
(動摩擦係数)
東洋精機(株)製の摩擦試験機「TR」を用いて、荷重196g、速度150mm/minの条件で、23℃、50%RH雰囲気下で動摩擦係数を測定した。
【0039】
(ガスバリア性)
酸素透過度測定装置(MOCON社製「OXTRAN10/50」)を用いて、23℃、50%RHの条件で酸素透過度(cc/m2・day・atm)を測定した。
【0040】
(透明度)
ヘイズメーター(日本電色(株)製「NDH2000」)を用いてJIS K7105に準じて透明度(%)を測定した。
【0041】
実施例2
実施例1において、EVOH[エチレン含有量30モル%、ケン化度99.4モル%、MI2.5g/10分(210℃、荷重2160g)]の水/メタノール(水/メタノール=50/50混合重量比)混合溶液(EVOH濃度45%)を用いた以外は同様に行って樹脂組成物(ペレット)を得て、同様に評価を行った。
尚、上記の混合溶液の溶媒中の水の含有量(Y)は50%で、上記のエチレン含有量(X=30モル%)を本文中の(1)式に代入すると、64≧Y≧44となり、かかる水の含有量(Y=50)は(1)式を満足するものであった。
【0042】
実施例3
実施例1において、EVOH溶液のpHを8.3に調整した以外は同様に行って樹脂組成物(ペレット)を得て、同様に評価を行った。
【0043】
実施例4
実施例1において、分散液の混合量を4部とした以外は同様に行って樹脂組成物(ペレット)[無定形シリカを890ppm含有]を得て、同様に評価を行った。
【0044】
実施例5
実施例1において、無定形シリカ(富士シリシア化学社製『サイリシア310P』、二酸化ケイ素主成分、平均粒子径2.5μm)を10%分散させた分散液を用いた以外は同様に行って樹脂組成物(ペレット)を得て、同様に評価を行った。
【0045】
実施例6
実施例1において、分散液中の無定形シリカの含有量を4%とした以外は同様に行って樹脂組成物(ペレット)[無定形シリカを200ppm含有]を得て、同様に評価を行った。
【0046】
比較例1
EVOH[エチレン含有量35モル%、ケン化度99.5モル%、MI12g/10分(210℃、荷重2160g)]に1000部と無定形シリカ(富士シリシア化学社製『サイリシア310』、二酸化ケイ素主成分、平均粒子径1.4μm)2部を二軸押出機に供給して、220℃で溶融混練して無定形シリカを450ppm含有する樹脂組成物を得て、実施例1と同様に評価を行った。
【0047】
比較例2
実施例1において、EVOH溶液のpH調整を行わなかった(pH5.8)以外は同様に行って樹脂組成物を得て、実施例1と同様に製膜を行ったが、偏肉が大きく厚みの不均一なフィルムしか得られなかったため、評価は行わなかった。
【0048】
比較例3
実施例1において、EVOH溶液のpH調整時にpHを9.5とした以外は同様に行って樹脂組成物を得て、実施例1と同様に評価を行った。
実施例及び比較例の評価結果を表1にまとめて示す。
【0049】
【表1】
Figure 0004822570
【0050】
【発明の効果】
本発明の樹脂組成物は特定の方法でEVOHに酸化物を配合しているため、滑り性、ガスバリア性、透明性に優れ、各種の積層体とすることができ、食品や医薬品、農薬品、工業薬品包装用のフィルム、シート、チューブ、袋、容器等の用途に非常に有用である。

Claims (3)

  1. pH7〜9のエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物溶液を酸化物の分散液と混合後、液状分を除去して得られた樹脂組成物であって、酸化物が酸化ケイ素又は酸化ケイ素−酸化マグネシウムであり、樹脂組成物中の酸化物の含有量が50〜2000ppmであることを特徴とする樹脂組成物。
  2. 該ケン化物溶液または該分散液に使用される溶媒がメタノール、エタノール、プロパノール、フェノール、ジメチルスルフォキサイド(DMSO)、ジメチルホルムアミド(DMF)、ヘキサフルオロイソプロパノール(HFIP)のいずれか、若しくはこれらと水との混合物であることを特徴とする請求項記載の樹脂組成物。
  3. エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物溶液中のエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物の含有量が2〜60重量%であることを特徴とする請求項1または2記載の樹脂組成物。
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