JP4097103B2 - エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物ペレット - Google Patents

エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物ペレット Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物(以下、EVOHと略記する)のペレットに関し、更に詳しくは溶融成形時のフィード性(樹脂の押出機への食い込み性)に優れ、成形中の押出機のトルク変動と吐出変動が少なく、得られる成形物の寸法精度が極めて良好なEVOHペレットに関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、EVOHはその透明性、ガスバリヤー性、保香性、耐溶剤性、耐油性などに優れており、かかる特性を生かして、食品包装材料、医薬品包装材料、工業薬品包装材料、農薬包装材料等のフィルムやシート、或いはボトル等の容器等に成形されて利用されている。
かかる成形にあたっては、通常EVOHのペレットを押出機等に投入して、溶融成形によりフィルム状やシート状等に成形されるのであるが、かかるEVOHペレットの性状によっては、目的とするEVOH成形物が得られないこともある。例えば、成形物の形状や厚み等の精度が低下することもあり、該ペレットの性状は大変重要なものとなりつつあり、かかる点を考慮して、特公昭47−38634号公報では、EVOHのメタノール−水混合溶液を50℃以下の水、またはメタノール−水混合液中にストランド状に押し出して析出させてEVOHペレットを得る方法が、特開昭53−9898号公報には、EVOH溶液をダイス細孔部から水、またはメタノール−水混合液中に吐出し、その直後に該EVOH溶液をカッターで分離して、球状のEVOHペレットを得る方法が、特開昭53−120767号公報には、析出させたEVOH溶液のストランドを特定の導入管を経て、切断部へ送給してEVOHペレットを得る方法が、特開昭62−106904号公報には、滑剤を含有させたEVOH溶液を凝固液中にストランド状に押し出してEVOHペレットを得る方法が、特開平3−61507号公報には、ストランドをベルトコンベヤを用いて切断部へ導入し、水をスプレーしながら切断してEVOHペレットを得る方法が、それぞれ記載されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の特公昭47−38634号公報、特開昭53−9898号公報、特開昭62−106904号公報開示の方法では、得られるEVOHペレットの溶融成形時のフィード性は不十分であり、また特開昭53−120767号公報、特開平3−61507号公報開示の方法でも、ペレット形状が比較的均一であることから、フィード性に対してある程度の効果は認められるものの、更なる改善の余地が残るものである。
すなわち、昨今の市場からは、成形物の形状や厚み等の精度に対する要求は厳しくなってきており、かかる要求に対応できるEVOHペレットの登場が待たれるところである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
そこで、本発明者は、かかる現況に鑑みて鋭意研究を重ねた結果、平均径0.01〜50μmの細孔を0.01cc/gを越える割合で含有するEVOHペレットの表面に滑剤が付着しているEVOHペレットが上記の目的に合致し、更に、平均径1〜50μmの細孔を0.001cc/gを越える割合で含有し、かつその表面に滑剤を有するEVOHペレットが本発明の効果を顕著に得ることができることを見いだして本発明を完成するに至った。
【0005】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明を詳細に述べる。
本発明のEVOHペレットの原料となるEVOHとしては、特に限定されないが、エチレン含有量が20〜60モル%(更には25〜55モル%)、ケン化度が90モル%以上(更には95モル%以上)のものが用いられ、該エチレン含有量が20モル%未満では高湿時のガスバリヤー性、溶融成形性が低下し、逆に60モル%を越えると充分なガスバリヤー性が得られず、更にケン化度が90モル%未満ではガスバリヤー性、熱安定性、耐湿性等が低下して好ましくない。
また、該EVOHのメルトインデックス(MI)(210℃、荷重2160g)は、0.1〜100g/10分(更には0.5〜50g/10分)が好ましく、該メルトインデックスが該範囲よりも小さい場合には、成形時に押出機内が高トルク状態となって押出加工が困難となり、また該範囲よりも大きい場合には、成形物の機械強度が不足して好ましくない。
【0006】
該EVOHは、エチレン−酢酸ビニル共重合体のケン化によって得られ、該エチレン−酢酸ビニル共重合体は、公知の任意の重合法、例えば、溶液重合、懸濁重合、エマルジョン重合などにより製造され、エチレン−酢酸ビニル共重合体のケン化も公知の方法で行い得る。
また、本発明では、本発明の効果を阻害しない範囲で共重合可能なエチレン性不飽和単量体を共重合していてもよく、かかる単量体としては、プロピレン、1−ブテン、イソブテン等のオレフィン類、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、(無水)フタル酸、(無水)マレイン酸、(無水)イタコン酸等の不飽和酸類あるいはその塩あるいは炭素数1〜18のモノまたはジアルキルエステル類、アクリルアミド、炭素数1〜18のN−アルキルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、2−アクリルアミドプロパンスルホン酸あるいはその塩、アクリルアミドプロピルジメチルアミンあるいはその酸塩あるいはその4級塩等のアクリルアミド類、メタクリルアミド、炭素数1〜18のN−アルキルメタクリルアミド、N,N−ジメチルメタクリルアミド、2−メタクリルアミドプロパンスルホン酸あるいはその塩、メタクリルアミドプロピルジメチルアミンあるいはその酸塩あるいはその4級塩等のメタクリルアミド類、N−ビニルピロリドン、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド等のN−ビニルアミド類、アクリルニトリル、メタクリルニトリル等のシアン化ビニル類、炭素数1〜18のアルキルビニルエーテル、ヒドロキシアルキルビニルエーテル、アルコキシアルキルビニルエーテル等のビニルエーテル類、塩化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン、臭化ビニル等のハロゲン化ビニル類、トリメトキシビニルシラン等のビニルシラン類、酢酸アリル、塩化アリル、アリルアルコール、ジメチルアリルアルコール、トリメチル−(3−アクリルアミド−3−ジメチルプロピル)−アンモニウムクロリド、アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸等が挙げられる。
【0007】
本発明のEVOHペレットは、上記の如きEVOHから得られるのであるが、本発明においては、平均径0.01〜50μmの細孔を0.02cc/g以上の割合で含有するEVOHペレットの表面に滑剤が付着していることを最大の特徴とするもので、かかる条件を満たさないEVOHペレットでは、本発明の作用効果を得ることはできない。すなわち、滑剤が付着されるEVOHペレットの平均径0.01〜50μmの細孔の含有割合が0.02cc/g未満の場合は、ペレット表面に付着した滑剤がペレットの輸送中あるいはホッパー内で脱落しやすくなり、また、表面に滑剤の付着が無い場合は、押出機のホッパー内でのペレット間の滑りが局部的に不十分となり、溶融成形時のフィード性が不均一となって、本発明の目的を達成することができない。また、本発明においては、更に、平均径1〜50μmの細孔を0.002cc/g以上の割合で含有するEVOHペレットの表面に滑剤を有するEVOHペレットがより顕著に本発明の作用効果を得ることができる。
【0008】
尚、本発明で規定される細孔の含有割合は、水銀圧入法によって測定することができる。更に詳しくは、水銀圧入法の測定結果より、細孔径(横軸)に対して圧入水銀の容積変化を示す累積細孔容積曲線(縦軸)が得られ、該曲線の微分曲線のピークに相当する部分の水銀の容積変化から細孔の体積(cc/g)が表される。
上記の如き細孔を有するEVOHペレットを得るに当たっては、特に限定されず、EVOHをペレット化する際の各種条件を任意に選択することにより可能である。
【0009】
すなわち、通常、EVOHをペレット化するに当たっては、EVOHの溶液を凝固液中にストランド状に押し出して凝固させ、その後に切断してペレット状にしてから、必要に応じて水洗浄を行い、乾燥処理することが行われており、かかるペレット化の工程における、(1)EVOH溶液の濃度、(2)EVOH溶液の押し出し時の温度、(3)EVOH溶液の溶媒の種類、(4)凝固液の種類、(5)凝固液の温度、(6)凝固液中のEVOHストランドの滞留時間、(7)凝固液中のカルボン酸量、カルボン酸金属塩量、カルボン酸エステル量、(8)凝固液とEVOHストランドの重量比、(9)ストランド径と切断後のEVOHペレットの長さ、更には水洗浄の工程における、(10)洗浄水の温度、(11)洗浄時間、(12)洗浄水とEVOHペレットの重量比、また乾燥の工程における、(13)加熱ガスの温度、(14)加熱ガスの水分率、(15)加熱ガスの線速度・流量、(16)乾燥時の攪拌・流動の有無とその程度等をそれぞれ任意に調節することにより、本発明のEVOHペレットとすることができるのである。
【0010】
特にこれらの中でも、ペレット化工程におけるEVOH溶液の溶媒の種類として水とアルコールの混合溶液を用い、その混合重量比が80/20〜5/95の範囲で、かつ水の含有量H(重量%)が、H>59.25−2.55Eなる関係(ここで、EはEVOHのエチレン含有量(モル%)である)を満足すること、凝固液の温度を15〜40℃とすること、水洗浄工程における水温を40〜60℃とすること、乾燥工程における加熱ガスの水分率を3〜8重量%とすることで、上記の如き目的とするEVOHペレットを好適に得ることが可能となるのである。
【0011】
本発明のEVOHペレットを得る方法について詳細に説明する。EVOHを溶液にするにあたっては、EVOHを溶解可能な溶媒に溶解すればよく、その溶媒や方法等については限定されないが、該溶媒としては、メタノール、エタノール、プロパノール、フェノール、ジメチルスルフォキサイド(DMSO)、ジメチルホルムアミド(DMF)、ヘキサフルオロイソプロパノール(HFIP)等の溶剤やこれらの溶剤を含有する水溶液(混合溶媒)を挙げることができ、該水溶液の場合には水/溶剤の混合重量比が80/20〜5/95の範囲で、かつ水の含有量H(重量%)が、H>59.25−2.55Eなる関係(ここで、EはEVOHのエチレン含有量(モル%)である)を満足することが好ましく、溶液中に含有されるEVOHの量としては、20〜55重量%(更には25〜50重量%)が好ましい。また、溶液を調整する方法としては、イ)EVOHの粉体やペレット等を溶剤や溶剤/水の混合溶媒中で所定の濃度となるように溶解したり、ロ)EVOH製造時のケン化処理後のEVOHの溶剤溶液に溶剤、水またはその混合溶媒を適当量添加したり、ハ)EVOH製造時の析出または析出−水洗後の含水EVOHのペレットを溶剤または溶剤/水の混合溶媒中で所定の濃度と液組成になるように溶解したりする方法を挙げることができ、生産上好適には、ロ)の方法が採用され得る。
【0012】
次に、上記で得られたEVOH溶液をストランド状に押し出してペレット化するのであるが、かかる溶液はそのままでもよいし、該溶液を適宜濃縮あるいは希釈したり、更には水を加えてストランド製造用の溶液を調整することも可能である。この時点で、飽和脂肪族アミド(例えばステアリン酸アミド等)、不飽和脂肪酸アミド(例えばオレイン酸アミド等)、ビス脂肪酸アミド(例えばエチレンビスステアリン酸アミド等)、脂肪酸金属塩(例えばステアリン酸カルシウム等)、低分子量ポリオレフィン(例えば分子量500〜10,000程度の低分子量ポリエチレン、又は低分子量ポリプロピレン等)などの滑剤、無機塩(例えばハイドロタルサイト等)、可塑剤(例えばエチレングリコール、グリセリン、ヘキサンジオール等の脂肪族多価アルコールなど)、酸化防止剤、紫外線吸収剤、着色剤、抗菌剤、アンチブロッキング剤、スリップ剤等を配合しても良い。
【0013】
析出させる凝固液としては水又は水/アルコール混合溶媒、ベンゼン等の芳香族炭化水素類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、ジプロピルエーテル等のエーテル類、酢酸メチル、酢酸エチル、プロピオン酸メチル等の有機酸エステル等が用いられるが水又は水/アルコール混合溶媒が好ましい。
該アルコールとしては、メタノール、エタノール、プロパノール等のアルコールが用いられるが、好ましくはメタノールが用いられる。
EVOH溶液を凝固液と接触させる温度は、15〜40℃が好ましく、更には20〜40℃である。上記の有機溶媒は該ケン化物の非溶剤出あるので、該ケン化物が凝固液に溶解して樹脂損失を招く心配は殆どないが、なるべく低温での操作が安全である。
【0014】
EVOH溶液は任意の形状を有するノズルにより、上記の如き凝固液中にストランド状に押出されるのであるが、かかるノズルの形状としては、特に限定されないが、円筒形状が好ましく、その長さは1〜100cmが好ましく、更には3〜30cmで、内径は0.1〜10cmが好ましく、更には0.2〜5.0cmである。
かくしてノズルよりEVOH(溶液)がストランド状に押し出されるのであるが、ストランドは必ずしも一本である必要はなく、数本〜数百本の間の任意の数で押し出し可能である。
次いで、ストランド状に押し出されたEVOHは凝固が充分進んでから切断され、ペレット化されその後水洗される。かかるペレットの形状は、円柱状の場合は径が2〜8mm、長さ2〜8mmのもの(更にはそれぞれ2〜5mmのもの)が、又球状の場合は径が2〜8mmのもの(更には2〜5mmのもの)が好ましい。
【0015】
また、水洗条件としては、該ペレットを温度40〜60℃(更には50〜60℃)の水槽中で水洗する。かかる水洗により、EVOH中のオリゴマーや不純物が除去される。
次いで、上記のペレット化の後に乾燥工程を経て、目的とするEVOHペレットが得られるのである。
かかる乾燥方法として、種々の乾燥方法を採用することが可能であるが、本発明では、流動乾燥を行うことが好ましく、更には該流動乾燥の前または後に静置乾燥を行う乾燥方法、即ち、流動乾燥処理後に静置乾燥処理を行う方法又は静置乾燥処理後に流動乾燥処理を行う方法が特に好ましく、かかる乾燥方法について説明する。
【0016】
ここで言う流動乾燥とは、実質的にEVOHペレットが機械的にもしくは熱風により撹拌分散されながら行われる乾燥を意味し、該乾燥を行うための乾燥器としては、円筒・溝型撹拌乾燥器、円筒乾燥器、回転乾燥器、流動層乾燥器、振動流動層乾燥器、円錐回転型乾燥器等が挙げられ、また、静置乾燥とは、実質的にEVOHペレットが撹拌、分散などの動的な作用を与えられずに行われる乾燥を意味し、該乾燥を行うための乾燥器として、材料静置型としては回分式箱型乾燥器が、材料移送型としてはバンド乾燥器、トンネル乾燥器、竪型サイロ乾燥器等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
【0017】
まず、流動乾燥処理後に静置乾燥処理を行う方法について説明する。
該流動乾燥処理時に用いられる加熱ガスとしては空気または不活性ガス(窒素ガス、ヘリウムガス、アルゴンガス等)が用いられ、該加熱ガスの温度としては、40〜95℃が好ましく、更には60〜90℃が好ましい。また、該加熱ガスに含まれる水分率としては、3〜8重量%が好ましい。
更に、乾燥器内の加熱ガスの速度は、0.7〜10m/secとすることが好ましく、更には0.7〜5.0m/secで、特に1.0〜3.0m/secが好ましく、かかる速度が0.7m/sec未満ではEVOHペレットの融着が起こりやすく、逆に10m/secを越えるとEVOHペレットの欠け等の発生が起こりやすくなって好ましくない。
【0018】
また、流動乾燥の時間としては、EVOHペレットの処理量にもよるが、通常は5分〜36時間が好ましく、更には10分〜24時間が好ましい。
上記の条件でEVOHペレットが流動乾燥処理されるのであるが、該処理後のEVOHペレットの含水率は5.0〜60重量%(更には10〜55重量%)とすることが好ましく、かかる含水率が5.0重量%未満では、静置乾燥処理後の得られるEVOHペレットを溶融成形した場合に吐出変動が起こり易く、逆に60重量%を越えると後の静置乾燥処理時にEVOHペレットの融着が起こりやすくなって好ましくない。
【0019】
また、かかる流動乾燥処理において、該処理前より5.0重量%以上(更には10〜45重量%)含水率を低くすることが好ましく、該含水率の低下が5.0重量%未満の場合にも、後の(静置)乾燥処理時にEVOHペレットの融着が起こりやすくなって好ましくない。
上記の如く流動乾燥処理されたEVOHペレットは、次いで静置乾燥処理に供されるのであるが、かかる静置乾燥処理に用いられる加熱ガスも同様に不活性ガス(窒素ガス、ヘリウムガス、アルゴンガス等)が用いられるが、該加熱ガスの温度は75℃以上が好ましく、更には85〜150℃で、該温度が75℃未満では、乾燥時間を極端に長くする必要があり、経済的に不利となって好ましくない。また、該加熱ガスに含まれる水分率としては、3〜8重量%が好ましい。
更に乾燥器内のガスの速度は1.0m/sec未満とすることが好ましく、更には0.01〜0.5m/secが好ましく、かかる速度が1m/secを越えるとEVOHペレットを静置状態に保つことが困難となり好ましくない。
【0020】
また、静置乾燥処理の時間もEVOHペレットの処理量により一概に言えないが、通常は10分〜72時間が好ましく、更には1.0〜48時間が好ましい。上記の条件でEVOHペレットが静置乾燥処理されて最終的に乾燥されたEVOHペレットが得られるのであるが、該処理後(最終)のEVOHペレットの含水率は0.001〜2.0重量%(更には0.01〜1.0重量%)になるようするのが好ましく、該含水率が0.001重量%未満では、EVOHペレットのロングラン成形性が低下する傾向にあり、逆に2.0重量%を越えると成形品に発泡が発生しやすくなり好ましくない。
【0021】
次に、静置乾燥処理後に流動乾燥処理を行う方法について説明する。
このときの静置乾燥処理時の条件は、上記の静置乾燥処理時の条件と基本的には同じであるが、加熱ガスの温度を40〜95℃とすることが好ましく、更には60〜90℃が好ましい。また、該加熱ガスに含まれる水分率としては、3〜8重量%が好ましい。
また、静置乾燥処理の時間としては、EVOHペレットの処理量にもよるが、通常は10分〜48時間が好ましく、更には30分〜36時間が好ましい。
該処理後のEVOHペレットの含水率は10〜70重量%(更には15〜60重量%)とすることが好ましく、かかる含水率が10重量%未満では、流動乾燥処理後の得られるEVOHペレットを溶融成形した場合にゲルやフィッシュアイが多発する傾向にあり、逆に70重量%を越えても、得られるEVOHペレットを溶融成形した場合に吐出変動が起こり易いため好ましくない。
【0022】
また、かかる静置乾燥処理において、該処理前より3.0重量%以上(更には5.0〜30重量%)含水率を低くすることが好ましく、該含水率の低下が3.0重量%未満の場合は、後の(流動)乾燥処理時にEVOHペレットの欠け等が発生しやすくなり好ましくない。
上記の如く静置乾燥処理されたEVOHペレットは、次いで流動乾燥処理に供されるのであるが、かかる流動乾燥処理の条件も上記の流動乾燥処理時の条件と基本的には同じではあるが、加熱ガスの温度を80℃以上とすることが好ましく、更には95〜150℃が好ましく、該温度が80℃未満では、乾燥時間を極端に長くする必要があり、経済的に不利となって好ましくない。また、該加熱ガスに含まれる水分率としては、3〜8重量%が好ましい。
また、流動乾燥処理の時間もEVOHペレットの処理量にもよるが、通常は10分〜48時間が好ましく、更には30分〜24時間が好ましい。
かかる流動乾燥処理を経て、上記と同様、最終的に目的とする含水率0.001〜2.0重量%のEVOHペレットが得られるのである。
【0023】
本発明においては、上記の如くして得られるEVOHペレットの表面に滑剤が付着していることが必要で、かかる滑剤としては、高級脂肪酸(例えばラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸、オレイン酸等)、高級脂肪酸金属塩(前述の高級脂肪酸のアルミニウム塩、カルシウム塩、亜鉛塩、マグネシウム塩、バリウム塩等)、高級脂肪酸エステル(前述の高級脂肪酸のメチルエステル、イソプロピルエステル、ブチルエステル、オクチルエステル等)、高級脂肪酸アミド(ステアリン酸アミド、ベヘニン酸アミド等の飽和脂肪族アミド、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド等の不飽和脂肪酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスオレイン酸アミド、エチレンビスエルカ酸アミド、エチレンビスラウリン酸アミド等のビス脂肪酸アミド)、低分子量ポリオレフィン(例えば分子量500〜10,000程度の低分子量ポリエチレン、又は低分子量ポリプロピレン等、又はその酸変性品)、高級アルコール、エステルオリゴマー、フッ化エチレン樹脂等が挙げられ、好適には高級脂肪酸および/またはその金属塩、エステル、アミドが、更に好適には高級脂肪酸金属塩および/または高級脂肪酸アミドが用いられる。
【0024】
かかる滑剤をEVOHペレットの表面に付着させる方法としては、ブレンダー等で滑剤とEVOHペレットをブレンドさせて付着させる方法、滑剤の溶液又は分散液にEVOHペレットを浸せきさせて付着させる方法、EVOHペレットに滑剤の溶液又は分散液をスプレーして付着させる方法等を挙げることができ、好適には、ブレンダー等で滑剤とEVOHペレットをブレンドさせて付着させる方法が採用されるが、この方法に限定されるものではない。
尚、本発明における滑剤の付着量はEVOHペレット100重量部に対して0.001〜1重量部が好ましい。0.001重量部未満および1重量部を越えるとフィード性が悪化して好ましくない。
【0025】
かくして、本発明のEVOHペレットが得られるわけであるが、かかるEVOHペレットには、更に、必要に応じて、可塑剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、着色剤、抗菌剤、フィラー、他樹脂などの添加剤を使用することも可能である。特にゲル発生防止剤として、ハイドロタルサイト系化合物、ヒンダードフェノール系、ヒンダードアミン系熱安定剤を添加することもできる。
また、EVOHとして、異なる2種以上のEVOHを用いることも可能で、このときは、エチレン含有量が5モル%以上異なり、及び/又はケン化度が1モル%以上異なるEVOHのブレンド物を用いることにより、ガスバリヤー性を保持したまま、更に高延伸時の延伸性、真空圧空成形や深絞り成形などの2次加工性が向上するので有用である。
【0026】
かくして得られたEVOHペレットは、溶融成形等により、フィルム、シート、容器、繊維、棒、管、各種成形品等に成形され、又、これらの粉砕品(回収品を再使用する時など)を用いて再び溶融成形に供することもでき、かかる溶融成形方法としては、押出成形法、射出成形法が主として採用される。溶融成形温度は、150〜300℃の範囲から選ぶことが多い。
また、本発明で得られたEVOHペレットは、単層として用いることもできるし、EVOHペレットからなる層の少なくとも片面に熱可塑性樹脂層等を積層して多層積層体として用いることも有用である。
【0027】
該積層体を製造するに当たっては、該EVOHペレットからなる層の片面又は両面に他の基材を積層するのであるが、積層方法としては、例えば該EVOHペレットからなるフィルムやシートに熱可塑性樹脂を溶融押出する方法、逆に熱可塑性樹脂等の基材に該EVOHペレットを溶融押出する方法、該EVOHペレットと他の熱可塑性樹脂とを共押出する方法、更には本発明で得られたEVOHペレットからなるフィルムやシートと他の基材のフィルム、シートとを有機チタン化合物、イソシアネート化合物、ポリエステル系化合物、ポリウレタン化合物等の公知の接着剤を用いてドライラミネートする方法等が挙げられる。
【0028】
共押出の場合の相手側樹脂としては直鎖状低密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマー、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、ポリプロピレン、プロピレン−α−オレフィン(炭素数4〜20のα−オレフィン)共重合体、ポリブテン、ポリペンテン等のオレフィンの単独又は共重合体、或いはこれらのオレフィンの単独又は共重合体を不飽和カルボン酸又はそのエステルでグラフト変性したものなどの広義のポリオレフィン系樹脂、ポリエステル、ポリアミド、共重合ポリアミド、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、アクリル系樹脂、ポリスチレン、ビニルエステル系樹脂、ポリエステルエラストマー、ポリウレタンエラストマー、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン等が挙げられる。他のEVOHも共押出可能である。上記のなかでも、共押出製膜の容易さ、フィルム物性(特に強度)の実用性の点から、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリスチレン、PETが好ましく用いられる。
【0029】
更に、本発明で得られるEVOHペレットから一旦フィルムやシート等の成形物を得、これに他の基材を押出コートしたり、他の基材のフィルム、シート等を接着剤を用いてラミネートする場合、前記の熱可塑性樹脂以外に任意の基材(紙、金属箔、一軸又は二軸延伸プラスチックフィルム又はシート、織布、不織布、金属綿状、木質等)が使用可能である。
【0030】
積層体の層構成は、本発明で得られたEVOHペレットからなる層をa(a1、a2、・・・)、他の基材、例えば熱可塑性樹脂層をb(b1、b2、・・・)とするとき、フィルム、シート、ボトル状であれば、a/bの二層構造のみならず、b/a/b、a/b/a、a1/a2/b、a/b1/b2、b2/b1/a/b1/b2等任意の組み合わせが可能であり、フィラメント状ではa、bがバイメタル型、芯(a)−鞘(b)型、芯(b)−鞘(a)型、或いは偏心芯鞘型等任意の組み合わせが可能である。
【0031】
かくして得られた積層体の形状としては任意のものであってよく、フィルム、シート、テープ、ボトル、パイプ、フィラメント、異型断面押出物等が例示される。又、得られる積層体は必要に応じ、熱処理、冷却処理、圧延処理、印刷処理、ドライラミネート処理、溶液又は溶融コート処理、製袋加工、深絞り加工、箱加工、チューブ加工、スプリット加工等を行うことができる。
上記の如く得られたフィルム、シート或いは容器等は食品、医薬品、工業薬品、農薬等各種の包装材料として有用である。
【0032】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明する。
尚、実施例中「部」、「%」とあるのは特に断りのない限り重量基準を示す。
また、EVOHペレットの細孔含有率と揮発分は以下の方法にて測定した。
【0033】
[細孔含有率の測定方法]
EVOHペレットを電子天秤にて秤量後、セルに入れ、減圧下に水銀を注入して、以下の装置に装着して測定を行った。
装置:ポアサイザー9320(マイクロメリテックス社製)
圧力範囲:約3.7kPa〜200MPa
【0034】
[揮発分の測定方法]
EVOHペレットを電子天秤にて秤量後、150℃に維持された熱風オーブン型乾燥器に入れ、5時間乾燥させた後の重量を同様に秤量して、以下の式から算出した。
【数1】
Figure 0004097103
【0035】
実施例1
EVOH[エチレン含有量35モル%、ケン化度99.5モル%、MI12g/10分(210℃、荷重2160g)]の水/メタノール(水/メタノール=60/40混合重量比)混合溶液(EVOH濃度40%)を10kg/時の速度で、メタノール5%と水95%よりなる25℃に維持された凝固浴槽に円筒形のノズルよりストランド状に押し出し、凝固浴槽の端部に付設された引き取りローラーにより、凝固浴槽中に10分間接触させた後、ストランドを凝固浴槽から引き出した。次いで、該ストランドをカッターで切断して、直径3.8mm、長さ4mmの白色の多孔性のペレットを得た。次いで、かかるペレットを50℃の温水で洗浄して、続いて30℃の酢酸水溶液で洗浄して、含水率56%の多孔性ペレットを得た。更にかかる多孔性ペレットを回分式通気箱型乾燥器にて、温度70℃、水分含有率6%の窒素ガスを通過させて12時間乾燥を行って、含水率を35%とした後に、回分式塔型流動層乾燥器を用いて、温度120℃、水分含有率4%の窒素ガスで18時間乾燥を行ってEVOHペレットを得た。
得られたEVOHペレットは、平均径0.01〜50μmの細孔を0.035cc/g(更に1〜50μmの細孔を0.004cc/g)の割合で含有するものであった。
【0036】
次いで、かかるEVOHペレット100部に対して、オレイン酸アミド(アルフローE−10/日本油脂社製)0.05部を添加して、円筒型ブレンダーにて30分間混合して、表面に滑剤を付着させて、揮発分0.3%の本発明のEVOHペレットを得た。
得られたEVOHペレットを用いて、下記の条件で3時間製膜を行って、トルク変動、吐出量変動、膜厚変化について、以下の要領で評価を行った。
【0037】
[単軸押出機にによる製膜条件]
Figure 0004097103
【0038】
(トルク変動)
連続製膜中の押出機のモーター負荷(スクリュー回転数60rpm)時のスクリュートルクA(アンペア)を連続的に測定して、その変動を調べて、以下の通り評価した。
○ −−− ±5%未満の変動
△ −−− ±5〜±10%未満の変動
× −−− ±10%以上の変動
【0039】
(吐出量変動)
連続製膜中の押出機からのEVOHの吐出量を1分毎に測定して、その変動を調べて、以下の通り評価した。
○ −−− ±2%未満の変動
△ −−− ±2〜±5%未満の変動
× −−− ±5%以上の変動
【0040】
(膜厚変化)
MD方向のフィルムの厚みを連続的に測定して、膜厚40μmを中心値として、膜厚の変化比を求めて、以下の通り評価した。
○ −−− ±5%未満の変化比
△ −−− ±5〜±10%未満の変化比
× −−− ±10%以上の変化比
【0041】
実施例2
EVOH[エチレン含有量35モル%、ケン化度99.2モル%、MI3.5g/10分(210℃、荷重2160g)]の水/メタノール(水/メタノール=50/50混合重量比)混合溶液(EVOH濃度35%)を10kg/時の速度で、メタノール5%と水95%よりなる18℃に維持された凝固浴槽に円筒形のノズルよりストランド状に押し出し、凝固浴槽の端部に付設された引き取りローラーにより、凝固浴槽中に210秒接触させた後、ストランドを凝固浴槽から引き出した。次いで、該ストランドをカッターで切断して、直径3.8mm、長さ4.0mmの白色の多孔性のペレットを得た。次いで、かかるペレットを40℃の温水で洗浄後、30℃の酢酸水溶液中で5時間攪拌して、含水率40%の多孔性ペレットを得た。更にかかる多孔性ペレットを回分式塔型流動層乾燥器にて、温度85℃、水分含有率4%の窒素ガスを通過させて110分間乾燥を行って、含水率を25%とした後に、回分式通気箱型乾燥器を用いて、温度120℃、水分含有率4%の窒素ガスで32時間乾燥を行ってEVOHペレットを得た。
得られたEVOHペレットは、平均径0.01〜50μmの細孔を0.031cc/g(更に1〜50μmの細孔を0.003cc/g)の割合で含有するものであった。
【0042】
次いで、かかるEVOHペレット100部に対して、エチレンビスステアリン酸アミド(アルフローH50T/日本油脂社製)0.03部を添加して、円筒型ブレンダーにて30分間混合して、表面に滑剤を付着させて、揮発分0.2%の本発明のEVOHペレットを得た。
得られたEVOHペレットについて、実施例1と同様に評価を行った。
【0043】
実施例3
EVOH[エチレン含有量42モル%、ケン化度99.6モル%、MI8.0g/10分(210℃、荷重2160g)]の水/メタノール(水/メタノール=45/55混合重量比)混合溶液(EVOH濃度32%)を10kg/時の速度で、メタノール3%と水97%よりなる16℃に維持された凝固浴槽に円筒形のノズルよりストランド状に押し出し、凝固浴槽の端部に付設された引き取りローラーにより、凝固浴槽中に205秒接触させた後、ストランドを凝固浴槽から引き出した。次いで、該ストランドをカッターで切断して、直径4.1mm、長さ4.2mmの白色の多孔性のペレットを得た。次いで、かかるペレットを50℃の温水で洗浄して、含水率60%の多孔性ペレットを得た。更にかかる多孔性ペレットを回分式塔型流動層乾燥器にて、温度80℃、水分含有率6%の窒素ガスを通過させて3時間乾燥を行って、含水率を25%とした後に、回分式通気箱型乾燥器を用いて、温度120℃、水分含有率4%の窒素ガスで32時間乾燥を行ってEVOHペレットを得た。
得られたEVOHペレットは、平均径0.01〜50μmの細孔を0.042cc/g(更に1〜50μmの細孔を0.005cc/g)の割合で含有するものであった。
【0044】
次いで、かかるEVOHペレット100部に対して、ステアリン酸マグネシウム(日本油脂社製)0.02部を添加して、円筒型ブレンダーにて35分間混合して、表面に滑剤を付着させて、揮発分0.1%の本発明のEVOHペレットを得た。
得られたEVOHペレットについて、実施例1と同様に評価を行った。
【0045】
比較例1
実施例1で得られた平均径0.01〜50μmの細孔を0.035cc/g(1〜50μmの細孔を0.004cc/g)の割合で含有するEVOHペレットについて、表面に滑剤を添加することなしに実施例1と同様に評価を行った。
【0046】
比較例2
EVOH[エチレン含有量35モル%、ケン化度99.5モル%、MI12g/10分(210℃、荷重2160g)]の水/メタノール(水/メタノール=40/60混合重量比)混合溶液(EVOH濃度40%)を10kg/時の速度で、メタノール5%と水95%よりなる17℃に維持された凝固浴槽に円筒形のノズルよりストランド状に押し出し、凝固浴槽の端部に付設された引き取りローラーにより、凝固浴槽中に180秒接触させた後、ストランドを凝固浴槽から引き出した。次いで、該ストランドをカッターで切断して、直径3.8mm、長さ4mmの白色の多孔性のペレットを得た。次いで、かかるペレットを30℃の温水で洗浄して、含水率67%の多孔性ペレットを得た。更にかかる多孔性ペレットを回分式通気箱型乾燥器にて、温度80℃、水分含有率2%の窒素ガスを通過させて12時間乾燥を行って、含水率を30%とした後に、回分式塔型流動層乾燥器を用いて、温度120℃、水分含有率0.6%の窒素ガスで3時間乾燥を行ってEVOHペレットを得た。
得られたEVOHペレットは、平均径0.01〜50μmの細孔を0.018cc/g(更に1〜50μmの細孔を0.002cc/g)の割合で含有するものであった。
【0047】
次いで、かかるEVOHペレットの表面に実施例1と同様にして、表面に滑剤を付着させて、揮発分0.3%のEVOHペレットを得た。
得られたEVOHペレットについて、実施例1と同様に評価を行った。
実施例及び比較例の評価結果を表1にまとめて示す。
【0048】
【表1】
Figure 0004097103
【0049】
【発明の効果】
本発明のEVOHペレットは、その表面に特定の細孔を有したペレットの表面に滑剤を付着させているため、溶融成形時に押出機へのフィード性に優れ、成形中の押出機のトルク変動と吐出変動が少なく、形状や厚み等の寸法精度に優れた成形物を得ることができ、更には各種の積層体とすることもでき、食品や医薬品、農薬品、工業薬品包装用のフィルム、シート、チューブ、袋、容器等の用途に非常に有用である。

Claims (4)

  1. 平均径0.01〜50μmの細孔を0.02cc/g以上の割合で含有するエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物ペレットの表面に滑剤が付着してなることを特徴とするエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物ペレット。
  2. 滑剤が高級脂肪酸および/またはその金属塩、エステル、アミドから選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1記載のエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物ペレット。
  3. 滑剤の付着量がエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物100重量部に対して0.001〜1重量部であることを特徴とする請求項1〜いずれか記載のエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物ペレット。
  4. エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物の溶液を凝固液中で析出させた後、乾燥処理されて得られたことを特徴とする請求項1〜いずれか記載のエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物ペレット。
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