JP4107446B2 - エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物ペレットの乾燥方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、溶融成形性に優れたエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物ペレットを得るためのEVOHペレットの乾燥方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物(以下EVOHと略記する)は透明性、ガスバリヤー性、保香性、耐溶剤性、耐油性などに優れており、かかる特性を生かして、食品包装材料、医薬品包装材料、工業薬品包装材料、農薬包装材料等のフィルムやシート、或いはボトル等の容器等に成形されて利用されている。
EVOHは、エチレンと酢酸ビニルを共重合し、エチレン−酢酸ビニル共重合体を得て、更にケン化して得られ、通常該EVOHのアルコール溶液もしくはアルコール/水の混合溶液をストランド状に成形し、該ストランドを切断してペレットとし、次に乾燥して製品ペレットとなるが、該ペレットの乾燥方法については、例えば、特公昭46−37665号公報には、EVOHを不活性ガスで酸素含有率5%以下の雰囲気下に95℃以下で撹拌を伴う流動乾燥を行うことが開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、該流動乾燥のみでは、EVOHのフィッシュアイの減少については効果が見られるものの、溶融成形時のトルク変動、吐出量の変化が大きく、更には成形物の厚みの均一性について欠点があることが明らかになった。現在、市場からはこれらの溶融成形性に優れたEVOHペレットが得られる乾燥方法が望まれている。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者は上記の問題を解決するため鋭意研究を重ねた結果、アルコール溶液もしくはアルコール/水の混合溶液に溶解させられたEVOHペーストをストランド状に成形し、該ストランドを切断して得られたペレットを乾燥する際に、静置乾燥と流動乾燥を組み合わせて用い、(1)エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物ペレットの含水率が静置乾燥前で20〜80重量%、静置乾燥後で10〜70重量%であり、かつ静置乾燥前後のエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物ペレットの含水率差が3.0重量%以上であるか、または(2)エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物ペレットの含水率が流動乾燥前で20〜80重量%、流動乾燥後で5.0〜60重量%であり、かつ流動乾燥前後のエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物ペレットの含水率差が5.0重量%以上である乾燥方法を採用することにより、目的とするEVOHペレットが得られることを見出し本発明を完成するに到った。
【0005】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明に用いるEVOHとしては、特に限定されないが、エチレン含有量が20〜60モル%(更には25〜55モル%)、ケン化度が90モル%以上(更には95モル%以上)のものが好ましく、該エチレン含有量が、20モル%未満では溶融成形物の高湿時のガスバリアー性が大きく低下し、逆に60モル%を越える場合や、該ケン化度が90モル%未満の場合には、ガスバリアー性や耐薬品性が低下して好ましくない。
【0006】
本発明に用いるEVOHには、少量の変性成分として、例えば不飽和カルボン酸、その無水物、塩、エステルやα−オレフィン類、ビニルエーテル、ビニルシラン、ニトリル、アミド類をはじめ任意の変性重合成分が含まれていても良い。又、本発明においては、エチレン含有量及びケン化度が上記の如き範囲のEVOHであれば、単独で用いても、異なる組成のEVOHを2種以上併用して用いてもよい。
【0007】
本発明で乾燥に用いられるEVOHは、EVOHのメタノール等のアルコール溶液もしくはアルコール/水の混合溶液をストランド状に成形し、該ストランドを切断してペレット化したものであれば特に制限されないが、含水率が20〜80重量%(更には30〜70重量%)になるように調整したものが好ましい。
上記において、含水率が20重量%未満では、本発明の効果が見られず、逆に80重量%を越えると静置乾燥あるいは流動乾燥させる段階でペレットが融着を起こす場合があり好ましくない。
【0008】
本発明では該ペレットを乾燥する際に、静置乾燥と流動乾燥を組み合わせて用いることを最大の特徴とするもので、該静置乾燥とは、実質的にEVOHペレットが撹拌、分散などの動的な作用を与えられずに行われる乾燥を意味し、該乾燥を行うための乾燥器としては特に限定されないが、材料静置型としては回分式通気流箱型乾燥器が、材料移送型としてはバンド乾燥器、トンネル乾燥器、竪型乾燥器等が挙げられる。
【0009】
又、流動乾燥とは実質的にEVOHペレットが機械的にもしくは熱風により撹拌分散されながら行われる乾燥を意味し、該乾燥を行うための乾燥器としては、円筒・溝型撹拌乾燥器、円筒乾燥器、(塔型、箱型)回転乾燥器、(半連続式2段、連続横型多室式、連続多孔板多段)流動層乾燥器、振動流動層乾燥器、円錐回転型乾燥器等が挙げられる。
【0010】
静置乾燥と流動乾燥はどちらを先に行ってもよく、静置乾燥を行った後、流動乾燥を行ったり、流動乾燥を行った後、静置乾燥を行ってもよいが、まず静置乾燥を行った後、流動乾燥を行う方法について述べる。
【0011】
静置乾燥に用いられる加熱ガスとしては空気または不活性ガス(窒素ガス、ヘリウムガス、アルゴンガス等)が用いられ、該加熱ガスの温度としては100℃以下が好ましく、更には40〜95℃、特には60〜90℃である。
【0012】
この時の乾燥器内の加熱ガスの通過速度は1.0m/sec未満とすることが好ましく、更には0.01〜0.6m/secである。かかる通過速度が1.0m/secを越えるとペレットを静置状態に保つことが困難となり好ましくない。
【0013】
また、静置乾燥の時間としては10分〜48時間が好ましく、更には30分〜36時間である。
上記の静置乾燥によりEVOHの含水率が10〜70重量%(更には15〜60重量%)になるように乾燥を行い、かつ静置乾燥前の含水率より3.0重量%以上(更には5.0〜30重量%)低くするのが好ましい。
EVOHの上記含水率が10重量%未満では後述する流動乾燥後の製品を溶融成形した場合フィッシュアイが発生することがあり、逆に70重量%を越えると流動乾燥後の製品を溶融成形した場合に吐出変動等が起こり易く安定した成形が出来ない場合があり好ましくない。
また、静置乾燥前の含水率よりも3.0重量%未満の含水率の低下では、本発明の効果を得ることが困難となる傾向がある。
【0014】
上記の静置乾燥を行った後、流動乾燥が行われる。該流動乾燥としては、EVOHペレットが機械的もしくは熱風により撹拌分散されながら流動乾燥が行われる方法であれば特に制限はなく、該流動乾燥に用いられる加熱ガスとしては不活性ガス(窒素ガス、ヘリウムガス、アルゴンガス等)が用いられ、該加熱ガスの温度としては、80℃以上が好ましく、更には90〜150℃である。
【0015】
また、乾燥器内の加熱ガスの通過速度は0.7〜10m/secとすることが好ましく、更には0.7〜5.0m/sec、特には1.0〜3.0m/secで、かかる通過速度が0.7m/sec未満ではペレット間の均一な水分調整が難しい上にペレットの融着が起こる場合があり、逆に10m/secを越えると微粉やペレットの欠けが発生しやすくなって好ましくない。
【0016】
また、流動乾燥の時間としては10分〜48時間が好ましく、更には30分〜24時間である。
【0017】
上記の流動乾燥によりEVOHの含水率が0.001〜2.0重量%(更には0.01〜1.0重量%)になるように調整するのが好ましい。
かかる含水率が0.001重量%未満ではロングラン成形性が低下する傾向にあり、逆に2.0重量%を越えると成形品中に水の発泡が発生しやすくなり好ましくない。
【0018】
次に流動乾燥を行った後、静置乾燥を行う方法について述べる。
まず流動乾燥に用いられる加熱ガスとしては空気または不活性ガス(窒素ガス、ヘリウムガス、アルゴンガス等)が用いられ、該加熱ガスの温度としては、95℃以下が好ましく、更には40〜90℃、特には55〜90℃である。
【0019】
このときの乾燥器内の加熱ガスの通過速度は0.7〜10m/secとすることが好ましく、更には0.7〜5.0m/sec、特には1.0〜3.0m/secで、かかる通過速度が0.7m/sec未満ではペレットの融着が起こりやすく、逆に10m/secを越えると微粉やペレットの欠けが発生しやすくなって好ましくない。
また、流動乾燥の時間としては5分〜36時間が好ましく、更には10分〜24時間である。
【0020】
上記の流動乾燥によりEVOHの含水率が5.0〜60重量%(更には10〜55重量%)になるように乾燥を行い、かつ流動乾燥前の含水率より5.0重量%以上(更には10〜45重量%)低くするのが好ましい。かかる含水率が5.0重量%未満では後述する静置乾燥後の製品を溶融成形した場合に吐出変動が起こり易く、逆に60重量%を越えると静置乾燥時にペレットの融着が起こりやすく、静置乾燥後の製品を溶融成形した場合にフィッシュアイが発生することがあり好ましくない。又、流動乾燥前の含水率よりも5.0重量%未満の含水率の低下では、本発明の効果を得ることが困難となる傾向がある。
【0021】
上記の流動乾燥を行った後、静置乾燥が行われる。静置乾燥に用いられる加熱ガスとしては不活性ガス(窒素ガス、ヘリウムガス、アルゴンガス等)が用いられ、該加熱ガスの温度としては75℃以上が好ましく、更には85〜150℃である。
【0022】
このときの乾燥器内のガスの通過速度は1.0m/sec未満とすることが好ましく、更には0.01〜0.5m/secである。かかる通過速度が1m/secを越えるとペレットを静置状態に保つことが困難となり好ましくない。
【0023】
また、静置乾燥の時間としては10分〜72時間が好ましく、更には1.0〜48時間である。
上記の静置乾燥によりEVOHの含水率が0.001〜2.0重量%(更には0.01〜1.0重量%)になるようにするのが好ましい。含水率が0.001重量%未満ではロングラン成形性が低下する傾向にあり、2.0重量%を越えると成形品に水の発泡が発生しやすくなり好ましくない。
【0024】
かくして得られたEVOHペレットは、成形物の用途に多用され、溶融成形等によりペレット、フィルム、シート、容器、繊維、棒、管、各種成形品等に成形され、又、これらの粉砕品(回収品を再使用する時など)やペレットを用いて再び溶融成形に供することが多い。
【0025】
溶融成形方法としては、押出成形法(T−ダイ押出、インフレーション押出、ブロー成形、溶融紡糸、異型押出等)、射出成形法が主として採用される。溶融成形温度は、150〜300℃の範囲から選ぶことが多い。
また、該EVOHペレットは、積層体用途にも多用され、特にEVOHからなる層の少なくとも片面に熱可塑性樹脂層を積層してなる積層体として用いられる。
【0026】
該積層体を製造するに当たっては、EVOHの層の片面又は両面に他の基材を積層するのであるが、積層方法としては、例えば該EVOHのフィルム、シートに熱可塑性樹脂を溶融押出する方法、逆に熱可塑性樹脂等の基材に該EVOHを溶融押出する方法、該EVOHと他の熱可塑性樹脂とを共押出する方法、更には本発明で得られたEVOHのフィルム、シートと他の基材のフィルム、シートとを有機チタン化合物、イソシアネート化合物、ポリエステル系化合物、ポリウレタン化合物等の公知の接着剤を用いてドライラミネートする方法等が挙げられる。
【0027】
共押出の場合の相手側樹脂としては直鎖状低密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマー、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、ポリプロピレン、プロピレン−α−オレフィン(炭素数4〜20のα−オレフィン)共重合体、ポリブテン、ポリペンテン等のオレフィンの単独又は共重合体、或いはこれらのオレフィンの単独又は共重合体を不飽和カルボン酸又はそのエステルでグラフト変性したものなどの広義のポリオレフィン系樹脂、ポリエステル、ポリアミド、共重合ポリアミド、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、アクリル系樹脂、ポリスチレン、ビニルエステル系樹脂、ポリエステルエラストマー、ポリウレタンエラストマー、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン等が挙げられる。EVOHも共押出可能である。上記のなかでも、共押出製膜の容易さ、フィルム物性(特に強度)の実用性の点から、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリスチレン、PETが好ましく用いられる。
【0028】
更に、本発明で得られるEVOHペレットから一旦フィルム、シート等の成形物を得、これに他の基材を押出コートしたり、他の基材のフィルム、シート等を接着剤を用いてラミネートする場合、前記の熱可塑性樹脂以外に任意の基材(紙、金属箔、一軸又は二軸延伸プラスチックフィルム又はシート、織布、不織布、金属綿状、木質等)が使用可能である。
【0029】
積層体の層構成は、EVOHの層をa(a1、a2、・・・)、他の基材、例えば熱可塑性樹脂層をb(b1、b2、・・・)とするとき、フィルム、シート、ボトル状であれば、a/bの二層構造のみならず、b/a/b、a/b/a、a1/a2/b、a/b1/b2、b2/b1/a/b1/b2等任意の組み合わせが可能であり、フィラメント状ではa、bがバイメタル型、芯(a)−鞘(b)型、芯(b)−鞘(a)型、或いは偏心芯鞘型等任意の組み合わせが可能である。
【0030】
該積層体は、そのまま各種形状のものに使用されるが、更に該積層体の物性を改善するためには延伸処理を施すことも好ましく、かかる延伸については、一軸延伸、二軸延伸のいずれであってもよく、できるだけ高倍率の延伸を行ったほうが物性的に良好で、延伸時にピンホールやクラック、延伸ムラ、デラミ等の生じない延伸フィルムや延伸シート等が得られる。
【0031】
延伸方法としては、ロール延伸法、テンター延伸法、チューブラー延伸法、延伸ブロー法等の他、深絞成形、真空成形等のうち延伸倍率の高いものも採用できる。二軸延伸の場合は同時二軸延伸方式、逐次二軸延伸方式のいずれの方式も採用できる。延伸温度は80〜170℃、好ましくは100〜160℃の範囲から選ばれる。
【0032】
かくして延伸が終了した後、次いで熱固定を行う。熱固定は周知の手段で実施可能であり、上記延伸フィルムを緊張状態を保ちながら80〜170℃、好ましくは100〜160℃で2〜600秒間程度熱処理を行う。
また、生肉、加工肉、チーズ等を熱収縮包装する用途に用いる場合は、延伸後の熱固定は行わなず製品フィルムとし、上記生肉、加工肉、チーズ等を該フィルムに収納して、50〜130℃好ましくは70〜120℃で2〜300秒程度の熱処理を行って、該フィルムを熱収縮させて密着包装する。
【0033】
かくして得られた積層体の形状としては任意のものであってよく、フィルム、シート、テープ、ボトル、パイプ、フィラメント、異型断面押出物等が例示される。又、得られる積層体は必要に応じ、熱処理、冷却処理、圧延処理、印刷処理、ドライラミネート処理、溶液又は溶融コート処理、製袋加工、深絞り加工、箱加工、チューブ加工、スプリット加工等を行うことができる。
上記の如く得られたフィルム、シート或いは容器等は食品、医薬品、工業薬品、農薬等各種の包装材料として有用である。
【0034】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明する。
尚、例中、「部」、「%」とあるのは、特に断りのない限り重量基準を意味する。
実施例1
液温50℃に調整したEVOH[エチレン含有量35モル%、ケン化度99.5モル%]のメタノール/水〔50/50(重量比)〕の混合溶液を孔径4mmのノズルより5℃に維持された水槽にストランド状に押し出した。凝固終了後、水槽の端部に付設された引き取りローラーを経て、ストランド状物をカッターで切断し、直径4mm、長さ4mmのペレット(1)を得て、更に該ペレット(1)を30℃の温水で洗浄後、酢酸水溶液中に投入して、4時間撹拌して、含水率50%のEVOHペレット(2)を得た後、下記の静置乾燥工程及び流動乾燥工程を経て乾燥ペレットを得た。
<静置乾燥工程>
得られたペレット(2)を回分式通気流箱型乾燥器にて80℃の窒素ガスを通過速度0.5m/secで通過させ、12時間乾燥を行って含水率30%のペレット(3)を得た。静置乾燥前後の含水率差は20%であった。
<流動乾燥工程>
次いで、上記ペレット(3)を、回分式塔型流動層乾燥器120℃の窒素ガスを通過速度2.5m/secで通過させ、12時間乾燥を行って含水率0.2%の乾燥ペレットを得た。
得られた乾燥ペレットを以下の条件で製膜し、フィルムを得た。又96時間連続運転を行って、その時のトルク変動、吐出量変化、膜厚変化を評価した。
【0035】
(単軸押出機による製膜条件)
【0036】
(トルク変動)
連続製膜中の押出機モーター負荷(スクリュー回転数40rpm)でのスクリュートルクA(アンペア)の変動を以下のとおり評価した。
○・・・±5%未満の変動
△・・・±5〜±10%未満の変動
×・・・±10%以上の変動
【0037】
(吐出量変化)
連続製膜中の押出機(40rpm)での吐出量の変動を以下のとおり評価した。
○・・・±5%未満の変動
△・・・±5〜±10%未満の変動
×・・・±10%以上の変動
(膜厚変化)
MD方向のフィルムの厚みを1時間毎に測り、40μmを中心値として変動比を求めて、以下のとおり評価した。
○・・・±5%未満の変動比
△・・・±5〜±10%未満の変動比
×・・・±10%以上の変動比
上記各項目の評価結果を表1に示した。
【0038】
実施例2
実施例1と同様にして、ペレット(2)を得、以下の流動乾燥工程、静置乾燥工程の順序で乾燥を行って、乾燥ペレットを得た。
<流動乾燥工程>
実施例1で得られたペレット(2)を、回分式塔型流動層乾燥器により、75℃の窒素ガスを通過速度2.0m/secで通過させ、3時間乾燥を行って含水率20%のペレット(3)を得た。流動乾燥前後の含水率差は30%であった。<静置乾燥工程>
次いで、得られたペレット(3)を回分式通気流箱型乾燥器にて125℃の窒素ガスを、通過速度0.3m/secで通過させ、18時間乾燥を行って含水率0.3%の乾燥ペレットを得た。
得られた乾燥ペレットを実施例1と同様に製膜、評価し、結果を表1に示した。
【0039】
比較例1
実施例1において、流動乾燥工程を省略し、静置乾燥工程を以下の条件で実施して乾燥ペレットを得た。
<静置乾燥工程>
実施例1で得られたペレット(2)を回分式通気流箱型乾燥器にて105℃の窒素ガスを通過速度0.8m/secで通過させ、48時間乾燥を行って含水率0.3%の乾燥ペレットを得た。
得られた製品ペレットを実施例1と同様に製膜して実施例1と同様に評価し、評価結果を表1に示す。
【0040】
比較例2
実施例2において、静置乾燥工程を省略し、流動乾燥工程を以下の条件で実施して乾燥ペレットを得た。
<流動乾燥工程>
実施例1で得られたペレット(2)を、回分式塔型流動層乾燥器にて110℃の窒素ガスを、通過速度3.0m/secで通過させ、20時間乾燥を行って含水率0.2%の乾燥ペレットを得た。
得られた乾燥ペレットを実施例1と同様に製膜、評価し、評価結果を表1に示す。
【0041】
【表1】
【0042】
【発明の効果】
本発明では、EVOHのアルコール溶液もしくはアルコール/水の混合溶液をストランド状に成形し、該ストランドを切断して得られたペレットを乾燥する際に、静置乾燥と流動乾燥を組み合わせて用い、(1)エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物ペレットの含水率が静置乾燥前で20〜80重量%、静置乾燥後で10〜70重量%であり、かつ静置乾燥前後のエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物ペレットの含水率差が3.0重量%以上であるか、または(2)エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物ペレットの含水率が流動乾燥前で20〜80重量%、流動乾燥後で5.0〜60重量%であり、かつ流動乾燥前後のエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物ペレットの含水率差が5.0重量%以上である乾燥方法を採用しているので、得られたEVOHは、溶融成形時のトルク変動や吐出量変化が少なく、更には厚みの均一性に優れたフィルムやシート等に成形することができ、食品や医薬品、農薬品、工業薬品包装用のフィルム、シート、チューブ、袋、容器等の用途に非常に有用である。
Claims (4)
- エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物のアルコール溶液もしくはアルコール/水の混合溶液をストランド状に成形し、該ストランドを切断して得られたペレットを乾燥する際に、静置乾燥と流動乾燥を組み合わせて用い、(1)エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物ペレットの含水率が静置乾燥前で20〜80重量%、静置乾燥後で10〜70重量%であり、かつ静置乾燥前後のエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物ペレットの含水率差が3.0重量%以上であるか、または(2)エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物ペレットの含水率が流動乾燥前で20〜80重量%、流動乾燥後で5.0〜60重量%であり、かつ流動乾燥前後のエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物ペレットの含水率差が5.0重量%以上であることを特徴とするエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物ペレットの乾燥方法。
- 静置乾燥を100℃下の加熱ガスと接触させて行い、かつ流動乾燥を80℃以上の加熱ガスと接触させて行うことを特徴とする請求項1記載のエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物ペレットの乾燥方法。
- 流動乾燥を95℃以下の加熱ガスと接触させて行い、かつ静置乾燥を75℃以上の加熱ガスと接触させて行うことを特徴とする請求項1記載のエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物ペレットの乾燥方法。
- エチレン含有量が20〜60モル%、ケン化度が90モル%以上のエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物であることを特徴とする請求項1〜3いずれか記載のエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物ペレットの乾燥方法。
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