JP4527208B2 - 樹脂組成物の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物(以下、EVOHと略記する)の樹脂組成物に関し、更に詳しくは、生産性やガスバリヤー性、外観特性に優れた樹脂組成物の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、EVOHは、透明性、帯電防止性、耐油性、耐溶剤性、ガスバリヤー性、保香性等に優れており、又、溶融成形可能な熱可塑性樹脂であり、食品包装等、種々の包装材料用途に用いられている。
しかし、EVOHは外部の湿度や温度という環境の変化によりガスバリヤー性や機械物性が大きく変化し、高湿度の環境下ではガスバリヤー性が低下するという欠点を有している。
【0003】
これに対して、近年ではEVOHと水膨潤性無機化合物とのブレンド物が、ガスバリヤー性の改善を目的として注目を浴びており、例えば、特開平5−39392号公報には、水の存在下にEVOHと水膨潤性フィロケイ酸塩を混合することが記載されている。
又、特開平10−158412号公報には、粘土鉱物を添加したビニルアルコール共重合体を加熱して溶融物を得る加熱工程と、該溶融物を混練する混練工程と、該溶融物に水を添加する水添工程よりなる粘土複合材料の製造方法が記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする問題点】
しかしながら、本発明者等が詳細に検討した結果、上記特開平5−39392号公報開示技術では、EVOHを溶液の状態で水膨潤性フィロケイ酸塩と混合するため、EVOHを溶剤に溶解させる工程が必要であったり、更に、水の存在下に水膨潤性フィロケイ酸塩を投入し、更にEVOHの水/アルコール溶液を加えるため、いわゆるママコが発生しやすく、そのため均一に分散することができず、又、均一分散させるにはかなりの時間を必要とすることになり生産性が悪くなることが判明した。
【0005】
又、安定して良好なガスバリヤー性を得るためには、粘土鉱物を水に充分膨潤させる必要があるにも関わらず、特開平10−158412号公報開示技術では、添加する水の量がEVOH100重量部に対して10重量部以下であるため、粘土鉱物が充分に膨潤することができず、安定して均一に混合するはできなくなり、良好なガスバリヤー性や外観特性を得ることができないことが判明した。そこで、このような背景下において、本発明では、生産性に優れ、更にガスバリヤー性や外観特性に優れたペレットの製造方法を提供することを目的とするものである。
【0006】
【問題点を解決するための手段】
本発明者等は上記の事情に鑑みて鋭意研究を重ねた結果、含水率25〜50重量%のEVOHと水膨潤性層状無機化合物を100℃以下で溶融混合するペレットの製造方法が上記目的に合致することを見いだし本発明を完成した。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明を詳細に説明する。
本発明に用いるEVOHとしては、エチレン含量5〜60モル%、好ましくは10〜60モル%、更に好ましくは20〜55モル%、酢酸ビニル成分のケン化度が90モル%以上、好ましくは95モル%以上のものが好適に用いられ、エチレン含量が5モル%未満では耐水性が不十分となり、一方60モル%を越えるとガスバリヤー性が低下して好ましくない。又、ケン化度が90モル%未満では耐水性が不十分となって好ましくない。
【0008】
又、該EVOHのメルトインデックス(MI)としては、1〜100g/10分(210℃、荷重2160g)が好ましく、より好ましくは2〜50g/10分(210℃、荷重2160g)である。該メルトインデックス(MI)が1g/10分未満では溶融加工時に負荷が大きくなりすぎ、加工に支障をきたすこととなり、100g/10分を越えると溶融時に粘度が低くなりすぎ、垂れが起こりフィルム等の成形ができなくなり好ましくない。
【0009】
又、該EVOHは更に少量のプロピレン、イソブテン、α−オクテン、α−ドデセン、α−オクタデセン等のα−オレフィン、不飽和カルボン酸又はその塩・部分アルキルエステル・完全アルキルエステル・ニトリル・アミド・無水物、不飽和スルホン酸又はその塩、ビニルシラン化合物、塩化ビニル、スチレン等のコモノマーを含んでいても差支えない。又、本発明の範囲で、ウレタン化、アセタール化、シアノエチル化、アセタール化、シアノエチル化等「後変性」にされても差し支えない。
【0010】
本発明では、上記EVOHに水を含有せしめて含水率25〜50重量%、より好ましくは25〜40重量%のEVOHとする必要がある。かかる含水率が25重量%未満では水膨潤性層状無機化合物が充分に膨潤しないためEVOH中で微分散せずガスバリヤー性改善効果が得られず、50重量%を越えると加工時にEVOHから多量の水が吹き出し加工できなくなり本発明の効果を発揮しない。
【0011】
EVOHに水を含有させる方法としては、特に制限されないが、EVOH中に水を均一に含有させることが好ましく、かかる方法としては、EVOHの溶液を水中で析出させ充分に水洗して溶剤を除去し水を含有させる方法や、加圧熱水中でEVOHを1〜3時間程度処理する方法、EVOHの製造時にエチレン−酢酸ビニル共重合体のケン化後のペーストを水中で析出させて水を含有させる方法等が挙げられる。中でも特にEVOH製造時にエチレン−酢酸ビニル共重合体のケン化後のペーストを水中で析出させる方法が好ましく用いられる。
尚、EVOHと水を単に混合しただけでは、EVOH中に水が均一に含まれないため、本発明の効果を発揮することはできない。
【0012】
本発明に用いる水膨潤性層状無機化合物としては、特に制限されることなく、スメクタイトやバーミキュライト等の粘土鉱物、更には合成マイカ等が挙げられ、前者のスメクタイトの具体例としてはモンモリロナイト、バイデライト、ノントロナイト、サポナイト、ヘクトライト、ソーコナイト、スチブンサイト等が挙げられる。これらは天然のものであっても、合成されたものでもよい。これらの中でもスメクタイト、特にその中でもモンモリロナイトが好ましい。又、Na型フッ素四ケイ素雲母、Na型テニオライト、Li型テニオライト、Na型ヘクトライト等の水膨潤性フッ素雲母系鉱物等も好ましく用いられる。
【0013】
該水膨潤性層状無機化合物の膨潤力は、20℃において、水/アルコール=70/30(重量比)の混合溶剤に対して、30ml/2g以上、好ましくは40ml/2g以上、更に好ましくは、50ml/2g以上であることが好ましく、30ml/2g未満ではガスバリヤー性が不充分となり好ましくない。
尚、水膨潤性層状無機化合物の膨潤力は、日本ベントナイト工業会 標準試験方法容積法により測定されるものである。
【0014】
本発明では、上記の含水率25〜50重量%のEVOHと水膨潤性層状無機化合物を溶融混合することが特徴であり、この時の溶融混合温度は100℃以下、好ましくは70〜90℃の範囲から選ぶことが好ましい。該温度が100℃を越えると樹脂から多量の水が放出され、水膨潤性層状無機化合物とEVOHが混合されなくなり好ましくない。
【0015】
又、溶融混合される水膨潤性層状無機化合物の量は、EVOH100重量部(固形分)に対して、2〜20重量部であることが好ましく、より好ましくは3〜10重量部である。かかる量が2重量部未満ではガスバリヤー性の改善効果が少なく、20重量部を越えるとフィルム等の成形物の外観が悪化し好ましくない。
【0016】
溶融混合については、100℃以下で行なう。例えば上記の含水率25〜50重量%のEVOH(含水EVOH)を二軸押出機に投入し、100℃以下の温度で溶融させ、そこへ上記水膨潤性層状無機化合物を添加し、更に混練りして、含水EVOHと水膨潤性層状無機化合物を混合する方法が挙げられる。かくして上記含水EVOHと水膨潤性層状無機化合物を溶融混合した後、必要に応じて含水率が0.5重量%以下、好ましくは0.1〜0.3重量%になるまで乾燥して目的とする樹脂組成物が得られるのである。
【0017】
又、本発明では、本発明の目的が阻害されない範囲内で、他の熱可塑性樹脂(ポリオレフィン、ポリアミド、ポリエステル、ポリスチレン、EVOH等)、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリンなどの可塑剤、熱安定化剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、着色剤、無機・有機充填剤(水膨潤性層状無機化合物を除く)、乾燥剤、帯電防止剤、滑剤、抗菌剤等を適宜配合することも可能である。又、ゲル化防止剤として、ハイドロタルサイト系化合物、ヒンダードフェノール系又はヒンダードアミン系熱安定剤、高級脂肪族カルボン酸の金属塩を添加することもできる。
【0018】
かくして本発明の製造方法で得られた樹脂組成物は成形物の用途に多用され、溶融成形等により、ペレット、フィルム、シート、容器、繊維、棒、管、各種成形品等に成形され、又、これらの粉砕品(回収品を再使用する時など)やペレットを用いて再び溶融成形に供することもできる。
溶融成形としては、押出成形法(T−ダイ押出、インフレーション押出、ブロー成形、溶融紡糸、異型押出等)、射出成形法が主として採用される。溶融成形温度は150〜250℃の範囲から選ぶことが多い。
【0019】
更に本発明の製造方法で得られた樹脂組成物は、上述の如き成形物に用いることができるが、特に該樹脂組成物からなる層の少なくとも片面に熱可塑性樹脂層を積層してなる積層体として用いることが好ましく、実用に適した積層体が得られる。
該積層体を製造するに当たっては、本発明の製造方法により得られる樹脂組成物の層の片面又は両面に他の基材を積層するのであるが、積層方法としては、例えば、以下の方法が挙げられる。但しこれらに限定されるものではない。
【0020】
▲1▼溶液コーティング法
該樹脂組成物の水−アルコール(或いは溶剤)含有溶液をマイヤーバー、グラビア及びリバースロール方式等のローラーコーティング法、スプレーコーティング法、ディップコーティング法等の公知の方法で熱可塑性樹脂フィルムにコーティングして積層体を作製する。その後、公知の方法で乾燥が行われる。一例を挙げると乾燥温度が40〜180℃、好ましくは60〜140℃程度で5秒〜5分程度加熱すればよい。かかる乾燥において塗膜中の揮発分(水、アルコール或いは溶剤)が除去されるのであるが、通常揮発分が2重量%以下となるまで行えばよい。
本発明の製造方法で得られた樹脂組成物層と熱可塑性樹脂フィルムの接着強度を向上させるために通常のアンカーコート剤(ポリウレタン系、ポリエステル系等)を予めフィルム上にコートしてもよい。
【0021】
▲2▼押出コーティング法
本発明の製造方法で得られた樹脂組成物のフィルム、シートに熱可塑性樹脂を溶融押出して積層体を作製する。又、逆に熱可塑性樹脂等の基材に本発明の樹脂組成物を溶融押出して積層体を作製する。
【0022】
▲3▼共押出法
本発明の製造方法で得られた樹脂組成物と他の熱可塑性物樹脂とを共押出して積層体を作製する。共押出の場合の相手側樹脂としては、直鎖状低密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマー、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、ポリプロピレン、プロピレン−α−オレフィン(炭素数4〜20のα−オレフィン)共重合体、ポリブテン、ポリペンテン等のオレフィンの単独又は共重合体、或いはこれらのオレフィンの単独又は共重合体を不飽和カルボン酸又はそのエステルでグラフト変性したもの等の広義のポリオレフィン系樹脂、ポリエステル、ポリアミド、共重合ポリアミド、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、アクリル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ビニルエステル系樹脂、ポリエステルエラストマー、ポリウレタンエラストマー、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、EVOH等が挙げられる。上記の中でも、共押出製膜の容易さ、フィルム物性(特に強度)の実用性の点から、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル系共重合体、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート等が好ましく用いられる。
【0023】
又、共押出の場合、本発明の製造方法で得られた樹脂組成物に熱可塑性樹脂、熱可塑性樹脂に本発明の製造方法で得られた樹脂組成物をブレンドしたり、本発明の製造方法で得られた樹脂組成物や熱可塑性樹脂の少なくとも一方に両層面の密着性を向上させる樹脂を配合することもある。
【0024】
▲4▼ドライラミネート法
本発明の製造方法で得られた樹脂組成物のフィルム、シートと他の基材のフィルム、シートとを有機チタン化合物、イソシアネート化合物、ポリエステル系化合物、ポリウレタン化合物等の公知の接着剤を用いてラミネートして積層体を作製する。
上記の中でも▲3▼共押出法が加工性の点で有利である。
【0025】
更に、本発明の製造方法で得られた樹脂組成物から一旦フィルム、シート等の成形物を得、これに他の基材を押出コートしたり、他の基材のフィルム、シート等を接着剤を用いてラミネートする場合、前記の熱可塑性樹脂以外に任意の基材(紙、金属箔、一軸延伸又は二軸延伸プラスチックフイルム又はシート、織布、不織布、金属綿条、木質面等)が使用可能である。
【0026】
積層体の層構成としては、本発明の製造方法で得られた樹脂組成物の層をa(a1,a2,・・・)、他の基材、例えば熱可塑性樹脂層をb(b1,b2,・・・)とするとき、フィルム、シート、ボトル状であれば、a/bの二層構造のみならず、b/a/b、a/b/a、a1/a2/b、a/b1/b2、b2/b1/a/b1/b2等、任意の組合せが可能であり、フィラメント状ではa、bがバイメタル型、芯(a)−鞘(b)型、芯(b)−鞘(a)型、或いは偏心芯鞘型、等の任意の組み合わせが可能である。
【0027】
上記樹脂組成物あるいは積層体は、そのまま各種形状のものに使用されるが、更には物性改善のために延伸処理を施すことが好ましく、かかる延伸については、一軸延伸、二軸延伸のいずれであってもよく、できるだけ高倍率の延伸を行ったほうが物性的に良好である。
【0028】
延伸方法としては、ロール延伸法、テンター延伸法、チューブラー延伸法、延伸ブロー法等の他、深絞成形、真空成形等の延伸倍率の高いものも採用できる。二軸延伸の場合は同時二軸延伸方式、逐次二軸延伸方式のいずれの方式も採用できる。延伸温度は80〜170℃、好ましくは100〜160℃程度の範囲から選ばれる。
【0029】
かくして延伸が終了した後、次いで熱固定を行う。熱固定は周知の手段で実施可能であり、上記延伸フィルムを緊張状態を保ちながら80〜170℃、好ましくは100〜160℃で2〜600秒間程度熱処理を行う。又、得られた延伸フィルムは必要に応じて、冷却処理、圧延処理、印刷処理、ドライラミネート処理、溶液又は溶融コート処理、製袋加工、深絞り加工、箱加工、チューブ加工、スプリット加工等を行うことができる。
【0030】
かくして得られる積層体等の成形品の形状は任意のものであってよく、フィルム、シート、ボトル、パイプ、フィラメント、異型断面押出物等が例示される。
上記の如く得られるフィルム、シート或いは容器等は、一般食品、レトルト食品、医薬品、工業薬品、農薬等各種の包装材料として有用である。
【0031】
本発明では、含水率25〜50重量%のEVOHと水膨潤性層状無機化合物を溶融混合しているため、樹脂組成物及びその成形物の生産性に優れ、更に得られた樹脂組成物はガスバリヤー性や外観特性に優れた効果を示すものである。
【0032】
【実施例】
以下に、実施例を挙げて本発明を具体的に説明する。
尚、実施例中「部」、「%」とあるのは、特に断わりのない限り、重量基準を意味する。
【0033】
実施例1
含水率35%のEVOH(エチレン含有量:29モル%、ケン化度:99.8モル%、メルトインデックス(MI):8g/10分(210℃、荷重2160g))154部(EVOH100部(固形分))を二軸押出機(L/D=40の30mmφ)に投入し、温度80℃にてEVOHを溶融状態にした後、そこに天然モンモリロナイト5部を連続的に添加し、温度を95℃に設定して、含水EVOHと天然モンモリロナイトを混練した。混練後、得られた樹脂組成物をストランド状に押出し、カットしてペレットを作製した。
ここで、35%のEVOHは下記の方法により調整した。
EVOHを水−メタノール混合溶媒(水/メタノール=50/50(重量比))に溶解して、40%のペーストを作製し、該ペーストを冷水中に析出させ、ペレット状に切断した後、イオン交換水で充分に洗浄した。かかるペレット樹脂の含水率は55%であり、乾燥機にて35%まで乾燥し、含水率35%のEVOHを得た。
【0034】
上記ペレットを60℃で真空乾燥を行い、含水率0.2%となったものを単軸押出機に供給し、T−ダイキャスト法にて、押出機設定温度220℃の条件下で製膜を行い、30μmのフィルムを得た。
得られたフィルムについて、以下の評価を行った。
【0035】
(酸素透過度)
得られたフィルムを、MOCON社製のOXTRAN2/20を用い、等圧法(MOCON法)により、20℃、80%RHの条件下で測定した。
【0036】
(外観)
得られたフィルムにおいて、10cm×10cm中における直径が0.1mm以上の異物の数を測定し、下記の基準にて評価した。
◎・・・1個以下
○・・・2〜5個
×・・・6個以上
又、上記製造方法における生産性についても評価した。
【0037】
実施例2
実施例1において、EVOHをエチレン含有量:32モル%、ケン化度:99.8モル%、MI:12g/10分(210℃、荷重2160g)のEVOHに、天然モンモリロナイトの添加量を10部に変更し、更に溶融混合温度を90℃に変更した以外は同様に行い、実施例1と同様の評価を行った。
【0038】
実施例3
実施例1において、EVOHをエチレン含有量:32モル%、ケン化度:99.8モル%、MI:3g/10分(210℃、荷重2160g)のEVOHに、含水率を45%に、含水EVOHを182部(EVOH100部(固形分))に変更し、更に溶融混合温度を85℃に変更した以外は同様に行い、実施例1と同様の評価を行った。
【0039】
比較例1
実施例1において、水を含まないEVOH(含水率0%)を用い、EVOHの含有量を100部に変更した以外は同様に行い、実施例1と同様の評価を行った。
【0040】
比較例2
実施例1において、水を含まないEVOH(含水率0%)を用い、EVOHの含有量を100部に変更し、更に溶融混合温度を230℃に変更した以外は同様に行い、実施例1と同様の評価を行った。
【0041】
比較例3
実施例1において、EVOHをエチレン含有量:32モル%、ケン化度:99.8モル%、MI:3g/10分(210℃、荷重2160g)のEVOHに、EVOHの含水率を60%に、含水EVOHを250部(EVOH100部(固形分))に変更し、更に溶融混合温度を80℃に変更した以外は同様に行い、実施例1と同様の評価を行った。
【0042】
比較例4
実施例1において、EVOH(エチレン含有量:32モル%、ケン化度:99.8モル%、MI:3g/10分(210℃、荷重2160g))100部と天然モンモリロナイト5部を220℃にて溶融混合し、そこへ水10部を添加して樹脂組成物を得た以外は同様に行い、実施例1と同様の評価を行った。
実施例、比較例の結果を表1に示す。
【0043】
【表1】
【0044】
【発明の効果】
本発明の製造方法は、含水率25〜50重量%のEVOHと水膨潤性層状無機化合物を100℃以下で溶融混合しているため、樹脂組成物及びその成形物の生産性に優れ、更に得られた樹脂組成物はガスバリヤー性や外観特性に優れた効果を示すものであり、これらの樹脂組成物はフィルム、シート或いは容器等に供せられ、一般食品、レトルト食品、医薬品、工業薬品、農薬等各種の包装材料として有用である。
Claims (2)
- 含水率25〜50重量%のエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物と水膨潤性層状無機化合物を100℃以下で溶融混合することを特徴とするペレットの製造方法。
- エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物100重量部(固形分)に対して、水膨潤性層状無機化合物を2〜20重量部溶融混合することを特徴とする請求項1記載のペレットの製造方法。
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