JP2000119471A - 樹脂組成物の製造方法 - Google Patents

樹脂組成物の製造方法

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JP2000119471A
JP2000119471A JP10298985A JP29898598A JP2000119471A JP 2000119471 A JP2000119471 A JP 2000119471A JP 10298985 A JP10298985 A JP 10298985A JP 29898598 A JP29898598 A JP 29898598A JP 2000119471 A JP2000119471 A JP 2000119471A
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alcohol
soluble polymer
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Kaoru Inoue
馨 井上
Tamahide Naito
珠英 内藤
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Nippon Synthetic Chemical Industry Co Ltd
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Nippon Synthetic Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ガスバリヤー性及び外観に優れた樹脂組成物
の製造方法を提供すること。 【解決手段】 下記の工程(1)〜(3)を順次行って水膨潤
性層状無機化合物(A)とエチレン−酢酸ビニル系共重合
体ケン化物(B)からなる樹脂組成物を得る樹脂組成物の
製造方法。 (1)水溶性高分子を含有する水膨潤性層状無機化合物(A)
の水分散液に、アルコール又はアルコールと水、及びエ
チレン−酢酸ビニル系共重合体ケン化物(B)を加 え、
該共重合体ケン化物(B)を溶解させる。 (2)該液中の水膨潤性層状無機化合物(A)、水溶性高分
子、エチレン−酢酸ビニル系共重合体ケン化物(B)から
なる樹脂組成物を水中で析出させる。 (3)該析出物を熱水中で撹拌して水溶性高分子を上記樹
脂組成物内から除去し、乾燥する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水膨潤性層状無機
化合物(A)とエチレン−酢酸ビニル系共重合体ケン化
物(B)からなる樹脂組成物の製造方法に関し、更に詳
しくは、高湿度下でのガスバリヤー性や外観に優れた樹
脂組成物の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、エチレン−酢酸ビニル系共重合
体ケン化物(以下EVOHと略記する)は、透明性、帯
電防止性、耐油性、耐溶剤性、ガスバリヤー性、保香性
等に優れており、又、溶融成形可能な熱可塑性樹脂であ
り、食品包装等、種々の包装材料用途に用いられてい
る。しかし、このようなEVOHは外部の湿度や温度と
いう環境の変化によりガスバリヤー性や機械物性が大き
く変化し、高湿度の環境下ではガスバリヤー性が低下す
るという欠点を有している。これに対して、最近ではE
VOHと水膨潤性無機化合物とのブレンド物が、ガスバ
リヤー性の改善を目的として注目を浴びており、例え
ば、特開平5−39392号公報には、水の存在下にE
VOHと水膨潤性フィロケイ酸塩を混合することが記載
されている。
【0003】
【発明が解決しようとする問題点】しかしながら、本発
明者等が詳細に検討した結果、上記開示技術では、水の
存在下に水膨潤性フィロケイ酸塩を投入し、更にEVO
Hの水/アルコール溶液を加えるため、いわゆるママコ
が発生しやすく、そのため均一に分散することができ
ず、又、均一分散させるにはかなりの時間を必要とする
ことが判明したり、又、ガスバリヤー性に付いてみて
も、上記開示技術では内外層にポリプロピレンを積層し
た積層体のバリヤー性評価のみであり、単層では高湿度
下においてまだまだ満足するものではなく、最近の技術
の高度化に伴い、ガスバリヤー性の更なる改善が望まれ
ている。このような背景において、本発明では、高湿度
下におけるガスバリヤー性や外観に優れた樹脂組成物の
製造方法を提供することを目的とするものである。
【0004】
【問題点を解決するための手段】そこで、本発明者等は
上記の事情に鑑みて鋭意研究を重ねた結果、下記の工程
(1)〜(3)を順次行って水膨潤性層状無機化合物
(A)とエチレン−酢酸ビニル系共重合体ケン化物
(B)からなる樹脂組成物を得る樹脂組成物の製造方法
が上記目的に合致することを見いだし本発明を完成し
た。 (1)水溶性高分子を含有する水膨潤性層状無機化合物
(A)の水分散液に、アルコール又はアルコールと水、
及びエチレン−酢酸ビニル系共重合体ケン化物(B)を
加え、該共重合体ケン化物(B)を溶解させる。 (2)該液中の水膨潤性層状無機化合物(A)、水溶性
高分子、エチレン−酢酸ビニル系共重合体ケン化物
(B)からなる樹脂組成物を水中で析出させる。 (3)該析出物を熱水中で撹拌して水溶性高分子を上記
樹脂組成物内から除去し、乾燥する。
【0005】
【発明の実施の形態】以下に、本発明を詳細に説明す
る。本発明に用いる水膨潤性層状無機化合物(A)とし
ては、特に制限されることなく、スメクタイトやバーミ
キュライト等の粘土鉱物、更には合成マイカ等が挙げら
れ、前者のスメクタイトの具体例としてはモンモリロナ
イト、バイデライト、ノントロナイト、サポナイト、ヘ
クトライト、ソーコナイト、スチブンサイト等が挙げら
れる。これらは天然のものであっても、合成されたもの
でもよい。これらの中でもスメクタイト、特にその中で
もモンモリロナイトが好ましい。又、Na型フッ素四ケ
イ素雲母、Na型テニオライト、Li型テニオライト、
Na型ヘクトライト等の水膨潤性フッ素雲母系鉱物等も
好ましく用いられる。
【0006】該水膨潤性層状無機化合物(A)の膨潤力
は、20℃において、水/アルコール=70/30(重
量比)の混合溶剤に対して、30ml/2g以上、好ま
しくは40ml/2g以上、更に好ましくは、50ml
/2g以上であることが好ましく、30ml/2g未満
ではガスバリヤー性が不充分となり好ましくない。尚、
水膨潤性層状無機化合物(A)の膨潤力は、日本ベント
ナイト工業会 標準試験方法容積法により測定されるも
のである。
【0007】本発明に用いるEVOH(B)としては、
特に限定されないが、エチレン含有量が10〜60モル
%で、ケン化度が80モル%以上であることが好まし
い。更に好ましくはエチレン含有量が20〜50モル%
で、ケン化度が90モル%以上である。エチレン含有量
が10モル%未満では高湿時のガスバリヤー性、溶融成
形性が低下し、60モル%を越えると充分なガスバリヤ
ー性が得られなくなり好ましくない。又、ケン化度が8
0モル%未満ではガスバリヤー性や熱安定性、耐湿性が
低下し好ましくない。
【0008】又、該EVOH(B)のメルトインデック
ス(MI)は0.5〜100g/10分(210℃)で
あることが好ましく、更には1〜50g/10分(21
0℃)であることが好ましい。該メルトインデックス
(MI)が該範囲よりも小さい場合には、成形時に押出
機内が高トルク状態となって押出加工が困難となり、
又、該範囲よりも大きい場合には、成形物の機械的強度
が不足して好ましくない。
【0009】該EVOH(B)は、エチレン−酢酸ビニ
ル系共重合体のケン化によって得られ、該エチレン−酢
酸ビニル系共重合体は、公知の任意の重合法、例えば懸
濁重合、エマルジョン重合、溶液重合等により製造さ
れ、エチレン−酢酸ビニル系共重合体のケン化も公知の
方法で行い得る。
【0010】又、該EVOH(B)は、透明性、ガスバ
リヤー性、耐溶剤性等の特性を損なわない範囲で少量で
あれば、プロピレン、イソブテン、α−オクテン、α−
ドデセン、α−オクタデセン等のα−オレフィン、不飽
和カルボン酸又はその塩、部分アルキルエステル、完全
アルキルエステル、不飽和スルホン酸系化合物、(メ
タ)アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミド、ビニ
ルエーテル、ビニルシラン化合物、塩化ビニル、スチレ
ン等のコモノマーを共重合成分として含んでいても差し
支えない。又、本発明の趣旨を損なわない範囲で、ウレ
タン化、アセタール化、シアノエチル化等、後変性され
ても差し支えない。
【0011】本発明では、上記水膨潤性層状無機化合物
(A)とEVOH(B)とからなる樹脂組成物におい
て、下記工程(1)〜(3)により製造されることが必
要であり、以下、かかる工程について詳述する。
【0012】[工程(1)]水溶性高分子を含有する水
膨潤性層状無機化合物(A)の水分散液に、アルコール
又はアルコールと水、及びEVOH(B)を加え、該E
VOH(B)を溶解させる。水膨潤性層状無機化合物
(A)は1〜10重量%となるように水に分散させ、6
0〜80℃の条件下で撹拌を行いながら、水溶性高分子
を添加し、含有させる。次いで、該分散液に、水/アル
コールが20/80〜80/20(重量比)、好ましく
は40/60〜60/40(重量比)となるように、ア
ルコールを加え(必要に応じ更に水も加える)、更にE
VOH(B)を加え、60〜90℃の還流条件下で撹拌
を行い混合する。尚、アルコール(必要に応じ水)及び
EVOHの添加については、それぞれ別々に添加を行っ
ても、あるいはEVOHのアルコール溶液、又はEVO
Hのアルコール/水の混合溶液として同時に添加を行っ
てもよい。この時のEVOHの濃度は10〜40重量%
であることが好ましく、特に好ましくは20〜30重量
%である。
【0013】上記水溶性高分子としては、ポリビニルア
ルコール系樹脂、ポリビニルピロリドン、ポリエチレン
グリコール、ポリエチレンオキサイド等が挙げられ、こ
れらを単独又は併用して用いられる。中でも、分子量が
1000〜1000000、好ましくは5000〜50
000のものが好適である。ここで、ポリビニルアルコ
ール系樹脂とは、エチレンオキサイドにより変性された
ポリビニルアルコールも含むものである。又、アルコー
ルとしては、イソプロピルアルコール、n−プロピルア
ルコール、メタノール、エタノール等が用いられる。
【0014】水膨潤性層状無機化合物(A)、EVOH
(B)、水溶性高分子の配合量については、EVOH
(B)100重量部に対して、水膨潤性層状無機化合物
(A)が1〜10重量部、好ましくは2〜8重量部、更
に好ましくは3〜5重量部であり、水溶性高分子が1〜
10重量部、好ましくは2〜8重量部、更に好ましくは
3〜5重量部であることが好ましい。
【0015】かかる配合量において、水膨潤性層状無機
化合物(A)が1重量部未満ではガスバリヤー性の改善
効果が見られず、10重量部を越えるとフィルム外観が
悪化することになり好ましくない。又、水溶性高分子が
1重量部未満では分散性改善の効果が得られず、フィル
ム外観が悪化し、又ガスバリヤー性の改善効果が低く、
10重量部を越えると工程(3)での水溶性高分子の除
去において水溶性高分子が除去しきれず、ガスバリヤー
性の低下、加工性の低下を招き好ましくない。
【0016】[工程(2)]上記工程(1)で得られた
液中の水膨潤性層状無機化合物(A)、水溶性高分子、
EVOH(B)からなる樹脂組成物を水中で析出させ
る。該液を5〜25℃の冷水中に放出したり、該樹脂組
成物溶液の入った容器を氷水で冷却したりして、EVO
H(B)に水膨潤性層状無機化合物(A)及び水溶性高
分子が含有した樹脂組成物を析出させる。
【0017】[工程(3)]上記工程(2)で得られた
析出物を熱水中で撹拌して水溶性高分子を上記樹脂組成
物内から除去し、乾燥する。該析出物を60〜95℃の
熱水中に入れ、撹拌し、上記樹脂組成物内から水溶性高
分子を溶出させた後、脱水、乾燥を行い、水膨潤性層状
無機化合物(A)とEVOH(B)からなる樹脂組成物
を得る。かかる乾燥については特に限定されず、風乾、
熱風乾燥、赤外線乾燥、真空乾燥等により行われる。本
発明においては、水溶性高分子を完全に除去することが
好ましいが、未除去分が樹脂組成物全体に対して500
0ppm以下程度、好ましくは1000ppm以下程度
であれば、本発明の効果を有するものである。
【0018】又、本発明では、本発明の目的が阻害され
ない範囲内で、他の熱可塑性樹脂(ポリオレフィン、ポ
リアミド、ポリエステル、ポリスチレン、EVOH
等)、可塑剤、熱安定化剤、紫外線吸収剤、酸化防止
剤、着色剤、充填剤、乾燥剤、帯電防止剤等を適宜配合
することも可能である。又、ゲル化防止剤として、ハイ
ドロタルサイト系化合物、ヒンダードフェノール系又は
ヒンダードアミン系熱安定剤、高級脂肪族カルボン酸の
金属塩を添加することもできる。
【0019】かくして得られた樹脂組成物は成形物の用
途に多用され、溶融成形等により、ペレット、フィル
ム、シート、容器、繊維、棒、管、各種成形品等に成形
され、又、これらの粉砕品(回収品を再使用する時な
ど)やペレットを用いて再び溶融成形に供することもで
きる。溶融成形としては、押出成形法(T−ダイ押出、
インフレーション押出、ブロー成形、溶融紡糸、異型押
出等)、射出成形法が主として採用される。溶融成形温
度は150〜250℃の範囲から選ぶことが多い。
【0020】更に本発明の製造方法で得られた樹脂組成
物は、上述の如き成形物に用いることができるが、特に
該樹脂組成物からなる層の少なくとも片面に熱可塑性樹
脂層を積層してなる積層体として用いることが好まし
く、実用に適した積層体が得られる。
【0021】該積層体を製造するに当たっては、本発明
の樹脂組成物の層の片面又は両面に他の基材を積層する
のであるが、積層方法としては、例えば、以下の方法が
挙げられる。但しこれらに限定されるものではない。
【0022】溶液コーティング法 該樹脂組成物の水−アルコール(或いは溶剤)含有溶液
をマイヤーバー、グラビア及びリバースロール方式等の
ローラーコーティング法、スプレーコーティング法、デ
ィップコーティング法等の公知の方法で熱可塑性樹脂フ
ィルムにコーティングして積層体を作製する。その後、
公知の方法で乾燥が行われる。一例を挙げると乾燥温度
が40〜180℃、好ましくは60〜140℃程度で5
秒〜5分程度加熱すればよい。かかる乾燥において塗膜
中の揮発分(水、アルコール或いは溶剤)が除去される
のであるが、通常揮発分が2重量%以下となるまで行え
ばよい。本発明の樹脂組成物層と熱可塑性樹脂フィルム
の接着強度を向上させるために通常のアンカーコート剤
(ポリウレタン系、ポリエステル系等)を予めフィルム
上にコートしてもよい。
【0023】押出コーティング法 本発明の樹脂組成物のフィルム、シートに熱可塑性樹脂
を溶融押出して積層体を作製する。又、逆に熱可塑性樹
脂等の基材に本発明の樹脂組成物を溶融押出して積層体
を作製する。
【0024】共押出法 本発明の樹脂組成物と他の熱可塑性物樹脂とを共押出し
て積層体を作製する。共押出の場合の相手側樹脂として
は、直鎖状低密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、
中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、エチレン−
酢酸ビニル共重合体、アイオノマー、エチレン−プロピ
レン共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合
体、ポリプロピレン、プロピレン−α−オレフィン(炭
素数4〜20のα−オレフィン)共重合体、ポリブテ
ン、ポリペンテン等のオレフィンの単独又は共重合体、
或いはこれらのオレフィンの単独又は共重合体を不飽和
カルボン酸又はそのエステルでグラフト変性したもの等
の広義のポリオレフィン系樹脂、ポリエステル、ポリア
ミド、共重合ポリアミド、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビ
ニリデン、アクリル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ビニ
ルエステル系樹脂、ポリエステルエラストマー、ポリウ
レタンエラストマー、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリ
プロピレン、EVOH等が挙げられる。上記の中でも、
共押出製膜の容易さ、フィルム物性(特に強度)の実用
性の点から、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリエチレ
ン、エチレン−酢酸ビニル系共重合体、ポリスチレン、
ポリエチレンテレフタレート等が好ましく用いられる。
【0025】又、共押出の場合、本発明の樹脂組成物に
熱可塑性樹脂、熱可塑性樹脂に本発明の樹脂組成物をブ
レンドしたり、本発明の樹脂組成物や熱可塑性樹脂の少
なくとも一方に両層面の密着性を向上させる樹脂を配合
することもある。
【0026】ドライラミネート法 本発明の樹脂組成物のフィルム、シートと他の基材のフ
ィルム、シートとを有機チタン化合物、イソシアネート
化合物、ポリエステル系化合物、ポリウレタン化合物等
の公知の接着剤を用いてラミネートして積層体を作製す
る。上記の中でも共押出法が加工性の点で有利であ
る。
【0027】更に、本発明の樹脂組成物から一旦フィル
ム、シート等の成形物を得、これに他の基材を押出コー
トしたり、他の基材のフィルム、シート等を接着剤を用
いてラミネートする場合、前記の熱可塑性樹脂以外に任
意の基材(紙、金属箔、一軸延伸又は二軸延伸プラスチ
ックフイルム又はシート、織布、不織布、金属綿条、木
質面等)が使用可能である。
【0028】積層体の層構成としては、本発明の樹脂組
成物の層をa(a1,a2,・・・)、他の基材、例えば
熱可塑性樹脂層をb(b1,b2,・・・)とするとき、
フィルム、シート、ボトル状であれば、a/bの二層構
造のみならず、b/a/b、a/b/a、a1/a2/
b、a/b1/b2、b2/b1/a/b1/b2等、任意の
組合せが可能であり、フィラメント状ではa、bがバイ
メタル型、芯(a)−鞘(b)型、芯(b)−鞘(a)
型、或いは偏心芯鞘型、等の任意の組み合わせが可能で
ある。
【0029】上記樹脂組成物あるいは積層体は、そのま
ま各種形状のものに使用されるが、更には物性改善のた
めに延伸処理を施すことが好ましく、かかる延伸につい
ては、一軸延伸、二軸延伸のいずれであってもよく、で
きるだけ高倍率の延伸を行ったほうが物性的に良好であ
る。
【0030】延伸方法としては、ロール延伸法、テンタ
ー延伸法、チューブラー延伸法、延伸ブロー法等の他、
深絞成形、真空成形等の延伸倍率の高いものも採用でき
る。二軸延伸の場合は同時二軸延伸方式、逐次二軸延伸
方式のいずれの方式も採用できる。延伸温度は80〜1
70℃、好ましくは100〜160℃程度の範囲から選
ばれる。
【0031】かくして延伸が終了した後、次いで熱固定
を行う。熱固定は周知の手段で実施可能であり、上記延
伸フィルムを緊張状態を保ちながら80〜170℃、好
ましくは100〜160℃で2〜600秒間程度熱処理
を行う。又、得られた延伸フィルムは必要に応じて、冷
却処理、圧延処理、印刷処理、ドライラミネート処理、
溶液又は溶融コート処理、製袋加工、深絞り加工、箱加
工、チューブ加工、スプリット加工等を行うことができ
る。
【0032】かくして得られる積層体等の成形品の形状
は任意のものであってよく、フィルム、シート、ボト
ル、パイプ、フィラメント、異型断面押出物等が例示さ
れる。上記の如く得られるフィルム、シート或いは容器
等は、一般食品、レトルト食品、医薬品、工業薬品、農
薬等各種の包装材料として有用である。
【0033】本発明では、水膨潤性層状無機化合物
(A)とEVOH(B)からなる樹脂組成物を、水溶性
高分子を用いて、上記の如き工程(1)〜(3)により
製造しているため、得られた樹脂組成物は高湿度下にお
けるガスバリヤー性や外観に優れた効果を示すものであ
る。
【0034】
【実施例】以下に、実施例を挙げて本発明を具体的に説
明する。尚、実施例中「部」、「%」とあるのは、特に
断わりのない限り、重量基準を意味する。
【0035】実施例1 水100部、天然モンモリロナイト3部[膨潤力は水/
イソプロピルアルコール=70/30(重量比)の混合
溶媒に対して67ml/2g]を80℃で撹拌混合して
分散液を調製し、そこにポリビニルピロリドン(分子量
10000)を3部添加し、撹拌した。更に、水/メチ
ルアルコール=50/50(重量比)となるように、メ
チルアルコール及び水を加えた後、EVOH(エチレン
含有量29モル%、ケン化度99.8モル%、メルトイ
ンデックス8g/10分(210℃、荷重2160
g))を58部添加し、22%溶液となるように80℃
にて撹拌し溶解した。この時のEVOH100部に対す
る天然モンモリロナイトの含有量は5部で、ポリビニル
ピロリドンは5部であった。
【0036】次にかかる溶液を5℃の冷水中に放出し、
該溶液中の樹脂組成物を析出させた後、該析出物を5m
m×5mm角程度に粉砕し、80℃の熱水中で1時間撹
拌を行い、ポリビニルピロリドンを樹脂組成物より除去
し、その後、脱水、乾燥を行って本発明の樹脂組成物を
得た。得られた樹脂組成物を単軸押出機に供給し、T−
ダイキャスト法にて、押出機設定温度210℃の条件下
で製膜を行い、厚さ30μmのフィルムを作製した。得
られたフィルムについて下記の評価を行った。
【0037】(酸素透過度)得られたフィルムを、MO
CON社製のOXTRAN2/20を用い、等圧法(M
OCON法)により、20℃、80%RHの条件下で測
定した。
【0038】(外観)得られたフィルムにおいて、10
cm×10cm中における直径が0.1mm以上の異物
の数を測定し、下記の基準にて評価した。 ◎・・・1個以下 ○・・・2〜5個 ×・・・6個以上
【0039】実施例2 水100部、天然モンモリロナイト9部[膨潤力は水/
イソプロピルアルコール=70/30(重量比)の混合
溶媒に対して67ml/2g]を80℃で撹拌混合して
分散液を調製し、そこにポリエチレングリコール(分子
量20000)を3部添加し、撹拌した。更に、水/メ
チルアルコール=50/50(重量比)となるように、
メチルアルコール及び水を加えた後、EVOH(エチレ
ン含有量32モル%、ケン化度99.8モル%、メルト
インデックス3g/10分(210℃、荷重2160
g))を60部添加し、28%溶液となるように80℃
にて撹拌し溶解した。この時のEVOH100部に対す
る天然モンモリロナイトの含有量は15部で、ポリエチ
レングリコールは5部であった。以下は実施例1と同様
に行い、樹脂組成物を得、該樹脂組成物より同様に厚さ
30μmのフィルムを得、実施例1と同様の評価を行っ
た。
【0040】実施例3 水100部、天然モンモリロナイト3部[膨潤力は水/
イソプロピルアルコール=70/30(重量比)の混合
溶媒に対して67ml/2g]を80℃で撹拌混合して
分散液を調製し、そこに20%濃度のポリビニルアルコ
ール(ケン化度90モル%、分子量20000)を15
部添加し、撹拌した。更に、水/メチルアルコール=4
0/60(重量比)となるように、メチルアルコール及
び水を加えた後、EVOH(エチレン含有量32モル
%、ケン化度99.8モル%、メルトインデックス3g
/10分(210℃、荷重2160g))を60部添加
し、22%溶液となるように80℃にて撹拌し溶解し
た。この時のEVOH100部に対する天然モンモリロ
ナイトの含有量は5部で、ポリビニルアルコールは5部
であった。以下は実施例1と同様に行い、樹脂組成物を
得、該樹脂組成物より同様に厚さ30μmのフィルムを
得、実施例1と同様の評価を行った。
【0041】実施例4 実施例1において、ポリビニルピロリドンをエチレンオ
キサイド変性ポリビニルアルコール(変性量5モル%、
エチレンオキサイドの繰り返し数6、ケン化度50モル
%、分子量25000)3部に変更した以外は同様に行
い、実施例1と同様の評価を行った。
【0042】実施例5 実施例1において、水膨潤性層状無機化合物としてNa
型フッ素四珪素雲母[膨潤力は水/イソプロピルアルコ
ール=70/30(重量比)の混合溶媒に対して96m
l/2g]を3部用いた以外は同様に行い、実施例1と
同様の評価を行った。
【0043】比較例1 実施例1において、ポリビニルピロリドンを添加せず
に、天然モンモリロナイトの水分散液に、水、アルコー
ル及びEVOHを加え、溶解し、該溶液を水中に放出し
て樹脂組成物を得、乾燥を行い、実施例1と同様の評価
を行った。
【0044】比較例2 実施例1において、樹脂組成物を冷水中で析出させた
後、ポリビニルピロリドンの除去工程を省き、脱水、乾
燥を行った以外は同様に行い、実施例1と同様の評価を
行った。尚、得られた樹脂組成物ペレットは、EVOH
100部に対して天然モンモリロナイト3部、ポリビニ
ルピロリドン3部含有するものであった。実施例、比較
例の結果を表1に示す。
【0045】比較例3 EVOH(エチレン含有量32モル%、ケン化度99.
8モル%、メルトインデックス3g/10分(210
℃、荷重2160g))の水/メチルアルコール=50
/50(重量比)の溶液を水中に放出して樹脂組成物を
得、乾燥を行い、実施例1と同様の評価を行った。
【0046】
【表1】
【0047】
【発明の効果】本発明の製造方法は、水膨潤性層状無機
化合物(A)とEVOH(B)からなる樹脂組成物を得
るに当たり、水溶性高分子を用いて、上記の如き工程
(1)〜(3)の方法を採用しているため、高湿度下に
おけるガスバリヤー性や外観に優れた樹脂組成物が得ら
れるものであり、これらの樹脂組成物はフィルム、シー
ト或いは容器等に供せられ、一般食品、レトルト食品、
医薬品、工業薬品、農薬等各種の包装材料として有用で
ある。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の工程(1)〜(3)を順次行って
    水膨潤性層状無機化合物(A)とエチレン−酢酸ビニル
    系共重合体ケン化物(B)からなる樹脂組成物を得るこ
    とを特徴とする樹脂組成物の製造方法。 (1)水溶性高分子を含有する水膨潤性層状無機化合物
    (A)の水分散液に、アルコール又はアルコールと水、
    及びエチレン−酢酸ビニル系共重合体ケン化物(B)を
    加え、該共重合体ケン化物(B)を溶解させる。 (2)該液中の水膨潤性層状無機化合物(A)、水溶性
    高分子、エチレン−酢酸ビニル系共重合体ケン化物
    (B)からなる樹脂組成物を水中で析出させる。 (3)該析出物を熱水中で撹拌して水溶性高分子を上記
    樹脂組成物内から除去し、乾燥する。
  2. 【請求項2】 水膨潤性層状無機化合物(A)が、20
    ℃において水/アルコール=70/30(重量比)の混
    合溶剤に対して、30ml/2g以上の膨潤力(測定規
    格:日本ベントナイト工業会 標準試験方法容積法)を
    有することを特徴とする請求項1記載の樹脂組成物の製
    造方法。
  3. 【請求項3】 水膨潤性層状無機化合物(A)が、スメ
    クタイト又は水膨潤性フッ素雲母系鉱物であることを特
    徴とする請求項1又は2記載の樹脂組成物の製造方法。
  4. 【請求項4】 エチレン−酢酸ビニル系共重合体ケン化
    物(B)のエチレン含有量が10〜60モル%、ケン化
    度が80モル%以上であることを特徴とする請求項1〜
    3いずれか記載の樹脂組成物の製造方法。
  5. 【請求項5】 水溶性高分子として、ポリビニルアルコ
    ール系樹脂、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリ
    コール、ポリエチレンオキサイドの少なくとも1種を用
    いることを特徴とする請求項1〜4いずれか記載の樹脂
    組成物の製造方法。
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