JP3383000B2 - エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物及びその用途 - Google Patents

エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物及びその用途

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規なエチレン−酢酸
ビニル共重合体ケン化物(以下、EVOHと略記するこ
とがある)に関し、更に詳しくは、ヒートシール性に優
れ、かつポリオレフィン系樹脂等の他の樹脂との接着性
にも優れたEVOH及び該EVOHを用いた積層体に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、EVOHは、ガスバリヤー性、
透明性、耐油性、耐溶剤性、保香性などにはすぐれてい
るが、ポリオレフィン系樹脂等の樹脂との接着性につい
てはまだまだ満足できるものがなく、従来より種々検討
されているのが実情である。また、ヒートシール性につ
いても従来より150℃程度以上でヒートシールが行わ
れいるが、できるだけ低温でのヒートシール性に優れた
EVOHの検討も行われている。接着性の向上について
は、EVOHにカルボン酸変性ポリオレフィン系樹脂等
をブレンドする方法や特開平4−8745号公報に記載
の如くEVOHの溶液にポリオキサゾリン化合物を配合
すること等が提案されている。また、ヒートシール性に
ついても、EVOHにポリアミド系樹脂をブレンドする
ことによりヒートシール性を向上させることが行われて
いる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、EVO
Hの接着性及びヒートシール性を向上させるためには、
上記の如くEVOHに他の樹脂をブレンドする必要があ
り、工程増及び樹脂添加によるコストアップに加え、E
VOH本来の特性であるガスバリヤー性、透明性等も損
なわれる可能性があり好ましい方法とは言えない。ま
た、特開平4−8745号公報に記載のEVOHは溶液
状のもので、溶融成形には不適当なEVOHである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者は、かかる課題
を解決するため鋭意研究を重ねた結果、エチレン含有量
が20〜60モル%でケン化度が90モル%以上、かつ
融点(Tm)が下式を満足するEVOHが、前記の目的
を達し得るという事実を見出し、本発明を完成するに至
った。 120−1.46Et+3.31(Sv−99.6)<
Tm<220−1.46Et+3.31(Sv−99.
6) 但し、Tm:示差走査型熱量計による融点(℃) Et:エチレン含有量(モル%) Sv:ケン化度(モル%)
【0005】以下、本発明の方法について具体的に説明
する。本発明で用いるEVOHは、エチレン含有量が2
0〜60モル%、好ましくは25〜55モル%、酢酸ビ
ニル成分のケン化度が90モル%以上、好ましくは95
モル%以上でなければならない。エチレン含有量が20
モル%未満では高湿時のガス遮断性が低下し、一方60
モル%を越えると充分なガスバリヤー性が得らず、又、
ケン化度が90モル%未満ではガス遮断性や耐湿性が低
下する。
【0006】しかも、本願発明では、該EVOHの示差
走査型熱量計(DSC)で測定されるピーク温度より求
めた融点(Tm)が、エチレン含有量(Etモル%)及
びケン化度(Svモル%)で規定される下式を満足する
範囲のEVOHを用いることが最大の特徴である。 120−1.46Et+3.31(Sv−99.6)<
Tm<220−1.46Et+3.31(Sv−99.
6) Tm値が、上記の範囲よりも大きくなると、基材への接
着力及びヒートシール性が低下し、逆に小さくなるとガ
スバリヤー性及びフイルム強度が低下して本発明の目的
を達し得ない。
【0007】本発明で規定される様なEVOHは、一般
に市販されていない。即ち、従来のEVOHでは、いか
なるエチレン含有量やケン化度のものであっても、その
融点は本発明の融点よりも高くなっており、かかる融点
の高いEVOHの使用では、本発明の目的は達し得な
い。また、該EVOHは、更に少量のプロピレン、イソ
ブテン、α−オクテン、α−ドデセン、α−オクタデセ
ン等のα−オレフィン、不飽和カルボン酸又はその塩・
部分アルキルエステル・完全アルキルエステル・ニトリ
ル・アミド・無水物、不飽和スルホン酸又はその塩等の
コモノマーを共重合体成分として含んでいても差支えな
い。
【0008】上記のTm値を満足するEVOHを得る方
法としては、任意の方法があり、EVOHの重合時やケ
ン化時に重合度をコントロールしたり、ケン化度分布を
考慮したりすればよいが、実用的には通常の工業的製造
法により得られるEVOHを過酸化物等で処理すること
が有利である。以下、かかる方法について、詳細に述べ
る。
【0009】エチレン含有量が20〜60モル%、ケン
化度が90モル%以上で融点(Tm)が前式の220−
1.46Et+3.31(Sv−99.6)より算出さ
れる値よりも高い融点をもつもの(一例を挙げれば、エ
チレン含有量が38モル%、ケン化度が99.6モル%
の場合、上式の値は164.5℃となり、それより高
い、例えば融点が173℃のもの)を水と低級アルコー
ル(例えばエチルアルコール、メチルアルコール、is
o−イソプロピルアルコール、n−プロピルアルコー
ル、t−ブチルアルコール等)の混合溶媒あるいはジメ
チルスルホキシド(DMSO)、N,N−ジメチルホル
ムアマイド(DMF)等の溶剤に溶解させる。該EVO
Hの濃度は、1〜50重量%が適当である。該溶液に過
酸化水素(通常は35重量%水溶液)をEVOHに対し
てEVOH/過酸化水素水(35重量%水溶液)=1/
0.03〜1/3(重量比)になるように添加し、撹拌
下で40〜90℃、1〜50時間処理する。又、場合に
よっては反応速度を調整するため、金属触媒(CuCl
2,CuSo4,MoO3,FeSo4,TiCl4,Se
2等)を溶液当たり1〜5000ppm程度添加して
も良い。又、この時の水、アルコール溶剤、EVOH、
過酸化水素の添加順序は、上記の順序に限定されるもの
ではない。勿論、上記配合物を一括に仕込むことも可能
である。処理の終了時点は、スタート時の溶液の粘度が
初期粘度の1割程度以下となった点を1つの目安とす
る。
【0010】こうして得られたEVOH溶液は、水−ア
ルコールあるいはDMSO,DMF等の含有溶液であ
り、該溶液より流動層乾燥器、気流乾燥器、凍結乾燥器
等によるの公知の方法により水−アルコールあるいはD
MSO、DMF等の溶媒を除去して本発明のEVOHを
得ることができる。かかる方法で得られたEVOHは、
前記の特定の融点をもち、かつ分子末端に0.03〜
0.20meq/g程度のカルボキシル基を含有してい
る。かくして得られたEVOHは、ペレット,フィル
ム,シート,容器,繊維,棒,管等の各種成形物として
広い用途を有している。かかる成形物の製造時には、エ
チレン含有量及びケン化度が種々異なるEVOHを2種
以上併用することも勿論可能である。
【0011】また、溶融成形においては、可塑剤(多価
アルコール等)、安定剤、界面活性剤、架橋性物質(エ
ポキシ化合物、多価金属、無機又は有機の多塩基酸又は
その塩等)、充填剤、着色剤、補強材としての繊維(ガ
ラス繊維、炭素繊維等)、艶消し剤(タルク、シリカ系
粉末、ポリエチレン,ポリウレタン等の樹脂微粒子粉
末)等を本発明の効果を阻害しない範囲において配合す
ることができる。本発明では、他の樹脂を配合すること
なく接着性及びヒートシール性に優れたEVOHを得る
ことができるが、より以上の性能向上や上記以外の性能
向上のために他の熱可塑性樹脂を配合することもでき、
該樹脂としては、ポリオレフィン系樹脂、又はこれらを
不飽和カルボン酸又はその誘導体でグラフト変性した変
性ポリオレフィン系樹脂、ポリアミド、ポリ塩化ビニ
ル、ポリ塩化ビニリデン、ポリエステル、ポリスチレ
ン、ポリアクリロニトリル、ポリウレタン、ポリアセタ
ール、ポリカーボネート、溶融成形可能なポリビニルア
ルコール系樹脂等が挙げられる。
【0012】更に、本発明のEVOHは、その接着性及
びヒートシール性を生かして各種基材と積層して積層体
として利用することができる。かかる積層体を製造する
に当たっては、本発明のEVOH層の片面又は両面に他
の基材をラミネートするのであるが、ラミネート方法と
しては、例えば該EVOH層(フィルム,シート)に熱
可塑性樹脂を溶融押出する方法、逆に熱可塑性樹脂等の
基材に本発明のEVOHを溶融押出する方法、本発明の
EVOHと他の熱可塑性樹脂とを共押出する方法等が挙
げられる。勿論、有機チタン化合物、イソシアネート化
合物、ポリエステル系化合物等の公知の接着剤を用いて
本発明のEVOH層(フイルム,シート)と他の基材の
フイルム、シートとをラミネートすることも可能であ
る。
【0013】共押出の場合の相手側樹脂としては、直鎖
状低密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、中密度ポ
リエチレン、高密度ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニ
ル共重合体、アイオノマー、エチレン−プロピレン共重
合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、ポリプ
ロピレン、プロピレン−α−オレフィン(炭素数4〜2
0のα−オレフィン)共重合体、ポリブテン、ポリペン
テンなどのオレフィンの単独又は共重合体、或いはこれ
らのオレフィンの単独又は共重合体を不飽和カルボン酸
又はそのエステルでグラフト変性したものなどの広義の
ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル、ポリアミド、共
重合ポリアミド、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデ
ン、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、ビニルエステル
系樹脂、ポリエステルエラストマー、ポリウレタンエラ
ストマー、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン
などが挙げられる。また、本発明のEVOHや従来(市
販)のEVOHとも共押出可能である。
【0014】更に、本発明で得られた成形体から一旦フ
イルム、シートなどの成形物を得、これに他の基材を押
出コートしたり、他の基材のフイルム、シートなどを接
着剤を用いてラミネートする場合、前記の熱可塑性樹脂
以外に任意の基材(紙、金属箔、一軸又は二軸延伸プラ
スチックフイルム又はシート、織布、不織布、金属綿
条、木質面など)が使用可能である。積層体の層構成
は、本発明で得られた成形体の層をa(a
...)、他の基材、例えば熱可塑性樹脂層をb
(b,b...)とするとき、フイルム、シート、
ボトル状であれば、a/bの二層構造のみならず、b/
a/b、a/b/a、a/a/b、a/b
、b/b/a/b/bなど任意の組合せが
可能であり、フィラメント状ではa、bがバイメタル
型、芯(a)−鞘(b)型、芯(b)−鞘(a)型、或
は偏心芯鞘型など任意の組合せが可能である。
【0015】このときの積層体におけるa及びbそれぞ
れの厚みは、0.1〜2000μ及び1μ以上が好まし
い。又、共押出の場合、前述の如く、更に性能を向上さ
せるため、aにbあるいはbにaをブレンドしたり、又
aやbの少なくとも一方に両層面の密着性を向上させる
樹脂を配合することもある。積層体の形状としては任意
のものであって良く、フイルム、シート、テープ、ボト
ル、パイプ、フィラメント、異型断面押出物などが例示
される。又、得られる積層体は必要に応じ、熱処理、冷
却処理、圧延処理、印刷処理、ドライラミネート処理、
溶液又は溶融コート処理、製袋加工、深しぼり加工、箱
加工、チューブ加工、スプリット加工等を行うことがで
きる。
【0016】又、前記成形物や積層体は必要に応じて延
伸を施し、その物性を改善することも可能である。即
ち、本発明で得られた成形体を溶融成形して原反となる
フイルムを製造する。フイルムの厚みは特に限定はな
く、数μないし数100μに設定することができる。
尚、本発明に言うフイルムとはシート、テープ、管、容
器等の形態を含む広義のフイルムを意味する。かかるフ
イルムは膜厚が均一であるので、極めて製品価値が高
い、又、かかる膜厚の安定性は成形加工を長期にわたっ
て続けても保持される。
【0017】上記の如くして得られたフイルムは必要に
応じ、吸湿或は乾燥等の調湿処理した後延伸に供せられ
る。延伸は、一軸延伸、二軸延伸のいずれであってもよ
く、出来るだけ高倍率の延伸を行った方が物性的に良好
である。一軸延伸の場合は1.5倍以上、特に2倍以上
とすることが好ましい。二軸延伸の場合は面積倍率で
1.5倍以上、特に2倍以上、更には4倍以上とするこ
とが好ましい。延伸方法としてはロール延伸法、テンタ
ー延伸法、チューブラー延伸法、延伸ブロー法などの
他、深絞成形、真空成形等のうち延伸倍率の高いものも
採用できる。二軸延伸の場合は同時二軸延伸方式、逐次
二軸延伸方式のいずれの方式も採用できる。延伸温度
は、40〜150℃程度の範囲から選ばれる。
【0018】かくして延伸が終了した後、次いで熱固定
を行う。熱固定は、周知の手段で実施可能であり、上記
延伸フイルムを緊張状態に保ちながら50〜160℃、
好ましくは80〜160℃で2〜600秒間程度熱処理
を行う。又、得られる延伸フイルムは必要に応じ、冷却
処理、圧延処理、印刷処理、ドライラミネート処理、溶
液又は溶融コート処理、製袋加工、深しぼり加工、箱加
工、チューブ加工、スプリット加工等を行うことができ
る。上記の如く得られたフイルム、シート或は容器等は
食品、医薬品、工業薬品、農薬等各種の包装材として有
用であり、特に、接着性を生かして軟質塩化ビニルとの
積層体である壁紙やヒートシール性を要求されるレトル
ト用包材等にも大変有用である。
【0019】
【作用】本発明は、特定の融点をもつ新規なEVOH
で、ポリオレフィン系樹脂等との接着性及びヒートシー
ル性に優れるもので、各種基材と積層して積層体として
利用することができる。
【0020】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明
する。尚、実施例中「部」、「%」とあるのは特に断り
のない限り重量基準を意味する。 実施例1 水50%、iso−プロピルアルコール50%を含む混
合溶媒60部に、EVOH〔日本合成化学工業社製、
「ソアノールDT2903」、エチレン含有量29モル
%、ケン化度99.7モル%、融点188℃、メルトフ
ローインデックス(210℃、荷重2160gで測定)
3.2g/10min〕30部を加え60〜70℃にて
約2時間撹拌し、透明な溶液を調製した。次に、該溶液
に過酸化水素水(35%水溶液)10部を添加し、80
℃で約2時間撹拌下で反応させた後、更にカタラーゼを
3000ppmになるように添加し、残存過酸化水素を
除去し、30%のEVOH溶液を得た。該EVOH溶液
を100℃,90分の条件で乾燥させて固形のEVOH
を得た。
【0021】得られたEVOHのエチレン含有量は29
モル%、ケン化度は99.7モルで、融点TmをDSC
で測定したところ158℃であった。このTm値は、本
願規定の78<Tm<178℃を満足するものであっ
た。また、末端カルボキシル基の含有量は、酸性条件下
での電導度滴定の結果0.05meq/gであった。ま
た、IR測定(5μ厚のフイルム)の結果、3360c
-1(−OH伸縮振動),2930cm-1(−CH2
縮振動),1710cm-1(C=O伸縮振動),144
0cm-1(CH変角振動),1090cm-1(C−O伸
縮振動)に吸収が認められた。
【0022】次に、延伸ポリエステルフイルム(厚さ2
5μ)の表面に本発明のEVOHを190℃で溶融コー
トして、EVOHの膜厚が10μの積層体を得た。該積
層体の酸素透過度は、1.8cc/m・day・atm(20
℃、65%RH)で、層間剥離接着力は、250g/1
5mm(Tピール剥離、20℃,300mm/minの
引張速度で測定)であった。また、上記の延伸ポリエス
テルフイルム/EVOHの積層体を用いてEVOH面同
士をヒートシールして該ヒートシール部の接着力が10
0g/15mm(同上)となるヒートシール可能な最低
温度を測定したところ130℃であった。
【0023】実施例2〜6 表1に示す原料EVOHを用いて、実施例1と同様に表
1に示されるTm値をもつ本発明のEVOHを得た。上
記EVOHにつき、実施例1と同様の測定を行った。
【0024】比較例1 市販のEVOH(エチレン含量29モル%、ケン化度9
9.7モル%、融点188℃;実施例1と同様にTm値
を算出すると78<Tm<178℃となり、該融点は、
本願の規定値の範囲外である)を用いて実施例1と同様
に酸素透過度、層間剥離接着力及びヒートシール可能な
最低温度を測定したところ、それぞれ1.5cc/m2
・day・atm、1g/15mm未満及び170℃であっ
た。
【0025】比較例2 実施例1において過酸化水素水(35%水溶液)を30
部に増量し、かつ反応時間を約50時間とした以外は実
施例1に準じて、表1に示されるEVOHを得て、比較
例1と同様に測定を行った。表2に、実施例及び比較例
のそれぞれの測定結果を示す。
【0026】
【表1】 原料のEVOH* Tm値 Tm値の範囲 カルホ゛キシル 基含有量 Et(%) Sv(%) 融点(℃) (℃) (℃) (meq/g) 実施例1 29 99.7 188 158 78<Tm<178 0.05 実施例2 29 99.6 188 140 78<Tm<178 0.10 実施例3 29 99.4 188 125 77<Tm<177 0.15 実施例4 38 99.8 173 150 65<Tm<165 0.08 実施例5 38 99.7 173 138 65<Tm<165 0.11実施例6 44 99.8 164 120 56<Tm<156 0.17 比較例1 29 99.7 188 188 78<Tm<178 0.01比較例2 29 99.7 188 65 78<Tm<178 0.35 注)Et及びSvは、それぞれエチレン含有量及びケン
化度を表す。Tm値は、示差走査型熱量計による融点を
表し、Tm値の範囲とは、本発明の請求項1の式より算
出したTm値の範囲を表す。 *原料EVOHの商品名及びメルトフローインデックス ・実施例1、比較例1、2のEVOH :日本合成化学工業社製「ソアノールDT2903」〔メルトフローインデ ックス( 210℃、荷重2160gで測定) 3.2g/10min〕 ・実施例2のEVOH :日本合成化学工業社製「ソアノールD2908」〔メルトフローインデッ クス(2 10℃、荷重2160gで測定) 8g/10min〕 ・実施例3のEVOH :日本合成化学工業社製「ソアノールZL」〔メルトフローインデックス( 210℃、荷重2160gで測定) 20g/10min〕 ・実施例4のEVOH :日本合成化学工業社製「ソアノールET3803」〔メルトフローインデ ックス(210℃、荷重2160gで測定) 3.2g/10min〕 ・実施例5のEVOH :日本合成化学工業社製「ソアノールE3808」〔メルトフローインデッ クス(210℃、荷重2160gで測定) 8g/10min〕 ・実施例6のEVOH :日本合成化学工業社製「ソアノールA4412」〔メルトフローインデッ クス(210℃、荷重2160gで測定) 12g/10min〕
【0027】
【表2】 酸素透過度 層間剥離接着力 ヒートシール (cc/m2・day・atm) (g/15mm) 可能温度(℃) 実施例1 1.8 250 130 実施例2 2.0 380 110 実施例3 2.8 550 95 実施例4 4.2 325 120 実施例5 5.3 420 105実施例6 7.7 530 85 比較例1 1.5 <1 170比較例2 28 580 70
【0028】
【発明の効果】本発明は、特定の融点をもつ新規なEV
OHで、ポリオレフィン系樹脂等との接着性及びヒート
シール性に優れるもので、各種基材と積層して積層体と
して利用することができる。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭49−94566(JP,A) 特開 平3−263407(JP,A) 特開 平3−115402(JP,A) 特開 平6−298847(JP,A) 特開 平6−184335(JP,A) 特開 平2−47139(JP,A) 特開 昭61−243834(JP,A) 特公 昭44−7128(JP,B1) 特公 昭43−2939(JP,B1) 特公 昭35−10889(JP,B1) 特表 平4−500834(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08F 8/00 - 8/50

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エチレン含有量が20〜60モル%でケ
    ン化度が90モル%以上、かつ融点(Tm)が下式を満
    足することを特徴とするエチレン−酢酸ビニル共重合体
    ケン化物。 120−1.46Et+3.31(Sv−99.6)<
    Tm<220−1.46Et+3.31(Sv−99.
    6) 但し、Tm:示差走査型熱量計による融点(℃) Et:エチレン含有量(モル%) Sv:ケン化度(モル%)
  2. 【請求項2】 基材に請求項1記載のエチレン−酢酸ビ
    ニル共重合体ケン化物を積層したことを特徴とする積層
    体。
JP11390693A 1993-04-15 1993-04-15 エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物及びその用途 Expired - Fee Related JP3383000B2 (ja)

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