JP5630933B1 - ポリウレタン系弾性繊維用処理剤、ポリウレタン系弾性繊維の処理方法及びポリウレタン系弾性繊維 - Google Patents
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Abstract
Description
X1,X2:メチル基、炭素数1〜4のアルコキシ基又は水酸基であり、且つX1及びX2のうち少なくとも一つは炭素数1〜4のアルコキシ基又は水酸基
X3:下記の化3で示されるアミノ変性基
R1:炭素数1〜5のアルキル基
R2:炭素数12〜22の脂肪酸から1個のカルボキシル基を除いた残基
M:n価の原子価を有する金属原子
p:4〜1200の整数
q:1〜100の整数
n:1〜3の整数
R3,R4:炭素数2〜5のアルキレン基
r:0又は1
2成分以上で構成される場合には、それらを表1に記載の割合(質量比)で混合して、表1に記載の平滑剤を調製した。
S5:25℃における動粘度が5mm2/sであるポリジメチルシロキサン(信越化学工業株式会社製の商品名KF−96L−5cs)
S10:25℃における動粘度が10mm2/sであるポリジメチルシロキサン(信越化学工業株式会社製の商品名KF−96−10cs)
S20:25℃における動粘度が20mm2/sであるポリジメチルシロキサン(信越化学工業株式会社製の商品名KF−96−20cs)
S30:25℃における動粘度が30mm2/sであるポリジメチルシロキサン(信越化学工業株式会社製の商品名KF−96−30cs)
S50:25℃における動粘度が50mm2/sであるポリジメチルシロキサン(信越化学工業株式会社製の商品名KF−96−50cs)
M6:25℃における動粘度が6mm2/sである鉱物油(Witoco社製の商品名Semtol40)
M10:25℃における動粘度が10mm2/sである鉱物油(コスモ石油ルブリカンツ株式会社製の商品名コスモピュアスピンD)
M15:25℃における動粘度が15mm2/sである鉱物油(富士興産株式会社製の商品名フッールNT−60)
M21:25℃における動粘度が21mm2/sである鉱物油(Witoco社製の商品名Carnation)
M40:25℃における動粘度が40mm2/sである鉱物油(富士興産株式会社製の商品名フッコールNT−100)
・アミノ変性シリコーン(AS−1)の合成
化1中のp=360である両末端水酸基変性ポリジメチルシロキサン27000g、N−[3−(ジメトキシメチルシリル)プロピル]エチレンジアミン206g及び水酸化カリウムの40%水溶液3.3gをガラス製の反応容器内に入れ、撹拌しつつ90℃まで昇温し、4時間反応を行った。その後、水32gを添加し、減圧で脱水操作を行い、セライトを用いて濾過し、アミノ変性シリコーン(AS−1)27000gを得た。
アミノ変性シリコーン(AS−1)と同様にして、表2に記載のアミノ変性シリコーン(AS−2)〜(AS−11)を合成した。
化1中のp=12である両末端シラノール変性ポリジメチルシロキサン924g、N−[3−(ジメトキシメチルシリル)プロピル]エチレンジアミン206g及び水酸化カリウムの40%水溶液0.8gをガラス製の反応容器内に入れ、撹拌しつつ90℃まで昇温し、4時間反応を行った。その後、水32gを添加し、減圧で脱水操作を行なった後、ジメチルジメトキシシラン120gを添加して、撹拌しつつ90℃で2時間反応を行い、減圧下に脱メタノール処理を行って、セライトを用いて濾過して、アミノ変性シリコーン(AS−12)900gを得た。
ヘキサメチルジシロキサン162g、水18g、水酸化カリウムの40%水溶液10.3g、オクタメチルシクロテトラシロキサン13320g及びN−[3−(ジメトキシメチルシリル)プロピル]エチレンジアミン206gをガラス製の反応容器に入れ、撹拌しつつ90℃まで昇温し、4時間反応を行った後、減圧で脱水し、減圧下に脱メタノール処理を行い、セライトを用いて濾過し、アミノ変性シリコーン(as−1)13000gを得た。
ヘキサメチルジシロキサン162g、水18g、水酸化カリウムの40%水溶液0.4g、ジメチルジメトキシシラン120g及びN−[3−(ジメトキシメチルシリル)プロピル]エチレンジアミン206gをガラス製の反応容器に入れ、撹拌しつつ90℃まで昇温し、4時間反応を行った後、減圧下に脱水及び脱メタノール処理を行い、セライトを用いて濾過し、アミノ変性シリコーン(as−2)300gを得た。
以上で合成したアミノ変性シリコーンの内容を表2にまとめて示した。
・実施例1{弾性繊維製造用改質剤(P−1)の調製}
表1に記載の平滑剤(L−1)98部、表2に記載のアミノ変性シリコーン(AS−1)1部及び高級脂肪酸塩としてジステアリン酸マグネシウム塩(堺化学社製の商品名SM−P)1部を、20〜35℃の範囲内の温度で均一になるまで混合した後、横型ビーズミルを用いて湿式粉砕して、コロイド状に分散された弾性繊維用処理剤(P−1)を調製した。
実施例1の弾性繊維用処理剤(P−1)と同様にして、実施例2〜18の弾性繊維用処理剤(P−2)〜(P−18)及び比較例1〜3の弾性繊維用処理剤(R−1)〜(R−3)を調製した。これらの内容を表3にまとめて示した。
L−1〜L−9:表1に記載の平滑剤
AS−1〜AS−12,as−1,as−2:表2に記載のアミノ変性シリコーン
MgSt:マグネシウムジステアラート
CaSt:カルシウムジステアラート
NaSt:ナトリウムステアラート
試験区分3で調製した各例のポリウレタン系弾性繊維用処理剤について、処理剤中の高級脂肪酸塩の平均粒子径、処理剤の分散安定性及び処理剤の粘度変化を下記のように評価した。結果を表3にまとめて示した。
各例のポリウレタン系弾性繊維用処理剤を、25℃における粘度が10mm2/sであるポリジメチルシロキサン中に、該ポリウレタン系弾性繊維用処理剤中の分散質の濃度が1000mg/Lとなるよう希釈し、その希釈液を液温25℃でレーザー回折式粒度分布測定装置に供して、体積基準の平均粒子径を測定した。
各例のポリウレタン系弾性繊維用処理剤100mlを、密栓付きガラス製の100mlメスシリンダーに入れ、40℃にて1か月間放置し、調製直後と1か月間後のポリウレタン系弾性繊維用処理剤の外観を観察して、下記の基準で評価した。
◎:均一な分散状態で外観に変化がない
○:5ml未満の透明層が発生した
△:5ml以上の透明層が発生した
×:沈殿が発生した
E型粘度計(TOKIMEC社製の商品名DVH−E型)を用いて、調製直後の各例のポリウレタン系弾性繊維用処理剤の30℃における粘度を、ローターE、20rpmで測定し、初期粘度V1(Pa・s)とした。また各例のポリウレタン系弾性繊維用処理剤を密栓付きガラス製容器に入れ、40℃にて6か月間放置し、再度同様に30℃における粘度を測定し、経時後粘度V2(Pa・s)とした。そしてV2/V1を算出し、下記の基準で評価した。
◎:V2/V1が1.3未満
○:V2/V1が1.3以上1.5未満
・ポリウレタン系弾性繊維へのポリウレタン系弾性繊維用処理剤の付着
ビス−(p−イソシアネートフェニル)−メタン/テトラメチレンエーテルグリコール(数平均分子量1800)=1.58/1(モル比)の混合物を常法により90℃で3時間反応させ、キャップドグリコールを得た後、このキャップドグリコールをN,N’−ジメチルアセトアミド(以下、DMAcという)で希釈した。次にエチレンジアミン及びジエチルアミンを含むDMAc溶液を前記のキャップドグリコールのDMAc溶液に加え、室温で高速攪拌装置を用いて混合し、鎖伸長させてポリマを得た。更にDMAcを加えて前記のポリマ濃度が約35%のDMAc溶液とし、このDMAc溶液に、ポリマに対して酸化チタンを4.7%、ヒンダードアミン系耐侯剤を3.0%及びヒンダードフェノール系酸化防止剤を1.2%となるように添加し、混合して均一なポリマ混合溶液とした。このポリマ混合溶液を用いて、公知のスパンデックスで用いられる乾式紡糸方法により、単糸数4本からなる44dtexの弾性糸を紡糸し、巻き取り前のオイリングローラーから各例のポリウレタン系弾性繊維用処理剤をそのままニートの状態でローラー給油した。かくしてローラー給油したものを、巻き取り速度550m/分で、長さ57mmの円筒状紙管に、巻き幅42mmを与えるトラバースガイドを介して、サーフェイスドライブの巻取機を用いて巻き取り、乾式紡糸ポリウレタン系弾性繊維のパッケージを得た。ポリウレタン系弾性繊維用処理剤の付着量の調節は、オイリングローラーの回転数を調整することで行い、目標値5.5%で付着させた。
前記で得た乾式紡糸ポリウレタン系弾性繊維パッケージを下記の測定及び評価に供し、結果を表4にまとめて示した。
前記のパッケージ(500g巻き)について、捲き幅の最大値(Wmax)と最小幅(Wmin)を計測し、双方の差(Wmax−Wmin)からバルジを求め、下記の基準で評価した。
◎:バルジが4mm未満
○:バルジが4〜7mm
前記のパッケージ(500g巻き)巻糸体をミニチュア整経機に10本仕立て、25℃で65%Hの雰囲気下に糸速度300m/分で100km巻き取った。このとき、ミニチュア整経機のクシガイドでのスカムの蓄積状態を肉眼観察し、下記の基準で評価した。
◎:スカムの付着がほとんどなかった。
○:スカムがやや付着しているが、糸の安定走行に問題はなかった。
×:スカムの付着および蓄積が多く、糸の安定走行に大きな問題があった。
片側に第1駆動ローラーとこれに常時接する第1遊離ローラーとで送り出し部を構成し、また反対側に第2駆動ローラーとこれに常時接する第2遊離ローラーとで巻き取り部を構成して、該送り出し部に対し該巻き取り部を水平方向で20cm離して設置した。第1駆動ローラーに前記と同様のパッケージ(500g巻き)を装着し、糸巻の厚さが2mmになるまで解舒して、第2駆動ローラーに巻き取った。第1駆動ローラーからのポリウレタン系弾性繊維の送り出し速度を50m/分で固定する一方、第2駆動ローラーへのポリウレタン系弾性繊維の巻き取り速度を50m/分より徐々に上げて、ポリウレタン系弾性繊維をパッケージから強制解舒した。この強制解舒時において、送り出し部分と巻き取り部分との間でポリウレタン系弾性繊維の踊りがなくなる時点での巻き取り速度V(m/分)を測定し、次の数1から解舒性(%)を求め、下記の基準で評価した。
◎:解舒性が120%未満(全く問題なく、安定に解舒できる)
○:解舒性が120%以上180%未満(糸の引き出しにやや抵抗があるものの、糸切れの発生は無く、安定に解舒できる)
×:解舒性が180%以上(糸の引き出しに抵抗があり、糸切れもあって、操業に問題がある)
前記のパッケージ(500g巻き)の試料糸を用いて織物ストレッチ布帛を作製し、染色等の後加工を行い、その外観品位を評価した。先ず、試料糸を、カチオン可染ポリエステル糸(168dtex/48fil)でカバリング加工した。その際のカバリング機での条件を、撚り数=450t/m、ドラフト=3.0として得られたカバリング糸をヨコ糸用とし、また撚り数700T/M、ドラフト=3.5として得られたカバリング糸をタテ糸用とした。次に、得られたカバリング糸をそれぞれヨコ糸、タテ糸として用い、タテ糸を5100本(荒巻整経1100本)で糊付け整経した後、レビアー織機を用いて2/1綾組織で製織した。そして製織で得られた生機を常法に従い精練加工、中間セット(185℃)、減量加工を行ない、更にカチオン染料を用いた染色加工、乾燥、仕上げ剤処理、及び180℃、布帛20m/分、セットゾーン24mの条件で仕上げセットを行った。このように後加工を行った後のストレッチ布帛の外観品位を、主に生地の波打ちに注目して、次の3段階で評価した。
◎:波打ちが全くない
○:波打ちがあるがほとんど気にならない
×:波打ちが気になる
Claims (12)
- 下記の平滑剤、下記の化1で示されるアミノ変性シリコーン及び下記の化2で示される高級脂肪酸塩を含有して成ることを特徴とするポリウレタン系弾性繊維用処理剤。
平滑剤:シリコーンオイル、鉱物油、脂肪酸エステル及び液状ポリオレフィンから選ばれる一つ又は二つ以上からなり、且つ25℃における動粘度が5〜50mm2/sのもの
X1,X2:メチル基、炭素数1〜4のアルコキシ基又は水酸基であり、且つX1及びX2のうち少なくとも一つは炭素数1〜4のアルコキシ基又は水酸基
X3:下記の化3で示されるアミノ変性基
R1:炭素数1〜5のアルキル基
R2:炭素数12〜22の脂肪酸から1個のカルボキシル基を除いた残基
M:n価の原子価を有する金属原子
p:4〜1200の整数
q:1〜100の整数
n:1〜3の整数)
R3,R4:炭素数2〜5のアルキレン基
r:0又は1) - 化1で示されるアミノ変性シリコーンが、化1中のX1及びX2がメチル基又は水酸基であり、且つX1及びX2のうち少なくとも一つは水酸基である場合のものである請求項1記載のポリウレタン系弾性繊維用処理剤。
- 化1で示されるアミノ変性シリコーンが、化1中のX1及びX2が水酸基である場合のものである請求項1記載のポリウレタン系弾性繊維用処理剤。
- 化1で示されるアミノ変性シリコーンが、化1中のpが15〜700の整数であり、またR1がメチル基である場合のものである請求項1〜3のいずれか一つの項記載のポリウレタン系弾性繊維用処理剤。
- 化1で示されるアミノ変性シリコーンが、化1中のpが100〜500の整数であり、また化1中のqが1〜10の整数である場合のものである請求項1〜4のいずれか一つの項記載のポリウレタン系弾性繊維用処理剤。
- 化1で示されるアミノ変性シリコーンが、そのアミノ当量が3000〜30000g/モルである場合のものである請求項1〜5のいずれか一つの項記載のポリウレタン系弾性繊維用処理剤。
- 化2で示される高級脂肪酸塩が、化2中のMが2価の原子価を有する金属原子であり、またnが2の整数であって、且つその平均粒子径が0.1〜1.0μmである場合のものである請求項1〜6のいずれか一つの項記載のポリウレタン系弾性繊維用処理剤。
- 平滑剤が、シリコーンオイルを含有するものである請求項1〜7のいずれか一つの項記載のポリウレタン系弾性繊維用処理剤。
- 平滑剤を70〜99.8質量%、化1で示されるアミノ変性シリコーンを0.1〜20質量%及び化2で示される高級脂肪酸金属塩を0.1〜10質量%(合計100質量%)の割合で含有して成る請求項1〜8のいずれか一つの項記載のポリウレタン系弾性繊維用処理剤。
- 平滑剤を89〜99.8質量%、化1で示されるアミノ変性シリコーンを0.1〜5質量%及び化2で示される高級脂肪酸金属塩を0.1〜6質量%(合計100質量%)の割合で含有して成る請求項1〜8のいずれか一つの項記載のポリウレタン系弾性繊維用処理剤。
- 請求項1〜10のいずれか一つの項記載のポリウレタン系弾性繊維用処理剤を希釈することなくニート給油法によって、ポリウレタン系弾性繊維に対し0.1〜10質量%の割合となるよう付着させることを特徴とするポリウレタン系弾性繊維の処理方法。
- 請求項11記載のポリウレタン系弾性繊維の処理方法によって得られるポリウレタン系弾性繊維。
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