JP6549340B1 - ポリウレタン系弾性繊維用処理剤、ポリウレタン系弾性繊維の処理方法及びポリウレタン系弾性繊維 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明の処理剤に供する平滑剤は、化4で示されるアミド変性シリコーン以外のシリコーンオイル、鉱物油、脂肪酸エステル及び液状ポリオレフィンから選ばれる一つ又は二つ以上からなり、且つ25℃における動粘度が5〜50mm2/sのものである。具体的に化4で示されるアミド変性シリコーン以外のシリコーンオイルとしては、例えば、(1)繰り返し単位がジメチルシロキサン単位から成るポリジメチルシロキサン類、(2)繰り返し単位がジメチルシロキサン単位と炭素数2〜4のアルキル基を含むジアルキルシロキサン単位とから成るポリジアルキルシロキサン類、及び(3)繰り返し単位がジメチルシロキサン単位とメチルフェニルシロキサン単位とから成るポリシロキサン類等が挙げられ、公知の物の参考例としては次のようなものがある。
本発明の処理剤に供する特定のアミド変性シリコーンは、下記の化4で示されるものである。
具体的に化4で示されるアミド変性シリコーンとしては、側鎖に3−脂肪酸アミドプロピル基、N−(2−脂肪酸アミドエチル)−3−アミノプロピル基を持った両末端水酸基変性アミド変性シリコーン等が挙げられるが、なかでも側鎖にN−(2−脂肪酸アミドエチル)−3−アミノプロピル基を持った両末端水酸基変性アミド変性シリコーンがより好ましい。
本発明の処理剤に供する特定の高級脂肪酸塩は、下記の化6で示されるものである。
本発明の処理剤には、本発明の効果を損なわない範囲内にて、必要に応じその他の成分を併用することもできる。かかるその他の成分としては、例えば、帯電防止剤、膠着防止剤、つなぎ剤、濡れ性向上剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、防腐剤等、繊維処理剤として公知の成分が挙げられる。
本発明の処理剤は、平滑剤を56〜99.8質量%の割合で含有することが好ましく、76.5〜99.8質量%の割合で含有することがより好ましい。
また、本発明の処理剤は、平滑剤、化4で示されるアミド変性シリコーン、及び化6で示される高級脂肪酸塩の含有割合の合計を100質量%としたとき、平滑剤の含有割合が70〜99.8質量%であり、化4で示されるアミド変性シリコーンの含有割合が0.1〜20質量%であり、化6で示される高級脂肪酸塩の含有割合が0.1〜10質量%であることが好ましく、平滑剤の含有割合が85〜99.8質量%であり、化4で示されるアミド変性シリコーンの含有割合が0.1〜5質量%であり、化6で示される高級脂肪酸塩の含有割合が0.1〜10質量%であることがより好ましい。
プレポリマの鎖伸長に用いる前記のジオールとしては、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,2−プロピレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノ一ル、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−ビス(β−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、ビス(β−ヒドロキシエチル)テレフタレート及びパラキシリレンジオール等が挙げられる。以上、ポリウレタン系弾性繊維の原料となる長鎖の重合体について説明したが、本発明において、かかる長鎖の重合体の重合方法は特に制限されない。
また、化4で示されるアミド変性シリコーンとして、pが15〜700の整数であり、R1がメチル基であるものを用いた場合には、加工時におけるスカム発生を抑制することによる加工品位を向上させる効果が大きくなる。
2成分以上で構成される場合には、それらを表1に記載の割合(質量比)で混合して、表1に記載の平滑剤を調製した。
S10:25℃における動粘度が10mm2/sであるポリジメチルシロキサン
S20:25℃における動粘度が20mm2/sであるポリジメチルシロキサン
S30:25℃における動粘度が30mm2/sであるポリジメチルシロキサン
S50:25℃における動粘度が50mm2/sであるポリジメチルシロキサン
M6:25℃における動粘度が6mm2/sである鉱物油
M10:25℃における動粘度が10mm2/sである鉱物油
M15:25℃における動粘度が15mm2/sである鉱物油
M21:25℃における動粘度が21mm2/sである鉱物油
M40:25℃における動粘度が40mm2/sである鉱物油
試験区分2(アミド変性シリコーンの合成)
・アミド変性シリコーン(AS−1)の合成
シロキサン部分の繰り返し単位が40である、両末端水酸基変性ポリジメチルシロキサン27000g、N−[3−(ジメトキシメチルシリル)プロピル]エチレンジアミン206g、水酸化カリウム40%水溶液3.3gをガラス製の反応容器内に入れ、撹拌しつつ90℃まで昇温し、4時間反応を行った。その後、水32gを添加し、減圧で脱水操作を行い、セライトを用いて濾過を行い、アミノ変性シリコーン27000gを得た。得られたアミノ変性シリコーン27000gにオレイン酸2814gをガラス製の反応容器内に入れ、撹拌しつつ120℃まで昇温し、窒素気流下で4時間反応を行った。その後反応物を冷却し、アミド変性シリコーン(AS−1)27000gを得た。
化4に示す一般式のp、qの数値に応じて、シロキサン部分の繰り返し単位を変更し、両末端水酸基変性ポリジメチルシロキサンに代替、及び併用して使用する他、X3の構造に応じたアミン、脂肪酸を使用し、アミド変性シリコーン(AS−1)と同様に合成を行った。
N−[3−(ジメトキシメチルシリル)プロピル]エチレンジアミンを3−(ジメトキシメチルシリル)プロピルアミンに替えて、アミド変性シリコーン(AS−1)と同様に合成を行った。
シロキサン部分の繰り返し単位が40である、両末端シラノール変性ポリジメチルシロキサン30543g、N−[3−(ジメトキシメチルシリル)プロピル]エチレンジアミン1032g、水酸化カリウム40%水溶液4.0gをガラス製の反応容器内に入れ、撹拌しつつ90℃まで昇温し、4時間反応を行った。その後、水135gを添加し、減圧で脱水操作を行なった後、ジメチルジメトキシシラン60gを添加、撹拌しつつ90℃で2時間反応を行い、減圧で脱メタノールを行い、セライトを用いて濾過を行い、アミノ変性シリコーン31000gを得た。得られたアミノ変性シリコーン31000gにテレフタル酸85gをガラス製の反応容器内に入れ、撹拌しつつ120℃まで昇温し、窒素気流下で4時間反応を行った。その後反応物を冷却し、アミド変性シリコーン(AS−12)31000gを得た。
ヘキサメチルジシロキサン162、水18g、水酸化カリウム40%水溶液10.3g、オクタメチルシクロテトラシロキサン13320g、N−[3−(ジメトキシメチルシリル)プロピル]エチレンジアミン206gをガラス製の反応容器に入れ、撹拌しつつ90℃まで昇温し、4時間反応を行った後、減圧で脱水、脱メタノールを行い、セライトを用いて濾過を行い、アミノ変性シリコーン(Ras−1)13000gを得た。
ヘキサメチルジシロキサン162g、水54g、水酸化カリウム40%水溶液0.4g、ジメチルジメトキシシラン361g、N−[3−(ジメトキシメチルシリル)プロピル]エチレンジアミン206gをガラス製の反応容器に入れ、撹拌しつつ90℃まで昇温し、4時間反応を行った後、減圧で脱水、脱メタノールを行い、セライトを用いて濾過を行い、アミノ変性シリコーン(Ras−2)500gを得た。
ヘキサメチルジシロキサン162g、水54g、水酸化カリウム40%水溶液5.2g、オクタメチルシクロテトラシロキサン5932g、N−[3−(ジメトキシメチルシリル)プロピル]エチレンジアミン413gをガラス製の反応容器に入れ、撹拌しつつ90℃まで昇温し、4時間反応を行った後、減圧で脱水、脱メタノールを行い、セライトを用いて濾過を行い、アミノ変性シリコーン6400gを得た。得られたアミノ変性シリコーン6400gにアジピン酸291gをガラス製の反応容器内に入れ、撹拌しつつ120℃まで昇温し、窒素気流下で4時間反応を行った。その後反応物を冷却し、アミド変性シリコーン(Ras−3)6655gを得た。
ヘキサメチルジシロキサン162g、水54g、水酸化カリウム40%水溶液2.4g、オクタメチルシクロテトラシロキサン2225g、N−[3−(ジメトキシメチルシリル)プロピル]エチレンジアミン413gをガラス製の反応容器に入れ、撹拌しつつ90℃まで昇温し、4時間反応を行った後、減圧で脱水、脱メタノールを行い、セライトを用いて濾過を行い、アミノ変性シリコーン2700gを得た。得られたアミノ変性シリコーン2700gにトリメリット酸419gをガラス製の反応容器内に入れ、撹拌しつつ120℃まで昇温し、窒素気流下で4時間反応を行った。その後反応物を冷却し、アミド変性シリコーン(Ras−4)3082gを得た。
メチルハイドロジェンポリジメチルシロキサン(メチルハイドロジェンシロキサン単位2個、ジメチルシロキサン単位30個、トリメチルシロキサン単位1個、トリメチルシリル単位1個から構成されたもの)2505g、ペンタノイルポリアルキレングリコールモノアリルエーテル(ポリアルキレングリコールがエチレンオキシ単位3個とプロピレンオキシ単位3 個とがランダム結合したもの)897g、触媒として塩化白金6水和物0.1g及びトルエン2000mlを反応容器に仕込み、反応系の温度を110℃に保ち、10時間付加反応を行なった。反応系からキシレンを減圧留去した後、触媒を濾別し、中間体としてポリエーテル変性シリコーンを得た。別に、3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン490g及び水144gを反応容器に仕込み、反応系の温度を40℃に保ち、2時間重合反応を行なった後、80℃で2時間減圧脱水処理し、中間体としてアミノ基含有ポリシロキサンを得た。かくして得たポリエーテル変性シリコーン1701g及びアミノ基含有ポリシロキサン135gを反応容器に仕込み、均一に混合した後、水酸化カリウム0.1gを加えて、反応系の温度を98℃に保ち、24時間反応を行なった。反応物を酢酸で中和した後、更に無水トリメリット酸193gを加え、反応系の温度を150〜175℃として、6時間アミド化反応を行ない、アミド変性シリコーン(Ras−5)を得た。
ヘキサメチルジシロキサン162g、水54g、水酸化カリウム40%水溶液10.4g、オクタメチルシクロテトラシロキサン11123g、N−[3−(ジメトキシメチルシリル)プロピル]エチレンジアミン206gをガラス製の反応容器に入れ、撹拌しつつ90℃まで昇温し、4時間反応を行った後、減圧で脱水、脱メタノールを行い、セライトを用いて濾過を行い、アミノ変性シリコーン11000gを得た。得られたアミノ変性シリコーン11000gにテレフタル酸160gをガラス製の反応容器内に入れ、撹拌しつつ120℃まで昇温し、窒素気流下で4時間反応を行った。その後反応物を冷却し、アミド変性シリコーン(Ras−6)11142gを得た。
・実施例1
平滑剤として表3に示される25℃における粘度が20mm2/sであるポリジメチルシロキサン(S20)49部と25℃における粘度が21mm2/sである鉱物油(M21)49部の混合物である平滑剤(L−1)98部、表2に示されるアミド変性シリコーン(AS−1)1部、高級脂肪酸塩としてジステアリン酸マグネシウム塩(堺化学社製、SM−P)1部を加えて、20〜35℃の範囲内の温度で均一になるまで混合した後、横型ビーズミルを用いて湿式粉砕してコロイド状に分散されたポリウレタン系弾性繊維用処理剤を調製した。
実施例1の弾性繊維用処理剤と同様にして、実施例2〜6のポリウレタン系弾性繊維用処理剤、参考例1〜11のポリウレタン系弾性繊維用処理剤、比較例1〜3のポリウレタン系弾性繊維用処理剤を調製した。これらの内容を表3にまとめて示した。
M−1:ステアリン酸マグネシウム塩
M−2:ジステアリン酸カルシウム塩
M−3:ステアリン酸ナトリウム塩
M−4:ジカプリル酸マグネシウム塩
M−5:ジステアリン酸亜鉛塩
AS−1〜AS−12,Ras−1〜Ras−6:表2に記載のアミノ変性シリコーン及びアミド変性シリコーン
Ras−7:粘度900mm2/s(25℃)、官能基当量2700g/molのアミドポリエーテル変性シリコーン
試験区分4(ポリウレタン系弾性繊維用処理剤の評価)
試験区分2で調製した各例のポリウレタン系弾性繊維用処理剤について、高級脂肪酸塩の平均粒子径、分散安定性、及び粘度上昇を下記のように評価した。結果を表3にまとめて示した。
ポリウレタン系弾性繊維用処理剤を、25℃における粘度が共に10mm2/sであるポリジメチルシロキサンに、該ポリウレタン系弾性繊維用処理剤中の分散質の濃度が1000mg/Lとなるよう希釈し、その希釈液を液温25℃でレーザー回折式粒度分布測定装置に供して、体積基準の平均粒子径を測定した。
各例のポリウレタン系弾性繊維用処理剤100mlを、密栓付きガラス製の100mlメスシリンダーに入れ、40℃にて1か月間放置し、調製直後と1か月間後のポリウレタン系弾性繊維用処理剤の外観を観察して、下記の基準で評価した。
○:5ml未満の透明層が発生した。
×:5ml以上の透明層が発生、もしくは沈殿が発生した。
E型粘度計(TOKIMEC社製、DVH−E型)を用いて、調製直後の各例のポリウレタン系弾性繊維用処理剤の30℃における粘度を、ローターE、20rpmで測定し、初期粘度V1(Pa・s)とした。また各例のポリウレタン系弾性繊維用処理剤を密栓付きガラス製容器に入れ、40℃にて6か月間放置し、再度同様に30℃における粘度を測定し、経時後粘度V2(Pa・s)とした。そしてV2/V1を算出し、下記の基準で評価した。
○:V2/V1が1.3以上1.5未満
×:V2/V1が1.5以上
表3の結果からも明らかなように、本発明の処理剤は、長期間に亘って初期の状態を維持し、分散安定性及び粘度安定性に優れている。本発明の処理剤は、長期間の保管や運搬中における性状の変化が殆どなく、優れた分散安定性及び粘度安定性を維持しているため、使い勝手がいいのである。
・ポリウレタン系弾性繊維へのポリウレタン系弾性繊維用処理剤の付着
ビス−(p−イソシアネートフェニル)−メタン/テトラメチレンエーテルグリコール(数平均分子量1800)=1.58/1(モル比)の混合物を常法により90℃で3時間反応させ、キャップドグリコールを得た後、このキャップドグリコールをN,N’−ジメチルアセトアミド(以下、DMAcという)で希釈した。次にエチレンジアミン及びジエチルアミンを含むDMAc溶液を前記のキャップドグリコールのDMAc溶液に加え、室温で高速攪拌装置を用いて混合し、鎖伸長させてポリマを得た。更にDMAcを加えて前記のポリマ濃度が約35質量%のDMAc溶液とし、このポリマのDMAc溶液に、ポリマに対して酸化チタンを4.7質量%、ヒンダードアミン系耐侯剤を3.0質量%及びヒンダードフェノール系酸化防止剤を1.2質量%となるように添加し、混合して均一なポリマ混合溶液とした。このポリマ混合溶液を用いて、公知のスパンデックスで用いられる乾式紡糸方法により、単糸数4本からなる44dtexの弾性糸を紡糸し、巻き取り前のオイリングローラーから各例のポリウレタン系弾性繊維用処理剤をそのままニートの状態でローラー給油した。かくしてローラー給油したものを、巻き取り速度550m/分で、長さ57mmの円筒状紙管に、巻き幅42mmを与えるトラバースガイドを介して、サーフェイスドライブの巻取機を用いて巻き取り、乾式紡糸ポリウレタン系弾性繊維のパッケージを得た。ポリウレタン系弾性繊維用処理剤の付着量の調節は、オイリングローラーの回転数を調整することで行い、目標値5.5%で付与した。
前記で得た乾式紡糸ポリウレタン系弾性繊維パッケージを下記の測定及び評価に供し、結果を表3にまとめて示した。
前記のパッケージ(1kg巻き)について、捲き幅の最大値(Wmax)と最小幅(Wmin)を計測し、双方の差(Wmax−Wmin)からバルジを求め、下記の基準で評価した。
○:バルジが4〜10mm。
×:バルジが10mm以上。
前記のパッケージ(1kg巻き)捲糸体をミニチュア整経機に10本仕立て、25℃で65%RHの雰囲気下に糸速度300m/分で1500km巻き取った。このとき、ミニチュア整経機のクシガイドでのスカムの蓄積状態を肉眼観察し、下記の基準で評価した。
○:スカムがやや付着しているが、糸の安定走行に問題はなかった。
×:スカムの付着及び蓄積が多く、糸の安定走行に大きな問題があった。
摩擦測定メーター(エイコー測器社製、SAMPLE FRICTION UNIT MODEL TB−1)を用い、二つのフリーローラー間に直径1cmで表面粗度2Sのクロムメッキ梨地ピンを配置し、このクロムメッキ梨地ピンに対し、前記のパッケージ(500g巻き)から引き出したポリウレタン系弾性繊維の接触角度が90度となるようにした。25℃で60%RHの条件下、入側で初期張力(T1)5gをかけ、100m/分の速度で走行させたときの出側の2次張力(T2)を0.1秒毎に1分間測定した。下記の数1から摩擦係数を求め、下記の基準で評価した。
△:摩擦係数が0.260以上0.300未満。
×:摩擦係数が0.300以上。
試料糸を用いて織物ストレッチ布帛を作製し、染色等の後加工を行い、その外観品位を評価した。先ず、試料糸を、カチオン可染ポリエステル糸(168dtex/48fil)でカバリング加工した。その際のカバリング機での条件を、ヨリ数=450t/m、ドラフト=3.0として得られたカバリング糸をヨコ糸用とし、またヨリ数700T/M、ドラフト=3.5として得られたカバリング糸をタテ糸用とした。次に、得られたカバリング糸をそれぞれヨコ糸、タテ糸として用い、タテ糸を5100本(荒巻整経1100本)で糊付け整経した後、レビアー織機を用いて2/1綾組織で製織した。そして製織で得られた生機を常法に従い精練加工、中間セット(185℃)、減量加工を行ない、更にカチオン染料を用いた染色加工、乾燥、仕上げ剤処理、及び180℃、布帛20m/分、セットゾーン24mの条件で仕上げセットを行った。
◎:波打ちが全くなく、手触りが滑らか。
×:波打ちが気になり、手触りにひっかかりがある。
表3の結果からも明らかなように、本発明の処理剤及び処理方法によると、ポリウレタン系弾性繊維の製造において、良好な捲形状を有するパッケージを得ることができ、また後加工でのスカム発生や擦過による糸切れが少なく、結果として編地の表面が滑らかで加工品位に優れるポリウレタン系弾性繊維を得ることができるのである。
Claims (4)
- ポリウレタン系弾性繊維に付着させて用いられるポリウレタン系弾性繊維用処理剤であって、
平滑剤、下記の化1で示されるアミド変性シリコーン、及び下記の化3で示される高級脂肪酸金属塩を含有し、
前記平滑剤は、前記アミド変性シリコーン以外のシリコーンオイル、鉱物油、脂肪酸エステル、及び液状ポリオレフィンの少なくとも一つを含有し、
前記平滑剤の動粘度が5〜50mm2/sであり、
前記アミド変性シリコーンは、アミド当量が3000〜30000g/molであることを特徴とするポリウレタン系弾性繊維用処理剤。
X1,X2:水酸基
X3:下記の化2で示されるアミド変性基
R1:炭素数1〜5のアルキル基
p:100〜500の整数
q:1〜10の整数)
R2,R3:炭素数2〜5のアルキレン基
R4:1〜4価のカルボン酸から一つの水酸基を除いた残基
r:0又は1)
R5:炭素数12〜22の脂肪酸から一つのカルボキシル基を除いた残基
M:n価の原子価を有する金属原子
n:1〜3の整数) - 前記平滑剤、前記アミド変性シリコーン、及び前記高級脂肪酸金属塩の含有割合の合計を100質量%とすると、前記平滑剤を85〜99.8質量%、前記アミド変性シリコーンを0.1〜5質量%、及び前記高級脂肪酸金属塩を0.1〜10質量%の割合で含有する請求項1に記載のポリウレタン系弾性繊維用処理剤。
- 請求項1又は2に記載のポリウレタン系弾性繊維用処理剤を、合成繊維100質量%に対し0.1〜10質量%の割合となるよう付着させることを特徴とするポリウレタン系弾性繊維の処理方法。
- 請求項1又は2に記載のポリウレタン系弾性繊維用処理剤が付着していることを特徴とするポリウレタン系弾性繊維。
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