JP3831772B2 - ポリウレタン系弾性繊維用処理剤および該処理剤を用いて処理されたポリウレタン系弾性繊維 - Google Patents

ポリウレタン系弾性繊維用処理剤および該処理剤を用いて処理されたポリウレタン系弾性繊維 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はポリウレタン系弾性繊維用処理剤および該処理剤を用いて処理されたポリウレタン系弾性繊維に関する。更に詳しくは、ポリウレタン系弾性繊維の製造工程において、良好な捲形状と糸解舒性を有するパッケージの製造を可能にし、且つ加工工程においては、ガイド類への処理剤の脱落と蓄積を低減させ、安定した操業性(糸通過性)を付与することのできるようなポリウレタン系弾性繊維用処理剤および該処理剤を用いて処理されたポリウレタン系弾性繊維に関する。
【0002】
【従来技術】
ポリウレタン系弾性糸を処理する従来の方法として、ポリジメチルシロキサンまたは鉱物油に、1)高級脂肪酸金属塩を分散した処理剤で処理する方法(特公昭37−4586、特公昭40−5557、特公平6−15745号公報)、2)アミノ変性シリコーンを配合した処理剤で処理する方法(特公昭63−8233号公報)、3)ポリエーテル変性シリコーンを配合した処理剤で処理する方法(特公昭61−459、特開平2−127569、特開平6−41873号公報)、4)シリコーン樹脂を配合した処理剤で処理する方法(特公昭42−8438、特公昭63−12197、特開平8−74179号公報)、5)アミノ変性シリコーンとシリコーン樹脂を配合した処理剤で処理する方法(特開平3−294524、特開平3−51374、特開平5−195442号公報)等がある。
【0003】
ところが、従来のポリジメチルシロキサン又は鉱物油に高級脂肪酸金属塩を分散した処理剤でポリウレタン系弾性糸を処理する方法では、高級脂肪酸金属塩の初期の分散状態が保たれず経時的に凝集、沈殿するなど処理剤の分散安定性が著しく劣るため、処理剤を使用する際、十分撹拌しても高級脂肪酸金属塩が凝集しているため、これで処理されたポリウレタン弾性糸はパッケージで重なり合う糸条同志が密着し満足する解舒性が得られない。更に加工工程では、凝集した高級脂肪酸金属塩がガイド類に脱落、蓄積するため、これが原因となって糸切れが発生するという欠点がある。また、ポリジメチルシロキサン又は鉱物油にアミノ変性シリコーン、ポリエーテル変性シリコーンあるいはシリコーン樹脂等の変性シリコーンを配合した処理剤で処理した場合、高級脂肪酸金属塩を配合した処理剤で処理する場合よりもポリウレタン系弾性糸のパッケージでの糸条同志の密着を防止する効果が弱く満足する解舒性が得られない。特に、アミノ変性シリコーンやポリエーテル変性シリコーンを配合した処理剤で処理した場合、繊維間摩擦係数が著しく低くなりパッケージの捲き崩れを生じ良好な捲形状が得られないという欠点がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明が解決しようとする課題は、ポリウレタン系弾性繊維用処理剤中の高級脂肪酸マグネシウム塩の凝集や沈殿を抑制し、分散安定性を長期にわたって維持できるポリウレタン系弾性繊維用処理剤およびこれをポリウレタン系弾性繊維に処理することによりポリウレタン系弾性糸のパッケージが優れた捲形状と解舒性を有し、更には加工工程において該処理剤がガイド類へ脱落、蓄積することを低減し、良好な製造と加工工程通過性を有する該処理剤によって処理されたポリウレタン系弾性繊維を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
しかして本発明者らは、上記課題を解決するべく鋭意検討した結果、ポリウレタン系弾性繊維を製造する際に、特定のシリコーンオイルと特定のカルボキシアミド変性シリコーンとが所定割合から成るシリコーン混合物中に特定の高級脂肪酸マグネシウム塩を所定割合でコロイド状に分散された分散液から成るポリウレタン系弾性繊維用処理剤を用いることが正しく好適であることを見出した。
【0006】
すなわち本発明は、分散媒体として25℃における粘度が5×10-6〜50×10-62 /Sのシリコーンオイルと分散剤として下記の式1で示されるカルボキシアミド変性シリコーンとが該シリコーンオイル/該カルボキシアミド変性シリコーン=100/0.01〜100/10(重量比)の割合から成るシリコーン混合物中に下記の式2で示される高級脂肪酸マグネシウム塩が該シリコーンオイル100重量部当たり1〜10重量部の割合でコロイド状に分散された分散液から成ることを特徴とするポリウレタン系弾性繊維用処理剤に係る。
【0007】
【化3】
Figure 0003831772
【0008】
【化4】
Figure 0003831772
【0009】
(式1、式2において、
1 、X2 、X3 :メチル基又は下記の式3で示されるカルボキシアミド変性基であって、少なくともいずれか1つが該カルボキシアミド変性基
1 :炭素数2〜5のアルキル基またはフェニル基
2 :−R5 −(NH−R6 −)f−NH2
3 、R4 :炭素数11〜21のアルキル基
5 、R6 :炭素数2〜5のアルキレン基
a、b、c:aが25〜400、bが0〜200の整数、cが0〜5の整数であって、且つ25≦a+b+c≦400を満足するもの
d:0〜10の整数
f:0又は1)
−R7 −(NH−R8 −)e−NHCO−R9 −COOH・・・3
(式3において、
7 、R8 :炭素数2〜5のアルキレン基
9 :炭素数2〜20のアルキレン基、炭素数2〜20のアルケニレン基、炭素数2〜20のアルケニル基を有するアルケニルエチレン基又はフェニレン基
e:0又は1)
【0010】
本発明のポリウレタン系弾性繊維用処理剤(以下、処理剤という)において分散媒体として用いるシリコーンオイルとしては、25℃における粘度が5×10-6〜50×10-62 /Sのものであるが、10×10-6〜30×10-62 /Sのものが好ましい。かかる粘度は、JIS−K2283(石油製品動粘度試験方法)に記載された方法で測定される値である。かかるシリコーンオイルとしては、シロキサン単位として、1)ジメチルシロキサン単位から成るポリジメチルシロキサン、2)ジメチルシロキサン単位と炭素数2〜4のアルキル基を含むジアルキルシロキサン単位とから成るポリジアルキルシロキサン類、3)ジメチルシロキサン単位とメチルフェニルシロキサン単位とから成るポリシロキサン類等が包含されるが、シリコーンオイルとしてはポリジメチルシロキサンが好ましい。
【0011】
本発明の処理剤において、分散媒体として用いるカルボキシアミド変性シリコーンは、必須の構成単位としてジメチルシロキサン単位とカルボキシアミド変性基を有するシロキサン単位とを含む線状ポリオルガノシロキサンである。カルボキシアミド変性基を有するシロキサン単位としては、式1においてポリオルガノシロキサン鎖中に存在するdで括られた2価のメチル・カルボキシアミド変性シロキサン単位及び末端基としての1価のジメチル・カルボキシアミド変性シロキサン単位が挙げられる。本発明はこれらのカルボキシアミド変性シロキサン単位の種類やその結合位置を制限するものではないが、少なくともdで括られた2価のメチル・カルボキシアミド変性シロキサン単位を有するものが後記する高級脂肪酸マグネシウム塩の分散性において好ましい。このようにカルボキシアミド変性基を末端でなくポリオルガノシロキサン鎖中に有する場合、これを含むシロキサン単位としては1個又は2〜5の繰り返し単位とすることが好ましい。この場合、末端基としてはX1 とX2 がメチル基に相当するトリメチルシロキサン単位であるものが特に好ましい。
【0012】
本発明に用いるカルボキシアミド変性シリコーンにおいて、ポリオルガノシロキサン主鎖を形成することとなるカルボキシアミド変性基を含有しないシロキサン単位としては前記のジメチルシロキサン単位に加えてbで括られた2価のオルガノシロキサン単位とcで括られた2価のアミノ変性シロキサン単位とを包含することができる。かかるシロキサン単位の繰り返し数の総和としては25〜400とするが、ジメチルシロキサン単位のみから成り、且つその繰り返し数が100〜200のものが特に好ましい。
【0013】
前記したカルボキシアミド変性シリコーンにおいて、カルボキシアミド変性基としては、式3で示される−R7 −(NH−R8 −)e−NHCOR9 −COOHにおいて、1)e=0の場合に該当するアルキル基の炭素数が2〜5のカルボキシアミドアルキル基及び2)e=1の場合に該当するアルキル基の炭素数が2〜5のカルボキシアミドアルキルアミノアルキル基が包含される。前記1)の具体例としては、2−(2−カルボキシエチルカルボニル)−アミノエチル基、3−(2−カルボキシエチルカルボニル)−アミノプロピル基、4−(2−カルボキシエチルカルボニル)−アミノブチル基等が挙げられるが、2−(2−カルボキシエチルカルボニル)−アミノエチル基又は3−(2−カルボキシエチルカルボニル)−アミノプロピル基が有利に適用できる。また前記2)の具体例としては、N−{N−(4−カルボキシブチルカルボニル)−アミノエチル}−3−アミノプロピル基、N−{N−(4−カルボキシブチルカルボニル)−アミノエチル}−2−アミノエチル基等が挙げられるが、N−{N−(4−カルボキシブチルカルボニル)−アミノエチル}−3−アミノプロピル基、が有利に適用できる。
【0014】
本発明に供する式2で示される高級脂肪酸マグネシウム塩は、炭素数が12〜22の脂肪酸のマグネシウム塩の単独物又は混合物である。これには、1)同一の炭素数を有する高級脂肪酸から成るマグネシウム塩、2)異なる炭素数の高級脂肪酸から成るマグネシウム塩、3)これらの混合物が包含される。これには例えば、ジラウリン酸マグネシウム塩、ジミリスチン酸マグネシウム塩、ジパルミチン酸マグネシウム塩、ジステアリン酸マグネシウム塩、ジアラキン酸マグネシウム塩、ジベヘン酸マグネシウム塩等の同一の脂肪酸のマグネシウム塩、ミリスチン酸パルミチン酸マグネシウム塩、ミリスチン酸ステアリン酸マグネシウム塩、パルミチン酸ステアリン酸マグネシウム塩等の異なる脂肪酸のマグネシウム塩、これらの混合物等が挙げられるが、中でもジミリスチン酸マグネシウム塩、ジパルミチン酸マグネシウム塩、ジステアリン酸マグネシウム塩及びこれらの混合物が好ましい。
【0015】
本発明の処理剤は、前記したように分散媒体としてのシリコーンオイルと分散剤としてのカルボキシアミド変性シリコーンとが所定割合から成るシリコーン混合物中に高級脂肪酸マグネシウム塩をコロイド状に分散させた分散液から成るものである。ここでシリコーンオイルとカルボキシアミド変性シリコーンとの割合として、シリコーンオイル/カルボキシアミド変性シリコーン=100/0.01〜100/10(重量比)とするが、100/0.5〜100/5(重量比)とするのが好ましい。また高級脂肪酸マグネシウム塩の用いる割合としてはシリコーンオイル100重量部当たり1〜10重量部とするが、2〜8重量部とするのが好ましい。
【0016】
本発明は高級脂肪酸マグネシウム塩をシリコーン混合物中に分散させる方法を特に制限するものではないが、これには例えば、1)高級脂肪酸マグネシウム塩とシリコーン混合物とを所定割合で混合し、湿式粉砕して高級脂肪酸マグネシウム塩がコロイド状に分散された分散液を調製する方法が挙げられる。ここで湿式粉砕に用いる粉砕機としては、縦型ビーズミル、横型ビーズミル、サンドグラインダー、コロイドミル等の公知の湿式粉砕機が使用できる。
【0017】
本発明は高級脂肪酸マグネシウム塩がコロイド状に分散された分散液においてコロイド粒子の粒子径を特に制限するものではないが、後記する方法で測定された平均粒子径として0.1〜0.5μmとすることが好ましい。
【0018】
かくして得られた高級脂肪酸マグネシウム塩がシリコーン混合物中にコロイド状に分散した分散液は本発明の処理剤である。更に本発明によれば、前記した分散液に下記のポリオルガノシロキサンを更に含有させることができる。即ち、ポリオルガノシロキサンを構成する主たる繰返し単位として下記の式4で示される無水ケイ酸単位及びシリル末端基として下記の式5で示される1価のオルガノシロキサン単位とから構成され、且つ分子中にシラノール残基を有するものである。
[SiO4/2 ]・・・4
[R101112SiO1/2 ]・・・5
(式5において、
10、R11、R12:同時に同一又は異なる、炭素数1〜3のアルキル基又はフェニル基)
【0019】
かかるポリオルガノシロキサンは、前記した式5で示される無水ケイ酸単位を形成することとなるシラノール形成性化合物(A)と式5で示される1価のオルガノシロキサン単位を形成することとなるシラノール形成性化合物(B)を用いて、シラノール形成反応及びシラノール形成反応により生成したシラノールの縮重合反応という公知のポリオルガノシロキサン生成反応によって製造される。
【0020】
本発明に供するポリオルガノシロキサンには、前記したように分子中にシラノール残基を含有する。本発明におけるポリオルガノシロキサン生成反応においては、無水ケイ酸単位を形成することとなるシラノール化合物の縮重合反応によるシロキサン鎖成長反応とシロキサン鎖中に存在するシラノール基と1価のオルガノシロキサン単位を形成することとなるシラノール形成性化合物(B)との縮合によるシリル末端基形成反応によって本発明のポリオルガノシロキサンが得られる。この場合シリル末端基形成反応に関与しないシロキサン鎖中のシラノール基は、そのままポリオルガノシロキサン分子中に残存することとなる。本発明において、シラノール基の残存する割合を調整するには、前記したシラノール形成性化合物(A)とシラノール形成性化合物(B)との反応割合を適宜選択することによって達成される。
【0021】
本発明によれば、シラノール基の残存割合を好ましい範囲とするためには、シラノール形成性化合物(A)/シラノール形成性化合物(B)=k/{8/5×(k+1)}〜k/{2/5×(k+1)}(モル比)(但し、ここでkは1以上の整数である)とすることが好ましい。シラノ一ル形成性化合物(A)とシラノール形成性化合物(B)との割合を上記の範囲とすることによって、理論上では、ポリオルガノシロキサン生成反応において、ポリオルガノシロキサン鎖中に存在するシラノール基の20〜80モル%がシリル末端基によって封鎖されたものとなる。
【0022】
前記したシロキサン単位を形成するための原料としては、式4で示される無水ケイ酸単位を形成することとなるシラノール形成性化合物(A)として、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン等のテトラアルコキシシラン及びテトラクロルシラン等のテトラハロゲン化シラン、等が挙げられる。式5で示される1価のシロキサン単位を形成することと成るシラノール形成性化合物(B)としては、トリメチルメトキシシラン、トリエチルメトキシシラン、トリプロピルメトキシシラン、ジメチルエチルメトキシシラン等のトリアルキルアルコキシシラン、ジメチルフェニルメトキシシラン等のフェニル基を含むジアルキルフェニルアルコキシシラン、トリメチルクロルシラン等のトリアルキルハロゲン化シラン、等が挙げられる。
【0023】
本発明によれば、前記したポリオルガノシロキサンの含有割合としては、分散媒体として用いたシリコーンオイル100重量部当たり0.5〜5重量部とするのが好ましく、1〜3重量部とするのが特に好ましい。かかるポリオルガノシロキサンを前記した高級脂肪酸マグネシウム塩がコロイド分散した分散液に加えることによってポリウレタン系弾性繊維に対して当初の性能を阻害することなく静電気の発生を防止する顕著な効果を有するものとなる。
【0024】
本発明の処理剤としては分散媒体としてシリコーンオイルと分散剤としてアミノ変性シリコーンとから成るシリコーン混合物中に高級脂肪酸マグネシウム塩をコロイド状に分散された分散液並びにこの分散液に対して前記したポリオルガノシロキサンを溶解させたものを包含する
【0025】
かかる高級脂肪酸マグネシウム塩のコロイド分散系からなる本発明の処理剤において、コロイド状に分散した高級脂肪酸マグネシウム塩の凝集や沈殿を抑制し、安定な分散性を長期に亘って維持させ、ポリウレタン系弾性繊維の製造、加工工程において所望の性能を発揮させる上で、該分散系における高級脂肪酸マグネシウム塩のコロイド粒子表面の荷電特性が特に重要となる。それによれば、後記するような方法で測定されたゼータ電位として−30mV〜−100mVの範囲とすることが必要である。
【0026】
本発明に供するポリウレタン系弾性繊維は、85重量%以上のポリウレタンセグメントを含有するポリウレタン系弾性体から得られるポリウレタン系弾性繊維である。
【0027】
ポリウレタン系弾性体のポリウレタンセグメントとしては、いずれも長鎖の、ポリエーテルセグメント、ポリエステルセグメントまたはポリエーテルエステルセグメント等のソフトセグメント(a)とイソシアネ−トと鎖伸長剤であるジアミンまたはジオールとの反応から得られる比較的短鎖のセグメントのハードセグメント(b)とから構成される。
【0028】
かかるポリウレタン系弾性体のソフトセグメント(a)としては、1)テトラメチレングリコール、3一メチル−1,5−ペンタンジオール、テトラヒドロフラン、3−メチルテトラヒドロフラン等から得られる重合体又は共重合体であるポリエーテルセグメント、2)エチレングリコール、テトラメチレングリコール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール等のジオールとアジピン酸、コハク酸等の二塩基酸とから得られるポリエステルセグメント、3)ポリ−(ペンタン−1,5−カーボネート)ジオール、ポリー(ヘキサン−1,6−カーボネート)ジオール等から得られるポリエーテルエステルセグメントなどが挙げられる。
【0029】
ポリウレタン系弾性体に供する有機ジイソシアネートとしては、ビスー(p−イソシアナートフェニル)−メタン(MDI)、トリレンジイソシアネート(TDI)、ビスー(4−イソシアナートシクロヘキシル)−メタン(PICM)、へキサメチレンジイソシアネート、3,3,5−トリメチル−5−メチレンシクロヘキシルジイソシアネート等が挙げられるが、なかでもMDIが好ましい。
【0030】
種々のジアミン、たとえばエチレンジアミン、1,3−シクロヘキサンジアミン、1,4−シクロヘキサンジアミン等がポリウレタンウレアを形成させるための鎖伸長剤に好適である。鎖停止剤は、ポリウレタンウレアの最終的な分子量の調節を助けるために反応混合物に含有させることができる。通常、鎖停止剤は活性水素を有する一官能性化合物、たとえばジエチルアミンが挙げられる。
【0031】
また、鎖伸長剤としては、上記アミンに限定されることはなく、ジオールであってもよい。例えば、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,2−プロピレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノ一ル、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4ービス(β−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、ビス(β−ヒドロキシエチル)テレフタレートおよびパラキシリレンジオール等である。ジオール鎖伸長剤は、1種のみのジオールに限定されるわけでなく、複数種のジオールからなるものであってもよい。また、イソシアネート基と反応する1個の水酸基を含む化合物と併用していてもよい。この場合、このようなポリウレタンを得る方法については溶融重合法、溶液重合法など公知の方法が適用でき、限定されるものでない。重合の処方についても、特に限定されずに、たとえば、ポリオールとジイソシアネー卜と、ジオールからなる鎖伸長剤とを同時に反応させることにより、ポリウレタンを合成する方法等が挙げられ、いずれの方法によるものでもよい。
【0032】
ポリウレタン系弾性体を溶液とする場合に用いる溶媒としては、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドンなど挙げられるが、DMAcが最も一般的に使用される溶媒である。ポリウレタン系弾性体の溶液濃度としては、通常30〜40%(溶液の全重量を基準にして)、特に35〜38%のポリウレタン系弾性体の溶液濃度がポリウレタン系弾性繊維フィラメント糸状を得る乾式紡糸に特に好適である。
【0033】
本発明は、ポリウレタン系弾性体からポリウレタン系弾性繊維を紡糸する方法を特に制限するものではないが、これには例えば、1)ジオールを鎖伸長剤として用いたポリウレタン系弾性繊維の紡糸法として、溶融紡糸法、乾式紡糸法あるいは湿式紡糸法等が挙げられる、また2)アミンを鎖伸長剤として用いたポリウレタン系弾性繊維の紡糸法として、通常乾式紡糸法が挙げられる。
【0034】
本発明に供するポリウレタン系弾性繊維には、ベンゾトリアゾール系等の紫外線吸収剤、ヒンダードアミン系等の耐候剤、ヒンダードフェノ一ル系等の酸化防止剤、酸化チタン、酸化鉄等の各種顔料、硫酸バリウム、酸化亜鉛、酸化セシウム、銀イオン等の機能性添加剤等が含有されていてもよい。
【0035】
本発明の処理剤をポリウレタン系弾性繊維に付着させるには、処理剤を溶剤等で希釈することなくそのまま給油する所謂ニート給油をするものである。その付着工程としては、紡糸後でパッケージに巻き取るまでの間の工程、巻き取ったパッケージを巻き返す工程、整経機で整経する工程等が挙げられるが、いずれの工程でもよく、また付着方法は、ローラー給油法、ガイド給油法、スプレー給油法等の公知の方法が適用できる。処理剤の付着量は、ポリウレタン系弾性繊維に対し1〜10重量%とするが、3〜7重量%とするのが好ましい。
【0036】
【発明の実施の形態】
本発明に係る処理方法の実施形態としては、次の1)〜8)が好適例として挙げられる。
【0037】
1)分散媒体として25℃における粘度が20×10-62 /Sであるシリコーンオイル(S−1)94.3重量部と分散剤として式1中のaが80、bとcが0、X1 とX2 がメチル基、X3 がN−{N−(4−カルボキシブチルカルボニル)アミノエチル}−3−アミノプロピル基であるカルボキシアミド変性シリコーン(A−1)0.7重量部とを混合したシリコーン混合物にジステアリン酸マグネシウム塩(F−1)5.0重量部を加えて20〜35℃で均一になるまで混合した後、横型ビーズミルを用いて湿式粉砕してジステアリン酸マグネシウム塩(F−1)がコロイド状に分散された分散液から成る処理剤(T−1)。
【0038】
2)分散媒体として25℃における粘度が10×10-62 /Sであるシリコーンオイル(S−2)95.3重量部と分散剤として式1中のaが150、bが0、cが4、dが5、X1 とX2 がメチル基、X3 がN−{N−(4−カルボキシブチルカルボニル)アミノエチル}−3−アミノプロピル基、R2 がN−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピル基であるカルボキシアミド変性シリコーン(A−2)1.2重量部とを混合したシリコーン混合物にジステアリン酸マグネシウム塩(F−1)3.5重量部を加えて20〜35℃で均一になるまで混合した後、横型ビーズミルを用いて湿式粉砕してジステアリン酸マグネシウム塩
(F−1)がコロイド状に分散された分散液から成る処理剤(T−2)。
【0039】
3)分散媒体としてシリコーンオイル(S−1)95.6重量部と分散剤として式1中のaが300、bが5、cが1、dが10、X1 とX2 がメチル基、X3 がN−{N−(4−カルボキシブチルカルボニル)アミノエチル}−3−アミノプロピル基、R1 がフェニル基、R2 がN−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピル基であるカルボキシアミド変性シリコーン(A−3)0.7重量部とを混合したシリコーン混合物にパルミチン酸/ステアリン酸=40/60(モル比)の混合高級脂肪酸マグネシウム塩(F−2)3.7重量部を加えて20〜35℃で均一になるまで混合した後、横型ビーズミルを用いて湿式粉砕してパルミチン酸/ステアリン酸=40/60(モル比)の混合高級脂肪酸マグネシウム塩(F−2)がコロイド状に分散された分散液から成る処理剤(T−3)。
【0040】
4)分散媒体としてシリコーンオイル(S−1)94.3重量部と分散剤として式1中のaが570、bが0、cが3、dが15、X1 とX2 がメチル基、X3 がN−{N−(4−カルボキシブチルカルボニル)アミノエチル}−3−アミノプロピル基、R2 がN−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピル基であるカルボキシアミド変性シリコーン(A−4)0.7重量部とを混合したシリコーン混合物にジステアリン酸マグネシウム塩(F−1)5.0重量部を加えて20〜35℃で均一になるまで混合した後、横型ビーズミルを用いて湿式粉砕してジステアリン酸マグネシウム塩(F−1)がコロイド状に分散された分散液から成る処理剤(T−4)。
【0041】
5)分散媒体としてシリコーンオイル(S−1)95.4重量部と分散剤として式1中のaが150、bとcとdが0、X1 とX2 とがN−(2−カルボキシエチルカルボニル)−3−アミノプロピル基であるカルボキシアミド変性シリコーン(A−5)0.7重量部とを混合したシリコーン混合物にジステアリン酸マグネシウム塩(F−1)3.9重量部を加えて20〜35℃で均一になるまで混合した後、横型ビーズミルを用いて湿式粉砕してジステアリン酸マグネシウム塩(F−1)がコロイド状に分散された分散液から成る処理剤(T−5)。
【0042】
6)分散媒体としてシリコーンオイル(S−1)95.4重量部と分散剤として式1中のaが160、bが0、cが1、dが9、X1 とX2 とX3 とがN−(2−カルボキシエチルカルボニル)−3−アミノプロピル基、R2 が3−アミノプロピル基であるカルボキシアミド変性シリコーン(A−4)0.7重量部とを混合したシリコーン混合物にジステアリン酸マグネシウム塩(F−1)3.9重量部を加えて20〜35℃で均一になるまで混合した後、横型ビーズミルを用いて湿式粉砕してジステアリン酸マグネシウム塩(F−1)がコロイド状に分散された分散液から成る処理剤(T−6)。
【0043】
7)分散媒体としてシリコーンオイル(S−1)94.4重量部と分散剤としてカルボキシアミド変性シリコーン(A−1)1.2重量部とテトラメチルシラン/トリメチルメトキシシラン=50/50(モル比)でシラノール形成反応と縮重合反応により得られるシラノール基が残存しているポリオルガノシロキサン(PS−1)0.9重量部とを混合したシリコーン混合物にジステアリン酸マグネシウム塩(F−1)3.5重量部を加えて20〜35℃で均一になるまで混合した後、横型ビーズミルを用いて湿式粉砕してジステアリン酸マグネシウム塩
(F−1)がコロイド状に分散された分散液から成る処理剤(T−7)。
【0044】
8)分散媒体としてシリコーンオイル(S−2)93.0重量部と分散剤としてカルボキシアミド変性シリコーン(A−1)1.3重量部とテトラメチルシラン/トリプロピルメトキシシラン=35/65(モル比)でシラノール形成反応と縮重合反応により得られるシラノール基が残存しているポリオルガノシロキサン(PS−2)2.0重量部とを混合したシリコーン混合物にパルミチン酸/ステアリン酸=40/60(モル比)の混合高級脂肪酸マグネシウム塩(F−2)3.7重量部を加えて20〜35℃で均一になるまで混合した後、横型ビーズミルを用いて湿式粉砕してパルミチン酸/ステアリン酸=40/60(モル比)の混合高級脂肪酸マグネシウム塩(F−2)がコロイド状に分散された分散液から成る処理剤(T−8)。
【0045】
本発明に係る処理剤で処理されたポリウレタン系弾性繊維の実施形態としては、次の9)〜11)が好適例として挙げられる。
【0046】
9)ビス−(p−イソシアナートフェニル)−メタン/テトラメチレンエーテルグリコール(数平均分子量1800)=1.58/1(モル比)の混合物を常法により90℃で3時間反応させ、キャップドグリコールを調製した。このキャップドグリコールをN,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)で希釈した。次にエチレンジアミンおよびジエチルアミンを含むDMAc溶液をキャップドグリコールのDMAc溶液に添加して室温で高速撹拌装置を用いて混合して鎖伸長させた。更にDMAcを加えてポリマが約35重量%溶解したDMAc溶液を得た。得られたポリマのDMAc溶液に、ポリマ当たり酸化チタン4.7重量%、ヒンダードアミン系耐候剤3.0重量%、ヒンダードフェノ一ル系酸化防止剤1.2重量%となるように添加し、混合して均一なポリマ混合溶液を得た。ここで得られたポリマ混合溶液を用いて、公知のスパンデックス用の乾式紡糸方法によって単糸数4本からなる40デニールの弾性糸を紡糸して、巻き取り前のオイリングローラーによって前記1)の処理剤をニート給油して該処理剤の付着量がポリウレタン系弾性繊維に対し6.5重量%で処理されたポリウレタン系弾性繊維。
【0047】
10)前記9)と同様にして得た単糸数4本からなる40デニールの弾性糸に前記9)と同様の方法で前記2)の処理剤をニート給油して該処理剤の付着量がポリウレタン系弾性繊維に対し3.5重量%で処理されたポリウレタン系弾性繊維。
【0048】
11)前記9)と同様にして得た単糸数4本からなる40デニールの弾性糸に前記9)と同様の方法で前記3)〜8)のいずれかの処理剤をニート給油して該処理剤の付着量がポリウレタン系弾性繊維に対しそれぞれ5.0重量%で処理されたポリウレタン系弾性繊維。
【0049】
【実施例】
以下、本発明の構成及び効果をより具体的にするため実施例等を挙げるが、本発明が該実施例に限定されるというものではない。尚、以下の実施例等において、別に記載しない限り、部は重量部を示し、%は重量%を示す。
【0050】
・試験区分1(処理剤の調製)
処理剤T−1の調製
分散媒体として25℃における粘度が20×10-62 /Sであるシリコーンオイル(S−1)94.3部と分散剤として下記の表1に示したカルボキシアミド変性シリコーン(A−1)0.7部とを混合したシリコーン混合物にジステアリン酸マグネシウム塩(F−1)5.0部を加えて20〜35℃で均一になるまで混合した後、横型ビーズミルを用いて湿式粉砕してジステアリン酸マグネシウム塩(F−1)がコロイド状に分散された分散液として処理剤(T−1)を調製した。
【0051】
処理剤(T−2)〜(T−6)及び(t−1)〜(t−9)の調製
処理剤(T−1)の調製と同様にして、処理剤(T−2)〜(T−6)及び(t−1)〜(t−9)を調製した。これらの処理剤の内容を表2及び表3にまとめて示した。
【0052】
処理剤(T−7)の調製
分散媒体としてのシリコーンオイル(S−1)94.4部と分散剤としてカルボキシアミド変性シリコーン(A−1)1.2部と下記の表2の下に示したポリオルガノシロキサン(PS−1)0.9部とを混合したシリコーン混合物にジステアリン酸マグネシウム塩(F−1)3.5部を加えて20〜35℃で均一になるまで混合した後、横型ビーズミルを用いて湿式粉砕してジステアリン酸マグネシウム塩(F−1)がコロイド状に分散された処理剤(T−7)を調製した。
【0053】
処理剤T−8の調製
処理剤(T−7)の調製と同様にして、処理剤(T−8)を調製した。この内容を表2に示した。
【0054】
処理剤(t−10)の調製
分散媒体としてシリコーンオイル(S−1)96.5部にジステアリン酸マグネシウム塩(F−1)3.5部を加えて20〜35℃で均一になるまで混合した後、横型ビーズミルを用いて湿式粉砕してジステアリン酸マグネシウム塩(F−1)がコロイド状に分散された処理剤(t−10)を調製した。
【0055】
【表1】
Figure 0003831772
【0056】
表1において、
CD−1:−C3 6 NH−C2 4 −NHCO−C4 8 COOH
CD−2:−C3 6 −NHCO−C2 4 COOH
AM−1:−C3 6 NH−C2 4 −NH2
AM−2:−C3 6 −NH2
【0057】
【表2】
Figure 0003831772
【0058】
表2において、
S/A:シリコーンオイルとカルボキシアミド変性シリコーンとの割合(重量比)
S/F:シリコーンオイル100部当たりの高級脂肪酸マグネシウム塩の部
S/PS:シリコーンオイル100部当たりのポリオルガノシロキサンの部
S−1:25℃における粘度が20×10-62 /Sであるポリジメチルシロキサン
S−2:25℃における粘度が10×10-62 /Sであるポリジメチルシロキサン
F−1:ジステアリン酸マグネシウム塩
F−2:パルミチン酸/ステアリン酸=40/60(モル比)の混合高級脂肪酸のマグネシウム塩
PS−1:テトラメチルシラン/トリメチルメトキシシラン=50/50(モル比)の割合でポリオルガノシロキサン生成反応させたものであって、シラノール基が残存しているもの(FT−IRでシラノール基の特性吸収帯3750cm-1が検出された)
PS−2:テトラメチルシラン/トリプロピルメトキシシラン=35/65(モル比)の割合でポリオルガノシロキサン生成反応させたものであって、シラノール基が残存しているもの(FT−IRでシラノール基の特性吸収帯3750cm-1が検出された)
【0059】
【表3】
Figure 0003831772
【0060】
表3において、
S−1、F−1:表2と同じ
f−1:ジカプリル酸マグネシウム塩
【0061】
試験区分2(処理剤の評価乃至測定)
・試験区分1で調製した処理剤について、分散安定性及び平均粒子径を下記のように評価乃至測定した。結果を表4に示した。
【0062】
・分散安定性の評価
処理剤100mlを密栓付きガラス製100mlメスシリンダーに入れ、25℃にて1週間又は1か月間放置し、1週間又は1か月後の処理剤の外観を観察し、下記の基準で評価した。
◎:均一な分散状態で外観に変化がない
○:5ml未満の透明層が発生した
△:5ml以上の透明層が発生した
×:沈殿が発生した
【0063】
・平均粒子径の測定
試験区分1で調製した処理剤を処理剤に供したと同一の分散媒体を用いて、高級脂肪酸マグネシウム塩が1000ppmの濃度となるように該処理剤を希釈して試料とした。この試料を25℃で超遠心式自動粒度分布測定装置(堀場製作所製CAPA−700)を用いて面積基準の平均粒子径を測定した。
【0064】
【表4】
Figure 0003831772
【0065】
試験区分3(ポリウレタン系弾性繊維への処理剤の付与及びその評価)
・ポリウレタン系弾性繊維の製造と処理剤の付与方法
ビス−(p−イソシアナートフェニル)−メタン/テトラメチレンエーテルグリコール(数平均分子量1800)=1.58/1(モル比)の混合物を常法により90℃で3時間反応させ、キャップドグリコールを調製した。このキャップドグリコールをN,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)で希釈した。次にエチレンジアミンおよびジエチルアミンを含むDMAc溶液をキャップドグリコールのDMAc溶液に添加して室温で高速撹拌装置を用いて混合して鎖伸長させた。更にDMAcを加えてポリマが約35重量%溶解したDMAc溶液を得た。得られたポリマのDMAc溶液に、ポリマ当たり酸化チタン4.7重量%、ヒンダードアミン系耐候剤3.0重量%、ヒンダードフェノ一ル系酸化防止剤1.2重量%となるように添加し、混合して均一なポリマ混合溶液を得た。ここで得られたポリマ混合溶液を用いて、公知のスパンデックスで用いられる乾式紡糸方法によって単糸数4本からなる40デニールの弾性糸を紡糸して、巻き取り前のオイリングローラーによって処理剤をローラー給油し、巻き取り速度が約600m/min.で長さ58mmの円筒状紙管に、巻き幅38mmを与えるトラバースガイドをかいして巻き取った。処理剤付与量は糸に対して所定量になるようにオイリングローラーの回転数を調整することで行った。巻き量は、解舒性を評価する場合は500グラム巻き、その他の評価には100グラム巻きの試料を用いた。また、処理剤の付与量は、JIS−L1073(合成繊維フィラメント糸試験方法)に準拠し、抽出溶剤としてn−ヘキサンを用いて抽出した値とした。
【0066】
・評価及び測定
・対繊維摩擦係数の評価
図1に示した測定装置を用い、フリーローラ−6A、7A、8Aの間で糸に2回撚りを入れ、初期張力(T1 )2gをかけ、糸速度0.25m/分の速度で低速走行した際の2次張力(T2 )を測定し、摩擦係数を算出する。摩擦係数は下記の式を用いる。
摩擦係数=(T2 −T1 )÷(T1 +T2
【0067】
・対金属摩擦係数の評価
図2に示した測定装置を用い、初期張力(T3 )10gをかけ、糸速度100m/分の速度で走行した際の2次張力(T4 )を測定し、摩擦係数を算出する。摩擦係数は下記の式を用いる。
摩擦係数=(T4 −T3 )÷(T3 +T4
【0068】
・捲形状の評価
図3はポリウレタン系弾性糸の巻き形状を示す説明図である。一般に、円筒状紙管1Cに巻き取られたポリウレタン系弾性糸2Cは、引き伸ばされて巻かれているため、内層に近づくにつれて、糸同士が滑り易くなり、巻き形状として巻き方向に対して直角方向に押し出すかたちになる。この傾向があまり強いと内層巻き幅Bが円筒状紙管長さAに近づき、フリーボードと呼ばれる巻きしろ3Cが小さくなり、後工程でのハンドリングが困難になる。また、高次加工の際、加工装置にポリウレタン弾性糸を装着する場合、装置に直接、糸部分が触れる可能性が高くなる。このため図3に示すフリーボードが重要な因子になる。このため、捲形状の評価として、下記のようにフリーボードの長さを測定し、下記の計算式によりフリーボード値を算出した。算出値を下記の基準で評価した。
フリーボード=(A−B)/2
○:フリーボードが4ミリ以上
△:フリーボードが2ミリ以上、4ミリ未満
×:フリーボードが2ミリ未満
【0069】
・解舒性の評価
図4に示した解舒性測定装置において、第1駆動ローラ−3Dとこれに常時接する第1遊離ローラ−1Dとで送り出し部を構成し、また、第2駆動ローラ−4Dと接する第2遊離ローラ−2Dとで巻き取り部を構成して、該送り出し部に対し巻き取り部を水平方向に20cm離して設置した。第1駆動ローラ−3Dに処理済みポリウレタン系弾性繊維を500g巻いたパッケージ5Dを装着し、糸巻の厚さが2mmになるまで解舒して試料とした。この試料から処理済みポリウレタン系弾性繊維を第2駆動ローラ−4Dに巻き取った。第1駆動ローラ−3Dからの処理済みポリウレタン系弾性繊維の送り出し速度を50m/分で固定する一方、第2駆動ローラ−4Dへの該処理済みポリウレタン系弾性繊維の巻き取り速度を50m/分より徐々に上げて、該処理済みポリウレタン系弾性繊維をパッケージから強制解舒した。かかる強制解舒時において、送り出し部分と巻き取り部分との間で処理済みポリウレタン系弾性繊維の踊りがなくなる時点での巻き取り速度V(m/分)を測定した。そして、下記の式により解舒性(%)を求め、次の基準で評価した。結果を表5にまとめて示した。
解舒性(%)=(V−50)×2
◎:解舒性125%未満(全く問題なく、安定に解舒できる)
○:解舒性125以上135%未満(糸の引き出しにやや抵抗のあるものの、糸切れの発生は無く、安定に解舒できる)
△:解舒性135以上145%未満(糸の引き出しに抵抗感があり、若干の糸切れもあって、操業にやや問題がある。)
×:解舒性145%以上(糸の引き出しに抵抗感が大きく、糸切れが多発して、操業に大きな問題がある。)
【0070】
・スカムの評価
処理済みポリウレタン系弾性繊維のパッケージをミニチュア整経機に10本仕立て、25℃×65%RHの雰囲気下で糸速度200m/分で11万m巻き取った。この時、ミニチュア整経機のクシガイドに対するスカムの付着および蓄積状態を肉眼観察し、次の基準で評価した。結果を表5にまとめて示した。
◎:スカムの付着がほとんどない
○:スカムがやや付着しているが、糸の安定走行に問題はない
×:スカムの付着および蓄積が多く、糸の安定走行に大きな問題がある
【0071】
・制電性の評価
処理済みポリウレタン系弾性繊維のパッケージをミニチュア整経機に620本仕立て、25℃×65%RHの雰囲気下で糸速200m/分で走行させ、ミニチュア整経機のクリールスタンドとフロントローラーの間を走行する糸条の帯電圧を帯電圧測定器(春日製集電管KS−525)で測定し、測定値を次の基準で評価した。結果を表5にまとめて示した。
◎:帯電圧が1KV未満(全く問題なく、操業できる)
○:帯電圧が1KV以上2KV未満(問題なく、操業できる)
△:帯電圧が2KV以上2.5KV未満(操業性にやや問題あり)
×:帯電圧が2.5KV以上(操業できない)
【0072】
【表5】
Figure 0003831772
【0073】
【発明の効果】
以上説明した本発明には、ポリウレタン系弾性繊維用処理剤に優れたハンドリング性を付与するとともにポリウレタン系弾性繊維に優れた捲形状と解舒性を付与し、加工工程においてもガイド類へのスカムの付着および蓄積を低減できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】対繊維摩擦係数測定装置の概略図である。
【図2】対金属摩擦係数測定装置の概略図である。
【図3】巻き形状を示す説明図である。
【図4】解舒性測定装置の概略図である。
【符号の説明】
1A:初期加重の分銅
2A:走行糸
3A:初期張力検出器
4A:2次張力検出器
5A〜8A:フリーローラー
1B:パッケージ
2B:初期張力検出器
3B〜5B:フリーローラー
6B:2次張力検出器
7B、8B:編み針
9B:走行糸
1C:円筒状紙管
2C:ポリウレタン系弾性糸
3C:フリーボード
1D:第1遊離ローラー
2D:第2遊離ローラー
3D:第1駆動ローラー
4D:第2駆動ローラー
5D:ポリウレタン系弾性繊維パッケージ

Claims (7)

  1. 分散媒体として25℃における粘度が5×10-6〜50×10-62 /Sのシリコーンオイルと分散剤として下記の式1で示されるカルボキシアミド変性シリコーンとが該シリコーンオイル/該カルボキシアミド変性シリコーン=100/0.01〜100/10(重量比)の割合から成るシリコーン混合物中に下記の式2で示される高級脂肪酸マグネシウム塩が該シリコーンオイル100重量部当たり1〜10重量部の割合でコロイド状に分散された分散液から成ることを特徴とするポリウレタン系弾性繊維用処理剤。
    Figure 0003831772
    Figure 0003831772
    (式1、式2において、
    1 、X2 、X3 :メチル基又は下記の式3で示されるカルボキシアミド変性基であって、少なくともいずれか1つが該カルボキシアミド変性基
    1 :炭素数2〜5のアルキル基またはフェニル基
    2 :−R5 −(NH−R6 −)f−NH2
    3 、R4 :炭素数11〜21のアルキル基
    5 、R6 :炭素数2〜5のアルキレン基
    a、b、c:aが25〜400、bが0〜200の整数、cが0〜5の整数であって、且つ25≦a+b+c≦600を満足するもの
    d:0〜10の整数
    f:0又は1)
    −R7 −(NH−R8 −)e−NHCO−R9 −COOH・・・3
    (式3において、
    7 、R8 :炭素数2〜5のアルキレン基
    9 :炭素数2〜20のアルキレン基、炭素数2〜20のアルケニレン基、炭素数2〜20のアルケニル基を有するアルケニルエチレン基又はフェニレン基
    e:0又は1)
  2. カルボキシアミド変性シリコーンが、式1においてX3 がカルボキシアミド変性基であって、且つdが1〜5で示されるものである請求項1記載のポリウレタン系弾性繊維用処理剤。
  3. カルボキシアミド変性シリコーンが、式1においてX1 とX2 がメチル基であり、aが100〜200であり、bが0であって、且つcが0〜2で示されるものである請求項2記載のポリウレタン系弾性繊維用処理剤。
  4. シリコーンオイルとカルボキシアミド変性シリコーンとの割合が該シリコーンオイル/該カルボキシアミド変性シリコーン=100/0.5〜100/1.6(重量比)であって、高級脂肪酸マグネシウム塩が該シリコーンオイル100重量部当たり2〜8重量部の割合である請求項1、2又は3記載のポリウレタン系弾性繊維用処理剤。
  5. 請求項1、2、3又は4記載の分散液が更にシリコーンオイル100重量部当たり、下記のポリオルガノシロキサンを0.5〜5重量部の割合で含有することを特徴とするポリウレタン系弾性繊維用処理剤。
    ポリオルガノシロキサン:それを構成する主たる繰返し単位として下記の式4で示される無水ケイ酸単位及びシリル末端基として下記の式5で示される1価のオルガノシロキサン単位とから構成された、分子中にシラノール残基を有するポリオルガノシロキサンであって、該ポリオルガノシロキサンを形成する反応において、該無水ケイ酸単位を形成することとなるシラノール形成性化合物(A)と該1価のシロキサン単位を形成することとなるシラノール形成性化合物(B)とを該シラノール形成性化合物(A)/該シラノール形成性化合物(B)=k/{8/5×(k+1)}〜k/{2/5×(k+1)}(モル比)の割合でシラノール形成反応及び該シラノール形成反応により生成したシラノールの縮重合反応をさせて得られるポリオルガノシロキサン、但し、kは1以上の整数
    [SiO4/2 ]・・・4
    [R101112SiO1/2 ]・・・5
    (式5において、
    10、R11、R12:同時に同一又は異なる、炭素数1〜3のアルキル基
    又はフェニル基)
  6. コロイド状に分散された高級脂肪酸マグネシウム塩の平均粒子径が0.1〜0.5μmである請求項1、2、3、4又は5記載のポリウレタン系弾性繊維用処理剤。
  7. 請求項1、2、3、4、5又は6記載のポリウレタン系弾性繊維用処理剤を希釈することなくニート給油法によってポリウレタン系弾性繊維に対して1〜10重量%の割合で付着されてなることを特徴とするポリウレタン系弾性繊維。
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