JP5067945B2 - 弾性繊維製造用改質剤 - Google Patents

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Description

本発明は、弾性繊維製造用改質剤に関し、更に詳しくは、例えば乾式紡糸法によりポリウレタン系弾性繊維等を製造するような場合に好適に用いることができる弾性繊維製造用改質剤に関する。
例えばポリウレタンのような弾性繊維を紡糸により製造する場合、その紡糸原液に改質剤のスラリーを添加することが行なわれる。従来、かかる改質剤の成分として、ステアリン酸マグネシウムのような高級脂肪酸金属塩が知られており、これによって紡糸工程やその後の工程での弾性繊維の解舒性や走行性を改善することが行なわれてきた(例えば特許文献1〜5参照)。
しかし、ステアリン酸マグネシウムのような高級脂肪酸金属塩は、前記したような利点がある反面、紡糸原液に添加するスラリー中で分離や沈降を生じ易いため、均一物性の弾性繊維を安定製造する上で問題があり、また口金孔を詰まらせ易いという問題、更に弾性繊維を複数本のフィラメントを合着された合着糸として得る場合には合着が不完全になり易いという問題、更にまた合着不完全なことに起因して合着工程やその後の高次加工工程で糸切れ等が発生し易いという問題があった。
特開2003−13361号公報 特開2003−13362号公報 特開2003−129376号公報 特開2001−214332号公報 特開平9−217227号公報
本発明が解決しようとする課題は、高級脂肪酸金属塩を用いることによる利点は活かしつつ、これを用いることによる前記したような問題、すなわちスラリー中で高級脂肪酸金属塩が分離したり沈降するという問題、また高級脂肪酸金属塩によって口金孔が詰まるという問題、更に合着糸を得る場合に合着が不完全になるという問題、更にまたこれに起因して糸切れ等が発生するという問題を改善することができる弾性繊維製造用改質剤を提供することにある。
本発明者らは、前記の課題を解決すべく研究した結果、特定のシリコーンオイル、特定の変性シリコーンオイル及びコロイド状に分散させた特定の高級脂肪酸金属塩から成り、且つこれらを所定割合で含有して成るものが好適であることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、弾性繊維を製造するための紡糸原液に添加する弾性繊維製造用改質剤であって、下記のA成分、B成分及びC成分から成り、これらの各成分の質量比が、(A成分)/(B成分)=100/0.5〜100/50の範囲、また{(A成分)+(B成分)}/(C成分)=100/10〜100/100の範囲であって、且つ該C成分がコロイド状に分散されていることを特徴とする弾性繊維製造用改質剤に係る。
A成分:25℃における粘度が2×10−6〜1m/sのシリコーンオイル
B成分:下記の化1で示される変性シリコーンオイル
Figure 0005067945
化1において、
:炭素数2〜5のアルキル基またはフェニル基
,X:メチル基又は下記の化2で示される有機基(但し、cが0の場合、XおよびXの少なくとも一方は下記の化2で示される有機基)
:下記の化2で示される有機基
a,b:aは10〜500の整数、bは0〜200の整数であって、且つ15≦a+b≦500を満足する整数
c:0〜10の整数
Figure 0005067945
化2において、
,R:炭素数2〜5のアルキレン基
:芳香族ジカルボン酸から1個の水酸基を除いた残基、芳香族トリカルボン酸から1個の水酸基を除いた残基又は芳香族テトラカルボン酸から1個の水酸基を除いた残基
d:0又は1の整数
C成分:下記の化3で示される高級脂肪酸金属塩
Figure 0005067945
化3において、
:炭素数12〜22の脂肪酸から1個のカルボキシル基を除いた残基
M:n価の原子価を有する金属原子
n:1〜3の整数
本発明に係る弾性繊維製造用改質剤(以下、弾性繊維製造用改質剤を単に改質剤といい、本発明に係る弾性繊維製造用改質剤を本発明の改質剤という)は、弾性繊維を製造するための紡糸原液に添加されるものである。かかる本発明の改質剤は、A成分、B成分及びC成分の3成分から成っている。以下、各成分について説明する。
本発明の改質剤におけるA成分は、25℃における粘度が2×10−6〜1m/sのシリコーンオイルである。かかるシリコーンオイルは、C成分である高級脂肪酸金属塩の分散媒体となる成分であり、また弾性繊維を紡糸により製造するに際し、該高級脂肪酸金属塩の口金孔での詰まり等の問題を低減する成分でもある。
A成分のシリコーンオイルとしては、1)繰り返し単位がジメチルシロキサン単位から成るポリジメチルシロキサン、2)繰り返し単位がジメチルシロキサン単位と炭素数2〜4のアルキル基を含むジアルキルシロキサン単位とから成るポリジアルキルシロキサン、及び3)繰り返し単位がジメチルシロキサン単位とメチルフェニルシロキサン単位とから成るポリシロキサン等が挙げられるが、なかでもポリジメチルシロキサンが好ましい。
A成分として用いるシリコーンオイルの25℃における粘度は2×10−6〜1m/sとするが、好ましくは8×10−6〜1×10−2/sとする。25℃の粘度が2×10−6/s未満であると、調製した改質剤中で高級脂肪酸金属塩の沈降や2次凝集が発生し易くなり、弾性繊維を紡糸する際にかかる2次凝集物によって口金孔の詰まりが生じ易くなる。逆に、25℃の粘度が1m/sを超えると、改質剤の調製時に、改質剤中の高級脂肪酸金属塩の粒径を均一で小さいものにすることが困難となり、あえてそのようにしようとすると、湿式粉砕中の発熱が大きくなったり、また改質剤自体の変質を招いたりする。尚、かかる粘度は、JIS−K2283(石油製品動粘度試験方法)に記載されたキャノンフェンスケ粘度計を用いた方法で測定される値である。
本発明の改質剤におけるB成分は前記の化1で示される変性シリコーンオイルである。かかるB成分には、1)前記の化2で示される有機基を有するシロキサン単位を、主鎖を構成するシロキサン単位として有する変性シリコーンオイル、2)前記の化2で示される有機基を有するシロキサン単位を、末端基として有する変性シリコーンオイル、及び3)前記の化2で示される有機基を有するシロキサン単位を、主鎖を構成するシロキサン単位及び末端基として有する変性シリコーンオイルが挙げられる。
化1で示される変性シリコーンオイルにおいて、主鎖を構成するシロキサン単位としては、必須の繰り返し単位である下記の化4で示されるジメチルシロキサン単位の他に、任意の繰り返し単位である下記の化5で示されるシロキサン単位及び下記の化6で示されるシロキサン単位があり、また末端基としては、トリメチルシロキサン単位、トリメチルシリル単位、化2で示される有機基を有するシロキサン単位及び化2で示される有機基を有するシリル単位がある。なかでもB成分としては、化1中のX及びXがメチル基であり、主鎖を構成するシロキサン単位として、化2で示される有機基を有するシロキサン単位を有する変性シリコーンオイルが好ましい。
Figure 0005067945
Figure 0005067945
Figure 0005067945
前記の化5において、Rとしては、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基等の炭素数2〜5のアルキル基又はフェニル基が挙げられる。具体的に、bで括られているシロキサン単位としては、メチルエチルシロキサン単位、メチルプロピルシロキサン単位、メチルブチルシロキサン単位、メチルペンチルシロキサン単位、メチルフェニルシロキサン単位等がある。
また前記の化6で示されるシロキサン単位は、化2で示される有機基1個とメチル基1個とを有するシロキサン単位である。
化2において、R及びRとしては、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基等の炭素数2〜5のアルキレン基が挙げられる。dは0又は1である。dが1のとき、RとRとは同時に同じ基であっても異なる基であっても構わない。
化2において、Rとしては、1)フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,3−ナフタレンジカルボン酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸から1個の水酸基を除いた残基、2)トリメリット酸、ナフタレントリカルボン酸等の芳香族トリカルボン酸から1個の水酸基を除いた残基、3)ピロメリット酸、ナフタレンテトラカルボン酸等の芳香族テトラカルボン酸から1個の水酸基を除いた残基が挙げられる。
具体的に、化2で示される有機基としては、N−(2−カルボキシベンゼン−カルボニル)−2−アミノエチル基、N−(2−カルボキシベンゼン−カルボニル)−3−アミノプロピル基、N−(4−カルボキシベンゼン−カルボニル)−3−アミノプロピル基、N−{N’−(2−カルボキシベンゼン−カルボニル)−2−アミノエチル}−2−アミノエチル基、N−{N’−(2−カルボキシベンゼン−カルボニル)−2−アミノエチル}−3−アミノプロピル基、N−{N’−(4−カルボキシベンゼン−カルボニル)−2−アミノエチル}−3−アミノプロピル基、N−(2,4−ジカルボキシベンゼン−カルボニル)−2−アミノエチル基、N−(2,5−ジカルボキシベンゼン−カルボニル)−2−アミノエチル基、N−(3,4−ジカルボキシベンゼン−カルボニル)−2−アミノエチル基、N−(2,4−ジカルボキシベンゼン−カルボニル)−3−アミノプロピル基、N−(2,5−ジカルボキシベンゼン−カルボニル)−3−アミノプロピル基、N−(3,4−ジカルボキシベンゼン−カルボニル)−3−アミノプロピル基、N−(2,4−ジカルボキシベンゼン−カルボニル)−4−アミノブチル基、N−(2,5−ジカルボキシベンゼン−カルボニル)−4−アミノブチル基、N−(3,4−ジカルボキシベンゼン−カルボニル)−4−アミノブチル基、N−(2,4,5−トリカルボキシベンゼン−カルボニル)−2−アミノエチル基、N−(2,4,5−トリカルボキシベンゼン−カルボニル)−3−アミノプロピル基、N−(2,4,5−トリカルボキシベンゼン−カルボニル)−4−アミノブチル基、N−{N’−(2,4−ジカルボキシベンゼン−カルボニル)−2−アミノエチル}−2−アミノエチル基、N−{N’−(2,5−ジカルボキシベンゼン−カルボニル)−2−アミノエチル}−2−アミノエチル基、N−{N’−(3,4−ジカルボキシベンゼン−カルボニル)−2−アミノエチル}−2−アミノエチル基、N−{N’−(2,4−ジカルボキシベンゼン−カルボニル)−2−アミノエチル}−3−アミノプロピル基、N−{N’−(2,5−ジカルボキシベンゼン−カルボニル)−2−アミノエチル}−3−アミノプロピル基、N−{N’−(3,4−ジカルボキシベンゼン−カルボニル)−2−アミノエチル}−3−アミノプロピル基、N−{N’−(2,4−ジカルボキシベンゼン−カルボニル)−2−アミノエチル}−4−アミノブチル基、N−{N’−(2,5−ジカルボキシベンゼン−カルボニル)−2−アミノエチル}−4−アミノブチル基、N−{N’−(3,4−ジカルボキシベンゼン−カルボニル)−2−アミノエチル}−4−アミノブチル基、N−{N’−(2,4,5−トリカルボキシベンゼン−カルボニル)−2−アミノエチル}−2−アミノエチル基、N−{N’−(2,4,5−トリカルボキシベンゼン−カルボニル)−2−アミノエチル}−3−アミノプロピル基、N−{N’−(2,4,5−トリカルボキシベンゼン−カルボニル)−2−アミノエチル}−4−アミノブチル基等が挙げられるが、なかでもN−{N’−(2−カルボキシベンゼン−カルボニル)−2−アミノエチル}−3−アミノプロピル基、N−(2,4−ジカルボキシベンゼン−カルボニル)−3−アミノプロピル基、N−(2,5−ジカルボキシベンゼン−カルボニル)−3−アミノプロピル基、N−{N’−(2,4−ジカルボキシベンゼン−カルボニル)−2−アミノエチル}−3−アミノプロピル基、N−{N’−(2,5−ジカルボキシベンゼン−カルボニル)−2−アミノエチル}−3−アミノプロピル基が好ましい。
化1で示される変性シリコーンオイルにおいて、主鎖を構成するシロキサン単位の繰り返し数aは10〜500の整数、またbは0〜200の整数であって、且つ15≦a+b≦500を満足する整数である。なかでもB成分としては、化1中のaが50〜300の整数、またbが0〜10の整数である場合の変性シリコーンオイルが好ましく、更に50≦a+b≦400を満足する整数である場合の変性シリコーンオイルがより好ましい。また主鎖を構成するシロキサン単位の繰り返し数cは0〜10の整数であるが、なかでもB成分としては、化1中のcが1〜10の整数である場合の変性シリコーンオイルが好ましく、cが1〜5である場合の変性シリコーンオイルがより好ましい。
本発明の改質剤におけるC成分は、前記の化3で示される高級脂肪酸金属塩である。化3中のRは、炭素数12〜22の脂肪酸から1個のカルボキシル基を除いた残基である。かかる脂肪酸としては、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキン酸、ベヘン酸等が挙げられる。また化3中のMで示される金属原子は1〜3価の原子価を有する金属原子である。かかる金属原子としては、1)リチウム、ナトリウム、カリウム等の1価の原子価を有する金属原子、2)ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、バリウム、マンガン、ニッケル、亜鉛等の2価の原子価を有する金属原子、3)アルミニウム、鉄、セリウム等の3価の原子価を有する金属原子が挙げられる。なかでもC成分としては、化3中のMが2価の原子価を有する金属原子である場合の高級脂肪酸金属塩が好ましい。
具体的に、化3で示される高級脂肪酸金属塩としては、ラウリン酸カリウム塩、ラウリン酸ナトリウム塩、ラウリン酸リチウム塩、ミリスチン酸カリウム塩、ミリスチン酸ナトリウム塩、ミリスチン酸リチウム塩、パルミチン酸カリウム塩、パルミチン酸ナトリウム塩、パルミチン酸リチウム塩、ステアリン酸カリウム塩、ステアリン酸ナトリウム塩、ステアリン酸リチウム塩、アラキン酸カリウム塩、アラキン酸ナトリウム塩、アラキン酸リチウム塩、ベヘン酸カリウム塩、ベヘン酸ナトリウム塩、ベヘン酸リチウム塩、ジラウリン酸マグネシウム塩、ジラウリン酸カルシウム塩、ジラウリン酸亜鉛塩、ジミリスチン酸マグネシウム塩、ジミリスチン酸カルシウム塩、ジミリスチン酸亜鉛塩、ジパルミチン酸マグネシウム塩、ジパルミチン酸カルシウム塩、ジパルミチン酸亜鉛塩、ジステアリン酸マグネシウム塩、ジステアリン酸カルシウム塩、ジステアリン酸亜鉛塩、ジアラキン酸マグネシウム塩、ジアラキン酸カルシウム塩、ジアラキン酸亜鉛塩、ジベヘン酸マグネシウム塩、ジベヘン酸カルシウム塩、ジベヘン酸亜鉛塩、ミリスチン酸パルミチン酸マグネシウム塩、ミリスチン酸パルミチン酸カルシウム塩、ミリスチン酸パルミチン酸亜鉛塩、ミリスチン酸ステアリン酸マグネシウム塩、ミリスチン酸ステアリン酸カルシウム塩、ミリスチン酸ステアリン酸亜鉛塩、パルミチン酸ステアリン酸マグネシウム塩、パルミチン酸ステアリン酸カルシウム塩、パルミチン酸ステアリン酸亜鉛塩、トリステアリン酸アルミニウム塩、トリステアリン酸鉄塩等が挙げられる。なかでもC成分としては、Mが2価の原子価を有する金属原子であるジミリスチン酸マグネシウム塩、ジパルミチン酸マグネシウム塩、ジステアリン酸マグネシウム塩、ジステアリン酸カルシウム塩、ミリスチン酸パルミチン酸マグネシウム塩、パルミチン酸ステアリン酸マグネシウム塩、パルミチン酸ステアリン酸マグネシウム塩及びこれらの混合物等が好ましい。尚、以上説明したA成分、B成分及びC成分はいずれも、それ自体は公知の方法により容易に得ることができる。
本発明の改質剤は、以上説明したA成分、B成分及びC成分の3成分から成るものである。各成分の質量比は、(A成分)/(B成分)=100/0.5〜100/50の範囲、また{(A成分)+(B成分)}/(C成分)=100/10〜100/100の範囲とするが、{(A成分)+(B成分)}/(C成分)=100/20〜100/60の範囲とするのが好ましい。
A成分とB成分の質量比を前記の範囲とすることで、本発明の改質剤のチクソトロピーを適度に抑制でき、また保存時の増粘が抑制されて保存安定性が良好に保たれる。それに加えて、A成分とB成分の合計量に対するC成分の質量比を前記の範囲とすることで、本発明の改質剤中においてC成分の高級脂肪酸金属塩が分離し、沈降するのを防止することで、その安定性が良好に保たれ、結果として弾性繊維の紡糸時に口金孔の詰まり等を防止できる。
本発明の改質剤は、該改質剤中においてC成分がコロイド状に分散されたものである。すなわち、A成分とB成分との混合物を分散媒体として、これにC成分がコロイド状に分散された分散液である。
本発明の改質剤において、コロイド状に分散というのは、C成分である高級脂肪酸金属塩の微細な粒子が改質剤中にコロイド状となって分散している状態を意味し、したがって通常はC成分である高級脂肪酸金属塩の微細な粒子が改質剤中にて粒子径0.01〜1μmの範囲で混合分散している状態をいう。本発明の改質剤において、C成分である高級脂肪酸金属塩の微細な粒子の分散状態は、それがコロイド状であれば、それ以上に特に制限されないが、下記の平均粒子径の測定法により測定される平均粒子径が0.05〜0.8μmの範囲であることが好ましく、0.1〜0.3μmの範囲にあることがより好ましい。
平均粒子径の測定法:改質剤を、25℃における粘度が1×10−5/のポリジメチルシロキサンにより、C成分の濃度が1000ppmとなるよう希釈した希釈液とし、これを測定用試料として、25℃にて遠心式粒度分布測定装置により面積基準の平均粒子径を測定する方法。尚、ここで用いる遠心式粒度分布測定装置としては、堀場製作所製CAPA−700等が挙げられる。
本発明の改質剤を用いるときは、必要に応じて適宜、つなぎ剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、平滑剤、帯電防止剤、防腐剤、濡れ性向上剤等の合成繊維処理剤として公知の成分を併用することができる。但し、その使用量は、本発明の効果を損なわない範囲で、可及的に少量とする。
本発明の改質剤は、公知の方法で調製できる。例えば、A成分、B成分及びC成分を所定割合で混合し、その混合物を湿式粉砕処理して、C成分をコロイド状に分散させた本発明の改質剤とすることができる。
前記の湿式粉砕に用いる粉砕機としては、縦型ビーズミル、横型ビーズミル、サンドグラインダー、コロイドミル等の公知の湿式粉砕機が挙げられる。各成分を混合するときの温度、混合物を湿式粉砕するときの温度は、通常は20〜35℃とする。かくして調製される改質剤の粘度は、E型粘度計を使用し、30℃にて、rotor E、20rpmの条件で計測したときに300〜30000mPa・sの範囲内となるものが好ましい。
本発明の改質剤は、弾性繊維を製造するための紡糸原液に添加して使用される。かかる弾性繊維としては、ポリエステル系弾性繊維、ポリアミド系弾性繊維、ポリオレフィン系弾性繊維、ポリウレタン系弾性繊維等が挙げられるが、本発明の改質剤はポリウレタン系弾性繊維を製造する場合に効果の発現が高い。製造する弾性繊維の形態は特に限定されず、フィラメント系弾性繊維、スパン系弾性繊維のいずれを製造する場合にも使用できる。
紡糸原液に対する本発明の改質剤の添加量は特に制限されず、例えば弾性繊維がポリウレタンの場合、通常は紡糸原液中のポリウレタンポリマの固形分100質量部当たり、0.1〜20質量部の割合となるようにする。
また紡糸原液への本発明の改質剤の添加は、紡糸原液の調製、例えば重合から紡糸に至るまでのいかなるタイミングでも行なうことができるが、本発明の改質剤は、重合を経た紡糸直前の紡糸原液に添加するのが好ましい。
本発明の改質剤を適用する弾性繊維の紡糸方法としては、乾式紡糸法、溶融紡糸法、湿式紡糸法等が挙げられる。なかでも本発明の改質剤は、ポリウレタン系弾性繊維を乾式紡糸法により製造するときに適用するのが好ましい。
また本発明の改質剤を適用する弾性繊維は、その太さ、単糸本数、品種、形態等を特に制限されないが、複数本のフィラメントを製糸工程で合着させた合着糸(マルチフィラメント合着糸)を製造する場合に適用するのが好ましい。
前記のポリウレタン系弾性繊維としては、その内容が特に制限されるというものではないが、通常は85質量%以上のセグメント化したポリウレタンを含む長鎖の重合体から形成された弾性繊維が挙げられる。本発明の改質剤を添加する紡糸原液にポリウレタンが含まれる場合、かかるポリウレタンは、主構成成分がポリマージオールとジイソシアネートとであるポリウレタンであれば任意のものでよく、その内容や合成方法が特に制限されるというものではない。
例えばポリマージオールとジイソシアネートと低分子ジアミンとから成るポリウレタンウレアであってもよく、またポリマージオールとジイソシアネートと低分子ジオールとから成るポリウレタンであってもよく、更に鎖伸長剤として分子内に水酸基とアミノ基とを有する化合物を使用したポリウレタンウレアであってもよく、更にまた本発明の効果を妨げない範囲で3官能性以上の多官能性のグリコールやイソシアネート等が使用されたものであってもよい。尚、本発明において主構成成分とは、ポリウレタンを形成する成分のうちで50質量%以上を占める成分をいう。
本発明の改質剤を適用する場合のポリウレタンについて更に説明する。ポリウレタンの構成成分であるポリマージオールとしては、ポリエーテル系グリコール、ポリエステル系グリコール、ポリカーボネートジオール系のもの等が挙げられるが、製造した弾性繊維に高い伸度を付与する観点からポリエーテル系グリコールが好ましく、またポリエーテル系グリコールとしては、下記の化7で示される単位を有するものが好ましい。
Figure 0005067945
化7において、
e,g:1〜3の整数
f:0〜3の整数
,R:H又は炭素数1〜3のアルキル基
具体的に、かかるポリエーテル系グリコールとしては、ポリエチレングリコール、変性ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリトリメチレンエーテルグリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(以下、これをPTMGと略す)、テトラヒドロフランと3−メチル−テトラヒドロフランとの共重合体である変性PTMG、テトラヒドロフランと2,3−ジメチル−テトラヒドロフランとの共重合体である変性PTMG、テトラヒドロフランとネオペンチルグリコールとの共重合体である変性PTMG、テトラヒドロフランとエチレンオキサイド及び/又はプロピレンオキサイドとのランダム共重合体等が挙げられる。これらのポリエーテル系グリコールは、1種を使用してもよいし、また2種以上を使用してもよいが、なかでもPTMG又は変性PTMGが好ましい。
ポリウレタンの耐摩耗性や耐光性を高める観点からは、ブチレンアジペート、ポリカプロラクトンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオールとポリプロピレンポリオールとの混合物をアジピン酸等で縮重合することにより得られる側鎖を有するポリエステルジオールのようなポリエステル系グリコールや、3,8−ジメチルデカン二酸及び/又は3,7−ジメチルデカン二酸のようなジカルボン酸成分とジオール成分とから誘導されるジカルボン酸エステル単位を有するポリカーボネートジオール等が使用できる。これらのポリマージオールは単独で使用してもよいし、2種以上を使用してもよい。
以上説明したポリマージオールの分子量は、製造したポリウレタン系弾性繊維に所期の伸度、強度、耐熱性等を付与するため、数平均分子量で1000〜8000のものが好ましく、1800〜6000のものがより好ましい。
またポリウレタンの構成成分であるジイソシアネートとしては、ジフェニルメタンジイソシアネート(以下、MDIと略す)、トリレンジイソシアネート、1,4−ジイソシアネートベンゼン、キシリレンジイソシアネート、2,6−ナフタレンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート、メチレンビス−(シクロヘキシルイソシアネート)、イソホロンジイソシアネート、メチルシクロヘキサン−2,4−ジイソシアネート、メチルシクロヘキサン−2,6−ジイソシアネート、シクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、ヘキサヒドロキシリレンジイソシアネート、ヘキサヒドロトリレンジイソシアネート、オクタヒドロ−1,5−ナフタレンジイソシアネート等の脂環族ジイソシアネートが挙げられる。
更にポリウレタンを得るための鎖伸長剤としては、低分子ジアミン、低分子ジオール等が挙げられるが、エタノールアミンのように分子中に水酸基とアミノ基を有するものでもよい。
鎖伸長剤としての低分子ジアミンとしては、エチレンジアミン(以下、EDAと略す)、1,2−プロパンジアミン、1,3−プロパンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、p−フェニレンジアミン、p−キシリレンジアミン、m−キシリレンジアミン、p,p’−メチレンジアニリン、1,3−シクロヘキシルジアミン、ヘキサヒドロメタフェニレンジアミン、2−メチルペンタメチレンジアミン、ビス(4−アミノフェニル)フォスフィンオキサイド等が挙げられるが、なかでもエチレンジアミンが好ましい。
また鎖伸長剤としての低分子ジオールとしては、エチレングリコール(以下、EGと略す)、1,3−プロパンジオール、1,4−プロパンジオール、ビスヒドロキシエトキシベンゼン、ビスヒドロキシエチレンテレフタレート、1−メチル−1,2−エタンジオール等が挙げられるが、なかでもエチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−プロパンジオールが好ましい。
ポリウレタンの合成に際し、アミン系触媒や有機金属触媒等の触媒を使用することもできる。かかるアミン系触媒としては、例えば、N,N−ジメチルシクロヘキシルアミン、N,N−ジメチルベンジルアミン、トリエチルアミン、N−メチルモルホリン、N−エチルモルホリン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチル−1,3−プロパンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルヘキサンジアミン、ビス−2−ジメチルアミノエチルエーテル、N,N,N’,N’,N’−ペンタメチルジエチレントリアミン、テトラメチルグアニジン、トリエチレンジアミン、N,N’−ジメチルピペラジン、N−メチル−N’−ジメチルアミノエチル−ピペラジン、N−(2−ジメチルアミノエチル)モルホリン、1−メチルイミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾール、N,N−ジメチルアミノエタノール、N,N,N’−トリメチルアミノエチルエタノールアミン、N−メチル−N’−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、N,N−ジメチルアミノヘキサノール、トリエタノールアミン等が挙げられる。また有機金属触媒としては、オクタン酸スズ、二ラウリン酸ジブチルスズ、オクタン酸鉛ジブチル等が挙げられる。
本発明において、紡糸原液に用いるポリウレタンは、溶融重合法や溶液重合法等の常法に従って合成できる。より好ましいのは溶液重合法である。溶液重合法の場合にはポリウレタンにゲル等の異物の発生が少ないので、紡糸しやすく、低繊度のポリウレタン系繊維を製造しやすい。また溶液重合法の場合、溶液にする操作が省けるという利点がある。
かかるポリウレタンは、DMAc、DMF、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン等や、これらを主成分とする溶剤の中で、以上説明したような原料等を用いて合成することにより得られる。例えば、前記の溶剤中に、各原料等を投入し、溶解して、適度な温度に加熱して反応させ、ポリウレタンとするワンショット法や、ポリマージオールとジイソシアネートを溶融反応させた後に、その反応物を溶剤に溶解して更にジオールと反応させ、ポリウレタンとする方法等が挙げられる。得られるポリウレタン溶液の濃度は、30質量%以上80質量%以下の範囲が好ましい。
本発明において、紡糸原液に用いるポリウレタンには、本発明の効果を損なわない範囲内で必要に応じて安定剤や顔料等の各種添加剤類を添加することができる。例えば、1)安定剤として、ジビニルベンゼンとp−クレゾールとの付加重合体(デュポン社製のメタクロール(登録商標)2390)、t−ブチルジエタノールアミンとメチレン−ビス−(4−シクロヘキシルイソシアネート)との反応によって生成させたポリウレタン(デュポン社製のメタクロール(登録商標)2462)、2)耐光性、酸化防止剤等として、いわゆるBHTや住友化学工業社製のスミライザーGA−80等をはじめとする両ヒンダードフェノール系薬剤、チバガイギー社製のチヌビン等のベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系薬剤、住友化学工業社製のスミライザーP−16等のリン系薬剤、各種のヒンダードアミン系薬剤、3)酸化チタン、カーボンブラック等の無機顔料、4)フッ素系樹脂粉体又はシリコーン系樹脂粉体、ステアリン酸マグネシウム等の金属石鹸、5)その他の添加剤として、銀や亜鉛やこれらの化合物等を含む殺菌剤、消臭剤、またシリコーン、鉱物油等の滑剤、硫酸バリウム、酸化セリウム、ベタインやリン酸系等の各種の帯電防止剤等を添加してもよいし、またポリマーと反応して存在させてもよい。そして、特に光や各種の酸化窒素等への耐久性をさらに高めるためには、酸化窒素補足剤、例えば日本ヒドラジン社製のHN−150、熱酸化安定剤、例えば住友化学工業社製のスミライザーGA−80等、光安定剤、例えば住友化学工業社製のスミソーブ300#622等の光安定剤を含有させてもよい。
以上説明した添加剤類の添加方法としては、任意の方法が採用できる。その代表的な方法としては、スタティックミキサーによる方法、攪拌による方法、ホモミキサーによる方法、2軸押し出し機を用いる方法等、各種の手段が採用できる。ここで、添加される各種添加剤類は、ポリウレタンを溶液重合により合成する場合、ポリウレタンへの均一な添加を行なう観点から、溶液にして添加することが好ましい。
なお、各種添加剤類のポリウレタン溶液への添加により、添加後の混合溶液の溶液粘度が添加前のポリウレタン溶液粘度に比べ予想以上に高くなる現象が発生する場合があるが、この現象を防止する観点から、ジメチルアミン、メチルプロピルアミン、イソプロピルメチルアミン、ジイソプロピルアミン、ブチルメチルアミン、イソブチルメチルアミン、イソペンチルメチルアミン、ジブチルアミン、ジアミルアミンなどのモノアミン、エタノール、プロパノール、ブタノール、イソプロパノール、アリルアルコール、シクロペンタノールなどのモノオール、フェニルイソシアネート等のモノイソシアネート等の末端封鎖剤を1種又は2種以上混合して使用することも好ましい。
本発明において、紡糸原液に用いるポリウレタンとして特に好ましいものは、工程通過性も含め、実用上の問題が無く、且つ高耐熱性に優れたものを得る観点から、ポリマージオールとジイソシアネートとを反応させて得られるものからなり、且つ高温側の融点が150℃以上300℃以下の範囲となるものである。ここで、高温側の融点とは、DSCで測定した際のポリウレタン又はポリウレタンウレアのいわゆるハードセグメント結晶の融点が該当する。ポリウレタンの高温側の融点を150℃以上300℃以下の範囲内とするための代表的な方法としては、ポリマージオールとMDIの比率をコントロールすることが挙げられる。例えば、ポリマージオールの数平均分子量が1000以上の場合、(MDIのモル数)/(ポリマージオールのモル数)=1.5以上の割合で、重合を進めることにより、高温側の融点が150℃以上であるポリウレタンを得ることができる。
本発明において、紡糸原液に用いるポリウレタンは、さらに好ましくは下記の化8で示される構造単位(a)を5〜25モル%及び下記の化9で示される構造単位(b)を95〜75モル%から成り、数平均分子量が250〜10000であるポリアルキレンエーテルジオールと、ジイソシアネート化合物と、対称性芳香族系ジアミノ化合物とから重合されるポリウレタンウレアからなるものである。







Figure 0005067945
化8において、
:炭素数が1〜3の直鎖アルキレン基
:水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基
Figure 0005067945
化8で示される構造単位(a)は、ポリアルキレンエーテルジオール中に側鎖を導入させるためのものであり、例えば3−メチルテトラヒドロフランに由来する構造単位や、ネオペンチルグリコールに由来する構造単位で代表される。なかでも化8で示される構造単位(a)としては、Rがエチレン基、Rが水素原子である構造単位が特に好ましい。
かかるポリアルキレンエーテルジオールは、分子鎖中に側鎖を有することにより、高い柔軟性と高い回復性をもち、ガラス転移点(Tg)を低くすることができ、更にこのように側鎖を有するポリアルキレンエーテルジオールを用いて製造されるポリウレタンウレア系繊維は、高温染色や高温熱セットに対する耐久性が向上し、回復応力の低下が著しく抑制される。
また、化8で示される構造単位(a)と化9で示される構造単位(b)とから成る共重合物は、ブロック共重合やランダム共重合により得られるものであるが、特に分子鎖の末端部分に化8で示される構造単位(a)が多く存在することが好ましい。すなわち分子鎖の末端に占める化8で示される構造単位(a)の割合(以下、末端a割合ともいう)が、分子鎖全体中の化8で示される構造単位(a)の割合(以下、全体a割合ともいう)よりも多く、例えば、全体a割合に対する末端a割合の値が2倍以上であることが好ましい。このようにすれば、特に高温染色時のポリウレタン系繊維がポリウレタン系弾性繊維である場合の回復応力の保持をさらに高めることができる。
化8で示される構造単位(a)が分子鎖末端部分に多く存在するためには、化8で示される構造単位(a)を形成させるモノマーと化9で示される構造単位(b)を形成させるモノマーとを重合させる工程の終期において、化8で示される構造単位(a)を形成させるモノマーを追加供給して反応させる重合方法をとればよい。この追加供給するモノマーの量や供給タイミング等により、末端中に存在する化8で示される構造単位(a)割合を所望水準に制御することができる。
ポリアルキレンエーテルジオール中において、化8で示される構造単位(a)の割合は2〜25モル%であり、好ましくは8〜20モル%である。化9で示される構造単位(b)は残りの割合である。このような割合で化8で示される構造単位(a)が含まれることにより高温での染色がより好ましくできる。
以上説明した本発明の改質剤は、高級脂肪酸金属塩を用いることによる巻糸体からの良好な解舒性や糸同士の膠着防止性を有しながら、高級脂肪酸金属塩が分離や沈降するという問題がなく、また該高級脂肪酸金属塩が紡糸工程で口金孔に詰まる等の問題もなく、更に複数本の弾性フィラメントを合着させた合着糸を製造するに当たっても、所望どおりに良好に合着した弾性繊維合着糸を製造することができる。
以下、本発明の構成及び効果をより具体的にするため実施例等を挙げるが、本発明がこれらの実施例に限定されるというものではない。尚、以下の実施例等において、部は質量部を示し、また%は質量%を示す。
試験区分1(改質剤の調製)
・実施例1{改質剤(T−1)の調製}
A成分として25℃における粘度が1×10−5/sのポリジメチルシロキサン(A−1)100部とB成分として下記の表1に示した変性シリコーンオイル(B−1)10部とを混合し、その混合物にC成分としてジステアリン酸マグネシウム塩(C−1)25部を加えて、20〜35℃の温度で均一になるまで混合した後、横型ビーズミルを用いて湿式粉砕処理し、ジステアリン酸マグネシウム塩(C−1)をコロイド状に分散させた改質剤(T−1)を調製した。
・実施例2〜12及び比較例5〜14{改質剤(T−2)〜(T−12)及び(t−5)〜(t−14)の調製}
実施例1の改質剤(T−1)と同様にして、実施例2〜12の改質剤(T−2)〜(T−12)及び比較例5〜14の改質剤(t−5)〜(t−14)を調製した。
・比較例1
改質剤を用いない例を比較例1とした。
・比較例2{改質剤(t−2)の調製}
B成分として下記の表1に示した変性シリコーンオイル(B−2)100部とC成分としてジステアリン酸マグネシウム塩(C−1)19部とを20〜35℃の温度で均一になるまで混合した後、横型ビーズミルを用いて湿式粉砕処理し、ジステアリン酸マグネシウム塩(C−1)をコロイド状に分散させた改質剤(t−2)を調製した。
・比較例3{改質剤(t−3)の調製}
A成分として25℃における粘度が1×10−5/sのポリジメチルシロキサン(A−1)100部とC成分としてジステアリン酸マグネシウム塩(C−1)35部とを20〜35℃の温度で均一になるまで混合した後、横型ビーズミルを用いて湿式粉砕処理し、ジステアリン酸マグネシウム塩(C−1)をコロイド状に分散させた改質剤(t−3)を調製した。
・比較例4{改質剤(t−4)の調製}
A成分として25℃における粘度が1×10−5/sのポリジメチルシロキサン(A−1)100部とB成分として下記の表1に示した変性シリコーンオイル(B−3)20部とを混合し、改質剤(t−4)を調製した。以上で調製した各例の改質剤の内容を表2にまとめて示した。

Figure 0005067945
表1において、
M−1:N−{N’−(2−カルボキシベンゼン−カルボニル)−2−アミノエチル}−3−アミノプロピル基
M−2:N−(2,4−ジカルボキシベンゼン−カルボニル)−3−アミノプロピル基
M−3:N−(2,5−ジカルボキシベンゼン−カルボニル)−3−アミノプロピル基
M−4:N−{N’−(2,4−ジカルボキシベンゼン−カルボニル)−2−アミノエチル}−3−アミノプロピル基
M−5:N−{N’−(2,5−ジカルボキシベンゼン−カルボニル)−2−アミノエチル}−3−アミノプロピル基
M−6:N−{N’−(2,4,5−トリカルボキシベンゼン−カルボニル)−2−アミノエチル}−3−アミノプロピル基
M−7:N−{N’−(2,4,5−トリカルボキシベンゼン−カルボニル)−2−アミノエチル}−2−アミノエチル基
m−1:10個のオキシエチレン基と15個のオキシプロピレン基とで構成されたポリオキシエチレンポリオキシプロピレン基












Figure 0005067945
表2において、
使用量:部(質量部)
A−1:25℃における粘度が1×10−5/sのポリジメチルシロキサン
A−2:25℃における粘度が1×10−3/sのポリジメチルシロキサン
C−1:ジステアリン酸マグネシウム塩
C−2:ジステアリン酸カルシウム塩
C−3:パルミチン酸ステアリン酸亜鉛塩
C−4:ステアリン酸カリウム塩
*1:A成分/B成分(質量比)を示し、A成分100部当たりのB成分の部数
*2:(A成分+B成分)/C成分(質量比)を示し、A成分とB成分との合計量100部当たりのC成分の部数
試験区分2(改質剤の評価)
試験区分1で調製した各例の改質剤について、分散安定性、平均粒子径及び粘度上昇を下記のように評価した。結果を表3にまとめて示した。
・分散安定性の評価
改質剤100mlを密栓付きガラス製の100mlメスシリンダーに入れ、25℃にて6月間放置し、調整直後と6月間放置後の改質剤の外観を観察して、下記の基準で評価した。
◎:均一な分散状態で外観に変化がない
○:5ml未満の透明層が発生した
△:5ml以上の透明層が発生した
×:沈殿が発生した
・平均粒子径の評価
改質剤を密栓付きガラス製の容器に入れ、25℃にて6月間放置し、調整直後と6月間放置後の改質剤について、25℃における粘度が1×10−5/sのポリジメチルシロキサンを分散媒体として用い、改質剤中の高級脂肪酸金属塩の濃度が1000ppmとなるよう改質剤を希釈し、試料とした。この試料について、25℃にて遠心式粒度分布測定装置(堀場製作所製CAPA−700型)により面積基準の平均粒子径を測定し、下記の基準で評価した。
×:平均粒子径が0.01μm未満
△:平均粒子径が0.01μm以上0.05μ未満
○:平均粒子径が0.05μm以上0.1μ未満
◎:平均粒子径が0.1μm以上0.3μm未満
○:平均粒子径が0.3μm以上0.8μm未満
△:平均粒子径が0.8μm以上1μm以下
×:平均粒子径が1μmを超える
・粘度上昇の評価
E型粘度計(TOKIMEC社製のDVH−E型)を用いて調製直後の改質剤の30℃における粘度をローターE、20rpmの条件で測定し、初期粘度V1(Pa・s)とした。ついで該改質剤を密栓付きガラス製容器に40℃にて6月間放置し、再度E型粘度計を用いて30℃における粘度を上記と同じ条件で測定し、経時変化後粘度V2(Pa・s)とした。V2/V1を算出し、下記の基準で粘度上昇を評価した。
◎:V2/V1が2.0未満
○:V2/V1が2.0以上3.0未満
△:V2/V1が3.0以上4.0未満
×:V2/V1が4.0以上


















Figure 0005067945
試験区分3(改質剤を添加した紡糸原液を用いたポリウレタン系弾性繊維の製造)
乾式紡糸法によりポリウレタン系弾性繊維を以下のように製造した。先ず、分子量2900のテトラメチレンエーテルグリコール、ビス−(p−イソシアネートフェニル)−メタン及びエチレンジアミンから成るポリウレタンのN、N’−ジメチルアセトアミド(以下、DMAcと略する)溶液(35%溶液)を重合し、これをポリマ溶液(A)とした。
次に、t−ブチルジエタノールアミンとメチレン−ビス−(4−シクロヘキシルイソシアネート)との反応によって生成せしめたポリウレタン(デュポン社製のメタクロール(登録商標)2462)と、p−クレゾールとジビニルベンゼンとの縮合重合体(デュポン社製のメタクロール(登録商標)2390)との2対1(質量比)の混合物のDMAc溶液(35%溶液)を調製し、これを添加剤溶液(B)とした。
そして前記のポリマ溶液(A)を96%、添加剤溶液(B)を4%の割合で均一混合し、溶液(C)とした後、この溶液(C)に、溶液(C)中のポリマ固形分100部当たり表4に示される添加量(部)となるよう改質剤をスタティックミキサーを用いたインジェクション法により均一混合し、紡糸溶液とした。ここで用いた改質剤の種類や添加量を表4にまとめて示した。
こうして得られた紡糸溶液を用いて、ゴデットローラーと巻取機の速度比を1対1.20として22dtex/3filのマルチフィラメントのポリウレタン系弾性繊維を紡糸し、巻き取り前のオイリングローラーによって後述する処理剤(油剤)をローラー給油して、巻き取り速度が600m/分で長さ58mmの円筒状紙管に、巻き幅38mmを与えるトラバースガイドを介して、サーフェイスドライブの巻取機を用いて巻き取り、500gの巻糸体として乾式紡糸ポリウレタン系弾性繊維を得た。得られたポリウレタン系弾性繊維は3本のフィラメントを合着させた合着糸であった。処理剤付与量は糸に対して所定量になるようにオイリングローラーの回転数を調整した。また処理剤の付与量は、JIS−L1073(合成繊維フィラメント糸試験方法、但しこの試験方法それ自体は1981年に廃止になっている)に準拠して、抽出溶剤としてn−ヘキサンを用いて測定した。ここで使用した処理剤の組成は、25℃の粘度が1×10−5/sのポリジメチルシロキサン80部、25℃の粘度が1.2×10−5/Sの鉱物油19部及び平均粒子径0.5μmのジステアリン酸マグネシウム塩1部の混合物である。
Figure 0005067945
表4において、
改質剤の添加量:紡糸原液中のポリマ固形分100部当たり添加した改質剤の部数
試験区分4(ポリウレタン系弾性繊維の評価)
試験区分3で製造したポリウレタン系弾性繊維(以下、試料糸という)を下記の評価に供した。結果を表5にまとめて示した。
<糸物性の評価>
試料糸について、以下のように破断伸度、破断強度及び解舒張力を測定し、糸物性を評価した。結果を表5にまとめて示した。
・破断伸度及び破断強度
破断伸度及び破断強度は、試料糸を、インストロン4502型引張試験機を用いて引張テストすることにより次のように求めた。5cm(L1)の試料糸を50cm/分の引張速度で300%伸長を4回繰返した。5回目の伸長時に300%伸長状態で30秒間保持した後、更に原長に戻し、6回目に、試料糸が破断するまで伸長した。この破断時の応力を(G3)、破断時の試料長さを(L3)とした。そして下記式により求めた。
破断伸度(%)=100×{(L3)−(L1)}/(L1)
破断強度(cN)=(G3)
破断伸度及び破断強度は下記の基準で評価した。
破断伸度:
◎:485%以上
○:475%以上485%未満
△:465%以上475%未満
×:465%未満
破断強度:
◎:28cN以上
○:27cN以上28cN未満
△:26cN以上27cN未満
×:26cN未満
・解舒張力
解舒張力は図1に示した装置によって測定した。図1に示した装置は、円筒状紙管2に巻かれた試料糸巻糸体1を図1のように固定し、そこから試料糸3を、45.7m/分の一定速度で巻糸体1の側面から解舒して、解舒した試料糸3をガイド4、セラミック製スロット・ガイド5を通過させ、張力計ローラー6で90度に屈曲した軌跡を描かせ、ローラー12に45.7m/分にてドライブし、90度に屈曲した軌跡を描かせ、サッカーガン13に吸引させるようになっており、またフリーの張力計ローラー6は電気的な歪みゲージ7に接続されており、その電気信号は導線8を通じ、積分器9で平均化処理され、導線10を通じ記録器11にそのデータを蓄積されるようになっている。本発明では、図示したテストを4分間行い、糸長183mでの平均解舒張力を計測した。
計測は25℃で60%RHの条件下にて実施した。計測する巻糸体の位置は巻糸体表層、中央層、最内層とした。具体的に巻糸体表層とは巻糸体表面から約5グラムの糸が除去された層である。巻糸体表面から約5gの糸を除去するのは、当該層では巻糸体表面の巻き上げのパターンを故意に変える場合があるからである。最内層とは巻糸体に巻糸が約5g残された層であり、中央層とは巻糸体表層と最内層との中間の層である。解舒張力を測定する巻糸体としては、3ヶ月以上、約20℃にて保管したものを使用した。測定した解舒張力を下記の基準で評価した。
◎:0.15cN未満
○:0.15cN以上0.25cN未満
△:0.25cN以上0.50cN未満
×:0.50cN以上
<製糸性の評価>
試料糸について、以下のように紡糸性及び合着性を測定し、製糸性を評価した。結果を表5にまとめて示した。
・紡糸性
前記した乾式紡糸ポリウレタン系弾性繊維の製造時の紡糸における糸切れ頻度を測定し、糸切れ1回あたりの巻き取り距離を測定することにより紡糸性を下記の基準で評価した。
◎:5000km以上
○:4500km以上5000km未満
△:4000km以上4500km未満
×:4000km未満
・合着性
試料糸の巻糸体を転がしながら解舒し、このとき、200%伸長した状態で試料糸を50m/分の送り速度で送り、交差ロールを介して糸割れ箇所を拡大して箇所数を計測した。糸割れ箇所は曲がった節として観察される。500gの巻糸体100個を検査して確認した糸割れ箇所数から発生頻度(箇所/100m)を集計し、下記の基準で評価した。糸割れ箇所数が少なければ、合着性が良いと言える。
◎:1箇所/100m未満
○:1箇所/100m以上5箇所/100m未満
△:5箇所/100m以上50箇所/100m未満
×:50箇所/100m以上
<加工性の評価>
試料糸について、以下のようにスカム発生、染色性、高次加工性及び高次加工品の品位を評価した。結果を表5にまとめて示した。
・スカム発生
試料糸の巻糸体をミニチュア整経機に10本仕立て、25℃で65%Hの雰囲気下に糸速度300m/分で1500km巻き取った。このとき、ミニチュア整経機のクシガイドでのスカムの脱落及び蓄積状態を肉眼観察し、下記の基準で評価した。
◎:スカムの付着がほとんどなかった。
○:スカムがやや付着しているが、糸の安定走行に問題はなかった。
△:スカムの付着及び蓄積が多いが、糸の安定走行に問題はなかった。
×:スカムの付着および蓄積が多く、糸の安定走行に大きな問題があった。
・染色性
試料糸を芯糸とし、これに44dtex/36filのウーリーナイロン糸(東レ社製)をシングルカバリングしてなるカバリング糸を用いて常法によりタイツを編成した。タイツの通常の加工条件に準じて、プレセット、精練後、MITSUI NYLON BLACK GL(三井BASF社製の酸性染料)4%owfを用い、95℃で60分間染色後、タイツの通常の加工条件に準じて、スチームセットした。この加工したタイツの湿摩擦堅牢度をJIS L−0849に準じて測定し、下記の基準で評価した。
◎:4級以上
○:3級
△:2級
×:1級
・高次加工性
試料糸の巻糸体について、経編用整経機の積極送り出し装置(クリールスタンド)の一部を模擬した高速解舒モデル装置を使用し、次のように解舒テストを実施した。装置左側に第1駆動ローラとこれに常時接する第1遊離ローラ−とで送り出し部を構成し、また第2駆動ローラ−とこれに常時接する第2遊離ローラ−とで巻き取り部を構成して、該送り出し部に対し該巻き取り部を水平方向右側に20cm離して設置した。第1駆動ローラ−に試料糸を装着し、送り出し速度を300m/分、巻き取り速度を690m/分とし、巻糸体の表層から解舒実験を実施した。このときの糸切れ発生頻度から、下記の基準で評価した。
◎:糸切れ発生頻度1%未満
○:糸切れ発生頻度1%以上3%未満
△:糸切れ発生頻度3%以上10%未満
×:糸切れ発生頻度10%以上
・高次加工品の品位
試料糸を用いて織物ストレッチ布帛を作製し、染色等の後加工を行い、その外観品位を評価した。先ず、試料糸を、カチオン可染ポリエステル糸(168dtex/48fil)でカバリング加工した。その際のカバリング機での条件を、ヨリ数=450t/m、ドラフト=3.0として得られたカバリング糸をヨコ糸用とし、またヨリ数700T/M、ドラフト=3.5として得られたカバリング糸をタテ糸用とした。次に、得られたカバリング糸をそれぞれヨコ糸、タテ糸として用い、タテ糸を5100本(荒巻整経1100本)で糊付け整経した後、レビアー織機を用いて2/1綾組織で製織した。そして製織で得られた生機を常法に従い精練加工、中間セット(185℃)、減量加工を行ない、更にカチオン染料を用いた染色加工、乾燥、仕上げ剤処理、及び180℃、布帛20m/分、セットゾーン24mの条件で仕上げセットを行った。
このように後加工を行った後のストレッチ布帛の外観品位を、主に生地の波打ちに注目して、次の4段階で評価した。
◎:波打ちが全くない
○:波打ちがあるがほとんど気にならない
△:やや波打ちが気になる
×:波打ちが気になる




















Figure 0005067945
実施例で採用した解舒張力の測定方法を実施するための解舒張力測定装置の概略概念図。
符号の説明
1 巻糸体
2 チューブ
3 解舒された走行している弾性繊維
4 ガイド
5 セラミック製スロットガイド
6 張力計ローラー
7 電気的な歪みゲージ
8 導線
9 積分器
10 導線
11 記録器
12 ローラー
13 サッカーガン

Claims (10)

  1. 弾性繊維を製造するための紡糸原液に添加する弾性繊維製造用改質剤であって、下記のA成分、B成分及びC成分から成り、これらの各成分の質量比が、(A成分)/(B成分)=100/0.5〜100/50の範囲、また{(A成分)+(B成分)}/(C成分)=100/10〜100/100の範囲であって、且つ該C成分がコロイド状に分散されていることを特徴とする弾性繊維製造用改質剤。
    A成分:25℃における粘度が2×10−6〜1m/sのシリコーンオイル
    B成分:下記の化1で示される変性シリコーンオイル
    Figure 0005067945
    [化1において、
    :炭素数2〜5のアルキル基又はフェニル基
    ,X:メチル基又は下記の化2で示される有機基(但し、cが0の場合、X及びXの少なくとも一方は下記の化2で示される有機基)
    :下記の化2で示される有機基
    a,b:aは10〜500の整数、bは0〜200の整数であって、且つ15≦a+b≦500を満足する整数
    c:0〜10の整数



    Figure 0005067945
    (化2において、
    ,R:炭素数2〜5のアルキレン基
    :芳香族ジカルボン酸から1個の水酸基を除いた残基、芳香族トリカルボン酸から1個の水酸基を除いた残基又は芳香族テトラカルボン酸から1個の水酸基を除いた残基
    d:0又は1の整数)]
    C成分:下記の化3で示される高級脂肪酸金属塩
    Figure 0005067945
    (化3において、
    :炭素数12〜22の脂肪酸から1個のカルボキシル基を除いた残基
    M:n価の原子価を有する金属原子
    n:1〜3の整数)
  2. 上記各成分の質量比が、{(A成分)+(B成分)}/(C成分)=100/20〜100/60である請求項1に記載の弾性繊維製造用改質剤。
  3. A成分が、25℃における粘度が8×10−6〜1×10−2/sのポリジメチルシロキサンである請求項1又は2記載の弾性繊維製造用改質剤。
  4. B成分が、化1中のX及びXがメチル基、またaが50〜300の整数、更にbが0〜10の整数であり、且つcが1〜10の整数である場合のものである請求項1〜3のいずれか一つの項記載の弾性繊維製造用改質剤。
  5. 各成分の質量比が、{(A成分)+(B成分)}/(C成分)=100/20〜100/60であり、且つB成分が、化1中のX 及びX がメチル基、またaが50〜300の整数、更にbが0、更にまたcが1〜10の整数である場合のものである請求項1又は3記載の弾性繊維製造用改質剤。
  6. C成分が、化3中のMが2価の原子価を有する金属原子であり、且つnが2である場合のものである請求項1〜のいずれか一つの項記載の弾性繊維製造用改質剤。
  7. 下記の平均粒子径の測定法により測定される平均粒子径が、0.05〜0.8μmの範囲にある請求項1〜のいずれか一つの項記載の弾性繊維製造用改質剤。
    平均粒子径の測定法:A成分、B成分及びC成分から成る弾性繊維製造用改質剤を、25℃における粘度が1×10−5/sのポリジメチルシロキサンにより、C成分である高級脂肪酸金属塩の濃度が1000ppmとなるよう希釈した希釈液とし、これを測定用試料として、25℃にて遠心式粒度分布測定装置により面積基準の平均粒子径を測定する方法
  8. 弾性繊維が、ポリウレタン系弾性繊維である請求項1〜のいずれか一つの項記載の弾性繊維製造用改質剤。
  9. ポリウレタン系弾性繊維が、乾式紡糸法により製造されるものである請求項記載の弾性繊維製造用改質剤。
  10. ポリウレタン系弾性繊維が、複数本のポリウレタン弾性フィラメントを合着させた合着糸である請求項又は記載の弾性繊維製造用改質剤。
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