JP4575266B2 - 弾性繊維製造用改質剤 - Google Patents

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Description

本発明は、弾性繊維製造用改質剤に関し、さらに詳しくは、特に、乾式紡糸法でポリウレタン弾性繊維等を製造するのに当たりに好適に用いることのできる弾性繊維製造用改質剤に関する。
近年、ポリウレタンなどの弾性繊維を紡糸して製造をするに際して、弾性体原料と混合される添加剤中にステアリン酸マグネシウムなどの金属石けんを含有させて、後工程での繊維糸条の良好な解舒性や安定した走行性などを得るということが行われてきた(特許文献1−5)
しかし、弾性繊維中にステアリン酸マグネシウムなどの金属石けんを含ませると、糸パッケージからの解舒性や走行性、糸どうしの膠着発生などが改善されるが、一方で、マルチフィラメント糸どおしを製糸工程で合着させたものとして得たい場合には、該合着をうまくさせることができないという問題があった。
また、添加剤のスラリー中で金属石けんが沈降し、均一な特性を有する弾性繊維糸を製造するという点でも問題があり、さらに、金属石けんの口金孔でのつまりや、合着されていないことや合着不完全なことによる合着工程や高次工程での糸切れが発生しやすい等の問題を新たに招くこともあった。
特開2003−13361号公報 特開2003−13362号公報 特開2003−129376号公報 特開2001−214332号公報 特開平9−217227号公報
本発明の目的は、上述したような点に鑑み、金属石けんを含有していることから糸パッケージからの良好な解舒性や糸どうしの膠着防止性を有しながら、改質剤スラリー中で金属石けんが分離や沈降するという問題もなく、さらに、該金属石けんの口金孔でのつまり等の問題発生もなく、さらには、特に、弾性繊維フィラメント繊維の複数本を合着させた弾性繊維フィラメント糸を製造するに当たっても、所望どうりに良好に合着している弾性繊維フィラメント糸を製造することを実現する弾性繊維製造用改質剤を提供することにある。
上述した目的を達成する本発明の弾性繊維製造用改質剤は、以下の構成からなるものである。
(1)乾式紡糸法によりポリウレタン弾性フィラメントを製造するのに際し、紡糸原液中に添加されて用いられる弾性繊維製造用改質剤であって、25℃における粘度が、10×10 -6 〜10×10 -1 2 /Sであるシリコーンオイルと、アミノ変性シリコーン、アミド変性シリコーン、カルボキシアミド変性シリコーン、両末端ポリエーテル変性シリコーン、カルビノール変性シリコーンまたはカルボキシル変性シリコーンの単独または混合物からなる変性シリコーンからなるシリコーン混合物と、該シリコーン混合物にコロイド状に分散されたステアリン酸マグネシウムとからなり、前記シリコーン混合物100重量部に対して該ステアリン酸マグネシウムが10〜70重量部の割合で、かつ前記シリコーンオイル/前記変性シリコーン=100/50〜100/0.5(重量比)の割合で配合されてなり、かつ流動性のあるスラリー状であることを特徴とする弾性繊維製造用改質剤。
また、本発明のかかる弾性繊維製造用改質剤において、より具体的に、好ましくは、以下の(2)記載の構成を有するものである。
(2)乾式紡糸法により紡糸された複数本のポリウレタン弾性フィラメントどうしを合着させてポリウレタン弾性フィラメント糸を製造するのに際し、紡糸原液中に添加されて用いられることを特徴とする上記(1)記載の弾性繊維製造用改質剤。
本発明の弾性繊維製造用改質剤によれば、金属石けんを含有していることから糸パッケージからの良好な解舒性や糸どうしの膠着防止性を有しながら、改質剤スラリー中において該金属石けんが沈降するという問題もなく、さらに、該金属石けんの口金孔でのつまり等の問題発生もなく、さらには、特に、弾性繊維フィラメント繊維の複数本を合着させた弾性繊維フィラメント糸を製造するに当たっても、所望どうりに良好に合着している弾性繊維フィラメント糸を製造することを実現する弾性繊維製造用改質剤を提供することができる。
本発明の改質剤を用いれば、加工工程においてもガイド類へのスカムの付着や蓄積を低減することができる。
また、本発明の改質剤を使用して得られるポリウレタン糸は、製造の際の紡糸連続性が高く、そして、その巻糸体から解舒する際の抵抗力、すなわち、解舒張力を巻糸体の外部から内部まで安定して低くすることができ、長期間その巻糸体を保管する場合にも解舒張力の経時増大を抑制できる。
そのため、本発明の改質剤を使用して得られるポリウレタン糸を使用した布帛の製造時には製造プロセスへ安定した解舒張力でポリウレタン糸を供給できるため、従来にない特性を有するものであり、特に、衣服などにしたとき、外観品位、耐薬品性などに優れる特性を示すのである。
これらの優れた特性を有することから、単独での使用はもとより、各種繊維との組み合わせにより、例えば、ソックス、ストッキング、丸編、トリコット、水着、スキーズボン、作業服、煙火服、洋服、ゴルフズボン、ウエットスーツ、ブラジャー、ガードル、手袋や靴下をはじめとする各種繊維製品の締め付け材料、紙おむつ・紙おしめなどサニタニー品の漏れ防止用締め付け材料、防水資材の締め付け材料、似せ餌、造花、電気絶縁材、ワイピングクロス、コピークリーナー、ガスケットなど、種々の用途に好適に用いることができる。
以下、更に詳しく、本発明の弾性繊維製造用改質剤について説明する。
本発明の弾性繊維製造用改質剤は、シリコーンオイルと変性シリコーンからなるシリコーン混合物と、該シリコーン混合物にコロイド状に分散された金属石けんとからなるものである。
代表的には、分散媒体としてシリコーンオイル、分散剤として変性シリコーンからなるシリコーン混合物中に、分散物である金属石けんがコロイド状に均質に分散された弾性繊維製造用改質剤であり、あるいは、分散剤としての変性シリコーンに分散物である金属石けんが分散された混合物を、分散媒体としてのシリコーンオイルで希釈し、該金属石けんがコロイド状に均質に分散された弾性繊維製造用改質剤である。
ここで、シリコーンオイルは、単なる固形分である金属石けんの分散媒体としてのみでなく、弾性繊維を紡糸して製造をするに際して、該金属石けんの口金孔でのつまり等の問題を低減するために必須の成分である。
シリコーンオイルとしては、ポリジメチルシロキサンが好ましい。シロキサン単位として、1)ジメチルシロキサン単位から成るポリジメチルシロキサン、2)ジメチルシロキサン単位と炭素数2〜4のアルキル基を含むジアルキルシロキサン単位とから成るポリジアルキルシロキサン類、3)ジメチルシロキサン単位とメチルフェニルシロキサン単位とからなるポリシロキサン類等が包含される。シリコーンオイルは、シリコーンオイルの25℃における粘度が10×10-62 /S未満であれば、改質剤中の金属石けんが、沈降や2次凝集が発生しやすく、2次凝集物によるの口金孔でのつまり等の問題を新たに招く可能性がある。同じく10×10-12 /Sを超えるものであれば、製造時、改質剤中の金属石けんの粒径を均一で小さいものにすることが困難であり、例えば、湿式粉砕中の発熱が大きく、改質剤自体の変質を招くこともあるので良くない。かかる粘度は、JIS−K2283(石油製品動粘度試験方法)に記載された方法で測定される値である。
分散媒体として用いる変性シリコーンは、必須の構成単位としてジメチルシロキサン単位と変性基を有するシロキサン単位とを含む線状ポリオルガノシロキサンである。変性シリコーン種としては、アミノ変性シリコーン、アミド変性シリコーン、カルボキシアミド変性シリコーン、ポリエーテル変性シリコーン、カルビノール変性シリコーン、カルボキシル変性シリコーン、エポキシ変性シリコーン、エポキシ・ポリエーテル変性シリコーン、メルカプト変性シリコーン、シリコーンレジン等が単独または混合物として好ましく使用される。
また、改質剤のチクソトロピーを抑制することや改質剤保管時の増粘など粘度変化の点でシリコーン混合物中において、該シリコーンオイル/該変性シリコーン=100/50〜100/0.5(重量比)の割合を満足することが好ましい。
また、金属石けんは、シリコーン混合物100重量部当たり5〜100重量部用いられていることが、改質剤中で金属石けんが分離や沈降するという問題もなく、改質剤の安定性およびその結果としての該金属石けんの口金孔でのつまり等の問題発生が少ないという点で好ましい。中でも、より好ましくは、金属石けんが、シリコーン混合物100重量部当たり10〜70重量部用いられていることであり、本発明者らの知見によれば、該範囲内であれば、特に長期の保管にて改質剤の粘度等の変化が少ないのでも最も好ましいものである。
また、本発明において「コロイド状に分散された」とあるが、この意義は物質が微細な粒子となって、液体などに混合分散している状態をコロイドと定義されており、分散粒子の大きさは、およそ10-7〜10-9m程度の粒子である場合をコロイド粒子という場合が多く、本発明でも平均粒子径は1×10-6m未満であることが好ましい。
本発明に使用する金属石けんは、高級脂肪酸金属塩であるのが好ましく、特にステアリン酸マグネシウムを用いることが重要である
この理由は、本発明の改質剤を使用して得られるポリウレタン糸は良好な破断強伸度、耐薬品性などが得られ、その巻糸体は内層部まで安定した解舒張力を得られ、衣服などにしたときの、外観品位などのバランスが優れる特性を示すからである。
本発明の弾性繊維製造用改質剤は、特に、乾式紡糸法によりポリウレタン弾性フィラメントを製造するのに好適に使用されるものである。該ポリウレタン弾性フィラメントは、そのフィラメントの複数本が合着して用いられることが多く、本発明の弾性繊維製造用改質剤は、合着を良好に行うのに好適なものだからである。
また、本発明の弾性繊維製造用改質剤には、必要に応じて、つなぎ剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、防腐剤、濡れ性向上剤等の通常合成繊維処理剤に使用される成分を含有させることも好ましく行われる。これらの酸化防止剤、平滑剤、帯電防止剤等の含有量は、目的に応じて適宜決定されるのが好ましい。
本発明の弾性繊維製造用改質剤の製造方法は、特に制限されるものではなく、例えば、固体であるステアリン酸マグネシウムの金属石けんと液体であるシリコーンオイルの平滑剤とを所定割合で混合し、湿式粉砕して金属石けんを分散させる方法が挙げられる。ここで湿式粉砕に用いる粉砕機としては、縦型ビーズミル、横型ビーズミル、サンドグラインダー、コロイドミル、ボールミル等の各種の湿式粉砕機が使用できる。
本発明の弾性繊維製造用改質剤は、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリオレフィン系、ポリウレタン系等の弾性繊維に好適に使用され、特にポリウレタン系の弾性繊維に好適に使用され、フィラメント系、スパン系のいずれにも使用できる。
本発明の弾性繊維製造用改質剤の付与量は、繊維の太さ、品種、形態等で適宜選択される。
また、繊維への付与は、主として弾性繊維紡糸液の製造工程中のいずれでもよいが、重合工程後から紡糸工程に至るまでに行われるのが好ましく、紡糸工程直前で行われるのも好ましい。付与方法は、インジェクション法、バッチ法等を選ぶことができる。
そうした意味で、本発明の弾性繊維製造用の改質剤は、その性状が流動性のあるスラリー状であることが、紡糸液に混合する場合、低エネルギーで、早く、比較的単純な設備にて均質な紡糸液を得られるという観点から、改質剤として弾性繊維原材料中に混合させることが容易であり、重要である。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。実施例および比較例中の部は重量部、%は重量%を、それぞれ表す。
なお、実施例中の各特性の評価方法について、以下に説明する。
[改質剤の分散安定性]
分散安定性に関しては、改質剤100mlを密栓付きガラス製100mlメスシリンダーに入れ、40℃にて1週間と1ケ月間放置し、1週間後と1ケ月間後の処理剤(改質剤)の外観を観察し、下記の基準で評価した。
◎:均一な分散状態で外観に変化がなかった。
○:5ml未満の透明層が発生した。
△:5ml以上の透明層が発生した。
×:金属石けんの沈殿が発生した。
[平均粒子径]
平均粒子径に関しては、金属石けん等固形分が1000ppmの濃度となるように改質剤に20×10-62 /Sであるシリコーンオイルを添加し、希釈して試料とした。この試料を25℃で超遠心式自動粒度分布測定装置(堀場製作所製CAPA−700)を用いて、面積基準の平均粒子径を測定した。
[弾性繊維製造への改質剤の適用]
弾性繊維として、ポリウレタン糸を用いた。
まず、分子量2900のテトラメチレンエーテルグリコール、ビス−(p−イソシアナートフェニル)−メタンおよびエチレンジアミンからなるポリウレタンのN,N’−ジメチルアセトアミド(以下、DMACと略する。)溶液(35重量%)を重合しポリマ溶液(A)とした。
次に、酸化防止剤として、t−ブチルジエタノールアミンとメチレン−ビス−(4−シクロヘキシルイソシアネ−ト)の反応によって生成せしめたポリウレタン(デュポン社製“メタクロール”(登録商標)2462)と、p−クレゾールとジビニルベンゼンの縮合重合体(デュポン社製“メタクロール”(登録商標)2390)との2対1(重量比)の混合物を用い、これのDMAC溶液(35重量%)を調整し、その他添加剤溶液(C)とした。
A、B、Cそれぞれを94重量%、4重量%、2重量%で均一に混合し、いったん、溶液(D)とした。さらに、溶液(D)に対し、弾性繊維製造用改質剤をスタティックミキサーを用いるインジェクション法により、均一に混合し、紡糸溶液とした。
ここで得られた紡糸溶液を用いて、ゴデローラーと巻取機の速度比1.20として600m/分のスピードで乾式紡糸を行い、22dtexのマルチフィラメントのポリウレタン糸を長さ58mmの円筒状紙管に、巻き幅38mmを与えるトラバースガイドを介して、サーフェスドライブの巻取機を用いて巻き取り、500gの巻糸体を得た。
[紡糸性の評価]
糸切れ頻度を測定し、巻き取り距離にて表示した。
[合着性の評価]
弾性繊維巻糸体を転がしながら解舒し、このとき、200%伸長した糸を50m/分の送り速度で送り、交差ロールを介して糸割れ箇所を拡大して箇所数を計測するする。糸割れ箇所は曲がった節として観察される。発生率を100個の巻糸体を検査して発生した数を箇所/100mで集計し、下記の基準で評価した。
◎:1箇所/100m未満。
○:1箇所/100m以上5箇所/100m未満。
△:5箇所/100m以上50箇所/100m未満。
×:50箇所/100m以上。
[弾性繊維の評価]
破断強度、破断伸度は、試料サンプル糸をインストロン4502型引張試験機を用い、引張テストすることにより得た。これらは下記により定義される。
5cm(L1)の試料糸を50cm/分の引張速度で300%伸長を5回繰返した。このときの応力を(G1)とした。次に、該長さを30秒間保持した。さらに6回目に試料サンプル糸が切断するまで伸長した。この破断時の応力を(G3)、破断時の試料長さを(L3)とした。以下、上記の特性は下記式により与えられる。
強度=(G3)
伸度=100×{(L3)−(L1)}/(L1)}
[弾性繊維の解舒張力]
解舒張力は、図1に示した装置によって測定した。チューブ2に巻かれたポリウレタン弾性繊維巻糸体1を図1のように固定し、そこからポリウレタン弾性繊維3を、45.7m/分の一定速度で巻糸体1の側面から解舒する。その解舒された走行糸3を、ガイド4、セラミックス製スロット・ガイド5を通過させ、張力計ローラー6で90度に屈曲した軌跡を描かせ、ローラー12に45.7m/分にてドライブし、90度に屈曲した軌跡を描かせ、サッカーガン13に吸引させる。フリーの張力計ローラー6は電気的な歪みゲージ7に接続されており、その電気信号は導線8を通じ、積分器9で平均化処理され、記録器11にそのデータを蓄積する。このテストは4分間行い、183mの糸道の平均張力を計測する。
計測時の温度は25℃、60%RHにて実施した。計測する巻糸体の位置は巻糸体表層、中央層、最内部層とした。
具体的に、巻糸体表層とは巻糸体表面から約5グラムの糸を除去した層とした。この理由は、巻糸体表面の巻き上げのパターンを故意に変える場合があるからである。最内部層とは巻糸体に巻糸を約5gを残した層とし、中央層とは巻糸体表層、最内部層の中間の層とした。解舒張力を測定する巻糸体は3ヶ月以上、約20℃にて保管したものを使用した。
[スカムの評価]
巻糸体をミニチュア整経機に10本仕立て、25℃×65%RHの雰囲気下で糸速度300m/分で1500km巻き取った。このとき、ミニチュア整経機のクシガイドに対するスカムの脱落および蓄積状態を肉眼観察し、次の基準で評価した。
◎:スカムの付着がほとんどなかった。
○:スカムがやや付着しているが、糸の安定走行に問題はなかった。
×:スカムの付着および蓄積が多く、糸の安定走行に大きな問題があった。
実施例1
分散媒体として無変性のポリジメチルシロキサンからなり、25℃における粘度が20×10-62 /Sであるシリコーンオイル(S−1)100重量部と、分散剤としてアミノ変性シリコーン(M−1)2.0重量部とを混合したシリコーン混合物を得た。次に、シリコーン混合物100重量部に対し、ジステアリン酸マグネシウム塩17.5重量部を加えて25℃以上35℃以下で均一になるまで混合した後、横型ビーズミルを用いて湿式粉砕してジステアリン酸マグネシウム塩がコロイド状に分散された分散液からなる弾性繊維製造用改質剤(T−1)を得た。
該弾性繊維製造用改質剤(T−1)の組成および評価を表1に、改質剤(T−1)を付与したポリウレタン弾性繊維の評価を表2に示す。
該弾性繊維製造用改質剤を含有しない比較例1、分散媒体としてシリコーンオイルを含有しない改質剤(U−2)の比較例2、分散剤として変性シリコーンを含有しない改質剤(U−3)である比較例3と比較すると、改質剤の測定および評価では、分散安定性が比較例2、比較例3よりもより良好で、平均粒子径は比較例3よりも小さく、より良好な結果であった。
また、改質剤(T−1)を付与したポリウレタン弾性繊維は、各層、特に内層部の解舒張力が低く、紡糸性に優れ、スカムの付着がほとんどないことがわかる。
実施例2
弾性繊維製造用改質剤を調合する際、シリコーンオイル(S−1)100重量部に対するアミノ変性シリコーン(M−1)の量を6.0重量部と変更し、シリコーン混合物100重量部に対するジステアリン酸マグネシウム塩(M−1)の量を35.0重量部(実施例1の場合の2倍量)に変更した以外は、実施例1の場合と同様に、20〜35℃で均一になるまで混合した後、横型ビーズミルを用いて湿式粉砕してジステアリン酸マグネシウムがコロイド状に分散された分散液を調整し、これを改質剤(T−2)とした。
改質剤(T−2)の組成および評価を表1に、改質剤(T−2)を付与したポリウレタン弾性繊維の評価を表2に示す。
該弾性繊維製造用改質剤を含有しない比較例1、分散媒体としてシリコーンオイルを含有しない改質剤(U−2)の比較例2、分散剤として変性シリコーンを含有しない改質剤(U−3)である比較例3と比較すると、改質剤の測定および評価では、分散安定性が比較例2、比較例3よりも良好で、平均粒子径は比較例3よりも小さく、より良好な結果であった。
また、改質剤(T−2)を付与したポリウレタン弾性繊維は、各層、特に内層部の解舒張力が低く、紡糸性に優れ、スカムの付着がほとんどないことがわかる。
実施例3
実施例2と同様の組成で、分散剤としてカルボキシアミド変性シリコーン(M−2)を用いた改質剤(T−3)を得た。該弾性繊維製造用改質剤(T−3)の組成および評価を表1に、改質剤(T−3)を付与した合成繊維の評価を表2に示す。
該弾性繊維製造用改質剤を含有しない比較例1、分散媒体としてシリコーンオイルを含有しない改質剤(U−2)の比較例2、分散剤として変性シリコーンを含有しない改質剤(U−3)である比較例3と比較すると、改質剤の測定および評価では、分散安定性が比較例2、比較例3よりもより良好で、平均粒子径は比較例3よりも小さく、より良好な結果であった。
また、改質剤(T−3)を付与したポリウレタン弾性繊維は、各層、特に内層部の解舒張力が低く、紡糸性に優れ、スカムの付着がほとんどないことがわかる。
実施例4
分散媒体として25℃における粘度が20×10-32 /Sであるシリコーンオイル(S−2)100重量部と、分散剤として両末端ポリエーテル変性シリコーン10重量部とを混合したシリコーン混合物を得た(S−2)。次に、シリコーン混合物100重量部に対し、ジステアリン酸マグネシウム塩70重量部を加えて25℃以上35℃以下で均一になるまで混合した後、横型ビーズミルを用いて湿式粉砕してジステアリン酸マグネシウム塩がコロイド状に分散された分散液からなる弾性繊維製造用改質剤(T−4)を得た。
該弾性繊維製造用改質剤(T−4)の組成および評価を表1に、改質剤(T−4)を付与した弾性繊維の評価を表2に示す。
該弾性繊維製造用改質剤を含有しない比較例1、分散媒体としてシリコーンオイルを含有しない改質剤(U−2)の比較例2、分散剤として変性シリコーンを含有しない改質剤(U−3)である比較例3と比較すると、改質剤の測定および評価では、分散安定性が比較例2、比較例3よりもより良好で、平均粒子径は比較例3よりも小さく、より良好な結果であった。
また、改質剤(T−4)を付与したポリウレタン弾性繊維は、各層、特に内層部の解舒張力が低く、紡糸性に優れ、スカムの付着がほとんどないことがわかる。
比較例1
該弾性繊維製造用改質剤を含有しない弾性繊維の評価として、実施例1から4で使用した溶液(D)をそのまま紡糸溶液として、乾式紡糸を行い、22dtexのマルチフィラメントを得た。その評価を表2に示す。解舒張力は高く、膠着防止性を有しないものであった。そして、改質剤を添加している実施例1〜4と比較すると、スカム抑制に劣ることがわかる。
比較例2
分散媒体および分散剤として、実施例1で使用したアミノ変性シリコーン(M−1)に、実施例1で使用したジステアリン酸マグネシウム塩17.5重量部を加えて25℃以上35℃以下で均一になるまで混合した後、横型ビーズミルを用いて湿式粉砕してジステアリン酸マグネシウム塩がコロイド状に分散された分散液からなる改質剤(U−2)を得た。
この改質剤(U−2)はシリコーンオイルを含有していないものである。該改質剤(U−2)の組成および評価を表1に、改質剤(U−2)を付与した弾性繊維の評価を表2に示す。改質剤の測定および評価では、平均粒子径は良好であるが、分散安定性はシリコーンオイルを含有している実施例1〜4より劣る結果であった。次に、改質剤(U−2)を付与したポリウレタン弾性繊維は、各層、特に外層部の解舒張力が高く、実施例1〜4に比べ紡糸性およびスカムの付着が多く、大きな問題があった。
比較例3
分散媒体として無変性のポリジメチルシロキサンからなり、25℃における粘度が20×10-62 /Sであるシリコーンオイル(S−1)のみで、分散剤としての変性シリコーンを使用しないで、(S−1)100重量部に対し、実施例1で用いたジステアリン酸マグネシウム塩35.0重量部を加えて25℃以上35℃以下で均一になるまで混合した後、横型ビーズミルを用いて湿式粉砕してジステアリン酸マグネシウム塩がコロイド状に分散された分散液からなる改質剤(U−3)を得た。
改質剤(U−3)の組成および評価を表1に、改質剤(U−3)を付与した弾性繊維の評価を表2に示す。改質剤の測定および評価では、分散安定性は変性シリコーンオイルを含有している実施例1〜4より劣る結果であった。また、平均粒子径が大きい結果であった。次に、改質剤(U−3)を付与したポリウレタン弾性繊維は、解舒張力が低く良好であり、この点は特許文献どおりの結果であった。しかし、実施例1〜4に比べ紡糸性が低く、合着性に劣り、スカム抑制についても問題があり、不満足な結果であった。
比較例4
シリコーンオイルを含有せずにハイドロタルサイトを含有するスラリー状改質剤を、次の方法で調整した。
実施例1で使用したアミノ変性シリコーン(M−1)100重量部に対し、ジステアリン酸マグネシウム塩70重量部と合成ハイドロタルサイト(協和化学工業(株)製DHT−4A)70重量部とを加えて25〜35℃で均一になるまで混合した後、横型ビーズミルを用いて湿式粉砕して固形分が分散された分散液を調整し、これをスラリー状改質剤(U−4)とした。得られたスラリー状改質剤の組成および特性を表1に、改質剤(U−4)を付与したポリウレタン弾性繊維の評価を表2に示す。
この比較例4で用いた改質剤は、分散安定性が劣り、しかも、金属石けんの平均粒子径も大きいものであった。また、得られたポリウレタン系弾性繊維は、巻糸体からの解舒性は比較的良好で、合着性もあったが、紡糸性が大きく劣りスカムの付着が多いという問題があった。
Figure 0004575266
Figure 0004575266
図1は、実施例で採用した解舒張力の測定方法を実施するための解舒張力測定装置の概略概念図である。
符号の説明
1:巻糸体
2:チューブ
3:リウレタン弾性繊維(解舒された走行糸)
4:ガイド
5:セラミックス製スロット・ガイド
6:張力計ローラー
7:電気的な歪みゲージ
8:導線
9:積分器
10:導線
11:記録器
12:ローラー
13:サッカーガン

Claims (2)

  1. 乾式紡糸法によりポリウレタン弾性フィラメントを製造するのに際し、紡糸原液中に添加されて用いられる弾性繊維製造用改質剤であって、25℃における粘度が、10×10 -6 〜10×10 -1 2 /Sであるシリコーンオイルと、アミノ変性シリコーン、アミド変性シリコーン、カルボキシアミド変性シリコーン、両末端ポリエーテル変性シリコーン、カルビノール変性シリコーンまたはカルボキシル変性シリコーンの単独または混合物からなる変性シリコーンからなるシリコーン混合物と、該シリコーン混合物にコロイド状に分散されたステアリン酸マグネシウムとからなり、前記シリコーン混合物100重量部に対して該ステアリン酸マグネシウムが10〜70重量部の割合で、かつ前記シリコーンオイル/前記変性シリコーン=100/50〜100/0.5(重量比)の割合で配合されてなり、かつ流動性のあるスラリー状であることを特徴とする弾性繊維製造用改質剤。
  2. 乾式紡糸法により紡糸された複数本のポリウレタン弾性フィラメントどうしを合着させてポリウレタン弾性フィラメント糸を製造するのに際し、紡糸原液中に添加されて用いられることを特徴とする請求項1記載の弾性繊維製造用改質剤。
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