JP2007100291A - 弾性繊維用処理剤及び弾性繊維 - Google Patents

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賢治 中田
Tomohiro Kitsuki
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Abstract

【課題】 安定した解舒性および制電性を弾性繊維に与えることができ、発泡度が低く制御されている弾性繊維用処理剤と、それが付与されている弾性繊維とを提供することである。
【解決手段】 弾性繊維用処理剤は、ベース成分として、シリコーン油、鉱物油およびエステル油より選ばれる少なくとも一種類以上を使用し、HLBが3〜15のノニオン界面活性剤を0.01〜30重量%含有し、発泡度が0.1〜3cmの範囲にある。また、弾性繊維は、上記処理剤が0.1〜15重量%付与されている。
【選択図】なし

Description

本発明は、消泡性、制電性および解舒性に優れる弾性繊維用処理剤及び弾性繊維に関する。
特許文献1には、イソステアリルエーテルカルボン酸マグネシウム塩を含有する弾性繊維用油剤(弾性繊維用処理剤)が記載されている。特許文献2には、スルホコハク酸塩を含有する弾性繊維用油剤が記載されている。特許文献3には、3級窒素化合物と有機硫酸または有機スルホン酸を含有する弾性繊維用処理剤が記載されている。
特許文献4には、両性活性剤およびカチオン活性剤を含有する体積抵抗率1×10〜1×1013Ω・cmの弾性繊維用油剤が記載されている。特許文献5には、溶解度パラメーター8.0〜10.5のアニオン活性剤、非イオン活性剤を含有する弾性繊維用油剤が記載されている。
特開平9−78450号公報 特開平10−298864号公報 特開2002−1370号公報 特開2002−339251号公報 特開2003−328273号公報
これらの弾性繊維用処理剤では、シリコーン油、鉱物油およびエステル油等の疎水性のペースオイルを用いており、制電性を付与するために、極性の強い(またはHLB値の高い)成分を用いて制電性を付与している。しかしながら、このような、極性の強い(またはHLB値の高い)制電剤を用いると処理剤が発泡し、糸への処理剤の均一付着が阻害され、糸の安定した解舒性が得られなくなり、また、処理剤が周辺装置に飛散する。したがって、上記界面活性剤は、実際には使用できていないのが現状である。
本発明の目的は、安定した解舒性および制電性を弾性繊維に与えることができ、発泡度が低く制御されている弾性繊維用処理剤と、それが付与されている弾性繊維とを提供することである。
本発明は、ベース成分として、シリコーン油、鉱物油およびエステル油より選ばれる少なくとも一種類以上を使用し、HLBが3〜15のノニオン界面活性剤を0.01〜30重量%含有し、発泡度が0.1〜3cmの範囲にある弾性繊維用処理剤である。本発明の処理剤は、好ましくは消泡度が1〜15秒である。
また、本発明の弾性繊維は、上記処理剤が0.1〜15重量%付与されている。
本発明の弾性繊維用処理剤は、発泡度が低く制御されており(消泡性が高く)、これを用いることにより安定した解舒性、及び、制電性を弾性繊維に与えることができる。
本発明の弾性繊維は、上記弾性繊維用処理剤が付与されているので、安定した解舒性及び制電性を有する。
本発明の弾性繊維用処理剤には、ベース成分として、シリコーン油、鉱物油、エステル油より選ばれる少なくとも一種類以上を使用する。
シリコーン油としては、ポリジメチルシロキサン、ポリメチルフェニルシロキサン、ポリメチルアルキルシロキサン等が挙げられる。
鉱物油としては、マシン油、スピンドル油、流動パラフィン等の通常30℃における粘度が、30秒から200秒のものがある。鉱物油としては、流動パラフィンが、臭気の発生が低いという理由から好ましい。
エステル油としては、オクチルラウレート、プロピルパルミテート、ブチルステアレート、トリデシルステアレート、トリメチロールプロパントリイソステアレート、グリセリントリオレエート等が挙げられる。
本発明の弾性繊維用処理剤は、その発泡度が0.1〜3cmの範囲にある。発泡度とは、発泡性の程度を示すパラメーターであり、その測定方法は以下の実施例において詳しく説明する。発泡度の数値が大きいほど発泡性が大きく、逆に、数値が小さいほど発泡性が小さく、しかも制電性が低くなる。発泡度が小さい場合に制電性が低くなる理由は、発泡度が小さい場合、極性が弱く(またはHLB値が低く)、疎水性であるベース成分に近い性状を持つものが多いので、制電性が低くなる傾向があるからである。
弾性繊維用処理剤の発泡度は、好ましくは0.3〜2cmの範囲、さらに好ましくは0.5〜1.8cmの範囲、特に好ましくは0.7〜1.5cmの範囲、最も好ましくは0.8〜1.3cmの範囲である。弾性繊維用処理剤の発泡度が0.1cm未満では制電性の効果が少ない。一方、弾性繊維用処理剤の発泡度が3cmを超えると、弾性繊維用処理剤を糸に付着させる場合に均一に付着できず、支障をきたす。
本発明の弾性繊維用処理剤は、30℃における粘度が3〜30mm/sであることが好ましく、5〜20mm/sであることがさらに好ましく、6〜15mm/sであることが特に好ましい。弾性繊維用処理剤の30℃における粘度が3mm/s未満では、弾性繊維用処理剤の揮発が問題となることがある。一方、粘度が30mm/sを超えると平滑性に劣ることがある。
また、本発明の弾性繊維用処理剤は、その消泡度が1〜15秒の間にあると好ましい。消泡度とは、消泡性の程度を示すパラメーターであり、その測定方法は以下の実施例において詳しく説明する。消泡度の数値が大きいほど消泡性が低く、逆に、数値が小さいほど消泡性が高いが、制電性が低くなる。消泡度が小さい場合に制電性が低くなる理由は、消泡度が小さい場合、極性が弱く(またはHLB値が低く)、疎水性であるベース成分に近い性状を持つものが多いので、制電性が低くなる傾向があるからである。
弾性繊維用処理剤の消泡度は、3〜10秒の間にあるとより好ましく、4〜9秒の間にあるとさらに好ましく、5〜8秒の間にあると特に好ましく、5〜7秒の間にあると最も好ましい。弾性繊維用処理剤の消泡度が1秒未満では、制電性の効果が不足することがある。一方、消泡度が15秒を超えると、発泡によるトラブル(処理剤の均一付着の阻害、周辺装置への飛散等)が起こる可能性がある。
本発明の弾性繊維用処理剤は、ノニオン界面活性剤を含有する。ノニオン界面活性剤のHLBは3〜15の範囲にあり、好ましくは5〜14の範囲、さらに好ましくは6〜13の範囲、特に好ましくは7〜11の範囲にある。
ノニオン界面活性剤は、1種または2種以上から構成されていてもよい。ノニオン界面活性剤が2種以上から構成される場合は、ノニオン界面活性剤全体のHLBが上記範囲にあればよいが、ノニオン界面活性剤の少なくとも1種のHLBが上記範囲にあると好ましく、ノニオン界面活性剤の各々についてHLBが上記範囲にあるとさらに好ましい。
HLBは、界面活性剤の親水性と親油性とのつりあいを評価する指標である。本発明のHLB値としては、グリフィン法によって算出される値を使用することを基本とするが、グリフィン法でHLBが定義されていない場合は、ディビス法によって算出される値を使用することにする。具体的には、オキシエチレン基とオキシプロピレン基とが混在したオキシアルキレン基を含むノニオン界面活性剤においては、グリフィン法ではHLBが定義されていないので、ディビス法によって算出される値を使用する。
ノニオン界面活性剤が2種以上(ノニオン界面活性剤A、・・・、ノニオン界面活性剤Z)から構成される場合のHLBは以下のように定義される。すなわち、ノニオン界面活性剤AのHLBをAHLB、ノニオン界面活性剤全体に占めるノニオン界面活性剤Aの重量分率をWとし、同様に、ノニオン界面活性剤ZのHLBをZHLB、ノニオン界面活性剤全体に占めるノニオン界面活性剤Zの重量分率をWとすると、ノニオン界面活性剤のHLBは下記式(1)で計算される。
HLB=AHLB×W+・・・+ZHLB×W (1)
ノニオン界面活性剤としては、特に限定はないが、たとえば、ソルビタンモノオレイン酸エステル、ソルビタンジステアリン酸エステル、ソルビタントリステアリン酸エステル(HLB:2.1)、プロピレングリコールモノラウリン酸エステル、グリセリンモノステアリン酸エステル、ポリオキシエチレン(5)オクチルエーテル、ポリオキシエチレン(4)ラウリルエーテル、ポリオキシエチレン(5)ラウリルエーテル、ポリオキシエチレン(20)セチルエーテル(HLB:15.7)、ポリオキシエチレン(5)ソルビタンモノオレイン酸エステル、ポリオキシエチレングリコール400モノステアリン酸エステル、ポリオキシエチレン(9)ノニルフェノール、PO/EOランダムジオール等のノニオン界面活性剤が挙げられる。なお、上記および以下で「ポリオキシエチレン」に続く括弧に示す数値は、オキシエチレン基の繰り返し数を意味する。
本発明の弾性繊維用処理剤に含まれるノニオン界面活性剤の配合割合は、弾性繊維用処理剤全体の0.1〜30重量%であり、好ましくは0.5〜15重量%、さらに好ましくは1〜10重量%、特に好ましくは5〜10重量%である。ノニオン界面活性剤の配合割合が弾性繊維用処理剤全体の0.1重量%未満であると、十分な制電性を付与できなくなることがある。一方、ノニオン界面活性剤の配合割合が弾性繊維用処理剤全体の30重量%超であると、発泡性が高く、消泡性が低いため、使用が困難となることがある。
また、本発明の弾性繊維用処理剤は、平滑性および制電性の効果を高めるために、高級脂肪酸の金属塩(金属石鹸)をさらに含有していても良い。
本発明の弾性繊維用処理剤に含まれる高級脂肪酸の金属塩の配合割合は、好ましくは弾性繊維用処理剤全体の0.01〜10重量%、さらに好ましくは0.2〜5重量%、特に好ましくは0.5〜3重量%である。高級脂肪酸の金属塩の配合割合が弾性繊維用処理剤全体の0.01重量%未満であると、少なすぎて添加による効果が見られないことがある。一方、高級脂肪酸の金属塩の配合割合が弾性繊維用処理剤全体の10重量%超であると、多量の添加に見合う効果が得られず、経済的に不利なことがある。
高級脂肪酸の金属塩としては、従来弾性繊維に用いられている公知のものを用いることができ、たとえば、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸亜鉛等が挙げられる。これらの高級脂肪酸の金属塩のうちでも、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム等が好ましい。
高級脂肪酸の金属塩の平均粒子径については、特に限定はないが、好ましくは0.01〜5μm、さらに好ましくは0.02〜3μm、特に好ましくは0.05〜2μmである。高級脂肪酸の金属塩の平均粒子径が0.01μm未満であると、添加による効果が見られないことがある。一方、高級脂肪酸の金属塩の平均粒子径が5μm超であると、繊維表面から脱落しやすく、紡糸後の工程でスカムの原因となる場合がある。
高級脂肪酸の金属塩の形状については、特に限定はないが、針状が好ましい。高級脂肪酸の金属塩の形状が針状の場合、その縦方向と横方向との比は、解舒性の観点からは、好ましくは10:1〜2:1、さらに好ましくは8:1〜3:1である。
また、本発明の弾性繊維用処理剤は、制電性や解舒性を向上させるために、変性シリコーンをさらに含有していてもよい。
変性シリコーンとは、一般には、ジメチルシリコーン(ポリジメチルシロキサン)等のポリシロキサンの両末端、片末端、側鎖、側鎖両末端の少なくとも1ヶ所において、反応性(官能)基または非反応性(官能)基が少なくとも1つ結合した構造を有するものをいう。
変性シリコーンとしては、たとえば、長鎖アルキル基(炭素数6以上のアルキル基や2−フェニルプロピル基等)を有する変性シリコーン等のアルキル変性シリコーン;エステル結合を有する変性シリコーンであるエステル変性シリコーン;アルコール性水酸基を有する変性シリコーンであるカルビノール変性シリコーン;酸無水物基またはカルボキシル基を有する変性シリコーンであるカルボキシ変性シリコーン;メルカプト基を有する変性シリコーンであるメルカプト変性シリコーン;グリシジル基または脂環式エポキシ基等のエポキシ基を有する変性シリコーン等のエポキシ変性シリコーン;アミノプロピル基やN−(2−アミノエチル)アミノプロピル基等のアミノ基を有する変性シリコーン等のアミノ変性シリコーン;ポリオキシアルキレン基(たとえば、ポリオキシエチレン基、ポリオキシプロピレン基、ポリオキシエチレンオキシプロピレン基等)を有する変性シリコーン等のポリエーテル変性シリコーン等を挙げることができる。本発明の弾性繊維用処理剤がこれらの変性シリコーンの少なくとも1種をさらに含有すると好ましい。
本発明の弾性繊維用処理剤に含まれる変性シリコーンの配合割合は、好ましくは弾性繊維用処理剤全体の0.01〜10重量%、さらに好ましくは0.05〜7重量%、特に好ましくは0.1〜5重量%である。変性シリコーンの配合割合が弾性繊維用処理剤全体の0.01重量%未満であると、少なすぎて添加による効果が見られないことがある。一方、変性シリコーンの配合割合が弾性繊維用処理剤全体の10重量%超であると、処理剤の適正な性能とならないことがある。
また、本発明の弾性繊維用処理剤は、制電性や解舒性を向上させるために、シリコーンレジンをさらに含有していてもよい。シリコーンレジンとは、3次元架橋構造を有するシリコーンを意味し、その他の変性シリコーン等をさらに含有してもよい。シリコーンレジンは、一般に、1官能性構成単位(M)、2官能性構成単位(D)、3官能性構成単位(T)および4官能性構成単位(Q)から選ばれた少なくとも1種の構成単位からなっている。
シリコーンレジンとしては、たとえば、MQシリコーンレジン、MQTシリコーンレジン、Tシリコーンレジン、DTシリコーンレジン等のシリコーンレジン等を挙げることができる。
MQシリコーンレジンとしては、たとえば、1官能性構成単位であるRSiO1/2(但し、R、RおよびRはいずれも炭化水素基である。)と、4官能性構成単位であるSiO4/2と含むシリコーンレジン等を挙げることができる。
MQTシリコーンレジンとしては、たとえば、1官能性構成単位であるRSiO1/2(但し、R、RおよびRはいずれも炭化水素基である。)と、4官能性構成単位であるSiO4/2と、3官能性構成単位であるRSiO3/2(但し、Rは炭化水素基である。)と含むシリコーンレジン等を挙げることができる。
Tシリコーンレジンとしては、たとえば、3官能性構成単位であるRSiO3/2(但し、Rは炭化水素基である。)を含むシリコーンレジン(その末端は炭化水素基のほか、シラノール基やアルコキシ基となっていても良い。)等を挙げることができる。
DTシリコーンレジンとしては、たとえば、2官能性構成単位であるRSiO2/2(但し、R、およびRはいずれも炭化水素基である。)と、3官能性構成単位であるRSiO3/2(但し、Rは炭化水素基である。)等を挙げることができる。
本発明の弾性繊維用処理剤に含まれるシリコーンレジンの配合割合は、好ましくは弾性繊維用処理剤全体の0.01〜10重量%、さらに好ましくは0.05〜7重量%、特に好ましくは0.1〜5重量%である。シリコーンレジンの配合割合が弾性繊維用処理剤全体の0.01重量%未満であると、添加による効果が見られないことがある。一方、シリコーンレジンの配合割合が弾性繊維用処理剤全体の10重量%超であると、油剤性能の適正なバランスを維持できないことがある。
本発明の弾性繊維用処理剤は、平滑性、制電性および解舒性の付与のために、カチオン界面活性剤および/またはアニオン界面活性剤(以下、カチオン界面活性剤および/またはアニオン界面活性剤を界面活性剤aということがある。)をさらに含有していてもよい。
カチオン界面活性剤としては、たとえば、ジエタノールアミンモノステアレート、トリエタノールアミンモノオレート、オレイルジメチルエチルアンモニウムエトサルフェート、ら売り入るジメチルヒドロキシエチルアンモニウムナイトレート、ラウリルジメチルエチルアンモニウムエトサルフェート、オレイルモルホリウムエトサルフェート、ラウリルヒドロキシエチルイミダゾリュウムエトサルフェート、ジステアリルアミドジエチルアミンエトサルフェート等が挙げられる。
アニオン界面活性剤としては、たとえば、ポタシウムラウレート、ソジュームラウレート、トリエタノールアミンラウレート、モルホリンラウレート、ドデシルベンゾールスルホネート、ソジュームジイソオクチルスルホサクシネート、ソジュームポリオキシエチレン(3)ラウリルエーテルプロパンスルホネート、ソジュームポリオキシエチレン(7)ノニルフェノールエーテルプロパンスルホネート、ソジュームオクチルサルフェート、ポタシウムオクチルサルフェート、ソジュームポリオキシエチレン(5)オレイルエーテルサルフェート、ポタシウムポリオキシエチレン(5)ステアリルエーテルサルフェート、ジエタノールアミンモノオクチルホスフェート、ポタシウムモノポリオキシエチレン(3)ステアリルエーテルホスフェート、ポリオキシエチレン(4)セチルホフフォエーテル等が挙げられる。
本発明の弾性繊維用処理剤に含まれる界面活性剤aの配合割合は、好ましくは弾性繊維用処理剤全体の0.01〜10重量%、さらに好ましくは0.05〜7重量%、特に好ましくは0.1〜5重量%である。界面活性剤aの配合割合が弾性繊維用処理剤全体の0.01重量%未満であると、少なすぎて添加による効果が見られないことがある。一方、界面活性剤aの配合割合が弾性繊維用処理剤全体の10重量%超であると、油剤性能の適正なバランスを維持できないことがある。
本発明の弾性繊維用処理剤は、つなぎ剤、制電剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤等の通常弾性繊維の処理剤に用いられる成分をさらに含有することができる。
本発明の弾性繊維は、上記弾性繊維用処理剤が弾性繊維全体の0.1〜15重量%(好ましくは1〜10重量%)付与されている弾性繊維である。
本発明の弾性繊維は、ポリエーテル系ポリウレタン、ポリエステル系ポリウレタン、ポリエーテルエステルエラストマー、ポリエステルエラストマー、ポリエチレンエラストマー、ポリアミドエラストマー等を使用した弾性を有する繊維であり、その伸度は通常300%以上である。
本発明の弾性繊維は、そのチーズ上静電気が−10KV〜+10KVであり、好ましくは−5KV〜+5KV、さらに好ましくは−3KV〜+3KVである。チーズ上静電気が−10KVより小さいまたは10KVより大きいと、糸同士が引っ付き合い、安定解舒に支障をきたすことがある。
本発明の弾性繊維は、その糸上静電気が−1KV〜+1KVであり、好ましくは−0.7KV〜+0.7KV、さらに好ましくは−0.5KV〜+0.5KVである。糸上静電気が−1KVより小さいまたは1KVより大きいと、ほこり等を糸に引き付け、糸品位を低下させることがある。
本発明の弾性繊維の用途として、CSY、シングルカバリング、PLY、エアーカバリング等のカバリング糸等の加工糸や、丸編み、トリコット等により、布帛として使用することができる。また、これらの加工糸、布帛を使用してストッキング、靴下、下着、水着等の伸縮性が必要とされる製品や、ジーンズ、スーツ等のアウターウェア等に快適性のために伸縮性を付与させる目的でも使用される。さらに最近では、紙おむつにも適用される。
以下、実施例および比較例により本発明を具体的に説明する。
なお、実施例および比較例において、弾性繊維用処理剤の各特性の評価は次の方法に従って行った。
発泡性:
図3の様に、分液ロートに200mlの処理剤を入れ、高さ90cmから100mlを直径62mmのポリエチレン製メスシリンダーに滴下し、3分後の泡の高さ(cm)を測定し、発泡度とする。また、泡の高さが3cmになるまでの時間(秒)を消泡度とする。
解舒速度比:
図1において、解舒速度比測定機の解舒側に処理剤を付与した繊維のチーズ(1)をセットし、巻き取り側紙管(2)をセットする。
巻取速度を一定速度にセットした後、ローラー(3)及び(4)を同時に起動させる。この状態では糸(5)に張力はほとんどかからないため、糸はチーズ上で膠着して離れないため解舒点(6)は図1に示す状態にある。解舒速度を変えることによって、チーズからの糸(5)の解舒点(6)が変わるので、この点がチーズとローラーとの接点(7)と一致するように解舒速度を設定する。解舒速度比は下記式2によって求める。
この値が小さいほど、解舒性が良いことを示す。
解舒速度比(%)=((巻取速度−解舒速度)/解舒速度)×100 (2)
編成張力:
図2において、チーズ(8)から縦取りした弾性糸(9)をコンペンセーター(10)を経てローラー(11)、編み針(12)を介して、Uゲージ(13)に付したローラー(14)を経て速度計(15)、巻き取りローラー(16)に連結する。速度計(15)での走行速度が定速(例えば、10m/分、100m/分)になるように巻き取りローラーの回転速度を調整して、巻き取りローラーに巻き取り、そのときの編成張力をUゲージ(13)で測定し、繊維/編み針間の摩擦(g)を計測する。走行糸条より1cmのところで春日式電位差測定装置(17)で発生静電気を測定する。
ローラー静電気:
解舒速度比測定機の解舒側にチーズをセットし、50m/分の周速で回転させ、巻き取り側を100m/分とし、チーズ上2cmのところにおいて、春日式電位差測定装置で、回転を始めて1時間後の発生静電気(チーズ上静電気)を測定する。ローラー静電気を測定している時の走行糸上2mmでの発生静電気(糸上静電気)を測定する。
〔実施例1〜6〕
数平均分子量1600のポリテトラメチレンエーテルグリコールと4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートをモル比率1:2で反応させ、次いで1,2−ジアミノプロパンのジメチルホルムアミド溶液を用いて鎖延長し、紡糸原液としてポリマー濃度33%のジメチルホルムアミド溶液を得た。なお、紡糸原液の濃度は1900mPaS(測定温度:30℃)であった。
表1記載の弾性繊維用処理剤(表中の配合量は重量部)をそれぞれオイリングローラーで、得られた繊維に対して6重量%付与した。したがって、付着後の弾性繊維全体に対して弾性繊維用処理剤が5.66重量%付与された。その後、弾性繊維用処理剤で処理した弾性繊維をそれぞれ毎分500mの速度でボビンに巻き取り、77dtexモノフィラメントチーズ(巻き量:400g)を得た。
得られたチーズをそれぞれ35℃、50%RHの雰囲気中に48時間放置して、上記評価に供し、結果を表1に示した。
Figure 2007100291
PO/EOランダムジオールとは、エチレンオキサイドおよびプロピレンオキサイドをランダムに付加させた非イオン界面活性剤である。
上記表1および以下の表2および3で、ローラー静電気発生量はチーズ上静電気を意味する。
〔実施例7〜12および比較例1〜6〕
数平均分子量2000のポリテトラメチレングリコール100重量部と4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート25重量部を80℃で反応させ、N,N’−ジメチルアセトアミド250重量部を加え冷却しながら反応混合物を溶解させた。1,2−ジアミノプロパン5重量部をN,N’−ジメチルアセトアミド184重量部に溶解させたものを添加し、ジメチルシリコーン100mm/sを0.2重量%添加して、紡糸原液を得た。
この様にして得られた紡糸原液を4つの細孔を有する紡糸口金より195℃のN気流中に吐出して乾式紡糸した。
紡糸中の走行糸に、表2および3に記載の弾性繊維用処理剤(表中の配合量は重量部)をそれぞれオイリングローラーで、得られた繊維に対して6重量%付与した。したがって、付着後の弾性繊維全体に対して弾性繊維用処理剤が5.66重量%付与された。その後、弾性繊維用処理剤で処理した弾性繊維をそれぞれ毎分400mの速度でボビンに巻き取り、44dtexマルチフィラメントのチーズ(巻き量:400g)を得た。
得られたチーズをそれぞれ35℃、50%RHの雰囲気中に48時間放置して、上記評価に供し、結果を表2および3に示した。
Figure 2007100291
Figure 2007100291
解舒速度比の測定方法を説明する模式図。 編成張力の測定方法を説明する模式図。 発泡性の測定方法を説明する模式図。
符号の説明
1 チーズ
2 巻き取り用紙管
3 ローラー
4 ローラー
5 走行糸条
6 解舒点
7 チーズとローラーの接点
8 チーズ
9 走行糸条
10 コンペンセーター
11 ローラー
12 編み針
13 Uゲージ
14 ローラー
15 速度計
16 巻き取りローラー
17 春日式電位差測定装置

Claims (10)

  1. ベース成分として、シリコーン油、鉱物油およびエステル油より選ばれる少なくとも一種類以上を使用し、HLBが3〜15のノニオン界面活性剤を0.01〜30重量%含有し、発泡度が0.1〜3cmの範囲にある、弾性繊維用処理剤。
  2. 消泡度1〜15秒である、請求項1に記載の弾性繊維用処理剤。
  3. 高級脂肪酸の金属塩をさらに0.01〜10重量%含有する、請求項1または2に記載の弾性繊維用処理剤。
  4. アルキル変性シリコーン、エステル変性シリコーン、カルビノール変性シリコーン、カルボキシ変性シリコーン、メルカプト変性シリコーン、エポキシ変性シリコーン、アミノ変性シリコーン、ポリエーテル変性シリコーンの少なくとも1種をさらに0.01〜10重量%含有する、請求項1〜3のいずれかに記載の弾性繊維用処理剤。
  5. シリコーンレジンをさらに0.01〜10重量%含有する、請求項1〜4のいずれかに記載の弾性繊維用処理剤。
  6. 前記高級脂肪酸の金属塩が、その平均粒子径0.01〜5μmで、その形状が針状で、縦方向と横方向の比が10:1〜2:1である、請求項3〜5のいずれかに記載の弾性繊維用処理剤。
  7. 前記鉱物油が流動パラフィンである、請求項1〜6のいずれかに記載の弾性繊維用処理剤。
  8. カチオン界面活性剤および/またはアニオン界面活性剤をさらに0.01〜10重量%含有する、請求項1〜7のいずれかに記載の弾性繊維用処理剤。
  9. 請求項1〜8のいずれかに記載の処理剤が0.1〜15重量%付与されている、弾性繊維。
  10. チーズ上静電気が−10KV〜+10KVにあり、糸上静電気が−1KV〜+1KVにある、請求項9に記載の弾性繊維。
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