JP6663721B2 - 弾性繊維用処理剤及び弾性繊維 - Google Patents

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Description

本発明は弾性繊維用処理剤及び該処理剤が付与された弾性繊維に関する。
弾性繊維は、紡糸工程において、処理剤を付与した後、チーズ形状に巻き取られ、捲糸体(以下、チーズということもある)となる。弾性繊維は、粘弾性を有するために膠着し易い繊維である。特に捲糸体の内層部においては、巻き取り時にかかる圧力により膠着が経時的に進行する。そのため、弾性繊維捲糸体を使用する際、解舒不良となり糸切れを引き起こす。この解舒不良を改良するために、種々の弾性繊維用処理剤が開発されている。
例えば、特許文献1には、シリコーンレジン(MQレジン)を含有する弾性繊維用処理剤が記載され、特許文献2には、カルボキシアミド変性シリコーンを含有し、高級脂肪酸マグネシウム塩の凝集や沈降を抑えた弾性繊維用処理剤が記載されている。また、特許文献3には、平均粒子径0.01〜5μmにあり、且つ針状である高級脂肪酸の金属塩を含有した弾性繊維用処理剤が記載されている。
しかし、これら従来技術に記載された弾性繊維用処理剤は、捲糸体の内層部における繊維の膠着防止性には優れるものの、その処理剤の有する繊維/繊維間摩擦の低下作用により、捲糸体の外層部においては捲き崩れが生じたり、綾落ちなどの解舒性不良を生じたりするという問題が発生する場合があった。
基本的に上記捲糸体の内層部における繊維の膠着防止性と、外層部における捲き崩れ防止性は、一方を重視すると他方が悪化するというトレードオフの関係にあり、従来技術においては両者のバランスを取りつつ適用するというのが実情であり、両者を満足する弾性繊維用処理剤が切望されていた。
特開平09−078460号公報 特開平11−12950号公報 特開2005−179874号公報
従って、本発明の目的は、捲糸体の内層部における繊維の膠着防止性と、外層部における捲き崩れ防止性の両方に優れる弾性繊維用処理剤及び該処理剤が付与された弾性繊維を提供することにある。
本発明者らは、上記実情に鑑み、捲糸体の内層部における繊維の膠着防止性と、外層部における捲き崩れ防止性を両立できる弾性繊維用処理剤について鋭意検討した結果、ウレア化合物を含有する弾性繊維用処理剤であれば上記課題を解決できる事を見出し、本発明に到達した。
すなわち本発明の弾性繊維用処理剤は、鉱物油、シリコーン油及びエステル油から選ばれる少なくとも1種のベース成分(A)と、ウレア化合物及びウレア・ウレタン化合物から選ばれる少なくとも1種であるウレア系成分(B)とを含む、弾性繊維用処理剤であって、
前記成分(B)の平均粒子径が0.01〜500μmである、弾性繊維用処理剤である。
処理剤全体に占める前記成分(B)の重量割合が0.001〜10重量%であると好ましい
ポリカルボン酸系化合物(C)をさらに含むと好ましい。
シリコーンレジン(D)をさらに含むと好ましい。
高級脂肪酸金属塩(E)をさらに含むと好ましい。
アルキル変性シリコーン、エステル変性シリコーン、カルビノール変性シリコーン、カルボキシ変性シリコーン、メルカプト変性シリコーン、エポキシ変性シリコーン、アミノ変性シリコーン及びポリエーテル変性シリコーンより選ばれる少なくとも1種の変性シリコーンをさらに含むと好ましい。
本発明の弾性繊維は、弾性繊維本体に、上記処理剤が付与されてなる。
本発明の弾性繊維用処理剤が付与されてなる弾性繊維は、捲糸体の内層部における繊維の膠着防止性と、外層部における捲き崩れ防止性の両方に優れる。
ループ評価方法の測定方法を説明する模式図。 編成張力の測定方法を説明する模式図。 繊維間摩擦の測定方法を説明する模式図。
本発明の弾性繊維用処理剤は、弾性繊維を製造する際に用いられ、ベース成分(A)及びウレア化合物及びウレア・ウレタン化合物から選ばれる少なくとも1種であるウレア成分(B)を含むものである。以下に詳細に説明する。
(ベース成分(A))
前記ベース成分(A)は、シリコーン油、鉱物油及びエステル油より選ばれる少なくとも1種である。該ベース成分(A)は、上記弾性繊維用処理剤に必須な成分であり、繊維/金属間の摩擦を低減する剤である。
シリコーン油としては、特に限定はないが、ポリジメチルシロキサン、ポリメチルフェニルシロキサン、ポリメチルアルキルシロキサン等を挙げることができ、1種又は2種以上を使用してもよい。シリコーン油の25℃における粘度は、2〜100mm/sが好ましく、5〜70mm/sがより好ましく、5〜50mm/sがさらに好ましい。該粘度が2mm/s未満であるとシリコーン油が揮発する場合があり、100mm/sを超えると、処理剤に配合される他成分の溶解性が悪くなることがある。
シリコーン油のシロキサン結合(SiOR:R及びRは、それぞれ独立して、有機基を示す)の平均結合量は、3〜100が好ましく、7〜60がより好ましく、7〜50がさらに好ましい。R、Rの有機基は、炭素数1〜24の炭化水素基であり、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ヘキシル基、シクロプロピル基、シクロヘキシル基、フェニル基、ベンジル基等を挙げることができ、特に、メチル基、フェニル基が好ましい。
鉱物油としては、特に限定はないが、マシン油、スピンドル油、流動パラフィン等を挙げることができ、1種又は2種以上を使用してもよい。鉱物油の30℃における粘度は、30秒〜350秒が好ましく、35秒〜200秒がより好ましく、40秒〜150秒がさらに好ましい。鉱物油としては、臭気の発生が低いという理由から、流動パラフィンが好ましい。鉱物油の粘度が30秒未満であると、得られる弾性繊維の品質が低下することがある。一方、鉱物油の粘度が350秒を超えると処理剤に配合される他成分の溶解性が悪くなることがある。
エステル油としては、特に限定はないが、脂肪酸とアルコールとから製造されるエステルを挙げることができる。エステル油としては、たとえば、下記から選ばれる脂肪酸とアルコールとから製造されるエステルを例示できるが、下記脂肪酸やアルコールを原料としないエステルであってもよい。エステル油は、1種または2種以上を併用してもよい。
脂肪酸は、その炭素数、分岐の有無、価数等について特に制限はなく、高級脂肪酸であってもよく、環状の脂肪酸であってもよく、芳香族環を含有する脂肪酸であってもよい。前記脂肪酸としては、たとえば、カプリル酸、2−エチルヘキシル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、オレイン酸、アラキン酸、ベヘニン酸、リグノセレン酸、アジピン酸、セバチン酸、安息香酸等が挙げられる。
アルコールは、その炭素数、分岐の有無、価数等について特に制限はなく、高級アルコールであっても、環状のアルコールであっても、芳香族環を含有するアルコールであっても良い。前記アルコールとしては、たとえば、オクチルアルコール、2−エチルヘキシルアルコール、デシルアルコール、ラウリルアルコール、ミリスチリルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、オレイルアルコール、エチレングリコール、ヘキサンジオール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリストール、ソルビトール、ソルビタン等が挙げられる。
上記1価カルボン酸としては、吉草酸、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、2−エチルヘキシル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、マルガリン酸、ステアリン酸、オレイン酸、イソステアリン酸、バクセン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキジン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、セチロン酸、安息香酸等が挙げられる。
エステル油の具体例としては、吉草酸ヘプチル、カプロン酸ヘプチル、カプロン酸オクチル、カプリル酸セチル、ラウリン酸イソオクチル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソステアリル、ステアリン酸ブチル、ステアリン酸オクチル、ラウリン酸オレイル、ステアリン酸イソトリデシル、ステアリン酸オクチル、ステアリン酸イソオクチル、ステアリン酸トリデシル、ステアリン酸イソブチル、オレイン酸メチル、オレイン酸イソブチル、オレイン酸ヘプチル、オレイン酸オレイル等が挙げられる。
エステル油の粘度(25℃)は、5mm/s以上が好ましく、5〜50mm/sがより好ましく、5〜30mm/sがさらに好ましい。粘度(25℃)が5mm/s未満であると、糸を膨潤させることがあり、好ましくない。
ベース成分全体に占めるエステル油の割合は、特に限定はないが、50重量%以下が好ましく、40重量%以下がより好ましく、30重量%以下がさらに好ましい。エステル油が50重量%超であると、糸の平滑性が不足することがある。
(ウレア系成分(B))
ウレア系成分(B)は、ウレア化合物及びウレア・ウレタン化合物から選ばれる少なくとも1種である。該ウレア系成分(B)は弾性繊維捲糸体の内層部における膠着防止と捲き崩れ抑制の2つの機能を同時に発揮する成分である。
該ウレア系成分(B)は、弾性繊維の表面に効率よく吸着し、弾性繊維同士の直接的な接触を妨げるため、捲糸体の内層部における膠着を防止する。さらに、該ウレア系成分(B)自身には強い凝集力があり、繊維/繊維間摩擦の低下が抑制されるため、捲糸体の捲き崩れを抑制する効果がある。
該ウレア系成分(B)に弾性繊維の表面に効率よく吸着する理由は定かではないが、弾性繊維中のウレタン結合と、ウレア系成分(B)のウレア基との相互作用のためであると推定している。
前記ウレア化合物としては、前記理由のためにウレア基を有するものであれば特に限定されるものではないが、本願効果が発揮されやすい観点から、好ましいウレア化合物としては、ジウレア化合物、トリウレア化合物、テトラウレア化合物、ポリウレア化合物(ジウレア化合物、トリウレア化合物及びテトラウレア化合物は除く)が挙げられ、中でも、ジウレア化合物がより好ましい。
前記ウレア化合物としては、特に限定されないが、本願効果が発揮されやすい観点から、例えば下記一般式(1)で示される化合物が好ましい。
Figure 0006663721
(一般式(1)中、Rは炭素数1〜30の2価の炭化水素基を示す。Qは−NHR又は−NRを示す。Qは−NHR又は−NRを示す。R、R、R、R、R及びRは同一若しくは異なる基であって、炭素数1〜50の炭化水素残基を示す。)
前記Rは、好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数6〜20、さらに好ましくは炭素数6〜15の2価の炭化水素残基である。2価の炭化水素残基としては、直鎖状又は分枝状のアルケニレン基、シクロアルキレン基、芳香族基等が挙げられる。Rの具体例としては、エチレン基、2,2−ジメチル−4−メチルヘキシレン基、ヘキサメチレン基及び下記式2〜11で示される基等が挙げられる。中でも、ヘキサメチレン基、下記式6又は下記式8で示される基が、本願効果を発揮する観点から好ましい。
Figure 0006663721
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前記R、R、R、R、R及びRとしては、直鎖状又は分枝状のアルキル基、直鎖状又は分枝状のアルケニル基、シクロアルキル基、アルキルシクロアルキル基、アリー基、アルキルアリール基、アリールアルキル基等が挙げられる。具体的には、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ペプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、エイコシル基等の直鎖状又は分枝状のアルキル基;ヘキセニル基、ヘプテニル基、オクテニル基、ノネニル基、デセニル基、ウンデセニル基、ドデセニル基、トリデセニル基、テトラデセニル基、ペンタデセニル基、ヘキサデセニル基、ヘプタデセニル基、オクタデセニル基、ノナデセニル基、エイコセニル基等の直鎖状又は分枝状のアルケニル基;シクロヘキシル基、メチルシクロヘキシル基、ジメチルシクロヘキシル基、エチルシクロヘキシル基、ジエチルシクロヘキシル基、プロピルシクロヘキシル基、イソプロピルシクロヘキシル基、1−メチル−3−プロピルシクロヘキシル基、ブチルシクロヘキシル基、アミルシクロヘキシル基、アミルメチルシクロヘキシル基、ヘキシルシクロヘキシル基、ヘプチルシクロヘキシル基、オクチルシクロヘキシル基、ノニルシクロヘキシル基、デシルシクロヘキシル基、ウンデシルシクロヘキシル基、ドデシルシクロヘキシル基、トリデシルシクロヘキシル基、テトラデシルシクロヘキシル基等のアルキルシクロアルキル基;フェニル基、ナフチル基等のアリール基;トルイル基、エチルフェニル基、キシリル基、プロピルフェニル基、クメニル基、メチルナフチル基、エチルナフチル基、ジメチルナフチル基、プロピルナフチル基等のアルキルアリール基;ベンジル基、メチルベンジル基、エチルベンジル基等のアリールアルキル基等が挙げられ、中でもシクロヘキシル基、オクタデシル基、トルイル基が特に好ましい。
前記ウレア・ウレタン化合物は、ウレタン結合を少なくとも1つと、ウレア結合を少なくとも1つとを有する化合物である。前記ウレア・ウレタン化合物としては、本願効果が発揮されやすい観点から、下記一般式(12)で示される化合物が好ましい。
Figure 0006663721
(一般式(12)中、Rは炭素数1〜30の2価の炭化水素基を示す。Qは−NHR10又は−NR1112を示す。R、R10、R11及びR12は同一若しくは異なる基であって、炭素数1〜50の炭化水素残基を示す。)
前記Rは、好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数6〜20、さらに好ましくは炭素数6〜15の2価の炭化水素残基である。2価の炭化水素残基としては、直鎖状又は分枝状のアルケニレン基、シクロアルキレン基、芳香族基等が挙げられる。Rの具体例としては、エチレン基、2,2−ジメチル−4−メチルヘキシレン基及び上記式2〜11で示される基等が挙げられる。中でも、上記式6又は上記式8で示される基が、本願効果を発揮する観点から好ましい。
前記R、R10、R11及びR12としては、直鎖状又は分枝状のアルキル基、直鎖状又は分枝状のアルケニル基、シクロアルキル基、アルキルシクロアルキル基、アリー基、アルキルアリール基、アリールアルキル基等が挙げられる。具体的には、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ペプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、エイコシル基等の直鎖状又は分枝状のアルキル基;ヘキセニル基、ヘプテニル基、オクテニル基、ノネニル基、デセニル基、ウンデセニル基、ドデセニル基、トリデセニル基、テトラデセニル基、ペンタデセニル基、ヘキサデセニル基、ヘプタデセニル基、オクタデセニル基、ノナデセニル基、エイコセニル基等の直鎖状又は分枝状のアルケニル基;シクロヘキシル基、メチルシクロヘキシル基、ジメチルシクロヘキシル基、エチルシクロヘキシル基、ジエチルシクロヘキシル基、プロピルシクロヘキシル基、イソプロピルシクロヘキシル基、1−メチル−3−プロピルシクロヘキシル基、ブチルシクロヘキシル基、アミルシクロヘキシル基、アミルメチルシクロヘキシル基、ヘキシルシクロヘキシル基、ヘプチルシクロヘキシル基、オクチルシクロヘキシル基、ノニルシクロヘキシル基、デシルシクロヘキシル基、ウンデシルシクロヘキシル基、ドデシルシクロヘキシル基、トリデシルシクロヘキシル基、テトラデシルシクロヘキシル基等のアルキルシクロアルキル基;フェニル基、ナフチル基等のアリール基;トルイル基、エチルフェニル基、キシリル基、プロピルフェニル基、クメニル基、メチルナフチル基、エチルナフチル基、ジメチルナフチル基、プロピルナフチル基等のアルキルアリール基;ベンジル基、メチルベンジル基、エチルベンジル基等のアリールアルキル基等が挙げられ、中でもシクロヘキシル基、オクタデシル基、トルイル基が特に好ましい。
前記ジウレア化合物を製造するには、例えば、OCN−R−NCOで示されるジイソシアネートと、式RNH又はRNHで表される化合物若しくはこれらの混合物とを10〜200℃で反応させることにより得られる。
この際、R、R、R及びRは、前記一般式(1)のR、R、R及びRと同一である。
前記ウレア・ウレタン化合物を製造するには、例えば、OCN−R−NCOで示されるジイソシアネートと、式R10NH、又はR1112の混合物と、ROHで示される化合物とを10〜200℃で反応させることにより得られる。
処理剤全体に占める前記成分(B)の重量割合の下限は0.001重量%が好ましく、より好ましくは0.01重量%、さらに好ましくは0.1重量%、特に好ましくは0.5重量%である。処理剤全体に占める前記成分(B)の重量割合の上限は10重量%が好ましく、より好ましくは8質量%であり、さらに好ましくは5重量%であり、特に好ましくは4重量%である。処理剤全体に占める前記成分(B)の重量割合が0.001質量%未満では解舒性効果が不足する可能性があり、一方、10質量%を超える場合は動粘度が高くなりすぎて充分な潤滑性能を発揮することができないことがある。
前記成分(B)の平均粒子径は、特に限定はされないが、0.01〜500μmが好ましく、0.1〜200μmがより好ましく、0.2〜100μmがさらに好ましい。0.01μmより小さいと、処理剤の粘度が高くなり、取り扱い性が悪くなったり、膠着防止性が低下することがある。500μmより大きいと、処理剤中における分散性が悪くなり、弾性繊維の加工工程等において、編針やガイドとの摩擦が大きくなることがある。
本発明において、平均粒子径は、処理剤をベース成分で希釈し、バッチセルを用いて粒度分布測定装置「LA−910」(堀場製作所製)により測定する。
(その他成分)
本発明の弾性繊維用処理剤は、平滑性や解舒性の性能向上という観点から、上記で説明した各成分以外に、アルキル変性シリコーン、エステル変性シリコーン、ポリエーテル変性シリコーン、アミノ変性シリコーン、カルビノール変性シリコーン、エポキシ変性シリコーン、カルボキシ変性シリコーン、メルカプト変性シリコーン、オルガノポリシロキサン樹脂、高級脂肪酸金属塩(E)、ノニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、アニオン界面活性剤及びポリカルボン酸系化合物(C)から選ばれる少なくとも一種のその他成分をさらに含有してもよい。その他成分は、1種または2種以上を使用してもよい。
変性シリコーンとは、一般には、ジメチルシリコーン(ポリジメチルシロキサン)等のポリシロキサンの両末端、片末端、側鎖、側鎖両末端の少なくとも1ヶ所において、反応性(官能)基または非反応性(官能)基が少なくとも1つ結合した構造を有するものをいう。
上記変性シリコーンとしては、より詳細には、長鎖アルキル基(炭素数6以上のアルキル基や2−フェニルプロピル基等)を有する変性シリコーン等のアルキル変性シリコーン;エステル結合を有する変性シリコーンであるエステル変性シリコーン;ポリオキシアルキレン基(たとえば、ポリオキシエチレン基、ポリオキシプロピレン基、ポリオキシエチレンオキシプロピレン基等)を有する変性シリコーンであるポリエーテル変性シリコーン等;アミノプロピル基やN−(2−アミノエチル)アミノプロピル基等を有する変性シリコーンである、アミノ変性シリコーン;アルコール性水酸基を有する変性シリコーンであるカルビノール変性シリコーン;グリシジル基または脂環式エポキシ基等のエポキシ基を有する変性シリコーンであるエポキシ変性シリコーン;カルボキシル基を有する変性シリコーンであるカルボキシ変性シリコーン;メルカプト基を有する変性シリコーンであるメルカプト変性シリコーン等を挙げることができる。
上記ポリカルボン酸系化合物(C)としては、無水マレイン酸−オレフィン共重合物、その加水分解物またはその塩、ポリオキシアルキレンモノアルキルエーテル(メタ)アクリレート−(メタ)アクリル酸共重合物またはその塩、ポリオキシアルキレンモノアルケニルエーテル−マレイン酸共重合物またはその塩、ポリオキシアルキレンモノアルキルモノアルケニルエーテル−無水マレイン酸共重合物、その加水分解物またはその塩、カルボキシアミド変性シリコーン等が挙げられる。
この中でも、好ましくは、ポリオキシアルキレンアルケニルエーテルと、無水マレイン酸、マレイン酸、又はマレイン酸塩などのマレイン酸系化合物、および共重合可能な他の単量体に基づく構成を有する共重合体である。グラフト鎖にポリオキシアルキレンを持つ場合、ポリオキシアルキレン基は直鎖又は分岐鎖を有する任意の炭素数のオキシアルキレン基を2以上連結した基であり、好ましくは炭素数2〜4のオキシアルキレン基を2以上連結した基である。例としては日油株式会社製マリアリムAKM−0851などが挙げられる。
本発明の弾性繊維用処理剤が、ポリカルボン酸系化合物(C)をさらに含むと好ましいのは、弾性繊維処理剤の安定性を向上させることにより、処理剤が繊維上に均一に付着しやすくなる為であると推定している。
上記オルガノポリシロキサン樹脂(以下、単にシリコーンレジン(D)という)とは、3次元架橋構造を有するシリコーンを意味する。シリコーンレジンは、一般に、1官能性構成単位(M)、2官能性構成単位(D)、3官能性構成単位(T)および4官能性構成単位(Q)から選ばれた少なくとも1種の構成単位からなっている。
上記シリコーンレジン(D)としては、特に限定されないが、例えば、MQシリコーンレジン、MQTシリコーンレジン、Tシリコーンレジン、DTシリコーンレジン等のシリコーンレジン等を挙げることができる。
上記MQシリコーンレジンとしては、たとえば、1官能性構成単位であるRSiO1/2(但し、Ra、およびRはいずれも炭化水素基である。)と、4官能性構成単位であるSiO4/2と含むシリコーンレジン等を挙げることができる。
上記MQTシリコーンレジンとしては、たとえば、1官能性構成単位であるRSiO1/2(但し、R、RおよびRはいずれも炭化水素基である。)と、4官能性構成単位であるSiO4/2と、3官能性構成単位であるRSiO3/2(但し、Rは炭化水素基である。)と含むシリコーンレジン等を挙げることができる。
上記Tシリコーンレジンとしては、たとえば、3官能性構成単位であるRSiO3/2(但し、Rは炭化水素基である。)を含むシリコーンレジン(その末端は炭化水素基のほか、シラノール基やアルコキシ基となっていても良い。)等を挙げることができる。
上記DTシリコーンレジンとしては、たとえば、2官能性構成単位であるRSiO2/2(但し、R、およびRはいずれも炭化水素基である。)と、3官能性構成単位であるRSiO3/2(但し、Rは炭化水素基である。)等を挙げることができる。
R、R、RおよびRの炭化水素基としては、炭素数1〜24の炭化水素基であり、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ヘキシル基、シクロプロピル基、シクロヘキシル基、フェニル基、ベンジル基等を挙げることができ、特に、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、フェニル基が好ましい。
上記高級脂肪酸金属塩(E)としては、炭素数8〜22の脂肪酸の2価又は3価の金属塩を挙げることができる。高級脂肪酸金属塩(E)としては、例えば、ラウリン酸カルシウム、パルミチン酸カルシウム、ミリスチン酸バリウム、パルミチン酸マグネシウム、ラウリン酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム、2−エチルヘキシル酸マグネシウム、ベヘニン酸亜鉛、トリベヘニン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、2−エチルヘキシル酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム、パルミチン酸アルミニウム、ステアリン酸バリウム、カプリン酸亜鉛、ステアリン酸亜鉛等を挙げることができる。
上記高級脂肪酸金属塩(E)の平均粒子径について、特に限定はないが、0.01〜5μmが好ましく、0.02〜3μmがさらに好ましく、0.05〜2μmが特に好ましい。高級脂肪酸金属塩(E)の平均粒子径が0.01μm未満であると、添加による効果が見られないことがある。一方、高級脂肪酸金属塩(E)の平均粒子径が5μm超であると、繊維表面から脱落しやすく、紡糸後の工程でスカムの原因となる場合がある。
上記高級脂肪酸金属塩(E)の形状について、特に限定はないが、針状が好ましい。高級脂肪酸金属塩の形状が針状の場合、その縦方向と横方向との比は、解舒性の観点から、10:1〜2:1が好ましく、8:1〜3:1がさらに好ましい。
上記ノニオン界面活性剤としては、特に限定されないが、例えば、炭素数8〜22のアルキル基を有するポリオキシエチレンアルキルエーテル(EO1〜20モル)、炭素数8〜22のアルキル基を有するポリオキシプロピレンアルキルエーテル(PO1〜20モル)、ソルビタン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステルのEO付加物(EO1〜20モル)、ソルビタン脂肪酸エステルのPO付加物(PO1〜20モル)、炭素数6〜22のアルキル基を有するアルキルフェノール、炭素数6〜22のアルキル基を有するアルキルフェノールのEO付加物(EO1〜20モル)、脂肪酸ポリオキシエチレングリコールエステル(EO1〜20モル)、脂肪酸ポリオキシプロピレングリコールエステル(PO1〜20モル)等が挙げられる。
上記カチオン界面活性剤としては、特に限定されないが、例えば、1級アミン、2級アミンや3級アミン等のアルキルアミン又はその塩、及び4級アンモニウム塩がある。具体的には、ラウリルアミン、ミリスチルアミン、セチルアミン、ステアリルアミン、オレイルアミン、ジエチルアミン、ジオクチルアミン、ジステアリルアミン、メチルステアリルアミン、ポリオキシプロピレン付加ラウリルアミン、ポリオキシエチレン付加ラウリルアミン、ポリオキシエチレン付加ステアリルアミン、ポリオキシエチレン付加オレイルアミン、モノエタノールアミン、ジエチルエタノールアミン、ジブチルエタノールアミン、トリエタノールアミン、ラウリルエタノールアミン、オレイルプロピレンジアミン、トリオクチルアミン、ジメチルラウリルアミン、ジメチルミリスチルアミン、ジメチルステアリルアミン、ジデシルジメチルアンモニウム塩、デシルトリメチルアンモニウム塩、ジオクチルジメチルアンモニウム塩、オクチルトリメチルアンモニウム塩等が挙げられる。
上記アニオン界面活性剤としては、特に限定されないが、例えば、アルカンスルホン酸、ジアルキルスルホコハク酸、アルキルベンゼンスルホン酸、アルキルナフタレンスルホン酸、アルキル硫酸、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸、アルキルリン酸、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸、またはこれらの成分の塩がある。具体的には、炭素数6〜22のアルキル基を有するアルカンスルホン酸及び/またはそのアルカリ金属塩、炭素数6〜22のアルキル基を有するジアルキルスルホコハク酸及び/またはそのアルカリ金属塩、炭素数6〜22のアルキル基を有するアルキルベンゼンスルホン酸及び/又はそのアルカリ金属塩、炭素数1〜20のアルキル基を有するアルキル硫酸及び/またはその塩、炭素数6〜22のアルキル基を有するポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸及び/またはその塩、炭素数6〜22のアルキル基を有するアルキルリン酸、炭素数6〜22のアルキル基を有するアルキルリン酸のアルカリ金属塩及び/またはアルカリ土類金属塩、炭素数が6〜22のアルキル基を有するポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸、炭素数が6〜22のアルキル基を有するポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸のアルカリ金属塩及び/又はアルアリ土類金属塩等が挙げられる。
〔弾性繊維用処理剤〕
本発明の弾性繊維用処理剤の30℃における粘度は、好ましくは5〜50mm/s、より好ましくは5〜40mm/s、さらに好ましくは6〜20mm/sである。粘度が低すぎると、紡糸及び後加工工程で弾性繊維を走行させる際に処理剤が霧状に飛散し、周辺を汚したり作業者が吸入したりする場合がある。また、粘度が高すぎると、紡糸および後加工工程で弾性繊維を走行させる際、粘着性によって走行ローラーに糸が巻き付き、糸切れを生じる場合がある。
本発明の弾性繊維用処理剤の製造方法については、特に限定はなく、公知の方法を採用することができる。例えば、いくつかの成分を予め配合していて、それ以外の成分と混合する方法でもよく、全成分を一挙に混合する方法でもよい。また、本発明の弾性繊維用処理剤が高級脂肪酸金属塩(E)を含有する場合、既に粉砕された高級脂肪酸金属塩(E)をベース成分等と混合して製造してもよく、ベース成分等に高級脂肪酸金属塩(E)を混合し、従来公知の湿式粉砕機を用いて、所定の平均粒子径になるように粉砕して製造してもよい。
弾性繊維用処理剤におけるベース成分(A)の重量割合としては50〜99.99重量%が好ましく、55〜99.9重量%がより好ましく、60〜98重量%がさらに好ましく、65〜95重量%が特に好ましい。ベース成分(A)の割合が少なすぎると平滑性が低下し、布製品の品位低下を引き起こす場合がある。
弾性繊維用処理剤がその他成分を含有する場合、処理剤を使用する際の流動性を維持するという見地から、弾性繊維用処理剤全体に占めるその他成分の重量割合は、好ましくは0.01〜15重量%、より好ましくは0.1〜13重量%が好ましく、さらに好ましくは0.5〜10重量%である。
〔弾性繊維〕
本発明の弾性繊維は、弾性繊維本体に、本発明の弾性繊維用処理剤が付与されたものである。弾性繊維全体に占める弾性繊維用処理剤の付着割合は特に限定は無いが、0.1〜15重量%が好ましく、0.5〜10重量%がさらに好ましい。弾性繊維本体に本発明の弾性繊維用処理剤を付与する方法としては、特に限定はなく、公知の方法を採用できる。
本発明の弾性繊維(弾性繊維本体)は、ポリエーテル系ポリウレタン、ポリエステル系ポリウレタン、ポリエーテルエステルエラストマー、ポリエステルエラストマー、ポリエチレンエラストマー、ポリアミドエラストマー等を使用した弾性を有する繊維であり、その伸度は通常300%以上である。
本発明の弾性繊維としては、PTMGやポリエステルジオールと有機ジイソシアネートを反応させ、次いで、1,4ブタンジオール、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ペンタンジアミンなどで鎖延長した、ポリウレタンあるいはポリウレタンウレアから構成されるものが挙げられる。例えば、ポリウレタンウレア弾性繊維は、分子量1000〜3000のポリテトラメチレングリコール(PTMG)とジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)とを用意し、PTMG/MDI=1/2〜1/1.5(モル比)でジメチルアセトアミドやジメチルホルムアミド等の溶媒中で反応させ、エチレンジアミン、プロパンジアミン等のジアミンで鎖延長して得られるポリウレタンウレアポリマーの20〜40%溶液を乾式紡糸で、紡糸速度400〜1200m/minで紡糸することにより製造できる。弾性繊維本体の適応繊度は、特に制限はない。
本発明の弾性繊維本体は、酸化チタン、酸化マグネシウム、ハイドロタルサイト、酸化亜鉛、二価の金属石鹸等の無機物を含有してもよい。二価の金属石鹸としては、2−エチルヘキシル酸カルシウム、ステアリン酸カルシウム、パルミチン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、パルミチン酸マグネシウム、ラウリン酸マグネシウム、ステアリン酸バリウム、カプリン酸亜鉛、ベヘニン酸亜鉛、ステアリン酸亜鉛等が挙げられる。無機物は、1種又は2種以上を用いてもよい。
弾性繊維本体が無機物を含有する場合、均一解舒性が不良になる場合があるが、弾性繊維本体に本発明の処理剤を付与することにより、均一解舒性を良好にすることができる。従って、本発明の弾性繊維用処理剤は、弾性繊維本体が無機物を含有する場合に好適に使用できる。弾性繊維本体に占める無機物の含有量は特に限定は無いが、0.01〜5重量%が好ましく、0.1〜3重量%がさらに好ましい。
本発明の弾性繊維の用途として、CSY、シングルカバリング、PLY、エアーカバリング等のカバリング糸等の加工糸や、丸編み、トリコット等により、布帛として使用することができる。また、これらの加工糸、布帛を使用してストッキング、靴下、下着、水着等の伸縮性が必要とされる製品や、ジーンズ、スーツ等のアウターウェア等に快適性のために伸縮性を付与させる目的でも使用される。さらに最近では、紙おむつにも適用される。
以下、実施例及び比較例により本発明を具体的に説明するが、本発明はここに記載した実施例に限定されるものではない。なお、以下の実施例に示される「パーセント(%)」及び「部」は、特に限定しない限り、「重量%」及び「重量部」を示す。なお、実施例及び比較例において、弾性繊維用処理剤の各特性の評価は次の方法に従って行った。
(解舒速度比)
図1において、解舒速度比測定機の解舒側に処理剤を付与した繊維のチーズ(1)をセットし、巻き取り側紙管(2)をセットする。巻取速度を一定速度にセットした後、ローラー(3)および(4)を同時に起動させる。この状態では糸(5)に張力はほとんどかからないため、糸はチーズ上で膠着して離れず、解舒点(6)は図1に示す状態にある。解舒速度を変えることによって、チーズからの糸(5)の解舒点(6)が変わるので、この点がチーズとローラーとの接点(7)と一致するように解舒速度を設定する。解舒速度比は下記式(1)によって求める。この値が小さいほど、解舒性が良いことを示す。
解舒速度比(%)=((巻取速度−解舒速度)/解舒速度)×100 (1)
経時後の解舒速度比とは、20℃65%RHの条件下で、6ヶ月経時後の解舒速度比を示す。
以下の指標で判断した。解舒速度比の内層部が100未満、且つ内層部と外層部の差が50未満を合格とした。
(指標)
○:解舒速度比の解舒速度比の内層部が100未満、且つ内層部と外層部の差が50未満
×:解舒速度比の解舒速度比の内層部が100以上、又は内層部と外層部の差が50以上
(編成張力)
図2において、チーズ(8)から縦取りした弾性糸(9)をコンペンセーター(10)を経て、ローラー(11)、編み針(12)を介して、Uゲージ(13)に付したローラー(14)を経て、速度計(15)、巻き取りローラー(16)に連結する。速度計(15)での走行速度が定速(10m/分、100m/分)になるように巻き取りローラーの回転速度を調整して、巻き取りローラーに巻き取り、そのときの編成張力をUゲージ(13)で測定し、繊維/編み針間の摩擦(g)を計測する。走行糸条より1cmのところで春日式電位差測定装置(17)で発生静電気を測定する。
以下の指標で判断した。10m/分における編成張力値が15未満、且つ100m/分における編成張力値が20未満を合格とした。
(指標)
○:10m/分における編成張力値が15未満、且つ100m/分における編成張力値が20未満
×:10m/分における編成張力値が15以上、又は100m/分における編成張力値が20以上
(繊維間摩擦係数(F/FμS))
図3において、処理剤が付与されたポリウレタン弾性繊維のモノフィラメントを50〜60cm程取り、一方の端に荷重T1(20)を吊り、ローラー(19)を介して、Uゲージ(18)にもう一方の端を掛けて定速(例えば、3cm/分)で引っ張り、そのときの2次張力T2をUゲージ(18)で測定し、下式(2)により、繊維間摩擦係数を求める。
摩擦係数(F/FμS)=1/θ・ln(T2/T1) 式(2)
(式(2)において、θ=2π、ln=自然対数、T1は22dtex当り1g)
以下の指標で判断した。繊維間摩擦係数が0.22以上を合格とした。
(指標)
○:繊維間摩擦係数が0.22以上
×:繊維間摩擦係数が0.22未満
(チーズ捲形状(捲き崩れ有無))
評価に供する処理剤が付与されたモノフィラメントチーズ(巻き量400g)の捲形状にバルジや綾等の捲き崩れが有るか無いかを目視で確認した。
捲き崩れがないものを合格とした。捲き崩れがあるものを不合格とした。
(ウレア化合物及びウレア・ウレタン化合物)
実施例において用いた、ウレア系成分(B)は下記のとおりである。
ウレア化合物B−1:オクタデシルアミンとメチレンジフェルニルジイソシアネートとを反応させた構造を有する脂肪族ジウレア(平均粒子径:0.8μm)
ウレア化合物B−2:シクロヘキシルアミンとメチレンジフェルニルジイソシアネートからなる脂環族ジウレア(平均粒子径:0.5μm)
ウレア化合物B−3:p‐トルイジンとメチレンジフェルニルジイソシアネートからなる芳香族ジウレア(平均粒子径:1.6μm)
ウレア化合物B−4:テトラデシルアミンとメチレンジフェルニルジイソシアネートとを反応させた構造を有する脂肪族ジウレア(平均粒子径:1.1μm)
ウレア化合物B−5:ドデシルアミンとメチレンジフェルニルジイソシアネートとを反応させた構造を有する脂肪族ジウレア(平均粒子径:1.2μm)
ウレア化合物B−6:オクタデシルアミンとメチレンビス(4−シクロヘキシルイソシアネート)とを反応させた構造を有する脂肪族ジウレア(平均粒子径:0.03μm)
ウレア化合物B−7:シクロヘキシルアミンとメチレンビス(4−シクロヘキシルイソシアネート)とを反応させた構造を有する脂環族ジウレア(平均粒子径:36μm)
ウレア化合物B−8:オクタデシルアミンとヘキサメチレンジイソシアネートとを反応させた構造を有する脂肪族ジウレア(平均粒子径:0.6μm)
ウレア・ウレタン化合物B−9:鉱物油中でメチレンジフェルニルジイソシアネート、シクロヘキシルアミンおよびオクタデシルアルコールをモル比5:8:2で反応させて得られたウレア・ウレタン化合物。(平均粒子径:24μm)
ウレア・ウレタン化合物B−10:鉱物油中でメチレンジフェルニルジイソシアネート、シクロヘキシルアミンおよびドデシルアルコールをモル比5:8:2で反応させて得られたウレア・ウレタン化合物。(平均粒子径:235μm)
(ウレア化合物B−1の作製方法)
ウレア化合物の作製方法として、ウレア化合物B−1について具体例を示す。鉱物油60秒60gに、3.17gのメチレンジフェルニルジイソシアネート(分子量:250.25g/mol)を加熱溶解した(反応液Iとする)。一方、鉱物油60秒30gに前記のメチレンジフェルニルジイソシアネートに対し、オクタデシルアミン(分子量:269.51g/mol)を2倍モル(6.83g)加熱溶解した(反応液IIとする)。反応液Iを50〜60℃で激しく攪拌しながら、これに反応液IIを徐々に加え、加熱した。反応液IIを全量仕込み終え、温度が70℃に達した時点で1時間保持し反応させウレア化合物B−1の10重量%液を得た(平均粒子径:0.8μm)。同様な作製方法にて、実施例1〜15に用いるウレア化合物B−2〜B−8を得た。
(ウレア・ウレタン化合物B−9の作製方法)
ウレア・ウレタン化合物の作製方法として、ウレア・ウレタン化合物B−9及びB−10について具体例を示す。
鉱物油60秒60gに4.84gのメチレンジフェルニルジイソシアネート(分子量:250.25g/mol)を加熱溶解した(反応液IIIとする)。一方、鉱物油60秒30gに前記のメチレンジフェルニルジイソシアネートに対し、シクロヘキシルアミン(分子量:99.17g/mol)を1.6倍モル(3.07g)とオクタデシルアルコール(分子量:270.49g/mol)を0.4倍モル(2.09g)とを加熱溶解した(反応液IVとする)。反応液IIIを50〜60℃で激しく攪拌しながら、これに反応液IVを徐々に加え、加熱した。反応液IVを全量仕込み終え、温度が170℃に達した時点で1時間保持し反応させウレア・ウレタン化合物B−9の10重量%液を得た。(平均粒子径:24μm)同様な作製方法にて、実施例16、17に用いるウレア・ウレタン化合物B−10を得た。
[実施例1〜17及び比較例1〜5]
(紡糸原液の調整)
数平均分子量2000のポリテトラメチレンエーテルグリコールと4,4’―ジフェニルメタンジイソシアネートをモル比率1:2で反応させ、次いで1,2−ジアミノプロパンのジメチルホルムアミド溶液を用いて鎖延長し、ポリマー濃度27%のジメチルホルムアミド溶液を得た。30℃での濃度は1500mPaSであった。
ポリウレタン紡糸原液を190℃のN気流中に吐出して乾式紡糸した。紡糸中走行糸に
表1、2に記載の成分を用いて作製した表1、2記載の処理剤(表中の配合量は重量部)をオイリングローラーにより繊維に対して6重量%付与した後、毎分500mの速度でボビンに巻き取り、44dtexモノフィラメントチーズ(巻き量400g)を得た。得られたチーズを35℃、50%RHの雰囲気中に48時間放置して評価に供した。油剤性能の評価結果を表1〜3に示した。
Figure 0006663721
Figure 0006663721
Figure 0006663721
表1、2及び3から分かるように、実施例1〜17では、鉱物油、シリコーン油及びエステル油から選ばれる少なくとも1種のベース成分(A)と、ウレア化合物、ウレア・ウレタン化合物から選ばれる少なくとも1種であるウレア系成分(B)とを含む弾性繊維用処理剤を用いているので、捲糸体の内層部における繊維の膠着防止性、均一解舒性、外層部における捲き崩れ防止性に優れる。
一方、比較例2〜4の場合繊維間摩擦係数が低く、チーズ外層部における捲き崩れが認められ、比較例1、5の場合はチーズの内層部の解舒速度比が大きく、均一解舒性が不足しているため、本願の課題である捲糸体の内層部における繊維の膠着防止性と、外層部における捲き崩れ防止性のいずれかが解決できていない。
1 チーズ
2 巻き取り用紙管
3 ローラー
4 ローラー
5 走行糸条
6 解舒点
7 チーズとローラーの接点
8 チーズ
9 走行糸条
10 コンペンセーター
11 ローラー
12 編み針
13 Uゲージ
14 ローラー
15 速度計
16 巻き取りローラー
17 春日式電位差測定装置
18 Uゲージ
19 ローラー
20 荷重

Claims (7)

  1. 鉱物油、シリコーン油及びエステル油から選ばれる少なくとも1種のベース成分(A)と、ウレア化合物及びウレア・ウレタン化合物から選ばれる少なくとも1種であるウレア系成分(B)とを含む、弾性繊維用処理剤であって、
    前記成分(B)の平均粒子径が0.01〜500μmである、弾性繊維用処理剤。
  2. 処理剤全体に占める前記成分(B)の重量割合が0.001〜10重量%である、請求項1に記載の弾性繊維用処理剤。
  3. ポリカルボン酸系化合物(C)をさらに含む、請求項1又は2に記載の弾性繊維用処理剤。
  4. シリコーンレジン(D)をさらに含む、請求項1〜のいずれかに記載の弾性繊維用処理剤。
  5. 高級脂肪酸金属塩(E)をさらに含む、請求項1〜のいずれかに記載の弾性繊維用処理剤。
  6. アルキル変性シリコーン、エステル変性シリコーン、カルビノール変性シリコーン、カルボキシ変性シリコーン、メルカプト変性シリコーン、エポキシ変性シリコーン、アミノ変性シリコーン及びポリエーテル変性シリコーンより選ばれる少なくとも1種の変性シリコーンをさらに含む、請求項1〜のいずれかに記載の弾性繊維用処理剤。
  7. 弾性繊維本体に、請求項1〜のいずれかに記載の処理剤が付与されてなる、弾性繊維。
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