JP6235354B2 - 弾性繊維用処理剤及び弾性繊維 - Google Patents
弾性繊維用処理剤及び弾性繊維 Download PDFInfo
- Publication number
- JP6235354B2 JP6235354B2 JP2014011937A JP2014011937A JP6235354B2 JP 6235354 B2 JP6235354 B2 JP 6235354B2 JP 2014011937 A JP2014011937 A JP 2014011937A JP 2014011937 A JP2014011937 A JP 2014011937A JP 6235354 B2 JP6235354 B2 JP 6235354B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- acid
- elastic fiber
- group
- treatment agent
- ester component
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Images
Landscapes
- Treatments For Attaching Organic Compounds To Fibrous Goods (AREA)
Description
例えば、特許文献1には、シリコーンレジン(MQレジン)を含有する弾性繊維用処理剤が記載され、特許文献2には、アミノ変性シリコーンとリン酸エステルの混合物を含有し、高級脂肪酸の金属塩を分散させた、弾性繊維用処理剤が記載されている。
しかし、従来の弾性繊維用処理剤が付与された弾性繊維捲糸体から製造した布製品は、品位低下が起こる場合があった。
又、品位低下が特に冬場に多いこと、及び冬場の断糸の原因は、上記ループ現象によるものに加え、後加工工程での糸同士の反発や寄りつきによること、反発や寄りつきの原因が静電気の発生によることが判明した。
従って、本発明の目的は、チーズ解舒時のループ抑制及び後加工工程での制電性に優れる弾性繊維用処理剤及び該処理剤が付与された弾性繊維を提供することにある。
すなわち、鉱物油、シリコーン油及びモノエステルから選ばれる少なくとも1種のベース成分(A)と、3価以上のアルコールが縮合した構造からなる水酸基含有化合物(X)と脂肪酸とのエステル成分(B1)及び前記水酸基含有化合物(X)にオキシアルキレンが付加反応してなる構造を有する水酸基含有化合物(Y)と脂肪酸とのエステル成分(B2)から選ばれる少なくとも1種のエステル成分(B)とを含み、前記化合物(X)の平均縮合度が7〜20である、弾性繊維用処理剤である。
前記ベース成分(A)の重量割合が、処理剤に対して50〜99.99重量%であると好ましい。
前記エステル成分(B)の重量割合が、処理剤に対して0.01〜50重量%であると好ましい。
前記ベース成分(A)は、シリコーン油、鉱物油及びモノエステルより選ばれる少なくとも1種である。当該ベース成分(A)は、上記弾性繊維用処理剤に必須な成分であり、繊維/金属間の摩擦を低減する剤である。
シリコーン油のシロキサン結合(SiOR1R2:R1及びR2は、それぞれ独立して、有機基を示す)の平均結合量は、3〜100が好ましく、5〜60がより好ましく、7〜50がさらに好ましい。R1、R2の有機基は、炭素数1〜24の炭化水素基であり、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ヘキシル基、シクロプロピル基、シクロヘキシル基、フェニル基、ベンジル基等を挙げることができ、特に、メチル基、フェニル基が好ましい。
1価アルコールとしては、後述の1価の脂肪族アルコール、芳香族アルコール、脂環式アルコール等を使用できる。これらの中でも、1価の脂肪族アルコール、芳香族アルコールが好ましい。
脂環式アルコールとしては、シクロオクタノール、シクロドデカノール、シクロヘキサノール、シクロヘプタノール、シクロペンタノール、メントール等が挙げられる。
また、1価カルボン酸としては、同じく後述の1価の脂肪族カルボン酸、芳香族カルボン酸、ヒドロキシカルボン酸等を使用できる。これらの中でも、一価の脂肪族カルボン酸、芳香族カルボン酸が好ましい。
エステル成分(B)は、後述するエステル成分(B1)及び後述するエステル成分(B2)から選ばれる少なくとも1種である。エステル成分(B)は、本願発明に必須の成分であり、ループの抑制及び制電性に優れる。エステル成分(B)がループの抑制に優れる理由としては、縮合物をエステル化した構造をしているため、嵩高い分子構造を有していることにより、繊維内部へ浸透されにくく繊維表面に滞在し繊維−繊維間の距離を十分に保つことができるためと推定している。
上記平均粒子径は、体積平均粒子径を意味し、粒度分布測定装置(堀場製作所製LA−910)のバッチセルを使用して、屈折率を1.02に設定して測定した。
上記エステル成分(B1)は、3価以上のアルコールが縮合した構造からなる水酸基含有化合物(X)と脂肪酸とのエステルである。
上記3価以上のアルコールとしては、特に限定されないが、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、単糖類等が挙げられる。これらの中でも、本願発明の効果を発揮する観点から、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールが好ましく、グリセリンが最も好ましい。上記3価以上のアルコールは、1種又は2種以上であってもよい。
水酸基価=(a−b)×28.05/試料の採取量(g) (ii)
a:空試験による0.5N水酸化カリウム溶液の消費量(ml)
b:本試験による0.5N水酸化カリウム溶液の消費量(ml)
上記トリメチロールプロパンの縮合物としては、ジトリメチロールプロパン、トリトリメチロールプロパンが挙げられる。
上記エステル成分(B2)は、前記水酸基含有化合物(X)にオキシアルキレンが付加反応してなる構造を有する水酸基含有化合物(Y)と脂肪酸とのエステルである。
本発明の弾性繊維用処理剤は、平滑性や解舒性の性能向上という観点から、上記で説明した各成分以外に、アルキル変性シリコーン、エステル変性シリコーン、ポリエーテル変性シリコーン、アミノ変性シリコーン、カルビノール変性シリコーン、エポキシ変性シリコーン、カルボキシ変性シリコーン、メルカプト変性シリコーン、オルガノポリシロキサン樹脂、高級脂肪酸金属塩、ノニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤及びアニオン界面活性剤から選ばれる少なくとも一種のその他成分をさらに含有してもよい。その他成分は、1種または2種以上を使用してもよい。
本発明の弾性繊維用処理剤の30℃における粘度は、好ましくは5〜50mm2/s、より好ましくは5〜40mm2/s、さらに好ましくは6〜20mm2/sである。粘度が低すぎると、紡糸及び後加工工程で弾性繊維を走行させる際に処理剤が霧状に飛散し、周辺を汚したり作業者が吸入したりする場合がある。また、粘度が高すぎると、紡糸および後加工工程で弾性繊維を走行させる際、粘着性によって走行ローラーに糸が巻き付き、糸切れを生じる場合がある。
本発明の弾性繊維は、弾性繊維本体に、本発明の弾性繊維用処理剤が付与されたものである。弾性繊維全体に占める弾性繊維用処理剤の付着割合は特に限定は無いが、0.1〜15重量%が好ましく、0.5〜10重量%がさらに好ましい。弾性繊維本体に本発明の弾性繊維用処理剤を付与する方法としては、特に限定はなく、公知の方法を採用できる。
図1において、解舒速度比測定機の解舒側に処理剤を付与した繊維のチーズ(1)をセットし、巻き取り側紙管(2)をセットする。解舒速度比を、解舒速度/巻取速度=1/4の一定速度にセットした後、ローラー(3)及び(4)を同時に起動させる。この状態で糸が4倍の状態で引き延ばされながら解舒していることとなる。この状態でチーズ(1)から解舒される糸(5)の状態を確認する。ループの発生するチーズでは解舒されている糸よりも内層側に位置する糸が、解舒される糸(5)につられて引き出され、ループ(6)となって確認される。このループ(6)の発生頻度を測定した。
◎:ループ20回/分未満(非常に良好)
○:ループ20回/分以上、50回/分未満(良好)
△:ループ50回/分以上、80回/分未満(やや不良)
×:ループ 80回/分以上(不良)
図2において、(7)の位置に春日式静電気測定器をセットし、解舒速度比測定機の解舒側に処理剤を付与した繊維のチーズ(8)をセットし、巻き取り側紙管(9)をセットする。解舒速度比を、解舒速度/巻取速度=1/2の一定速度にセットした後、ローラー(10)及び(11)を同時に起動させる。30℃、65%RHの条件下と20℃、40%RHのそれぞれの条件下においてチーズから解舒された糸(12)上1cmにおいて発生する静電気量を測定する。
以下の評価基準で、○以上を合格とした。
◎:100ボルト未満(非常に良好)
○:100ボルト以上200ボルト未満(良好)
△:200ボルト以上1000ボルト未満(やや不良)
×:1000ボルト以上(不良)
編成張力測定方法は、繊維/金属間の摩擦を測定する方法である。図3において、チーズ(13)から縦取りした弾性糸(14)を、コンペンセーター(15)を経てローラー(16)、編み針(17)を介して、Uゲージ(18)に付したローラー(19)を経て速度計(20)巻取りローラー(21)に巻取り、その時の編成張力をUゲージ(18)で測定し、繊維/編み針間の摩擦(g)を計測した。計測は巻取り速度10m/分、100m/分の2水準で実施した。
図4において、処理剤が付与された弾性糸を50〜60cm程度取り、一方の端に荷重(22)を吊り下げ、ローラー(23)を介して、Uゲージ(24)にもう一方の端を掛けて低速(例えば3cm/分)で引っ張りその時の2次張力をUゲージ(24)で測定し、(式iii)により、繊維間摩擦係数を求める。
繊維間摩擦係数=1/θ・In(Uゲージ測定値/荷重) (式iii)
(式iiiにおいてθ=2π、In=自然対数、荷重は22dtex当たり1g)
平均分子量1600のポリテトラメチレンエーテルグリコールと、4,4‘−ジフェニルメタンジイソシアネートをモル比率1:2で反応させ、次いで1,2−ジアミノプロパンのジメチルホルムアミド溶液を用いて鎖延長し、紡糸原液としてポリマー濃度33%のジメチルホルムアミド溶液を得た。なお、紡糸原液の濃度は1900mPaS(測定温度:30℃)であった。
得られた紡糸原液を4つの細孔を有する紡糸口金より195℃のN2気流中に吐出して乾式紡糸した。弾性繊維用処理剤をそれぞれオイリングローラーで、紡糸中の走行糸(弾性繊維本体)に対して6重量%付与した。従って、弾性繊維全体に対して弾性繊維用処理剤が5.66重量%付与された。その後、弾性繊維用処理剤で処理した弾性繊維をそれぞれ毎分500mの速度でボビンに巻取り、77dtexマルチフィラメントチーズ(巻き量400g)を得た。得られたチーズを用いて、上記評価方法によりそれぞれ評価した。その結果を表9〜12に示す。
一方、前記化合物(X)の平均縮合度が2〜50でない場合(比較例1〜10)、前記化合物(X)の非エステル成分である場合(比較例11〜15)には、本願の課題のいずれかが解決できていない。
2 巻き取り側紙管
3 ローラー
4 ローラー
5 解舒される糸
6 ループ
7 春日式静電気測定器のセット位置
8 チーズ
9 巻き取り側紙管
10 ローラー
11 ローラー
12 チーズから解舒された糸
13 チーズ
14 弾性糸
15 コンペンセーター
16 ローラー
17 編み針
18 Uゲージ
19 ローラー
20 速度計
21 巻取りローラー
22 荷重
23 ローラー
24 Uゲージ
Claims (5)
- 鉱物油、シリコーン油及びモノエステルから選ばれる少なくとも1種のベース成分(A)と、3価以上のアルコールが縮合した構造からなる水酸基含有化合物(X)と脂肪酸とのエステル成分(B1)及び前記水酸基含有化合物(X)にオキシアルキレンが付加反応してなる構造を有する水酸基含有化合物(Y)と脂肪酸とのエステル成分(B2)から選ばれる少なくとも1種のエステル成分(B)とを含み、前記化合物(X)の平均縮合度が7〜20である、弾性繊維用処理剤。
- 前記エステル成分(B)の水酸基価が0〜700である、請求項1に記載の弾性繊維用処理剤。
- 前記ベース成分(A)の重量割合が、処理剤に対して50〜99.99重量%である、請求項1又は2に記載の弾性繊維用処理剤。
- 前記エステル成分(B)の重量割合が、処理剤に対して0.01〜50重量%である、請求項1〜3のいずれかに記載の弾性繊維用処理剤。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の弾性繊維用処理剤が弾性繊維本体に付与された、弾性繊維。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014011937A JP6235354B2 (ja) | 2014-01-27 | 2014-01-27 | 弾性繊維用処理剤及び弾性繊維 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014011937A JP6235354B2 (ja) | 2014-01-27 | 2014-01-27 | 弾性繊維用処理剤及び弾性繊維 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2015140485A JP2015140485A (ja) | 2015-08-03 |
JP6235354B2 true JP6235354B2 (ja) | 2017-11-22 |
Family
ID=53771046
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2014011937A Active JP6235354B2 (ja) | 2014-01-27 | 2014-01-27 | 弾性繊維用処理剤及び弾性繊維 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6235354B2 (ja) |
Family Cites Families (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4229411B2 (ja) * | 1999-09-16 | 2009-02-25 | 竹本油脂株式会社 | 乾式法による不織布製造用ポリオレフィン系繊維の処理剤及び処理方法 |
JP4681754B2 (ja) * | 2001-05-11 | 2011-05-11 | 竹本油脂株式会社 | 合成繊維用処理剤及び合成繊維の処理方法 |
JP5139828B2 (ja) * | 2008-02-07 | 2013-02-06 | 松本油脂製薬株式会社 | 弾性繊維用処理剤および弾性繊維 |
JP5342944B2 (ja) * | 2009-07-02 | 2013-11-13 | 松本油脂製薬株式会社 | 弾性繊維用処理剤、弾性繊維用処理剤の製造方法および弾性繊維 |
JP5241029B2 (ja) * | 2009-08-20 | 2013-07-17 | 竹本油脂株式会社 | ポリウレタン系弾性繊維用処理剤、ポリウレタン系弾性繊維の処理方法及びポリウレタン系弾性繊維 |
-
2014
- 2014-01-27 JP JP2014011937A patent/JP6235354B2/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2015140485A (ja) | 2015-08-03 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6606061B2 (ja) | 弾性繊維用処理剤及び弾性繊維 | |
JP5887032B1 (ja) | 弾性繊維用処理剤及び弾性繊維 | |
JP5627825B1 (ja) | 弾性繊維用処理剤及び弾性繊維 | |
JP4805428B2 (ja) | ポリウレタン弾性繊維用処理剤およびポリウレタン弾性繊維 | |
CN107407044B (zh) | 弹性纤维用处理剂及其利用 | |
JP6713273B2 (ja) | 弾性繊維用処理剤及びその利用 | |
JP6051347B1 (ja) | 弾性繊維用処理剤及びその利用 | |
JP6619336B2 (ja) | 合成繊維用処理剤及びその利用 | |
JPWO2014024647A1 (ja) | 合成繊維用処理剤及びその利用 | |
JP6858609B2 (ja) | 弾性繊維用処理剤及び弾性繊維 | |
JP5887033B1 (ja) | 弾性繊維用処理剤及び弾性繊維 | |
JP5139828B2 (ja) | 弾性繊維用処理剤および弾性繊維 | |
JP2009138282A (ja) | 弾性繊維用処理剤および弾性繊維 | |
JP6235354B2 (ja) | 弾性繊維用処理剤及び弾性繊維 | |
JP5658844B1 (ja) | 合成繊維用処理剤及びその用途 | |
JP7296360B2 (ja) | 弾性繊維用処理剤及びその利用 | |
JP7163095B2 (ja) | 弾性繊維用処理剤及び弾性繊維 | |
WO2021033558A1 (ja) | 弾性繊維用処理剤及びその利用 | |
WO2024090138A1 (ja) | 弾性繊維用処理剤及びその利用 | |
JP6351322B2 (ja) | 弾性繊維用処理剤および弾性繊維 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20170111 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20170824 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20170905 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20170915 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20171017 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20171026 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 6235354 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |