JP6235354B2 - 弾性繊維用処理剤及び弾性繊維 - Google Patents

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Description

本発明は弾性繊維用処理剤及び該処理剤が付与された弾性繊維に関する。
弾性繊維は、紡糸工程において、処理剤を付与した後、チーズ形状に巻き取られ、捲糸体(以下、チーズということもある)となる。弾性繊維は、粘弾性を有するために膠着し易い繊維である。特に捲糸体の内層部においては、巻き取り時にかかる圧力により膠着が経時的に進行する。そのため、弾性繊維捲糸体を使用する際、解舒不良となり糸切れを引き起こす。この解舒不良を改良するために、種々の弾性繊維用処理剤が開発されている。
例えば、特許文献1には、シリコーンレジン(MQレジン)を含有する弾性繊維用処理剤が記載され、特許文献2には、アミノ変性シリコーンとリン酸エステルの混合物を含有し、高級脂肪酸の金属塩を分散させた、弾性繊維用処理剤が記載されている。
しかし、従来の弾性繊維用処理剤が付与された弾性繊維捲糸体から製造した布製品は、品位低下が起こる場合があった。
特開平09−078460号公報 特開2006−161253号公報
本発明者らは、布製品の品位低下の原因を調査した結果、本来チーズから引き出されるべき糸よりも内層に位置する糸が同時に引き出されてしまうループ現象が発生していること、及び当該ループ発生による断糸が品位低下の原因であることが判明した。
又、品位低下が特に冬場に多いこと、及び冬場の断糸の原因は、上記ループ現象によるものに加え、後加工工程での糸同士の反発や寄りつきによること、反発や寄りつきの原因が静電気の発生によることが判明した。
従って、本発明の目的は、チーズ解舒時のループ抑制及び後加工工程での制電性に優れる弾性繊維用処理剤及び該処理剤が付与された弾性繊維を提供することにある。
本発明者らは、鋭意検討した結果、ベース成分と特定のエステル成分を含む弾性繊維用処理剤であれば、上記課題を解決することができることを見出し、本発明に到達した。
すなわち、鉱物油、シリコーン油及びモノエステルから選ばれる少なくとも1種のベース成分(A)と、3価以上のアルコールが縮合した構造からなる水酸基含有化合物(X)と脂肪酸とのエステル成分(B1)及び前記水酸基含有化合物(X)にオキシアルキレンが付加反応してなる構造を有する水酸基含有化合物(Y)と脂肪酸とのエステル成分(B2)から選ばれる少なくとも1種のエステル成分(B)とを含み、前記化合物(X)の平均縮合度が7〜20である、弾性繊維用処理剤である。
記エステル成分(B)の水酸基価が0〜700であるであると好ましい。
前記ベース成分(A)の重量割合が、処理剤に対して50〜99.99重量%であると好ましい。
前記エステル成分(B)の重量割合が、処理剤に対して0.01〜50重量%であると好ましい。
本発明の弾性繊維は、弾性繊維本体に、上記の弾性繊維用処理剤が付与されたものである。
本発明の弾性繊維用処理剤は、優れたループ抑制性及び制電性を弾性繊維に対して付与することができ、本発明の処理剤が付与された弾性繊維は、チーズ解舒時にループの発生が少なく、後加工工程での静電気の発生量が少ない。
ループ評価方法の測定方法を説明する模式図。 静電気発生量の測定方法を説明する模式図。 編成張力の測定方法を説明する模式図。 繊維間摩擦の測定方法を説明する模式図。
本発明の弾性繊維用処理剤は、弾性繊維を製造する際に用いられ、ベース成分(A)及び特定のエステル化合物(B)を含むものである。以下に詳細に説明する。
(ベース成分(A))
前記ベース成分(A)は、シリコーン油、鉱物油及びモノエステルより選ばれる少なくとも1種である。当該ベース成分(A)は、上記弾性繊維用処理剤に必須な成分であり、繊維/金属間の摩擦を低減する剤である。
シリコーン油としては、特に限定はないが、ポリジメチルシロキサン、ポリメチルフェニルシロキサン、ポリメチルアルキルシロキサン等を挙げることができ、1種又は2種以上を使用してもよい。シリコーン油の25℃における粘度は、2〜100mm/sが好ましく、5〜70mm/sがより好ましく、5〜50mm/sがさらに好ましい。該粘度が2mm/s未満であるとシリコーン油が揮発する場合があり、100mm/sを超えると、処理剤に配合される他成分の溶解性が悪くなることがある。
シリコーン油のシロキサン結合(SiOR:R及びRは、それぞれ独立して、有機基を示す)の平均結合量は、3〜100が好ましく、5〜60がより好ましく、7〜50がさらに好ましい。R、Rの有機基は、炭素数1〜24の炭化水素基であり、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ヘキシル基、シクロプロピル基、シクロヘキシル基、フェニル基、ベンジル基等を挙げることができ、特に、メチル基、フェニル基が好ましい。
鉱物油としては、特に限定はないが、マシン油、スピンドル油、流動パラフィン等を挙げることができ、1種又は2種以上を使用してもよい。鉱物油の30℃におけるレッドウッド粘度計での粘度は、30秒〜350秒が好ましく、35秒〜200秒がより好ましく、40秒〜150秒がさらに好ましい。鉱物油としては、臭気の発生が低いという理由から、流動パラフィンが好ましい。鉱物油の粘度が30秒未満であると、得られる弾性繊維の品質が低下することがある。一方、鉱物油の粘度が350秒を超えると処理剤に配合される他成分の溶解性が悪くなることがある。
モノエステルとしては、1価アルコールと1価カルボン酸とのエステルであれば特に限定はなく、1種または2種以上を使用してもよい。
1価アルコールとしては、後述の1価の脂肪族アルコール、芳香族アルコール、脂環式アルコール等を使用できる。これらの中でも、1価の脂肪族アルコール、芳香族アルコールが好ましい。
1価の脂肪族アルコールとしては、オクタノール、2−エチルヘキサノール、1−ノナノール、1−デカノール、ウンデシルアルコール、ラウリルアルコール、トリデシルアルコール、イソトリデシルアルコール、ミリスチルアルコール、ペンタデシルアルコール、1−ヘキサデカノール、パルミトレイルアルコール、1−ヘプタデカノール、ステアリルアルコール、オレイルアルコール、イソステアリルアルコール、ノナデシルアルコール、1−エイコサノール、ベヘニルアルコール、1−テトラコサノール、エルシルアルコール、リグノセリルアルコール等が挙げられる。
芳香族アルコールとしては、フェノール、ベンジルアルコール等が挙げられる。
脂環式アルコールとしては、シクロオクタノール、シクロドデカノール、シクロヘキサノール、シクロヘプタノール、シクロペンタノール、メントール等が挙げられる。
また、1価カルボン酸としては、同じく後述の1価の脂肪族カルボン酸、芳香族カルボン酸、ヒドロキシカルボン酸等を使用できる。これらの中でも、一価の脂肪族カルボン酸、芳香族カルボン酸が好ましい。
上記1価カルボン酸としては、吉草酸、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、2−エチルヘキシル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、マルガリン酸、ステアリン酸、オレイン酸、イソステアリン酸、バクセン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキジン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、セチロン酸、安息香酸等が挙げられる。
モノエステルの具体例としては、吉草酸ヘプチル、カプロン酸ヘプチル、カプロン酸オクチル、カプリル酸セチル、ラウリン酸イソオクチル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソステアリル、ステアリン酸ブチル、ステアリン酸オクチル、ラウリン酸オレイル、ステアリン酸イソトリデシル、ステアリン酸オクチル、ステアリン酸イソオクチル、ステアリン酸トリデシル、ステアリン酸イソブチル、オレイン酸メチル、オレイン酸イソブチル、オレイン酸ヘプチル、オレイン酸オレイル等が挙げられる。
(エステル成分(B))
エステル成分(B)は、後述するエステル成分(B1)及び後述するエステル成分(B2)から選ばれる少なくとも1種である。エステル成分(B)は、本願発明に必須の成分であり、ループの抑制及び制電性に優れる。エステル成分(B)がループの抑制に優れる理由としては、縮合物をエステル化した構造をしているため、嵩高い分子構造を有していることにより、繊維内部へ浸透されにくく繊維表面に滞在し繊維−繊維間の距離を十分に保つことができるためと推定している。
エステル成分(B)の重量平均分子量は、400〜8000が好ましく、450〜7000がより好ましく、500〜6000がさらに好ましい。該重量平均分子量が400未満の場合、本願発明の効果を発揮できないことがある。一方、該重量平均分子量が8000超の場合、処理剤中における安定性が低下することがある。
本願発明の効果をより発揮させる点から、エステル成分(B)の水酸基価は0〜700が好ましく、1〜500がより好ましく、2〜400がさらに好ましく、5〜300が特に好ましく、10〜200が最も好ましい。水酸基価が10〜200であると処理剤中における安定性が特に高く、弾性繊維に付与した際に繊維表面に斑なく均一に分布する為に本願発明の効果が特に発揮されやすい。
本願発明の効果をより発揮させる点から、エステル成分(B)のエステル化率は、20モル%以上が好ましく、35モル%以上がより好ましく、40モル%以上がさらに好ましく、50モル%以上が特に好ましく、60モル%以上が最も好ましい。上限値としては、100モル%が好ましく、98モル%がさらに好ましく、96モル%が特に好ましい。エステル成分(B)のエステル化率が20モル%未満の場合、処理剤中における安定性が低下することがある。なお、エステル化率とは、水酸基含有化合物(X)の全水酸基に対して、脂肪酸によりエステル化された割合をいう。エステル化率が高いと繊維間摩擦が高くなり、チーズの捲形状が良好になる傾向にある。
処理剤中のエステル成分(B)の状態については、特に限定はなく、処理剤に溶解していてもよく、個体として分散されていてもよく、一部が溶解し一部が個体として分散されていてもよい。個体として分散する方法としては特に限定はないが、ベース成分(A)とエステル成分(B)を縦型ビーズミル、横型ビーズミル、サンドグラインダー又はコロイドミル等の湿式粉砕機に供し、均一分散液として得ることもできる。
エステル成分(B)が個体として分散されている場合の平均粒子径については、特に限定はないが、0.01〜50μmが好ましく、0.02〜20μmがさらに好ましく、0.05〜10μmが特に好ましい。0.01μm未満では、添加による効果が見られないことがあり、平均粒子径が50μm超であると、繊維表面から脱落しやすく、紡糸後の工程でスカムの原因となる場合がある。
上記平均粒子径は、体積平均粒子径を意味し、粒度分布測定装置(堀場製作所製LA−910)のバッチセルを使用して、屈折率を1.02に設定して測定した。
(エステル成分(B1))
上記エステル成分(B1)は、3価以上のアルコールが縮合した構造からなる水酸基含有化合物(X)と脂肪酸とのエステルである。
上記水酸基含有化合物(X)は、3価以上のアルコールが縮合した構造からなる化合物である。また、水酸基含有化合物(X)は一部が分子内で縮合した環状構造を有していても良い。
上記3価以上のアルコールとしては、特に限定されないが、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、単糖類等が挙げられる。これらの中でも、本願発明の効果を発揮する観点から、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールが好ましく、グリセリンが最も好ましい。上記3価以上のアルコールは、1種又は2種以上であってもよい。
上記単糖類としては、特に限定されないが、エリスリトール、ソルビタン、ソルビトール、グルコース(ブドウ糖)、ガラクトース、マンノース、フルクトースが挙げられる。
上記水酸基含有化合物(X)の平均縮合度は2〜50であり、3〜40が好ましく、5〜30がさらに好ましく、7〜20が特に好ましく、8〜15が最も好ましい。平均縮合度が50を超えると、処理剤中での安定性が低下する為、本願の効果が得られない。平均縮合度が2未満であると、上記エステル糸内部に浸透するため、本願効果を発揮できない。平均縮合度が7〜20であると、糸内部に浸透せず糸表面に残存し易いという観点から本願効果が特に発揮される。
ここで言う水酸基含有化合物(X)の平均縮合度について、ポリグリセリンを例として説明する。ポリグリセリンの平均縮合度とは、水酸基価から算出したものであり、以下の(i)式により算出する。また、(i)式中の水酸基価は「基準油脂物性試験法」(日本油化学協会制定)に準拠し測定する。具体的には、試料1gを無水酢酸・ピリジン溶液によりアセチル化する時、水酸基と結合した酢酸を中和するのに要する水酸化カリウム(KOH)のmg数で表され、以下の(ii)式で求められる。
平均縮合度=(112.2×103−18×水酸基価)/(74×水酸基価−56.1×103) (i)
水酸基価=(a−b)×28.05/試料の採取量(g) (ii)
a:空試験による0.5N水酸化カリウム溶液の消費量(ml)
b:本試験による0.5N水酸化カリウム溶液の消費量(ml)
上記水酸基含有化合物(X)としては、ポリグリセリン、トリメチロールプロパンの縮合物、ペンタエリスリトールの縮合物、多糖類等が挙げられる。
上記ポリグリセリンの具体例としては、特に限定されないが、ジグリセリン、トリグリセリン、テトラグリセリン、ペンタグリセリン、ヘキサグリセリン、ヘプタグリセリン、オクタグリセリン、ノナグリセリン、デカグリセリン、ウンデカグリセリン、ドデカグリセリン、テトラデカグリセリン、ペンタデカグリセリン、ヘキサデカグリセリン、ヘプタデカグリセリン、オクタデカグリセリン等が挙げられる。
上記多糖類の具体例としては、特に限定されないが、デンプン、セルロース、グリコーゲン、キチン、キトサン、アガロース、カラギーナン、ヘパリン、ヒアルロン酸、ペクチン及びキシログルカン等が挙げられる。
上記ペンタエリスリトールの縮合物としては、特に限定されないが、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、テトラペンタエリスリトール、ペンタペンタエリスリトール、ヘキサペンタエリスリトール、ヘプタペンタエリスリトール、オクタペンタエリスリトール、ノナペンタエリスリトール、デカペンタエリスリトール、ウンデカペンタエリスリトール、ドデカペンタエリスリトール、テトラデカペンタエリスリトール、ペンタデカペンタエリスリトール、ヘキサデカペンタエリスリトール、ヘプタデカペンタエリスリトール、オクタデカペンタエリスリトール等が挙げられる。
上記トリメチロールプロパンの縮合物としては、ジトリメチロールプロパン、トリトリメチロールプロパンが挙げられる。
上記エステル成分(B)のエステル成分(B1)及びエステル成分(B2)を構成する脂肪酸としては1〜3価の脂肪酸が挙げられ、飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸のいずれであってもよい。当該脂肪酸の炭素数は、4〜26が好ましく、6〜24がより好ましく、8〜22がさらに好ましい。該炭素数が4未満の場合及び26超の場合、本願発明の効果を発揮できないことがある。
当該脂肪酸の具体例としては、特に限定されないが、酪酸、吉草酸、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、2−エチルヘキシル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、ミリストレイン酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、イソセチル酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、ベヘン酸、セチロン酸、オレイン酸、エライジン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキジン酸、エイコセン酸、イソドコサン酸、エルカ酸、リグノセリン酸、イソテトラドコサン酸、シュウ酸、マロン酸、マレイン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、マルガリン酸、バクセン酸、リシノール酸、乳酸、リンゴ酸、クエン酸等が挙げられる。
エステル成分(B1)の製造方法としては、特に限定はなく、公知の手法を採用できる。例えば、アルカリ触媒下、酸触媒下、又は無触媒下にて、常圧又は減圧下でエステル化することができる。具体的には、水酸基含有化合物(X)、脂肪酸、触媒を仕込み、窒素ガス気流下で160〜260℃の温度で遊離脂肪酸がなくなるまで反応させて得ることができる。なお、得られたエステル成分(B)は使用される製品の使用上の要求によってさらに精製してもよい。精製の方法としては、特に限定はなく、公知の手法を採用できる。例えば、活性炭や活性白土等にて吸着処理したり、水蒸気、窒素等をキャリアーガスとして用いて減圧下脱臭処理を行ったり、酸やアルカリを用いて洗浄を行ったり、分子蒸留を行ったりして、精製することができる。
(エステル成分(B2))
上記エステル成分(B2)は、前記水酸基含有化合物(X)にオキシアルキレンが付加反応してなる構造を有する水酸基含有化合物(Y)と脂肪酸とのエステルである。
上記オキシアルキレンとしては、オキシエチレン、オキシプロピレン、オキシブチレンが挙げられ、本願の効果を発揮する観点から、オキシエチレン、オキシプロピレンが好ましい。
水酸基含有化合物(X)に対するオキシアルキレンの平均付加モル数は、水酸基含有化合物(X)1モルに対して、0超〜100モル以下が好ましく、1〜10モルがより好ましく、2〜5モルがさらに好ましい。100モルを超えると、処理剤中への分散性が低下するために、本願の効果が発揮されない可能性がある。
(その他成分)
本発明の弾性繊維用処理剤は、平滑性や解舒性の性能向上という観点から、上記で説明した各成分以外に、アルキル変性シリコーン、エステル変性シリコーン、ポリエーテル変性シリコーン、アミノ変性シリコーン、カルビノール変性シリコーン、エポキシ変性シリコーン、カルボキシ変性シリコーン、メルカプト変性シリコーン、オルガノポリシロキサン樹脂、高級脂肪酸金属塩、ノニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤及びアニオン界面活性剤から選ばれる少なくとも一種のその他成分をさらに含有してもよい。その他成分は、1種または2種以上を使用してもよい。
変性シリコーンとは、一般には、ジメチルシリコーン(ポリジメチルシロキサン)等のポリシロキサンの両末端、片末端、側鎖、側鎖両末端の少なくとも1ヶ所において、反応性(官能)基または非反応性(官能)基が少なくとも1つ結合した構造を有するものをいう。
上記変性シリコーンとしては、より詳細には、長鎖アルキル基(炭素数6以上のアルキル基や2−フェニルプロピル基等)を有する変性シリコーン等のアルキル変性シリコーン;エステル結合を有する変性シリコーンであるエステル変性シリコーン;ポリオキシアルキレン基(たとえば、ポリオキシエチレン基、ポリオキシプロピレン基、ポリオキシエチレンオキシプロピレン基等)を有する変性シリコーンであるポリエーテル変性シリコーン等;アミノプロピル基やN−(2−アミノエチル)アミノプロピル基等を有する変性シリコーンである、アミノ変性シリコーン;アルコール性水酸基を有する変性シリコーンであるカルビノール変性シリコーン;グリシジル基または脂環式エポキシ基等のエポキシ基を有する変性シリコーンであるエポキシ変性シリコーン;カルボキシル基を有する変性シリコーンであるカルボキシ変性シリコーン;メルカプト基を有する変性シリコーンであるメルカプト変性シリコーン等を挙げることができる。
上記オルガノポリシロキサン樹脂(以下、単にシリコーンレジンという)とは、3次元架橋構造を有するシリコーンを意味する。シリコーンレジンは、一般に、1官能性構成単位(M)、2官能性構成単位(D)、3官能性構成単位(T)および4官能性構成単位(Q)から選ばれた少なくとも1種の構成単位からなっている。
上記シリコーンレジンとしては、特に限定されないが、例えば、MQシリコーンレジン、MQTシリコーンレジン、Tシリコーンレジン、DTシリコーンレジン等のシリコーンレジン等を挙げることができる。
上記MQシリコーンレジンとしては、たとえば、1官能性構成単位であるRSiO1/2(但し、Ra、およびRはいずれも炭化水素基である。)と、4官能性構成単位であるSiO4/2と含むシリコーンレジン等を挙げることができる。
上記MQTシリコーンレジンとしては、たとえば、1官能性構成単位であるRSiO1/2(但し、R、RおよびRはいずれも炭化水素基である。)と、4官能性構成単位であるSiO4/2と、3官能性構成単位であるRSiO3/2(但し、Rは炭化水素基である。)と含むシリコーンレジン等を挙げることができる。
上記Tシリコーンレジンとしては、たとえば、3官能性構成単位であるRSiO3/2(但し、Rは炭化水素基である。)を含むシリコーンレジン(その末端は炭化水素基のほか、シラノール基やアルコキシ基となっていても良い。)等を挙げることができる。
上記DTシリコーンレジンとしては、たとえば、2官能性構成単位であるRSiO2/2(但し、R、およびRはいずれも炭化水素基である。)と、3官能性構成単位であるRSiO3/2(但し、Rは炭化水素基である。)等を挙げることができる。
R、R、RおよびRの炭化水素基としては、炭素数1〜24の炭化水素基であり、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ヘキシル基、シクロプロピル基、シクロヘキシル基、フェニル基、ベンジル基等を挙げることができ、特に、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、フェニル基が好ましい。
上記高級脂肪酸金属塩としては、炭素数8〜22の脂肪酸の2価又は3価の金属塩を挙げることができる。高級脂肪酸金属塩としては、例えば、ラウリン酸カルシウム、パルミチン酸カルシウム、ミリスチン酸バリウム、パルミチン酸マグネシウム、ラウリン酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム、2−エチルヘキシル酸マグネシウム、ベヘニン酸亜鉛、トリベヘニン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、2−エチルヘキシル酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム、パルミチン酸アルミニウム、ステアリン酸バリウム、カプリン酸亜鉛、ステアリン酸亜鉛等を挙げることができる。
上記高級脂肪酸金属塩の平均粒子径について、特に限定はないが、0.01〜5μmが好ましく、0.02〜3μmがさらに好ましく、0.05〜2μmが特に好ましい。高級脂肪酸金属塩の平均粒子径が0.01μm未満であると、添加による効果が見られないことがある。一方、高級脂肪酸金属塩の平均粒子径が5μm超であると、繊維表面から脱落しやすく、紡糸後の工程でスカムの原因となる場合がある。
上記高級脂肪酸金属塩の形状について、特に限定はないが、針状が好ましい。高級脂肪酸金属塩の形状が針状の場合、その縦方向と横方向との比は、解舒性の観点から、10:1〜2:1が好ましく、8:1〜3:1がさらに好ましい。
上記ノニオン界面活性剤としては、特に限定されないが、例えば、炭素数8〜22のアルキル基を有するポリオキシエチレンアルキルエーテル(EO1〜20モル)、炭素数8〜22のアルキル基を有するポリオキシプロピレンアルキルエーテル(PO1〜20モル)、ソルビタン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステルのEO付加物(EO1〜20モル)、ソルビタン脂肪酸エステルのPO付加物(PO1〜20モル)、炭素数6〜22のアルキル基を有するアルキルフェノール、炭素数6〜22のアルキル基を有するアルキルフェノールのEO付加物(EO1〜20モル)、脂肪酸ポリオキシエチレングリコールエステル(EO1〜20モル)、脂肪酸ポリオキシプロピレングリコールエステル(PO1〜20モル)等が挙げられる。
上記カチオン界面活性剤としては、特に限定されないが、例えば、1級アミン、2級アミンや3級アミン等のアルキルアミン又はその塩、及び4級アンモニウム塩がある。具体的には、ラウリルアミン、ミリスチルアミン、セチルアミン、ステアリルアミン、オレイルアミン、ジエチルアミン、ジオクチルアミン、ジステアリルアミン、メチルステアリルアミン、ポリオキシプロピレン付加ラウリルアミン、ポリオキシエチレン付加ラウリルアミン、ポリオキシエチレン付加ステアリルアミン、ポリオキシエチレン付加オレイルアミン、モノエタノールアミン、ジエチルエタノールアミン、ジブチルエタノールアミン、トリエタノールアミン、ラウリルエタノールアミン、オレイルプロピレンジアミン、トリオクチルアミン、ジメチルラウリルアミン、ジメチルミリスチルアミン、ジメチルステアリルアミン、ジデシルジメチルアンモニウム塩、デシルトリメチルアンモニウム塩、ジオクチルジメチルアンモニウム塩、オクチルトリメチルアンモニウム塩等が挙げられる。
上記アニオン界面活性剤としては、特に限定されないが、例えば、アルカンスルホン酸、ジアルキルスルホコハク酸、アルキルベンゼンスルホン酸、アルキルナフタレンスルホン酸、アルキル硫酸、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸、アルキルリン酸、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸、またはこれらの成分の塩がある。具体的には、炭素数6〜22のアルキル基を有するアルカンスルホン酸及び/またはそのアルカリ金属塩、炭素数6〜22のアルキル基を有するジアルキルスルホコハク酸及び/またはそのアルカリ金属塩、炭素数6〜22のアルキル基を有するアルキルベンゼンスルホン酸及び/又はそのアルカリ金属塩、炭素数1〜20のアルキル基を有するアルキル硫酸及び/またはその塩、炭素数6〜22のアルキル基を有するポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸及び/またはその塩、炭素数6〜22のアルキル基を有するアルキルリン酸、炭素数6〜22のアルキル基を有するアルキルリン酸のアルカリ金属塩及び/またはアルカリ土類金属塩、炭素数が6〜22のアルキル基を有するポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸、炭素数が6〜22のアルキル基を有するポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸のアルカリ金属塩及び/又はアルアリ土類金属塩等が挙げられる。
〔弾性繊維用処理剤〕
本発明の弾性繊維用処理剤の30℃における粘度は、好ましくは5〜50mm/s、より好ましくは5〜40mm/s、さらに好ましくは6〜20mm/sである。粘度が低すぎると、紡糸及び後加工工程で弾性繊維を走行させる際に処理剤が霧状に飛散し、周辺を汚したり作業者が吸入したりする場合がある。また、粘度が高すぎると、紡糸および後加工工程で弾性繊維を走行させる際、粘着性によって走行ローラーに糸が巻き付き、糸切れを生じる場合がある。
本発明の弾性繊維用処理剤の製造方法については、特に限定はなく、公知の方法を採用することができる。例えば、いくつかの成分を予め配合していて、それ以外の成分と混合する方法でもよく、全成分を一挙に混合する方法でもよい。また、本発明の弾性繊維用処理剤が高級脂肪酸金属塩を含有する場合、既に粉砕された高級脂肪酸金属塩をベース成分等と混合して製造してもよく、ベース成分等に高級脂肪酸金属塩を混合し、従来公知の湿式粉砕機を用いて、所定の平均粒子径になるように粉砕して製造してもよい。
弾性繊維用処理剤におけるベース成分(A)の重量割合としては50〜99.99重量%が好ましく、55〜99.9重量%がより好ましく、60〜98重量%がさらに好ましく、65〜95重量%が特に好ましい。ベース成分(A)の割合が少なすぎると平滑性が低下し、布製品の品位低下を引き起こす場合がある。
弾性繊維用処理剤全体に占めるエステル成分(B)の重量割合としては、0.01〜50重量%が好ましく、0.05〜40重量%がより好ましく、0.1〜30重量%がさらに好ましい。エステル成分(B)の割合が0.01重量%未満では、目的の効果が不十分となる場合があり、50重量%超では、添加量に応じた効果が得られない場合があり経済的に不利益となることがある。
弾性繊維用処理剤がその他成分を含有する場合、処理剤を使用する際の流動性を維持するという見地から、弾性繊維用処理剤全体に占めるその他成分の重量割合は、好ましくは0.01〜15重量%、より好ましくは0.1〜13重量%が好ましく、さらに好ましくは0.5〜10重量%である。
〔弾性繊維〕
本発明の弾性繊維は、弾性繊維本体に、本発明の弾性繊維用処理剤が付与されたものである。弾性繊維全体に占める弾性繊維用処理剤の付着割合は特に限定は無いが、0.1〜15重量%が好ましく、0.5〜10重量%がさらに好ましい。弾性繊維本体に本発明の弾性繊維用処理剤を付与する方法としては、特に限定はなく、公知の方法を採用できる。
本発明の弾性繊維(弾性繊維本体)は、ポリエーテル系ポリウレタン、ポリエステル系ポリウレタン、ポリエーテルエステルエラストマー、ポリエステルエラストマー、ポリエチレンエラストマー、ポリアミドエラストマー等を使用した弾性を有する繊維であり、その伸度は通常300%以上である。
本発明の弾性繊維としては、PTMGやポリエステルジオールと有機ジイソシアネートを反応させ、次いで、1,4ブタンジオール、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ペンタンジアミンなどで鎖延長した、ポリウレタンあるいはポリウレタンウレアから構成されるものが挙げられる。例えば、ポリウレタンウレア弾性繊維は、分子量1000〜3000のポリテトラメチレングリコール(PTMG)とジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)とを用意し、PTMG/MDI=1/2〜1/1.5(モル比)でジメチルアセトアミドやジメチルホルムアミド等の溶媒中で反応させ、エチレンジアミン、プロパンジアミン等のジアミンで鎖延長して得られるポリウレタンウレアポリマーの20〜40%溶液を乾式紡糸で、紡糸速度400〜1200m/minで紡糸することにより製造できる。弾性繊維本体の適応繊度は、特に制限はない。
本発明の弾性繊維本体は、酸化チタン、酸化マグネシウム、ハイドロタルサイト、酸化亜鉛、二価の金属石鹸等の無機物を含有してもよい。二価の金属石鹸としては、2−エチルヘキシル酸カルシウム、ステアリン酸カルシウム、パルミチン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、パルミチン酸マグネシウム、ラウリン酸マグネシウム、ステアリン酸バリウム、カプリン酸亜鉛、ベヘニン酸亜鉛、ステアリン酸亜鉛等が挙げられる。無機物は、1種又は2種以上を用いてもよい。
弾性繊維本体が無機物を含有する場合、均一解舒性が不良になる場合があるが、弾性繊維本体に本発明の処理剤を付与することにより、均一解舒性を良好にすることができる。従って、本発明の弾性繊維用処理剤は、弾性繊維本体が無機物を含有する場合に好適に使用できる。弾性繊維本体に占める無機物の含有量は特に限定は無いが、0.01〜5重量%が好ましく、0.1〜3重量%がさらに好ましい。
本発明の弾性繊維の用途として、CSY、シングルカバリング、PLY、エアーカバリング等のカバリング糸等の加工糸や、丸編み、トリコット等により、布帛として使用することができる。また、これらの加工糸、布帛を使用してストッキング、靴下、下着、水着等の伸縮性が必要とされる製品や、ジーンズ、スーツ等のアウターウェア等に快適性のために伸縮性を付与させる目的でも使用される。さらに最近では、紙おむつにも適用される。
以下、実施例及び比較例により本発明を具体的に説明するが、本発明はここに記載した実施例に限定されるものではない。なお、以下の実施例に示される「パーセント(%)」及び「部」は、特に限定しない限り、「重量%」及び「重量部」を示す。なお、実施例及び比較例において、弾性繊維用処理剤の各特性の評価は次の方法に従って行った。
〔ループ評価法〕
図1において、解舒速度比測定機の解舒側に処理剤を付与した繊維のチーズ(1)をセットし、巻き取り側紙管(2)をセットする。解舒速度比を、解舒速度/巻取速度=1/4の一定速度にセットした後、ローラー(3)及び(4)を同時に起動させる。この状態で糸が4倍の状態で引き延ばされながら解舒していることとなる。この状態でチーズ(1)から解舒される糸(5)の状態を確認する。ループの発生するチーズでは解舒されている糸よりも内層側に位置する糸が、解舒される糸(5)につられて引き出され、ループ(6)となって確認される。このループ(6)の発生頻度を測定した。
ループ評価を下記の基準で評価し、○以上を合格とした。
◎:ループ20回/分未満(非常に良好)
○:ループ20回/分以上、50回/分未満(良好)
△:ループ50回/分以上、80回/分未満(やや不良)
×:ループ 80回/分以上(不良)
〔静電気発生量評価法〕
図2において、(7)の位置に春日式静電気測定器をセットし、解舒速度比測定機の解舒側に処理剤を付与した繊維のチーズ(8)をセットし、巻き取り側紙管(9)をセットする。解舒速度比を、解舒速度/巻取速度=1/2の一定速度にセットした後、ローラー(10)及び(11)を同時に起動させる。30℃、65%RHの条件下と20℃、40%RHのそれぞれの条件下においてチーズから解舒された糸(12)上1cmにおいて発生する静電気量を測定する。
以下の評価基準で、○以上を合格とした。
◎:100ボルト未満(非常に良好)
○:100ボルト以上200ボルト未満(良好)
△:200ボルト以上1000ボルト未満(やや不良)
×:1000ボルト以上(不良)
〔編成張力測定方法〕
編成張力測定方法は、繊維/金属間の摩擦を測定する方法である。図3において、チーズ(13)から縦取りした弾性糸(14)を、コンペンセーター(15)を経てローラー(16)、編み針(17)を介して、Uゲージ(18)に付したローラー(19)を経て速度計(20)巻取りローラー(21)に巻取り、その時の編成張力をUゲージ(18)で測定し、繊維/編み針間の摩擦(g)を計測した。計測は巻取り速度10m/分、100m/分の2水準で実施した。
〔繊維間摩擦係数〕
図4において、処理剤が付与された弾性糸を50〜60cm程度取り、一方の端に荷重(22)を吊り下げ、ローラー(23)を介して、Uゲージ(24)にもう一方の端を掛けて低速(例えば3cm/分)で引っ張りその時の2次張力をUゲージ(24)で測定し、(式iii)により、繊維間摩擦係数を求める。
繊維間摩擦係数=1/θ・In(Uゲージ測定値/荷重) (式iii)
(式iiiにおいてθ=2π、In=自然対数、荷重は22dtex当たり1g)
(実施例1〜48、比較例1〜15)
平均分子量1600のポリテトラメチレンエーテルグリコールと、4,4‘−ジフェニルメタンジイソシアネートをモル比率1:2で反応させ、次いで1,2−ジアミノプロパンのジメチルホルムアミド溶液を用いて鎖延長し、紡糸原液としてポリマー濃度33%のジメチルホルムアミド溶液を得た。なお、紡糸原液の濃度は1900mPaS(測定温度:30℃)であった。
高級脂肪酸金属塩(C−5、マグネシウムステアレート)を含まないものは、表9〜12に記載の各成分を混合した後に20〜40℃で60分間撹拌して、高級脂肪酸金属塩(C−5、マグネシウムステアレート)を含むものは、混合、攪拌したものを上記記載の湿式粉砕機を用いて高級脂肪酸金属塩を粉砕して、実施例1〜48及び比較例1〜15の弾性繊維処理剤をそれぞれ得た。実施例及び比較例で用いた成分は、表1〜8に示す。
得られた紡糸原液を4つの細孔を有する紡糸口金より195℃のN気流中に吐出して乾式紡糸した。弾性繊維用処理剤をそれぞれオイリングローラーで、紡糸中の走行糸(弾性繊維本体)に対して6重量%付与した。従って、弾性繊維全体に対して弾性繊維用処理剤が5.66重量%付与された。その後、弾性繊維用処理剤で処理した弾性繊維をそれぞれ毎分500mの速度でボビンに巻取り、77dtexマルチフィラメントチーズ(巻き量400g)を得た。得られたチーズを用いて、上記評価方法によりそれぞれ評価した。その結果を表9〜12に示す。
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表10〜12から分かるように、実施例1〜48では、鉱物油、シリコーン油及びモノエステルから選ばれる少なくとも1種のベース成分(A)と、3価以上のアルコールが縮合した構造からなる水酸基含有化合物(X)と脂肪酸とのエステル成分(B1)及び前記水酸基含有化合物(X)にオキシアルキレンが付加反応してなる構造を有する水酸基含有化合物(Y)と脂肪酸とのエステル成分(B2)から選ばれる少なくとも1種のエステル成分(B)とを含み、前記化合物(X)の平均縮合度が2〜50である弾性繊維用処理剤を用いているので、ループ抑制及び制電性に優れる。
一方、前記化合物(X)の平均縮合度が2〜50でない場合(比較例1〜10)、前記化合物(X)の非エステル成分である場合(比較例11〜15)には、本願の課題のいずれかが解決できていない。
1 チーズ
2 巻き取り側紙管
3 ローラー
4 ローラー
5 解舒される糸
6 ループ
7 春日式静電気測定器のセット位置
8 チーズ
9 巻き取り側紙管
10 ローラー
11 ローラー
12 チーズから解舒された糸
13 チーズ
14 弾性糸
15 コンペンセーター
16 ローラー
17 編み針
18 Uゲージ
19 ローラー
20 速度計
21 巻取りローラー
22 荷重
23 ローラー
24 Uゲージ

Claims (5)

  1. 鉱物油、シリコーン油及びモノエステルから選ばれる少なくとも1種のベース成分(A)と、3価以上のアルコールが縮合した構造からなる水酸基含有化合物(X)と脂肪酸とのエステル成分(B1)及び前記水酸基含有化合物(X)にオキシアルキレンが付加反応してなる構造を有する水酸基含有化合物(Y)と脂肪酸とのエステル成分(B2)から選ばれる少なくとも1種のエステル成分(B)とを含み、前記化合物(X)の平均縮合度が7〜20である、弾性繊維用処理剤。
  2. 前記エステル成分(B)の水酸基価が0〜700である、請求項1に記載の弾性繊維用処理剤。
  3. 前記ベース成分(A)の重量割合が、処理剤に対して50〜99.99重量%である、請求項1又は2に記載の弾性繊維用処理剤。
  4. 前記エステル成分(B)の重量割合が、処理剤に対して0.01〜50重量%である、請求項1〜のいずれかに記載の弾性繊維用処理剤。
  5. 請求項1〜のいずれかに記載の弾性繊維用処理剤が弾性繊維本体に付与された、弾性繊維。
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