JP6051347B1 - 弾性繊維用処理剤及びその利用 - Google Patents

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Abstract

発明が解決しようとする課題は、安定して帯電防止性に優れる弾性繊維用処理剤、該処理剤が付与された弾性繊維を提供することである。本願発明は、シリコーンオイル、鉱物油及びエステル油から選ばれる少なくとも1種のベース成分(A)と、下記一般式(1)で示される化合物及びその塩から選ばれる少なくとも1種のアルキルリン酸エステル(B)とを含む、弾性繊維用処理剤である。(一般式(1)中、A1Oは炭素数2〜4のオキシアルキレン基である。nは0〜30の数である。R1はアルキル基であり、R1の平均炭素数を(a)とし、R1の分岐数の平均値を(b)とした場合、(b)/(a)が0.15以上である。mは1〜2の数である。分子内に(A1O)nが2つある場合には、お互いに同一であっても異なっていてもよい。)

Description

本発明は弾性繊維用処理剤及び該処理剤が付与された弾性繊維に関する。
弾性繊維は、紡糸工程において、処理剤を付与した後、チーズ形状に巻き取られ、捲糸体(以下、チーズということもある)となる。弾性繊維は、粘弾性を有するために繊維金属摩擦が高い繊維である。そのため、潤滑性に優れた平滑成分が使用されている。
また、近年の弾性繊維の製造工程等における生産速度の高速化により、帯電防止剤の必要性が高まっており、各種界面活性剤が制電剤として使用されている(特許文献1)。
トリコット編み等の経編用途に使用する場合、弾性繊維は、複数の弾性繊維を引き揃えてビームと呼ばれるドラムに巻き取る前処理工程を経る。(この工程は整経と呼ばれる。)この時、静電気が発生すると、弾性繊維達が糸揺れする為、巻き取った後の整経ビームの表面が乱れ、編み工程において糸切れを生じたり、編み立て後の生地に経筋を生じたりする。特に発生した静電気量が安定せず不安定となると、静電気により弾性繊維同士の反発と寄り付きが交互に発生し、糸揺れが大きくなる為、静電気の発生量が安定していることが重要である。
日本国特開2010−236150号公報
本発明の目的は、安定して帯電防止性に優れる弾性繊維用処理剤、該処理剤が付与された弾性繊維を提供することである。
本発明者らは、鋭意検討した結果、特定のベース成分と、アルキルリン酸エステルとを含む弾性繊維用処理剤であって、該アルキル基が特定の分岐を有するものであれば、上記課題を解決することができることを見出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明は、シリコーンオイル、鉱物油及びエステル油から選ばれる少なくとも1種のベース成分(A)と、下記一般式(1)で示される化合物及びその塩から選ばれる少なくとも1種のアルキルリン酸エステル(B)とを含む、弾性繊維用処理剤である。
Figure 0006051347
(一般式(1)中、AOは炭素数2〜4のオキシアルキレン基である。nは0〜30の数である。Rはアルキル基であり、Rの平均炭素数を(a)とし、Rの分岐数の平均値を(b)とした場合、(b)/(a)が0.15以上である。mは1〜2の数である。分子内に(AO)が2つある場合には、お互いに同一であっても異なっていてもよい。)
前記(b)/(a)が0.18以上であると好ましい。
前記(b)が1.5以上であると好ましい。
前記Rは、メチル基である側鎖を1以上有すると好ましい。
処理剤に占める前記アルキルリン酸エステル(B)の重量割合が0.01〜50重量%であると好ましい。
本発明の弾性繊維は、上記処理剤が弾性繊維本体に対して付与されてなる。
本発明の弾性繊維用処理剤は安定して帯電防止性に優れる。本発明の弾性繊維処理剤が付与された弾性繊維は、静電気発生量が安定している。
静電気発生量の測定方法を説明する模式図。 摩擦係数の測定方法を説明する模式図。
本発明の弾性繊維用処理剤は、ベース成分(A)と、上記一般式(1)で示される化合物及びその塩から選ばれる少なくとも1種のリン酸エステル(B)とを含む。以下に詳細に説明する。
(ベース成分(A))
前記ベース成分(A)は、シリコーン油、鉱物油及びエステル油より選ばれる少なくとも1種である。当該ベース成分(A)は、上記繊維用処理剤に必須な成分であり、繊維/金属間の摩擦を低減する剤である。後述するが、本願効果を発揮し易い観点から、前記ベース成分(A)が、シリコーン油を必須に含有すると好ましい。
シリコーン油としては、特に限定はないが、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、メチルアルキルシリコーンオイル、メチルハイドロジェンシリコーンオイル等を挙げることができ、1種又は2種以上を使用してもよい。また、原料由来の未反応シラノール基や未反応のハロゲン基、重合触媒、環状シロキサン等を含んでいてもよい。シリコーン油の25℃における粘度は、2〜100mm/sが好ましく、5〜70mm/sがより好ましく、5〜50mm/sがさらに好ましい。該粘度が2mm/s未満であるとシリコーン油が揮発する場合があり、100mm/sを超えると、処理剤に配合される他成分の溶解性が悪くなることがある。
シリコーン油のシロキサン結合(SiOR:R及びRは、それぞれ独立して、有機基を示す)の平均結合量は、3〜100が好ましく、5〜60がより好ましく、7〜50がさらに好ましい。R、Rの有機基は、炭素数1〜24の炭化水素基であり、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ヘキシル基、シクロプロピル基、シクロヘキシル基、フェニル基、ベンジル基等を挙げることができ、特に、メチル基、フェニル基が好ましい。
鉱物油としては、特に限定はないが、マシン油、スピンドル油、流動パラフィン等を挙げることができ、1種又は2種以上を使用してもよい。鉱物油の30℃におけるレッドウッド粘度計での粘度は、30秒〜350秒が好ましく、35秒〜200秒がより好ましく、40秒〜150秒がさらに好ましい。鉱物油としては、臭気の発生が低いという理由から、流動パラフィンが好ましい。鉱物油の粘度が30秒未満であると、得られる弾性繊維の品質が低下することがある。一方、鉱物油の粘度が350秒を超えると処理剤に配合される他成分の溶解性が悪くなることがある。
エステル油としては、1価アルコールと1価カルボン酸とのエステル、1価アルコールと多価カルボン酸とのエステル、又は多価アルコールと1価カルボン酸とのエステルであれば特に限定はなく、1種又は2種以上を使用してもよい。1価アルコールとしては、後述の1価の脂肪族アルコール、芳香族アルコール、脂環式アルコール、フェノール類等を使用できる。これらの中でも、一価の脂肪族アルコール、芳香族アルコールが好ましい。
1価の脂肪族アルコールとしては、特に限定はないが、例えば、オクタノール、2−エチルヘキサノール、1−ノナノール、1−デカノール、ウンデシルアルコール、ラウリルアルコール、トリデシルアルコール、イソトリデシルアルコール、ミリスチルアルコール、ペンタデシルアルコール、1−ヘキサデカノール、パルミトレイルアルコール、1−ヘプタデカノール、ステアリルアルコール、オレイルアルコール、イソステアリルアルコール、ノナデシルアルコール、1−エイコサノール、ベヘニルアルコール、1−テトラコサノール、エルシルアルコール、リグノセリルアルコール等が挙げられる。上記1価の脂肪族アルコールが分岐を有する場合には、分岐数、分岐鎖長、分岐の位置に特に限定はない。
芳香族アルコールとしては、フェノール、ベンジルアルコール等が挙げられる。
脂環式アルコールとしては、シクロオクタノール、シクロドデカノール、シクロヘキサノール、シクロヘプタノール、シクロペンタノール、メントール等が挙げられる。
多価アルコールとしては、特に限定はないが、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール、シクロヘキサンジオール、グリセリン、ジグリセリン、トリグリセリン、テトラグリセリン、ソルビトール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等が挙げられる。
1価カルボン酸としては、同じく後述の1価の脂肪族カルボン酸、芳香族カルボン酸、ヒドロキシカルボン酸等を使用できる。これらの中でも、1価の脂肪族カルボン酸、芳香族カルボン酸が好ましい。
上記1価カルボン酸としては、特に限定はないが、例えば、吉草酸、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、2−エチルヘキシル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、マルガリン酸、ステアリン酸、オレイン酸、イソステアリン酸、バクセン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキジン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、セチロン酸、安息香酸等が挙げられる。
多価カルボン酸としては、特に限定はないが、例えば、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、フマル酸、フタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、クエン酸、イソクエン酸等が挙げられる。
エステル油の具体例としては、特に限定はないが、例えば、吉草酸ヘプチル、カプロン酸ヘプチル、カプロン酸オクチル、カプリル酸セチル、ラウリン酸イソオクチル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソステアリル、ステアリン酸ブチル、ステアリン酸オクチル、ラウリン酸オレイル、ステアリン酸イソトリデシル、ステアリン酸オクチル、ステアリン酸イソオクチル、ステアリン酸トリデシル、ステアリン酸イソブチル、オレイン酸メチル、オレイン酸イソブチル、オレイン酸ヘプチル、オレイン酸オレイル、ジラウリン酸ポリエチレングリコール、ジミリスチル酸ポリエチレングリコール、ジオレイン酸ポリエチレングリコール、ジステアリン酸ポリエチレングリコール、ジラウリン酸ポリプロピレングリコール、ジミリスチン酸ポリプロピレングリコール、ジオレイン酸ポリプロピレングリコール、ジステアリン酸ポリプロピレングリコール、シュウ酸ジセチル、マロン酸ジイソオクチル、コハク酸ジラウリル、アジピン酸ジイソデシル、アジピン酸イソノニル、アジピン酸ジオクチル、フマル酸ジイソオクチル、フタル酸ジイソオクチル、フタル酸ジオクチル、フタル酸ジノニル、フタル酸ジイソデシル、フタル酸ジウンデシル、トリメリット酸トリイソオクチル、トリメリット酸トリイソブチル、トリメリット酸トリイソデシル、トリメリット酸トリイソステアリル、グリセリントリイソオクチル、グリセリントリラウリル、グリセリントリミリスチル、グリセリントリオレイル、グリセリントリステアリル、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタントリオレエート、ソルビタントリステアレート、ソルビタンセスキオレエート、ソルビタントリラウレート、ソルビタントリステアレート、ソルビタントリパルミテート等が挙げられる。
(アルキルリン酸エステル(B))
アルキルリン酸エステル(B)は、上記一般式(1)で示される化合物及びその塩から選ばれる少なくとも1種であり、弾性繊維用処理剤に適用した場合に、安定した帯電防止性能に優れる。リン酸エステル(B)は、分岐数が2以上である分岐鎖のアルキル基が含まれるリン酸エステルが含まれることを特徴としている。
弾性繊維は、粘弾性を有するために繊維金属摩擦が高い繊維であり、上記平滑成分(A)には、一般的に潤滑性に特に優れるジメチルシリコーンオイルが使用される場合が多い。
一方で、ジメチルシリコーンオイルは特に極性が低い化合物である為、極性の高いリン酸エステル、およびその塩等は、ジメチルシリコーンオイルを含むベース成分に相溶させることが難しい。分岐数が2以上である分岐鎖のアルキル基が含まれるリン酸エステル(B)が、安定した帯電防止性能に優れる理由としては、極性の低いベースオイルに対し、多くの分岐を有するリン酸エステルが弾性繊維用処理剤全体として相溶性が優れるためと推定している。
Oは炭素数2〜4のオキシアルキレン基であり、炭素数2又は3のオキシアルキレンが好ましい。
nは0〜30の数であり、0〜20が好ましく、0〜10がより好ましい。30超では、親水性が強くなりすぎてベース成分(A)との相溶性が低下するため、本願の効果が発揮されない。
また、同炭素数のオキシアルキレン基を単独使用する他に、異なる炭素数のオキシアルキレン基を併用使用しても良い。併用使用する場合は、異なる炭素数のオキシアルキレン基がブロック状付加であってもランダム状付加であってもよい。
ベース成分(A)との相溶性が優れることにより本願効果が発揮され易い観点から、nは0が最も好ましい。
上記一般式(1)で示される化合物及びその塩としては、特に限定されないが、上記一般式(1)で示される化合物の未中和物の他、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アルカリ土類金属の水酸化物、マグネシウム、水酸化マグネシウム、アルミニウム、水酸化アルミニウム、アンモニウム、4級アンモニウム、アルキルアミンまたはアルカノールアミンの塩が挙げられる。これらの塩は、1種又は2種以上を使用してもよい。又、当該塩は、上記一般式(1)で示される化合物を中和して得られるが、中和度については特に限定はされず、未中和物及び中和物の混合でもよい。
アルカリ土類金属の水酸化物には、後述するリン酸エステルとアルカリ土類金属の水酸化物との反応時にリン酸エステルの酸性水素とともに脱水した、アルカリ土類金属の水酸化物も含まれる。
水酸化マグネシウムには、後述するリン酸エステルと水酸化マグネシウムとの反応時にリン酸エステルの酸性水素とともに脱水した水酸化マグネシウムも含まれる。
水酸化アルミニウムには、後述するリン酸エステルと水酸化アルミニウムとの反応時にリン酸エステルの酸性水素とともに脱水した水酸化アルミニウムも含まれる。
アルカリ金属としては、ナトリウム、カリウム又はリチウム等が挙げられる。
アルカリ土類金属としては、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウム等が挙げられる。
これらの中でも、上記一般式(1)で示される化合物の塩がマグネシウム及び/又は水酸化マグネシウムの塩であると、帯電防止性の安定性が向上するため、好ましい。
4級アンモニウムとしては、テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、テトラメタノールアンモニウム、テトラエタノールアンモニウム、モノオクチルトリメチルアンモニウム、モノステアリルトリメチルアンモニウム、ジデシルジメチルアンモニウム、ジココイルジメチルアンモニウム、等が挙げられる。
アルキルアミンまたはアルカノールアミンとしては、1級アミン、2級アミン又は3級アミンが挙げられ、1級アミンが、モノアルカノールアミン、N−モノアルキルアミン、2級アミンがジアルカノールアミン、N−アルキル,N−アルカノールアミン、N,N−ジアルキルアミンなどであり、3級アミンがトリアルカノールアミン、N−アルキル,N,N−ジアルカノールアミン、N,N−ジポリオキシアルキレン,N−アルキルアミン、N,N−ジアルキル,N−アルカノールアミン、N,N,N−トリアルキルアミン、N,N,N’,N’−テトラキスポリオキシアルキレンアルキルジアミンなどである。
具体的には、モノラウリルアミン、モノオレイルアミン、モノエタノールアミン、ジシクロヘキシルアミン、ジステアリルアミン、ジラウリルアミン、ジブチルアミン、ジイソプロピルアミン、トリオクチルアミン、トリメチルアミン、ステアリルジメチルアミン、ラウリルジメチルアミン、ステアリルプロパノールアミン、ラウリルエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トリプロパノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N−ブチルエタノールアミン、N,N−ジブチル,N−エタノールアミン、N−オクチル,N−ブタノールアミン、N,N,N’,N’−テトラキス(2−ヒドロキシプロピル)エチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラキス(2−ヒドロキシブチル)エチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラキス(2−ヒドロキシプロピル)ヘキサメチレンジアミンなどである。
上記一般式(1)中、mが1であるときは、アルキルリン酸エステル(B)は、リン酸モノエステル(以下、モノ体)を表す。mが2であるときは、リン酸ジエステル(以下、ジ体)を表す。一般式(1)中、mは1〜2であり、有機リン酸エステル(B)が、モノ体及びジ体の混合物であることを意味する。例えば、mが1.3であるときは、モノ体のモル数:ジ体のモル数の比が7:3であることを示す。mは、31P核NMR測定により求められる。
一般式(1)中、Rのアルキル基の平均炭素数(a)は、6〜24であり、8〜22が好ましく、10〜18がより好ましい。6未満及び24超の場合には、制電性が不足する。
のアルキル基の平均炭素数(a)は、HNMRによって測定することができる。例えば、1級アルコールをリン酸化したものである場合、リン酸エステルの−CHOの積分値を基準とし、メチル基、メチン基、メチレン基全体の積分値から算出することができる。
一般式(1)中、Rのアルキル基の分岐数の平均値(b)は、1.5以上が好ましく、1.8以上がより好ましく、2.1以上がさらに好ましく、2.5以上が最も好ましい。好ましい上限値は11である。
当該アルキル基の分岐数(b)は、HNMRによって測定することができる。分岐数は(Rに含まれるメチル基の数−1)である。このようにメチル基の数で分岐数を決定するため、分岐鎖が分岐している場合も、分岐数に含まれる。
前記アルキル基の分岐数の平均値(b)/前記アルキル基の平均炭素数(a)(以後、(b)/(a)ということがある。)は、0.15以上であり、0.18以上が好ましく、0.20以上がより好ましく、0.24以上がさらに好ましい。0.15未満では、本願の効果が得られない。前記(b)/(a)の好ましい上限値は、0.48である。
前記Rは、メチル基である側鎖を1以上有すると好ましく、2以上がより好ましい。メチル基である側鎖を有すると、平滑成分(A)との相溶性が向上し、本願効果が発揮され易い観点から好ましい。メチル基である側鎖の数の上限値は特に限定されないが、好ましい上限値は11である。
上記アルキルリン酸エステルの製造法は特に限定しないが、例えば、最も容易に得られる方法として、分岐アルキルアルコール、又は分岐アルキルアルコールのオキシアルキレン付加物と五酸化二燐を混合加熱して縮合させる方法が上げられる。
上記で用いられる分岐アルキルアルコールは、天然物由来のアルコールであっても、合成アルコールであってもよいが、エチレン、プロピレン、1−ブテン、2−ブテン等を重合して、オキソ法により製造された合成アルコールを使用する事が望ましい。分岐数は重合時や、オキソ化時に選択される原料によって異なるが、その中でも分岐数が2以上となるアルコールを生成する原料を用いることがより好ましい。例えば、1−ブテンと2−ブテンの混合物を重合した後、オキソ化することにより、分岐数が2以上のアルコールを製造することが可能である。
上記分岐アルキルアルコール又は分岐アルキルアルコールのオキシアルキレン付加物は、下記一般式(2)で示される構造を有すると好ましい。
Figure 0006051347
(一般式(2)中、AOは炭素数2〜4のオキシアルキレン基である。tは0〜30の数である。Rはアルキル基であり、Rの平均炭素数を(c)とし、Rの分岐数の平均値を(d)とした場合、(d)/(c)が0.15以上である。)
一般式(2)中、Rのアルキル基の平均炭素数(c)は、6〜24であり、8〜22が好ましく、10〜18がより好ましい。6未満及び24超の場合には、制電性が不足する。
のアルキル基の平均炭素数(c)は、HNMRによって測定することができる。例えば、1級アルコールである場合、−CHOの積分値を基準とし、メチル基、メチン基、メチレン基全体の積分値から算出することができる。
一般式(2)中、Rのアルキル基の分岐数の平均値(d)は、1.5以上が好ましく、1.8以上がより好ましく、2.1以上がさらに好ましく、2.5以上が最も好ましい。好ましい上限値は11である。
当該アルキル基の分岐数(c)は、HNMRによって測定することができる。分岐数は(Rに含まれるメチル基の数−1)である。
前記アルキル基の分岐数の平均値(d)/前記アルキル基の平均炭素数(c)(以後、(d)/(c)ということがある。)は、0.15以上であり、0.18以上が好ましく、0.20以上がより好ましく、0.24以上がさらに好ましい。0.15未満では、本願の効果が得られない。前記(d)/(c)の好ましい上限値は、0.48である。
上記分岐アルキルアルコールは、単独の炭素鎖のみからなるアルコールであっても、炭素鎖の異なる複数のアルコール混合物であっても良い。
前記Rは、メチル基である側鎖を1以上有すると好ましく、2以上がより好ましい。メチル基である側鎖を有すると、平滑成分(A)との相溶性が向上し、本願効果が発揮され易い観点から好ましい。メチル基である側鎖の数の上限値は特に限定されないが、好ましい上限値は11である。
分岐数が2以上のアルキル基を有するアルコールを含むアルコールとして、例えば、2,2−ジメチル−1−ブタノール、2,4−ジメチル−1−ペンタノール、2,2−ジメチル−1−ヘキサノール、3,5,5−トリメチル−1−ヘキサノール、KHネオケム社製のトリデカノール、EXXON MOBIL社製のEXXAL(登録商標)シリーズ〔EXXAL(登録商標)8、EXXAL(登録商標)11、EXXAL(登録商標)13等〕、SASOL社 MARLIPAL(登録商標)O13等が挙げられる。又、これらのアルコールは、メチル基である側鎖を有している。
例えば、1価のアルコールと五酸化二燐とを混合加熱すると、リン酸エステルの混合物(上記モノ体、ジ体の混合物であり、以後リン酸エステル(X)という。)が得られる。なお、リン酸エステル(X)には、アルキルリン酸エステル(B)以外の、ピロリン酸エステル、ポリリン酸エステル又は無機燐酸を副生成物として含むことがある。
ピロリン酸エステル、ポリリン酸エステル又は無機燐酸は、本発明の弾性繊維用処理剤には影響を与えないため、弾性繊維用処理剤にピロリン酸エステル、ポリリン酸エステル又は無機燐酸が含まれていてもよい。具体的にはピロリン酸エステル及び/又はポリリン酸エステルの重量割合は、処理剤に対して0.1重量%以下であってよく、無機燐酸の重量割合は、処理剤に対して0.05重量%以下であってよい。
(その他成分)
本発明の弾性繊維用処理剤は、平滑性や解舒性の性能向上という観点から、上記で説明した各成分以外に、アルキル変性シリコーン、エステル変性シリコーン、ポリエーテル変性シリコーン、アミノ変性シリコーン、アミド変性シリコーン、イミド変性シリコーン、カルビノール変性シリコーン、エポキシ変性シリコーン、カルボキシ変性シリコーン、カルボキシアミド変性シリコーン、メルカプト変性シリコーン、メタクリル変性シリコーン、フェノール変性シリコーン、フッ素変性シリコーン、及び上記変性シリコーンの変性シロキサン単位の2種以上を併用して製造される変性シリコーン(例えば、アミノ・ポリエーテル変性シリコーン等)、多価アルコール、オルガノポリシロキサン樹脂、高級脂肪酸金属塩、脂肪族アルコール、ノニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、上記アルキルリン酸エステル(B)を除くアニオン界面活性剤及びポリアルファオレフィンから選ばれる少なくとも一種のその他成分をさらに含有してもよい。その他成分は、1種または2種以上を使用してもよい。
変性シリコーンとは、一般には、ジメチルシリコーン(ポリジメチルシロキサン)等のポリシロキサンの両末端、片末端、側鎖、側鎖両末端の少なくとも1ヶ所において、反応性(官能)基または非反応性(官能)基が少なくとも1つ結合した構造を有するものをいう。
上記変性シリコーンとしては、より詳細には、長鎖アルキル基(炭素数6以上のアルキル基や2−フェニルプロピル基等)を有する変性シリコーン等のアルキル変性シリコーン;エステル結合を有する変性シリコーンであるエステル変性シリコーン;ポリオキシアルキレン基(たとえば、ポリオキシエチレン基、ポリオキシプロピレン基、ポリオキシエチレンオキシプロピレン基等)を有する変性シリコーンであるポリエーテル変性シリコーン等;アミノプロピル基やN−(2−アミノエチル)アミノプロピル基等を有する変性シリコーンである、アミノ変性シリコーン;アミド結合を有する変性シリコーンであるアミド変性シリコーン;イミド結合を有する変性シリコーンであるイミド変性シリコーン;アルコール性水酸基を有する変性シリコーンであるカルビノール変性シリコーン;グリシジル基または脂環式エポキシ基等のエポキシ基を有する変性シリコーンであるエポキシ変性シリコーン;カルボキシル基を有する変性シリコーンであるカルボキシ変性シリコーン;カルボキシアミド基を有する変性シリコーンであるカルボキシアミド変性シリコーン;メルカプト基を有する変性シリコーンであるメルカプト変性シリコーン等;メタクリル基を有するメタクリル変性シリコーン等;フェノール基を有するフェノール変性シリコーン等;フッ素基を有するフッ素変性シリコーン等;上記変性シリコーンの変性シロキサン単位の2種以上を併用して製造される変性シリコーン等;(例えば、アミノ・ポリエーテル変性シリコーン等)を挙げることができる。
上記オルガノポリシロキサン樹脂(以下、単にシリコーンレジンという)とは、3次元架橋構造を有するシリコーンを意味する。シリコーンレジンは、一般に、1官能性構成単位(M)、2官能性構成単位(D)、3官能性構成単位(T)および4官能性構成単位(Q)から選ばれた少なくとも1種の構成単位からなっている。
上記シリコーンレジンとしては、特に限定されないが、例えば、MQシリコーンレジン、MQTシリコーンレジン、Tシリコーンレジン、DTシリコーンレジン等のシリコーンレジン等を挙げることができる。
上記MQシリコーンレジンとしては、たとえば、1官能性構成単位であるRSiO1/2(但し、Rc、およびRはいずれも炭化水素基である。)と、4官能性構成単位であるSiO4/2と含むシリコーンレジン等を挙げることができる。
上記MQTシリコーンレジンとしては、たとえば、1官能性構成単位であるRSiO1/2(但し、R、RおよびRはいずれも炭化水素基である。)と、4官能性構成単位であるSiO4/2と、3官能性構成単位であるRSiO3/2(但し、Rは炭化水素基である。)と含むシリコーンレジン等を挙げることができる。
上記Tシリコーンレジンとしては、たとえば、3官能性構成単位であるRSiO3/2(但し、Rは炭化水素基である。)を含むシリコーンレジン(その末端は炭化水素基のほか、シラノール基やアルコキシ基となっていても良い。)等を挙げることができる。
上記DTシリコーンレジンとしては、たとえば、2官能性構成単位であるRSiO2/2(但し、R、およびRはいずれも炭化水素基である。)と、3官能性構成単位であるRSiO3/2(但し、Rは炭化水素基である。)等を挙げることができる。
〜Rの炭化水素基としては、炭素数1〜24の炭化水素基であり、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ヘキシル基、シクロプロピル基、シクロヘキシル基、フェニル基、ベンジル基等を挙げることができ、特に、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、フェニル基が好ましい。
上記高級脂肪酸金属塩としては、炭素数8〜22の脂肪酸の1価、2価又は3価の金属塩を挙げることができる。高級脂肪酸金属塩としては、例えば、ラウリン酸カルシウム、パルミチン酸カルシウム、ミリスチン酸バリウム、ミリスチン酸マグネシウム、パルミチン酸マグネシウム、ラウリン酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム、2−エチルヘキシル酸マグネシウム、ベヘニン酸亜鉛、トリベヘニン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、2−エチルヘキシル酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム、パルミチン酸アルミニウム、ステアリン酸バリウム、カプリン酸亜鉛、ステアリン酸亜鉛等を挙げることができる。これらの高級脂肪酸金属塩は、1種又は2種以上を使用してもよい。
上記高級脂肪酸金属塩の平均粒子径について、特に限定はないが、0.01〜5μmが好ましく、0.02〜3μmがさらに好ましく、0.05〜2μmが特に好ましい。高級脂肪酸金属塩の平均粒子径が0.01μm未満であると、添加による効果が見られないことがある。一方、高級脂肪酸金属塩の平均粒子径が5μm超であると、繊維表面から脱落しやすく、紡糸後の工程でスカムの原因となる場合がある。
上記高級脂肪酸金属塩の形状について、特に限定はないが、針状又は鱗片状が好ましい。高級脂肪酸金属塩の形状が針状の場合、その縦方向と横方向との比は、解舒性の観点から、10:1〜2:1が好ましく、8:1〜3:1がさらに好ましい。
上記脂肪族アルコールとしては、特に限定はないが、例えば、オクタノール、2−エチルヘキサノール、1−ノナノール、1−デカノール、ウンデシルアルコール、ラウリルアルコール、トリデシルアルコール、イソトリデシルアルコール、ミリスチルアルコール、ペンタデシルアルコール、1−ヘキサデカノール、パルミトレイルアルコール、1−ヘプタデカノール、ステアリルアルコール、オレイルアルコール、イソステアリルアルコール、ノナデシルアルコール、1−エイコサノール、ベヘニルアルコール、1−テトラコサノール、エルシルアルコール、リグノセリルアルコール等が挙げられる。これらの脂肪族アルコールは、1種又は2種以上を使用してもよい。上記アルコールが分岐を有する場合には、分岐数、分岐鎖長、分岐の位置に特に限定はない。
上記多価アルコールとしては、特に限定はないが、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール、シクロヘキサンジオール、グリセリン、ジグリセリン、トリグリセリン、テトラグリセリン、ソルビトール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等が挙げられる。
上記ノニオン界面活性剤としては、特に限定されないが、例えば、炭素数8〜22のアルキル基を有するポリオキシアルキレンアルキルエーテル(オキシアルキレンが1〜20モル、オキシアルキレンはオキシエチレン及び/又はオキシプロピレンであり、ランダム及び又はブロックである。)、ソルビタン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステルのオキシアルキレン付加物(オキシアルキレンが1〜20モル、オキシアルキレンはオキシエチレン及び/又はオキシプロピレンであり、ランダム及び又はブロックである。)、炭素数6〜22のアルキル基を有するアルキルフェノール、炭素数6〜22のアルキル基を有するアルキルフェノールのオキシアルキレン付加物(オキシアルキレンが1〜20モル、オキシアルキレンはオキシエチレン及び/又はオキシプロピレンであり、ランダム及び又はブロックである。)、脂肪酸ポリオキシアルキレングリコールエステル(オキシアルキレンが1〜20モル、オキシアルキレンはオキシエチレン及び/又はオキシプロピレンであり、ランダム及び又はブロックである。)等が挙げられる。これらのノニオン界面活性剤は、1種又は2種以上を使用してもよい。
上記カチオン界面活性剤としては、特に限定されないが、例えば、1級アミン、2級アミンや3級アミン等のアルキルアミン又はその塩、及び4級アンモニウム塩がある。具体的には、ラウリルアミン、ミリスチルアミン、セチルアミン、ステアリルアミン、オレイルアミン、ジエチルアミン、ジオクチルアミン、ジステアリルアミン、メチルステアリルアミン、ポリオキシプロピレン付加ラウリルアミン、ポリオキシエチレン付加ラウリルアミン、ポリオキシエチレン付加ステアリルアミン、ポリオキシエチレン付加オレイルアミン、モノエタノールアミン、ジエチルエタノールアミン、ジブチルエタノールアミン、トリエタノールアミン、ラウリルエタノールアミン、オレイルプロピレンジアミン、トリオクチルアミン、ジメチルラウリルアミン、ジメチルミリスチルアミン、ジメチルステアリルアミン、ジデシルジメチルアンモニウム塩、デシルトリメチルアンモニウム塩、ジオクチルジメチルアンモニウム塩、オクチルトリメチルアンモニウム塩等が挙げられる。これらのカチオン界面活性剤は、1種又は2種以上を使用してもよい。
上記アニオン界面活性剤としては、特に限定されないが、例えば、アルカンスルホン酸及び/またはその塩、ジアルキルスルホコハク酸及び/またはその塩、アルキルベンゼンスルホン酸及び/またはその塩、アルキルナフタレンスルホン酸及び/またはその塩、アルキル硫酸及び/またはその塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸及び/またはその塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸及び/またはその塩がある。具体的には、炭素数6〜22のアルキル基を有するアルカンスルホン酸及び/またはその塩、後述するジアルキルスルホコハク酸エステル及び/またはその塩、炭素数6〜22のアルキル基を有するアルキルベンゼンスルホン酸及び/又はその塩、炭素数1〜20のアルキル基を有するアルキル硫酸及び/またはその塩、炭素数6〜22のアルキル基を有するポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸及び/またはその塩、炭素数6〜22のアルキル基を有するポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸及び/またはその塩等が挙げられるが、中でも、ジアルキルスルホコハク酸エステル塩が好ましい。これらのアニオン界面活性剤は、1種又は2種以上を使用してもよい。
(ジアルキルスルホコハク酸エステル塩)
ジアルキルスルホコハク酸エステル塩は、本発明の弾性繊維用処理剤に含有されると、安定した帯電防止性がさらに向上する成分である。
前記ジアルキルスルホコハク酸エステル塩は、上記アルキル燐酸エステル(B)との併用による制電性向上が得られやすい観点から、下記一般式(3)の構造を有していると好ましい。
Figure 0006051347
一般式(3)中、R、Rはそれぞれ独立に炭素数1〜30のアルキル基又は炭素数2〜30のアルケニル基を表す。
、Rとしては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、イソヘキシル基、へプチル基、オクチル基、イソオクチル基、ノニル基、デシル基、イソデシル基、ウンデシル基、2−エチルヘキシル基、ドデシル基、トリデシル基、イソトリデシル基、テトラデシル基、オクタデシル基、エイコシル基などがあげられる。炭素数2〜30のアルケニル基としてはヘキセニル基、ヘプテニル基、オクテニル基、ウンドデセニル基、ドデセニル基、ノナデセニル基等が挙げられる。
これらR、Rは独立に、好ましくは炭素数3〜26、より好ましくは炭素数5〜15のアルキル基である。また、R、Rが分岐を有する場合には、分岐数、分岐鎖長、分岐の位置に特に限定はない。
一般式(3)中、Mは、1価、2価若しくは3価の金属イオン及びRNRから選ばれる1種を表す。R〜Rはそれぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数1〜18のアルカノール基又は(AO)Hを表す。AOは炭素数2〜4のオキシアルキレン基である。uは1〜30の数である。qはMの価数を表す。
また、同炭素数のオキシアルキレン基を単独使用する他に、異なる炭素数のオキシアルキレン基を併用使用しても良い。併用使用する場合は、異なる炭素数のオキシアルキレン基がブロック状付加であってもランダム状付加であってもよい。
一般式(3)においてMとしては水素原子、アルカリ金属(例えばリチウム、カリウム、ナトリウムなど)、アルカリ土類金属(例えばカルシウム)、マグネシウム,アルミニウムなど、前記RNRで示されるR〜Rの構造としては、水素原子、メチル基、エチル基、ヒドロキシエチル基、ブチル基等が用いられる。
ジアルキルスルホコハク酸エステル塩の具体例として、特に限定はされないが、ジイソオクチルスルホコハク酸ナトリウム、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム、ジイソオクチルスルホコハク酸カリウム、ジイソオクチルスルホコハク酸マグネシウム、ジイソオクチルスルホコハク酸アンモニウム、ジイソオクチルスルホコハク酸エタノールアミン、ジイソオクチルスルホコハク酸ジエタノールアミン、ジイソオクチルスルホコハク酸トリエタノールアミン、ジペンチルスルホコハク酸ナトリウム、ジヘキシルスルホコハク酸ナトリウム、ジイソヘキシルスルホコハク酸ナトリウム、ジトリデシルスルホコハク酸ナトリウム、ジオクタデシルスルホコハク酸カリウム、ジドデシルスルホコハク酸マグネシウム、ジデシルスルホコハク酸テトラブチルアンモニウム塩、ジデシルスルホコハク酸ナトリウム等が挙げられ、中でもアルキルリン酸エステル(B)との併用による、安定した帯電防止性が得られやすい観点から、ジイソオクチルスルホコハク酸ナトリウム、ジイソオクチルスルホコハク酸カリウム、ジイソオクチルスルホコハク酸マグネシウム、ジオクタデシルスルホコハク酸カリウム、ジドデシルスルホコハク酸マグネシウム、ジトリデシルスルホコハク酸ナトリウム、ジデシルスルホコハク酸テトラブチルアンモニウム塩が好ましい。ジアルキルスルホコハク酸エステル塩は、1種又は2種以上を使用してもよい。
処理剤中のジアルキルスルホコハク酸エステル塩の状態については、特に限定はなく、処理剤に溶解していてもよく、個体として分散されていてもよく、一部が溶解して一部が個体として分散されていてもよい。
〔弾性繊維用処理剤〕
本発明の弾性繊維用処理剤の30℃における粘度は、好ましくは5〜50mm/s、より好ましくは5〜40mm/s、さらに好ましくは6〜20mm/sである。粘度が低すぎると、紡糸及び後加工工程で弾性繊維を走行させる際に処理剤が霧状に飛散し、周辺を汚したり作業者が吸入したりする場合がある。また、粘度が高すぎると、紡糸および後加工工程で弾性繊維を走行させる際、粘着性によって走行ローラーに糸が巻き付き、糸切れを生じる場合がある。
本発明の弾性繊維用処理剤の製造方法については、特に限定はなく、公知の方法を採用することができる。例えば、いくつかの成分を予め配合していて、それ以外の成分と混合する方法でもよく、全成分を一挙に混合する方法でもよい。また、本発明の弾性繊維用処理剤が高級脂肪酸金属塩を含有する場合、既に粉砕された高級脂肪酸金属塩をベース成分等と混合して製造してもよく、ベース成分等に高級脂肪酸金属塩を混合し、従来公知の湿式粉砕機を用いて、所定の平均粒子径になるように粉砕して製造してもよい。
弾性繊維用処理剤におけるベース成分(A)の重量割合としては50〜99.99重量%が好ましく、55〜99.9重量%がより好ましく、60〜98重量%がさらに好ましく、65〜95重量%が特に好ましい。ベース成分(A)の割合が少なすぎると平滑性が低下し、布製品の品位低下を引き起こす場合がある。
前記アルキルリン酸エステル(B)の合計の重量割合は、処理剤に対して0.01〜50重量%が好ましく、0.05〜30重量%がより好ましく、0.1〜10重量%がさらに好ましい。前記アルキルリン酸エステル(B)の合計の重量割合が0.01重量%未満では、目的の効果が不十分となる場合があり、50重量%超では、添加量に応じた効果が得られない場合があり経済的に不利益となることがある。
弾性繊維用処理剤がその他成分を含有する場合、処理剤を使用する際の流動性を維持するという見地から、弾性繊維用処理剤全体に占めるその他成分の重量割合は、好ましくは0.01〜15重量%、より好ましくは0.1〜13重量%が好ましく、さらに好ましくは0.5〜10重量%である。
弾性繊維用処理剤がジアルキルスルホコハク酸エステル塩を含有する場合、処理剤を使用する際の流動性を維持するという見地から、弾性繊維用処理剤全体に占めるその他成分の重量割合は、好ましくは0.01〜15重量%、より好ましくは0.1〜13重量%が好ましく、さらに好ましくは0.5〜10重量%である。
〔弾性繊維〕
本発明の弾性繊維は、弾性繊維本体に、本発明の弾性繊維用処理剤が付与されたものである。弾性繊維全体に占める弾性繊維用処理剤の付着割合は特に限定は無いが、0.1〜15重量%が好ましく、0.5〜10重量%がさらに好ましい。弾性繊維本体に本発明の弾性繊維用処理剤を付与する方法としては、特に限定はなく、公知の方法を採用できる。
本発明の弾性繊維(弾性繊維本体)は、ポリエーテル系ポリウレタン、ポリエステル系ポリウレタン、ポリエーテルエステルエラストマー、ポリエステルエラストマー、ポリエチレンエラストマー、ポリアミドエラストマー等を使用した弾性を有する繊維であり、その伸度は通常300%以上である。
本発明の弾性繊維としては、PTMGやポリエステルジオールと有機ジイソシアネートを反応させ、次いで、1,4ブタンジオール、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ペンタンジアミンなどで鎖延長した、ポリウレタンあるいはポリウレタンウレアから構成されるものが挙げられる。例えば、ポリウレタンウレア弾性繊維は、分子量1000〜3000のポリテトラメチレングリコール(PTMG)とジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)とを用意し、PTMG/MDI=1/2〜1/1.5(モル比)でジメチルアセトアミドやジメチルホルムアミド等の溶媒中で反応させ、エチレンジアミン、プロパンジアミン等のジアミンで鎖延長して得られるポリウレタンウレアポリマーの20〜40%溶液を乾式紡糸で、紡糸速度400〜1200m/minで紡糸することにより製造できる。弾性繊維本体の適応繊度は、特に制限はない。
本発明の弾性繊維本体は、酸化チタン、酸化マグネシウム、ハイドロタルサイト、酸化亜鉛等の無機物、金属石鹸等の有機化合物を含有してもよい。金属石鹸としては、2−エチルヘキシル酸カルシウム、ステアリン酸カルシウム、パルミチン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、パルミチン酸マグネシウム、ラウリン酸マグネシウム、ステアリン酸バリウム、カプリン酸亜鉛、ベヘニン酸亜鉛、ステアリン酸亜鉛等が挙げられる。無機物は、1種又は2種以上を用いてもよい。
本発明の弾性繊維の用途として、CSY、シングルカバリング、PLY、エアーカバリング等のカバリング糸等の加工糸や、丸編み、トリコット等により、布帛として使用することができる。また、これらの加工糸、布帛を使用してストッキング、靴下、下着、水着等の伸縮性が必要とされる製品や、ジーンズ、スーツ等のアウターウェア等に快適性のために伸縮性を付与させる目的でも使用される。さらに最近では、紙おむつにも適用される。
以下、実施例及び比較例により本発明を具体的に説明するが、本発明はここに記載した実施例に限定されるものではない。なお、以下の実施例に示される「パーセント(%)」及び「部」は、特に限定しない限り、「重量%」及び「重量部」を示す。なお、実施例及び比較例において、弾性繊維用処理剤の各特性の評価は次の方法に従って行った。
〔リン酸エステル(X)の製造〕
(リン酸エステル(X−1)の製造)
反応容器に炭素数C7〜9のアルコール(平均炭素数(c)8.4、平均分岐数(d)2.0)800重量部を仕込み、攪拌しながら60±5℃で五酸化二燐281重量部(Pとして、アルコールに対するモル比0.33)を反応温度に注意しながら少量ずつ投入した。その後、75±5℃で3時間熟成し、リン酸エステル(X−1)を調製した。
(X−2の製造)
炭素数C7〜9のアルコール800重量部をイソC13のアルコール(平均炭素数(c)13.0、平均分岐数(d)2.1)800重量部に変更し、五酸化二燐を190重量部に変更した以外は、(X−1の製造)と同様にして、リン酸エステル(X−2)を調製した。
(X−3の製造)
炭素数C7〜9のアルコール800重量部を炭素数C11−C14(C13rich)のイソアルキルアルコール(平均炭素数13.5(c)、平均分岐数(d)3.2)800重量部に変更し、五酸化二燐を184重量部に変更した以外は、(X−1の製造)と同様にして、リン酸エステル(X−3)を調製した。
(X−4の製造)
炭素数C7〜9のアルコール800重量部にオキシエチレン1mol及びオキシプロピレン3molをランダム付加させたもの800重量部に変更し、五酸化二燐を107重量部に変更した以外は、(X−1の製造)と同様にして、リン酸エステル(X−4)を調製した。
(X−5の製造)
炭素数C7〜9のアルコール800重量部を炭素数C11−C14(C13rich)のイソアルキルアルコール(平均炭素数13.5(c)、平均分岐数(d)3.2)にオキシエチレン1mol及びオキシプロピレン3molをランダム付加させたもの800重量部に変更し、五酸化二燐を89重量部に変更した以外は、(X−1の製造)と同様にして、リン酸エステル(X−5)を調製した。
〔リン酸エステル(PX)の製造〕
製造比較例である、リン酸エステル(PX)の製造を次の通り実施した。
(リン酸エステル(PX−1)の製造)
炭素数C7〜9のアルコール800重量部を2−エチル−1−ヘキサノール800重量部に変更し、五酸化二燐を293重量部に変更した以外は、(X−1の製造)と同様にして、リン酸エステル(PX−1)を調製した。
(リン酸エステル(PX−2)の製造)
炭素数C7〜9のアルコール800重量部を、2−エチル−1−ヘキサノールにオキシエチレン1mol及びオキシプロピレン3molをランダム付加させたもの800重量部に変更し、五酸化二燐を109重量部に変更した以外は、(X−1の製造)と同様にして、リン酸エステル(PX−2)を調製した。
(リン酸エステル(PX−3)の製造)
炭素数C7〜9のアルコール800重量部を、2−ヘキシル−1−デカノール800重量部に変更し、五酸化二燐を157重量部に変更した以外は、(X−1の製造)と同様にして、リン酸エステル(PX−3)を調製した。
(リン酸エステル(PX−4)の製造)
炭素数C7〜9のアルコール800重量部を、直鎖C12−C13アルコールと分岐数1のC12−C13アルコールの混合物(平均炭素数(c)12.6、平均分岐数(d)0.6)800重量部に変更し、五酸化二燐を196重量部に変更した以外は、(X−1の製造)と同様にして、リン酸エステル(PX−4)を調製した。
(リン酸エステル(PX−5)の製造)
炭素数C7〜9のアルコール800重量部を、直鎖C12アルコール800重量部に変更し、五酸化二燐を205重量部に変更した以外は、(X−1の製造)と同様にして、リン酸エステル(PX−5)を調製した。
〔アルキルリン酸エステル(B)の製造〕
アルキルリン酸エステル(B−1)(B−2)(PB−1)(PB−2)(PB−12)は、それぞれ上記リン酸エステル(X−1)(X−4)(PX−1)(PX−2)(PX−1)をそのまま適用した。
アルキルリン酸エステル(B−3)〜(B−12)及びアルキルリン酸エステル(PB−3)〜(PB−11)および(PB−13)、については、表2に示す各リン酸エステル(X)を中和することにより塩を得た。
〔帯電防止性の安定性評価法〕
帯電防止性の安定性は、弾性繊維を走行させ、(I)静電気発生量の平均値及び(II)静電気発生量の標準偏差、を測定して、(III)「静電気発生量の標準偏差/静電気発生量の平均値×100」を帯電防止性の安定性評価法の代用評価とした。
具体的な測定方法は次の通り。
図1において、糸解舒装置の解舒側ローラー(1)に処理剤を付与した繊維のチーズ(2)を設置し、巻き取り側ローラー(3)に紙管(4)を設置し、解舒側の糸解舒速度を50m/分、巻き取り速度を100m/分に設定する。
糸をチーズから引き出し、2つのローラーの中間地点に設置したアルミナ製のリングガイド(5)に糸を通した後、巻き取りローラー側の紙管(4)に巻き付ける。
次に、ローラー(1)及び(3)を同時に起動させ、糸を2倍に引き延ばしながら、糸を巻き取り側の紙管(4)に巻き取る。この糸が走行している状態において、アルミナ製のリングガイド(5)通過直後の糸上1cmに設置した春日式電位差測定装置(6)で、静電気発生量を3分間測定する。測定した静電気発生量は、デジタル記録計(7)で数値を記録する。
(I)静電気発生量の平均値
3分間の測定値全体の平均値を計算する。
(II)静電気発生量の標準偏差
3分間の測定値全体の標準偏差を計算する。
により求めた後、静電気発生量の標準偏差/静電気発生量の平均値×100を計算する。
(III)「静電気発生量の標準偏差/静電気発生量の平均値×100」が小さいほど、静電気発生量のバラツキが少なく安定していることを示す。以下の評価基準で、○以上を合格とした。
○:30以上(良好)
×:30未満(不良)
〔編成張力測定法〕
図2において、糸解舒装置の解舒側ローラー(8)に処理剤を付与した繊維のチーズ(9)を設置し、巻き取り側ローラー(10)に紙管(11)を設置し、解舒側の糸解舒速度を40m/分、巻き取り速度を120m/分に設定する。糸をチーズから引き出し、2つの張力計(12)(13)に糸をかける。2つの張力計の間に編針(14)を設置し、編針(4)に糸をかける。次に、ローラー(8)及び(10)を同時に起動させ、糸を3倍に引き延ばしながら、糸を巻き取り側の紙管(11)に3分間巻き取る。この時、糸は編針(14)を擦過し、その時の摩擦による張力変動が張力計(12)(13)で測定される。測定された値はデジタル記録計(15)で数値を記録する。張力計(13)で検出された数値の平均値を張力計(12)で検出された数値の平均値で除した値を摩擦係数とする。摩擦係数が低いほど、繊維/金属間の摩擦が低いことを示し、後工程における工程通過性が良好となる。
(実施例1〜13、比較例1〜13)
平均分子量1600のポリテトラメチレンエーテルグリコールと、4,4‘−ジフェニルメタンジイソシアネートをモル比率1:2で反応させ、次いで1,2−ジアミノプロパンのジメチルホルムアミド溶液を用いて鎖延長し、紡糸原液としてポリマー濃度33%のジメチルホルムアミド溶液を得た。なお、紡糸原液の濃度は1900mPa・S(測定温度:30℃)であった。
高級脂肪酸金属塩(D2、マグネシウムステアレート)を含まないものは、表2に記載の各成分を混合した後に20〜40℃で60分間撹拌して、高級脂肪酸金属塩(D2、マグネシウムステアレート)を含むものは、混合、攪拌したものを上記記載の湿式粉砕機を用いて高級脂肪酸金属塩を粉砕して、実施例1〜13及び比較例1〜13の弾性繊維用処理剤をそれぞれ得た。実施例及び比較例で用いた成分は、表1及び下記に示し、各弾性繊維用処理剤の組成は表2に示す。
表中に記載した成分は次の通りである。
D−1 : シリコーンレジン〔オルガノポリシロキサン樹脂 (MQシリコーンレジン型、400mm/s(25℃))〕
D−2 : マグネシウムステアレート
D−3 : イソセチルアルコール
D−4 : ジオクチルスルホサクシネートNa塩
D−5 : アミノ変性シリコーン(側鎖変性型、アミン価 28KOHmg/g、3500mm/s(25℃))
D−6 : ポリエーテル変性シリコーン((側鎖ポリ(オキシプロピレン/オキシエチレン)変性型、150mm/s(25℃))
D−7 : 2級アルコール(C12〜13)のオキシエチレン3mol付加物
表中に記載したEOLAは、エチレンオキサイド1モル付加モノラウリルアミンを示し、DBEAは、ジブチルエタノールアミンを示す。
得られた紡糸原液を4つの細孔を有する紡糸口金より195℃のN気流中に吐出して乾式紡糸した。弾性繊維用処理剤をそれぞれオイリングローラーで、紡糸中の走行糸(弾性繊維本体)に対して6重量%付与した。従って、弾性繊維全体に対して弾性繊維用処理剤が5.66重量%付与された。その後、弾性繊維用処理剤で処理した弾性繊維をそれぞれ毎分500mの速度でボビンに巻取り、77dtexマルチフィラメントチーズ(巻き量400g)を得た。得られたチーズを用いて、上記評価方法によりそれぞれ評価した。その結果を表3に示す。
Figure 0006051347
Figure 0006051347
Figure 0006051347
表3から分かるように、実施例1〜13では、ベース成分(A)と、上記一般式(1)に示されるRの分岐数の平均値(b)/Rの平均炭素数(a)が0.15以上であるアルキルリン酸エステル(B)とを含む、弾性繊維用処理剤を用いているので、処理剤性状及び帯電防止性の安定性に優れる。
一方、Rの分岐数の平均値(b)/Rの平均炭素数(a)が0.15未満の場合(比較例1〜10、12及び13)、アルキルリン酸エステルのアルキル基が直鎖である場合(比較例11)には、本願の課題のいずれかが解決できていない。
本発明の弾性繊維用処理剤は、安定して帯電防止性に優れるため、弾性繊維の製造工程に好適に適用される。
1 解舒側ローラー
2 処理剤を付与した繊維のチーズ
3 巻き取り側ローラー
4 紙管
5 アルミナ製のリングガイド
6 春日式電位差測定装置
7 デジタル記録計
8 解舒側ローラー
9 処理剤を付与した繊維のチーズ
10 巻き取り側ローラー
11 紙管
12 張力計
13 張力計
14 編針
15 デジタル記録計

Claims (6)

  1. シリコーンオイル、鉱物油及びエステル油から選ばれる少なくとも1種のベース成分(A)と、下記一般式(1)で示される化合物及びその塩から選ばれる少なくとも1種のアルキルリン酸エステル(B)とを含む、弾性繊維用処理剤。
    Figure 0006051347
    (一般式(1)中、AOは炭素数2〜4のオキシアルキレン基である。nは0〜30の数である。Rはアルキル基であり、Rの平均炭素数を(a)とし、Rの分岐数の平均値を(b)とした場合、(b)/(a)が0.15以上である。mは1〜2の数である。分子内に(AO)が2つある場合には、お互いに同一であっても異なっていてもよい。)
  2. 前記(b)/(a)が0.18以上である、請求項1に記載の弾性繊維用処理剤。
  3. 前記(b)が1.5以上である、請求項1又は2に記載の弾性繊維用処理剤。
  4. 前記Rは、メチル基である側鎖を1以上有する、請求項1〜3のいずれかに記載の弾性繊維用処理剤。
  5. 処理剤に占める前記アルキルリン酸エステル(B)の重量割合が0.01〜50重量%である、請求項1〜4のいずれかに記載の弾性繊維用処理剤。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の処理剤が弾性繊維本体に対して付与されてなる、弾性繊維。
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