JP2008133547A - 弾性繊維用油剤 - Google Patents

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太郎 濱田
Yoshiyuki Wakahara
義幸 若原
Yukinori Tose
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Abstract

【課題】 弾性繊維を製造する際に、高速での解舒安定性に優れる弾性繊維用油剤を提供する。
【解決手段】 シリコーンオイル(A1)および/又は炭化水素系潤滑油(A2)からなるベースオイル(A)と、下記一般式(1)で示される有機リン酸エステル化合物(B)を必須成分とすることを特徴とする弾性繊維用油剤である。
【化1】
Figure 2008133547

(式中、R1は、炭素数1〜30の直鎖又は分岐のアルキル基、炭素数2〜24のアルケニル基、又は一部置換されていてもよい炭素数6〜36のアリル基;Aは炭素数2〜4のアルキレン基;mは0又は1〜10の整数;qとrはそれぞれ独立に1又は2であって、かつq+r=3を満足する整数を表す。)
【選択図】なし

Description

本発明は、弾性繊維用油剤に関し、さらに詳しくはポリウレタン弾性繊維製造時において、高速での解舒安定性に優れたポリウレタン弾性繊維を得るために、紡糸工程で使用される弾性繊維用油剤に関する。
従来より、ポリウレタン弾性繊維の紡糸方法としては、溶融紡糸、乾式紡糸、湿式紡糸などがあるが、いずれの紡糸方法でも繊維同士の膠着性が大きいため、編織工程などの後加工工程での解舒性の悪さが問題となっている。
そこで、弾性繊維製造時の紡糸工程に用いる弾性繊維用油剤として、膠着防止剤を添加した油剤が提案されている。この膠着防止剤としては、固体の金属石鹸を懸濁させた繊維処理用油剤(特許文献1〜3)、ポリエーテル変性シリコーンを配合した繊維処理用油剤(特許文献4と5)などが提案されている。
特公昭41−286号公報 特公昭40−5557号公報 特開昭57−128276号公報 特開平2−127569号公報 特開平6−41873号公報
ところで近年、弾性繊維を使用した生地を生産する上で、従来よりも解舒速度を上げることにより生産性を向上させるニーズが高まっている。特に、エアーカバリング用途にはカバリング工程時に高速解舒性が求められている。
しかしながら特許文献1〜5で提案されている油剤では、膠着防止性が改善され、低速での解舒性は良いものの、高速になると糸が滑り過ぎ、解舒安定性が悪くなるため、後加工工程において糸の張力変動が大きくなることが原因で糸切れなどが起こり、生産性を著しく落とす問題がある。そこで、ポリウレタン弾性繊維用油剤において、これらの課題を解決することが可能な弾性繊維用油剤の開発が望まれている。
本発明の目的とするところは、弾性繊維を製造する際に、高速での解舒安定性に優れる弾性繊維用油剤を提供することにある。
本発明者らは上記の弾性繊維用油剤を得るべく鋭意検討した結果、ベースオイル(A)に、特定の有機リン酸エステル化合物を含有することにより上記問題点を解決できることを見出し、本発明に到達した。
すなわち本発明は、シリコーンオイル(A1)および/又は炭化水素系潤滑油(A2)からなるベースオイル(A)と、下記一般式(1)で示される有機リン酸エステル化合物(B)を含有することを特徴とする弾性繊維用油剤(C);該弾性繊維用油剤(C)を紡糸工程で、繊維に対して0.1〜12.0重量%付与し、精練する繊維の処理方法;並びに上記の処理方法により処理されてなる弾性繊維である。
Figure 2008133547
(式中、R1は、炭素数1〜30の直鎖又は分岐のアルキル基、炭素数2〜24のアルケニル基、又は一部置換されていてもよい炭素数6〜36のアリル基;Aは炭素数2〜4のアルキレン基;mは0又は1〜10の整数;qとrはそれぞれ独立に1又は2であって、かつq+r=3を満足する整数を表す。)
本発明の弾性繊維用油剤は、繊維を製造する際に繊維に適度な粘着性を付与することができるため、安定した高速解舒性を維持できるという効果を奏する。このため、特にエアーカバリング用途など、速い後加工速度が要求されるポリウレタン弾性弾性繊維用油剤として極めて有効である。
本発明における弾性繊維用油剤には、シリコーンオイル(A1)および/又は炭化水素系潤滑油(A2)からなるベースオイル(A)と有機リン酸エステル化合物(B)を必須成分として含有することが、解舒安定性の観点から必要である。
本発明のシリコーンオイル(A1)としては、ポリジメチルシロキサンの一部が炭素数2〜20のアルキル基および/またはフェニル基で置換されたものなどが使用できる。
炭化水素系潤滑油(A2)としては、鉱物油およびその精製油、水添油、分解油などが使用できる。
これらのベースオイル(A)のうち好ましいものは、25℃における粘度が1〜1000mm2/sのベースオイルである。さらに好ましくは2〜500mm2/s、特に好ましくは3〜200mm2/sのベースオイルである。
ベースオイル(A)としては、シリコーンオイル(A1)、炭化水素系潤滑油(A2)それぞれ単独でも混合物であってもよい。好ましくは(A2)単独、(A1)と(A2)の混合物であり、さらに好ましくは(A1)と(A2)の混合物である。
混合物の場合、シリコーンオイル(A1)と炭化水素系潤滑油(A2)の合計重量に基づいて、(A1)の含有量は5〜80重量%が好ましく、さらに好ましくは10〜70重量%、特に好ましくは20〜60重量%である。
本発明の弾性繊維用油剤(C)において、ベースオイル(A)の含有量は平滑性の観点から、油剤の全重量に基づいて、通常80〜99.9重量%、好ましくは85〜99.8重量%、特に好ましくは90〜99.5重量%である。
本発明の有機リン酸エステル化合物(B)は、下記一般式(1)で表される化合物である。
Figure 2008133547
式中のR1は、炭素数1〜30の直鎖又は分岐のアルキル基、炭素数2〜24のアルケニル基、又は一部置換されていてもよい炭素数6〜36のアリル基を表す。
また、式中のAは炭素数2〜4のアルキレン基を表し、AOとしてアルキレンオキサイドの付加を意味する。
そしてmはこのアルキレンオキサイドの付加モル数を意味し、0又は1〜10の整数である。
qとrはリン原子に結合する基の数を意味し、それぞれ独立に1又は2であるが、但しq+r=3を満足する整数の組み合わせである。
有機リン酸エステル化合物(B)は、qとrの組み合わせにより、qが1かつrが2である下記の一般式(2)で示される有機リン酸モノエステル(B1)(以下、モノエステル体と略記する。)と、qが2かつrが1である下記の一般式(3)で示される有機リン酸ジエステル(B2)(以下、ジエステル体と略記する。)に場合分けできる。
Figure 2008133547
Figure 2008133547
ここで、式中のR2とR3はそれぞれ独立に、炭素数1〜30の直鎖又は分岐のアルキル基、炭素数2〜24のアルケニル基、又は一部置換されていてもよい炭素数6〜36のアリル基を表す。Aとmは式(1)の場合と同様である。
1、R2、R3がアルキル基の場合は、炭素数1〜30の直鎖又は分岐のアルキル基であり、好ましくは、炭素数2〜28の直鎖又は分岐のアルキル基であり、さらに好ましくは炭素数3〜24の直鎖又は分岐のアルキル基である。また、アルケニル基の場合は、炭素数2〜24のアルケニル基であり、好ましくは炭素数6〜22のアルケニル基である。さらに、アリル基の場合は、炭素数6〜36のアリル基であり、その一部がアルキル基、ハロゲン基、水酸基などで置換されていてもよい。
Aは炭素数2〜4のアルキレン基を表し、AOとしてアルキレンオキサイドの付加を意味する。AOのアルキレンオキサイドとしては、エチレンオキサイド(以下、EOと略記する。)、プロピレンオキサイド(以下、POと略記する。)、ブチレンオキサイド、およびこれらのランダム状またはブロック状の併用が挙げられる。これらのうち好ましいものはEOおよび/またはPOである。
また、mはこのアルキレンオキサイドの付加モル数を意味し、0又は1〜10の整数であり、好ましくは0又は1〜8の整数である。mがこの範囲にあると、解舒安定性および油剤安定性の観点において優れる。
本発明の有機リン酸エステル化合物(B)は、無機リン酸(例えば、五酸化リンなど)に対して、炭素数1〜30の直鎖又は分岐のアルキルアルコール(b1)、炭素数2〜24のアルケニルアルコール(b2)、炭素数6〜36のフェノール誘導体(b3)、及びこれらのアルコール類のアルキレンオキサイド付加物(b4)を反応させて得られる。
この反応は、製造条件(反応温度、原料のモル比等)を調整することにより、モノエステル体とジエステル体のモル比が任意である有機リン酸エステル化合物を得ることができるが、一般的には、モノエステル体とジエステル体の混合物が得られる。
なお、これらを構成するアルコールは天然物由来のものでも合成されたものでもどちらでもよい。これらのうち、好ましいのは(b1)、(b2)およびこれらのアルキレンオキサイド付加物であり、さらに好ましいのは、(b1)およびこのアルキレンオキサイド付加物であり、特に好ましいのは、(b1)である。
上記のアルキルアルコール(b1)とは、炭素数1〜30のアルキルアルコールであり、直鎖状又は分岐状のいずれでもよい。好ましくは炭素数2〜28、さらに好ましくは炭素数3〜24、特に好ましくは炭素数6〜22のものであり、例えば、ヘキシルアルコール、ヘプチルアルコール、オクチルアルコール、ノニルアルコール、デシルアルコール、ウンデシルアルコール、ドデシルアルコール、トリデシルアルコール、テトラデシルアルコール、ペンタデシルアルコール、ヘキサデシルアルコール、ヘプタデシルアルコール、オクタデシルアルコール、ノナデシルアルコールおよびエイコシルアルコールなどが挙げられる。
上記のアルケニルアルコール(b2)とは、炭素数2〜24のアルケニルアルコールであり、好ましくは炭素数6〜22のものである。例えば、ヘキセニルアルコール、ヘプテニルアルコール、オクテニルアルコール、デセニルアルコール、ウンデセニルアルコール、ドデセニルアルコール、テトラデセニルアルコール、ペンタデセニルアルコール、ヘキサデセニルアルコール、ヘプタデセニルアルコール、オクタデセニルアルコールおよびノナデセニルアルコールならびに2−エチルデセニルアルコールなどが挙げられる。
上記のフェノール誘導体(b3)とは、炭素数6〜36のフェノール誘導体であり、アリル基の一部がアルキル基、ハロゲン基、水酸基などで置換されていてもよい。例えば、フェノール、1−ナフトール、2−ナフトールなどが挙げられる。
さらに、上記のアルコール類のアルキレンオキサイド付加物(b4)とは、炭素数2〜4のアルキレンオキサイドを、1〜10モルアルコールに付加したものである。ここでアルキレンオキサイドとしては、EO、PO、ブチレンオキサイドおよびこれらのランダム状またはブロック状の併用が挙げられる。これらのうち好ましいものはEOおよび/またはPOである。
アルキレンオキサイドの付加モル数は、好ましくは1〜8の整数である。これらのものの例として、デシルアルコールのEO3モル付加物、トリデシルアルコールのEO5モル付加物、ヘキサデシルアルコールのEO3モル付加物、イソトリデシルアルコールのEO5モル・PO3モル付加物などが挙げられる。
有機リン酸エステル化合物(B)の使用としては、有機リン酸モノエステル(B1)、有機リン酸ジエステル(B2)それぞれ単独の使用であってもいいし、これらの混合物であってもよい。好ましくは(B1)と(B2)の混合物である。この場合、(B1)/(B2)のモル比は10/90〜90/10であり、30/70〜70/30が好ましく、35/75〜65/45が解舒安定性の観点からさらに好ましい。
<モノエステル体/ジエステル体のモル比の測定方法>
有機リン酸モノエステルの試料0.5gを100mlビーカーに精秤し、変性アルコール・キシレン(容量比で2/1)混合溶液50mlを加え、溶解する。この溶解液を攪拌しながら、電位差滴定測定装置を使用して、0.1N水酸化カリウム・メチルアルコール滴定液で滴定し、次式でモノエステル体とジエステル体のモル比を計算する。
モノエステル体/ジエステル体の比= Y/(X−Y)
但し、Xは第一変曲点までに要した0.1N水酸化カリウム・メチルアルコール滴定液の滴定ml数を表し、Yは第一変曲点から第二変曲点までに要した0.1N水酸化カリウム・メチルアルコール滴定液の滴定ml数を表す。
本発明の弾性繊維用油剤(C)において、有機リン酸エステル化合物(B)の含有量は、油剤の全重量に基づいて、通常0.01〜20重量%であり、好ましくは0.02〜15重量%、さらに好ましくは0.05〜10重量%である。
これら範囲であると、特に高速での解舒安定性が良好であり、糸の張力変動が大きくなることが原因で糸切れするなどの問題が生じる恐れがない。
本発明の弾性繊維用油剤(C)には、膠着防止性を増大させる目的で、膠着防止剤(d)を本発明の弾性繊維用油剤の性能を損なわない量を追加配合してもよい。
膠着防止剤(d)としては、例えば、分子内に少なくとも1つのカルボキシル基および/又はカルボキシレート基を有する化合物、またはその塩(d1);シリコーンレジン(d2)などが挙げられる。
カルボキシル基などを含有する化合物(d1)としては、高級脂肪酸(またはその塩)、やカルボキシル基および/又はカルボキシレート基を含有するポリマーなどが挙げられる。
これらのうち、好ましいものは、炭素数6〜30の高級脂肪酸の金属塩であり、例えば、ジラウリン酸マグネシウム塩、ジラウリン酸カルシウム塩、;ジミリスチン酸マグネシウム塩、ジミリスチン酸カルシウム塩;ジパルミチン酸マグネシウム塩、ジパルミチン酸カルシウム塩;ジステアリン酸マグネシウム塩、ジステアリン酸カルシウム塩;ジイソステアリン酸マグネシウム塩、ジイソステアリン酸カルシウム塩;ジベヘン酸マグネシウム塩、ジベヘン酸カルシウム塩;パルミチン酸ステアリン酸マグネシウム塩、パルミチン酸ステアリン酸カルシウム塩などが挙げられる。
シリコーンレジン(d2)としては、分子内に3官能性シロキサン単位、あるいは4官能性シロキサン単位を含有するポリオルガノシロキサンなどが挙げられる。
好ましいものは、重量平均分子量(ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによる。以下、Mwと略記する。)が1,000〜100,000のメチルシリコーンレジン、およびMwが1,000〜100,000のアミノ変性オルガノポリシロキサンからなるレジンであり、さらに好ましくは、Mwが1,500〜30,000のメチルシリコーンレジンである。
本発明の油剤に適用できる膠着防止剤(d)として好ましいのは(d1)である。
(d1)の配合量は、弾性繊維用油剤の重量に基づいて通常、10重量%以下、好ましくは4重量%以下である。
本発明の弾性繊維用油剤(C)には、制電性を増大させる目的で、制電剤(e)を本発明の弾性繊維用油剤の性能を損なわない量を追加配合してもよい。
制電剤(e)としては、一般に弾性繊維用油剤に用いられるもの使用できる。
制電剤(e)を使用する場合、(e)の含有量は、弾性繊維用油剤の重量に基づいて、通常、0〜12重量%、好ましくは0.1〜10.0重量%である。
本発明の弾性繊維用油剤(C)には、柔軟性を付与させる目的で、柔軟剤(f)を本発明の弾性繊維用油剤の性能を損なわない量で追加配合してもよい。
この目的には、公知の柔軟剤が使用でき、例えば、エポキシ変性シリコーン、アミノ変性シリコーン、およびカルボキシル変性シリコーンなどが挙げられる。
これらの柔軟剤(f)を使用する場合には、(f)の含有量は、弾性繊維用油剤の重量に基づいて、通常、0〜12重量%、好ましくは0.1〜10.0重量%である。
本発明の弾性繊維用油剤(C)には、上記成分以外の界面活性剤を本発明の弾性繊維用油剤の性能を損なわない量を追加配合してもよい。
本発明の弾性繊維用油剤(C)の製造方法としては、例えば以下の方法が挙げられる。
炭化水素系潤滑油(A2)および有機リン酸エステル化合物(B)を一緒に撹拌装置のある槽に入れ、20〜90℃で撹拌する。このとき、膠着防止剤(d)として高級脂肪酸金属塩、制電剤(e)などを添加してもよい。その後、撹拌しながらシリコーンオイル(A1)を入れ、15〜40℃に冷却することで本発明の弾性繊維用油剤(C)を得ることができる。
弾性繊維用油剤の付与形態は、通常非含水の状態で使用することができるが、必要に応じて水乳化物として使用してもよい。
非含水の状態とは、そのまま(ストレート給油)、または希釈剤(有機溶媒、低粘度鉱物油など)で希釈して使用することができる。希釈比率は特に限定されないが、油剤の重量[非揮発分の合計重量]は、希釈後の希釈油剤の全重量に基づいて、通常1〜80重量%、好ましくは5〜70重量%である。
本発明の弾性繊維用油剤は弾性繊維の紡糸工程(例えば200〜1,200m/分)において、紡出後、糸が巻き取られるまでの任意の位置で、ノズルまたはローラー給油で糸に付与させることができる。給油する弾性繊維用油剤の温度は通常10〜80℃、好ましくは15〜60℃である。
本発明の弾性繊維用油剤は、通常弾性繊維に対して、非揮発分として、好ましくは0.1〜12.0重量%、さらに好ましくは0.5〜10.0重量%、特に好ましくは1.0〜8.0重量%付与させる。
本発明の弾性繊維用油剤を適用できる弾性繊維としては、ポリウレタン弾性糸、ポリエステル弾性糸、ポリアミド弾性糸およびポリカーボネート弾性糸などが挙げられるが、とくにポリウレタン弾性糸に好適に使用できる。
本発明の弾性繊維用油剤を適用できる弾性繊維の維度は、特に限定されないが、通常10〜2500dtx、好ましくは11〜1870dtxである。
本発明の弾性繊維用油剤で処理されてなる弾性繊維は、エアーカバリングや整経などの特に高速が要求される後加工工程で有効に使用され、最終製品に仕上げられる。
なお、弾性繊維は他の合成繊維、例えばナイロン繊維やポリエステル繊維と混紡して使用される。従って、本発明の弾性繊維用油剤は、付与された後、他の合成繊維の紡糸油剤と一緒に洗浄され、除去されることが多い。精練工程では、水系精練または溶剤精練が行われる。
最終製品としては、衣料用[例えばパンティーストッキング、靴下、インナーファンデーション(ブラジャー、ガードル、ボディースーツなど)、アウターウェア(ジャケット、スラックスなど)、スポーツウェア(水着、レオタード、スキーズボンなど)]および産業資材用(例えば紙おむつ、ベルトなど)などに広く適用できる。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。なお、文中および表中の部は重量部(有効成分)を表す。
実施例1〜4および比較例1〜4
下記表1記載の配合処方で各成分を配合して、本発明の実施例および比較例の弾性繊維用油剤を調製した。
なお、表1の配合に記載した各成分は以下の通りである。
・ポリジメチルシロキサン:KF−96−10CS(信越化学工業株式会社製:粘度10mm2/s(25℃))
・流動パラフィン:流パン60S(三光化学株式会社製:粘度15mm2/s(25℃))
・有機リン酸エステル化合物−1:イソヘキサデシルホスフェート(モル比でモノ体/ジ体=1/1)
・有機リン酸エステル化合物−2:n−ヘキサデシルホスフェート(モル比でモノ体/ジ体=1/1)
・有機リン酸エステル化合物−3:イソトリデシルホスフェート(モル比でモノ体/ジ体=1/1)
・有機リン酸エステル化合物−4:イソヘキサデシルホスフェート(モル比でモノ体/ジ体=2/1)
・有機リン酸エステル塩−1:イソヘキサデシルホスフェート・ナトリウム塩(モル比でモノ体/ジ体=1/1)
・有機リン酸エステル塩−2:イソトリデシルホスフェート・カリウム塩(モル比でモノ体/ジ体=1/1)
・有機リン酸エステル塩−3:イソヘキサデシルホスフェート・ジブチルエタノールアミン塩(モル比でモノ体/ジ体=1/1)
・界面活性剤:ポリオキシエチレン(3モル付加)ラウリルエーテル酢酸・ナトリウム塩
Figure 2008133547
[実施例1]
イソヘキサデシルホスフェート(モル比でモノ体/ジ体=1/1)3.0部、ジステアリン酸マグネシウム1.0部、ポリオキシエチレン(3モル付加)ラウリルエーテル酢酸・ナトリウム塩1.0部および流動パラフィン50.0部を70〜80℃で1時間混合した。その後、これにポリジメチルシロキサン45.0部を加え、30℃に冷却し、実施例1の弾性繊維用油剤(C−1)を調整した。
[実施例2~4]
実施例1のイソヘキサデシルホスフェートを、表1に記載の配合量の有機リン酸エステル化合物に代える以外は同様にして、実施例2〜4の弾性繊維用油剤(C−2)〜(C−4)を調製した。ただし、有機リン酸エステル化合物の添加量が異なる場合は、合計が100重量%となるように流動パラフィンの添加量で調節した。
[比較例1~3]
実施例1のイソヘキサデシルホスフェートを、表1に記載の配合量の有機リン酸エステルの金属塩またはアミン塩に代える以外は同様にして、比較例1〜3の弾性繊維用油剤(C’−1)〜(C’−3)を調製した。ただし、(C’−2)の場合は、合計が100重量%となるように流動パラフィンを添加し調節した。
[比較例4]
ジステアリン酸マグネシウム0.5部、ポリオキシエチレン(3モル付加)ラウリルエーテル酢酸・ナトリウム塩1.0部および流動パラフィン59.0部を70〜80℃で1時間混合した。その後、これにポリジメチルシロキサン39.5部を加え、30℃に冷却し、比較例4の弾性繊維用油剤(C’−4)を調製した。
太さ44dtxのポリウレタン弾性繊維の乾式紡糸法において、実施例と比較例の弾性繊維用油剤をローラー給油で油剤付着量がフィラメント重量に対し6重量%になるよう付与させ、600m/分でチーズに巻き取り、油剤で処理したポリウレタン繊維を得た。
解舒安定性試験を行なった性能評価結果を併せて表1に示す。
実施例および比較例で得られた弾性繊維用油剤を付与した糸の解舒安定性の評価方法は以下の通りである。
<解舒安定性試験>
紡糸工程で巻き取ったチーズを用い、エアーカバリング装置にかけ(解舒速度:100m/分、巻き取り速度:300m/分)、1時間あたりの糸切れ回数を測定し、次の基準で判定した。
−判定基準−
◎:1回以下
○:2回以上、5回以下
△:6回以上、9回以下
×:10回以上
表1から明らかなように、本発明で有機リン酸エステル化合物を含有した弾性繊維用油剤(実施例1〜4)は、解舒安定性に非常に優れることがわかった。それに対し、比較例1〜4は解舒安定性が不十分である。
本発明の弾性繊維用油剤は、高速での解舒安定性が優れており、エアーカバリング工程などの特に高速解舒性が必要とされる後加工工程において、糸の張力変動が大きいことが原因となるような糸切れ回数を減らすことができ、生産性を安定にするといった優れた特徴を有し、特に細デシテックス繊維の高速紡糸工程に好適である。

Claims (6)

  1. シリコーンオイル(A1)および/又は炭化水素系潤滑油(A2)からなるベースオイル(A)と、下記一般式(1)で示される有機リン酸エステル化合物(B)を必須成分とすることを特徴とする弾性繊維用油剤(C)。
    Figure 2008133547
    (式中、R1は、炭素数1〜30の直鎖又は分岐のアルキル基、炭素数2〜24のアルケニル基、又は一部置換されていてもよい炭素数6〜36のアリル基;Aは炭素数2〜4のアルキレン基;mは0又は1〜10の整数;qとrはそれぞれ独立に1又は2であって、かつq+r=3を満足する整数を表す。)
  2. 弾性繊維用油剤全体に対して、該ベースオイル(A)の含有量が80〜99.9重量%かつ該有機リン酸エステル化合物(B)の含有量が0.01〜20重量%である請求項1記載の弾性繊維用油剤(C)。
  3. 該有機リン酸エステル化合物(B)が、下記一般式(2)で示される有機リン酸モノ←エステル(B1)および/または下記一般式(3)で示される有機リン酸ジエステル(B2)である請求項1または2記載の弾性繊維用油剤(C)。
    Figure 2008133547
    Figure 2008133547
    (式中、R2とR3はそれぞれ独立に、炭素数1〜30の直鎖又は分岐のアルキル基、炭素数2〜24のアルケニル基、又は一部置換されていてもよい炭素数6〜36のアリル基;Aは炭素数2〜4のアルキレン基;mは0又は1〜10の整数を表す。)
  4. 該有機リン酸モノエステル(B1)と該有機リン酸ジエステル(B2)とのモル比(B1)/(B2)が10/90〜90/10である請求項1〜3のいずれか記載の弾性繊維用油剤(C)。
  5. 請求項1〜4のいずれか記載の弾性繊維用油剤(C)を紡糸工程で、弾性繊維に対して0.1〜12.0重量%付与する弾性繊維の処理方法。
  6. 請求項5記載の処理方法により処理されてなる弾性繊維。
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