JP6855094B2 - 衣料製造用合成繊維処理剤及び合成繊維 - Google Patents

衣料製造用合成繊維処理剤及び合成繊維 Download PDF

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Description

本発明は、衣料製造用合成繊維処理剤及び、かかる処理剤が付着している合成繊維に関する。
近年、合成繊維の紡糸工程や仮撚工程、後加工工程においては、高速化が更に一段と進み、これに伴って静電気の発生や生産糸の毛羽がますます発生し易くなっている。かかる静電気や毛羽の発生を防止するため、合成繊維に付着させる合成繊維処理剤としてこれらを防止するための機能性向上剤の含有割合を増加させたものを使用することや、合成繊維に対する合成繊維処理剤の付着量を上げることが行われているが、依然として近年の高速化には充分に対応できていない。
従来、合成繊維の静電気発生や毛羽を抑える合成繊維処理剤として提案されているものとしては、(1)エチレンオキサイド/プロピレンオキサイド=40/60〜20/80(重量比)の割合で共重合した分子量5000〜7000のポリオキシアルキレングリコールと、炭素数8〜14のモノカルボン酸と炭素数6〜14のアルキルアミン塩又は第4級アンモニウム塩とを含有する合成繊維処理剤(特許文献1)、(2)特定の有機スルホン酸金属化合物を含有する合成繊維処理剤(特許文献2)、(3)特定の有機亜鉛化合物を含有する合成繊維処理剤(特許文献3)等が挙げられる。
特開平10−245729号公報 特開2009−13553号公報 特開2013−007141号公報
しかしながら、上記のような従来の合成繊維処理剤には、近年のような高速下の生産条件や加工条件において、静電気や毛羽の抑制が不充分であった。
本発明が解決しようとする課題は、合成繊維の紡糸工程や仮撚工程、後加工工程における近年の高速化にも対応して、紡糸工程における合成繊維と各種接触体との擦過やインターレース通過時の毛羽の発生や、仮撚工程、後加工工程における合成繊維同士又は、合成繊維と各種接触体(例えばローラー、ガイド、ヒーター等)との擦過による静電気の発生、さらには、仮撚工程における仮撚デイスク等との擦過等による毛羽の発生、これらを充分に防止できる衣料製造用合成繊維処理剤及び、かかる処理剤が付着している合成繊維を提供する処にある。
本発明者は上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、合成繊維の紡糸工程や仮撚工程、後加工工程における近年の高速化にも対応して、静電気や毛羽の発生を充分に防止するためには、特定の化学構造を有する3種類のスルホン酸化合物が大きく関与していることを見出し、上記課題を解決するに至ったものである。
本発明は、具体的には次の事項を要旨とする。
1.非イオン界面活性剤及びイオン界面活性剤を含有し、前記イオン界面活性剤が下記の式(1)で示される化合物A、下記の式(2)で示される化合物B及び下記の式(3)で示される化合物Cを含むものであって、前記非イオン界面活性剤及び前記イオン界面活性剤の含有割合の合計を100質量%とすると、前記化合物A、前記化合物B及び前記化合物Cを合計で0.1〜10質量%の割合で含有することを特徴とする、衣料製造用合成繊維処理剤。
Figure 0006855094

(式(1)中において、
:炭素数6〜24のアルケニル基。
:水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム、ホスホニウム又は有機アミン塩。)
Figure 0006855094

(式(2)中において、
:炭素数6〜24のヒドロキシアルキル基。
:水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム、ホスホニウム又は有機アミン塩。)
Figure 0006855094

(式(3)中において、
:スルホ基(−SO)を少なくとも1つ有する炭素数6〜24の炭化水素基。
:水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム、ホスホニウム又は有機アミン塩。
但し、分子中にMが2以上ある場合は、それらは互いに同一であっても異なっていてもよい。)
2.平滑剤、非イオン界面活性剤及びイオン界面活性剤を含有し、前記イオン界面活性剤が下記の式(1)で示される化合物A、下記の式(2)で示される化合物B及び下記の式(3)で示される化合物Cを含むものであって、前記平滑剤、前記非イオン界面活性剤及び前記イオン界面活性剤の含有割合の合計を100質量%とすると、前記化合物A、前記化合物B及び前記化合物Cを合計で0.1〜10質量%の割合で含有することを特徴とする、衣料製造用合成繊維処理剤(ただし、合成繊維紡糸工程用処理剤を除く)
Figure 0006855094

(式(1)中において、
:炭素数6〜24のアルケニル基。
:水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム、ホスホニウム又は有機アミン塩。)
Figure 0006855094

(式(2)中において、
:炭素数6〜24のヒドロキシアルキル基。
:水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム、ホスホニウム又は有機アミン塩。)
Figure 0006855094

(式(3)中において、
:スルホ基(−SO)を少なくとも1つ有する炭素数6〜24の炭化水素基。
:水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム、ホスホニウム又は有機アミン塩。
但し、分子中にMが2以上ある場合は、それらは互いに同一であっても異なっていてもよい。)
3.前記化合物A、前記化合物B及び前記化合物Cの含有割合の合計を100質量%とすると、前記化合物Aを40〜79質量%、前記化合物Bを20〜59質量%及び前記化合物Cを1〜40質量%の割合で含む、1.又は2.に記載の衣料製造用合成繊維処理剤。
4.前記式(1)のR、前記式(2)のR及び前記式(3)のRが、炭素数10〜20のものである、1.〜3.のいずれか一項に記載の衣料製造用合成繊維処理剤。
5.イオンクロマトグラフ法により前記衣料製造用合成繊維処理剤から検出される硫酸イオンの濃度が100ppm以下である、1.〜4.のいずれか一項に記載の衣料製造用合成繊維処理剤。
6.1.〜5.のいずれか一項に記載の衣料製造用合成繊維処理剤が付着していることを特徴とする合成繊維。
本発明によると、合成繊維の紡糸工程や仮撚工程、後加工工程における近年の高速化にも対応して、優れた制電性、糸保護性によって静電気や毛羽を防止することを可能とする。
本発明は、非イオン界面活性剤及びイオン界面活性剤を含有し、前記イオン界面活性剤が上記式(1)〜(3)で示される3種類のスルホン酸化合物を含有するものであって、前記非イオン界面活性剤及び前記イオン界面活性剤の含有割合の合計を100質量%とすると、前記化合物A、前記化合物B及び前記化合物Cを合計で0.1〜10質量%の割合で含有することを特徴とする、衣料製造用合成繊維処理剤や、この衣料製造用合成繊維処理剤が付着した合成繊維に関する。
以下、本発明について詳細に説明する。
<化合物A、B、C>
本発明の衣料製造用合成繊維処理剤は、下記の式(1)で示される化合物A、下記の式(2)で示される化合物B及び下記の式(3)で示される化合物Cを必須成分として含有するものである。
Figure 0006855094
(式(1)中において、
:炭素数6〜24のアルケニル基。
:水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム、ホスホニウム又は有機アミン塩。)
Figure 0006855094
(式(2)中において、
:炭素数6〜24のヒドロキシアルキル基。
:水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム、ホスホニウム又は有機アミン塩。)
Figure 0006855094
(式(3)中において、
:スルホ基(−SO)を少なくとも1つ有する炭素数6〜24の炭化水素基。
:水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム、ホスホニウム又は有機アミン塩。
但し、分子中にMが2以上ある場合は、それらは互いに同一であっても異なっていてもよい。)
(化合物A)
本発明における上記の式(1)に示される化合物Aは、1級スルホン酸化合物であることが好ましく、式(1)中のRで示されるアルケニル基は、直鎖構造であっても、分岐構造であってもよい。式(1)で示される化合物Aは、二重結合の位置に制限はないが、2−3位間に二重結合を持つものが好ましい。また、シス−トランス異性体を有するが、シス体であっても、トランス体であってもよい。
本発明において、上記式(1)中のRが、炭素数10〜20のアルキル基であるアルケンスルホン酸化合物が好ましい。
本発明における式(1)で示される化合物Aは、1種を単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
(化合物B)
本発明における上記の式(2)に示される化合物Bは、1級スルホン酸化合物であることが好ましく、式(2)中のヒドロキシアルキル基は、直鎖構造であっても、分岐構造であってもよい。ヒドロキシ基の位置に制限は無いが、式(2)中のスルホ基が結合した炭素を1位として、3位にあるのが好ましい。また、炭素数10〜20のヒドロキシアルキル基であることが好ましい。
上記式(2)で示す化合物Bは、1種を単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
(化合物C)
本発明における上記の式(3)に示される化合物Cは、式(3)中のRで示される炭化水素基は、直鎖構造であっても、分岐構造であってもよい。スルホ基の位置に制限はないが、式(3)中のRの炭化水素基の末端の炭素に少なくとも1つは有する構造であることが好ましい。炭化水素基には、二重結合を有していても良く、トランス体でもシス体でも良い。また、炭化水素基にはヒドロキシ基を有していても良い。
本発明において、上記式(3)中のRは、炭素数10〜20の炭化水素基であることが好ましい。
本発明における式(3)で示される化合物Cは、1種を単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
本発明における、上記式(1)で示される化合物A、上記式(2)で示される化合物B及び、上記式(3)で示される化合物Cは、オレフィンを三酸化硫黄でスルホン化することにより混合物として得られ、この合成方法は工業的な製法として一般的に知られている。オレフィンと三酸化硫黄の仕込み物質量比や反応温度によって、これら化合物の生成割合は異なり、さらには種々の異性体や副生成物もできることが知られている(参考文献1:橋本茂、永井敏雄、「NMRスペクトル法によるα−オレフィンスルホン酸ナトリウムの異性体分析」、1977年、分析化学、第26巻、第1号、第10〜14頁。参考文献2:富山新一、「α−オレフィン・スルホン酸塩−その製造と性能について−」、1970年、油化学、第19巻、第6号、第359〜368頁。参考文献3:Arthur D. Little, Inc., Environmental and Human Safety of Major Surfactants, Vol. 1, Anionic Surfactants. Part 4, Alpha Olefin Sulfonates, Final report to the Soap and Detergent Association,New York, 1993.)。
本発明の衣料製造用合成繊維処理剤は、上記式(1)で示される化合物A、上記式(2)で示される化合物B及び、上記式(3)で示される化合物Cの含有割合の合計を100質量%とすると、前記化合物Aを40〜79質量%、前記化合物Bを20〜59質量%、及び前記化合物Cを1〜40質量%の割合で含むことが好ましい。前記化合物Aは、上記範囲の中でも50〜70質量%の割合で含むことがより好ましい。前記化合物Bは、上記範囲の中でも20〜40質量%の割合で含むことが好ましく、さらに、20〜30質量%の割合で含むことがより好ましい。前記化合物Cは、上記範囲の中でも5〜20質量%の割合で含むことが好ましく、さらに、10〜20質量%の割合で含むことがより好ましい。
上記式(1)で示される化合物A、上記式(2)で示される化合物B及び、上記式(3)で示される化合物Cを、α−オレフィンと三酸化硫黄の反応により合成した場合、本発明の衣料製造用合成繊維処理剤は、その反応により生成した不純物を含んでいても良い。当該不純物としては、反応中間物である1,2−スルトン、1,3−スルトン、1,4−スルトンのような環状構造物のほか、炭化水素鎖に二重結合を有する2級スルホン酸化合物などの内部オレフィンスルホン酸化合物等が挙げられる。
α−オレフィンと三酸化硫黄の反応により得られた、上記式(1)で示される化合物A、上記式(2)で示される化合物B及び、上記式(3)で示される化合物Cは、不純物として多量の無機硫酸塩を含むことが多い。これら無機硫酸塩は、紡糸中に高温のゴデットローラー上にタールとして蓄積されやすい。そのため、上記化合物A、化合物B及び、化合物Cは、精製してから衣料製造用合成繊維処理剤に混合することが好ましい。具体的には、イオンクロマトグラフ法により衣料製造用合成繊維処理剤から検出される硫酸イオンの濃度が100ppm以下になるよう精製することが好ましい。精製方法は、一般的な方法を用いてよく、例えば貧溶媒晶析法やイオン交換法などが挙げられる。
本発明における衣料製造用合成繊維処理剤において、非イオン界面活性剤及びイオン界面活性剤を含み、前記イオン界面活性剤が、前記化合物A、前記化合物B及び前記化合物Cを含む場合において、前記非イオン界面活性剤及び前記イオン界面活性剤の含有割合の合計を100質量%とすると、前記化合物A、前記化合物B及び前記化合物Cを合計で、0.1〜10質量%の割合で含有するものであるが中でも0.1〜8質量%の割合で含有することが好ましく、0.1〜5質量%の割合で含有することがより好ましい。この組成の合成繊維処理剤は、延伸仮撚工程に用いる衣料製造用合成繊維処理剤として好適である。
本発明における衣料製造用合成繊維処理剤において、平滑剤、非イオン界面活性剤及びイオン界面活性剤を含み、前記イオン界面活性剤が、前記化合物A、前記化合物B及び前記化合物Cを含む場合において、前記平滑剤、前記非イオン界面活性剤及び前記イオン界面活性剤の含有割合の合計を100質量%とすると、前記化合物A、前記化合物B及び前記化合物Cを合計で、0.1〜10質量%の割合で含有するものであるが中でも0.1〜8質量%の割合で含有することが好ましく、0.1〜5質量%の割合で含有することがより好ましい。この組成の合成繊維処理剤は、紡糸−延伸工程に用いる衣料製造用合成繊維処理剤として好適である。
<平滑剤>
本発明における衣料製造用合成繊維処理剤が含有する平滑剤としては、(1)ブチルステアレート、オクチルステアレート、オレイルラウレート、オレイルオレート、イソペンタコサニルイソステアレート、オクチルパルミテート、イソトリデシルステアレート、ラウリルオクテート等の、脂肪族モノアルコールと脂肪族モノカルボン酸とのエステル化合物、(2)1,6−ヘキサンジオールジデカネート、トリメチロールプロパンモノオレートモノラウレート、ソルビタントリオレート、ソルビタンモノオレート、ソルビタントリステアレート、ソルビタンジステアレート、ソルビタンモノステアレート、グリセリンモノラウレート等の、脂肪族多価アルコールと脂肪族モノカルボン酸とのエステル化合物、(3)ジラウリルアジペート、ジオレイルアゼレート、ジイソセチルチオジプロピオネート、ビスポリオキシエチレンラウリルアジペート等の、脂肪族モノアルコールと脂肪族多価カルボン酸とのエステル化合物、(4)ベンジルオレート、ベンジルラウレート及びポリオキシプロピレンベンジルステアレート等の、芳香族モノアルコールと脂肪族モノカルボン酸とのエステル化合物、(5)ビスフェノールAジラウレート、ポリオキシエチレンビスフェノールAジラウレート等の、芳香族多価アルコールと脂肪族モノカルボン酸とのエステル化合物、(6)ビス2−エチルヘキシルフタラート、ジイソステアリルイソフタラート、トリオクチルトリメリテート等の、脂肪族モノアルコールと芳香族多価カルボン酸とのエステル化合物、(7)ヤシ油、ナタネ油、ヒマワリ油、大豆油、ヒマシ油、ゴマ油、魚油及び牛脂等の天然油脂、(8)鉱物油等、衣料製造用合成繊維処理剤に採用されている公知の平滑剤が挙げられる。これらの平滑剤成分は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
<非イオン界面活性剤>
本発明における衣料製造用合成繊維処理剤が含有する非イオン界面活性剤としては、特に制限はなく、例えば(1)ポリオキシエチレンオレート、ポリオキシエチレンメチルエーテルラウレート、ポリオキシエチレンオクチルエーテルラウレート、ポリオキシエチレンジオレート、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシプロピレンラウリルエーテルメチルエーテル、ポリオキシブチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブチルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンオクチルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレントリメチロールプロピルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンノニルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンプロピレングリコールエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンテトラデシルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルアミノエーテル、ポリオキシエチレンラウロアミドエーテル等の、有機酸、有機アルコール、有機アミン及び/又は有機アミド分子に炭素数2〜4のアルキレンオキサイドを付加した化合物、(2)ポリオキシアルキレンソルビタントリオレート、ポリオキシアルキレンヒマシ油エーテル、ポリオキシアルキレン硬化ヒマシ油エーテル、ポリオキシアルキレン硬化ヒマシ油エーテルトリオレート等のポリオキシアルキレン多価アルコール脂肪酸エステル、(3)ジエタノールアミンモノラウロアミド等のアルキルアミド、(4)ポリオキシエチレンジエタノールアミンモノオレイルアミド等のポリオキシアルキレン脂肪酸アミド等が挙げられる。これらの非イオン界面活性剤は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。本発明では、化合物名の末端にEOおよびPOと記載したものは、それぞれエチレンオキサイドおよびプロピレンオキサイドの付加物を意味し、後に続く数字はその付加モル数を示す。EOおよびPOの後に記載された数値はそれぞれの平均付加モル数を意味する。
本発明における衣料製造用合成繊維処理剤は、さらにその他のイオン界面活性剤を含んでいてもよく、繊維用処理剤として使用される公知のアニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤等が挙げられる。具体的には、例えば、アニオン界面活性剤としては、(1)酢酸カリウム塩、オクタン酸カリウム塩、オレイン酸カリウム塩、オレイン酸ナトリウム塩、アルケニルコハク酸カリウム塩等のカルボン酸石鹸型イオン界面活性剤、(2)2級アルカンスルホン酸ナトリウム塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム塩、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム塩等のスルホン酸エステル型イオン界面活性剤、(3)ポリオキシエチレンラウリル硫酸エステルナトリウム塩、ヘキサデシル硫酸カリウム塩、牛脂硫化油、ヒマシ油硫化油等の硫酸エステル型イオン界面活性剤、(4)ドデシルリン酸エステルナトリウム塩、オレイルリン酸エステルカリウム塩、ヘキサデシルリン酸エステルカリウム塩、オクタデシルリン酸エステルカリウム塩、オレイルリン酸エステルトリエタノールアミン塩等の有機リン酸エステル塩等が挙げられる。またカチオン界面活性剤としては、テトラブチルアンモニウム塩等の第4級アンモニウム塩等が挙げられ、両性界面活性剤としては、ジメチルステアリルアミンオキサイド等の有機アミンオキサイド、オクチルジメチルアンモニオアセタート等のベタイン型両性界面活性剤、N , N−ビス(2−カルボキシエチル)−オクチルアミンナトリウム等のアラニン型両性界面活性剤等が挙げられる。これらの成分は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
<その他の成分>
本発明の衣料製造用合成繊維処理剤は、本発明の効果を阻害しない範囲内において、処理剤の品質保持のための安定化剤や制電剤、消泡剤(シリコーン系化合物、鉱物油等)、つなぎ剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤等の通常合成繊維の処理剤に用いられる成分をさらに配合してもよい。
<合成繊維>
本発明の合成繊維は、本発明の衣料製造用合成繊維処理剤が付着している合成繊維である。本発明の衣料製造用合成繊維処理剤を付着させる合成繊維としては、特に制限はないが、例えば(1)ポリエチレンテレフタラート、ポリプロピレンテレフタラート、ポリ乳酸エステル等のポリエステル系繊維、(2)ナイロン6、ナイロン66等のポリアミド系繊維、(3)ポリアクリル、モダアクリル等のポリアクリル系繊維、(4)ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系繊維、ポリウレタン系繊維等が挙げられる。なかでもポリエステル系繊維、ポリアミド系繊維に付着させる場合に効果の発現が高い。
本発明の衣料製造用合成繊維処理剤(溶媒を含まない)を合成繊維に付着させる割合は、特に制限はないが、本発明の衣料製造用合成繊維処理剤を合成繊維に対し0.1〜3質量%(希釈剤と水を含まない)の割合となるよう付着させることが好ましく、0.3〜1.2質量%の割合となるよう付着させることがより好ましい。かかる構成により、本発明の効果をより向上させる。
また、本発明の衣料製造用合成繊維処理剤を付着させる工程としては、特に制限はなく、例えば、紡糸工程、紡糸と延伸とを同時に行なう工程等が挙げられる。また、本発明の処理剤を合成繊維に付着させる方法としては、ローラー給油法、計量ポンプを用いたガイド給油法、浸漬給油法、スプレー給油法等が挙げられる。さらに、本発明の処理剤を合成繊維に付着させる際の形態としては、ニート、有機溶剤溶液、水性液等が挙げられるが、水性液が好ましい。本発明の処理剤の水性液を付着させる場合も、合成繊維に対し本発明の処理剤として0.1〜3質量%、好ましくは0.3〜1.2質量%となるよう付着させると良い。
本発明における衣料製造用合成繊維処理剤は、上記式(1)で示される化合物A、上記式(2)で示される化合物B及び上記式(3)で示される化合物Cを必須成分として含有することにより、合成繊維の紡糸工程や仮撚工程、後加工工程における近年の高速化にも対応して、静電気や毛羽の発生を充分に防止することができる。
以下、実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明の技術範囲はこれらにより限定されるものではない。なお、以下の実施例及び比較例において、部は質量部を、また%は質量%を意味する。
<試験区分1(スルホン酸化合物の合成)>
・スルホン酸化合物(S1−1、S2−1及び、S3−1の合成)
1−テトラデセンに三酸化硫黄を加え、50℃以下でスルホン化した。これに、過剰量の水酸化ナトリウム水溶液を加えて1時間撹拌した後、オートクレーブ中で150℃、1時間加熱した。これに、エタノールを加えて撹拌・静置した後、エタノールを取り除くことで油溶性の不純物を抽出除去した。残った水相を蒸発乾固させた。これをクロマトグラフィーで対イオンが水素であるS1−1、S2−1、S3−1をそれぞれ分取した。次いで、これらのpHが9となるよう、それぞれに水酸化ナトリウムを加えよく撹拌したのち、蒸発乾固させることでS1−1、S2−1、S3−1を得た。
S1−2〜S1−8、S2−2〜S2−8、S3−2〜S3−8は、表1〜3に示す炭素数のα−オレフィン原料を使用し、S1−1、S2−1、S3−1と同様の方法で合成した。尚、S1−3、S2−3、S3−3の中和剤にはラウリルアミンEO4を、S1−4、S2−4、S3−4の中和剤には水酸化カリウムを、S1−5、S2−5、S3−5の中和剤にはテトラブチルホスホニウムを、S1−6、S2−6、S3−6は中和剤を使用せず、S1−7、S2−7、S3−7の中和剤には水酸化バリウムを使用した。
・精製方法
温度計及び撹拌機を取り付けた2Lの4つ口フラスコに、メタノール600部とイオン交換水300部を仕込み、上記方法により得られたスルホン酸化合物の粗生成物300部を、45±5℃で撹拌し、溶解させた。次に、この溶解液を室温で24時間静置し、上澄み液を取り出した。上澄み液を60〜80℃で減圧蒸留を行い、メタノールと水の一部を除去し、炭素数14のα−オレフィンスルホン酸ナトリウム(S1−1)を得た(30質量%溶液)。S1−2〜S1−7、S2−1〜S2−7、S3−1〜S3−7に対しても、S1−1と同様の精製方法を用いて処理した。
今回の実施例及び比較例において、使用した上記式(1)で示される化合物A(S1−1〜S1−8)の内容を表1に、上記式(2)で示される化合物B(S2−1〜S2−8)の内容を表2に、使用した上記式(3)で示される化合物C(S3−1〜S3−8)の内容を表3に示した。
Figure 0006855094
S1−1:炭素数14のα−オレフィンスルホン酸ナトリウム
S1−2:炭素数14〜18のα−オレフィンスルホン酸ナトリウム
S1−3:炭素数16〜18のα−オレフィンスルホン酸ポリオキシエチレン(4モル)ラウリルアミン
S1−4:炭素数18のα−オレフィンスルホン酸カリウム
S1−5:炭素数14のα−オレフィンスルホン酸テトラブチルホスホニウム
S1−6:炭素数8のα−オレフィンスルホン酸
S1−7:炭素数22〜24のα―オレフィンスルホン酸バリウム
S1−8:炭素数14のα−オレフィンスルホン酸ナトリウム(未精製)
Figure 0006855094
S2−1:炭素数14のヒドロキシアルカンスルホン酸ナトリウム
S2−2:炭素数14〜18のヒドロキシアルカンスルホン酸ナトリウム
S2−3:炭素数16〜18のヒドロキシアルカンスルホン酸ポリオキシエチレン(4モル)ラウリルアミン
S2−4:炭素数18のヒドロキシアルカンスルホン酸カリウム
S2−5:炭素数14のヒドロキシアルカンスルホン酸テトラブチルホスホニウム
S2−6:炭素数8のヒドロキシアルカンスルホン酸
S2−7:炭素数22〜24のヒドロキシアルカンスルホン酸バリウム
S2−8:炭素数14のヒドロキシアルカンスルホン酸ナトリウム(未精製)
Figure 0006855094
S3−1:炭素数14のアルカンジスルホン酸ナトリウム
S3−2:炭素数14〜18のアルカンジスルホン酸ナトリウム
S3−3:炭素数16〜18のアルカンジスルホン酸ポリオキシエチレン(4モル)ラウリルアミン
S3−4:炭素数18のアルカンジスルホン酸カリウム
S3−5:炭素数14のアルカンジスルホン酸テトラブチルホスホニウム
S3−6:炭素数8のアルカンジスルホン酸
S3−7:炭素数22〜24のアルカンジスルホン酸バリウム
S3−8:炭素数14のアルカンジスルホン酸ナトリウム
<試験区分2(衣料製造用合成繊維処理剤の調製)>
・衣料製造用合成繊維処理剤(実施例1)の調製
平滑剤としてイソトリデシルステアレート(A−1)20部、オクチルパルミテート(A−3)37部、ドデシルアルコール−EO4PO4(B−2)10部、イソステアリルアルコール−EO8PO10(B−3)10部、ポリエチレングリコール(分子量600)とオレイン酸2モルとのエステル化物(B−4)10部、ジエタノールアミンオレイン酸アミド(B−7)4部、化合物A(S1−1)2.4部、化合物B(S2−1)1.2部、化合物C(S3−1)0.4部、その他成分のドデセニルコハク酸カリウム(C−2)2部、オレイルリン酸エステルとトリエタノールアミンとの塩(C−3)3部を均一混合し、実施例1の衣料製造用合成繊維処理剤を調製した。
・衣料製造用合成繊維処理剤(実施例2〜12及び比較例1〜8)の調製
実施例1の衣料製造用合成繊維処理剤の調製と同様に、実施例2〜12及び比較例1〜8の衣料製造用合成繊維処理剤を調製した。
<試験区分3(合成繊維処理剤の硫酸イオン量)>
試料1gを正確に量りとり、撹拌しながら10%の2−プロパノール水溶液を少しずつ加え、100mLメスフラスコで定容した溶液を作製した。作製した水溶液1mLを、ODS(シリカゲルにオクタデシル基を化学結合させた)前処理カートリッジに通し、イオンクロマトグラフ分析に使用した。以下のイオンクロマトグラフ条件により検出を行った。濃度既知の標準液に対するピーク面積比にて検出量を測定し、硫酸イオン(SO 2−)の量を換算した。
<イオンクロマトグラフ条件>
装置:東ソー社製 IC2001 サプレッサ使用、
分析カラム:東ソー社製 TSKgel SuperIC−AZ 内径4.6mm×長さ75mm、
ガードカラム:東ソー社製 TSKgel guardcolumn SuperIC−AZ、内径4.0mm×長さ10mm、
溶離液:4.8mmolのNaCO、2.8mmolのNaHCOの23容量%メタノール水溶液、
流量:0.6mL/min。
紡糸−延伸工程の使用に適した衣料製造用合成繊維処理剤(実施例1〜10)の組成を表4に、その比較例(比較例1〜7)の組成を表5に、延伸仮撚工程の使用に適した衣料製造用合成繊維処理剤(実施例11、12)とその比較例(比較例8)の組成を表6に示した。
Figure 0006855094
Figure 0006855094
Figure 0006855094
表4〜6において、
A−1:イソトリデシルステアレート
A−2:オレイルオレート
A−3:オクチルパルミテート
A−4:トリメチロールプロパントリオレート
A−5:ナタネ油
A−6:鉱物油(レッドウッド秒100)
B−1:ポリオキシエチレン(12モル)オクチルエーテルラウレート
B−2:ドデシルアルコール−EO4PO4
B−3:イソステアリルアルコール−EO8PO10
B−4:ポリエチレングリコール(分子量600)とオレイン酸2モルとのエステル化物
B−5:ブタノールにポリオキシプロピレン/ポリオキシエチレン(重量比:50/50)がランダムに付加した化合物(分子量:2500)
B−6:テトラデシルアルコールにポリオキシプロピレン/ポリオキシエチレン(重量比:30/70)がランダムに付加した化合物(分子量:3000)
B−7:ジエタノールアミンオレイン酸アミド
B−8:硬化ヒマシ油−EO12
B−9:硬化ヒマシ油−EO25 1モルとラウリン酸2モルのエステル化物
C−1:オクタン酸カリウム
C−2:ドデセニルコハク酸カリウム
C−3:オレイルリン酸エステルとトリエタノールアミンとの塩
C−4:ドデカンスルホン酸ナトリウム
<試験区分4(延伸合成繊維に対する処理剤の評価)>
・合成繊維の製造
固有粘度0.64、酸化チタン含有量0.2%のポリエチレンテレフタラートを常法により乾燥した後、エクストルーダーを用いて295℃で紡糸し、口金から吐出して冷却固化した後の走行糸条に、実施例1〜10と比較例1〜7の衣料製造用合成繊維処理剤エマルションを、計量ポンプを用いたガイド給油法にて、衣料製造用合成繊維処理剤としての付着量が1.0%となるよう付着させた後、ガイドで集束させ、表面速度1400m/分で表面温度90℃の第1コデットローラーと、表面速度4800m/分で表面温度150℃の第2コデットローラーとで延伸後、4800m/分の速度で巻き取り、83デシテックス36フィラメントの延伸糸を得た。この試験を7日間連続して行った。
・紡糸毛羽の評価
前記のように7日間連続して試験し、7日目に得た延伸糸について巻き取り直前に、毛羽計数装置(東レエンジニアリング社製 DT−105)にて5時間当たりの毛羽数を測定し、以下の基準で評価した。結果を表7にまとめて示した。
[紡糸毛羽の評価基準]
◎◎:測定された毛羽数が0〜5個
◎:測定された毛羽数が6〜10個
○:測定された毛羽数が11〜25個
×:測定された毛羽数が26個以上
・後加工工程での発生電気の評価
前記の紡糸毛羽を評価した延伸糸を用いて糸を巻き返し、糸量200gのチーズを得た。このチーズを20℃、相対湿度40%の雰囲気下に3日間調湿し、下記の条件で発生電気の測定と評価を行った。20℃、相対湿度40%の雰囲気下、チーズ20本をクリールスタンドに設置して糸を解舒し、ワッシャーテンサーを通した後、入角度及び出角度ともに10度になるように調整し、直径2cmで長さ5cmの3本のアルミナピンに接触走行させ、200m/分の速度で巻き取った。この時、走行する20本のフィラメントから成るシートの静電気(発生電気)を、3番目のアルミナピンを出て20cmの位置にて、集電式電位測定器により測定した。測定値を下記の基準により評価した。結果を表7にまとめて示した。
[後加工工程での発生電気の評価基準]
◎◎:発生電気が0.3kV未満であって、制電性がとても優れている
◎:発生電気が0.3kV以上0.8kV未満であって、制電性が優れている
○:発生電気が0.8kV以上2kV未満であって、制電性は良である
×:発生電気が2kV以上であって、制電性は不良である
Figure 0006855094
表5の結果からも明らかなように、本発明の具体例である実施例1〜10の衣料製造用合成繊維処理剤は、後加工工程における近年の高速化にも対応して、静電気や毛羽の発生を充分に防止できることが明らかとなった。
<試験区分5(仮撚合成繊維に対する処理剤の評価)>
・合成繊維の製造
固有粘度0.64、酸化チタン含有量0.2%のポリエチレンテレフタラートのチップを常法により乾燥した後、エクストルーダーを用いて295℃で紡糸し、口金から吐出して冷却固化した後の走行糸条に、実施例11、12と比較例8の衣料製造用合成繊維処理剤エマルションを、計量ポンプを用いたガイド給油法にて、衣料製造用合成繊維処理剤として付着量が1.0%となるよう付着させた後、ガイドで集束させて、機械的な延伸を伴うことなく、3300m/分の速度で捲き取り、128デシテックス36フィラメントの部分延伸糸を得た。
・仮撚毛羽の評価
上記で得た部分延伸糸を用いて下記のコンタクトヒーター式仮撚機による仮撚り加工条件で仮撚り加工を行い、仮撚加工糸を巻き取る前に、毛羽計数装置(東レエンジニアリング社製 DT−105)にて毛羽数を測定し、1時間当たりの平均毛羽数を計算して、次の基準で評価した。結果を表8にまとめて示した。
[仮撚毛羽の評価基準]
◎◎:測定された毛羽数が3個未満
◎:測定された毛羽数が3個以上、6個未満
○:測定された毛羽数が6個以上、10個未満
×:測定された毛羽数が10個以上
・コンタクトヒーター式仮撚機による仮撚加工条件
コンタクトヒーター式仮撚機(TMTマシナリー社製 ATF−21)を使用して、加工速度:800m/分、延伸倍率:1.60、施撚方式:3軸デイスク外接式摩擦方式(入り側ガイドデイスク1枚、出側ガイドデイスク1枚、硬質ポリウレタンデイスク5枚)、加撚側ヒーター=長さ2.5mで表面温度190℃、解撚側ヒーター=なし、目標撚り数=3300T/mの条件で仮撚加工をした。
・仮撚工程での発生電気の評価
前記した仮撚加工において、施撚装置を通過した後の走行糸条の帯電圧(発生電気)を、集電式電位測定器により測定し、下記の基準で評価した。結果を表8にまとめて示した。
[仮撚工程での発生電気の評価基準]
◎◎:発生電気が0.3kV未満であって、制電性がとても優れている
◎:発生電気が0.3kV以上0.8kV未満であって、制電性が優れている
○:発生電気が0.8kV以上2kV未満であって、制電性は良である
×:発生電気が2kV以上であって、制電性は不良である
Figure 0006855094
表8の結果からも明らかなように、本発明の具体例である実施例11、12の衣料製造用合成繊維処理剤は、仮撚工程における発生電気を抑制し、静電気や毛羽の発生を充分に防止できることが明らかとなった。
本発明の衣料製造用合成繊維処理剤や、この衣料製造用合成繊維処理剤が付着した合成繊維は、合成繊維の紡糸工程や仮撚工程、後加工工程における近年の高速化にも対応して、静電気や毛羽の発生を充分に防止することができ、非常に有用である。

Claims (6)

  1. 非イオン界面活性剤及びイオン界面活性剤を含有し、前記イオン界面活性剤が下記の式(1)で示される化合物A、下記の式(2)で示される化合物B及び下記の式(3)で示される化合物Cを含むものであって、前記非イオン界面活性剤及び前記イオン界面活性剤の含有割合の合計を100質量%とすると、前記化合物A、前記化合物B及び前記化合物Cを合計で0.1〜10質量%の割合で含有することを特徴とする、衣料製造用合成繊維処理剤。
    Figure 0006855094

    (式(1)中において、
    :炭素数6〜24のアルケニル基。
    :水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム、ホスホニウム又は有機アミン塩。)
    Figure 0006855094

    (式(2)中において、
    :炭素数6〜24のヒドロキシアルキル基。
    :水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム、ホスホニウム又は有機アミン塩。)
    Figure 0006855094

    (式(3)中において、
    :スルホ基(−SO)を少なくとも1つ有する炭素数6〜24の炭化水素基。
    :水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム、ホスホニウム又は有機アミン塩。
    但し、分子中にMが2以上ある場合は、それらは互いに同一であっても異なっていてもよい。)
  2. 平滑剤、非イオン界面活性剤及びイオン界面活性剤を含有し、前記イオン界面活性剤が下記の式(1)で示される化合物A、下記の式(2)で示される化合物B及び下記の式(3)で示される化合物Cを含むものであって、前記平滑剤、前記非イオン界面活性剤及び前記イオン界面活性剤の含有割合の合計を100質量%とすると、前記化合物A、前記化合物B及び前記化合物Cを合計で0.1〜10質量%の割合で含有することを特徴とする、衣料製造用合成繊維処理剤(ただし、合成繊維紡糸工程用処理剤を除く)
    Figure 0006855094

    (式(1)中において、
    :炭素数6〜24のアルケニル基。
    :水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム、ホスホニウム又は有機アミン塩。)
    Figure 0006855094

    (式(2)中において、
    :炭素数6〜24のヒドロキシアルキル基。
    :水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム、ホスホニウム又は有機アミン塩。)
    Figure 0006855094

    (式(3)中において、
    :スルホ基(−SO)を少なくとも1つ有する炭素数6〜24の炭化水素基。
    :水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム、ホスホニウム又は有機アミン塩。
    但し、分子中にMが2以上ある場合は、それらは互いに同一であっても異なっていてもよい。)
  3. 前記化合物A、前記化合物B及び前記化合物Cの含有割合の合計を100質量%とすると、前記化合物Aを40〜79質量%、前記化合物Bを20〜59質量%及び前記化合物Cを1〜40質量%の割合で含む、請求項1又は2に記載の衣料製造用合成繊維処理剤。
  4. 前記式(1)のR、前記式(2)のR及び前記式(3)のRが、炭素数10〜20のものである、請求項1〜3のいずれか一項に記載の衣料製造用合成繊維処理剤。
  5. イオンクロマトグラフ法により前記衣料製造用合成繊維処理剤から検出される硫酸イオンの濃度が100ppm以下である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の衣料製造用合成繊維処理剤。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の衣料製造用合成繊維処理剤が付着していることを特徴とする合成繊維。
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