JP2005281953A - 油状組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】特に弾性繊維生産時のノズル給油方式での紡糸工程においてノズル詰まりがなく安定的な操業が可能であり、かつ長期に渡っての油状組成物の経日安定性および繊維同士の膠着防止性が良好な油状組成物を提供すること。
【解決手段】シリコーンオイル(A1)および炭化水素系潤滑油(A2)からなる群より選ばれる少なくとも1種のベースオイル(A)、並びに高級脂肪酸金属塩(B)からなり、25℃における濁度が20mg/L以下である油状組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、各種材料に離型性を付与する油状組成物に関する。特に弾性繊維生産時の紡糸工程で使用される油状組成物に関する。
従来より、弾性繊維生産時の紡糸工程において繊維に付着させる油状組成物に、膠着防止剤として、固体の金属石鹸を懸濁させることにより離型効果を発現させる方法が提案されている(特許文献1,2)。
特開平11−269765号公報 特開平11−12952号公報
しかしながら、上記の方法では、膠着防止効果は高いものの、このような固体成分はノズル給油方式の生産ではノズル中で詰り、紡糸ができないという問題がある。また、ローラー給油方式の生産においても、経日で油状組成物中で凝集・沈降するなど分散安定性が悪いため、油状組成物を使用する際、糸への付着ムラ等が起こり均一な膠着防止性が発揮できず、後加工工程において張力変動等が原因で糸切れ等が起こる問題がある。
すなわち本発明の目的は、ノズル給油方式の生産においてノズル詰まりがなく安定的な操業が可能であり、かつ長期に渡って油状組成物の経日安定性および繊維同士の膠着防止性が良好な油状組成物を提供することにある。
本発明者らは上記の油状組成物を得るべく鋭意検討した結果、ベースオイルと高級脂肪酸金属塩からなる油状組成物において、25℃における油剤の濁度を特定の範囲に調整することで、上記問題点が解決することを見いだし、本発明に到達した。
すなわち本発明は、シリコーンオイル(A1)及び炭化水素系潤滑油(A2)からなる群より選ばれる少なくとも1種のベースオイル(A)、並びに高級脂肪酸金属塩(B)からなり、25℃における濁度が20mg/L以下であることを特徴とする油状組成物;該油状組成物を弾性繊維に対して0.1〜12重量%付与する弾性繊維の処理方法;並びに上記の処理方法により処理されてなる弾性繊維である。
本発明の油状組成物は、弾性繊維生産時のノズル給油における油状組成物の詰まりがなく、給油を安定させる効果を奏する。また油状組成物の経日安定性、糸同士の膠着防止性にも優れていることから、ノズル給油方式だけでなくローラ給油方式においても、弾性繊維を紡糸から後加工工程において長期的に安定な操業性を保ちながら製造することができる。さらに、本発明の油状組成物は、高級脂肪酸金属塩の微分散体であり、撥水性、潤滑性及び離型性にも優れていることから、香粧品・無機顔料分野、塗料・非極性溶剤改質分野および電子情報分野等でも使用することができる。
本発明におけるベースオイル(A)は、シリコーンオイル(A1)および炭化水素系潤滑油(A2)からなる群より選ばれる。
(A1)としては、ポリジメチルシロキサン、ポリジメチルシロキサンの一部が炭素数2〜20のアルキル基および/またはフェニル基で置換されたもの等のうち、25℃における粘度が好ましくは1〜1000mm2/sのものが挙げられる。さらに好ましくは2〜500mm2/s、特に好ましくは3〜200mm2/s、最も好ましくは3〜50mm2/sのポリジメチルシロキサンである。
(A2)としては、鉱物油およびその精製油、水添油、分解油等のうち、25℃における粘度が1〜1000mm2/sのものが挙げられる。さらに好ましくは2〜500mm2/s、さらにより好ましくは3〜200mm2/s、特に好ましくは3〜50mm2/sの鉱物油とその精製油であり、最も好ましいものは3〜50mm2/sの流動パラフィンである。
(A)としては、25℃における粘度が好ましくは1〜1000mm2/sであり、さらに好ましくは2〜500mm2/s、特に好ましくは3〜200mm2/s、最も好ましくは3〜50mm2/sであるベースオイルである。
(A)としては、(A1)、(A2)それぞれ単独でも混合物であってもよい。好ましくは(A2)単独、および(A1)と(A2)の混合物であり、さらに好ましくは(A1)と(A2)の混合物である。
混合物の場合、(A1)と(A2)の含有比(質量比)は80/20〜5/95が好ましく、さらに好ましくは70/30〜5/95、特に好ましくは60/40〜5/95である。
本発明の油状組成物において、高級脂肪酸金属塩(B)としては、好ましくは炭素数6〜30、さらに好ましくは炭素数8〜24、より好ましくは炭素数12〜24、特に好ましくは16〜22の飽和または不飽和の高級脂肪酸が使用できる。高級脂肪酸の具体例としては、例えば、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、ベヘン酸、オレイン酸、エライジン酸、エルカ酸、リノール酸、リノレン酸、およびリシノレイン酸等が挙げられる。これらのうち好ましいものは、ラウリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、およびベヘン酸等であり、特に好ましいのはステアリン酸である。これらの脂肪酸は単独で使用してもよいし、2種以上を混合して使用してもよい。
金属塩としては好ましいものは、アルカリ金属塩(リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩など)、アルカリ土類金属塩(バリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩など)、IIB族金属塩(例えば、亜鉛など)、遷移金属(ニッケル、鉄、銅、マンガン、コバルト、銀、金、白金、パラジウム、チタン、ジルコニウム、カドミウムなど)の塩、IIIB族金属塩(例えば、アルミニウム塩など)、IVB族金属(錫、鉛など)の塩、およびランタノイド金属(ランタン、セリウムなど)の塩等が挙げられ、さらに好ましいのはアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、およびIIIB族金属塩、特に好ましいのはアルカリ土類金属塩である。
高級脂肪酸金属塩(B)の具体例としては、例えば、ラウリン酸リチウム塩、ラウリン酸ナトリウム塩、ラウリン酸カリウム塩;ミリスチン酸リチウム塩、ミリスチン酸ナトリウム塩、ミリスチン酸カリウム塩;パルミチン酸リチウム塩、パルミチン酸ナトリウム塩、パルミチン酸カリウム塩、ステアリン酸リチウム塩、ステアリン酸ナトリウム塩、ステアリン酸カリウム塩;イソステアリン酸リチウム塩、イソステアリン酸ナトリウム塩、イソステアリン酸カリウム塩;ベヘン酸リチウム塩、ベヘン酸ナトリウム塩、ベヘン酸カリウム塩;ジラウリン酸マグネシウム塩、ジラウリン酸カルシウム塩、ジラウリン酸バリウム塩;ジミリスチン酸マグネシウム塩、ジミリスチン酸カルシウム塩、ジミリスチン酸酸バリウム塩;ジパルミチン酸マグネシウム塩、ジパルミチン酸カルシウム塩、ジパルミチン酸バリウム塩;ジステアリン酸マグネシウム塩、ジステアリン酸カルシウム塩、ジステアリン酸バリウム塩;ジイソステアリン酸マグネシウム塩、ジイソステアリン酸カルシウム塩、ジイソステアリン酸バリウム塩;ジベヘン酸マグネシウム塩、ジベヘン酸カルシウム塩、ジベヘン酸バリウム塩;パルミチン酸ステアリン酸マグネシウム塩、パルミチン酸ステアリン酸カルシウム塩、パルミチン酸ステアリン酸バリウム塩等が挙げられる。このうち特に好ましいものはステアリン酸のアルカリ土類金属塩であり、最も好ましいのはジステアリン酸マグネシウム塩である。なお、市販のジステアリン酸マグネシウム塩などは、一部未反応の水酸化ステアリン酸アグネシウム塩が不純物として混じっているが、差し支えない。
高級脂肪酸金属塩(B)は単独で使用してもよいし、2種以上を混合して使用してもよい。
本発明において界面活性剤(C)は高級脂肪酸金属塩(B)を除く界面活性剤であって、溶解度パラメーター(以下、SP値と略す)が、好ましくは7.0〜10.5、さらに好ましくは7.5〜10.0、特に好ましくは8.0〜9.5のものである。これらの範囲であると、ベースオイル(A)、および高級脂肪酸金属塩(B)との相溶性が良くなり、油状組成物の経日安定性が向上する。
上記SP値とは、下記に示したように凝集エネルギー密度と分子容の比の平方根で表される。
[SP値]=(△E/V)1/2
ここで△Eは凝集エネルギー密度を表す。Vは分子容を表し、その値は、ロバート エフ.フェドールス(Robert F.Fedors)らの計算によるもので、例えばポリマー エンジニアリング アンド サイエンス(Polymer engineering and science)第14巻、147〜154頁(1974)に記載されている。
(C)は、高級脂肪酸金属塩(B)を含まないアニオン界面活性剤(C1)、カチオン界面活性剤(C2)、両性界面活性剤(C3),および非イオン界面活性剤(C4)からなる群より選ばれる少なくとも1種以上であるが、好ましいものは(C1)および/または(C2)である。
アニオン界面活性剤(C1)としては、スルホン酸(塩)(C1−1)、カルボン酸(塩)(C1−2)、硫酸エステル(塩)(C1−3)、燐酸エステル(塩)(C1−4)が挙げられる。
スルホン酸(塩)(C1−1)としては、炭素数1〜24のアルコールのスルホコハク酸(モノ、ジ)エステル(塩)(C1−1A)、炭素数8〜24のα−オレフィンのスルホン酸化物(塩)(C1−2B)、炭素数8〜14のアルキル基を有するアルキルベンゼンスルホン酸(塩)(C1−2C)、石油スルホネート(塩)(C1−2D)が挙げられる。尚、(C1−2A)、(C1−2B)を構成する疎水基は、天然物由来のものでも合成されたものでもどちらでもよい。これらのうち好ましいものは、一般式(1)で表される(C1−1A)である。
式中、R1 、R2 としては、それぞれ独立に炭素数1〜24のアルキル基、炭素数2〜24のアルケニル基が挙げられる。
炭素数1〜24のアルキル基としては、直鎖状、分岐状のいずれでもよく、メチル基、エチル基、n−およびi−のプロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、エイコシル基、ヘキコシル基およびドコシル基ならびに2−エチルデシル基等が挙げられる。
炭素数2〜24のアルケニル基としては、直鎖状、分岐状のいずれでもよく、n−およびi−のプロペニル基、ヘキセニル基、ヘプテニル基、オクテニル基、デセニル基、ウンデセニル基、ドデセニル基、テトラデセニル基、ペンタデセニル基、ヘキサデセニル基、ヘプタデセニル基、オクタデセニル基およびノナデセニル基ならびに2−エチルデセニル基等が挙げられる。
1 、R2 のうち好ましいものは炭素数3〜24のアルキル基である。これらは2種以上の混合物であってもよい。
Aとしてはエチレン基、プロピレン基、ブチレン基が挙げられる。このうち好ましいものはエチレン基、プロピレン基である。これらは2種以上の混合物であってもよい。混合物の場合、ランダム、ブロックのいずれでもよい。m、nおよびm+nはそれぞれ独立には0または1〜10の整数であり、好ましくは0または1〜6の整数、さらに好ましくは0または1〜3の整数である。
これらの範囲であると、ベースオイルとの相溶性が良い。
Mとしては水素原子、アルカリ金属原子(リチウム、カリウム、ナトリウム等)またはアミン(モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、2−エチルヘキシルアミン等)等のアミンが挙げられる。これらのうち好ましいものはアルカリ金属原子である。これらは2種以上の混合物であってもよい。
一般式(1)で表されるスルホコハク酸エステルアニオン界面活性剤(C1−1A)の具体例としては、スルホコハク酸ジ−2−エチルヘキシルナトリウム、スルホコハク酸パルミチルステアリルカリウム、ポリオキシエチレンジ−2−エチルヘキシルスルホコハク酸ナトリウム(EO6モル付加物(m=n=3))等が挙げられる。
カルボン酸(塩)(C1−2)としては下記一般式(2)で表されるエーテルカルボン酸アニオン界面活性剤が挙げられる。これらを構成する脂肪酸およびアルコールは天然物由来のものでも合成されたものでも、どちらでもよく、さらにはカルボキシル基または水酸基の結合位置は炭化水素基の末端でも側鎖でもどちらでもよい。
式中、R3の具体例および好ましいものは、前記R1、R2と同様である。AおよびMは、一般式(1)におけるものと同様である。pは0または1〜10の整数であり、好ましくは1〜6である。
これらの範囲であると、ベースオイルとの相溶性が良い。
一般式(2)で表されるエーテルカルボン酸アニオン界面活性剤(C1−2)の具体例としては、オクチルアルコールカルボキシメチル化ナトリウム塩、デシルアルコールカルボキシメチル化ナトリウム塩、ラウリルアルコールカルボキシメチル化ナトリウム塩、ドバノール23カルボキシメチル化ナトリウム塩およびトリデカノールカルボキシメチル化ナトリウム塩、オクチルアルコールEO3モル付加物カルボキシメチル化ナトリウム塩、ラウリルアルコールEO4モル付加物カルボキシメチル化ナトリウム塩、イソトリデシルアルコールEO3モル付加物カルボキシメチル化ナトリウム塩、ドバノール23EO3モル付加物カルボキシメチル化ナトリウム塩、トリデカノールEO5モル付加物カルボキシメチル化ナトリウム塩、およびラウリルアルコールカルボキシメチル化物、ラウリルアルコールEO2.5モル付加物カルボキシメチル化物等が挙げられる。
これらの好ましいものの具体例としては、オクチルエーテル酢酸ナトリウム、デシルエーテル酢酸ナトリウム、ラウリルエーテル酢酸ナトリウム、トリデシルエーテル酢酸ナトリウム、ポリオキシエチレンオクチルエーテル酢酸ナトリウム(EO3モル付加物)、ポリオキシエチレンラウリルエーテル酢酸ナトリウム(EO3モル付加物)、ポリオキシエチレントリデシルエーテル酢酸ナトリウム(EO3モル付加物)、およびポリオキシエチレンラウリルエーテル酢酸(EO2.5モル付加物)等が挙げられる。
硫酸エステル(塩)(C1−3)としては、高級アルコール硫酸エステル(塩)[炭素数8〜18の脂肪族アルコールの硫酸エステル(塩)](C1−3A)、高級アルキルエーテル硫酸エステル(塩)[炭素数8〜18の脂肪族アルコールのEO1〜10モル付加物の硫酸エステル(塩)](C1−3B)、硫酸化油(天然の不飽和油脂または不飽和のロウをそのまま硫酸化して中和したもの)(C1−3C)、硫酸化脂肪酸エステル(不飽和脂肪酸の低級アルコールエステルを硫酸化して中和したもの)(C1−3D)及び硫酸化オレフィン(炭素数12〜18のオレフィンを硫酸化して中和したもの)(C1−3E)が挙げられる。
好ましいものの具体例としては、ロート油、硫酸化牛脂、硫酸化落花生油、硫酸化オレイン酸ブチル塩、硫酸化リシノレイン酸ブチル塩などが挙げられる。
燐酸エステル(塩)(C1−4)としては、炭素数8〜24の高級アルコールの燐酸(モノ、ジ)エステル(塩)(C1−4A)、炭素数8〜24の高級アルコールのAO付加物の燐酸(モノ、ジ)エステル(塩)(C1−4B)が挙げられる。なお、これらを構成する高級アルコールは天然物由来のものでも合成されたものでもどちらでもよい。
これらのうち、好ましいものは炭素数8〜18の高級アルコールのAO付加物の燐酸(モノ、ジ)エステル(塩)である。
(C1−3B)に使用されるAOとしては、EO、プロピレンオキサイド(以下POと略記する)およびブチレンオキサイドが挙げられる。これらのうち好ましいものはEOおよびPOである。また、高級アルコール1モルに対するAOの付加モル数としては、通常1〜50モルであり、好ましくは1〜20モルである。
好ましいものの具体例としては、オクチルアルコールリン酸モノエステルカリウム塩、オクチルアルコールリン酸ジエステルジカリウム塩、ラウリルアルコールリン酸モノエステルモノカリウム塩、ラウリルアルコールリン酸ジエステルジカリウム塩、イソステアリルアルコールのE05モル付加物のリン酸モノエステルカリウム塩、イソステアリルアルコールのE05モル付加物のリン酸ジエステルジカリウム塩などが挙げられる。
(C1)が塩の形をとる場合、通常ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩およびアルカノールアミン(モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン等)塩である。これらのうち好ましいものは、ナトリウム塩、カリウム塩、アルカノール塩である。
カチオン界面活性剤(C2)として好ましいものは、一般式(3)で表される第4級アンモニウム塩型カチオン界面活性剤(C2−1)と一般式(4)で表されるアミン塩型カチオン界面活性剤(C2−2)等が挙げられる。
[式中、R4、R5、R6はそれぞれ独立に炭素数1〜24のアルキル基、アリル基、炭素数2〜24のアルケニル基、ヒドロキシアルキル基、ポリオキシアルキレン基(アルキレン基の炭素数:2〜4)、および式R8−T−R9− で示される基(R8は炭素数1〜24の脂肪酸からCOOH基を除いた残基、R9は炭素数1〜4のアルキレン基またはヒドロキシアルキレン基、Tは−COO−または−CONH−を表す。)から選ばれる基、R7は炭素数1〜24のアルキル基、アルケニル基、ヒドロキシアルキル基またはポリオキシアルキレン基;R4とR5とR6とのいずれか2つが結合してNとともに複素環を形成していてもよい;Q- は無機酸アニオンまたは有機酸アニオン、QHは無機酸または有機酸を表す。]
4、R5、R6の炭素数1〜24のアルキル基としては、直鎖状、分岐状のいずれでもよく、メチル基、エチル基、n−およびi−のプロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、エイコシル基、ヘキコシル基およびドコシル基ならびに2−エチルデシル基等;炭素数2〜24のアルケニル基としては、直鎖状、分岐状のいずれでもよく、n−およびi−のプロペニル基、ヘキセニル基、ヘプテニル基、オクテニル基、デセニル基、ウンデセニル基、ドデセニル基、テトラデセニル基、ペンタデセニル基、ヘキサデセニル基、ヘプタデセニル基、オクタデセニル基およびノナデセニル基ならびに2−エチルデセニル基等が挙げられる。
4、R5、R6の炭素数1〜24のヒドロキシアルキル基としては、直鎖状、分岐状のいずれでもよく、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基、n−およびi−のヒドロキシプロピル基、ヒドロキシブチル基、ヒドロキシヘキシル基、ヒドロキシオクチル基、ヒドロキシデシル基、ヒドロキシドデシル基、ヒドロキシテトラデシル基、ヒドロキシヘキサデシル基およびヒドロキシオクタデシル基等が挙げられる。
これらのうちさらに好ましいものは、炭素数8〜24のアルキル基、アルケニル基、ヒドロキシアルキル基である。
7の炭素数1〜24のアルキル基、アルケニル基、ヒドロキシアルキル基またはポリオキシアルキレン基としては、R4、R5、R6で挙げたものと同様である。これらのうち好ましいものは、炭素数1〜4のアルキル基およびヒドロキシアルキル基である。
4とR5とR6とのいずれか2つが結合してNとともに複素環、脂環式化合物を形成しているものとしては、例えばイミダゾリン環、イミダゾール環、ピリジン環、ピリミジン環、ピペリジン環及びモルホリン環が挙げられる。
残基R8を構成する炭素数1〜24の脂肪酸としては、直鎖状、分岐状のいずれでもよく、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、吉草酸、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、ベラルゴン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、ベヘン酸、2−エチルヘキサン酸等が挙げられる。これらのうちさらに好ましいものは、炭素数6〜24の脂肪酸である。
9の炭素数1〜4のアルキレン基としては、直鎖状、分岐状のいずれでもよく、メチレン基、エチレン基、n−およびi−のプロピレン基、ブチレン基等;炭素数1〜4のヒドロキシアルキレン基としては、直鎖状、分岐状のいずれでもよく、ヒドロキシメチレン基、ヒドロキシエチレン基、n−およびi−のヒドロキシプロピレン基、ヒドロキシブチレン基等が挙げられる。
これらのうちさらに好ましいものは、炭素数1〜4のアルキレン基である。
一般式(3)において、アニオンQ-を形成する酸QHとしては次のものが挙げられる。
(q1)無機酸
ハロゲン化水素酸(塩酸、臭素酸、沃素酸等)、硝酸、炭酸、燐酸等;
(q2)有機酸
(q2−a)アルキル硫酸エステル
メチル硫酸、エチル硫酸等の炭素数1〜4のアルキル硫酸エステル;
(q2−b)アルキル燐酸エステル
ジメチル燐酸、ジエチル燐酸等の炭素数1〜8のモノおよび/またはジアルキル燐酸エステル;
(q2−c)炭素数1〜30の脂肪族モノカルボン酸
飽和モノカルボン酸(残基がR5を構成する脂肪酸として挙げたもの等)、不飽和モノカルボン酸(アクリル酸、メタクリル酸、オレイン酸等)、および脂肪族オキシカルボン酸(グリコール酸、乳酸、オキシ酪酸、オキシカプロン酸、リシノール酸、オキシステアリン酸、グルコン酸等);
(q2−d)炭素数7〜30の芳香族または複素環モノカルボン酸
芳香族モノカルボン酸(安息香酸、ナフトエ酸、ケイ皮酸等)、芳香族オキシカルボン酸(サリチル酸、p−オキシ安息香酸、マンデル酸等)、および複素環モノカルボン酸(ピロリドンカルボン酸等);
(q2−e)2〜4価のポリカルボン酸
炭素数2〜30の直鎖状または分岐状の脂肪族ポリカルボン酸[飽和ポリカルボン酸(シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバチン酸等)、炭素数4〜30の不飽和ポリカルボン酸(マレイン酸、フマール酸、イタコン酸等)];炭素数4〜20の脂肪族オキシポリカルボン酸(リンゴ酸、酒石酸、クエン酸等);炭素数8〜30の芳香族ポリカルボン酸[ジカルボン酸〔フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸およびビフェニルジカルボン酸(2,2’−、3,3’−および/または2,7−体)等〕、トリもしくはテトラカルボン酸(トリメリット酸、ピロメリット酸等)];硫黄を含有する炭素数4〜30のポリカルボン酸(チオジプロピオン酸等);
(q2−f)炭素数2〜30のアミノ酸
アスパラギン酸、グルタミン酸、システィン酸等のアミノ酸;
(q2−g)有機酸変性シリコーン
ジオルガノポリシロキサンのメチル基の一部が、−R7COOH基および/または−R7SO3H基 で置換した有機酸。R7は炭素数2〜5のアルキレン基であり、残りはメチル基、フェニル基、炭素数2〜20のアルキル基または−(CH2)p−Ph(Phはフェニル基、pは1〜4の整数を示す)基でもよい。
(q2−h)脂肪族アルコール(炭素数8〜24)のカルボキシメチル化物
オクチルアルコールのカルボキシメチル化物、デシルアルコールのカルボキシメチル化物、ラウリルアルコールのカルボキシメチル化物、のカルボキシメチル化物およびトリデカノール(協和発酵製)のカルボキシメチル化物等;
(q2−i)脂肪族アルコール(炭素数8〜24)のEOおよび/またはPO1〜20モル付加物のカルボキシメチル化物、オクチルアルコールEO3モル付加物のカルボキシメチル化物、ラウリルアルコールEO2.5モル付加物のカルボキシメチル化物、イソステアリルアルコールEO3モル付加物のカルボキシメチル化物、およびトリデカノールEO2モル付加物のカルボキシメチル化物等;
これらのうちでさらに好ましいものは、メチル硫酸、エチル硫酸、アジピン酸、グルコン酸、とくにイソステアリン酸、25℃における粘度が10〜8,000(さらに20〜5,000、とくに30〜1000)mm2 /sで、カルボキシ当量が300〜8,000(さらに400〜4,000、とくに500〜1,500)のカルボキシ変性シリコーン、およびラウリルアルコールEO1〜5モル付加物のカルボキシメチル化物である。
第4級アンモニウム塩型カチオン界面活性剤(C2−1)として好ましいものは、アルキル(炭素数1〜30)トリメチルアンモニウム塩(例えば、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド、ラウリルトリメチルアンモニウムイソステアリン酸塩、ラウリルトリメチルアンモニウムカルボキシ変性シリコーン塩等)、ジアルキル(炭素数1〜30)ジメチルアンモニウム塩[例えば、ジデシルジメチルアンモニウムクロライド、ジオクチルジメチルアンモニウムブロマイド、ジデシルジメチルアンモニウムイソステアレート、ジ(ジデシルジメチルアンモニウム)アジペート、ジデシルジメチルアンモニウムカルボキシ変性シリコーン塩、ジデシルジメチルアンモニウムラウリルアルコールEO1〜5モル付加物のカルボキシメチル化物の塩等]、窒素環含有第4級アンモニウム塩(例えば、セチルピリジニウムクロライド等)、ポリ(付加モル数2〜15)オキシアルキレン(炭素数2〜4)鎖含有第4級アンモニウム塩[例えば、ポリ(付加モル数3)オキシエチレントリメチルアンモニウムクロライド等]、アルキル(炭素数1〜30)アミドアルキル(炭素数1〜10)ジアルキル(炭素数1〜4)メチルアンモニウム塩(例えば、ステアラミドエチルジエチルメチルアンモニウムメトサルフェート等)等が挙げられる。
これらのうちさらに好ましいのはアルキルトリメチルアンモニウムの有機酸塩およびとくにジアルキルジメチルアンモニウムの有機酸塩である。
アミン塩型カチオン界面活性剤(C2−2)として好ましいものは、3級アミンを無機酸(例えば、塩酸、硝酸、硫酸、ヨウ化水素酸等)または有機酸(例えば、酢酸、ギ酸、蓚酸、乳酸、グルコン酸、アジピン酸、アルキル硫酸等)で中和して得られるものが使用できる。炭素数3〜90の脂肪族3級アミン(例えば、トリエチルアミン、エチルジメチルアミン、ジデシルメチルアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、ラウラミドプロピルジメチルアミン等)、炭素数3〜90の脂環式(含窒素ヘテロ環を含む)3級アミン(例えば、N−メチルピロリジン、N−メチルピペリジン、N−メチルモルホリン、4−ジメチルアミノピリジン、N−メチルイミダゾール、4,4’−ジピリジル等)、炭素数3〜90のヒドロキシアルキル基含有3級アミン(例えば、トリエタノールアミンモノステアリン酸エステル、N−ステアラミドエチルジエタノールアミン等)等の無機酸塩または有機酸塩等が挙げられる。
これらのうちさらに好ましいのは、脂肪族アミンの無機酸塩および有機酸塩である。
これら界面活性剤(C)のうち、好ましいのは(C1−1A)、(C1−2)、(C2−1)、(C2−2)であり、さらに好ましいものは(C1−2),(C2−2)であり、特に好ましくは(C1−2)と(C2−2)の併用である。併用する場合(C1−2)と(C2−2)の重量比は、好ましくは(C1−2)/(C2−2)=4/1〜1/4であり、さらに好ましくは3/1〜1/3である。
これら(C)は単独で使用しても、2種以上を混合して使用してもよい。
(A)の含有量(質量%)は、平滑性の観点から、(A)+(B)+(C)の合計質量に基づいて、好ましくは70〜98.9、さらに好ましくは75〜98.5、特に好ましくは下限が77、上限が98、最も好ましくは下限が80、上限が97.5である。
これらの範囲であると、平滑性が良好であり、11〜22デシテックス(dtx)等の細糸を紡糸する際でも糸切れなどの問題が生じる恐れがない。
(B)の含有量(質量%)は、(A)+(B)+(C)の合計質量に基づいて、膠着防止性および平滑性の観点から好ましくは0.1〜7、さらに好ましくは0.5〜5、特に好ましくは下限が0.7、上限が4である。
これら範囲であると、膠着防止性が良好であり、経日での油状組成物全体の粘度上昇が小さく、11〜22dtx等の細糸を紡糸する際でも糸切れなどの問題が生じる恐れがない。
(C)の含有量(質量%)は、(A)+(B)+(C)の合計質量に基づいて、分散性および分散安定性の観点から好ましくは1〜23、さらに好ましくは1〜20、特に好ましくは下限が2、上限が18、最も好ましくは下限が3、上限が16である。
これらの範囲であると、ノズル給油方式での生産の際に、(B)がノズル中で詰ることなく、紡糸が安定的にでき、糸切れなどの問題が生じる恐れがない。
また(B)と(C)の配合質量比は、油状組成物の経日安定性の観点から、40/60〜1/99が好ましく、さらに好ましくは38/62〜2/98、特に好ましくは35/65〜3/97である。
これらの範囲であると、平滑性が良くなり、ノズル給油での生産が安定的にできる。
本発明の油状組成物の25℃における粘度は、通常1〜500mm2/sである。好ましくは2〜100mm2/sであり、さらに好ましくは3〜50mm2/sである。
これらの範囲であると、平滑性が良く、かつ紡糸工程時の油状組成物の飛散が少なく、作業環境が悪化する恐れがない。
本発明の油状組成物の25℃における濁度は、ノズル給油方式での生産安定性、油状組成物の経日安定性の観点から、通常20mg/L以下である。好ましくは0〜15mg/L以下、特に好ましくは0〜10mg/L以下である。濁度は、積分球式光電光度法、散乱光測定法、透過光測定法等により測定できるが、本発明において濁度は、積分球式光電光度法(JIS K0101−1998、9.4.積分球濁度)で測定した値である。
(B)の体積平均粒子径は、ノズル給油方式での生産安定性、油状組成物の経日安定性の観点から、好ましくは1〜200nmである。さらに好ましくは2〜100nm、特に好ましくは3〜80nmである。
体積平均粒子径が1nm未満および200nmを超えるとノズル給油方式での生産安定性が悪くなる。 体積平均粒子径は通常、動的光散乱法(界面活性剤評価・試験法(日本油化学会)、212頁(2002))、またはX線回折法(JIS 0131−1996、X線回折分析通則)で測定するが、本発明おける体積平均粒子径は動的光散乱法で測定した値である。
本発明の油状組成物は、(A)、(B)、(C)以外に、必要により他の成分(D)を含有していてもよい。(D)としては、例えば、(B)以外の膠着防止成分(D1)、制電成分(D2)、柔軟成分(D3)、およびこれら以外の添加剤(D4)が挙げられる。また、後述する溶解助剤(E)を含有してもよい。
(D1)は本発明の油状組成物の性能を損なわない程度に追加配合してよく、追加させることで膠着防止効果を増大させることができる。
(D1)としては、例えば、常温で固体のシリコーン(D11)、ポリエーテル変性シリコーン(D12)、これら以外の膠着防止剤(D13)、およびこれら2種以上の併用が挙げられる。ここで常温で固体とは、25℃において固体であるという意味である。
常温(25℃)で固体のシリコーン(D11)としては、分子内に3官能性シロキサン単位、あるいは4官能性シロキサン単位を含有するポリオルガノシロキサン(シリコーンレジン)等が挙げられ、例えば、分岐度の高い三次元構造の固体ポリマー[例えば、2官能性シロキサン単位(D単位)と3官能性シロキサン単位(T単位)を主構成成分として含むDTレジン、1官能性シロキサン単位(M単位)と4官能性シロキサン単位(Q単位)を主構成成分として含むMQレジン、T単位のみからなるポリオルガノシルセスキオンサン等]が挙げられる。
好ましいものは、重量平均分子量(ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによる、Mwと略記する)が1,000〜100,000のメチルシリコーンレジン、およびMwが1,000〜100,000のアミノ変性オルガノポリシロキサンからなるレジンであり、さらに好ましくは、Mwが1,500〜30,000のメチルシリコーンレジンである。
ポリエーテル変性シリコーン(D12)としては、例えば、下記一般式(5)で示されるポリエーテル変性シリコーン等が挙げられる。
式中、R10、R11、R12およびR13の少なくとも一つがポリオキシアルキレン鎖含有基である。残りはメチル基、炭素数2〜20のアルキル基、フェニル基または炭素数1〜5のアルコキシ基でもよい。
ポリオキシアルキレン基としては、一般式−A1−O−(A2−O)s−R14で示される基であり、ここで、R14は水素原子または炭素数1〜30のアルキル基;A1は炭素数1〜5のアルキレン基;A2は炭素数1〜4のアルキレン基であり、同一でも異なっていてもよく、ブロック状でもランダム状でもよい。sは1〜100の整数を表す。a,bはそれぞれ1〜10,000の整数である。
(D1)の配合量(質量%)は、油状組成物の重量に基づいて、好ましくは4以下、さらに好ましくは2以下である。また、(B)100質量部に対して、200質量部以下が好ましく、100質量部以下がさらに好ましい。
制電成分(D2)としては、例えば、両性界面活性剤(D21)および非イオン界面活性剤(D22)が挙げられる。
(D21)としては、ベタイン型両性界面活性剤、アミノ酸型両性界面活性剤およびスルホン酸塩型両性界面活性剤等が使用できる。
(D21)のうち好ましいものとしては、例えば下記一般式(6)、(7)または(8)で示されるもの、およびこれらの2種以上の混合物が挙げられる。
式中、R15 、R16 、R17 はそれぞれ独立に炭素数1〜30のアルキル基、アルケニル基、ヒドロキシアルキル基、ポリオキシアルキレン基(アルキレン基の炭素数:2〜4)、および式R19−T−R20−で示される基(R19は炭素数1〜30の脂肪酸からCOOH基を除いた残基、R18は炭素数1〜4のアルキレン基またはヒドロキシアルキレン基、Tは−COO−または−CONH−を表す。)から選ばれる基を表し;R18は炭素数1〜4のアルキレン基またはヒドロキシアルキレン基を表し;X-はCOO-またはSO3 -を表す。
[式中、(8)中、R21は炭素数1〜30のアルキル基、アルケニル基またはヒドロキシアルキル基を表し;R22は炭素数1〜4のアルキレン基またはヒドロキシアルキレン基を表し;R23は水素原子または式−R22COOY1/r で示される2価の基を表し;R23は水素原子、炭素数1〜30のアルキル基またはアルケニル基を表す。Lは水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属またはアミンカチオンであってLが複数の場合は同一でも異なっていてもよい;rはLの価数を表し、1または2である。]
15 、R16 、R17 、R21およびR23の炭素数1〜30のアルキル基、および炭素数2〜30のアルケニル基としては、前記R1、R2と同様であり、好ましいものも同様である。R15 、R16 、R17 およびR21の炭素数1〜30のヒドロキシアルキル基としては、直鎖状、分岐状のいずれでもよく、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基、n−およびi−のヒドロキシプロピル基、ヒドロキシブチル基、ヒドロキシヘキシル基、ヒドロキシオクチル基、ヒドロキシデシル基、ヒドロキシドデシル基、ヒドロキシテトラデシル基、ヒドロキシヘキサデシル基およびヒドロキシオクタデシル基等が挙げられる。
15 、R16 およびR17のポリオキシアルキレン基としては、式R24−(OA3)t−で示される基(R24は水素原子または炭素数1〜4のアルキル基、A3は炭素数2〜4のアルキレン基、tは2〜15の整数)が挙げられる。炭素数2〜4のアルキレン基A3としては、1,2−エチレン基、1,2−および1,3−プロピレン基、ならびに1,2−、2,3−、1,3−および1,4−ブチレン基等が挙げられる。炭素数1〜4のアルキル基R24は、直鎖状、分岐状のいずれでもよく、メチル基、エチル基、n−およびi−のプロピル基、およびブチル基等が挙げられる。
19−T−R20− で示される基の、残基R19を構成する炭素数1〜30の脂肪酸としては、直鎖状、分岐状のいずれでもよく、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、吉草酸、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、ベラルゴン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、ベヘン酸、2−エチルヘキサン酸等が挙げられる。これらのうち好ましいものは、炭素数6〜24の脂肪酸である。
20の炭素数1〜4のアルキレン基としては、直鎖状、分岐状のいずれでもよく、メチレン基、エチレン基、n−およびi−のプロピレン基、ブチレン基等;炭素数1〜4のヒドロキシアルキレン基としては、直鎖状、分岐状のいずれでもよく、ヒドロキシメチレン基、ヒドロキシエチレン基、n−およびi−のヒドロキシプロピレン基、ヒドロキシブチレン基等が挙げられる。これらのうち好ましいものは炭素数1〜4のアルキレン基である。
これらのうち好ましいものは、R15 およびR21は炭素数6〜24のアルキル基、アルケニル基、ヒドロキシアルキル基、およびR19CONHR20−基であり、R16 、R17 は炭素数1〜24のアルキル基、アルケニル基およびヒドロキシアルキル基であり、R22は水素原子および炭素数6〜24のアルキル基、アルケニル基である。
18 およびR22の炭素数1〜4のアルキレン基、およびヒドロキシアルキレン基としては、R20と同様のものが挙げられ、好ましいものも同様である。
- のうち好ましいものはCOO- である。
23は、水素原子または−R22−COOL1/r 基である。これらのうち好ましいものはR23が水素原子のものとR23が−R22−COOL1/r 基のものの混合物である。
Lのアルカリ金属としてはリチウム、カリウム、ナトリウム等;アルカリ土類金属としてはカルシウム、マグネシウム等;アミンカチオンとしてはモノ−、ジ−およびトリ−のエタノールアミンカチオン、2−エチルヘキシルアミンカチオン等が挙げられる。これらのうち好ましいものは、水素原子およびアルカリ金属である。
一般式(6)で表されるベタイン型両性界面活性剤としては、例えば、アルキル(炭素数1〜30)ジメチルベタイン、アルキル(炭素数1〜30)アミドアルキル(炭素数1〜4)ジメチルベタイン、アルキル(炭素数1〜30)ジヒドロキシアルキル(炭素数1〜30)ベタイン、スルフォベタイン型両性界面活性剤が挙げられる。これらのうち好ましいものはアルキルジメチルベタイン、アルキルアミドアルキルジメチルベタインである。
一般式(7)で表されるアミノ酸型両性界面活性剤としては、例えば、アラニン型[アルキル(炭素数1〜30)アミノプロピオン酸型、アルキル(炭素数1〜30)イミノジプロピオン酸型等]両性界面活性剤、グリシン型[アルキル(炭素数1〜30)アミノ酢酸型等]両性界面活性剤が挙げられる。これらのうち好ましいのは、アルキルアミノプロピオン酸型両性界面活性剤、アルキルイミノジプロピオン酸型両性界面活性剤である。
一般式(8)で表されるスルホン酸塩型両性界面活性剤(アミノスルホン酸型両性界面活性剤)としては、例えば、アルキル(炭素数1〜30)タウリン型両性界面活性剤等が挙げられる。
非イオン界面活性剤(D22)としては、例えば下記一般式(9)で示されるものが挙げられる。
式中、R25は炭素数1〜24のアルキル基であり、具体例および好ましいものは、前記R1、R2のアルキル基と同様である。R26としては炭素数1〜5のアルキル基(メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、ペンチル基)が挙げられる。R26のうち好ましいものは炭素数1〜3のアルキル基である。これらは2種以上の混合物であってもよい。R27 としては水素原子または炭素数1〜3のアルキル基(メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基)が挙げられる。これらは2種以上の混合物であってもよい。AOは一般式(1)におけるものと同様である。一般式(9)中の(AO)qは、好ましくはエチレンオキサイド(以下、EOと略す)単独付加、EOとプロピレンオキサイド(以下、POと略す)とのブロック付加、特に好ましくはEO単独付加である。qは0または1〜10の整数であり、好ましくは1〜6である。
これらの範囲であると、ベースオイルとの相溶性が良い。
一般式(9)で表される(D22)の具体例としては、炭素数3〜33のセカンダリーアルコールのEOおよび/またはPO付加物であるが、好ましい具体例としては、セカンダリーアルコール(炭素数13)EO3モル付加物、セカンダリーアルコール(炭素数13)EO5モル付加物、セカンダリーアルコール(炭素数13)EO7モル付加物、セカンダリーアルコール(炭素数13)EO9モル付加物、セカンダリーアルコール(炭素数15)EO3モル付加物、セカンダリーアルコール(炭素数15)EO5モル付加物、セカンダリーアルコール(炭素数11)EO5モル付加物、セカンダリーアルコール(炭素数18)EO5モル付加物、セカンダリーアルコール(炭素数24)EO5モル付加物、セカンダリーアルコール(炭素数18)EO3PO2モルブロック付加物、セカンダリーアルコール(炭素数24)EO5PO3モルブロック付加物等が挙げられる。
これらの制電成分を使用する場合には、(D2)の含有量(質量%)は、油状組成物の質量に基づいて、好ましくは0〜12、さらに好ましくは0.1〜10である。
柔軟成分(D3)としては、例えば、エポキシ変性シリコーン(D31)、アミノ変性シリコーン(D32)、およびカルボキシル変性シリコーン(D33)が挙げられる。
(D31)としては、前記一般式(5)中、R10、R11、R12、R13の少なくとも一つがエポキシ基含有基であるもの。残りはメチル基、炭素数2〜20のアルキル基、フェニル基または炭素数1〜5のアルコキシ基でもよい。a、bは1〜1,000の整数である。
エポキシ基含有基としては、下記一般式(10)で示されるもの(式中、R28は炭素数1〜4のアルキレン基である)、例えばグリシジル基が挙げられる。
(D32)としては、前記一般式(5)中、R10、R11、R12、R13の少なくとも一つが−R29−NH(R30NH)nH基含有基(R29は炭素数1〜5のアルキレン基、R30は炭素数1〜4のアルキレン基、nは0または1〜3の整数である)であるもの。残りはメチル基、炭素数2〜20のアルキル基、フェニル基または炭素数1〜5のアルコキシ基でもよい。また、a、bは1〜10,000の整数である。
(D33)としては、前記一般式(5)中、R10、R11、R12、R13の少なくとも一つが−R31-COOL1/r基含有基[R31は炭素数1〜5のアルキレン基、Lおよびrは前記一般式(7)におけると同じである]であるもの。残りはメチル基、炭素数2〜20のアルキル基、フェニル基または炭素数1〜5のアルコキシ基でもよい。a、bは1〜10,000の整数である。
(D31)〜(D33)中で、炭素数2〜20のアルキル基は、直鎖状、分岐状のいずれでもよく、エチル基、n−およびイ−のプロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基およびオクタデシル基ならびに2−エチルデシル基等が挙げられる。
炭素数1〜5のアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、n−およびi−のプロポキシ基およびブトキシ基等が挙げられる。
炭素数1〜4のアルキレン基としては、R18で挙げたものが挙げられ、炭素数5のアルキレン基としては、1,2−、1,3−、1,4−、2,3−および2,4−ペンチレン基が挙げられる。
これらの柔軟成分を使用する場合には、(D3)の含有量(質量%)は、油状組成物の質量に基づいて、好ましくは0〜12、さらに好ましくは0.1〜10である。
上記以外の添加剤(D4)としては、通常油状組成物に使用される成分を使用でき、酸化防止剤(ヒンダードフェノール、ヒンダードアミン等)、紫外線吸収剤等が挙げられる。これら添加剤を使用する場合、(D4)配合量(質量%)は、油状組成物の質量に基づいて、好ましくは0〜5、さらに好ましくは0〜2である。
溶解助剤(E)としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンチルアルコール、ネオペンチルアルコール、2−エチルヘキシルアルコール等の1価アルコール;エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール等の2価アルコール;ヘキサン、ペンタン等の脂肪族炭化水素;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素;ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等の高極性溶媒;クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素等が挙げられ、これらは2種以上用いてもよい。
なお、ベースオイル(A)に炭化水素系潤滑油(A2)を用いる場合は、(E)を(A)の少なくとも一部とすることができる。(E)は、そのまま本発明の油剤中に含有させてもよいし、ストリッピング等により除去してもよい。
本発明の油状組成物の製造方法としては、例えば以下の方法が挙げられる。
常温で固体である(B)を(A2)および(C)と一緒に撹拌装置のある槽に入れ、50〜80℃に加熱し、25℃における濁度が20mg/L以下になるまで撹拌する。その後、撹拌しながら(A1)を入れ、20〜40℃に冷却することで本発明の油状組成物を得ることができる。
上記方法で得られた油状組成物をそのまま本発明の油状組成物とすることもできるが、必要により(D)や(E)等を(A1)投入時に併せて添加し、本発明の油状組成物としてもよい。
本発明の油状組成物の粘度は、均一付着、ローラ巻き付き防止のために、25℃で1〜500mm2/sが好ましい。
粘度は以下の方法で測定する。
[粘度の測定方法]
試料油状組成物を20gウベローデ粘度計に入れ、恒温水槽で25±0.5℃に試料油剤を温調する。30分後、ウベローデ法により粘度を測定する。
油状組成物の付与形態は、通常非含水の状態で使用することができるが、必要に応じて水乳化物として使用してもよい。
非含水の状態とは、そのまま(ストレート給油)、または希釈剤(有機溶媒、低粘度鉱物油等)で希釈して使用することができる。希釈比率は特に限定されないが、油剤の重量[非揮発分の合計重量]は、希釈後の希釈油剤の全重量に基づいて、通常1〜80質量%、好ましくは5〜70質量%である。
有機溶媒としては、例えば、前述した溶解助剤(E)と同じものが挙げられる。低粘度鉱物油としては、例えば、25℃における粘度が1mm2 /s未満の流動パラフィンや精製スピンドル油が挙げられる。
水乳化物の場合は、公知の方法で乳化することができるが、例えば、本油剤を必要に応じ乳化剤と混合し、水中に乳化することによって得ることができる。
乳化剤としては、(A)、(C)などの種類によっては特に加える必要はなく、例えば前述したアニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤等が使用できる。
前記各成分に該当する以外の乳化剤を使用する場合の乳化剤の量(質量%)は、乳化剤配合後の油剤(非揮発分)の全質量に基づいて、好ましくは0〜50である。
乳化機としては、攪拌機を備えた乳化槽やボールミル、ガウリンホモジナイザー、ホモディスパーおよびビーズミル等を用いることができる。
エマルションの濃度は特に限定されないが、油状組成物の重量(質量%)は、乳化後のエマルションの全質量に基づいて、好ましくは0.01〜30、さらに好ましくは0.2〜20である。
本発明の油状組成物は弾性繊維の紡糸工程(例えば200〜1,200m/分)において、紡出後、糸が巻き取られるまでの任意の位置で、ノズル給油で糸に付与させることができる。給油する油状組成物の温度は通常10〜80℃、好ましくは15〜60℃である。なお本発明の油状組成物はノズル給油用の油状組成物であるが、ローラ給油で使用することもできる。
本発明の油状組成物は、通常弾性繊維に対して、非揮発分として、好ましくは0.1〜12(さらに好ましくは0.5〜10、特に好ましくは1〜8)質量%付与させる。
本発明の油状組成物を適用できる弾性繊維としては、ポリウレタン弾性糸、ポリエステル弾性糸、ポリアミド弾性糸およびポリカーボネート弾性糸等が挙げられるが、とくにポリウレタン弾性糸に好適に使用できる。
本発明の油状組成物を適用できる弾性繊維の維度は、特に限定されないが、通常10〜2500dtx、好ましくは11〜1870dtxである。
本発明の油状組成物で処理されてなる弾性繊維は、後加工工程(例えばエアースパンヤーン工程、カバーリング工程、エアーカバーリング工程、編み工程、整経工程、精錬工程、染色工程および仕上げ工程等)を経て最終製品に仕上げられる。
なお、弾性繊維は他の合成繊維、例えばナイロン繊維やポリエステル繊維と混紡して使用される。従って、本発明の油状組成物は、付与された後、他の合成繊維の紡糸油剤と一緒に洗浄され、除去されることが多い。精練工程では、水系精練または溶剤精練が行われる。
最終製品としては、衣料用[例えばパンティーストッキング、靴下、インナーファンデーション(ブラジャー、ガードル、ボディースーツ等)、アウターウェア(ジャケット、スラックス等)、スポーツウェア(水着、レオタード、スキーズボン等)]および産業資材用(例えば紙おむつ、ベルト等)等に広く適用できる。
[実施例]
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。なお、文中および表中の部は質量部(有効成分)を表す。
実施例1〜4および比較例1〜4
表1記載の配合処方で各成分を配合して、本発明および比較例の油状組成物を調製した。
実施例1
ジステアリン酸マグネシウム1質量%、ポリオキシエチレンイソトリデシルエーテル酢酸ナトリウム(EO3モル付加物)2質量%、ポリオキシエチレンラウリルエーテル酢酸(EO2.5モル付加物)4質量%、ジデシルジメチルアンモニウム・ポリオキシエチレンラウリルエーテル酢酸(EO2.5モル付加物)塩2質量%、および流動パラフィン60質量%を60〜70℃で1時間混合した。その後、ポリジメチルシロキサン31質量%を加え、30℃に冷却、実施例1の油状組成物を調整した。
実施例2
ジステアリン酸マグネシウム1.5質量%、ポリオキシエチレンイソトリデシルエーテル酢酸ナトリウム(EO3モル付加物)3質量%、ポリオキシエチレンラウリルエーテル酢酸(EO2.5モル付加物)6質量%、ジデシルジメチルアンモニウム・ポリオキシエチレンラウリルエーテル酢酸(EO2.5モル付加物)塩3質量%、および流動パラフィン66.5質量%を60〜70℃で1時間混合した。その後、ポリジメチルシロキサン20質量%を加え、30℃に冷却、実施例2の油状組成物を調整した。
実施例3
ジステアリン酸マグネシウム2質量%、ポリオキシエチレンイソトリデシルエーテル酢酸ナトリウム(EO3モル付加物)3質量%、ポリオキシエチレンラウリルエーテル酢酸(EO2.5モル付加物)6質量%、ジデシルジメチルアンモニウム・ポリオキシエチレンラウリルエーテル酢酸(EO2.5モル付加物)塩3質量%、および流動パラフィン71質量%を60〜70℃で1時間混合した。その後、ポリジメチルシロキサン15質量%を加え、30℃に冷却、実施例3の油状組成物を調整した。
実施例4
ジステアリン酸マグネシウム2.5質量%、ポリオキシエチレンイソトリデシルエーテル酢酸ナトリウム(EO3モル付加物)3質量%、ポリオキシエチレンラウリルエーテル酢酸(EO2.5モル付加物)6質量%、ジデシルジメチルアンモニウム・ポリオキシエチレンラウリルエーテル酢酸(EO2.5モル付加物)塩3質量%、および流動パラフィン75.5質量%を60〜70℃で1時間混合した。その後、ポリジメチルシロキサン10質量%を加え、30℃に冷却、実施例4の油状組成物を調整した。
実施例5
ジステアリン酸マグネシウム0.7質量%、ポリオキシエチレンイソトリデシルエーテル酢酸ナトリウム(EO3モル付加物)2質量%、ポリオキシエチレンラウリルエーテル酢酸(EO2.5モル付加物)2質量%および流動パラフィン33.3質量%を80〜90℃で1時間混合した。その後、ポリジメチルシロキサン55質量%を加え、30℃に冷却、実施例5の油状組成物を調整した。
実施例6
ジステアリン酸マグネシウム0.3質量%、ポリオキシエチレンイソトリデシルエーテル酢酸ナトリウム(EO3モル付加物)0.5質量%、ポリオキシエチレンラウリルエーテル酢酸(EO2.5モル付加物)1.5質量%および流動パラフィン42.7質量%を80〜90℃で1時間混合した。その後、ポリジメチルシロキサン55質量%を加え、30℃に冷却、実施例6の油状組成物を調整した。
比較例1
ジステアリン酸マグネシウム1質量%、ポリオキシエチレンイソトリデシルエーテル酢酸ナトリウム(EO3モル付加物)0.5質量%、および流動パラフィン38.5質量%を60〜70℃で1時間混合した。その後、ポリジメチルシロキサン60質量%を加え、30℃に冷却、比較例1の油状組成物を調整した。
比較例2
ジステアリン酸マグネシウム1質量%、ポリオキシエチレンイソトリデシルエーテル酢酸ナトリウム(EO3モル付加物)0.2質量%、ポリオキシエチレンラウリルエーテル酢酸(EO2.5モル付加物)0.4質量%、ジデシルジメチルアンモニウム・ポリオキシエチレンラウリルエーテル酢酸(EO2.5モル付加物)塩0.2質量%、および流動パラフィン66.2質量%を60〜70℃で1時間混合した。その後、ポリジメチルシロキサン32質量%を加え、30℃に冷却、比較例2の油状組成物を調整した。
比較例3
ジステアリン酸マグネシウム1.5質量%および流動パラフィン49質量%を115〜120℃で1時間混合した。その後、ポリジメチルシロキサン49.5重量%を加え、30℃に冷却、比較例3の油状組成物を調整した。
ポリウレタン繊維の乾式紡糸法において、表1の油状組成物をローラー給油で油状組成物付着量がフィラメント重量に対し6重量%になるよう付与させ、600m/分でチーズに巻き取り、40Dのポリウレタン繊維を得た。
さらに、油状組成物の経日安定性試験、膠着性試験、ノズル給油方式での生産安定性試験を行なった。性能評価結果を併せて表1に示す。また、前記の方法でウベローデ粘度計にて測定した25℃における油状組成物の粘度、日本電色工業株式会社製のWater Analyzer−2000にて測定した25℃における油状組成物の濁度、および大塚電子株式会社製のELS−800にて測定した油状組成物の体積平均粒子径を表1に示す。
実施例および比較例で得られた油状組成物の粘度の測定方法、濁度の測定方法、体積平均粒子径の測定方法、経日安定性試験、油状組成物を付与した糸の膠着性試験法、およびノズル給油方式での生産安定性試験法は以下の通りである。
<粘度の測定方法>
試料油状組成物を20gウベローデ粘度計に入れ、恒温水槽で25℃に試料油状組成物を温調する。30分後、ウベローデ法により粘度を測定する。
<濁度の測定方法>
25℃に温調した試料油状組成物を長さ10mmのセルに入れて、日本電色工業株式会社製のWater Analyzer−2000を使って、積分球式光電光度法で測定した。
<体積平均粒子径の測定方法>
油状組成物を長さ10mmのセルに入れて、大塚電子株式会社製のELS−800を使って、動的光散乱法で測定した。
<油状組成物の経日安定性試験>
調整した油状組成物100gを、145mlガラス製ボトルに入れ、−5℃、25℃、50℃の恒温槽中に30日間静置した後、油状組成物の外観を肉眼で観察し、調整直後の油状組成物の外観と比較し、次の基準で判定した。
−判定基準−
○:変化無し。
△:層分離や沈降物の発生はないが、油状組成物調整直後よりカスミ度合いが強い。
×:層分離や沈降物が発生。
<膠着性試験>
紡糸工程で巻き取ったチーズを50℃で2週間エージングを行った繊維を用い、可変倍率(引き出し速度と巻き取り速度との比率の変更が可能)の引き出し巻き取り装置にかけ、50m/分の速度で糸を送り出した時、糸が膠着により巻き込まれずに巻き取ることのできる最低の速度倍率を求め、次の基準で判定した。
−判定基準−
○:速度倍数が 50〜65
×:速度倍数が 66以上
<ノズル給油方式での生産安定性試験>
ポリウレタン繊維の乾式紡糸法において、表1の油状組成物をノズル給油で油状組成物付着量がフィラメント重量に対し6重量%になるよう付与させ、600m/分でチーズに巻き取り、40Dのポリウレタン繊維を得る際の、ノズル給油状態を肉眼で観察し、次の基準で判定した。
−判定基準−
◎:給油24時間でも、ノズル詰りが発生しない。
○:給油24時間以内で、ノイズ詰まりで給油量が低下する場合がある。
△:給油12時間以内で、ノズル詰まりが発生し、給油できない。
×:給油1時間以内にノズル詰りが発生し、給油できない。
なお、表1における各成分は以下の通りである。
ポリジメチルシロキサン:KF96−10CS(信越化学工業株式会社製:粘度10mm2/s(25℃))
流動パラフィン:流パン60S(三光化学株式会社製:粘度15mm2/s(25℃))
界面活性剤−1:ポリオキシエチレンイソトリデシルエーテル酢酸ナトリウム(EO3モル付加物)
界面活性剤−2:ポリオキシエチレンラウリルエーテル酢酸(EO2.5モル付加物)
界面活性剤−3:ジデシルジメチルアンモニウム・ポリオキシエチレンラウリルエーテル酢酸(EO2.5モル付加物)塩
表1から明らかなように、本発明で規定した範囲の濁度を有する油状組成物(実施例1〜4)は、油状組成物の経日安定性、膠着防止性、ノズル給油方式での生産安定性に優れていることが判る。それに対し、比較例1〜4の中には性能項目をすべて満たすものはない。
本発明の油状組成物は、油状組成物の経日安定性、および繊維同士の膠着防止性が優れており、かつ弾性繊維生産時のノズル給油方式での紡糸工程でノズル詰りがなく安定的に操業できるため、ローラー給油方式およびノズル給油方式のいずれの紡糸方法においても断糸等のトラブル発生を減らすことができ、特に細デシテックス繊維の高速紡糸工程に好適である。また、本発明の油状組成物は、高級脂肪酸金属塩の微分散体であり、撥水性、潤滑性及び離型性にも優れていることから、香粧品・無機顔料分野、塗料・非極性溶剤改質分野および電子情報分野等でも使用できる。

Claims (12)

  1. シリコーンオイル(A1)および炭化水素系潤滑油(A2)からなる群より選ばれる少なくとも1種のベースオイル(A)、並びに高級脂肪酸金属塩(B)からなり、25℃における濁度(JIS K0101−1998、9.4.積分球濁度)が20mg/L以下であることを特徴とする油状組成物。
  2. さらに、アニオン界面活性剤(C1)およびカチオン界面活性剤(C2)からなる群より選ばれる少なくとも1種からなり、7.0〜10.5の溶解度パラメーターを有する界面活性剤(C)を含有する請求項1記載の油状組成物。
  3. 前記(A)+(B)+(C)の合計質量に基づいて、前記(A)の含有量が70〜98.9質量%、前記(B)の含有量が0.1〜7質量%、前記(C)の含有量が1〜23質量%である請求項2記載の油状組成物。
  4. 前記(A)+(B)+(C)の合計質量に基づいて、前記(A)の含有量が75〜98.5質量%、前記(B)の含有量が0.5〜5質量%、前記(C)の含有量が1〜20質量%である請求項2または3記載の油状組成物。
  5. 前記(C)が下記一般式(1)で表されるスルホコハク酸エステルアニオン界面活性剤(C1−1A)、下記一般式(2)で表されるエーテルカルボン酸アニオン界面活性剤(C1−2)、下記一般式(3)で表される第4級アンモニウム塩型カチオン界面活性剤(C2−1)、および下記一般式(4)で表される第3級アミン塩型カチオン界面活性剤(C2−2)からなる群から選ばれる少なくとも1種の界面活性剤からなる請求項2〜4のいずれか記載の油状組成物。
    [式中、R1,R2,R3,R4、R5、R6はそれぞれ独立に炭素数1〜24のアルキル基、アリル基、炭素数2〜24のアルケニル基、ヒドロキシアルキル基、ポリオキシアルキレン基(アルキレン基の炭素数:2〜4)、および式R8−T−R9− で示される基(R8は炭素数1〜24の脂肪酸からCOOH基を除いた残基、R9は炭素数1〜4のアルキレン基またはヒドロキシアルキレン基、Tは−COO−または−CONH−を表す。)から選ばれる基、R7は炭素数1〜24のアルキル基、炭素数2〜24のアルケニル基、ヒドロキシアルキル基またはポリオキシアルキレン基;R4とR5とR6とのいずれか2つが結合してNとともに複素環を形成していてもよい;Aは炭素数2〜4のアルキレン基であり、m、nおよびm+nはそれぞれ独立には0または1〜10の整数である。Mは水素原子、アルカリ金属原子またはアミンを表す。Q- は無機酸アニオンまたは有機酸アニオン、QHは無機酸または有機酸を表す。]
  6. 前記(B)と前記(C)の質量比が40/60〜1/99である請求項2〜5のいずれか記載の油状組成物。
  7. 前記(B)の体積平均粒子径が1〜200nmである請求項1〜6記載の油状組成物。
  8. 前記(B)がステアリン酸のアルカリ土類金属塩である請求項1〜7のいずれか記載の油状組成物。
  9. 前記(A1)が、ポリジメチルシロキサン、またはその一部が炭素数2〜20のアルキル基および/またはフェニル基で置換されたポリジメチルシロキサンである請求項1〜8のいずれか記載の油状組成物。
  10. 前記(A2)が、鉱物油、水添油または分解油である請求項1〜9のいずれか記載の油状組成物。
  11. 請求項1〜10のいずれかに記載の油状組成物を紡糸工程で、弾性繊維に対して0.1〜12質量%付与し、必要により精練する弾性繊維の処理方法。
  12. 請求項11記載の処理方法により処理されてなる弾性繊維。

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