JP2005306972A - 脂肪酸金属塩ナノ微粒子及び該分散体 - Google Patents

脂肪酸金属塩ナノ微粒子及び該分散体 Download PDF

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Abstract

【課題】 脂肪酸金属塩の平均粒子径をナノメートルにした、分散安定性および均一性の優れるた脂肪酸金属塩の微分散体およびナノ微粒子を提供することを目的とする。
【解決手段】 脂肪酸金属塩(A)を、分散媒(B)に分散させてなる脂肪酸金属塩分散体において、X線小角散乱法で測定した該(A)の平均粒子径が1〜100nmであることを特徴とする脂肪酸金属塩の微分散体と該微分散体から得られる脂肪酸金属塩ナノ微粒子である。
【選択図】 なし

Description

本発明は脂肪酸金属塩のナノ微粒子と該分散体に関する。
従来から、脂肪酸金属塩は繊維用油剤や塗料およびコーティング剤等の分野で、潤滑性や柔軟性などの機能を付与するために様々な形態の分散体として利用されてきた。高級脂肪酸の金属塩は、高融点、水や溶剤に難溶性であるために微分散体を得るのが難しく、種々方法で分散散した脂肪酸金属塩を含有する薬剤等が提案されている。(特許文献1,2参照)。
特開平9−31893号公報 特公平2−22800号公報
しかし、これらの脂肪酸金属塩分散体は分散粒子の粒子径が大きいため、分散安定性が充分でなく、分散体を含む塗工液を塗工した場合、塗工面の不均一、凝集粒子による塗工面の荒れ等の問題があった。また繊維用油剤においては、繊維への不均一な付着や、それによる紡糸時の毛羽立ちや糸切れ等を引き起こす場合もあり、分散安定性の優れた、脂肪酸金属塩の微分散体が望まれていた。
すなわち本発明の課題は、分散安定性の優れた脂肪酸金属塩の微分散体を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、本発明に到達した。
すなわち本発明は、脂肪酸金属塩(A)を、分散媒(B)に分散させてなる脂肪酸金属塩分散体において、X線小角散乱法で測定した該(A)の平均粒子径が1〜100nmであることを特徴とする脂肪酸金属塩分散体と該分散体から得られる脂肪酸金属塩ナノ微粒子である。
本発明の脂肪酸金属塩分散体と該分散体から製造される脂肪酸金属塩微粒子は、脂肪酸金属塩微粒子の分散安定性および塗工後における脂肪酸金属塩微粒子の浸透性や均一性に優れるという特徴を有する。
本発明における脂肪酸金属塩(A)の脂肪酸としては、炭素数8〜32の飽和または不飽和の脂肪酸(例えば、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、セロチン酸、モンタン酸、およびメリシン酸等の飽和脂肪酸、オクテン酸、テトラデセン酸、ヘキサデセン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、エルカ酸、およびセラコレイン酸等の不飽和脂肪酸など)が挙げられる。これらのうち好ましくは炭素数8〜24の脂肪酸(例えば、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、およびベヘン酸等の飽和脂肪酸、オクテン酸、テトラデセン酸、ヘキサデセン酸、オレイン酸、リノール酸、およびリノレン酸等の不飽和脂肪酸など)、さらに好ましいのは炭素数12〜22の脂肪酸(例えば、ラウリン酸、パルチミン酸、ステアリン酸、およびベヘン酸等)であり、特に好ましいのはステアリン酸である。これらの脂肪酸は単独で使用してもよいし、2種以上を混合して使用してもよい。
金属塩としては好ましいものは、アルカリ金属塩(リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩など)、アルカリ土類金属塩(バリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩など)、IIB族金属塩(例えば、亜鉛など)、遷移金属(ニッケル、鉄、銅、マンガン、コバルト、銀、金、白金、パラジウム、チタン、ジルコニウム、カドミウムなど)の塩、IIIB族金属塩(例えば、アルミニウム塩など)、IVB族金属(錫、鉛など)の塩、およびランタノイド金属(ランタン、セリウムなど)の塩等が挙げられ、さらに好ましいのはアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、およびIIIB族金属塩、特に好ましいのはアルカリ土類金属塩である。
(A)の具体例としては、例えば、ラウリン酸リチウム塩、ラウリン酸ナトリウム塩、ラウリン酸カリウム塩;ミリスチン酸リチウム塩、ミリスチン酸ナトリウム塩、ミリスチン酸カリウム塩;パルミチン酸リチウム塩、パルミチン酸ナトリウム塩、パルミチン酸カリウム塩、ステアリン酸リチウム塩、ステアリン酸ナトリウム塩、ステアリン酸カリウム塩;イソステアリン酸リチウム塩、イソステアリン酸ナトリウム塩、イソステアリン酸カリウム塩;ベヘン酸リチウム塩、ベヘン酸ナトリウム塩、ベヘン酸カリウム塩;ジラウリン酸マグネシウム塩、ジラウリン酸カルシウム塩、ジラウリン酸バリウム塩;ジミリスチン酸マグネシウム塩、ジミリスチン酸カルシウム塩、ジミリスチン酸酸バリウム塩;ジパルミチン酸マグネシウム塩、ジパルミチン酸カルシウム塩、ジパルミチン酸バリウム塩;ジステアリン酸マグネシウム塩、ジステアリン酸カルシウム塩、ジステアリン酸バリウム塩;ジイソステアリン酸マグネシウム塩、ジイソステアリン酸カルシウム塩、ジイソステアリン酸バリウム塩;ジベヘン酸マグネシウム塩、ジベヘン酸カルシウム塩、ジベヘン酸バリウム塩;パルミチン酸ステアリン酸マグネシウム塩、パルミチン酸ステアリン酸カルシウム塩、パルミチン酸ステアリン酸バリウム塩等が挙げられる。このうち特に好ましいものはステアリン酸のアルカリ土類金属塩であり、最も好ましいのはジステアリン酸マグネシウム塩である。なお、市販のジステアリン酸マグネシウム塩などは、一部未反応の水酸化ステアリン酸アグネシウム塩が不純物として混じっているが、差し支えない。
(A)は単独で使用してもよいし、2種以上を混合して使用してもよい。
本発明より得られる(A)の分散体およびそれから得られるナノ微粒子は、(A)の平均粒子径が1〜100nmである。分散安定性および取扱い易さの観点から、(A)の平均粒子径は2〜80が好ましく、さらに好ましくは3〜60、特に好ましくは4〜50nmである。
本発明における平均粒子径は、X線小角散乱法で測定して得られた値である。測定機器としては、例えば商品名:RINT2500(理学電気株式会社製)が挙げられる。
この小角散乱法においては、散乱ベクトルの大きさ(q)は散乱角度(2θ)を用いて、q=(4π/λ)sinθで定義される。ここで、λは用いたX線の波長である。q領域の散乱強度I(q)の対数をq2の関数としてプロットすることによって、粒子の平均回転半径が得られる。この平均回転半径を2倍した値が平均粒子径である。
本発明において分散媒(B)としては、水、有機溶剤及び超臨界流体等が挙げられる。
このうち有機溶剤としては、例えば、芳香族炭化水素溶剤(例えば、トルエン、キシレン、エチルベンゼン及びテトラリン等);脂肪族又は脂環式炭化水素溶剤(例えば、n−ヘキサン、n−ヘプタン及びシクロヘキサン等);ハロゲン溶剤(例えば、塩化メチル、臭化メチル、ヨウ化メチル、メチレンジクロライド、四塩化炭素、トリクロロエチレン及びパークロロエチレンなど);エステル又はエステルエーテル溶剤(例えば、酢酸エチル、酢酸ブチル、メトキシブチルアセテート、メチルセロソルブアセテート及びエチルセロソルブアセテートなど);エーテル溶剤(例えば、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ及びプロピレングリコールモノメチルエーテルなど);ケトン溶剤(例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジ−n−ブチルケトン及びシクロヘキサノンなど);アルコール溶剤(例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、t−ブタノール、2−エチルヘキシルアルコール及びベンジルアルコールなど);アミド溶剤(例えば、ジメチルホルムアミド及びジメチルアセトアミドなど);スルホキシド溶剤(例えば、ジメチルスルホキシドなど);複素環式化合物溶剤(例えば、N−メチルピロリドンなど);及びこれらの2種以上の混合溶剤等が挙げられる。
これら有機溶剤のうち、安全性と脱溶剤する際の除去容易性の観点等から、好ましくは沸点30〜220℃、より好ましくは沸点50〜190℃、特に好ましくは沸点60〜175℃の有機溶剤である。
超臨界流体は、一般に水、有機溶剤およびガスの超臨界状態を示すものであるが、具体的な例としては、二酸化炭素、水、メタノール、エタノール、エタン、ペンタン、トルエン、アンモニア、窒素、及びトリフルオロメタン等の超臨界流体が挙げられる。
このうち、安全性と取扱い易さの観点等から、好ましくは二酸化炭素、水およびメタノールの超臨界流体であり、特に好ましくは二酸化炭素の超臨界流体である。
なお(B)としては、水、有機溶剤および気体からなる群より選ばれる少なくとも2種の混合物からなる超臨界流体も使用できる。
本発明の分散体は、界面活性剤(C)を含有していてもよい。界面活性剤(C)としては、脂肪酸金属塩(A)を含まないアニオン界面活性剤(C1)、カチオン界面活性剤(C2)、両性界面活性剤(C3)及び非イオン界面活性剤(C4)が挙げられる。(C)として好ましくは、(C1)もしくは(C2)の少なくとも1種を含有するものであり、さらに好ましくは、(C2)を少なくとも含有するものであり、特に好ましくは、(C2)として4級アンモニウム塩型界面活性剤を含有するものである。
アニオン界面活性剤(C1)としては、硫酸エステル塩(C1−1)、カルボキシメチル化物の塩(C1−2)、スルホン酸塩(C1−3)、及びリン酸エステル塩(C1−4)等が用いられる。
(C1−1)としては、高級アルコール硫酸エステル塩(炭素数8〜18の脂肪族アルコールの硫酸エステル塩)、高級アルキルエーテル硫酸エステル塩(炭素数8〜18の脂肪族アルコールのエチレンオキサイド又はプロピレンオキサイド1〜10モル付加物の硫酸エステル塩)、硫酸化油(炭素数12〜50の天然の不飽和油脂又は不飽和のロウをそのまま硫酸化して中和したもの)、硫酸化脂肪酸エステル(不飽和脂肪酸(炭素数6〜40)の低級アルコール(炭素数1〜8)エステルを硫酸化して中和したもの)及び硫酸化オレフィン(炭素数12〜18のオレフィンを硫酸化して中和したもの)およびペルフルオロアルキレン硫酸エステル塩等が使用できる。
塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩、アミン塩、アンモニウム塩、4級アンモニウム塩及びアルカノールアミン塩(モノエタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩、トリエタノールアミン塩等)等が挙げられる。
高級アルコール硫酸エステル塩としては、例えば、オクチルアルコール硫酸エステル塩、デシルアルコール硫酸エステル塩、ラウリルアルコール硫酸エステル塩、ステアリルアルコール硫酸エステル塩、チーグラー触媒を用いて合成されたアルコール(例えば、商品名:ALFOL 1214:CONDEA社製)の硫酸エステル塩及びオキソ法で合成されたアルコール(例えば、商品名:ドバノール23、25、45、ダイヤドール115−L、115H、135:三菱化学製:、商品名:トリデカノール:協和発酵製、商品名:オキソコール1213、1215、1415:日産化学製)の硫酸エステル塩等が挙げられる。
高級アルキルエーテル硫酸エステル塩としては、例えば、ラウリルアルコールエチレンオキサイド2モル付加物硫酸エステル塩及びオクチルアルコールエチレンオキサイド3モル付加物硫酸エステル塩等が挙げられる。
硫酸化油としては、例えば、ヒマシ油、落花生油、オリーブ油、ナタネ油、牛脂及び羊脂などの硫酸化物の塩等が挙げられる。
硫酸化脂肪酸エステルとしては、例えば、オレイン酸ブチル及びリシノレイン酸ブチル等の硫酸化物の塩等が挙げられる。
硫酸化オレフィンとしては、例えば、商品名:ティーポール(シェル社製)等が挙げられる。
(C1−2)としては、炭素数8〜16の脂肪族アルコールのカルボキシメチル化物の塩及び炭素数8〜16の脂肪族アルコールのエチレンオキサイド又はプロピレンオキサイド1〜10モル付加物のカルボキシメチル化物の塩およびペルフルオロアルキレンカルボキシメチル化物等が使用できる。
脂肪族アルコールのカルボキシメチル化物の塩としては、例えば、オクチルアルコールカルボキシメチル化ナトリウム塩、デシルアルコールカルボキシメチル化ナトリウム塩、ラウリルアルコールカルボキシメチル化ナトリウム塩、ドバノール23のカルボキシメチル化ナトリウム塩、トリデカノールカルボキシメチル化ナトリウム塩等が挙げられる。
脂肪族アルコールのエチレンオキサイド1〜10モル付加物のカルボキシメチル化物の塩としては、例えば、オクチルアルコールエチレンオキサイド3モル付加物カルボキシメチル化ナトリウム塩、ラウリルアルコールエチレンオキサイド4モル付加物カルボキシメチル化ナトリウム塩、ドバノール23エチレンオキサイド3モル付加物カルボキシメチル化ナトリウム塩及びトリデカノールエチレンオキサイド5モル付加物カルボキシメチル化ナトリウム塩などが挙げられる。
(C1−3)としては、スルホコハク酸ジエステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、ペルフルオロアルキルスルホン酸、イゲポンT型及びその他芳香環含有化合物のスルホン酸塩等が使用できる。
スルホコハク酸ジエステル塩としては、例えば、スルホコハク酸ジ−2−エチルヘキシルエステルナトリウム塩等があり、アルキルベンゼンスルホン酸塩としては、例えば、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム塩等があり、ペルフルオロアルキルスルホン酸塩としては、例えば、ペルフルオロオクタンスルホン酸ナトリウム塩等が挙げられる。
アルキルナフタレンスルホン酸塩としては、例えば、ドデシルナフタレンスルホン酸ナトリウム塩等が挙げられる。
スルホコハク酸ジエステル塩としては、例えば、スルホコハク酸ジ−2−エチルヘキシルエステルナトリウム塩などが挙げられる。
芳香環含有化合物のスルホン酸塩としては、アルキル化ジフェニルエーテルのモノ又はジスルホン酸塩及びスチレン化フェノールスルホン酸塩などが挙げられる。
(C1−4)としては、高級アルコールリン酸エステル塩、高級アルコールエチレンオキサイド付加物リン酸エステル塩およびペルフルオロアルキレンリン酸エステル塩等が使用できる。
高級アルコールリン酸エステル塩としては、例えば、ラウリルアルコールリン酸モノエステルジナトリウム塩及びラウリルアルコールリン酸ジエステルナトリウム塩等が挙げられる。
高級アルコールエチレンオキサイド付加物リン酸エステル塩としては、例えば、オレイルアルコールエチレンオキサイド5モル付加物リン酸モノエステルジナトリウム塩等が挙げられる。
カチオン界面活性剤(C2)としては、第4級アンモニウム塩型界面活性剤(C2−1)及びアミン塩型界面活性剤(C2−2)等が使用できる。
(C2−1)としては、炭素数3〜40の3級アミンと4級化剤(例えば、メチルクロライド、メチルブロマイド、エチルクロライド、ベンジルクロライド及びジメチル硫酸などのアルキル化剤並びにエチレンオキサイドなど)との反応等で得られ、例えば、オクタデシルトリメチルアンモニウムクロライド、トリメチルステアリルアンモニウムクロライド、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド、ジデシルジメチルアンモニウムクロライド、ジオクチルジメチルアンモニウムブロマイド、ステアリルトリメチルアンモニウムブロマイド、ラウリルジメチルベンジルアンモニウムクロライド(塩化ベンザルコニウム)、セチルピリジニウムクロライド、ポリオキシエチレントリメチルアンモニウムクロライド及びステアラミドエチルジエチルメチルアンモニウムメトサルフェートなどが挙げられる。
(C2−2)としては、1〜3級アミンを無機酸(例えば、塩酸、硝酸、硫酸、ヨウ化水素酸、リン酸及び過塩素酸など)又は有機酸(酢酸、ギ酸、蓚酸、乳酸、グルコン酸、アジピン酸、炭素数2〜24のアルキルリン酸、リンゴ酸及びクエン酸など)で中和すること等により得られる。
第1級アミン塩型界面活性剤としては、例えば、炭素数8〜40の脂肪族高級アミン(例えば、ラウリルアミン、ステアリルアミン、セチルアミン、硬化牛脂アミン及び、ロジンアミンなどの高級アミン)の無機酸塩又は有機酸塩及び低級アミン(炭素数2〜6)の脂肪酸(炭素数8〜40、ステアリン酸、オレイン酸など)塩などが挙げられる。
第2級アミン塩型界面活性剤としては、例えば炭素数4〜40の脂肪族アミンのエチレンオキサイド付加物などの無機酸塩又は有機酸塩が挙げられる。
また、第3級アミン塩型界面活性剤としては、例えば、炭素数4〜40の脂肪族アミン(例えば、トリエチルアミン、エチルジメチルアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミンなど)、脂肪族アミン(炭素数2〜40)のエチレンオキサイド(2モル以上)付加物、炭素数6〜40の脂環式アミン(例えば、N−メチルピロリジン、N−メチルピペリジン、N−メチルヘキサメチレンイミン、N−メチルモルホリン及び1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)−7−ウンデセンなど)、炭素数5〜30の含窒素ヘテロ環芳香族アミン(例えば、4−ジメチルアミノピリジン、N−メチルイミダゾール及び4,4’−ジピリジルなど)の無機酸塩又は有機酸塩及びトリエタノールアミンモノステアレート、ステアラミドエチルジエチルメチルエタノールアミンなどの3級アミンの無機酸塩又は有機酸塩などが挙げられる。
両性界面活性剤(C3)としては、ベタイン型両性界面活性剤(C3−1)、アミノ酸型両性界面活性剤(C3−2)、スルホン酸塩型両性界面活性剤(C3−3)、リン酸エステル型両性界面活性剤(C3−4)および硫酸エステル型両性界面活性剤(C3−5)等が使用でき、例えば米国特許第4,331,447号および同第3,929,678号各明細書に記載のものが挙げられる。
(C3−1)としては、アルキル(炭素数1〜30)ジメチルベタイン(例えば、ステアリルジメチルベタイン、ラウリルジメチルベタイン等)、アルキル(炭素数1〜30)アミドアルキル(炭素数1〜4)ジメチルベタイン(例えば、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルジメチルベタイン、ラウラミドプロピルジメチルベタイン、ステアラミドプロピルジメチルベタイン等)、アルキル(炭素数1〜30)ジヒドロキシアルキル(炭素数1〜30)ベタイン(例えば、ラウリルジヒドロキシエチルベタイン等)、スルフォベタイン型両性界面活性剤(例えば、ペンタデシルジメチルタウリン等)等が挙げられる。これらのうち好ましいものはアルキルジメチルベタイン、アルキルアミドアルキルジメチルベタインである。
(C3−2)としては、アラニン型[アルキル(炭素数1〜30)アミノプロピオン酸型、アルキル(炭素数1〜30)イミノジプロピオン酸型等]両性界面活性剤(例えば、ステアリルアミノプロピオン酸ナトリウム、β−ラウリルアミノプロピオン酸ナトリウム、N−ラウリル−β−イミノジプロピオン酸ナトリウム、N−ラウリル−β−イミノジプロピオン酸カリウム等)、グリシン型[アルキル(炭素数1〜30)アミノ酢酸型等]両性界面活性剤(例えば、ラウリルアミノ酢酸ナトリウム等)が挙げられる
。これらのうち好ましいのは、アルキルアミノプロピオン酸型両性界面活性剤、アルキルイミノジプロピオン酸型両性界面活性剤である。
(C3−3)としては、例えば、アルキル(炭素数1〜30)タウリン型(C1531NHCH2CH2SO3Na、C1735NHCH2CH2CH2SO3Na等)両性界面活性剤等が挙げられる。
(C3−4)としては、例えば、エチルアミノエタノールモノホスフェート、ベンジルアミノエタノールモノホスフェート、ブチルアミノエタノールジホスフェート及びベンジルアミノエタノールジホスフェート、ブチルアミノプロパノールモノホスフェート、ブチルアミノエタノールEO6モル付加物のモノホスフェート、ベンジルアミノエタノールEO2モル付加物のジホスフェート、ジメチルアミノエタノールモノホスフェート、ジエチルアミノプロパノールモノホスフェート、ジブチルアミノエタノールモノホスフェート、ジメチルアミノエタノールジホスフェート、ジエチルアミノプロパノールジホスフェート及びジブチルアミノエタノールジホスフェート、ジエチルアミノプロパノールEO2モルPO2モルブロック付加物のモノホスフェート、ジブチルアミノプロパノールEO2モルPO2モルランダム付加物のモノホスフェート、ジエチルアミノプロパノールEO2モル付加物のモノホスフェート等が挙げられる。
(C3−5)としては、例えばブチルアミノエタノールモノサルフェート、ベンジルアミノエタノールモノサルフェート、ブチルアミノエタノールジサルフェート及びベンジルアミノエタノールジサルフェート、ブチルアミノエタノールEO6モル付加物のモノサルフェート、ベンジルアミノエタノールEO2モル付加物のジサルフェート、ジメチルアミノエタノールモノサルフェート、ジエチルアミノプロパノールモノサルフェート、ジメチルアミノエタノールジサルフェート、ジエチルアミノプロパノールジサルフェート及びジブチルアミノエタノールジサルフェート、ジブチルアミノプロパノールEO2モルPO2モルランダム付加物のモノサルフェート、ジブチルアミノエタノールEO10モル付加物のモノサルフェート、ジエチルアミノプロパノールEO2モル付加物のモノサルフェート等が挙げられる。
非イオン界面活性剤(C4)としては、アルキレンオキサイド付加型非イオン界面活性剤及び多価アルコ−ル型非イオン界面活性剤(C4−2)などが使用できる。
アルキレンオキサイド付加型非イオン界面活性剤(C4−1)は、炭素数8〜40の高級アルコ−ル、炭素数8〜40の脂肪酸又は炭素数8〜40のアルキルアミン等に直接アルキレンオキサイド(炭素数2〜20)を付加させるか、グリコ−ルにアルキレンオキサイドを付加させて得られるポリアルキレングリコ−ルに脂肪酸などを反応させるか、あるいは多価アルコ−ルに脂肪酸を反応して得られたエステル化物にアルキレンオキサイドを付加させるか、脂肪酸アミドにアルキレンオキサイドを付加させることにより得られる。
アルキレンオキサイドとしては、たとえばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド及びブチレンオキサイドが挙げられる。
これらのうち好ましいものは、エチレンオキサイド及びエチレンオキサイドとプロピレンオキサイドのランダム又はブロック付加物である。
アルキレンオキサイドの付加モル数としては10〜50モルが好ましく、該アルキレンオキサイドのうち50〜100重量%がエチレンオキサイドであるものが好ましい。
(C4−1)の具体例としては、例えば、オキシアルキレンアルキルエ−テル(アルキレンの炭素数2〜24、アルキルの炭素数8〜40)(例えば、オクチルアルコールエチレンオキサイド20モル付加物、ラウリルアルコールエチレンオキサイド20モル付加物、ステアリルアルコールエチレンオキサイド10モル付加物、オレイルアルコールエチレンオキサイド5モル付加物、ラウリルアルコールエチレンオキサイド10モルプロピレンオキサイド20モルブロック付加物など);ポリオキシアルキレン脂肪酸エステル(アルキレンの炭素数2〜24、脂肪酸の炭素数8〜40)(例えば、ステアリル酸エチレンオキサイド10モル付加物、ラウリル酸エチレンオキサイド10モル付加物など);ポリオキシアルキレン多価アルコ−ル脂肪酸エステル(アルキレンの炭素数2〜24、多価アルコールの炭素数3〜40、脂肪酸の炭素数8〜40)(例えば、ポリエチレングリコール(重合度20)のラウリン酸ジエステル、ポリエチレングリコール(重合度20)のオレイン酸ジエステル、ポリエチレングリコール(重合度20)のステアリン酸ジエステルなど);ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル(アルキレンの炭素数2〜24、アルキルの炭素数8〜40)(例えば、ノニルフェノールエチレンオキサイド4モル付加物、ノニルフェノールエチレンオキサイド8モルプロピレンオキサイド20モルブロック付加物、オクチルフェノールエチレンオキサイド10モル付加物、ビスフェノールAエチレンオキサイド10モル付加物、ジノニルフェノールエチレンオキサイド20モル付加物、スチレン化フェノールエチレンオキサイド20モル付加物など);ポリオキシアルキレンアルキルアミノエ−テル(アルキレンの炭素数2〜24、アルキルの炭素数8〜40)及び(例えば、ラウリルアミンエチレンオキサイド10モル付加物、ステアリルアミンエチレンオキサイド「 」モル付加物など);ポリオキシアルキレンアルカノ−ルアミド(アルキレンの炭素数2〜24、アミド(アシル部分)の炭素数8〜24)(例えば、ヒドロキシエチルラウリン酸アミドのエチレンオキサイド10モル付加物、ヒドロキシプロピルオレイン酸アミドのエチレンオキサイド20モル付加物、ジヒドロキシエチルラウリン酸アミドのエチレンオキサイド10モル付加物など)が挙げられる。
(C4−2)としては、多価アルコール脂肪酸エステル、多価アルコール脂肪酸エステルアルキレンオキサイド付加物、多価アルコールアルキルエーテル及び多価アルコールアルキルエーテルアルキレンオキサイド付加物等が使用できる。多価アルコールの炭素数としては3〜24、脂肪酸の炭素数としては8〜40、アルキレンオキサイドの炭素数としては2〜24である。
多価アルコール脂肪酸エステルとしては、例えば、ペンタエリスリトールモノラウレート、ペンタエリスリトールモノオレート、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンジラウレート、ソルビタンジオレート及びショ糖モノステアレートなどが挙げられる。
多価アルコール脂肪酸エステルアルキレンオキサイド付加物としては、例えば、エチレングリコールモノオレートエチレンオキサイド10モル付加物、エチレングリコールモノステアレートエチレンオキサイド20モル付加物、トリメチロールプロパンモノステアレートエチレンオキサイド20モルプロピレンオキサイド10モルランダム付加物、ソルビタンモノラウレートエチレンオキサイド10モル付加物、ソルビタンモノステアレートエチレンオキサイド20モル付加物、ソルビタンジステアレートエチレンオキサイド20モル付加物及びソルビタンジラウレートエチレンオキサイド12モルプロピレンオキサイド24モルランダム付加物などが挙げられる。
多価アルコールアルキルエーテルとしては、例えば、ペンタエリスリトールモノブチルエーテル、ペンタエリスリトールモノラウリルエーテル、ソルビタンモノメチルエーテル、ソルビタンモノステアリルエーテル、メチルグリコシド及びラウリルグリコシドなどが挙げられる。
多価アルコールアルキルエーテルアルキレンオキサイド付加物としては、例えば、ソルビタンモノステアリルエーテルエチレンオキサイド10モル付加物、メチルグリコシドエチレンオキサイド20モルプロピレンオキサイド10モルランダム付加物、ラウリルグリコシドエチレンオキサイド10モル付加物及びステアリルグリコシドエチレンオキサイド20モルプロピレンオキサイド20モルランダム付加物などが挙げられる。
さらに合成高分子分散剤としては、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、ポリエチレンイミン及び水溶性ポリウレタン(ポリエチレングリコール、ポリカプロラクトンジオール等とポリイソシアネートの反応生成物等)などが挙げられる。
本発明における界面活性剤(C)の、溶解度パラメーター(SP値)は、脂肪酸金属塩との相溶性および分散体の安定性の観点から、7.0〜14.5が好ましくは、さらに好ましくは7.5〜12.0、特に好ましくは8.0〜10.5である。
ここでいう溶解度パラメーターとは、下記に示したように凝集エネルギー密度と分子容の比の平方根で表される。
[溶解度パラメーター]=(△E/V)1/2
ここで△Eは凝集エネルギー密度を表す。Vは分子容を表し、その値は、ロバート エフ.フェドールス(Robert F.Fedors)らの計算によるもので、例えばポリマー エンジニアリング アンド サイエンス(Polymer engineering and science)第14巻、147〜154頁(1974)に記載されている。
脂肪酸金属塩(A)を含有する分散体の製造方法は、(1−1)脂肪酸を有機溶剤もしくは熱等で溶解または溶融状態にしておき、(C)を溶解した媒体中に(A)の溶解液または溶融物を投入し、さらに金属塩を追加することでナノ微粒子分散体を作製する方法、(1−2)脂肪酸金属塩を有機溶媒もしくは熱によって溶解または溶融させておき、(C)を溶解した媒体中に(A)の溶解液または溶融物を分散することでナノ微粒子分散体を作製する方法、および(1−3)(A)と(C)を超臨界流体に投入し溶解後、温度等を調整することによってナノ微粒子超臨界分散体を作製する方法等が例示できる。
(1−1)は、予め脂肪酸を有機溶剤もしくは熱等で溶解または溶融させておき、これを界面活性剤が添加された媒体中に投入し溶解させて、その後金属塩を添加することによって脂肪酸金属塩分散体を得る方法である。
(1−2)は、予め脂肪酸金属塩を有機溶剤もしくは熱等で溶解させておき、これを界面活性剤が添加された媒体中に滴下投入することによって脂肪酸金属塩分散体を得る方法である。
(1−3)は、脂肪酸金属塩と界面活性剤を超臨界流体中で溶解した後、温度を下げるもしくは圧力を下げるなど条件を調整することによって脂肪酸金属塩分散体を得る方法である。
脂肪酸金属塩分散体を得るための前記(1−1)、(1−2)および(1−3)の製造方法における乳化剤及び分散剤としては、前記した界面活性剤(B)を使用する必要がある。
(C)を使用する場合、この使用量は、(A)+(C)の合計質量にもとづいて15〜99重量%が好ましく、更に好ましくは40〜95重量%、特に好ましくは50〜93重量%である。
(A)と(B)の質量比(A/B)は、0.1/99.9〜35/65が好ましく、分散安定性および経済性の観点から、更に好ましくは0.5/99.5〜25/75、特に好ましくは1/99〜20/80である。
分散時の温度としては、0〜220℃が好ましく、更に好ましくは5〜98℃、特に好ましくは10〜60℃である。尚、媒体の沸点を越える場合は加圧下での温度を示す。
分散体の粘度は、取扱い易さの観点から、1〜50万mPa・sが好ましく、更に好ましくは100〜10万mPa・s、特に好ましくは50〜2万mPa・sである。
尚、上記粘度は、ローター式粘度計(例えば、BL型粘度計、BM型粘度計、BH型粘度計、東京計器社製)を用いて、温度25℃で測定される値である。以下も同じである。
本発明で得られた脂肪酸金属塩分散体には、紫外線吸収剤、消泡剤、酸化防止剤、顔料、染料、および香料などを混合させてもよい。
分散体の製造時に溶剤を使用した場合に必要に応じて溶剤除去を行う。溶剤除去の方法としては、例えば加熱による脱溶剤、減圧下での脱溶剤、水洗による脱溶剤及びこれらの組み合わせで脱溶剤を行う方法が例示できる。
使用した(B)および(C)が、使用する用途で物性上悪影響を与える場合は、これらを除去することが好ましい。
除去する方法としては、分散体を遠心分離器、スパクラフィルター及び/又はフィルタープレス等により固液分離し、得られた樹脂粒子に水を加えて同様に固液分離することを繰り返す方法等が挙げられる。
上記製造方法によって得られる(A)の微粒子は、固液分離(必要に応じて水等を加え固液分離を繰り返す)した後、乾燥して媒体を除去することによって、本発明のナノ微粒子を得ることができる。
水性媒体を除去する方法としては、以下の(2−1)〜(2−3)及びこれらの組合せの方法等が適用できる。
(2−1)水性分散体を凍結させて乾燥させる方法(いわゆる凍結乾燥)。
(2−2)水性分散体を減圧下又は常圧下で乾燥する方法。
(2−3)遠心分離器、スパクラフィルター及び/又はフィルタープレスなどにより固液分離し、得られた固体を乾燥する方法。
上記(2−1)及び(2−2)の方法において、乾燥機としては、流動層式乾燥機、減圧乾燥機及び循風乾燥機等公知の設備を用いて行うことができる。
また、必要に応じ、風力分級器又はふるい等を用いて分級し、所定の粒度分布とすることもできる。
本発明の脂肪族金属塩のナノ微粒子と該分散体は、紙塗工用添加剤、紡糸工程用添加剤、塗料用及びコーティング剤用添加剤、粉体塗料用添加剤、化粧品用添加剤等の材料として最適である。
以下実施例により本発明を更に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。以下の記載において「部」は重量部、「%」は重量%を示す。
<実施例1>
ガラス製容器にイオン交換水50部、オクタデシルトリメチルアンモニウムクロライド5部を加え、60℃で5分間撹拌し溶解し、界面活性剤水溶液(G−1)を得た。
ステンレス製オートクレーブに、ステアリン酸マグネシウム粉末3部を入れ、次いで(G−1)を55部投入した。オートクレーブ内を窒素ガスで置換した後、密閉下150℃で1時間撹拌することで、透明なステアリン酸マグネシウム分散体(G1)を得た。X線小角散乱で分析した結果、得られた分散体におけるステアリン酸マグネシウムの平均粒子径は5.2nmであった。
<実施例2>
ガラス製容器にイオン交換水20部、トリメチルステアリルアンモニウムクロライド1.7部を加え、60℃で8分間撹拌し溶解し、界面活性剤水溶液(G−2)を得た。(G−2)を25℃に冷却してから、撹拌下にて(G−2)中へ、18wt%のステアリン酸/ベンゼン溶液を0.9部加えた後に、15.7wt%の塩化カルシウム水溶液を0.16部滴下した。次いで、6.2wt%の水酸化ナトリウム水溶液を0.27部滴下しステアリン酸を中和することで、透明なステアリン酸カルシウム分散体(G2)を得た。X線小角散乱で分析した結果、得られた分散体におけるステアリン酸カルシウムの平均粒子径は4.3nmであった。
<実施例3>
ガラス製容器にデカン50部、スルホコハク酸ジ-2-エチルヘキシルエステルナトリウム塩5部を加え、70℃で9分間撹拌し溶解し、界面活性剤溶液(G−3)を得た。
ステンレス製オートクレーブに、ステアリン酸マグネシウム粉末2部を入れ、次いで(G−3)を55部投入した。オートクレーブ内を窒素ガスで置換した後、密閉下150℃で2時間撹拌することで、透明なステアリン酸マグネシウム分散体(G3)を得た。X線小角散乱で分析した結果、得られた分散体におけるステアリン酸マグネシウムの平均粒子径は6.3nmであった。
<実施例4>
ステンレス製オートクレーブに、ステアリン酸マグネシウム粉末4部、スルホコハク酸ジ−2−エチルヘキシルエステルナトリウム塩12部を仕込んだ。オートクレーブ内を二酸化炭素ガスで置換した後、150℃、9MPaにて超臨界状態にした。30分間撹拌した後に、34℃に冷却することで、ステアリン酸マグネシウム−超臨界二酸化炭素分散体を得た。常圧に戻し、さらに水洗して界面活性剤を除き、凍結乾燥することで、ステアリン酸マグネシウム微粒子(G4)を得た。得られたステアリン酸マグネシウムの平均粒子径は3.5nmであった。
<比較例1>
スガラス製容器にイオン交換水50部、オクチルアルコールエチレンオキサイド20モル付加物5部を加え、60℃で5分間撹拌し溶解し、界面活性剤水溶液(H−1)を得た。ステンレス製オートクレーブに、ステアリン酸マグネシウム粉末3部を入れ、次いで(H−1)を55部投入した。オートクレーブ内を窒素ガスで置換した後、密閉下150℃で1時間撹拌することで、白濁したステアリン酸マグネシウム分散体(H1)を得た。X線小角散乱で分析した結果、得られた分散体におけるステアリン酸マグネシウムの平均粒子径は528nmであった。
<比較例2>
ガラス製容器にイオン交換水20部を投入し、25℃、撹拌下にて18wt%のステアリン酸/ベンゼン溶液を0.9部加え、その後、15.7wt%の塩化カルシウム水溶液を0.16部滴下した。次いで、6.2wt%の水酸化ナトリウム水溶液を0.27部滴下しステアリン酸を中和することで、白濁したステアリン酸カルシウム分散体(H2)を得た。X線小角散乱で分析した結果、得られた分散体におけるステアリン酸カルシウムの平均粒子径は61μmであった。
<比較例3>
ステンレス製オートクレーブに、デカン50部、ステアリン酸マグネシウム粉末2部を入れ、オートクレーブ内を窒素ガスで置換した後、密閉下150℃で2時間撹拌することで、白濁したステアリン酸マグネシウム分散体(H3)を得た。X線小角散乱で分析した結果、得られた分散体におけるステアリン酸マグネシウムの平均粒子径は44μmであった。
実施例で得られた分散体G1〜G3、比較例で得られた分散体H1〜H3について経日分散安定性試験を行った。結果を表1に示した。評価の方法は以下の通りである。
<分散体の経日安定性試験>
作製した分散体100gを、高さ8cmの容量150mlガラス容器に入れ、25℃、50℃の恒温槽中に30日間静置した後、分散体の外観を肉眼で観測し、作製直後の分散体の外観と比較し次の判定基準で経日分散安定性を評価した。
−判定基準−
○:変化なし
△:一部不均一な部分が認められる。
×:分離や沈降物が発生紙ている。
本発明の脂肪酸金属塩分散体は、脂肪酸金属塩微粒子の分散安定性に優れ、製紙用の塗工液に使用した場合、脂肪酸金属塩微粒子の浸透性や塗工面の均一性に優れるという特徴を有する。
即ち、本発明の脂肪酸金属塩微粒子の体積平均粒径がナノメートルオーダ-で小さいので、被塗工材への速やかな浸透を発揮し、品質を改善することから、紙塗工用添加剤、紡糸工程用添加剤、塗料用及びコーティング剤用添加剤等に利用できる。また該分散体から製造した脂肪酸金属塩微粒子は、粉体塗料用添加剤、化粧品用添加剤等、食品加工用途に利用できる。

Claims (10)

  1. 脂肪酸金属塩(A)を、分散媒(B)に分散させてなる脂肪酸金属塩分散体において、X線小角散乱法で測定した該(A)の平均粒子径が1〜100nmであることを特徴とする脂肪酸金属塩分散体。
  2. 前記(A)が、炭素数8〜24の飽和または不飽和脂肪酸の金属塩であることを特徴とする請求項1記載の脂肪酸金属塩分散体。
  3. さらに、アニオン界面活性剤(C1)およびカチオン界面活性剤(C2)からなる群より選ばれる少なくとも1種からなり、溶解度パラメーター(SP値)が、7.0〜14.5である界面活性剤(C)を含有してなることを特徴とする請求項1または2記載の脂肪酸金属塩分散体。
  4. 前記(B)が、水および/または有機溶剤からなることを特徴とする請求項1〜3のいずれか記載の脂肪酸金属塩分散体。
  5. 前記有機溶剤が、30〜220℃の沸点を有する有機溶剤である請求項4記載の脂肪酸金属塩分散体。
  6. 前記(B)が、超臨界流体であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか記載の脂肪酸金属塩分散体。
  7. 前記超臨界流体が、二酸化炭素、水、およびメタノールのうちから選ばれるいずれか1種の超臨界流体である請求項6記載の脂肪酸金属塩分散体。
  8. 前記(C)の含有量が、(A)+(C)の合計質量にもとづいて15〜99重量%である請求項3〜7のいずれか記載の脂肪酸金属塩分散体。
  9. 前記(A)と(B)の質量比が、0.1/99.9〜35/65である請求項1〜8のいずれか記載の脂肪酸金属塩分散体。
  10. 請求項1〜9のいずれか記載の脂肪酸金属塩分散体から、前記(B)および(C)を除くことにより得られてなる脂肪酸金属塩ナノ微粒子。







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