JP2015206149A - ポリウレタン弾性繊維及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】細糸を高速紡糸するにあたって長期に安定な紡糸ができ、摩擦特性が良好で、生地の品位向上に優れたポリウレタン弾性繊維を提供すること。【解決手段】ポリウレタン重合体100重量部に対し、12−ヒドロキシステアリン酸金属塩及びステアリン酸金属塩からなる金属石鹸を0.001〜5重量部有してなるポリウレタン弾性繊維。【選択図】なし

Description

本発明は、12−ヒドロキシステアリン酸金属塩及びステアリン酸金属塩からなる金属石鹸を用いることにより、紡糸時の安定生産性、フィラメントの合着性、紙管からの解除性、対金属摩擦性等を改良したポリウレタン弾性繊維及びその製造方法に関する。更には、上記金属石鹸にポリエーテル変性シリコーン及び/又はポリカルボン酸系共重合化合物を組み合わせて用いることで、上記の特性が一層改良されたポリウレタン弾性繊維及びその製造方法に関する。
更に詳しくは、本発明は、細糸の高速紡糸安定性や繊維表面の摩擦特性が改善され、紙管に巻かれた糸の残留張力も小さく巻形状が良好で、整経、製織、製編み工程の対金属摩擦性が良好で、糸切れや摩擦応力変動も少なく、その結果、商品価値の良好な生地表面品位が得ることができるポリウレタン弾性繊維に関する。また、このようなポリウレタン弾性繊維を得るために用いられる12−ヒドロキシステアリン酸金属塩とステアリン酸金属塩からなる金属石鹸とアミド系溶剤等とからなる粘度安定化された金属石鹸組成物及びその組成物を用いたポリウレタン弾性繊維の製造方法に関する。
4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリヒドロキシ重合体および多官能活性水素含有化合物から得られるポリウレタン弾性繊維は、高度のゴム弾性を有し、引張応力、回復性等の機械的性質に優れ、さらに熱的挙動についても優れた性質を有するために、紙おむつ、ファンデーション、レッグ、スポーツウェア、医療用繊維資材等の商品に広汎に使用されている。しかしながら、ポリウレタン弾性繊維自体は、粘着性が強く、かつ、柔軟なゴム糸状の性質を有するので、紙管に巻きとられた糸の内層部からの解除不良や、更には、整経機の筬や編成編み機の編み針との金属摩擦性も悪く、摩擦変動幅も大きい為、加工特性が劣り、出来上がった生地は、表面品位が不均一になりやすい。その為、生地の商品価値が低下する問題があった。
更に近年、生地の薄手化要求や生産コスト低減要求のために、単糸が5〜20デシテックスの細糸を1000m/分以上の高速で安定的に紡糸をするポリウレタン弾性繊維の技術開発が進められている。
又、ステアリン酸金属塩とアミド系溶剤からなる分散液は、固形分濃度が10%以上の場合に分散直後でも粘度が高くなり、更に、保管中に分散液の流動性が低下し、粘度が上昇する等の粘度安定性が乏しい問題もあった。
従来からポリウレタン弾性糸の摩擦性改善に関して、ステアリン酸マグネシウムは、ポリウレタン弾性繊維の内部添加剤として、又、シリコーン油剤中の1成分として繊維表面の後処理剤として多用されている。本出願人は、脂肪酸金属塩とポリカルボン酸系共重合化合物を含むポリウレタン弾性繊維(下記特許文献1参照)及びポリウレタン重合体、アミド系溶剤、脂肪酸金属塩、及びポリカルボン酸系共重合化合物を含むポリウレタン組成物(下記特許文献2参照)の提案を行った。
しかしながら、上記ポリウレタン弾性繊維の提案に関しては、細糸を1000m/分以上の高速紡糸時の糸キレや摩擦性の改善効果において、未だ充分に満足できるレベルでなく、ポリウレタン組成物の提案についても、脂肪酸金属塩の濃度を高くした場合に、脂肪酸金属塩が凝集し、粘度が高くなる傾向があり、更に 貯槽タンクで貯蔵中に経時的に粘度が上昇し、このため配管内を通して、脂肪酸金属塩組成物の紡糸工程への輸送が困難になる問題があった。
このような粘度が上昇した脂肪酸金属塩組成物を使用したポリウレタン弾性繊維は、紙管に巻かれて保管されている状態で、経時的に紙管内層部の糸が、擬接着により、解除が困難となり、内層部の糸は使用できず破棄される問題があった。
又、ポリウレタン弾性繊維の摩擦性向上の手段として金属石鹸とシリコーン及び変性シリコーンの配合剤をポリウレタン重合体溶液に、紡糸前に添加する試みも提案されている(下記特許文献3、4参照)。しかし、この場合、金属石鹸として用いられるステアリン酸金属塩やシリコーンは、ポリウレタン重合体やアミド系溶剤に対する親和性が充分でない為に、一旦、微分散されたステアリン酸金属塩が、ポリマー原液中で経時的に凝集や分離が起こり、細糸の高速紡糸時に、糸キレの原因になったり、紡糸筒中で溶剤乾燥時に、シリコーンが繊維表面に移行し、このことで糸と糸が滑りやすく、紙管糸巻の形状が型崩れし、整経加工時に糸キレする問題があった。
さらに、本出願人は、ポリエーテル変性シリコーンを単独でポリウレタン重合体中に添加して得られるパンティーストッキングに適したポリウレタン弾性繊維を提案している(下記特許文献5参照)。しかしながら、特許文献5の段落[0020]に記載している様に、マルチフィラメントの弾性繊維の場合、内部添加したエーテル変性シリコーンが単糸表面に移動して単糸剥離を起こしやすく、例えば2本のマルチフィラメントを合着した弾性繊維はカバーリング工程中に単糸が剥離して2本のフィラメントに分離して、カバーリング工程中で糸切れを起こす恐れがあった。
すなわち、従来から用いられているステアリン酸マグネシウムやシリコーン類は、ポリウレタン弾性繊維の摩擦特性を向上させる利点はあるが、反面、ポリウレタン重合体やアミド系溶剤との親和性が低い為に、種々の問題があった。
また、ステアリン酸金属塩とポリカルボン酸系共重合化合物の組み合わせに関しても、細糸の高速紡糸時では糸キレが発生する問題があった。
特開2012−207332号公報 特開2012−193259号公報 特開2007−100248号公報 特開2007−100251号公報 特開2004−332126号公報
本発明の課題は、細糸を高速紡糸するにあたって長期に安定な紡糸ができ、摩擦特性が良好で、生地の品位向上に優れたポリウレタン弾性繊維を提供することである。また、本発明の別の課題は、このようなポリウレタン弾性繊維の製造に用いるためのステアリン酸金属塩を含む金属石鹸組成物であって、高濃度でも粘度が低く、貯槽タンクでの貯蔵中に粘度の経時上昇が抑制され、紡糸工程への配管輸送が容易な金属石鹸組成物を提供する事である。
本発明者らは、上記課題を解決するために、ポリウレタン弾性繊維及びその製造に用いる金属石鹸組成物について鋭意検討した結果、ポリウレタン重合体、そのアミド系溶剤及びステアリン酸金属塩のいずれに対しても親和性の良好な12−ヒドロキシステアリン酸金属塩を併用した場合、驚くべきことに、紡糸原液中でのステアリン酸金属塩の凝集を大きく改善でき、更にエーテル変性シリコーン及び/又はポリカルボン酸系共重合化合物を併用することで、更に一層の改善が認められ、細糸の高速紡糸の生産を長期に安定できることを見出した。すなわち本発明は、以下のとおりである。
(1)ポリウレタン重合体100重量部に対し、12−ヒドロキシステアリン酸金属塩及びステアリン酸金属塩からなる金属石鹸を0.001〜5重量部有していることを特徴とするポリウレタン弾性繊維。
(2)12−ヒドロキシステアリン酸金属塩とステアリン酸金属塩の重量部比(12−ヒドロキシステアリン酸金属塩/ステアリン酸金属塩)が98/2〜2/98であることを特徴とする上記1項に記載のポリウレタン弾性繊維。
(3)金属石鹸を構成する金属がマグネシウム、カルシウム、アルミニウム、亜鉛およびバリウムからなる群から選ばれることを特徴とする上記1または2項に記載のポリウレタン弾性繊維。
(4)ポリウレタン重合体100重量部に対し、ポリエーテル変性シリコーンを0.0001〜2重量部有していることを特徴とする上記1〜3項のいずれか一項に記載のポリウレタン弾性繊維。
(5)ポリウレタン重合体100重量部に対し、ポリカルボン酸系共重合化合物を0.0001〜2重量部有していることを特徴とする上記1〜4項のいずれか一項に記載のポリウレタン弾性繊維。
(6)ポリカルボン酸系共重合化合物が、ポリオキシアルキレン誘導体及び不飽和カルボン酸化合物との共重合化合物で、主鎖にポリカルボン酸基、グラフト鎖にポリオキシアルキレン基を有する化合物であることを特徴とする上記5項に記載のポリウレタン弾性繊維。
(7)アミド系溶剤、12−ヒドロキシステアリン酸金属塩とステアリン酸金属塩とからなる金属石鹸、ポリエーテル変性シリコーン及びポリカルボン酸系共重合化合物を含むことを特徴とする上記1〜6項のいずれか一項に記載のポリウレタン弾性繊維製造用金属石鹸組成物。
(8)アミド系溶剤がジメチルアセトアミド及びジメチルホルムアミドからなる群から選ばれた少なくとも1つのアミド系溶剤であって、金属石鹸100重量部に対するアミド系溶剤の含有量が100〜1000重量部であることを特徴とする上記8項に記載の金属石鹸組成物。
(9)乾式紡糸法によって紡糸されることを特徴とする上記1〜6項のいずれか一項に記載のポリウレタン弾性繊維の製造方法。
(10)紡糸後に得られた糸を巻き取る際に、25℃における動粘度が5〜50センチストークスであるポリアルキルシロキサンと25℃における動粘度が30〜70センチストークスである鉱物油との比が100:0〜50:50であるオイル成分と、オイル成分100重量部に対して12−ヒドロキシステアリン酸金属塩及びステアリン酸金属塩からなる金属石鹸0.1〜10重量部、ポリカルボン酸系共重合物0.001〜5重量部及びポリエーテル変性シリコーン0.00001〜5重量部とを含む繊維処理剤を糸に付着することを特徴とする上記9項に記載のポリウレタン弾性繊維の製造方法。
本発明の12−ヒドロキシステアリン酸金属塩及びステアリン酸金属塩からなる金属石鹸を有するポリウレタン弾性繊維は、工程中や紡口ノズル中での金属石鹸の凝集が抑制されている為、細糸を高速紡糸する際、長期に安定な紡糸ができ、かつ、得られたポリウレタン弾性繊維は、生地作成工程での、紙管内層部からの糸の解除もスムーズで、対金属摩擦特性も優れ、更にフィラメント同士の合着も良好なため、マルチフィラメントのフィラメント割れによる加工時の糸キレも少なく、出来上がった生地は品位良好で商品価値が高い。また、ポリウレタン弾性繊維の製造に用いる本発明の金属石鹸組成物は、高濃度においても低粘度で、且つ経時的な粘度上昇も低く粘度の安定性に優れている。
本発明における試験糸の金属摩擦性評価装置の概略図である。 合着性評価における測定結果の一例を示す図である。 金属摩擦性評価における測定結果の一例を示す図である。
本発明について、以下詳細に説明する。
本発明のポリウレタン弾性繊維は、ポリウレタン重合体100重量部に対し、12−ヒドロキシステアリン酸金属塩及びステアリン酸金属塩からなる金属石鹸を0.001〜5重量部有していることを特徴とする。
従来からポリウレタン弾性繊維に多用されているステアリン酸マグネシウムは、そのステアリル基の極性が低い為、ポリウレタン重合体やそのアミド系溶剤との親和性が低い。
一方、本発明に用いる12−ヒドロキシステアリン金属塩は、その化学構造中に存在する水酸基によって、ステアリル基の極性が向上すると同時に、ステアリル残基に由来する低極性の基を併せ持つところに特徴がある。すなわち、12−ヒドロキシステアリル金属塩は、水酸基の存在により、ポリウレタン重合体及びアミド系溶剤のいずれに対しても親和性が良好になり、更に、ステアリル基の側鎖に水酸基を有する為これが立体障害となりステアリン酸金属塩の凝集を抑制する効果があると考える。すなわち、本発明に用いる12−ヒドロキシステアリン酸金属塩は、ポリウレタン、アミド系溶剤、ステアリン酸金属塩のいずれに対しても、親和性を有する為、ポリウレタン重合体のアミド系溶液中でのステアリン酸金属塩の凝集をも抑制する分散剤的役割を果たすと考えられる。
12−ヒドロキシステアリン金属塩及びステアリン酸金属塩からなる金属石鹸の配合量は、ポリウレタン重合体100重量部に対して、0.001〜5重量部であり、0.001重量部未満では摩擦改善の効果が充分に発揮できない。5重量部を超えると、効果が飽和し経済的でない上にスカムも発生しやすい。好ましい金属石鹸の配合量は、0.005〜3重量部である。
本発明に用いる金属石鹸を構成する12−ヒドロキシステアリン酸金属塩とステアリン酸金属塩の重量部比(12−ヒドロキシステアリン酸金属塩/ステアリン酸金属塩)は、98/2〜2/98であることが好ましい。
12−ヒドロキシステアリン酸金属塩とステアリン酸金属塩の重量部比が2/98より小さくても、98/2より大きくても、アミド系溶剤中の金属石鹸組成物の粘度安定性は低下する。さらにステアリン酸金属塩よりも12−ヒドロキシステアリン酸金属塩の方が高価である為、12−ヒドロキシステアリン酸金属塩の配合比を少なく用いる方が、経済的な面でのメリットがある。12−ヒドロキシステアリン酸金属塩とステアリン酸金属塩の好ましい重量部比は70/30〜2/98である。さらに好ましくは、50/50〜5/95である。
12−ヒドロキシステアリン酸金属塩及びステアリン酸金属塩からなる金属石鹸を構成する金属は、マグネシウム、カルシウム、アルミニウム、亜鉛、バリウムからなる群から選ばれることが好ましい。さらに好ましくはマグネシウム、カルシウム、アルミニウム、亜鉛である。特に好ましくはマグネシウム、カルシウム塩である。
本発明のポリウレタン弾性繊維は、ポリウレタン重合体100重量部に対し、ポリエーテル変性シリコーンを0.0001〜2重量部を有していることが好ましい。
本発明で用いうるポリエーテル変性シリコーンは、側鎖型ポリエーテル変性シリコーン及び/又は両末端型ポリエーテル変性シリコーンであり、これらの内から単独または数種類を組み合わせて使用してもよい。ポリエーテル変性シリコーンの好ましいHLB特性値は0〜17である。さらに好ましいHLB特性値は0〜15、特に好ましいHLB値は0〜8である。ポリエーテル変性シリコーンは、ポリエーテル基に由来する極性基とシリコーン基に由来する極性の低い基を合わせ持っている。分子中に極性基と非極性基を併せ持つ物質であるという点で、ポリエーテル変性シリコーンは12−ヒドロキシステアリン酸金属塩と共通しており、ポリエーテル変性シリコーンと12−ヒドロキシステアリン酸金属塩は相互に親和性を有し、併用することで、ステアリン酸金属塩に対して分散剤の役割を相乗的に発揮すると考えられる。
本発明に用いるポリエーテル変性シリコーンの具体的な一例としては、信越化学工業(株)製の商品名X−22−4952、X−22−4272、X−22−6266、KF−6123、KF−351A、KF−352A、KF−353、KF−354L,KF−355A,KF615A,KF−945,KF−640、KF−642,KF−643,KF−644、KF−6020、KF−6020,KF−6204,X−22−4515、KF−6011,KF−6012,KF−6015、KF−6017,X22−2516等があげられる。これらの内から単独または数種類を組み合わせて使用できる。好ましい化合物は、X−22−4952、X−22−4272、X−22−6123、KF−945、KF−6020、KF−6015、X−22−2516である。特に好ましい化合物はX−22−4952である。
本発明に用いうるポリエーテル変性シリコーンの25℃での粘度は1000mm2/s以下、好ましくは600mm2/s以下で、更に好ましくは300mm2/s以下である。1000mm2/sを超える高粘度の物は、紡糸用原液を真空脱泡する際、気泡が消えにくい問題がある為、低粘度の物が好ましい。
ポリエーテル変性シリコーンの配合量は、ポリウレタン重合体100重量部に対し、0.0001〜2重量部が好ましく、さらに好ましくは0.0002〜1重量部である。0.0001重量部未満では本発明によって得られる上記効果が不十分であり、2重量部を超えると、繊維が滑りやすくなり、紙管に巻き取られた糸巻の巻姿形状が型崩れしやすくなる。
本発明のポリウレタン弾性繊維は、ポリウレタン重合体100重量部に対し、ポリカルボン酸系共重合化合物を0.0001〜2重量部有していることが好ましい。
本発明で用いるポリカルボン酸系共重合化合物は、その構造中に、ポリエーテル基とカルボン酸基の両方を有していることが好ましく、親水性のあるポリエーテル基は、12−ヒドロキシステアリン酸金属塩やアミド系溶剤との親和性が良好である。また、カルボン酸基は本発明に用いる金属石鹸のカルボニル基に対して親和性があり、ポリカルボン酸系共重合化合物も、ステアリン酸金属塩や12−ヒドロキシステアリン酸金属塩に対して、アミド系溶剤中で、分散剤的な効果を発揮すると考えられる。更にまた、上記のエーテル変性シリコーンを用いた場合の真空脱泡する際、気泡が消えにくい問題があるが、ポリカルボン酸系共重合化合物を併用することで大幅に改善できることが分かった。
このようなポリカルボン酸系共重合化合物としては、ポリオキシアルキレン誘導体と不飽和カルボン酸化合物との共重合化合物で、主鎖にポリカルボン酸基、グラフト鎖にポリオキシアルキレン基を有する化合物が挙げられる。
上記のポリカルボン酸系共重合化合物は、本出願人による特開2012−193259号公報に詳細に記載されている。好ましいポリカルボン酸系共重合化合物の具体的な一例としては、日油株式会社製の商品名マリアリムAKM−0531、AFB−0561、AFB−1521、AAB−0851、AEM−3511、AWS−0851等があげられる。さらに好ましい化合物はAKM−0531、AAB−0851である。
ポリウレタン重合体100重量部に対し、ポリカルボン酸系共重合化合物の好ましい配合量は、ポリウレタン重合体100重量部に対し、0.0001〜2重量部であり、更に好ましくは0.0002〜1重量部である。0.0001重量部より少ない場合は効果が小さいし、2重量部より多く入れても効果は変わらず、経済的でない。
金属石鹸を構成する12-ヒドロキシステアリン酸金属塩とステアリン酸金属塩は、アミド系溶剤中に分散して紡糸前のポリマー原液中に適当な段階で個別又は同時に加えることができる。12-ヒドロキシステアリン酸金属塩とステアリン酸金属塩を一体化してアミド系溶剤中で混合分散、又は各々別々にアミド系溶剤中で分散した後に均一に混合し、紡糸前のポリマー原液中に工程中の適当な段階で加えることができる。予め12−ヒドロキシステアリン酸金属塩とステアリン酸金属塩を均一に混合した後、分散・微粒子化するほうが、分散液の低粘度化、経時粘度安定化、粒径分布の狭い粒子が得られる点で好ましい。これは、12−ヒドロキシステアリン酸金属塩とステアリン酸金属塩が分散段階で相互に作用しあうためと考えられる。この時に、本発明に用いるポリエーテル変性シリコーンやポリカルボン酸系共重合化合物も金属石鹸と同時分散又は別々に加えて分散した後に混合してもよい。12−ヒドロキシステアリン酸金属塩及びステアリン酸金属塩とポリエーテル変性シリコーン及び/又はポリカルボン酸系共重合化合物とは、ポリウレタン重合体の重合の前後で添加してもよいが、通常はポリウレタンプレポリマーと鎖伸長剤を反応せしめた後に、ポリウレタン重合体中に添加される。
次に、本発明のポリウレタン弾性繊維を製造するために用いる、アミド系溶剤、12−ヒドロキシステアリン酸金属塩とステアリン酸金属塩とからなる金属石鹸、ポリエーテル変性シリコーン及びポリカルボン酸系共重合化合物を含む金属石鹸組成物について説明する。
12−ヒドロキシステアリン酸金属塩とステアリン酸金属塩とからなる金属石鹸にポリエーテル変性シリコーンとポリカルボン酸系共重合化合物を併用する事により、金属石鹸をアミド系溶剤に均一分散した場合、分散溶液の低粘度化や貯蔵時の粘度経時変化の少ない分散溶液の製造が可能になり、ポリウレタン弾性繊維の製造工程でのフィルター通液安定性や細糸の高速紡糸の一層の紡糸安定化を可能にすることが分かった。
本発明に用いられるアミド系溶剤は、ジメチルアセトアミド及びジメチルホルムアミドからなる群から選ばれた少なくとも1つのアミド系溶剤であることが好ましく、また、金属石鹸100重量部に対するアミド系溶剤の量は100〜1000重量部であることが好ましく、さらに好ましくは150〜800重量部である。
上記分散・微粒子化には公知の各種粉砕方法を用いることができ、なかでも溶剤に混合または溶解した後粉砕する湿式粉砕法が好ましい。湿式粉砕に用いる粉砕機としては、縦型ビーズミル、横型ビーズミル、サンドグラインダー、コロイドミル、ボールミル等の各種の湿式粉砕機を使用できる。又、12−ヒドロキシステアリン酸金属塩とステアリン酸金属塩を一体として微粒子化する場合は、アミド系溶剤との親和性が向上している為、ホモミキサーやラインミキサー等を用いても分散することも可能であり、この場合、分散の際に使用できる温度は、10〜110℃である。具体的には、12−ヒドロキシステアリン酸マグネシウムとステアリン酸マグネシウムの混合体の場合は、約90℃で、アミド系溶剤に均一溶解した状態でホモミキサーやラインミキサーを用いて、高速で分散した後、または高速で分散しながら、室温まで徐々に冷却すると、微粒子の形態を維持する利点がある。得られた分散液は低粘度で経時的な粘度変化も少なく、紡糸工程への安定的な輸送も容易で、スタチックミキサー等用いて、紡糸前のポリウレタン重合体に均一に添加し、均一に混合することができる。一方、ステアリン酸マグネシウムを単独で同様な処理を行った場合には、室温に冷却する際、ステアリン酸マグネシウムが急激に析出するため粒子が大きくなり微粒子の形状を維持できない。ホモミキサーやラインミキサーを用いて分散する利点としてビーズミルを用いて分散する場合よりも粒子径が細かくなり過ぎず且つ分布が狭くなるため、微粒子に起因する再凝集による経時的な粘度上昇の問題を回避できる。
金属石鹸組成物がステアリン酸金属塩の単独使用の場合は、約15重量%になると増粘したり、50℃で経時すると、数日で流動性が大きく低下する問題がある。一方、本発明の12−ヒドロキシステアリン酸金属石鹸とステアリン酸金属塩からなる金属石鹸組成物の濃度は、ジメチルアセトアミド溶液中で、固形分濃度が約40重量%の高濃度まで、経時しても流動性があり、これを50℃で放置しても、長期間に渡って流動性を維持できる。
本発明において、12-ヒドロキシステアリン酸金属塩とステアリン酸金属塩の好ましい粒径は、アミド系溶剤中、例えばジメチルアセトアミド中で測定し、平均粒子径が1μmより大きく、20μm未満が好ましい。
平均粒子径が1μm以下の小さな粒子の物は、再凝集し、大きな粒子になりやすく、フィルターや紡口で詰まりを起こしやすい。20μm以上の大きな粒子の物は、細糸の高速紡糸を行う際に、工程でのフィルター詰まりや糸キレを起こしやすい。更に好ましい平均粒子径は2〜10μmである。
本発明のポリウレタン弾性繊維を構成するポリウレタンは、両末端にヒドロキシル基を有し、分子量が600〜4000である、実質的に線上の重合体、例えばホモまたは共重合体からなるポリエステルジオール、ポリエーテルジオール、ポリエステルアミドジオール、ポリ炭酸エステルジオール、ポリアクリルジオール、ポチオエステルジオール、ポリチオエーテルジオール、ポリ炭化水素ジオールまたはこれらの混合物またはこれらの共重合物と、有機ジイソシアネートと、多官能性活性水素原子を有する鎖延長剤、例えばポリオール、ポリアミン、ヒドロキシルアミン、ヒドラジン、ポリヒドラジド、ポリセミカルバジド、水、またはこれらの混合物等を主成分とするものである。さらに詳細には、特開2012−207332号公報の段落[0043]〜[0049]に記載されている。
本発明のポリウレタン弾性繊維には、他の金属石鹸として、パルミチン酸、ミリスチン酸、アイコサン酸、ドコサン酸、ラウリン酸、アラキン酸、ベヘン酸、オクタン酸、トール油脂肪酸等の脂肪酸、アビエチン酸、ネオアビエチン酸、d−ピマル酸、イソ−d−ピマル酸、ポドカルプ酸、アガテンジカルボン酸、安息香酸、ケイ皮酸、p−オキシケイ皮酸、ジテルペン酸等の樹脂酸又はナフテン酸等の有機酸の金属塩を併用することも可能である。
更に、通常用いられる他の化合物、例えば紫外線吸収剤、酸化防止剤、光安定剤、耐ガス安定剤、着色剤、艶消し剤、充填剤等も併用してもよい。
本発明のポリウレタン弾性繊維は、従来から知られている溶融紡糸法、湿式紡糸法、乾式紡糸法で製造できる。好ましい製造方法は、乾式紡糸法であり、ジメチルアセトアミド、ジメチルフォルアミドといったポリウレタン重合体溶解可能な溶媒にポリウレタン重合体を溶解せしめたポリウレタン紡糸原液を用いて、高速紡糸で長期に安定に細糸を製造できる乾式紡糸方法が好ましい。乾式紡糸におけるポリウレタン紡糸原液の好ましいポリマー固形分濃度は20〜50重量%であり、濃度が20重量%未満であると高速紡糸時に紡塔内で脱溶媒が不完全となる恐れがあり、50重量%を超える濃度であると、ポリウレタン紡糸原液が不安定で粘度上昇やゲル化現象を引き起こしやすく、紡糸時糸キレの原因となる場合がある。より好ましい濃度は30〜40重量%である。
本発明のポリウレタン弾性繊維の好ましい単糸デシテックスは5〜20デシテックスであり、更に好ましい単糸デシテックスは8〜15である。5デシテックス未満の細い糸の場合、紡糸時に紡塔内で、溶剤乾燥用の高温気流と糸との摩擦抵抗が大きくなる為、糸キレが起こり、安定な高速生産が困難になる。又、単糸が20デシテックスより大きい太い繊維の場合、繊維中からの溶剤の乾燥が遅くなるため、紡糸速度を大きく低下させる必要があり、生産コストが上昇する問題がある。
本発明のポリウレタン弾性繊維の好ましい総フィラメント数は1〜100フィラメントからなるモノ及びマルチフィラメントの弾性繊維であり、特に好ましい総フィラメント数は1〜80フィラメントである。マルチフィラメントの場合、紡糸工程で回転リング又は回転空気流を用いて数本のマルチフィラメントが紡糸筒内で仮撚りされ合着されるために、マルチフィラメントであってもフィラメント同士は合着され、見かけ上1本の弾性繊維になって巻き取られる。
本発明での12−ヒドロキシステアリン酸金属塩はポリウレタン重合体やアミド系溶剤に対する親和性が高く、紡糸塔内で繊維形成過程での溶剤揮発中に繊維表面への移行が比較的緩和であるが、紡糸後に紙管に巻きとられた後で、徐々に繊維の表面に移行し、生地加工時のガイドや編み針の対金属摩擦性向上に寄与する。紡糸塔内では、析出が抑制されているためフィラメントの合着性を低下させる影響が小さい為、合着が強くなると推測する。
一方、ステアリン酸金属塩は、溶剤やポリマーに対する親和性は低いので、紡糸塔内での乾燥する前に繊維表面に析出し、その為紡糸塔内での単糸同士の合着を阻害すると考えられる。しかしながら、12−ヒドロキシステアリン酸金属塩を併用すれば、ステアリン酸金属塩の糸表面への析出を抑制することができる。ポリウレタン弾性繊維のマルチフィラメントの単糸の合着性はステアリン酸金属塩のみを用いた場合と比較して、強固な合着性が得られ、生地加工工程で筬、ガイドの摩擦抵抗による単糸割れによる糸切れも少ない。
一方、ステアリン酸金属塩を使用する利点は、紡糸工程中で繊維表面への析出が比較的早く始まり、糸が巻き取られる前に繊維表面に移行しやすい。その為、繊維が、紙管に巻かれる前に接する金属製ゴッデトロールやトラバースガイドに対する糸の摩擦抵抗を低減させるので、パッケージ上での紙管に巻きとられた糸の残留張力は低く且つ張力変動も少ない。すなわち、12−ヒドロキシステアリン酸金属塩とステアリン酸金属塩とを併用する利点として、紡糸塔内から紙管に糸が巻き取られるまでのガイドや金属との摩擦への安定性はステアリン酸金属塩が有効であり、紙管巻姿と単糸の合着性に対しては、12―ヒドロキシステアリン酸金属塩が有効で、両者はお互いに補完する効果を発揮する点にある。12-ヒドロキシステアリン酸金属塩とステアリン酸金属塩とからなる金属石鹸は、紡糸前のポリマー原液に混合して用いてもよいし、又は、紡糸筒内のノズルから出た糸を溶剤乾燥させ紙管に巻きとる前に用いられるシリコーン油剤中の成分組成として、繊維表面に付着させてもよい。
すなわち紡糸後に得られた糸を巻き取る際に、25℃における動粘度が5〜50センチストークスであるポリアルキルシロキサンと25℃における動粘度が30〜70センチストークスである鉱物油との比が100:0〜50:50であるオイル成分と、該オイル成分100重量部に対して12−ヒドロキシステアリン酸金属塩及びステアリン酸金属塩からなる金属石鹸0.1〜10重量部、ポリカルボン酸系共重合物0.001〜5重量部及びポリエーテル変性シリコーン0.00001〜5重量部を含む繊維処理剤とを糸に付着する、ポリウレタン弾性繊維の製造方法である。
この場合、本発明で用いる金属石鹸は、ポリウレタン重合体との親和性が良好であるため繊維表面に均一に分散存在し、その結果摩擦性が良好で、摩擦応力変動の小さいポリウレタン弾性繊維が得られる。すなわち、本発明のポリウレタン弾性繊維は、本発明の金属石鹸がポリウレタン重合体に紡糸前に添加され、紡糸された後にポリウレタン弾性繊維の内部に存在する態様、金属石鹸の一部分が繊維の内部から経時的に繊維表面に移行して存在する態様、及びシリコーン油剤の一成分として紡糸後に紙管に巻きとられる前に後処理剤として金属石鹸が付着されて存在する態様を含んでいる。本発明に用いられる繊維処理剤をシリコーン油剤中で微粒子化する際、12−ヒドロキシステアリン酸金属塩とステアリン酸金属塩とを、個別または混合して、前記の各種分散基を用いて分散できる。予め両者を混合し、必要に応じ昇温しながら、均一に溶解、微粒子化すると、金属石鹸の粒径分布が狭い戦士処理剤を得ることができ、好ましい。
本発明のポリウレタン弾性繊維は、紙管に巻きとられた糸巻形状が型崩れせずに良好である。本発明のポリウレタン弾性繊維は加工特性が良好であるため、得られる生地の品位は均一で商品価値も高い。
以下、実施例および比較例によって本発明を詳細に説明する。しかし、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。実施例で述べられている各種の測定法は、以下に述べる方法を用いて行った。
(1)<粘度の測定法>
東機産業株式会社製TVE−20H型 E型粘度計を用いて25℃の雰囲気下で測定した。
(2)<金属石鹸の平均粒子径の測定法>
あらかじめジメチルアセトアミド溶剤中でスラリー状に均一分散した金属石鹸の溶液を用いて、ジメチルアセトアミド溶媒を用いたベックマン・コールター株式会社製LS13―320型粒度分布測定装置にて、サンプル液を数滴滴下し、この装置の適正な測定可能濃度に調整した後、体積統計値基準での測定値から平均粒径を求めた。
(3)<ポリウレタン弾性繊維の紡糸方法>
ポリウレタン弾性繊維用紡糸原液を減圧脱泡した後、紡口フィルターとして400メッシュの金網フィルターを用いて、紡糸ノズル(口金は4個又は2個の細孔を有す)の細孔から熱風中210℃に押しだして溶剤を蒸発させた。乾燥された糸条をリング仮撚り機に通過する過程で仮撚りし、ゴッデトローラを経てオイリングローラ上でポリアルキルシロキサン、鉱物油を主成分とする油剤成分をポリウレタン弾性繊維に対して5重量%付着させて、毎分1020m/分の速度で、22デシテックス/2フィラメント及び44デシテックス/4フィラメント(単糸繊度11デシテックス)のポリウレタン弾性繊維500gを各々紙管に巻き取った。製造した糸の強伸度物性及び残留溶剤はポリウレタン弾性繊維として適性の範囲内であった。この弾性繊維を用いて各種評価を行った。
(4)<強伸度物性の測定法>
22デシテックス/2フィラメントの弾性繊維を、引張試験機オリエンテック(株)製UTM−III−100型を用いて測定した。引張試験機にサンプルを掴み間隔50mmでセットし、引張速度500mm/min、温度20℃、湿度65%RHの条件下で測定した。
(5)<紡糸安定性及び吐出圧上昇率の評価法>
22デシテックス/2フィラメント紡糸時の24時間の紡糸中に起こった糸切れ回数で評価した。また濾材として400メッシュの金網フィルターを用いた時の、24時間後の吐出圧の上昇(kgf/cm)を吐出圧上昇率として求めた。
(6)<紙管上への糸の巻姿評価法>
毎分1020m/分の速度で、22デシテックス/2フィラメント(単糸繊度11デシテックス)のポリウレタン弾性繊維500gを紙管に巻き取った。この紙管に巻きとられた糸の巻姿の状態を、以下の評価基準に従って5人の目視判定で総合評価した。
○:紙管上の糸の巻姿が整っていて美しい。
△:紙管上の糸の巻姿がやや崩れ始めている。
×:紙管上の糸の巻姿が大いに崩れて美しくない。
(7)<ポリウレタン弾性繊維の紙管からの解除性の評価法>
44デシテックス/4フィラメントポリウレタン弾性繊維を45℃、65%RHの雰囲気にて30日間放置後、紙管を梨地ローラー上に置き、ローラーを回転させながら、ローラー表面速度40m/分で、弾性繊維を送り出す。送り出された弾性繊維を50cm離れた所に設置された同じ径の梨地ローラー上に巻き取る。巻き取るローラー上の表面速度を80m/分から徐々に低下させて、送り出すローラー上の紙管に弾性繊維が紙管にからみついて逆巻きし、弾性繊維が切断されて送り出されなくなった時点の速度Sm/分を測定する。Sm/分の値が小さいほど紙管から弾性糸の糸離れが良いことを示し、これを解除性が良好と判断する。
しかし、逆にあまりに糸離れが良すぎると、紙管に巻かれたポリウレタン弾性繊維を運搬する時に、紙管に巻かれた弾性繊維の外層が糸落ちし易く、取り扱い上の問題となるので、適正な範囲が存在する。本測定において、好ましい紙管外層の弾性繊維のS(以下SOと表す)は、SO=45〜55m/分、紙管内層の弾性繊維のS(以下SIと表す)は、SI=50〜65m/分である。SIおよびSOがこの範囲に入っているか否かで判断する。SI、SOのいずれかの値がこの範囲をはずれ、値が小さいと運搬時や整経工程で、糸落ちし易く、逆に値が大きいと紙管への逆巻きや糸切れが頻発する場合があり、問題となる。
(8)<ポリウレタン弾性繊維の合着性の評価法>
引張試験機オリエンテック(株)製UTM−III−100型を用いた。温度20℃、湿度65%RHの条件下で以下の方法で測定した。22デシテックス/2フィラメントのフィラメントを2つの単糸に手で引き裂いて分ける。その各々のフィラメントを、上下のチャックに別々に股を引き裂くようにセットした後に、強伸度測定と同じ方法で応力測定を開始する。
単糸を引き裂くように測定すると強く合着している部分は応力が高く、合着が弱い部分は低い値を示す。変動幅が小さく、かつ、平均値応力が大きい値を示すポリウレタン弾性繊維は、フィラメントの合着性が強く良好であると判断できる。
図2に測定結果の一例を示す。図2に示したように、測定チャートより応力の平均値と変動幅を求める。測定スタート時をベースラインとして平均値応力(a)が大きく、変動幅(b)が小さければ、ポリウレタン弾性繊維は、フィラメントの合着性が強く良好であると判断できる。図2において、(1)は合着性が良好な例であり、(2)は合着性が不良な例である。
(9)<金属摩擦性評価法>
44デシテックス/4フィラメントの弾性繊維を、25℃、65%RHの雰囲気で30日間放置後、図1の装置を用いて評価した。図1において、1は試験糸、2は送り出しローラー、3はテンションメーター、4は編み針、5は巻き取り部、6は巻き取りローラー、7は試験糸走行糸状であり、8は編み針にかかる糸状がなす角度で29°である。試験糸を、送り速度100m/分、巻き取り速度200m/分の延伸倍率2倍で走行させ、編み針通過前後の試験糸の糸条の走行応力とその応力変動を測定した。図3は測定結果の一例であり、T1、T2は、それぞれ、編み針通過後の走行応力の中心値(g)、編み針通過前の走行応力の中心値(g)である。摩擦係数μdは下記式(1)で与えられる。
μd=Ln(T1/T2)/2.6376・・・式(1)
摩擦係数μdは、値が小さい程、摩擦が小さく良好である。
(10)<生地作成の整経及び編成方法>
44デシテックス/4フィラメントの弾性繊維588本をリバー社製の弾性糸用整経機に取り付け、弾性繊維送り出し速度150m/分、ビーム巻き取り速度300m/分にて整経し、1ビームあたり弾性繊維重量で14.7kgを16ビーム整経した。このように整経したポリウレタン弾性繊維をバックの試験糸とし、ナイロン66加工糸44デシテックス/34フィラメントをフロントとしドラフト率80%で整経し、下記条件のハーフ生地編成条件で編成した。
<編成条件>
編機:36ゲージ/インチ カールマイヤー社製 トリコット編機
組織:フロント 10/23、バック 12/10
ランナー長:フロント120cm/480コース
バック77.6cm/480コース
機上コース:100コース/インチ
この編成工程で15kg/1反の条件で20反編んだ。
(11)<生地品位の評価法>
得られた経編生機を、90℃で1分間精錬し、プレセットとしてテンター仕上げ機を用いて熱処理条件として温度190℃、時間60秒で処理した。次いで、液流染色機を用いて100℃×60分の条件で染色した。ファイナルセットとして、テンター仕上げ機を用いて、熱処理条件180℃×45秒で処理して、経編地の染上げ反を得た。試験糸とナイロン糸を交編させて得られた経編地の生地品位を、以下の評価基準に従って5人の目視判定で総合評価した。
◎:経筋がほとんどなく大変美しい。
○:経筋が目立たず美しい。
△:経筋が僅かに目視される。
×:経筋が多く、美しくない。
[参考例1](ポリウレタン重合体溶液及び紡糸用原液(A)の製造)
平均分子量2000のポリテトラメチレングリコール166.6重量部および4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート31.2重量部を、窒素ガス気流中95℃において80分間攪拌しつつ反応させて、両末端がイソシアネート基残有のプレポリマーを得た。ついで、これを室温まで冷却した後、ジメチルアセトアミド270重量部を加え、溶解してプレポリマー溶液とした。
一方、エチレンジアミン2.34重量部およびジエチルアミン0.37重量部をジメチルアセトアミド157重量部に溶解し、これを前記プレポリマー溶液に室温で添加して、粘度2050ポイズ(30℃)のポリウレタン重合体溶液を得た。こうして得られた粘調なポリマー溶液に、ポリウレタン重合体のポリマー固形物換算として、1,3,5−トリス(4−ターシャルブチル−3−ヒドロキシ−2、6−ジメチルベンジル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6−(1H,3H,5H)−トリオン(商品名CYANOX1790)1.5重量%、2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロ−ベンゾトリアゾール0.5重量%を加えて紡糸用原液(A)を作成した。
[参考例2](15重量%金属石鹸分散液の製造:ビーズミル分散方法)
ステアリン酸マグネシウム(26.25Kg)と12―ヒドロキシステアリン酸マグネシウム(11.25Kg)をジメチルアセトアミド溶剤(212.5Kg)に加えた溶液を10分間撹拌混合して15重量%溶液とした。この溶液を、0.5mmのジルコニアビーズの入った湿式ビーズミル(アシザワ・ファインテク株式会社製 商品名スターミル LME−20型)を用いて、2パス相当の循環時間の処理を行い、分散液を作成した。この分散液を粒度分布計で測定した結果、平均粒子径は、1.3μmであった。
[参考例3](35重量%金属石鹸分散液の製造:ホモミキサー分散方法)
ホモミキサー(特殊機化工業株式会社製 T.K.ROBO MICS)をセットした2L分散用ビーカーにステアリン酸マグネシウム245.0g、12−ヒドロキシステアリン酸マグネシウム105.0g、ジメチルアセトアミド650.0gを投入し、固形分濃度が35重量%の金属石鹸のジメチルアセトアミド溶液とした。更に信越化学工業株式会社製商品名X−22−4952を30.0g、日油株式会社 商品名マリアリムAKM−0531を10.0g添加した。この液を、ホモミキサーで高速撹拌しながら、室温から90℃に加熱昇温後、撹拌しながら室温までゆっくり冷却し分散液を製造した。この分散液を粒度分布計にて測定した結果、平均粒子径は1.8μmであった。製造直後の分散液の粘度は90mPa・sであった。50℃で10日間静置した後の粘度は100mPa・sで流動性もあり且つ粘度の変化も小さく安定であった。その粒度分布は同一組成を湿式ビーズミルを用いて分散したものと比較して、粒子の小さいものが少なく、狭い分布を示していた。
[実施例1〜7および比較例1、2]
参考例2と同様の方法で、表1に記載した分散液組成物を、金属石鹸が15重量%の分散溶液になるようにして、更に、組成によっては、同時に変性シリコーン及び又はポリカルボン酸系共重合化合物を表1記載の所定量加えて、湿式ビーズミル処理し分散液を作成した。得られた分散液の作製直後の粘度及び50℃10日間放置後の粘度を測定した結果を表1に記載した。
次いで、得られた各分散液を参考例1で作成した紡糸用原液(A)に添加し、均一に混合し、各紡糸原液を作成した。但し、添加量はポリウレタン重合体100重量部に対する表1記載の組成になるように調整した。
得られた各紡糸原液を用いて、上記の<ポリウレタン弾性繊維の紡糸方法>に従って、ポリウレタン弾性繊維を製造し、得られた糸を用いて各種評価を行った結果を表2に記載した。
Figure 2015206149
Figure 2015206149
[実施例8〜10および比較例3、4]
参考例1で作成した紡糸用原液(A)を用いて、上記の<ポリウレタン弾性繊維の紡糸方法>に従って、22デシテックス/2フィラメント及び44デシテックス/4フィラメントのポリウレタン弾性繊維を製造し、各々紙管に巻きとる前に、ポリウレタン弾性繊維100重量部に対し、表3記載の各繊維処理剤組成物5重量部をノズルオイリング装置で均一に付着させた後に、ポリウレタン弾性繊維を各500g巻き取った。得られた糸を用いて各種評価を行った結果を表4に記載した。
Figure 2015206149
Figure 2015206149
本発明によるポリウレタン弾性繊維は、細糸生産においても長期間、安定に紡糸が可能であり、加工工程での糸切れも少なく、対金属摩擦特性も良好である。よって、本ポリウレタン弾性繊維を用いて作成された生地は表面品位が均一で商品価値が優れている。
1 試験糸
2 送り出しローラー
3 テンションメーター
4 編み針
5 巻き取り部
6 巻き取りローラー
7 試験糸走行糸条
8 編み針にかかる糸条がなす角度=29°

Claims (10)

  1. ポリウレタン重合体100重量部に対し、12−ヒドロキシステアリン酸金属塩及びステアリン酸金属塩からなる金属石鹸を0.001〜5重量部有していることを特徴とするポリウレタン弾性繊維。
  2. 12−ヒドロキシステアリン酸金属塩とステアリン酸金属塩の重量部比(12−ヒドロキシステアリン酸金属塩/ステアリン酸金属塩)が98/2〜2/98であることを特徴とする請求項1に記載のポリウレタン弾性繊維。
  3. 金属石鹸を構成する金属がマグネシウム、カルシウム、アルミニウム、亜鉛およびバリウムからなる群から選ばれることを特徴とする請求項1または2に記載のポリウレタン弾性繊維。
  4. ポリウレタン重合体100重量部に対し、ポリエーテル変性シリコーンを0.0001〜2重量部有していることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のポリウレタン弾性繊維。
  5. ポリウレタン重合体100重量部に対し、ポリカルボン酸系共重合化合物を0.0001〜2重量部有していることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のポリウレタン弾性繊維。
  6. ポリカルボン酸系共重合化合物が、ポリオキシアルキレン誘導体と不飽和カルボン酸化合物との共重合化合物で、主鎖にポリカルボン酸基、グラフト鎖にポリオキシアルキレン基を有する化合物であることを特徴とする請求項5に記載のポリウレタン弾性繊維。
  7. アミド系溶剤、12−ヒドロキシステアリン酸金属塩及びステアリン酸金属塩とからなる金属石鹸、ポリエーテル変性シリコーン及びポリカルボン酸系共重合化合物を含むことを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載のポリウレタン弾性繊維製造用金属石鹸組成物。
  8. アミド系溶剤がジメチルアセトアミド及びジメチルホルムアミドからなる群から選ばれた少なくとも1つのアミド系溶剤であって、金属石鹸100重量部に対するアミド系溶剤の含有量が100〜1000重量部であることを特徴とする請求項7に記載の金属石鹸組成物。
  9. 乾式紡糸法によって紡糸されることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載のポリウレタン弾性繊維の製造方法。
  10. 紡糸後に得られた糸を巻き取る際に、25℃における動粘度が5〜50センチストークスであるポリアルキルシロキサンと25℃における動粘度が30〜70センチストークスである鉱物油との比が100:0〜50:50であるオイル成分と、該オイル成分100重量部に対して12−ヒドロキシステアリン酸金属塩及びステアリン酸金属塩からなる金属石鹸0.1〜10重量部、ポリカルボン酸系共重合物0.001〜5重量部及びポリエーテル変性シリコーン0.00001〜5重量部とを含む繊維処理剤を糸に付着することを特徴とする請求項9に記載のポリウレタン弾性繊維の製造方法。
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