JPH10310979A - ポリウレタン弾性繊維用改質剤 - Google Patents

ポリウレタン弾性繊維用改質剤

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JPH10310979A
JPH10310979A JP11793897A JP11793897A JPH10310979A JP H10310979 A JPH10310979 A JP H10310979A JP 11793897 A JP11793897 A JP 11793897A JP 11793897 A JP11793897 A JP 11793897A JP H10310979 A JPH10310979 A JP H10310979A
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polyurethane elastic
weight
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elastic fiber
fatty acid
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JP11793897A
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English (en)
Inventor
Masayasu Nakayama
雅靖 中山
Seisuke Yamanaka
成介 山中
Michihiro Shibano
道宏 柴野
Yoji Mizuhiro
洋司 水弘
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Matsumoto Yushi Seiyaku Co Ltd
Original Assignee
Matsumoto Yushi Seiyaku Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ポリウレタン弾性繊維の粘着性を低減し糸条
の走行中の編針やガイドとの摩擦を低減でき且つ分散性
が改善され使用に便利なポリウレタン弾性繊維用改質剤
およびこれを付与したポリウレタン弾性繊維を提供す
る。 【解決手段】 平均粒子径が0.1〜5μmである炭素
数10〜30の高級脂肪酸の金属塩(A)を含有するポ
リウレタン弾性繊維用改質剤。(A)を0.1〜10重
量部および25℃に於ける粘度が2〜50センチストー
クスの鉱物油および/またはポリジメチルシロキサン
(B)を100重量部含有する表面処理剤としての上記
改質剤。(A)が2〜20重量%およびジメチルホルム
アミドおよび/またはジメチルアセトアミド(D)が8
0〜98重量%とからなる添加剤としての上記改質剤。
および上記表面処理剤および/または添加剤を付与した
ポリウレタン弾性繊維およびその製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はポリウレタン弾性繊
維用改質剤およびこの改質剤を用いて製造されたポリウ
レタン弾性繊維に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリウレタン弾性繊維は他の繊維に見ら
れない大きい伸度と伸長回復力を有する繊維であり、そ
の優れた特性を生かして主として衣料分野に広く使用さ
れるようになってきている。しかし、ポリウレタン弾性
繊維はヤング率、すなわち一定引張応力が加わった時の
伸びが大きいため、加工工程に於けるわずかな摩擦抵抗
によって繊維が伸び易く、得られた編物や織物中に引き
つれ等の斑が現れる。特にポリウレタン弾性繊維は一般
に粘着性があるため加工用の針やガイド等の金属部品と
の間の摩擦抵抗が大きく、これが加工工程での走行抵抗
を大きくする。更に、ポリウレタン弾性繊維はその粘着
性のため糸間の膠着が生じ易く、紡糸巻き取りされたチ
ーズからの糸の解舒が困難となる。このようなポリウレ
タン弾性繊維の粘着性を低下するために種々の処理剤や
添加剤が研究されてきている。しかし、この粘着性が低
下し過ぎると巻き上げられたチーズの型崩れが生じ、加
工に供することができない。ポリウレタン弾性繊維の製
造においては、加工上のトラブルを生じない程度に摩擦
を低下し、且つチーズの形を安定に保持できる満足なポ
リウレタン弾性繊維用改質剤を得ることが重要な課題で
あった。
【0003】上記の課題に応えるものとして、特公昭4
2−8438号公報、特開平2−127570号公報、
特開平8−74179号公報には、ステアリン酸マグネ
シウムを含有するポリジメチルシロキサンを付与したポ
リウレタン弾性繊維が記載されている。これらの発明で
は高級脂肪酸の金属塩が用いられているにもかかわら
ず、ポリウレタン弾性繊維の解舒性は十分改良されてい
るとはいえず、且つ混合後すぐに沈降するという欠点も
あった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、ポリウレタ
ン弾性繊維の粘着性を低減し糸条の走行中の編針やガイ
ドとの摩擦を少なくするとともに、分散性が改善され、
使用に便利なポリウレタン弾性繊維用改質剤およびこれ
を付与したポリウレタン弾性繊維を提供することであ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】従来の高級脂肪酸金属塩
を使用したポリウレタン弾性繊維用改質剤がポリウレタ
ン弾性繊維の解舒性を十分向上できない原因を研究した
結果、ステアリン酸マグネシウム等の従来の高級脂肪酸
金属塩は、平均粒子径が20μm以上と大きいためでは
ないかと考え、高級脂肪酸金属塩の粒子径の面から解舒
性向上を研究した結果、平均粒子径を0.1〜5μmの
一定範囲に制御することにより、膠着防止性を更に向上
させるとともに、その液体分散体中での分散性を改善
し、更には糸条の編針やガイドとの摩擦を低減できるこ
とを見いだしたものである。本発明は、平均粒子径が
0.1〜5μmである炭素数10〜30の高級脂肪酸の
金属塩(A)を含有するポリウレタン弾性繊維用改質剤
に関する。特に本発明は、平均粒子径が0.1〜5μm
である炭素数10〜30の高級脂肪酸の金属塩(A)を
0.1〜10重量部および25℃に於ける粘度が2〜5
0センチストークスの鉱物油および/またはポリジメチ
ルシロキサン(B)を100重量部含有する表面処理剤
としての上記ポリウレタン弾性繊維用改質剤に関する。
本発明はまた、シリコーンレジン、ポリエーテル変性シ
リコーン、カルビノール変性シリコーン、カルボキシル
変性シリコーン、アミノ変性シリコーンおよびメルカプ
ト変性シリコーンからなる群から選ばれる少なくとも1
種のシリコーン(C)0.01〜50重量部を更に含有
する表面処理剤としての上記ポリウレタン弾性繊維用改
質剤に関する。
【0006】更に本発明は、高級脂肪酸の金属塩(A)
をポリウレタン弾性繊維の内部に添加することによって
も膠着防止効果が得られ、且つ(A)はジメチルホルム
アミドおよび/またはジメチルアセトアミドによく分散
するすることを見いだしたことに基づくものである。即
ち本発明のもうひとつの態様は、平均粒子径が0.1〜
5μmである炭素数10〜30の高級脂肪酸の金属塩
(A)が2〜20重量%およびジメチルホルムアミドお
よび/またはジメチルアセトアミド(D)が80〜98
重量%とからなる添加剤としてのポリウレタン弾性繊維
用改質剤に関する。
【0007】更に、本発明は上記表面改質剤が1〜10
重量%付与されたポリウレタン弾性繊維に関する。また
本発明は添加剤としての上記改質剤が、乾式または湿式
ポリウレタン弾性繊維用紡糸原液に添加され、該紡糸原
液を用いて乾式または湿式紡糸することを特徴とするポ
リウレタン弾性繊維繊維の製造方法に関する。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明に用いる炭素数10〜30
の高級脂肪酸の金属塩(A)は、平均粒子径が0.1〜
5μm、好ましくは0.3〜3μm、より好ましくは0.
5〜2μmである。0.1μmより小さいと、改質剤の
粘度が高くなり、取り扱い性が悪くなったり、膠着防止
性が悪くなったり、膠着防止性が低下することがある。
5μmより大きいと、分散性が悪くなり、編針やガイド
との摩擦が大きくなることがある。本発明に好適な高級
脂肪酸金属塩としては、ステアリン酸、パルミチン酸、
ミリスチン酸、アイコサン酸、ドコサン酸等のマグネシ
ウム塩、亜鉛塩、バリウム塩、カルシウム等が例示でき
る。特に好ましくはステアリン酸マグネシウム、ステア
リン酸カルシウムである。
【0009】本発明において、平均粒子径とは、溶液状
態で使用溶液で希釈し、バッチセルを用いて粒度分布測
定装置「LA−910」(堀場製作所社製)により測定
することができる。
【0010】本発明に用いる鉱物油および/またはポリ
ジメチルシロキサン(B)は、25℃における粘度が2
〜50センチストークス、好ましくは5〜30センチス
トークスを有するものである。粘度が2センチストーク
スより低いと揮発性が高くなり取り扱いが難しくなる。
一方50センチストークスより高くなると、ポリウレタ
ン弾性繊維の編針やガイドとの摩擦が大きくなり、目的
とする効果を得ることができない。
【0011】表面処理剤としてのポリウレタン弾性繊維
用改質剤中に於ける上記の高級脂肪酸金属塩(A)と鉱
物油および/またはポリジメチルシロキサン(B)との
配合比率は、(B)が100重量部に対して(A)が
0.1〜10重量部である。好ましくは(B)が100
重量部に対して(A)が0.5〜5重量部である。
【0012】また、本発明の表面処理剤としての改質剤
には、高級脂肪酸の金属塩の分散性を改良するために、
シリコーンレジン、ポリエーテル変性シリコーン、カル
ビノール変性シリコーン、カルボキシル変性シリコー
ン、アミノ変性シリコーンおよびメルカプト変性シリコ
ーンからなる群から選ばれる少なくとも1種のシリコー
ン(C)を鉱物油および/またはポリジメチルシロキサ
ン(B)100重量部に対して0.01〜50重量部添
加することが好ましい。添加量が0.01重量部より少
ないと分散性改良効果が十分でなく、一方50重量部よ
り多いと鉱物油やポリジメチルシロキサンとの混合性が
悪くなることがある。
【0013】上記で記載した(A)と(B)、またはこ
れに更に(C)を配合したポリウレタン弾性繊維用改質
剤は、表面処理剤として使用でき、紡糸工程において繊
維表面に付与される。すなわち、溶融、乾式または湿式
法により紡糸され、糸条に形成されたポリウレタン糸は
チーズ等の形で巻き取りボビンに巻き取られるが、一般
には巻き取り装置の前に備えられた処理剤付与手段によ
り繊維処理剤が付与される。本発明の表面処理剤も代表
的にはこのようにしてポリウレタン繊維に付与される。
【0014】表面処理剤としての本発明の改質剤には、
必要に応じて、従来公知の膠着防止成分、つなぎ剤、制
電剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤および通常油剤として
使用されるその他の添加剤を単独または併用して配合す
ることができる。
【0015】本発明の上記表面処理剤はポリウレタン弾
性繊維に、繊維に対し1〜10重量%、好ましくは2〜
7重量%の量で付与される。付与量が1重量%より少な
いと膠着防止能が十分でなく、10重量%より多いと糸
条の走行時に飛散して、室内や装置を汚すなど問題とな
ることがある。
【0016】表面処理剤としての本発明の改質剤をポリ
ウレタン弾性繊維に付与する方法としては、噴霧法、ロ
ーラー表面接触法、給油ガイド法など公知の方法を用い
ることができる。
【0017】本発明のもう一つの形態は、繊維内部への
添加剤としてのポリウレタン弾性繊維用改質剤である。
すなわち、高級脂肪酸金属塩(A)2〜20重量%とジ
メチルホルムアミド(以下、DMFと記す)および/ま
たはジメチルアセトアミド(以下、DMACと記す)
(D)80〜98重量%とからなるポリウレタン弾性繊
維用改質剤である。 ポリウレタン弾性繊維の内部への
添加剤としてのこの形態の改質剤は、高級脂肪酸金属塩
(A)がDMFおよび/またはDMAC中に分散した分
散体として、ポリウレタン弾性繊維製造用紡糸原液中に
混合され、紡糸工程を得て高級脂肪酸金属塩(A)がポ
リウレタン弾性繊維中に添加される。本ポリウレタン弾
性繊維用改質剤は、高級脂肪酸金属塩(A)がポリウレ
タン弾性繊維中に0.01〜5重量%、好ましくは0.1
〜1.0重量%の量で含まれるように紡糸原液に混合さ
れる。
【0018】高級脂肪酸金属塩(A)はDMFまたはD
MACのいずれにも分散性がよく、分散不良の塊として
存在することを防ぐことができ、繊維中に微細粒子とし
て分散して、優れた膠着防止作用を発揮することができ
る。DMFとDMACとは単独で使用してもよいし、任
意の割合の混合物として使用することもできる。
【0019】DMFおよび/またはDMAC(D)と高
級脂肪酸金属塩(A)とからなる添加剤としての上記改
質剤中の(A)と(D)との割合は2〜20:98〜8
0(重量比)、好ましくは5〜15:90〜85(重量
比)である。高級脂肪酸金属塩(A)の割合が2重量%
より少ない場合は、紡糸原液中のポリマー濃度を変化さ
せることなく紡糸原液中への(A)の配合量を増すこと
が困難となる。一方20重量%より多くなると改質剤粘
度が高くなり紡糸原液との混合性が低下する。
【0020】添加剤としての本発明の改質剤は、ポリウ
レタン弾性繊維中の高級脂肪酸金属塩(A)の含有量が
ポリウレタン弾性繊維に対して0.01〜5重量%、好
ましくは0.1〜1.0重量%となる量で紡糸原液に添加
するのが好ましい。この範囲の添加量において、ポリウ
レタン弾性繊維の粘着性を低減する作用が発揮され、糸
条と編針やガイドとの摩擦を低下させることができる。
【0021】上記の表面処理剤または添加剤としての本
発明の改質剤は、例えばホモミキサー、コロイドミル、
サンドミル、ビスコミル、ダイノーミル、コボールミル
等のような高剪断性の混合または粉砕装置中で平均粒子
径が10〜50μmの通常市販されている高級脂肪酸金
属塩を、鉱物油および/またはポリジメチルシロキサン
(B)、または更に上記のシリコーン類(C)と共に入
れ、またはDMFおよび/またはDMACと共に入れ、
約30〜60分間撹拌混合することにより調製できると
ともに、これにより、高級脂肪酸金属塩の平均粒子径を
本発明にとって必要な0.1〜5μmに粉砕調整するこ
とができる。平均粒子径の調整は混合または粉砕装置の
回転速度、撹拌羽根の形状および処理時間を選定するこ
とにより行うことができる。経済性の面からより好まし
い装置はビスコミル、ダイノーミル、またはコボールミ
ルである。
【0022】本発明で使用するポリウレタン弾性繊維と
は、分子鎖中にウレタン結合またはウレタン結合とウレ
ア結合とを有するポリウレタンポリマーを紡糸して得ら
れる繊維をいい、このポリマーを適当な溶媒に溶かして
乾式紡糸または湿式紡糸することにより、またはそのま
ま溶融して溶融紡糸により製造される繊維である。この
ポリマーは一般には、低融点、低ガラス転移点をもつ高
分子量のジオール、ジイソシアネートおよび鎖延長剤と
呼ばれる低分子量の二官能性活性水素化合物とを主原料
として製造される。高分子量ジオールにはポリエステル
ジオール、ポリエーテルジオール、ポリカーボネートジ
オールまたはこれらの共重合物が使用される。またジイ
ソシアネートとしては通常、トリレンジイソシアネート
(TDI)、4,4-ジフェニルメタンジイソシアネート
(MDI)等の芳香族ジイソシアネート、ヘキサメチレ
ジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート、イソホ
ロンジイソシアネートのような環状脂肪族ジイソシアネ
ート類が使用される。
【0023】
【実施例】以下実施例により本発明を具体的に説明す
る。なお実施例に於ける、各特性の評価は次の方法にし
たがって行った。 〔油剤の作用効果の評価法〕解舒速度比: 解舒速度比測定機の解舒側に改質剤を付与
した繊維のチーズ(1)をセットし、巻取側紙管(2)
をセットする(図1参照)。巻取速度を一定速度にセッ
トした後、ローラー(3)および(4)を同時に起動さ
せる。この状態では糸(5)に張力はほとんどかからな
いため、糸はチーズ上で膠着して離れないため解舒点
(6)は図1に示す状態にある。解舒速度を変えること
によってチーズからの糸(5)の解舒点(6)が変わる
ので、この点がチーズとローラーとの接点(7)と一致
するように解舒速度を設定する。解舒速度比は次式によ
って求める。この値が小さいほど、解舒性が良いことを
示す。
【0024】
【数1】
【0025】編成張力:図2において、チーズ(8)か
ら縦取りした弾性糸(9)をコンペンセーター(10)
を経てローラー(11)、編み針(12)を介して、U
ゲージ(13)に付したローラー(14)を経て速度計
(15)、巻取ローラー(16)に連結する。速度計
(15)での走行速度が定速(例えば、10m/分、1
00m/分)になるように巻取ローラーの回転速度を調
整して、巻取ローラーに巻き取り、そのときの張力変動
をUゲージ(13)で測定し、繊維/編み針間の摩擦
(g)を計測する。
【0026】沈降度:表面処理剤および添加剤としての
改質剤を100mlのすり栓付き試験管に入れ、1カ月
静置した後、生じた上澄み部分の高さをA1、白濁部分
の高さをA2としたとき、沈降度を次式で定義した:
【0027】
【数2】
【0028】〔紡糸原液の調製〕数平均分子量1800
のポリテトラメチレンエーテルグリコールと4,4′-ジ
フェニルメタンジイソシアネートをモル比率1:2で反
応させ、次いで1,2-ジアミノプロパンのジメチルホル
ムアミド溶液を用いて鎖延長し、ポリマー濃度20重量
%のジメチルホルムアミド溶液を得た。30℃での粘度
は1600センチポイズであった。
【0029】〔表面処理剤としての改質剤の調製〕ステ
アリン酸マグネシウム(平均粒子径20μm)2重量部
を、25℃に於ける粘度が10センチストークスのポリ
ジメチルシロキサン98重量部に分散し、この液をビス
コミルCVM−2(五十嵐機械社製)を通してステアリ
ン酸マグネシウムを粉砕した。ビスコミルのビーズは直
径1.0mmのものを使用し、パス回数は3回とした。
得られたステアリン酸マグネシウムの平均粒子径は0.
7μmであった。
【0030】〔添加剤としての改質剤の調製〕添加剤−1 ステアリン酸マグネシウム(平均粒子径20μm)5k
gをDMAC45kgに分散し、この液をTHホモミキ
サー(特殊機械社製)を用いて、回転数7,000rp
mで30分間ステアリン酸マグネシウムを粉砕した。得
られたステアリン酸マグネシウムの平均粒子径は2μm
であった。添加剤−2 ステアリン酸バリウム(平均粒子径15μm)5kgを
DMAC95kgに分散し、この液をTHホモミキサー
(特殊機械社製)でステアリン酸バリウムを粉砕した。
粉砕は回転数8,000rpmで40分間行った。得ら
れたステアリン酸バリウムの平均粒子径は3μmであっ
た。
【0031】〔平均粒子径の測定〕粒度分布測定装置L
A−910(堀場製作所社製)を使用し、バッチセルを
用いて屈折率を1.02として、測定した。
【0032】実施例 1 ポリウレタン紡糸原液を200℃のN2気流中に吐出し
て乾式紡糸した。紡糸中の走行糸に上記で調製した表面
処理剤をオイリングロールにより繊維に対して5重量%
付与し、続いて処理剤を付与した糸を毎分200mの速
度でボビンに巻き取り、140デニールポリウレタンモ
ノフィラメントのチーズ(巻量500g)を得た。得ら
れたチーズを45℃、50RHの雰囲気中に24時間放
置して、評価に供した。評価結果を表1に示した。
【0033】実施例 2 実施例1の表面処理剤に更にアミノ変性シリコーン〔信
越化学工業社製、分岐タイプアミノ変性シリコーン、
「KF−8002」;アミノ当量9000、動粘度90
cst(25℃)〕を5重量部添加した以外は実施例1
と同様にしてポリウレタン弾性糸を紡糸し、チーズに巻
き取った。
【0034】実施例 3 実施例1の表面処理剤に更にポリエーテル/アミノ複合
変性シリコーン〔日本ユニカー社製、分岐タイプ、アミ
ノ/ポリエーテル=5/95(重量比)、分子量300
0、アミノ当量500〕を0.05重量部添加した以外
は実施例1と同様にしてポリウレタン弾性糸を紡糸し、
巻き取った。
【0035】実施例 4 実施例1の表面処理剤に更にシリコーンレジン「BY−
11−908」(東レ・ダウコーニング社製)を20重
量%添加した以外は実施例1と同様にしてポリウレタン
弾性糸を紡糸し、巻き取った。
【0036】実施例 5 実施例4において、表面処理剤の繊維に対する付与量を
8重量%に代えた以外は実施例4と同様にしてポリウレ
タン弾性糸を紡糸し、巻き取った。
【0037】比較例 1 実施例1において、平均粒子径が20μmのステアリン
酸マグネシウム2重量%と25℃における粘度が10セ
ンチストークスのポリジメチルシロキサン98重量%と
からなる表面処理剤を付与した以外は、実施例1と同様
にして弾性糸を紡糸し、巻き取った。
【0038】表1に示した評価結果からわかるように、
本発明の表面処理剤を用いた実施例1〜5のチーズから
の解舒性は良好で、表面処理剤自身も沈降度が小さく、
分散安定性に優れていた。一方、比較例1の巻取り糸は
解舒速度比が高く、解舒性が良くなかった。
【0039】
【表1】
【0040】実施例 6 紡糸原液に上記の添加剤−1を3重量%添加混合して実
施例1と同様に紡糸し、25℃における粘度が10セン
チストークスのポリジメチルポリシロキサンを処理剤と
して用いてポリウレタン弾性糸を製造した。
【0041】実施例 7 実施例4に使用した表面処理剤を用いる以外は実施例6
と同様にしてポリウレタン弾性糸を製造した。
【0042】実施例 8 数平均分子量2000のポリテトラメチレンエーテルグ
リコールと4,4′-ジフェニルメタンジイソシアネート
をモル比1:2で反応させ、次いで1,2-ジアミノプロ
パンのDMAC溶液を用いて鎖延長し、ポリマー濃度1
5重量%の紡糸原液を得た。これに添加剤2(平均粒子
径3μmのステアリン酸バリウムのDMAC溶液)を、
得られるポリウレタン弾性繊維中でのステアリン酸バリ
ウムの含量が0.1重量%となるように添加し、30℃
での粘度が1200センチポイズの紡糸原液を得た。得
られたポリウレタン紡糸原液を195℃の窒素気流中に
吐出して乾式紡糸し、紡糸中の走行糸に、平均粒子径
0.6μmのステアリン酸カルシウム1重量%、25℃
における粘度が11センチストークスの鉱物油とポリジ
メチルシロキサン1:1の混合物98.9重量%、ポリ
エーテル変性シリコーン「KF−615」(信越シリコ
ーン社製)0.1重量%からなる表面処理剤を5重量%
付与して、毎分500mの速度でボビンに巻き取り、1
40デニールのモノフィラメントチーズを得た。得られ
たチーズを30℃、50RHの雰囲気中に14日間放置
して、評価に供した。
【0043】比較例 2 添加剤として、ステアリン酸マグネシウム(平均粒子径
20μm)10重量%とDMAC90重量%の混合物を
用いる以外は実施例6と同様にしてポリウレタン弾性糸
を得た。実施例6〜8および比較例2で製造したポリウ
レタン弾性繊維および改質剤の性能評価結果を表2に示
した。
【0044】
【表2】
【0045】
【発明の効果】本発明の改質剤を、表面処理剤としてポ
リウレタン弾性繊維の表面に付与することにより、また
は添加剤としてポリウレタン弾性繊維中に添加すること
により、繊維の粘着性を低減して、繊維間の膠着を防止
しまたは繊維と編針やガイドとの摩擦を減少し、繊維の
解舒性を改良する。また本発明の改質剤は保存中の高級
脂肪酸金属塩の沈降分離が少なく、利用性に優れてい
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 解舒速度比の測定方法を説明する模式図。
【図2】 編成張力の測定方法を説明する模式図。
【符号の説明】
1:チーズ 2:巻取用紙管 3、4:ローラー 5:走行糸条 6:解舒点 7:チーズとローラ
ーの接点 8:チーズ 9:走行糸条 10:コンペンセーター 11:ローラー 12:編み針 13:Uゲージ 14:ローラー 15:速度計 16:巻取りローラー
フロントページの続き (72)発明者 水弘 洋司 大阪府八尾市渋川町2丁目1番3号 松本 油脂製薬株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平均粒子径が0.1〜5μmである炭素
    数10〜30の高級脂肪酸の金属塩(A)を含有するポ
    リウレタン弾性繊維用改質剤。
  2. 【請求項2】 平均粒子径が0.1〜5μmである炭素
    数10〜30の高級脂肪酸の金属塩(A)を0.1〜1
    0重量部および25℃に於ける粘度が2〜50センチス
    トークスの鉱物油および/またはポリジメチルシロキサ
    ン(B)を100重量部含有する表面処理剤としての請
    求項1記載のポリウレタン弾性繊維用改質剤。
  3. 【請求項3】 シリコーンレジン、ポリエーテル変性シ
    リコーン、カルビノール変性シリコーン、カルボキシル
    変性シリコーン、アミノ変性シリコーンおよびメルカプ
    ト変性シリコーンからなる群から選ばれる少なくとも1
    種のシリコーン(C)0.01〜50重量部を更に含有
    する表面処理剤としての請求項2記載のポリウレタン弾
    性繊維用改質剤。
  4. 【請求項4】 請求項2または3記載のポリウレタン弾
    性繊維用改質剤が1〜10重量%付与されたポリウレタ
    ン弾性繊維。
  5. 【請求項5】 平均粒子径が0.1〜5μmである炭素
    数10〜30の高級脂肪酸の金属塩(A)が2〜20重
    量%およびジメチルホルムアミドおよび/またはジメチ
    ルアセトアミド(D)が80〜98重量%とからなる添
    加剤を乾式または湿式ポリウレタン弾性繊維用紡糸原液
    に添加し、次いで乾式または湿式紡糸することを特徴と
    するポリウレタン弾性繊維の製造方法。
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