JP2017186704A - 弾性繊維用処理剤、弾性繊維及びポリウレタン系弾性繊維の製造方法 - Google Patents

弾性繊維用処理剤、弾性繊維及びポリウレタン系弾性繊維の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】弾性繊維の製造において使用されるN,N−ジメチルアセトアミドの弾性繊維中からの放出を促進することによって、弾性繊維の製糸工程や加工工程でのスカムの発生を防止すると共に、解舒性を向上する弾性繊維用処理剤、かかる処理剤を用いた弾性繊維及びポリウレタン系弾性繊維の製造方法を提供する。【解決手段】弾性繊維用処理剤として、平滑剤と炭素数12〜24のゲルベアルコールとを含有して成るものを用いた。【選択図】なし

Description

本発明は、弾性繊維の製造において使用されるN,N−ジメチルアセトアミドの弾性繊維中からの放出を促進することによって、弾性繊維の製糸工程や加工工程でのスカムの発生を防止すると共に解舒性を向上する弾性繊維用処理剤、かかる処理剤を用いた弾性繊維及びポリウレタン系弾性繊維の製造方法に関する。
従来、弾性繊維用処理剤として、イソステアリルアルコールと変性シリコーンとを含有して成るもの(例えば、特許文献1参照)が提案されている。しかし、かかる従来の弾性繊維用処理剤では、弾性繊維の製造において使用されるN,N−ジメチルアセトアミドの弾性繊維中への残留によってスカムが発生し、解舒性が悪化するという問題がある。
特開平3−146774号公報
本発明が解決しようとする課題は、弾性繊維の製造において使用されるN,N−ジメチルアセトアミドの弾性繊維中からの放出を促進することによって、弾性繊維の製糸工程や加工工程でのスカムの発生を防止すると共に、解舒性を向上する弾性繊維用処理剤、かかる処理剤を用いた弾性繊維及びポリウレタン系弾性繊維の製造方法を提供する処にある。
しかして本発明者らは、前記の課題を解決するべく研究した結果、平滑剤と特定のゲルベアルコールとを含有して成る弾性繊維用処理剤が正しく好適であることを見出した。
すなわち本発明は、平滑剤と炭素数12〜24のゲルベアルコールとを含有して成ることを特徴とする弾性繊維用処理剤に係る。また本発明はかかる弾性繊維用処理剤を用いた弾性繊維及びかかる弾性繊維用処理剤を用いた乾式紡糸によるポリウレタン系弾性繊維の製造方法に係る。
先ず、本発明に係る弾性繊維用処理剤(以下、本発明の処理剤という)について説明する。本発明の処理剤は、平滑剤と炭素数12〜24のゲルベアルコールとを含有して成るものである。
本発明の処理剤に用いる平滑剤は特に制限されないが、なかでもシリコーン、鉱物油、エステルが好ましい。
シリコーンとしては特に制限されず、いずれも信越化学工業社製の商品名でKF−96−10cs、KF−96−20cs、KF−96−50cs、KF−50−100cs、KF−4003、KF−4917、共にモメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製の商品名でTSF451−10、TSF451−20、共に東レ・ダウコーニング株式会社製の商品名でSH200−10CS、SH510−100CS等、いずれも25℃における動粘度が2〜100mm/sのポリジメチルシロキサン、ポリアルキルシロキサン、ポリアルキルフェニルシロキサン等が挙げられる。これらは1種又は2種以上を用いることができる。
鉱物油としてはこれも特に制限されず、共にWitoco社製の商品名でSemtol40、Carnation、いずれもコスモ石油ルブリカンツ社製の商品名でコスモピュアスピンD、コスモピュアスピンRC、コスモピュアスピンRB、共に富士興産社製の商品名でフッコールNT−60、フッコールNT−100、共にS−OIL社製の商品名でUltra−S2、Ultra−S3、共にSK Lubricants社製の商品名でYUBASE3、YUBASE4、いずれも出光興産社製の商品名でダイアナフレシア W8、ダイアナフレシア W32、ダイアナフレシア G9、ダイアナフレシア K8、エクソンモービル社製の商品名でクリストール N72等、いずれも25℃における動粘度が2〜100mm/sのスピンドル油、流動パラフィン等が挙げられる。これらは1種又は2種以上を用いることができる。
エステルとしてはこれも特に制限されず、脂肪酸とアルコールとから得られる各種のエステルを挙げることができる。例えば、奇数又は偶数の炭素数の炭化水素基を有する脂肪酸とアルコールとから得られるエステルが挙げられるが、かかる脂肪酸やアルコールを原料としないエステルであってもよい。エステルは、1種又は2種以上を用いることができる。なかでもエステルとしては、25℃における動粘度が2〜100mm/sのエステル油が好ましい。
前記エステルの原料となる脂肪酸は、その炭素数、分岐の有無、価数等について特に制限はなく、高級脂肪酸であっても、環状の脂肪酸であっても又は芳香族環を有する脂肪酸であってもよい。かかる脂肪酸としては、カプリル酸、2−エチルヘキシル酸、カプリン酸、ラウリン酸、イソトリデカン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、オレイン酸、アラキン酸、ベヘニン酸、リグノセリン酸、アジピン酸、セバシン酸、安息香酸等が挙げられる。
また前記エステルの原料となるアルコールも、その炭素数、分岐の有無、価数等について特に制限はなく、高級アルコールであっても、環状のアルコールであっても又は芳香族環を有するアルコールであってもよい。かかるアルコールとしては、たとえば、オクチルアルコール、2−エチルヘキシルアルコール、デシルアルコール、ラウリルアルコール、イソトリデシルアルコール、ミリスチリルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、オレイルアルコール、エチレングリコール、ヘキサンジオール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリストール、ソルビトール、ソルビタン等が挙げられる。
本発明の処理剤に供する炭素数12〜24のゲルベアルコールとしては、2−ブチル−1−オクタノール、2−ブチル−1−デカノール、2−ヘキシル−1−オクタノール、2−ヘキシル−1−デカノール、2−オクチル−1−デカノール、2−ヘキシル−1−ドデカノール、2−(1,3,3−トリメチルブチル)−5,7,7−トリメチル−1−オクタノール、2−(4−メチルヘキシル)−8−メチル−1−デカノール、2−オクチル−1−ドデカノール、2−(1,5−ジメチルヘキシル)−5,9−ジメチル−1−デカノール、2−デシル−1−テトラデカノール等が挙げられるが、なかでも2−ヘキシル−1−デカノール、2−オクチル−1−デカノール、2−ヘキシル−1−ドデカノール、2−(1,3,3−トリメチルブチル)−5,7,7−トリメチル−1−オクタノール、2−(4−メチルヘキシル)−8−メチル−1−デカノール、2−オクチル−1−ドデカノール、2−(1,5−ジメチルヘキシル)−5,9−ジメチル−1−デカノール等の炭素数16〜20のものが好ましく、2−(1,3,3−トリメチルブチル)−5,7,7−トリメチル−1−オクタノール、2−(4−メチルヘキシル)−8−メチル−1−デカノール、2−(1,5−ジメチルヘキシル)−5,9−ジメチル−1−デカノール等の分子中のβ位の側鎖がメチル基を側鎖にもつアルキル基である場合のものがより好ましく、2−(1,3,3−トリメチルブチル)−5,7,7−トリメチル−1−オクタノール、2−(4−メチルヘキシル)−8−メチル−1−デカノール、2−(1,5−ジメチルヘキシル)−5,9−ジメチル−1−デカノール等の分子中のβ位以外にも側鎖を有するものが更に好ましく、2−(1,3,3−トリメチルブチル)−5,7,7−トリメチル−1−オクタノール、2−(4−メチルヘキシル)−8−メチル−1−デカノール、2−(1,5−ジメチルヘキシル)−5,9−ジメチル−1−デカノール等の分子中のβ位以外の側鎖がメチル基である場合のものが特に好ましい。炭素数が12未満のゲルベアルコールは弾性繊維の脆化を促進するため好ましくなく、逆に炭素数が24より多いゲルベアルコールは平滑剤との相溶性の点から好ましくない。
本発明の処理剤は、平滑剤とゲルベアルコールとの割合に特に制限はないが、平滑剤を90〜99.9質量%及び前記ゲルベアルコールを0.1〜10質量%(合計100質量%)の割合で含有して成るものが好ましい。
次に、本発明に係る弾性繊維(以下、本発明の弾性繊維という)について説明する。本発明の弾性繊維は、弾性繊維に対して本発明の処理剤を0.1〜10質量%の割合で付着しており、且つ弾性繊維中の残存N,N−ジメチルアセトアミドが10000ppm以下である弾性繊維であるが、弾性繊維中の残存N,N−ジメチルアセトアミドは1000ppm以下である弾性繊維が好ましい。
本発明の弾性繊維は、その種類や繊度に特に限定はなく、これには例えばポリエステル系弾性繊維、ポリアミド系弾性繊維、ポリオレフィン系弾性繊維、ポリウレタン系弾性繊維等が挙げられるが、なかでもポリウレタン系弾性繊維が好ましい。
ポリウレタン系弾性繊維の製造では、紡糸原液の重合工程においてN,N−ジメチルアセトアミドを使用するが、一般に製造直後のポリウレタン系弾性繊維中には10000ppm超のN,N−ジメチルアセトアミドが残存する。
弾性繊維中の残存N,N−ジメチルアセトアミドの測定は、デュラテック(Duratech)社製のN,N−ジメチルアセトアミド分析計を用いることにより求めることができる。
最後に、本発明に係るポリウレタン系弾性繊維の製造方法(以下、本発明の製造方法という)について説明する。本発明の製造方法は、ポリウレタンの紡糸原液を紡糸後に、本発明の処理剤を付着させる方法である。適用できる紡糸方法としては、乾式紡糸法、溶融紡糸法、湿式紡糸法等が挙げられるが、本発明の製造方法では乾式紡糸法を採用する。本発明の製造方法は、乾式紡糸したポリウレタン系弾性繊維に対し、本発明の処理剤を0.1〜10質量%の割合になるように付着させる製造方法である。給油方法としては、希釈することなくニート給油法により、ポリウレタン系弾性繊維に付着させる方法が好ましい。付着方法としては、ローラー給油法、ガイド給油法、スプレー給油法等の公知の方法が適用できる。給油ローラーは、通常口金から巻き取りトラバースまでの間に位置することが一般的であり、これは本発明の製造方法にも適用できるが、なかでも延伸ローラーと延伸ローラーとの間に位置する給油ローラーにて本発明の処理剤をポリウレタン系弾性繊維に付着させることが効果の発現が顕著で好ましい。乾式紡糸したポリウレタン系弾性繊維に対し本発明の処理剤を付着させるに際しては、合目的的に、他の成分を併用することもできるが、これらは可及的に少量とするのが好ましい。
以上説明した本発明によると、弾性繊維の製造において使用されるN,N−ジメチルアセトアミドの弾性繊維中からの放出を促進させることによって、弾性繊維の製糸工程や加工工程でのスカムの発生を防止すると共に解舒性を向上するという効果がある。
以下、本発明の構成及び効果をより具体的にするため、実施例等を挙げるが、本発明がこれらの実施例に限定されるというものではない。尚、以下の実施例及び比較例において、部は質量部を、また%は質量%を意味する。
試験区分1(弾性繊維用処理剤の調製)
実施例1
表1に記載したポリジメチルシロキサン(L−1)36部と、鉱物油(L−2)60部と、表2に記載したゲルベアルコール(G−1)4部を均一になるまで混合して実施例1の弾性繊維用処理剤を調製した。
実施例2〜6、比較例1及び2
実施例1の場合と同様にして、但し用いる平滑剤の組成及びゲルベアルコール等の種類を変え、これらを均一になるまで混合して、実施例2〜6、比較例1及び2の弾性繊維用処理剤を調製した。各例で調製した弾性繊維用処理剤の内容を表1にまとめて示した。
Figure 2017186704
表1において、
L−1:信越化学工業社製の商品名KF−96−10cs
L−2:出光興産社製の商品名ダイアナフレシアW8
L−3:SK Lubricants社製の商品名YUBASE3
動粘度:25℃の動粘度
Figure 2017186704
表2において、
G−1:日産化学工業社製の商品名ファインオキソコール180
G−2:日産化学工業社製の商品名ファインオキソコール180N
G−3:日産化学工業社製の商品名ファインオキソコール1600
G−4:日産化学工業社製の商品名ファインオキソコール180T
G−5:SASOL社製の商品名ISOFOL20
試験区分2(乾式紡糸ポリウレタン系弾性繊維の製造)
分子量2900のテトラメチレンエーテルグリコール、ビス−(p−イソシアネートフェニル)−メタン及びエチレンジアミンからなるポリウレタン原液のN,N−ジメチルアセトアミド溶液(35質量%溶液)を重合し、これをポリマー溶液(A)とした。
別にt−ブチルジエタノールアミン及びメチレン−ビス−(4−シクロヘキシルイソシアネート)の反応によって生成させたポリウレタン(デュポン社製の商品名メタクロール2462)と、p−クレゾール及びジビニルベンゼンの縮合重合体(デュポン社製の商品名メタクロール2390)との2対1(質量比)の混合物のN,N−ジメチルアセトアミド溶液(35質量%溶液)を調製し、これを添加剤溶液(B)とした。
前記のポリマー溶液(A)/添加剤溶液(B)=96/4(質量比)の割合で均一に混合し、紡糸原液とした。
前記の紡糸原液を用いて、公知のスパンデックスで行なわれる乾式紡糸方法により、44デシテックス/3フィラメントのマルチフィラメントのポリウレタン系弾性繊維を紡糸して、巻き取り前の延伸ローラーと延伸ローラーとの間に位置する給油ローラーから、試験区分1で調製した実施例1〜6及び比較例1〜2の弾性繊維用処理剤をそのままニートの状態でローラー給油した。但し、実施例5では弾性繊維用処理剤100質量部に対しポリエーテル変性シリコーン(信越化学工業社製の商品名KF−351)を1質量部の割合で併用したものを給油し、また実施例6では弾性繊維用処理剤100質量部に対しアミノ変性シリコーン(信越化学工業社製の商品名KF−861)を1質量部の割合で併用したものを給油した。かくしてローラー給油したものを、巻き取り速度が600m/分で、長さ58mmの円筒状紙管に、巻き幅38mmを与えるトラバースガイドを介して、サーフェイスドライブの巻取機を用いて巻き取り、乾式紡糸ポリウレタン系弾性繊維のパッケージ500gを得た。ポリウレタン系弾性繊維用処理剤の付着量の調節は、給油ローラーの回転数を調整することで、いずれもポリウレタン系弾性繊維に対し5%となるように行なった。
試験区分3(残存N,N−ジメチルアセトアミドの測定)
試験区分2で得られた乾式紡糸ポリウレタン系弾性繊維中の残存N,N−ジメチルアセトアミドを次の方法により測定し、結果を表3にまとめて示した。
測定方法:測定にはデュラテック(Duratech)社製のN,N−ジメチルアセトアミド分析計を用いた。乾式紡糸ポリウレタン系弾性繊維中の残存N,N−ジメチルアセトアミドをテトラクロロエチレンを用いて抽出し、このテトラクロロエチレン中のN,N−ジメチルアセトアミドの量を、UV吸収により測定して、標準化曲線と比較することにより測定した。
試験区分4(評価)
・スカムの評価
試験区分2で得た乾式紡糸ポリウレタン系弾性繊維のパッケージを、整経機を模したミニチュア整経機に10本仕立て、25℃×65%RHの雰囲気下で糸速度100m/分で500km巻き取った。このとき、ミニチュア整経機のクシガイドでのスカムの脱落及び蓄積状態を肉眼観察し、次の基準で評価した。
◎:スカムの付着がほとんどなく、糸の安定走行に問題は無かった。
○:スカムの付着がわずかに見られたが、糸の安定走行に問題は無かった。
×:スカムの付着および蓄積が多く、糸の安定走行に問題があった。
・解舒性の評価
片側に第1駆動ローラーとこれに常時接する第1従動ローラーとで送り出し部を構成し、また反対側に第2駆動ローラーとこれに常時接する第2従動ローラーとで巻き取り部を構成して、該送り出し部に対し該巻き取り部を水平方向で20cm離して設置した。第1駆動ローラーに試験区分2で得られた紡糸直後の乾式紡糸ポリウレタン系弾性繊維のパッケージを装着し、糸巻の厚さが2mmになるまで解舒して、第2駆動ローラーに巻き取った。第1駆動ローラーからのポリウレタン系弾性繊維の送り出し速度を50m/分で固定する一方、第2駆動ローラーへのポリウレタン系弾性繊維の巻き取り速度を50m/分より徐々に上げて、ポリウレタン系弾性繊維をパッケージから強制解舒した。この強制解舒時において、送り出し部と巻き取り部との間でポリウレタン系弾性繊維の踊りがなくなる時点での巻き取り速度V(m/分)を測定し、下記の数1から解舒性(%)を求め、次の基準で評価した。
Figure 2017186704
○:解舒性が180%未満(糸の引き出しにやや抵抗があるものの、糸切れの発生は無く、安定に解舒でき、操業に問題はない)
×:解舒性が180%以上(糸の引き出しに抵抗があり、糸切れもあって、操業に問題がある)
Figure 2017186704
表1及び2に対応する表3の結果からも明らかなように、本発明によれば、弾性繊維の製造において使用されるN,N−ジメチルアセトアミドの弾性繊維中からの放出を促進することによって、弾性繊維の製糸工程や加工工程でのスカムの発生を防止すると共に、解舒性を向上するという効果がある。
本発明は、弾性繊維の製造において使用されるN,N−ジメチルアセトアミドの弾性繊維中からの放出を促進することによって、弾性繊維の製糸工程や加工工程でのスカムの発生を防止すると共に解舒性を向上する弾性繊維用処理剤、かかる処理剤を用いた弾性繊維及びポリウレタン系弾性繊維の製造方法に関する。
従来、弾性繊維用処理剤として、イソステアリルアルコールと変性シリコーンとを含有して成るもの(例えば、特許文献1参照)が提案されている。しかし、かかる従来の弾性繊維用処理剤では、弾性繊維の製造において使用されるN,N−ジメチルアセトアミドの弾性繊維中への残留によってスカムが発生し、解舒性が悪化するという問題がある。
特開平3−146774号公報
本発明が解決しようとする課題は、弾性繊維の製造において使用されるN,N−ジメチルアセトアミドの弾性繊維中からの放出を促進することによって、弾性繊維の製糸工程や加工工程でのスカムの発生を防止すると共に、解舒性を向上する弾性繊維用処理剤、かかる処理剤を用いた弾性繊維及びポリウレタン系弾性繊維の製造方法を提供する処にある。
しかして本発明者らは、前記の課題を解決するべく研究した結果、平滑剤と特定のゲルベアルコールとを含有して成る弾性繊維用処理剤が正しく好適であることを見出した。
すなわち本発明は、平滑剤と炭素数16〜24のゲルベアルコールとを含有して成ることを特徴とする弾性繊維用処理剤に係る。また本発明はかかる弾性繊維用処理剤を用いた弾性繊維及びかかる弾性繊維用処理剤を用いた乾式紡糸によるポリウレタン系弾性繊維の製造方法に係る。
先ず、本発明に係る弾性繊維用処理剤(以下、本発明の処理剤という)について説明する。本発明の処理剤は、平滑剤と炭素数16〜24のゲルベアルコールとを含有して成るものである。
本発明の処理剤に用いる平滑剤は特に制限されないが、なかでもシリコーン、鉱物油、エステルが好ましい。
シリコーンとしては特に制限されず、いずれも信越化学工業社製の商品名でKF−96−10cs、KF−96−20cs、KF−96−50cs、KF−50−100cs、KF−4003、KF−4917、共にモメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製の商品名でTSF451−10、TSF451−20、共に東レ・ダウコーニング株式会社製の商品名でSH200−10CS、SH510−100CS等、いずれも25℃における動粘度が2〜100mm/sのポリジメチルシロキサン、ポリアルキルシロキサン、ポリアルキルフェニルシロキサン等が挙げられる。これらは1種又は2種以上を用いることができる。
鉱物油としてはこれも特に制限されず、共にWitoco社製の商品名でSemtol40、Carnation、いずれもコスモ石油ルブリカンツ社製の商品名でコスモピュアスピンD、コスモピュアスピンRC、コスモピュアスピンRB、共に富士興産社製の商品名でフッコールNT−60、フッコールNT−100、共にS−OIL社製の商品名でUltra−S2、Ultra−S3、共にSK Lubricants社製の商品名でYUBASE3、YUBASE4、いずれも出光興産社製の商品名でダイアナフレシア W8、ダイアナフレシア W32、ダイアナフレシア G9、ダイアナフレシア K8、エクソンモービル社製の商品名でクリストール N72等、いずれも25℃における動粘度が2〜100mm/sのスピンドル油、流動パラフィン等が挙げられる。これらは1種又は2種以上を用いることができる。
エステルとしてはこれも特に制限されず、脂肪酸とアルコールとから得られる各種のエステルを挙げることができる。例えば、奇数又は偶数の炭素数の炭化水素基を有する脂肪酸とアルコールとから得られるエステルが挙げられるが、かかる脂肪酸やアルコールを原料としないエステルであってもよい。エステルは、1種又は2種以上を用いることができる。なかでもエステルとしては、25℃における動粘度が2〜100mm/sのエステル油が好ましい。
前記エステルの原料となる脂肪酸は、その炭素数、分岐の有無、価数等について特に制限はなく、高級脂肪酸であっても、環状の脂肪酸であっても又は芳香族環を有する脂肪酸であってもよい。かかる脂肪酸としては、カプリル酸、2−エチルヘキシル酸、カプリン酸、ラウリン酸、イソトリデカン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、オレイン酸、アラキン酸、ベヘニン酸、リグノセリン酸、アジピン酸、セバシン酸、安息香酸等が挙げられる。
また前記エステルの原料となるアルコールも、その炭素数、分岐の有無、価数等について特に制限はなく、高級アルコールであっても、環状のアルコールであっても又は芳香族環を有するアルコールであってもよい。かかるアルコールとしては、たとえば、オクチルアルコール、2−エチルヘキシルアルコール、デシルアルコール、ラウリルアルコール、イソトリデシルアルコール、ミリスチリルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、オレイルアルコール、エチレングリコール、ヘキサンジオール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリストール、ソルビトール、ソルビタン等が挙げられる。
本発明の処理剤に供する炭素数16〜24のゲルベアルコールとしては、2−ヘキシル−1−デカノール、2−オクチル−1−デカノール、2−ヘキシル−1−ドデカノール、2−(1,3,3−トリメチルブチル)−5,7,7−トリメチル−1−オクタノール、2−(4−メチルヘキシル)−8−メチル−1−デカノール、2−オクチル−1−ドデカノール、2−(1,5−ジメチルヘキシル)−5,9−ジメチル−1−デカノール、2−デシル−1−テトラデカノール等が挙げられるが、なかでも2−ヘキシル−1−デカノール、2−オクチル−1−デカノール、2−ヘキシル−1−ドデカノール、2−(1,3,3−トリメチルブチル)−5,7,7−トリメチル−1−オクタノール、2−(4−メチルヘキシル)−8−メチル−1−デカノール、2−オクチル−1−ドデカノール、2−(1,5−ジメチルヘキシル)−5,9−ジメチル−1−デカノール等の炭素数16〜20のものが好ましく、2−(1,3,3−トリメチルブチル)−5,7,7−トリメチル−1−オクタノール、2−(4−メチルヘキシル)−8−メチル−1−デカノール、2−(1,5−ジメチルヘキシル)−5,9−ジメチル−1−デカノール等の分子中のβ位の側鎖がメチル基を側鎖にもつアルキル基である場合のものがより好ましく、2−(1,3,3−トリメチルブチル)−5,7,7−トリメチル−1−オクタノール、2−(4−メチルヘキシル)−8−メチル−1−デカノール、2−(1,5−ジメチルヘキシル)−5,9−ジメチル−1−デカノール等の分子中のβ位以外にも側鎖を有するものが更に好ましく、2−(1,3,3−トリメチルブチル)−5,7,7−トリメチル−1−オクタノール、2−(4−メチルヘキシル)−8−メチル−1−デカノール、2−(1,5−ジメチルヘキシル)−5,9−ジメチル−1−デカノール等の分子中のβ位以外の側鎖がメチル基である場合のものが特に好ましい。炭素数が16未満のゲルベアルコールは弾性繊維の脆化を促進するため好ましくなく、逆に炭素数が24より多いゲルベアルコールは平滑剤との相溶性の点から好ましくない。
本発明の処理剤は、平滑剤とゲルベアルコールとの割合に特に制限はないが、平滑剤を90〜99.9質量%及び前記ゲルベアルコールを0.1〜10質量%(合計100質量%)の割合で含有して成るものが好ましい。
次に、本発明に係る弾性繊維(以下、本発明の弾性繊維という)について説明する。本発明の弾性繊維は、弾性繊維に対して本発明の処理剤を0.1〜10質量%の割合で付着しており、且つ弾性繊維中の残存N,N−ジメチルアセトアミドが10000ppm以下である弾性繊維であるが、弾性繊維中の残存N,N−ジメチルアセトアミドは1000ppm以下である弾性繊維が好ましい。
本発明の弾性繊維は、その種類や繊度に特に限定はなく、これには例えばポリエステル系弾性繊維、ポリアミド系弾性繊維、ポリオレフィン系弾性繊維、ポリウレタン系弾性繊維等が挙げられるが、なかでもポリウレタン系弾性繊維が好ましい。
ポリウレタン系弾性繊維の製造では、紡糸原液の重合工程においてN,N−ジメチルアセトアミドを使用するが、一般に製造直後のポリウレタン系弾性繊維中には10000ppm超のN,N−ジメチルアセトアミドが残存する。
弾性繊維中の残存N,N−ジメチルアセトアミドの測定は、デュラテック(Duratech)社製のN,N−ジメチルアセトアミド分析計を用いることにより求めることができる。
最後に、本発明に係るポリウレタン系弾性繊維の製造方法(以下、本発明の製造方法という)について説明する。本発明の製造方法は、ポリウレタンの紡糸原液を紡糸後に、本発明の処理剤を付着させる方法である。適用できる紡糸方法としては、乾式紡糸法、溶融紡糸法、湿式紡糸法等が挙げられるが、本発明の製造方法では乾式紡糸法を採用する。本発明の製造方法は、乾式紡糸したポリウレタン系弾性繊維に対し、本発明の処理剤を0.1〜10質量%の割合になるように付着させる製造方法である。給油方法としては、希釈することなくニート給油法により、ポリウレタン系弾性繊維に付着させる方法が好ましい。付着方法としては、ローラー給油法、ガイド給油法、スプレー給油法等の公知の方法が適用できる。給油ローラーは、通常口金から巻き取りトラバースまでの間に位置することが一般的であり、これは本発明の製造方法にも適用できるが、なかでも延伸ローラーと延伸ローラーとの間に位置する給油ローラーにて本発明の処理剤をポリウレタン系弾性繊維に付着させることが効果の発現が顕著で好ましい。乾式紡糸したポリウレタン系弾性繊維に対し本発明の処理剤を付着させるに際しては、合目的的に、他の成分を併用することもできるが、これらは可及的に少量とするのが好ましい。
以上説明した本発明によると、弾性繊維の製造において使用されるN,N−ジメチルアセトアミドの弾性繊維中からの放出を促進させることによって、弾性繊維の製糸工程や加工工程でのスカムの発生を防止すると共に解舒性を向上するという効果がある。
以下、本発明の構成及び効果をより具体的にするため、実施例等を挙げるが、本発明がこれらの実施例に限定されるというものではない。尚、以下の実施例及び比較例において、部は質量部を、また%は質量%を意味する。
試験区分1(弾性繊維用処理剤の調製)
実施例1
表1に記載したポリジメチルシロキサン(L−1)36部と、鉱物油(L−2)60部と、表2に記載したゲルベアルコール(G−1)4部を均一になるまで混合して実施例1の弾性繊維用処理剤を調製した。
実施例2〜6、比較例1及び2
実施例1の場合と同様にして、但し用いる平滑剤の組成及びゲルベアルコール等の種類を変え、これらを均一になるまで混合して、実施例2〜6、比較例1及び2の弾性繊維用処理剤を調製した。各例で調製した弾性繊維用処理剤の内容を表1にまとめて示した。
Figure 2017186704
表1において、
L−1:信越化学工業社製の商品名KF−96−10cs
L−2:出光興産社製の商品名ダイアナフレシアW8
L−3:SK Lubricants社製の商品名YUBASE3
動粘度:25℃の動粘度
Figure 2017186704
表2において、
G−1:日産化学工業社製の商品名ファインオキソコール180
G−2:日産化学工業社製の商品名ファインオキソコール180N
G−3:日産化学工業社製の商品名ファインオキソコール1600
G−4:日産化学工業社製の商品名ファインオキソコール180T
G−5:SASOL社製の商品名ISOFOL20
試験区分2(乾式紡糸ポリウレタン系弾性繊維の製造)
分子量2900のテトラメチレンエーテルグリコール、ビス−(p−イソシアネートフェニル)−メタン及びエチレンジアミンからなるポリウレタン原液のN,N−ジメチルアセトアミド溶液(35質量%溶液)を重合し、これをポリマー溶液(A)とした。
別にt−ブチルジエタノールアミン及びメチレン−ビス−(4−シクロヘキシルイソシアネート)の反応によって生成させたポリウレタン(デュポン社製の商品名メタクロール2462)と、p−クレゾール及びジビニルベンゼンの縮合重合体(デュポン社製の商品名メタクロール2390)との2対1(質量比)の混合物のN,N−ジメチルアセトアミド溶液(35質量%溶液)を調製し、これを添加剤溶液(B)とした。
前記のポリマー溶液(A)/添加剤溶液(B)=96/4(質量比)の割合で均一に混合し、紡糸原液とした。
前記の紡糸原液を用いて、公知のスパンデックスで行なわれる乾式紡糸方法により、44デシテックス/3フィラメントのマルチフィラメントのポリウレタン系弾性繊維を紡糸して、巻き取り前の延伸ローラーと延伸ローラーとの間に位置する給油ローラーから、試験区分1で調製した実施例1〜6及び比較例1〜2の弾性繊維用処理剤をそのままニートの状態でローラー給油した。但し、実施例5では弾性繊維用処理剤100質量部に対しポリエーテル変性シリコーン(信越化学工業社製の商品名KF−351)を1質量部の割合で併用したものを給油し、また実施例6では弾性繊維用処理剤100質量部に対しアミノ変性シリコーン(信越化学工業社製の商品名KF−861)を1質量部の割合で併用したものを給油した。かくしてローラー給油したものを、巻き取り速度が600m/分で、長さ58mmの円筒状紙管に、巻き幅38mmを与えるトラバースガイドを介して、サーフェイスドライブの巻取機を用いて巻き取り、乾式紡糸ポリウレタン系弾性繊維のパッケージ500gを得た。ポリウレタン系弾性繊維用処理剤の付着量の調節は、給油ローラーの回転数を調整することで、いずれもポリウレタン系弾性繊維に対し5%となるように行なった。
試験区分3(残存N,N−ジメチルアセトアミドの測定)
試験区分2で得られた乾式紡糸ポリウレタン系弾性繊維中の残存N,N−ジメチルアセトアミドを次の方法により測定し、結果を表3にまとめて示した。
測定方法:測定にはデュラテック(Duratech)社製のN,N−ジメチルアセトアミド分析計を用いた。乾式紡糸ポリウレタン系弾性繊維中の残存N,N−ジメチルアセトアミドをテトラクロロエチレンを用いて抽出し、このテトラクロロエチレン中のN,N−ジメチルアセトアミドの量を、UV吸収により測定して、標準化曲線と比較することにより測定した。
試験区分4(評価)
・スカムの評価
試験区分2で得た乾式紡糸ポリウレタン系弾性繊維のパッケージを、整経機を模したミニチュア整経機に10本仕立て、25℃×65%RHの雰囲気下で糸速度100m/分で500km巻き取った。このとき、ミニチュア整経機のクシガイドでのスカムの脱落及び蓄積状態を肉眼観察し、次の基準で評価した。
◎:スカムの付着がほとんどなく、糸の安定走行に問題は無かった。
○:スカムの付着がわずかに見られたが、糸の安定走行に問題は無かった。
×:スカムの付着および蓄積が多く、糸の安定走行に問題があった。
・解舒性の評価
片側に第1駆動ローラーとこれに常時接する第1従動ローラーとで送り出し部を構成し、また反対側に第2駆動ローラーとこれに常時接する第2従動ローラーとで巻き取り部を構成して、該送り出し部に対し該巻き取り部を水平方向で20cm離して設置した。第1駆動ローラーに試験区分2で得られた紡糸直後の乾式紡糸ポリウレタン系弾性繊維のパッケージを装着し、糸巻の厚さが2mmになるまで解舒して、第2駆動ローラーに巻き取った。第1駆動ローラーからのポリウレタン系弾性繊維の送り出し速度を50m/分で固定する一方、第2駆動ローラーへのポリウレタン系弾性繊維の巻き取り速度を50m/分より徐々に上げて、ポリウレタン系弾性繊維をパッケージから強制解舒した。この強制解舒時において、送り出し部と巻き取り部との間でポリウレタン系弾性繊維の踊りがなくなる時点での巻き取り速度V(m/分)を測定し、下記の数1から解舒性(%)を求め、次の基準で評価した。
Figure 2017186704
○:解舒性が180%未満(糸の引き出しにやや抵抗があるものの、糸切れの発生は無く、安定に解舒でき、操業に問題はない)
×:解舒性が180%以上(糸の引き出しに抵抗があり、糸切れもあって、操業に問題がある)







Figure 2017186704
表1及び2に対応する表3の結果からも明らかなように、本発明によれば、弾性繊維の製造において使用されるN,N−ジメチルアセトアミドの弾性繊維中からの放出を促進することによって、弾性繊維の製糸工程や加工工程でのスカムの発生を防止すると共に、解舒性を向上するという効果がある。

Claims (11)

  1. 平滑剤と炭素数12〜24のゲルベアルコールとを含有して成ることを特徴とする弾性繊維用処理剤。
  2. ゲルベアルコールが、炭素数16〜20のものである請求項1記載の弾性繊維用処理剤。
  3. 平滑剤を90〜99.9質量%及びゲルベアルコールを0.1〜10質量%(合計100質量%)の割合で含有して成る請求項1又は2記載の弾性繊維用処理剤。
  4. ゲルベアルコールが、分子中のβ位の側鎖がメチル基を側鎖にもつアルキル基である場合のものである請求項1〜3のいずれか一つの項記載の弾性繊維用処理剤。
  5. ゲルベアルコールが、分子中のβ位以外にも側鎖を有するものである請求項1〜4のいずれか一つの項記載の弾性繊維用処理剤。
  6. ゲルベアルコールが、分子中のβ位以外の側鎖がメチル基である場合のものである請求項5記載の弾性繊維用処理剤。
  7. 弾性繊維に対して請求項1〜6のいずれか一つの項記載の弾性繊維用処理剤が0.1〜10質量%の割合で付着しており、且つ弾性繊維中の残存N,N−ジメチルアセトアミドが10000ppm以下であることを特徴とする弾性繊維。
  8. 弾性繊維が、ポリウレタン系弾性繊維である請求項7記載の弾性繊維。
  9. 残存N,N−ジメチルアセトアミドが、1000ppm以下である請求項7又は8記載の弾性繊維。
  10. 乾式紡糸によるポリウレタン系弾性繊維の製造方法であって、ポリウレタン系弾性繊維に対し、請求項1〜6のいずれか一つの項記載の弾性繊維用処理剤を0.1〜10質量%の割合になるよう付着させることを特徴とするポリウレタン系弾性繊維の製造方法。
  11. 延伸ローラーと延伸ローラーとの間に位置する給油ローラーにて弾性繊維用処理剤をポリウレタン系弾性繊維に付着させる請求項10記載のポリウレタン系弾性繊維の製造方法。
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