JP3466557B2 - 弾性繊維用油剤 - Google Patents

弾性繊維用油剤

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は弾性繊維用油剤に関
する。更に詳しくはポリウレタン繊維等の弾性繊維の紡
糸工程における膠着防止に特に好適に用いることのでき
る油剤に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、ポリウレタン繊維等の弾性繊
維の紡糸工程において油剤を繊維に付着させて繊維同士
の膠着を防止する方法としては、固体の金属石鹸をベー
スオイルに懸濁させることにより離型効果を発現する方
法(特公昭41−286号公報、特公昭40−5557
号公報等);常温で液状のポリエーテル変性シリコーン
を使用する方法(特公昭45−40719号公報、特開
昭48−19893号公報等)等が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、固体の
金属石鹸を懸濁させる方法では膠着防止性については満
足な効果は得られるが油剤の経日安定性が悪いため作業
性が悪い問題がある。また、常温で液状のポリエーテル
変性シリコーンを使用する方法では油剤の経日安定性は
良好だが膠着防止性は満足な効果を得ることができず、
膠着防止性と油剤の経日安定性とを両立できる油剤が求
められていた。
【0004】本発明の目的とするところは油剤の経日安
定性に優れ、かつ弾性繊維を製造する際の繊維同士の膠
着防止性が良好な弾性繊維用油剤を提供することにあ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記目的を
達成すべく鋭意検討した結果、紡糸工程において特定の
構造のカルボン酸金属塩を含有する油剤を用いることで
上記問題点が解決することを見いだし、本発明に到達し
た。
【0006】すなわち本発明は、下記一般式(1) (R−COO)m−M−(OH)n (1) [式中、Rは炭素数1〜30のアルキル基または炭素数
2〜30のアルケニル基、Mは2価または3価の金属、
m,nは(m+n=2または3)となる1または2の数
である。]で示されるカルボン酸金属塩(A1)と基油
(B)からなることを特徴とする弾性繊維用油剤;該油
剤を弾性繊維に対して0.5〜10重量%付与する弾性
繊維の処理方法;並びに、該処理方法で処理されてなる
弾性繊維である。
【0007】
【発明の実施の形態】一般式(1)において、Rとして
は、炭素数1〜30の直鎖または分岐のアルキル基(メ
チル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチ
ル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル
基、2−エチルヘキシル基、ノニル基、デシル基、ウン
デシル基、2−エチルデシル基、ドデシル基、トリデシ
ル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル
基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、
エイコシル基、ヘキコシル基、ドコシル基等)および炭
素数2〜30の直鎖または分岐のアルケニル基(ヘキセ
ニル基、ヘプテニル基、オクテニル基、、デセニル基、
ウンデセニル基、2−エチルデセニル基、ドデセニル
基、テトラデセニル基、ペンタデセニル基、ヘキサデセ
ニル基、ヘプタデセニル基、オクタデセニル基、ノナデ
セニル基等)が挙げられる。これらのうち好ましいもの
は炭素数が5〜26とくに10〜24のアルキル基であ
る。これらはmが2の場合は同一でも異なっていてもよ
い。
【0008】一般式(1)においてMは2価または3価
の金属である。Mのうち好ましいものとしては元素の周
期表II族(ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、
ストロンチウム、バリウムなどのアルカリ土類金属、お
よび亜鉛等)およびIII族(アルミニウム等)に属す
る金属が挙げられ、特に好ましいものはマグネシウム、
カルシウム、亜鉛およびアルミニウムである。(A1)
は2種以上の金属塩の混合物であってもよい。
【0009】該カルボン酸金属塩(A1)の製造方法は
特に限定されないが、例えば脂肪酸と金属の水酸化物を
直接反応させる方法により得ることができる。
【0010】該(A1)の具体例としては、C817
OO−Mg−OH、C1225COO−Ba−OH、C16
33COO−Mg−OH、C1837COO−Mg−O
H、C 1837COO−Ca−OH、(C1837COO)
2Al−OH、C2449COO−Ca−OH等が挙げら
れる。これらのうち好ましいものはC1633COO−M
g−OH、C1837COO−Mg−OHおよびC2449
COO−Ca−OHである。
【0011】本発明の油剤には、該(A1)と共に必要
により下記一般式(2) (R−COO)p−M (2) [式中、Rは炭素数1〜30のアルキル基または炭素数
2〜30のアルケニル基、Mは2価または3価の金属元
素、pは2または3である。]で示されるカルボン酸金
属塩(A2)を含有させることができる。
【0012】上記一般式(2)において、Rとしては一
般式(1)におけるRと同様のもの挙げられる。一般式
(1)のRと一般式(2)のRは同一でも異なっていて
もよく、またp個のRは同一でも異なっていてもよい。
【0013】一般式(2)において、Mとしては一般式
(1)におけるMと同様のものがあげられる。該Mは一
般式(1)のMと同一でも異なっていてもよい。該(A
2)は2種以上の金属塩の混合物であってもよい。
【0014】該(A2)の具体例としては、(C817
COO)2Mg、(C1225COO) 2Ba、(C1633
COO)2Mg、(C1837COO)2Mg、(C1837
COO)2Ca、(C1837COO)3Al、(C2449
COO)2Ca等が挙げられる。これらのうち好ましい
ものは(C1633COO)2Mg、(C1837COO)2
Mg、(C1837COO)2Caおよび(C2449CO
O)2Caである。
【0015】一般式(1)のカルボン酸金属塩(A1)
は単独で使用しても本発明の効果を充分に発現するが、
一般式(2)のカルボン酸金属塩(A2)と併用して使
用することがより好ましい。併用する場合の(A1)/
(A2)の重量比は油剤の経日安定性と膠着防止性とを
両立させる観点から、通常90/10〜5/95、好ま
しくは80/20〜10/90、さらに好ましくは70
/30〜15/85である。
【0016】(A1)と(A2)とを併用する場合の好
ましい組合せとしては、たとえば下記の組合せが挙げら
れる。 C1837COO−Mg−OH/(C1837COO)2
g=50/50 C1633COO−Mg−OH/(C1837COO)2
g=60/40 C1837COO−Ca−OH/(C1837COO)2
g=40/60
【0017】本発明の油剤に含まれる(A1)または
(A1)と(A2)の合計の量は、通常0.01〜10
重量%、好ましくは0.1〜7重量%、さらに好ましく
は0.2〜5重量%である。含有量が0.01重量%未
満では膠着防止性が不十分となり、10重量%を越える
と後加工工程でスカムの発生が多くなる問題がおこる。
【0018】本発明の油剤には平滑性を付与する目的で
基油(B)が用いられる。該(B)としては、オルガノ
ポリシロキサン(B1)、鉱物油(B2)およびこれら
の併用が挙げられる。
【0019】オルガノポリシロキサン(B1)として
は、ウベローデ粘度計で測定される25℃における粘度
が1〜1,000mm2/sのジメチルポリシロキサ
ン、該ジメチルポリシロキサンのメチル基の一部がその
他のアルキル基および/またはフェニル基で置換された
もの等が挙げられる。このうち好ましいものは25℃に
おける粘度が3〜100mm2/sのジメチルポリシロ
キサンである。
【0020】鉱物油(B2)としては、例えばウベロー
デ粘度計で測定される25℃における粘度が1〜1,0
00mm2/sの鉱物油、その精製油、これらの水添お
よび/または分解油等が挙げられる。これらのうち好ま
しいものは、25℃における粘度が3〜100mm2
sの鉱物油およびその精製油、とくに精製油である。
【0021】基油(B)が油剤中に含まれる量は、良好
な平滑性および膠着防止性を得る観点から、通常70〜
99.9重量%、好ましくは75〜99重量%、特に好
ましくは80〜98重量%である。該(B)としては
(B1)または(B2)をそれぞれ単独で使用しても併
用して使用してもよい。併用して使用する場合の(B
1)/(B2)の重量比は95/5〜25/75が好ま
しく、90/10〜45/55がさらに好ましい。
【0022】本発明の油剤には必要により、制電剤
(C)、柔軟剤(D)および前記(A1),(A2)以
外の膠着防止剤(E)から選ばれる1種以上の添加剤を
含有させてもよい。
【0023】制電剤(C)としては、たとえば米国特許
第4,331,447号明細書に記載のような、アニオ
ン界面活性剤(C1)、両性界面活性剤(C2)および
カチオン界面活性剤(C3)が挙げられる。
【0024】アニオン界面活性剤(C1)としては、カ
ルボン酸またはその塩(ア)、硫酸エステル塩(イ)、
カルボキシメチル化物の塩(ウ)、スルホン酸塩(エ)
およびリン酸エステル塩(オ)が挙げられる。
【0025】カルボン酸またはその塩(ア)としては、
炭素数8〜22の飽和もしくは不飽和脂肪酸またはその
塩が挙げられ、具体的にはカプリン酸、ラウリン酸、ミ
リスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキジン
酸、ベヘン酸、オレイン酸、リノール酸、リシノール
酸、およびヤシ油、パーム核油、米ぬか油、牛脂などを
ケン化して得られる高級脂肪酸の混合物またはその塩が
挙げられる。上記および以下において(C1)の塩とし
てはナトリウム、カリウム、アンモニウム、アミン類た
とえばモノ−,ジ−及びトリ−アルカノールアミン(ヒ
ドロキシアルキル基の炭素数2〜4;トリエタノールア
ミン等)、モノ−,ジ−及びトリ−アルキルアミン(ア
ルキル基の炭素数1〜6;トリエチルアミン等)、複素
環アミン(モルホリン等)等の塩があげられる。
【0026】硫酸エステル塩(イ)としては、高級アル
コール硫酸エステル塩(炭素数8〜18の脂肪族アルコ
ールの硫酸エステル塩)(イ1)、高級アルキルエーテ
ル硫酸エステル塩[炭素数8〜18の脂肪族アルコール
のエチレンオキサイド(以下EOと略記)および/また
はプロピレンオキサイド(以下POと略記)1〜10モ
ル付加物の硫酸エステル塩](イ2)、硫酸化油(天然
の不飽和油脂または不飽和のロウをそのまま硫酸化して
中和したもの)(イ3)、硫酸化脂肪酸エステル(炭素
数8〜18の不飽和脂肪酸の低級アルコールエステルを
硫酸化して中和したもの)(イ4)および硫酸化オレフ
ィン(炭素数12〜18のオレフィンを硫酸化して中和
したもの)(イ5)が挙げられる。
【0027】(イ1)の具体例としては、オクチルアル
コール硫酸エステル塩、デシルアルコール硫酸エステル
塩、ラウリルアルコール硫酸エステル塩、ステアリルア
ルコール硫酸エステル塩、チーグラー触媒を用いて合成
されたアルコール(例えば、ALFOL 1214:C
ONDEA社製)の硫酸エステル塩、オキソ法で合成さ
れたアルコール(例えば、ドバノール23,25および
45:三菱油化製、トリデカノール:協和発酵製、オキ
ソコール1213,1215および1415:日産化学
製、ダイヤドール115−L,115Hおよび135:
三菱化成製)の硫酸エステル塩等が挙げられる。(イ
2)の具体例としては、ラウリルアルコールEO2モル
付加物の硫酸エステル塩、オクチルアルコールEO3モ
ル付加物の硫酸エステル塩等が挙げられる。(イ3)の
具体例としては、ヒマシ油、落花生油、オリーブ油、ナ
タネ油、牛脂、羊脂などの硫酸化物の塩等が挙げられ
る。(イ4)の具体例としては、オレイン酸ブチル、リ
シノレイン酸ブチルなどの硫酸化物の塩等が挙げられ
る。(イ5)の具体例としては、例えばティーポール
(シェル社製)等が挙げられる。
【0028】カルボキシメチル化物の塩(ウ)として
は、例えば炭素数8〜24の脂肪族アルコールのカルボ
キシメチル化物の塩(ウ1)および炭素数8〜24の脂
肪族アルコールのEOおよび/またはプロピレンオキサ
イド(以下POと略記)1〜20モル付加物のカルボキ
シメチル化物の塩(ウ2)が挙げられる。
【0029】(ウ1)の具体例としては、オクチルアル
コールカルボキシメチル化物の塩、デシルアルコールカ
ルボキシメチル化物の塩、ラウリルアルコールカルボキ
シメチル化物の塩、ドバノール23カルボキシメチル化
物の塩、トリデカノールカルボキシメチル化物の塩等が
挙げられる。(ウ2)の具体例としては、オクチルアル
コールEO3モル付加物カルボキシメチル化物の塩、ラ
ウリルアルコールEO4モル付加物カルボキシメチル化
物の塩、ドバノール23EO3モル付加物カルボキシメ
チル化物の塩、トリデカノールEO5モル付加物カルボ
キシメチル化物の塩などが挙げられる。
【0030】スルホン酸塩(エ)としては、アルキル
(炭素数3〜30)ベンゼンスルホン酸塩(エ1)、ア
ルキル(炭素数3〜30)ナフタレンスルホン酸塩(エ
2)、スルホコハク酸ジエステル[例えば炭素数が4〜
20またはそれ以上の飽和または不飽和アルコールおよ
びこれらのアルキレンオキサイド1〜10モル付加物か
ら選ばれるアルコールのエステル]の塩(エ3)、α−
オレフィン(炭素数3〜30)スルホン酸塩(エ4)、
イゲポンT型(エ5)等が挙げられる。
【0031】(エ1)の具体例としては、例えばドデシ
ルベンゼンスルホン酸塩等が挙げられる。(エ2)の具
体例としては、例えばドデシルナフタレンスルホン酸塩
等が挙げられる。(エ3)の具体例としては、例えばス
ルホコハク酸ジ−2−エチルヘキシルエステル塩等が挙
げられる。
【0032】リン酸エステル塩(オ)としては、炭素数
3〜30の脂肪族アルコールリン酸エステルの塩(オ
1)および炭素数3〜30の脂肪族アルコールEO付加
物リン酸エステルの塩(オ2)が挙げられる。
【0033】(オ1)の具体例としては、ラウリルアル
コールリン酸モノエステルジナトリウム塩、ラウリルア
ルコールリン酸ジエステルの塩等が挙げられる。(オ
2)の具体例としては、オレイルアルコールEO5モル
付加物リン酸モノエステルの塩等が挙げられる。
【0034】両性界面活性剤(C2)としては、アミノ
酸塩型両性界面活性剤(カ)、ベタイン型両性界面活性
剤(キ)およびその他の両性界面活性剤(ク)が挙げら
れる。
【0035】アミノ酸型両性界面活性剤(カ)は、分子
内にアミノ基とカルボキシル基を持っている両性界面活
性剤で、例えば、下記一般式(3) [R1−NH−A−COO]t・M1 (3) [式中、R1は炭素数3〜30の1価の炭化水素基、A
はメチレン基またはエチレン基、tは1または2、M1
は水素原子、アルカリ金属原子、アルカリ土類金属原
子、アンモニウムカチオン、アミンカチオンまたはアル
カノールアミンカチオンを示す。]で示される化合物が
挙げられる。具体的には、例えば、アルキル(炭素数8
〜20)アミノプロピオン酸型両性界面活性剤(ステア
リルアミノプロピオン酸ナトリウム、ラウリルアミノプ
ロピオン酸ナトリウムなど)、アルキル(炭素数8〜2
0)アミノ酢酸型両性界面活性剤(ラウリルアミノ酢酸
ナトリウムなど)などが挙げられる。
【0036】ベタイン型両性界面活性剤(キ)は、分子
内に第4級アンモニウム塩型のカチオン部分とカルボン
酸型のアニオン部分を持っている両性界面活性剤で、例
えば下記一般式(4) [式中、Y1は炭素数8〜30のアルキル基または炭素
数8〜30の脂肪酸アミドプロピル基、Y2は水素原
子、炭素数1〜30アルキル基または炭素数1〜4のヒ
ドロキシアルキル基を表す。]で示されるアルキルジメ
チルベタイン(ステアリルジメチルアミノ酢酸ベタイ
ン、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタインなど)、アミ
ドベタイン(ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタインな
ど)、アルキルジヒドロキシアルキルベタイン(ラウリ
ルジヒドロキシエチルベタインなど)など;並びにイミ
ダゾリン型両性界面活性剤(例えば2−ウンデシル−N
−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリ
ニウムベタイン等)等が挙げられる。
【0037】その他の両性界面活性剤(ク)としては、
例えば、ナトリウムラウロイルグリシン、ナトリウムラ
ウリルジアミノエチルグリシン、ラウリルジアミノエチ
ルグリシン塩酸塩、ジオクチルジアミノエチルグリシン
塩酸塩などのグリシン型両性界面活性剤;ペンタデシル
スルフォタウリンなどのスルフォベタイン型両性界面活
性剤などが挙げられる。
【0038】カチオン系界面活性剤(C3)としては、
第4級アンモニウム塩型、アミン塩型などが挙げられ
る。
【0039】第4級アンモニウム塩型としては、3級ア
ミン類と4級化剤(メチルクロライド、メチルブロマイ
ド、エチルクロライド、ベンジルクロライド、ジメチル
硫酸などのアルキル化剤)との反応で得られるものが挙
げられ、具体例としては、米国特許第4,33,447
号明細書に記載のもの;例えばラウリルトリメチルアン
モニウムクロライド、ジデシルジメチルアンモニウムク
ロライド、ジオクチルジメチルアンモニウムブロマイ
ド、ステアリルトリメチルアンモニウムブロマイド、ラ
ウリルジメチルベンジルアンモニウムクロライド(塩化
ベンザルコニウム)、セチルピリジニウムクロライド、
ステアラミドエチルジエチルメチルアンモニウムメトサ
ルフェートなどが挙げられる。
【0040】アミン塩型としては、炭素数8〜30のア
ルキル基を有する1〜3級高級アミン類を無機酸(塩
酸、硝酸、硫酸、ヨウ化水素酸など)または有機酸(酢
酸、ギ酸、蓚酸、乳酸、グルコン酸、アジピン酸、アル
キル燐酸など)で中和することにより得られるものが挙
げられる。
【0041】(C)として好ましいものはアニオン界面
活性剤(C1)およびこれと両性界面活性剤(C2)と
の併用(重量比で9:1〜5:5)であり、特に好まし
いものは(C1)とくに高級アルコール(炭素数8〜2
0)またはそのEO付加物のカルボキシメチル化物の塩
およびスルホコハク酸ジアルキル(炭素数6〜12)エ
ステルの塩である。
【0042】本発明の油剤中の(C)の含有量は、油剤
に十分な制電性および糸切れ等を生じない適度な粘度を
与える観点から、全油剤(非揮発分)に基づいて、通常
0.01〜20重量%、好ましくは0.1〜10重量%
である。
【0043】柔軟剤(D)としては、例えば下記一般式
(5)で示されるエポキシ変性シリコーン(D−1)お
よびアミノ変性シリコーン(D−2)が挙げられる。該
(D)の重量平均分子量(GPC法による。以下Mwと
略記)は通常500〜100,000、好ましくは1,
000〜20,000である。
【0044】
【化1】
【0045】一般式(5)中、Meはメチル基であり、
a、b、R2、R3、R4およびR5は以下の通りである。
エポキシ変性シリコーン(D−1)の場合:一般式
(5)においてR2、b個のR3、b個のR4およびR5
少なくとも1個がエポキシ基含有基であり、残りは炭素
数1〜20のアルキル基、フェニル基または炭素数1〜
5のアルコキシ基でもよい。a,bはそれぞれ1〜1
0,000の整数である。
【0046】エポキシ基含有基としては下記一般式
(6)(式中、R6,R7は炭素数1〜4のアルキレン
基、xは0または1である。)で示される基、例えばグ
リシジル基、γ−グリシドキシプロピル基などが挙げら
れる。
【0047】
【化2】
【0048】アミノ変性シリコーン(D−2)の場合:
一般式(5)において、R2、b個のR3、b個のR4
よびR5の少なくとも1個が−R8−NH(R9NH)q−
H基含有基(ただし、R8は炭素数1〜5のアルキレン
基、R9は炭素数1〜4のアルキレン基、qは0〜3の
整数である。)であり、残りは炭素数1〜20のアルキ
ル基、フェニル基または炭素数1〜5のアルコキシ基で
もよい。a,bはそれぞれ1〜10,000の整数であ
る。
【0049】上記(D−1)または(D−2)中で、炭
素数1〜20のアルキル基は、前記一般式(1)のRと
して例示したものが挙げられる。炭素数1〜5のアルコ
キシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、n−及びi
so−プロポキシ基、ブトキシ基等が挙げられる。炭素
数1〜4のアルキレン基としては、メチレン基、エチレ
ン基、1,2−及び1,3−プロピレン基、および1,
2−、2,3−、1,3−及び1,4−ブチレン基が挙
げられる。好ましくは1,3−プロピレン基である。
【0050】これらの中で好ましいものは、アミノ変性
シリコーン(D−2)、とくにMwが500〜20,0
00のアミノ変性シリコーンである。
【0051】カルボン酸金属塩以外の膠着防止剤(E)
としては、ポリエーテル変性シリコーン(E−1)、シ
リコーンレジン(E−2)およびこれら以外の膠着防止
剤(E−3)が挙げられる。
【0052】ポリエーテル変性シリコーン(E−1) 前記一般式(5)におけるR2、b個のR3、b個のR4
およびR5の少なくとも1個がポリオキシアルキレン鎖
含有基、残りはメチル基、炭素数2〜20のアルキル
基、フェニル基または炭素数1〜5のアルコキシ基でも
よく、a,bはそれぞれ1〜10,000の整数である
ものである。上記ポリオキシアルキレン鎖含有基として
は、一般式−A1−O−(A2O)r−R10で示される基
[式中、R10は水素原子または炭素数1〜30のアルキ
ル基、A1は炭素数1〜5のアルキレン基、 A2は炭素
数1〜4のアルキレン基であり、A1とA2とは同一でも
異なっていてもよく、r個の(A2O)が2種以上のオ
キシアルキレン基で構成される場合の結合形式はブロッ
クでもランダムでもよい。rは1〜100の整数を表
す。]、例えば一般式−(CH23−O−(C24O)
s(C36O)t−X (ただし、Xは水素原子または炭
素数1〜20のアルキル基、s,tはs+t=1〜10
0となる0以上の整数である。)で示される基等が挙げ
られる。
【0053】シリコーンレジン(E−2) シリコーンレジンとしては、例えば分岐度の高い三次元
構造のポリマー[シリコーンハンドブック(伊藤邦雄
編、日刊工業新聞社発行)、466〜515頁に記載の
もの]が挙げられる。このうち好ましいものはMwが
1,000〜100,000のメチルシリコーンレジン
およびMwが1,000〜100,000のアミノ変性
オルガノポリシロキサンからなるレジンであり、特に好
ましくはMwが1,500〜30,000のメチルシリ
コーンレジンである。
【0054】上記以外の膠着防止剤(E−3) 例えば、タルク、シリカ、コロイダルアルミナ等の鉱物
性固体微粒子;パラフィン、ポリエチレン(Mw=30
0〜10,000)等の常温固体ワックス等が挙げられ
る。
【0055】これら(C)、(D)および/または
(E)の油剤中の含有量は特に限定されないが、好まし
くは0.1〜20重量%、特に好ましくは0.1〜10
重量%である。これらの添加剤は、弾性繊維の用途、例
えばコアスパンヤーン、カバリング、エアーカバリン
グ、丸編み、整経等によって1種だけ使用したり、数種
併用して使用することで最適な性能を付与することがで
きる。
【0056】本発明の油剤のウベローデ粘度計で測定さ
れる粘度は、均一付着、ローラ巻き付き防止等の観点か
ら25℃で2〜100mm2/sが好ましい。
【0057】本発明の油剤には、さらに必要により公知
の相溶化成分[例えばノニオン界面活性剤(例えば米国
特許第4,331,447号および同第3,929,6
78号各明細書に記載のもの)、2−エチルヘキサノー
ル、イソステアリルアルコール等の高級アルコール類
等]を本発明の弾性繊維用油剤の性能を損なわない範囲
で配合してよく、これらを配合することで油剤の経日安
定性をさらに向上させることができる。また、さらに紡
糸油剤に通常使用される安定剤成分(酸化防止剤、紫外
線吸収剤等)を配合することができる。これらの成分の
配合量は、相溶化成分については油剤中の0〜10重量
%、好ましくは0.1〜7重量%であり、安定剤につい
ては0〜3重量%、好ましくは0.1〜1重量%であ
る。
【0058】本発明の油剤の製造方法としては特に限定
はなく、例えば通常の撹拌設備(櫂型攪拌機、プロペラ
式攪拌機等)および加熱設備(例えば0〜200℃)が
備わった配合槽に各成分を入れ混合する方法が挙げられ
る。
【0059】本発明の油剤は弾性繊維の紡糸工程におい
て、紡出後、糸が巻き取られるまでの任意の位置でロー
ラ給油やノズル給油等の方法で糸に付与することができ
る。給油する油剤の温度は通常10〜80℃、好ましく
は15〜60℃である。また、油剤の付着量は、弾性繊
維に対して非揮発分として通常0.5〜10重量%、好
ましくは1〜8重量%である。
【0060】本発明の油剤は通常ストレート(非揮発分
のみ)で給油されるが、必要により有機溶剤[例えば脂
肪族炭化水素(ヘキサン、ヘプタン、オクタン等);エ
ーテル類(ジプロピルエーテル、エチルセロゾルブ
等);アルコール類(メタノール、エタノール、イソプ
ロパノール等);ケトン類(アセトン、メチルエチルケ
トン、メチルイソブチルケトン等);芳香族炭化水素
(トルエン、キシレン等);ハロゲン化炭化水素(塩化
メチレン、クロロホルム、四塩化炭素等);高極性溶剤
(ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド等);
これらの2種以上の混合物]で希釈して給油してもよ
い。希釈して給油する場合の油剤(非揮発分)の濃度は
通常5〜80重量%である。
【0061】本発明の油剤が適用できる弾性繊維の繊度
は特に限定されないが、通常10〜2,500dtx、
好ましくは11〜1870dtxである。
【0062】本発明の油剤を適用できる弾性繊維として
は、ポリウレタン弾性糸、ポリエステル弾性糸、ポリア
ミド弾性糸、ポリカーボネート弾性糸等が挙げられる
が、とくにポリウレタン弾性糸に好適に使用できる。
【0063】本発明の油剤で処理されてなる弾性糸は後
加工工程(例えばコアスパンヤーン工程、カバーリング
工程、エアーカバリング工程、編み工程、整経工程、精
練工程、染色工程、仕上げ工程等)を経て最終製品に仕
上げられる。最終製品は、衣料用[例えばパンティース
トッキング、靴下、インナーファンデーション(ブラジ
ャー、ガードル、ボディースーツ等)、アウターウエア
(ジャケット、スラックス等)、スポーツウエア(水
着、スキーズボン、レオタード等)]および産業資材用
[例えば紙おむつ、ベルト等]などに広く適用すること
ができる。
【0064】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に詳細に説明
するが、本発明はこれに限定されるものではない。表1
における<油剤配合処方>の数値は重量%である。
【0065】実施例1〜4および比較例1〜3 表1記載の組成および配合割合で実施例1〜4と比較例
1〜3の弾性繊維用油剤を調製した。これらについて下
記試験方法により油剤の経日安定性試験および膠着性試
験を行なった。評価結果を表1に併記する。
【0066】<試験方法> (1)油剤の経日安定性試験 表1記載の組成割合で調製した油剤100gを145m
lガラス製ボトルに入れ、5℃、25℃、50℃の恒温
槽中に30日間静置した後、油剤外観を肉眼で観察し、
調製直後の油剤外観と比較し、次の基準で判定した。 −判定基準− ○:変化無し ×:分離や沈降物が発生 (2)膠着性試験 ポリウレタン弾性繊維の乾式紡糸法において、表1の油
剤をローラ給油で油剤付着量がフィラメント重量に対し
6%になるよう付与し、600m/分でチーズに巻き取
り、40Dのポリウレタン弾性繊維を得た。巻き取った
チーズを25℃で1週間エージング後、可変倍率(引き
出し速度と巻き取り速度との比率の変更が可能)の引き
出し巻き取り装置にかけ50m/分の速度で糸を送り出
した時、糸が膠着により巻き込まれずに巻き取ることの
できる最低の速度倍率で示した。1.3以下が好まし
い。
【0067】なお、表1における各成分は以下の通りで
ある。 カルボン酸金属塩(A11):C1735COO−Mg−OH カルボン酸金属塩(A12):C1735COO−Ca−OH カルボン酸金属塩(A2) :(C1735COO)2Mg アミノ変性シリコーン :KF−8004(信越化学工業株式会社製) ポリエーテル変性シリコーン:L−7001(日本ユニカー株式会社製) ジメチルポリシロキサン :SH−200 10cs(東レ・ダウコーニング シリコーン株式会社製) 鉱物油 :流動パラフィン60S(中央化成株式会社製)
【0068】
【表1】
【0069】表1から明らかなように、本発明の弾性繊
維用油剤は比較例1〜3に比べ油剤の経日安定性および
膠着防止性に優れていることが判る。
【0070】
【発明の効果】本発明の弾性繊維用油剤は従来の油剤に
比べ、油剤の経日安定性および糸同士の膠着防止性が優
れている。上記効果を奏することから、本発明の弾性繊
維用油剤を用いることにより、弾性繊維を紡糸から後加
工工程に至るまで安定な操業性を保ちながら製造するこ
とが可能となり、工業的に極めて有用である。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D06M 13/00 - 15/72 D01F 11/00 - 11/16 Fターム(4L033,4L038)

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1) (R−COO)m−M−(OH)n (1) [式中、Rは炭素数1〜30のアルキル基または炭素数
    2〜30のアルケニル基、Mは2価または3価の金属、
    m,nは(m+n=2または3)となる1または2の数
    である。]で示されるカルボン酸金属塩(A1)と基油
    (B)からなることを特徴とする弾性繊維用油剤。
  2. 【請求項2】 さらに下記一般式(2) (R−COO)p−M (2) [式中、Rは炭素数1〜30のアルキル基または炭素数
    2〜30のアルケニル基、Mは2価または3価の金属、
    pは2または3である。]で示されるカルボン酸金属塩
    (A2)を含有する請求項1記載の弾性繊維用油剤。
  3. 【請求項3】 (A1)/(A2)の重量比が90/1
    0〜5/95である請求項2記載の弾性繊維用油剤。
  4. 【請求項4】 Mがアルカリ土類金属、亜鉛およびアル
    ミニウムから選ばれる金属である請求項1〜3のいずれ
    か記載の弾性繊維用油剤。
  5. 【請求項5】 (A1)または(A1)と(A2)の合
    計の含有量が0.01〜10重量%である請求項1〜4
    のいずれか記載の弾性繊維用油剤。
  6. 【請求項6】 (B)を少なくとも70重量%含有する
    請求項1〜5のいずれか記載の弾性繊維用油剤。
  7. 【請求項7】 さらに、制電剤、柔軟剤および上記(A
    1),(A2)以外の膠着防止剤から選ばれる1種以上
    の添加剤を含有する請求項1〜6のいずれか記載の弾性
    繊維用油剤。
  8. 【請求項8】 請求項1〜7のいずれかに記載の弾性繊
    維用油剤を弾性繊維に対して0.5〜10重量%付与す
    る弾性繊維の処理方法。
  9. 【請求項9】 請求項8記載の処理方法により処理され
    てなる弾性繊維。
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