JP4318282B2 - ポリウレタン系弾性繊維用処理剤及びポリウレタン系弾性繊維の処理方法 - Google Patents

ポリウレタン系弾性繊維用処理剤及びポリウレタン系弾性繊維の処理方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はポリウレタン系弾性繊維用処理剤(以下、単に処理剤という)及びポリウレタン系弾性繊維の処理方法(以下、単に処理方法という)に関する。ポリウレタン系弾性繊維の製糸工程においては、その性質上、優れた捲形状のパッケージを得ることが要求され、またポリウレタン系弾性繊維を用いる加工工程においては、これもまたその性質上、用いるポリウレタン系弾性繊維に優れた解舒性と平滑性と制電性とを同時に付与して、操業の安定を図ることが要求される。本発明はかかる要求に応える処理剤及び処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、処理剤としては、以下の特許文献1〜11に記載されているようなものが知られている。特許文献1には処理剤としてアミルシリコーンを含有するものが記載されている。特許文献2には処理剤としてフェニル基を含有するシリコーン樹脂とトリメチルシリル基で末端封鎖されたポリジメチルシロキサン流動体と有機仕上げ剤とから成るものが記載されている。特許文献3及び4には処理剤として鉱物油及び/又は直鎖状ポリオルガノシロキサンにアミノ変性シリコーンと環状構造を有するポリオルガノシロキサンとを配合したものが記載されている。特許文献5、6及び7には処理剤として1価のシロキサン単位と4価のシロキサン単位とから構成されたシリコーン樹脂を含有するものが記載されている。特許文献8には処理剤として鉱物油及び/又はポリオルガノシロキサンにアミノアルキルシリコーン樹脂とアルキルシリコーン樹脂とを配合したものが記載されている。特許文献9には処理剤としてポリオルガノシロキサン又は鉱物油とシリコーン樹脂とポリエーテル変性シリコーンとからなるものが記載されている。特許文献10には処理剤として鉱物油、ポリアルキルシロキサン、アルキルホスフェートの金属塩及びアルキルホスフェートアミン塩を含有するものが記載されている。特許文献11には処理剤として鉱物油、ポリアルキルシロキサン、ポリエーテル変性シリコーン、アルキルホスフェート金属塩及びアルキルホスフェートアミン塩を含有するものが記載されている。ところが、これら従来の処理剤には、ポリウレタン系弾性繊維の製糸工程において、得られるパッケージの捲形状が不良であったり、またこれを用いる加工工程において、パッケージの解舒性、平滑性及び制電性のうちでいずれか一つ又は二つ以上が不充分という問題がある。かかる問題は、繊度の細い、例えば繊度が11〜22デシテックスのように細いポリウレタン系弾性繊維において大きい。
【0003】
【特許文献1】
特公昭42−8438号公報
【特許文献2】
特公昭63−12197号公報
【特許文献3】
特開昭3−294524号公報
【特許文献4】
特許第2788097号公報
【特許文献5】
特開平8−74179号公報
【特許文献6】
特開平9−188974号公報
【特許文献7】
特許第2852887号公報
【特許文献8】
特許第2960224号公報
【特許文献9】
特開平4−343769号公報
【特許文献10】
特開平7−173770号公報
【特許文献11】
特開平9−49167号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明が解決しようとする問題は、ポリウレタン系弾性繊維の製糸工程において優れた捲形状のパッケージを得ることができ、同時にその加工工程において用いるポリウレタン系弾性繊維に優れた解舒性と平滑性と制電性とを付与することができる処理剤及び処理方法を提供する処にある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
しかして本発明者らは、上記の問題を解決するべく研究した結果、特定の2成分系又は3成分系から成り、且つそれぞれを所定割合で含有してなる処理剤が正しく好適であり、またかかる処理剤を、希釈することなくニート給油法により、紡糸後でパッケージを巻き取るまでの間のポリウレタン系弾性繊維に対し所定割合となるよう付着させる処理方法が正しく好適であることを見出した。
【0006】
すなわち本発明は、下記の第1成分と下記の第2成分とから成り、且つ該第1成分/該第2成分=100/0.1〜100/30(重量比)の割合で含有してなることを特徴とする処理剤に係る。
【0007】
また本発明は、下記の第1成分と、下記の第2成分と、更に下記の第3成分とから成り、且つ該第1成分/該第2成分=100/0.1〜100/30(重量比)の割合で、また該第1成分と該第2成分と該第3成分との合計/該第3成分=100/0.01〜100/20(重量比)の割合で含有してなることを特徴とする処理剤に係る。
【0008】
更に本発明は、前記のような本発明の処理剤を、希釈することなくニート給油法により、紡糸後でパッケージに捲き取るまでの間のポリウレタン系弾性繊維に対し、0.1〜10重量%となるよう付着させることを特徴とする処理方法に係る。
【0009】
第1成分:共に25℃における粘度が2×10−6〜100×10−6/sのシリコーンオイル及び/又は炭化水素油
【0010】
第2成分:シロキサン単位Aとシロキサン単位Bとシロキサン単位Cとを主構成単位とするシリコーン樹脂であり、該シロキサン単位Aが下記の式1で示されるシロキサン単位、該シロキサン単位Bが下記の式2で示されるシロキサン単位及び/又は下記の式3で示されるシロキサン単位、該シロキサン単位Cが下記の式4で示されるシロキサン単位及び/又は下記の式5で示されるシロキサン単位であって(ただし、シロキサン単位Bが式2で示されるシロキサン単位であり且つシロキサン単位Cが式4で示されるシロキサン単位である場合を除く)、且つ1分子中に該シロキサン単位Aを1〜550個、該シロキサン単位Bを1〜200個、該シロキサン単位Cを1〜1800個有し、該シロキサン単位Cとして式4で示されるシロキサン単位を有する場合には式1で示されるシロキサン単位の個数/式4で示されるシロキサン単位の個数=0.8〜1.5、また該シロキサン単位Cとして式5で示されるシロキサン単位を有する場合には式1で示されるシロキサン単位の個数/式5で示されるシロキサン単位の個数=0.5〜1.5である、アミノ当量1000〜100000、重量平均分子量1000〜100000のシリコーン樹脂
【0011】
【式1】
Figure 0004318282
【式2】
Figure 0004318282
【式3】
Figure 0004318282
【式4】
Figure 0004318282
【式5】
Figure 0004318282
【0012】
式1〜式5において、
〜R:炭素数1〜24の炭化水素基
,X:下記の式6で示される有機基
【0013】
【式6】
Figure 0004318282
【0014】
式6において、
,R:炭素数1〜5のアルキレン基
:水素原子、炭素数1〜5のアルキル基、フェニル基、炭素数4〜22の1〜4価の脂肪族カルボン酸から一つの水酸基を除いた残基又は炭素数6〜22の1〜4価の芳香族カルボン酸から一つの水酸基を除いた残基
f:0又は1
【0015】
第3成分:下記の式7で示される有機リン酸エステル塩及び又は下記の式8で示される有機リン酸エステル塩
【0016】
【式7】
Figure 0004318282
【式8】
Figure 0004318282
【0017】
式7,式8において、
,R10:炭素数12〜26の脂肪族炭化水素基
m,n,r,s:1又は2であって、m+n=3、r+s=3を満足する整数
,M:アルカノールアミン又はアルカリ金属
Y:オキシエチレン単位又はオキシエチレン単位とオキシプロピレン単位とからなるオキシアルキレン単位の繰り返し数が1〜10の(ポリ)オキシアルキレンジオールから全ての水酸基を除いた残基
【0018】
本発明の処理剤に供する第1成分は潤滑油成分である。かかる第1成分には、1)シリコーンオイル、2)炭化水素油、3)シリコーンオイルと炭化水素油との混合物が含まれる。シリコーンオイル及び炭化水素油としては共に25℃における粘度が2×10−6〜100×10−6/sのものを用いるが、25℃における粘度が10×10−6〜30×10−6/sのものを用いるのが好ましく、なかでも第1成分としては25℃における粘度が10×10−6〜30×10−6/sのシリコーンオイルがより好ましい。かかる粘度は、JIS−K2283(石油製品動粘度試験方法)に記載された方法で測定される値である。
【0019】
前記のようなシリコーンオイルとしては、1)繰り返し単位がジメチルシロキサン単位であるポリジメチルシロキサン、2)繰り返し単位がジメチルシロキサン単位と炭素数2〜4のアルキル基を有するジアルキルシロキサン単位であるポリジアルキルシロキサン、3)繰り返し単位がジメチルシロキサン単位とメチルフェニルシロキサン単位であるポリジオルガノシロキサン等が挙げられるが、なかでもポリジメチルシロキサンが好ましい。また前記のような炭化水素油としては、1)石油留分から得られる流動パラフィン、2)α−オレフィンを重合して得られるポリα−オレフィン等が挙げられるが、なかでも精製流動パラフィンが好ましい。
【0020】
本発明の処理剤に供する第2成分は、シロキサン単位Aとシロキサン単位Bとシロキサン単位Cとを主構成単位とするシリコーン樹脂である。ここで、シロキサン単位Aは式1で示されるシロキサン単位であり、シロキサン単位Bは式2で示されるシロキサン単位及び/又は式3で示されるシロキサン単位であって、シロキサン単位Cは式4で示されるシロキサン単位及び/又は式5で示されるシロキサン単位である(ただし、シロキサン単位Bが式2で示されるシロキサン単位であり且つシロキサン単位Cが式4で示されるシロキサン単位である場合を除く)。
【0021】
したがって、第2成分として用いる前記のようなシリコーン樹脂には、1)式1で示されるシロキサン単位、式3で示されるシロキサン単位、式4で示されるシロキサン単位及び式5で示されるシロキサン単位を主構成単位とするシリコーン樹脂、2)式1で示されるシロキサン単位、式2で示されるシロキサン単位、式4で示されるシロキサン単位及び式5で示されるシロキサン単位を主構成単位とするシリコーン樹脂、3)式1で示されるシロキサン単位、式2で示されるシロキサン単位、式3で示されるシロキサン単位、式4で示されるシロキサン単位及び式5で示されるシロキサン単位を主構成単位とするシリコーン樹脂、4)式1で示されるシロキサン単位、式3で示されるシロキサン単位及び式4で示されるシロキサン単位を主構成単位とするシリコーン樹脂、5)式1で示されるシロキサン単位、式2で示されるシロキサン単位、式3で示されるシロキサン単位及び式4で示されるシロキサン単位を主構成単位とするシリコーン樹脂、6)式1で示されるシロキサン単位、式2で示されるシロキサン単位及び式5で示されるシロキサン単位を主構成単位とするシリコーン樹脂、7)式1で示されるシロキサン単位、式3で示されるシロキサン単位及び式5で示されるシロキサン単位を主構成単位とするシリコーン樹脂、8)式1で示されるシロキサン単位、式2で示されるシロキサン単位、式3で示されるシロキサン単位及び式5で示されるシロキサン単位を主構成単位とするシリコーン樹脂が含まれる。かかるシリコーン樹脂は、対応するシラン化合物を用いる公知の合成方法、例えば特開平5−247212号公報に記載の合成方法で合成できる。
【0022】
シロキサン単位Aとしての式1で示されるシロキサン単位において、式1中のR、R、Rは、いずれも炭素数1〜24の炭化水素基である。これには例えば、1)メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、ヘキシル基、ペンチル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、エイコシル基、ドコシル基、テトラコシル基等の、炭素数1〜24の脂肪族炭化水素基、2)シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロオクチル基、3−ピナニル基等の、炭素数3〜24の脂環族炭化水素基、3)フェニル基、ナフチル基、ベンジル基、アントラセニル基、ピレニル基、ナフトピレニル基、2−ナフタレンドデシル基等の、炭素数6〜24の芳香族炭化水素基等が挙げられるが、なかでもメチル基、エチル基、プロピル基、フェニル基が好ましい。式1で示されるシロキサン単位のうちで好ましいシロキサン単位としては、トリメチルシロキサン単位、メチルジエチルシロキサン単位、メチルジプロピルシロキサン単位、ジメチルフェニルシロキサン単位等が挙げられるが、なかでもトリメチルシロキサン単位がより好ましい。
【0023】
シロキサン単位Bとしての式2で示されるシロキサン単位において、式2中のRは炭素数1〜24の炭化水素基であり、これについては式1中のR〜Rについて前記したことと同じである。また式2中のXは式6で示される有機基である。かかる式6で示される有機基には、1)式6中のfが0であって、Rが水素原子である場合のアミノアルキル基、2)式6中のfが0であって、Rが炭素数1〜5のアルキル基である場合の置換イミノアルキル基、3)式6中のfが0であって、Rがフェニル基である場合のN−フェニルイミノアルキル基、4)式6中のfが0であって、Rが炭素数4〜22の1〜4価の脂肪族カルボン酸から一つの水酸基を除いた残基である場合のN−置換脂肪族アミドアルキル基、5)式6中のfが0であって、Rが炭素数6〜22の1〜4価の芳香族カルボン酸から一つの水酸基を除いた残基である場合のN−置換芳香族アミドアルキル基、6)式6中のfが1であって、Rが水素原子である場合のアミノアルキルイミノアルキル基、7)式6中のfが1であって、Rが炭素数1〜5のアルキル基である場合の置換イミノアルキルイミノアルキル基、8)式6中のfが1であって、Rがフェニル基である場合のN−フェニルイミノアルキルイミノアルキル基、9)式6中のfが1であって、Rが炭素数4〜22の1〜4価の脂肪族カルボン酸から一つの水酸基を除いた残基である場合のN−置換脂肪族アミドアルキルイミノアルキル基、10)式6中のfが1であって、Rが炭素数6〜22の1〜4価の芳香族カルボン酸から一つの水酸基を除いた残基である場合のN−置換芳香族アミドアルキルイミノアルキル基が挙げられる。
【0024】
式6中のfが0である場合の式6で示される有機基について、前記1)のアミノアルキル基としては、アミノエチル基、3−アミノプロピル基、4−アミノブチル基等が挙げられるが、なかでも3−アミノプロピル基が好ましい。前記2)のイミノアルキル基としては、N−エチル−3−イミノプロピル基、N−エチル−2−イミノエチル基等が挙げられるが、なかでもN−エチル−3−イミノプロピル基が好ましい。前記3)のN−フェニルイミノアルキル基としては、N−フェニル−3−イミノプロピル基、N−フェニル−2−イミノエチル基等が挙げられるが、なかでもN−フェニル−3−イミノプロピル基が好ましい。前記4)のN−置換脂肪族アミドアルキル基としては、N−アセトイル−2−イミノエチル基、N−ドデカノイル−2−イミノエチル基、N−オクタデカノイル−2−イミノエチル基、N−オクタデセノイル−2−イミノエチル基、N−アセトイル−3−イミノプロピル基、N−ドデカノイル−3−イミノプロピル基、N−オクタデカノイル−3−イミノプロピル基、N−オクタデセノイル−3−イミノプロピル基、N−アセトイル−4−イミノブチル基、N−ドデカノイル−4−イミノブチル基、N−オクタデカノイル−4−イミノブチル基、N−オクタデセノイル−4−イミノブチル基、N−(2−カルボキシエチルカルボニル)−2−イミノエチル基、N−(2−カルボキシエチルカルボニル)−3−イミノプロピル基、N−(2−カルボキシエチルカルボニル)−4−イミノブチル基等が挙げられるが、なかでもN−(2−カルボキシエチルカルボニル)−3−イミノプロピル基が好ましい。前記5)のN−置換芳香族アミドアルキル基としては、N−(2,4−ジカルボキシベンゼン−カルボニル)−2−イミノエチル基、N−(2,5−ジカルボキシベンゼン−カルボニル)−2−イミノエチル基、N−(3,4−ジカルボキシベンゼン−カルボニル)−2−イミノエチル基、N−(2,4−ジカルボキシベンゼン−カルボニル)−3−イミノプロピル基、N−(2,5−ジカルボキシベンゼン−カルボニル)−3−イミノプロピル基、N−(3,4−ジカルボキシベンゼン−カルボニル)−3−イミノプロピル基、N−(2,4−ジカルボキシベンゼン−カルボニル)−4−イミノブチル基、N−(2,5−ジカルボキシベンゼン−カルボニル)−4−イミノブチル基、N−(3,4−ジカルボキシベンゼン−カルボニル)−4−イミノブチル基、N−(2,4,5−トリカルボキシベンゼン−カルボニル)−2−イミノエチル基、N−(2,4,5−トリカルボキシベンゼン−カルボニル)−3−イミノプロピル基、N−(2,4,5−トリカルボキシベンゼン−カルボニル)−4−イミノブチル基等が挙げられるが、なかでもN−(2,4−ジカルボキシベンゼン−カルボニル)−3−イミノプロピル基、N−(2,5−ジカルボキシベンゼン−カルボニル)−3−イミノプロピル基が好ましい。
【0025】
また式6中のfが1である場合の式6で示される有機基について、前記6)のアミノアルキルイミノアルキル基としては、N−(2−アミノエチル)−2−イミノエチル基、N−(2−アミノエチル)−3−イミノプロピル基、N−(2−アミノエチル)−4−イミノブチル基等が挙げられるが、なかでもN−(2−アミノエチル)−3−イミノプロピル基が好ましい。前記7)の置換イミノアルキルイミノアルキル基としては、N−(N’−エチル−2−イミノエチル)−3−イミノプロピル基、N−(N’−プロピル−2−イミノエチル)−3−イミノプロピル基等が挙げられるが、なかでもN−(N’−エチル−2−イミノエチル)−3−イミノプロピル基が好ましい。前記8)のN−フェニルイミノアルキルイミノアルキル基としては、N−(N’−フェニル−2−イミノエチル)−3−イミノプロピル基、N−(N’−フェニル−2−イミノエチル)−2−イミノエチル基等が挙げられるが、なかでもN−(N’−フェニル−2−イミノエチル)−3−イミノプロピル基が好ましい。前記9)のN−置換脂肪族アミドアルキルイミノアルキル基としては、N−(N’−アセトイル−2−イミノエチル)−2−イミノエチル基、N−(N’−ドデカノイル−2−イミノエチル)−2−イミノエチル基、N−(N’−オクタデカノイル−2−イミノエチル)−2−イミノエチル基、N−(N’−オクタデセノイル−2−イミノエチル)−2−イミノエチル基、N−(N’−アセトイル−2−イミノエチル)−3−イミノプロピル基、N−(N’−ドデカノイル−2−イミノエチル)−3−イミノプロピル基、N−(N’−オクタデカノイル−2−イミノエチル)−3−イミノプロピル基、N−(N’−オクタデセノイル−2−イミノエチル)−3−イミノプロピル基、N−(N’−アセトイル−2−イミノエチル)−4−イミノブチル基、N−(N’−ドデカノイル−2−イミノエチル)−4−イミノブチル基、N−(N’−オクタデカノイル−2−イミノエチル)−4−イミノブチル基、N−(N’−オクタデセノイル−2−イミノエチル)−4−イミノブチル基、N−[N’−(2−カルボキシエチルカルボニル)−2−イミノエチル]−2−イミノエチル基、N−[N’−(2−カルボキシエチルカルボニル)−2−イミノエチル]−3−イミノプロピル基、N−[N’−(2−カルボキシエチルカルボニル)−2−イミノエチル]−4−イミノブチル基等が挙げられるが、なかでもN−[N’−(2−カルボキシエチルカルボニル)−2−イミノエチル]−3−イミノプロピル基が好ましい。前記10)のN−置換芳香族アミドアルキルイミノアルキル基としては、N−[N’−(2,4−ジカルボキシベンゼン−カルボニル)−2−イミノエチル]−2−イミノエチル基、N−[N’−(2,5−ジカルボキシベンゼン−カルボニル)−2−イミノエチル]−2−イミノエチル基、N−[N’−(3,4−ジカルボキシベンゼン−カルボニル)−2−イミノエチル]−2−イミノエチル基、N−[N’−(2,4−ジカルボキシベンゼン−カルボニル)−2−イミノエチル]−3−イミノプロピル基、N−[N’−(2,5−ジカルボキシベンゼン−カルボニル)−2−イミノエチル]−3−イミノプロピル基、N−[N’−(3,4−ジカルボキシベンゼン−カルボニル)−2−イミノエチル]−3−イミノプロピル基、N−[N’−(2,4−ジカルボキシベンゼン−カルボニル)−2−イミノエチル]−4−イミノブチル基、N−[N’−(2,5−ジカルボキシベンゼン−カルボニル)−2−イミノエチル]−4−イミノブチル基、N−[N’−(3,4−ジカルボキシベンゼン−カルボニル)−2−イミノエチル]−4−イミノブチル基、N−[N’−(2,4,5−トリカルボキシベンゼン−カルボニル)−2−イミノエチル]−2−イミノエチル基、N−[N’−(2,4,5−トリカルボキシベンゼン−カルボニル)−2−イミノエチル]−3−イミノプロピル基、N−[N’−(2,4,5−トリカルボキシベンゼン−カルボニル)−2−イミノエチル]−4−イミノブチル基等が挙げられるが、なかでもN−[N’−(2,4−ジカルボキシベンゼン−カルボニル)−2−イミノエチル]−3−イミノプロピル基、N−[N’−(2,5−ジカルボキシベンゼン−カルボニル)−2−イミノエチル]−3−イミノプロピル基が好ましい。
【0026】
式2で示されるシロキサン単位のうちで好ましいシロキサン単位としては、3−アミノプロピルメチルシロキサン単位、N−フェニル−3−イミノプロピルメチルシロキサン単位、N−(2−カルボキシエチルカルボニル)−3−イミノプロピルメチルシロキサン単位、N−(2,4−ジカルボキシベンゼン−カルボニル)−3−イミノプロピルメチルシロキサン単位、N−(2,5−ジカルボキシベンゼン−カルボニル)−3−イミノプロピルメチルシロキサン単位、N−(2−アミノエチル)−3−イミノプロピルメチルシロキサン単位等が挙げられるが、なかでもN−(2−アミノエチル)−3−イミノプロピルメチルシロキサン単位がより好ましい。
【0027】
シロキサン単位Bとしての式3で示されるシロキサン単位において、式3中のXは式6で示される有機基であり、これについては式2中のXについて前記したことと同じである。式3で示されるシロキサン単位のうちで好ましいシロキサン単位としては、3−アミノプロピルシロキサン単位、N−フェニル−3−イミノプロピルシロキサン単位、N−(2−カルボキシエチルカルボニル)−3−イミノプロピルシロキサン単位、N−(2,4−ジカルボキシベンゼン−カルボニル)−3−イミノプロピルシロキサン単位、N−(2,5−ジカルボキシベンゼン−カルボニル)−3−イミノプロピルシロキサン単位、N−(2−アミノエチル)−3−イミノプロピルシロキサン単位等が挙げられるが、なかでもN−(2−アミノエチル)−3−イミノプロピルシロキサン単位がより好ましい。
【0028】
シロキサン単位Cとしての式4で示されるシロキサン単位は4価のシロキサン単位である。またシロキサン単位Cとしての式5で示されるシロキサン単位において、式5中のRは炭素数1〜24の炭化水素基であり、これについては式1中のR〜Rについて前記したことと同じである。式5で示されるシロキサン単位のうちで好ましいシロキサン単位としては、フェニルシロキサン単位、n−デシルシロキサン単位、ベンジルシロキサン単位等が挙げられるが、なかでもフェニルシロキサン単位がより好ましい。
【0029】
本発明の処理剤に第2成分として用いるシリコーン樹脂は、以上説明したようなシロキサン単位A、シロキサン単位B及びシロキサン単位Cを主構成単位とするものであって、且つ1分子中にシロキサン単位Aを1〜550個、シロキサン単位Bを1〜200個、シロキサン単位Cを1〜1800個有し、シロキサン単位Cとして式4で示されるシロキサン単位を有する場合には式1で示されるシロキサン単位の個数/式4で示されるシロキサン単位の個数=0.8〜1.5、またシロキサン単位Cとして式5で示されるシロキサン単位を有する場合には式1で示されるシロキサン単位の個数/式5で示されるシロキサン単位の個数=0.5〜1.5のものである。かかるシリコーン樹脂のなかでも、1)1分子中に、シロキサン単位Aとして式1で示されるシロキサン単位を1〜390個、シロキサン単位Bとして式3で示されるシロキサン単位を1〜70個、シロキサン単位Cとして式4で示されるシロキサン単位を1〜560個及び式5で示されるシロキサン単位を1〜650個有するシリコーン樹脂、2)1分子中に、シロキサン単位Aとして式1で示されるシロキサン単位を1〜390個、シロキサン単位Bとして式2で示されるシロキサン単位を1〜70個、シロキサン単位Cとして式4で示されるシロキサン単位を1〜560個及び式5で示されるシロキサン単位を1〜650個有するシリコーン樹脂、3)1分子中に、シロキサン単位Aとして式1で示されるシロキサン単位を1〜390個、シロキサン単位Bとして式2で示されるシロキサン単位を1〜70個及び式3で示されるシロキサン単位を1〜70個、シロキサン単位Cとして式4で示されるシロキサン単位を1〜560個及び式5で示されるシロキサン単位を1〜650個有するシリコーン樹脂、4)1分子中に、シロキサン単位Aとして式1で示されるシロキサン単位を1〜390個、シロキサン単位Bとして式3で示されるシロキサン単位を1〜70個、シロキサン単位Cとして式4で示されるシロキサン単位を1〜560個有するシリコーン樹脂、5)1分子中に、シロキサン単位Aとして式1で示されるシロキサン単位を1〜390個、シロキサン単位Bとして式2で示されるシロキサン単位を1〜70個及び式3で示されるシロキサン単位を1〜70個、シロキサン単位Cとして式4で示されるシロキサン単位を1〜560個有するシリコーン樹脂、6)1分子中に、シロキサン単位Aとして式1で示されるシロキサン単位を1〜370個、シロキサン単位Bとして式2で示されるシロキサン単位を1〜70個、シロキサン単位Cとして式5で示されるシロキサン単位を1〜650個有するシリコーン樹脂、7)1分子中に、シロキサン単位Aとして式1で示されるシロキサン単位を1〜370個、シロキサン単位Bとして式3で示されるシロキサン単位を1〜70個、シロキサン単位Cとして式5で示されるシロキサン単位を1〜650個有するシリコーン樹脂、8)1分子中に、シロキサン単位Aとして式1で示されるシロキサン単位を1〜370個、シロキサン単位Bとして式2で示されるシロキサン単位を1〜70個及び式3で示されるシロキサン単位を1〜70個、シロキサン単位Cとして式5で示されるシロキサン単位を1〜650個有するシリコーン樹脂が好ましい。
【0030】
本発明の処理剤に第2成分として用いるシリコーン樹脂は、アミノ当量1000〜100000のものとするが、1500〜30000のものとするのが好ましく、また重量平均分子量1000〜100000のものとするが、5000〜50000のものとするのが好ましい。
【0031】
本発明の処理剤に第2成分として用いるシリコーン樹脂は、以上説明したように、シロキサン単位Aとシロキサン単位Bとシロキサン単位Cとを主構成単位とし、通常は全構成単位中にこれらのシロキサン単位を合計で65モル%以上有するものであるが、これらのシロキサン単位を合計で70モル%以上有するものが好ましく、これらのシロキサン単位を合計で85モル%以上有するものがより好ましい。
【0032】
本発明の処理剤に第2成分として用いるシリコーン樹脂において、シロキサン単位A、シロキサン単位B及びシロキサン単位C以外のシロキサン単位としては、これらのシロキサン単位A〜Cを形成するために用いた相当する各シラン化合物から結果として形成されるシロキサン単位が挙げられる。一般的には、ケイ素原子に水酸基、アルキルオキシ基又は置換基を有するアルキルオキシ基が直結したシロキサン単位が挙げられ、具体的には、(HO)SiO1/2、(HO)SiO2/2、(HO)SiO3/2、(HO)XSiO1/2、(HO)SiO1/2、(HO)XSiO2/2、(HO)SiO1/2、(HO)RSiO2/2、(HO)(R11O)SiO1/2、(HO)(R11O)SiO1/2、(HO)(R11O)SiO2/2、(R11O)SiO2/2、(R11O)SiO3/2、(R11O)XSiO1/2、(HO)(R11O)XSiO1/2、(R11O)SiO1/2、(R11O)XSiO2/2、(HO)(R11O)RSiO1/2、(R11O)SiO1/2、(R11O)RSiO2/2で示されるシロキサン単位が挙げられる(但し、R,R,X,Xは式2〜式5について前記したことと同じ、またR11Oはアルキルオキシ基又は置換基を有するアルキルオキシ基)。
【0033】
本発明の処理剤に供する第3成分は、式7で示される有機リン酸エステル塩及び/又は式8で示される有機リン酸エステル塩である。
【0034】
式7で示される有機リン酸エステル塩には、1)式7中のnが1である場合の有機リン酸モノエステル塩、2)式7中のnが2である場合の有機リン酸ジエステル塩、3)これらの混合物が含まれる。
【0035】
式7で示される有機リン酸エステル塩において、式7中のRは、炭素数12〜26の脂肪族炭化水素基である。これには例えば、1)ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、エイコシル基、ドコシル基、テトラコシル基、ヘキサコシル基等の炭素数12〜26の直鎖状脂肪族炭化水素基、2)イソドデシル基、イソトリデシル基、イソテトラデシル基、イソヘキサデシル基、イソオクタデシル基、イソエイコシル基、イソドコシル基、イソテトラコシル基、イソヘキサコシル基等の炭素数12〜26の分岐状脂肪族炭化水素基等が挙げられるが、なかでもイソドデシル基、イソトリデシル基、イソテトラデシル基、イソヘキサデシル基、イソオクタデシル基等の炭素数12〜18の分岐状脂肪族炭化水素基が好ましい。
【0036】
式7で示される有機リン酸エステル塩において、式7中のMとしては、1)モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン等の低級アルカノールアミン、2)メチルジエタノ−ルアミン、ブチルジエタノ−ルアミン、ジブチルエタノ−ルアミン、ブチルモノエタノ−ルアミン、オクチルジエタノールアミン、ドデシルジエタノールアミン等のN−アルキル置換アルカノールアミン、3)ナトリウム、カリウム、リチウム等のアルカリ金属が挙げられるが、なかでもN−アルキル置換アルカノールアミン、ナトリウム、カリウムが好ましい。
【0037】
式7で示される有機リン酸エステル塩は、公知の方法で合成できる。例えば、高級アルコールに無水リン酸を反応させて相当する酸性有機リン酸エステルを得た後、この酸性有機リン酸エステルをアルカノールアミン又は水酸化アルカリを用いて中和することにより合成できる。
【0038】
式8で示される有機リン酸エステル塩には、1)式8中のsが1である場合の有機リン酸モノエステル塩、2)式8中のsが2である場合の有機リン酸ジエステル塩、3)これらの混合物が含まれる。
【0039】
式8で示される有機リン酸エステル塩において、式8中のR10は、式7中のRについて前記したことと同じである。また式8中のMも、式7中のMについて前記したことと同じである。式8中のYとしては、1)オキシエチレン単位の繰り返し数が1〜10の(ポリ)オキシエチレンジオールから全ての水酸基を除いた残基、2)オキシプロピレン単位の繰り返し数が1〜10の(ポリ)オキシプロピレンジオールから全ての水酸基を除いた残基、3)オキシエチレン単位及びオキシプロピレン単位の繰り返し数が2〜10のポリオキシアルキレンジオールから全ての水酸基を除いた残基が挙げられるが、なかでもオキシエチレン単位及び/又はオキシプロピレン単位の繰り返し数が2〜6のポリオキシアルキレンジオールから全ての水酸基を除いた残基が好ましく、オキシエチレン単位の繰り返し数が2〜6のポリオキシエチレンジオールから全ての水酸基を除いた残基がより好ましい。
【0040】
式8で示される有機リン酸エステル塩は、公知の方法で合成できる。例えば、高級アルコールのアルキレンオキサイド付加物に無水リン酸を反応させて相当する酸性有機リン酸エステルを得た後、この酸性有機リン酸エステルをアルカノールアミン又は水酸化アルカリを用いて中和することにより合成できる。
【0041】
本発明の処理剤に供する第3成分としては、式7で示される有機リン酸エステル塩又は式8で示される有機リン酸エステル塩を単独で用いることができ、また式7で示される有機リン酸エステル塩と式8で示される有機リン酸エステル塩とを混合して用いることもできるが、なかでも式8で示される有機リン酸エステル塩が好ましく、有機リン酸エステルアルカリ金属塩がより好ましい。
【0042】
本発明の処理剤は、以上説明した第1成分と第2成分との2成分系から成るもの、又は以上説明した第1成分と第2成分と第3成分との3成分系から成るものである。本発明の処理剤において、それが第1成分と第2成分との2成分系から成るものの場合、第1成分/第2成分=100/0.1〜100/30(重量比)の割合で含有して成るものとするが、第1成分/第2成分=100/1〜100/10(重量比)の割合で含有して成るものとするのが好ましい。またそれが第1成分と第2成分と第3成分との3成分系から成るものの場合、第1成分と第2成分との含有割合については前記と同様とし、更に第1成分と第2成分と第3成分との合計/第3成分=100/0.01〜100/20(重量比)の割合で含有して成るものとするが、第1成分と第2成分と第3成分との合計/第3成分=100/0.05〜100/5(重量比)の割合で含有して成るものとするのが好ましい。
【0043】
本発明の処理剤は、以上説明したような2成分系から成るもの又は3成分系から成るものであるが、目的に応じて他の成分を併用することもできる。かかる他の成分としては、いずれもそれ自体は公知の、ポリエーテル変性シリコーン、アミノ変性シリコーン、アルキル変性シリコーン、アルキルアラルキル変性シリコーン等の平滑性向上剤、MQレジン、MTQレジン、MDTQレジンと称されるアミノ基を有しないシリコーン樹脂、高級脂肪酸のアルカリ土類金属塩、タルク等の解舒性向上剤、他のアニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤等の静電気防止剤等が挙げられる。
【0044】
本発明の処理剤は、乾式紡糸、溶融紡糸、湿式紡糸等、いずれの方式で製造されるポリウレタン系弾性繊維に対しても適用できるが、なかでも溶融紡糸で製造されるポリウレタン系弾性繊維に適用するのが好ましい。
【0045】
本発明の処理方法は、以上説明した本発明の処理剤を、溶剤等で希釈することなくそのまま給油するニート給油法により、ポリウレタン系弾性繊維に付着させる方法である。その付着工程は、紡糸後でパッケージに巻き取るまでの間の工程である。付着方法としては、ローラー給油法、ガイド給油法、スプレー給油法等の公知の方法が適用できる。本発明の処理剤の付着量は、ポリウレタン系弾性繊維に対し0.1〜10重量%となるようにするが、3〜7重量%となるようにするのが好ましい。
【0046】
【発明の実施の形態】
本発明の処理剤の実施形態としては、次の1)〜9)が挙げられる。
1)下記の第1成分(E−1)と下記の第2成分(S−1)と下記の第3成分(D−1)とから成り、且つ該第1成分(E−1)/該第2成分(S−1)=100/1.54(重量比)の割合で、また該第1成分(E−1)と該第2成分(S−1)と該第3成分(D−1)との合計/該第3成分(D−1)=100/1(重量比)の割合で含有して成る処理剤(P−1)。
第1成分(E−1):25℃における粘度が10×10−6/sのシリコーンオイル
第2成分(S−1):全構成単位中にシロキサン単位Aとシロキサン単位Bとシロキサン単位Cとを合計で92モル%有するシリコーン樹脂であり、該シロキサン単位Aがトリメチルシロキサン単位、該シロキサン単位BがN−(2−アミノエチル)―3―イミノプロピルシロキサン単位、該シロキサン単位Cが式4で示されるシロキサン単位であって、且つ1分子中に該シロキサン単位Aを265個、該シロキサン単位Bを1個、該シロキサン単位Cを311個有し、該シロキサン単位Aの個数/該シロキサン単位Cの個数=0.85である、アミノ当量20170、重量平均分子量40300のシリコーン樹脂(S−1)
第3成分(D−1):リン酸α−イソドデシル−ω−ヒドロキシ(ポリオキシエチレン)ナトリウム(但し、オキシエチレン単位の繰り返し数は2、以下、v=2とする)
【0047】
2)前記の第1成分(E−1)と下記の第2成分(S−2)と前記の第3成分(D−1)とから成り、且つ該第1成分(E−1)/該第2成分(S−2)=100/5.88(重量比)の割合で、また該第1成分(E−1)と該第2成分(S−2)と該第3成分(D−1)との合計/該第3成分(D−1)=100/1(重量比)の割合で含有して成る処理剤(P−2)。
第2成分(S−2):全構成単位中にシロキサン単位Aとシロキサン単位Bとシロキサン単位Cとを合計で88モル%有するシリコーン樹脂であり、該シロキサン単位Aがトリメチルシロキサン単位、該シロキサン単位BがN−フェニル―3―イミノプロピルシロキサン単位、該シロキサン単位Cが式4で示されるシロキサン単位であって、且つ1分子中に該シロキサン単位Aを107個、該シロキサン単位Bを2個、該シロキサン単位Cを107個有し、該シロキサン単位Aの個数/該シロキサン単位Cの個数=1である、アミノ当量7740、重量平均分子量15500のシリコーン樹脂(S−2)
【0048】
3)下記の第1成分(E−2)と下記の第2成分(S−3)と下記の第3成分(D−2)とから成り、且つ該第1成分(E−2)/該第2成分(S−3)=100/0.51(重量比)の割合で、また該第1成分(E−3)と該第2成分(S−3)と該第3成分(D−2)との合計/該第3成分(D−2)=100/1(重量比)の割合で含有して成る処理剤(P−3)。
第1成分(E−2):25℃における粘度が10×10−6/sのシリコーンオイル
第2成分(S−3):全構成単位中にシロキサン単位Aとシロキサン単位Bとシロキサン単位Cとを合計で89モル%有するシリコーン樹脂であり、該シロキサン単位Aがオクタデシルジメチルシロキサン単位、該シロキサン単位BがN−(2,4−ジカルボキシベンゼン−カルボニル)―3―イミノプロピルシロキサン単位、該シロキサン単位Cが式4で示されるシロキサン単位であって、且つ1分子中に該シロキサン単位Aを132個、該シロキサン単位Bを4個、該シロキサン単位Cを132個有し、該シロキサン単位Aの個数/該シロキサン単位Cの個数=1である、アミノ当量12100、重量平均分子量48700のシリコーン樹脂(S−3)
第3成分(D−2):リン酸α−イソオクタデシル−ω−ヒドロキシ(ポリオキシエチレン)カリウム(v=2)
【0049】
4)前記の第1成分(E−1)と前記の第2成分(S−1)と下記の第3成分(D−3)とから成り、且つ該第1成分(E−1)/該第2成分(S−1)=100/1.54(重量比)の割合で、また該第1成分(E−1)と該第2成分(S−1)と該第3成分(D−3)との合計/該第3成分(D−3)=100/1(重量比)の割合で含有して成る処理剤(P−4)。
第3成分(D−3):リン酸イソドデシル=ジブチルエタノールアミン
【0050】
5)前記の第1成分(E−1)と前記の第2成分(S−2)と前記の第3成分(D−3)とから成り、且つ該第1成分(E−1)/該第2成分(S−2)=100/1.57(重量比)の割合で、また該第1成分(E−1)と該第2成分(S−2)と該第3成分(D−3)との合計/該第3成分(D−3)=100/3(重量比)の割合で含有して成る処理剤(P−5)。
【0051】
6)前記の第1成分(E−2)と前記の第2成分(S−3)と下記の第3成分(D−4)とから成り、且つ該第1成分(E−2)/該第2成分(S−3)=100/3.65(重量比)の割合で、また該第1成分(E−2)と該第2成分(S−3)と該第3成分(D−4)との合計/該第3成分(D−4)=100/0.5(重量比)の割合で含有して成る処理剤(P−6)。
第3成分(D−4):リン酸ドデシル=ジブチルエタノールアミン
【0052】
7)前記の第1成分(E−1)と前記の第2成分(S−1)とから成り、且つ該第1成分(E−1)/該第2成分(S−1)=100/1.52(重量比)の割合で含有して成る処理剤(P−20)。
【0053】
8)前記の第1成分(E−1)と前記の第2成分(S−2)とから成り、且つ該第1成分(E−1)/該第2成分(S−2)=100/5.82(重量比)の割合で含有して成る処理剤(P−21)。
【0054】
9)前記の第1成分(E−2)と前記の第2成分(S−3)とから成り、且つ該第1成分(E−2)/該第2成分(S−3)=100/0.50(重量比)の割合で含有して成る処理剤(P−22)。
【0055】
本発明の処理方法の実施形態としては、次の10)が挙げられる。
10)前記1)〜9)の処理剤を、希釈することなくニート給油法により、紡糸後でパッケージに捲き取るまでの間のポリウレタン系弾性繊維に対し、3〜7重量%となるよう付着させるポリウレタン系弾性繊維の処理方法。
【0056】
以下、本発明の構成及び効果をより具体的にするため実施例を挙げるが、本発明が該実施例に限定されるというものではない。尚、以下の実施例等において、別に記載しない限り部は重量部を示し、%は重量%を示す。
【0057】
【実施例】
・試験区分1(第2成分としてのシリコーン樹脂の合成)
・シリコーン樹脂(S−1)の合成
ヘキサメチルジシロキサン215g(1.3モル)、水240g、メタンスルホン酸2.0g及びテトラエトキシシラン647g(3.1モル)を反応容器に仕込み、加温して反応系の温度を78℃に保ち、24時間加温撹拌した。次いで、炭酸水素ナトリウム1.78gを加えて中和した後、5時間還流し、熟成した。その後、キシレン640gを反応容器に仕込み、水及び反応により副生したエタノールを留去してキシレン溶液に置換後、濾過した。得られた濾液の有効濃度(キシレン溶液中の樹脂濃度)を50%に調整した後、その200gを別の反応容器に仕込み、N−(2−アミノエチル)−3−イミノプロピルトリメトキシシラン0.55g(2.5×10−3モル)と水0.13gを加え、80℃で0.1時間反応を行なった。反応溶液からキシレン、水及びメタノールを減圧下に留去して、シリコーン樹脂(S−1)を得た。シリコーン樹脂(S−1)について、以下の分析を行なったところ、このシリコーン樹脂(S−1)は、全構成単位中に、式1中のR、R、Rがメチル基である場合の式1で示されるシロキサン単位と、式3中のXがN−(2−アミノエチル)−3−イミノプロピル基である場合の式3で示されるシロキサン単位と、式4で示されるシロキサン単位とを合計で92モル%有し、分子中に式1で示されるシロキサン単位を265個、式3で示されるシロキサン単位を1個、式4で示されるシロキサン単位を311個有する、アミノ当量20170、重量平均分子量43000のシリコーン樹脂であった。
【0058】
・結合シロキンサン単位の分析:シリコーン樹脂(S−1)を、元素分析、ICP発光分光分析、FT−IRスペクトル分析に供して、全炭素含有量及びケイ素含有量を測定すると共に、ケイ素−炭素結合、ケイ素―酸素―ケイ素結合を確認した。これらの分析値、固体の29SiについてCP/MASのNMRスペクトルの積分値、原料として用いたヘキサメチルジシロキサンの炭素数及びN−(2−アミノエチル)−3−イミノプロピルトリメトキシシランの炭素数より、式1で示されるシロキサン単位、式3で示されるシロキサン単位、式4で示されるシロキサン単位の割合を算出した。
【0059】
・分子中のシロキサン単位の個数の算出:前記で求めた結合シロキンサン単位の割合、シリコーン樹脂(S−1)を構成するシロキサン単位の理論分子量及び下記の重量平均分子量の測定値から分子中のシロキサン単位の個数を算出した。
【0060】
・重量平均分子量
シリコーン樹脂(S−1)について、TSK−GEL SUPER4000、TSK−GEL SUPER3000及びTSK−GEL SUPER2000(いずれも東ソー社製の商品名)のポリスチレン系カラムを直列に接続したカラムを用い、移動層をTHFの条件で測定して、ポリスチレン換算により、重量平均分子量を求めた。
【0061】
・アミノ当量
キシレン/無水酢酸=80/20(容積比)混合物に、シリコーン樹脂(S−1)を溶解させた後、滴定液として0.1モル/Lの過塩素酸メタノール溶液を用い、電位差滴定により測定した。
【0062】
・シリコーン樹脂(S−2)〜(S−14)及び(r−1)〜(r−12)の合成
シリコーン樹脂(S−1)の場合と同様にして、シリコーン樹脂(S−2)〜(S−14)及び(r−1)〜(r−12)を合成し、分析した。合成した各シリコーン樹脂の内容を表1に示した。
【0063】
【表1】
Figure 0004318282
【0064】
表1において、
個数:1分子中のシロキサン単位の個数
*1:第2成分としてのシリコーン樹脂を構成する全構成単位中のシロキサン単位Aとシロキサン単位Bとシロキサン単位Cとの合計モル%
*2:式1で示されるシロキサン単位Aの個数/式4で示されるシロキサン単位Cの個数
*3:式1で示されるシロキサン単位Aの個数/式5で示されるシロキサン単位Cの個数
*4:アミノ当量
*5:重量平均分子量
【0065】
A−1:トリメチルシロキサン単位[R=CH、R=CH、R=CHである場合の式1で示されるシロキサン単位]
A−2:オクタデシルジメチルシロキサン単位[R=C1837、R=CH、R=CHである場合の式1で示されるシロキサン単位]
B−1:3−アミノプロピルメチルシロキサン単位[X=NH、R=CHである場合の式2で示されるシロキサン単位]
B−2:N−フェニル−3−イミノプロピルメチルシロキサン単位(X=C−NHC、R=CHである場合の式2で示されるシロキサン単位)
B−3:N−(2−カルボキシエチルカルボニル)−3−イミノプロピルメチルシロキサン単位(X=HOOC−C−CONH−C−NHC、R=CHである場合の式2で示されるシロキサン単位)
B−5:N−(2−アミノエチル)―3―イミノプロピルメチルシロキサン単位(X=NH−CNHC、R=CHである場合の式2で示されるシロキサン単位)
B−6:3−アミノプロピルシロキサン単位(X=NHである場合の式3で示されるシロキサン単位)
B−7:N−フェニル−3−イミノプロピルシロキサン単位(X=C−NHCである場合の式3で示されるシロキサン単位)
B−8:N−(2−カルボキシエチルカルボニル)−3−イミノプロピルシロキサン単位(X=HOOC−C−CONH−Cである場合の式3で示されるシロキサン単位)
B−9:N−(2,4−ジカルボキシベンゼン−カルボニル)−3−イミノプロピルシロキサン単位[X=(HOOC)CONH−Cである場合の式3で示されるシロキサン単位]
B−10:N−(2−アミノエチル)―3―イミノプロピルシロキサン単位(X=NH−NH−Cである場合の式3で示されるシロキサン単位)
C−1:式4で示されるシロキサン単位
C−2:フェニルシロキサン単位(R=Cである場合の式5で示されるシロキサン単位)
C−3:n−デシルシロキサン単位(R=C1021である場合の式5で示されるシロキサン単位)
【0066】
・試験区分2(処理剤の調製)
・実施例1{処理剤(P−1)の調製}
第1成分として25℃における粘度が10×10−6/sのシリコーンオイル(E−1)97.5部、第2成分として試験区分1で合成したシリコーン樹脂(S−1)1.5部及び第3成分としてリン酸α−イソドデシル−ω−ヒドロキシ(ポリオキシエチレン)ナトリウム(v=2)(D−1)1部を混合し、20〜25℃の温度で均一になるまで攪拌して処理剤(P−1)を調製した。
【0067】
・実施例2〜30及び比較例1〜14{処理剤(P−2)〜(P−33)及び処理剤(R−1)〜(R−14)の調製}
実施例1の処理剤(P−1)と同様にして、実施例2〜30の処理剤(P−2)〜(P−33)及び比較例1〜14の処理剤(R−1)〜(R−14)を調製した。これらの処理剤の内容を表2と表3にまとめて示した。
【0068】
【表2】
Figure 0004318282
【0069】
【表3】
Figure 0004318282
【0070】
表2及び表3において、
割合:部
*6:第1成分/第2成分=100/x(重量比)におけるxの値
*7:(第1成分+第2成分+第3成分)/第3成分=100/y(重量比)におけるyの値
*8:第1成分/第2成分等=100/z(重量比)におけるzの値
【0071】
E−1:25℃における粘度が10×10−6/sのシリコーンオイル
E−2:25℃における粘度が20×10−6/sのシリコーンオイル
E−3:(25℃における粘度が20×10−6/sのシリコーンオイル)/(25℃における粘度が19×10−6/sの精製パラフィン油)=75/25(重量比)の混合物
E−4:(25℃における粘度が10×10−6/sのシリコーンオイル)/(25℃における粘度が19×10−6/sのポリαオレフィン油)=85/15(重量比)の混合物
S−1〜S−14,r−1〜r−12:試験区分1で合成したシリコーン樹脂
D−1:リン酸α−イソドデシル−ω−ヒドロキシ(ポリオキシエチレン)=ナトリウム(v=2)
D−2:リン酸α−イソオクタデシル−ω−ヒドロキシ(ポリオキシエチレン)=カリウム(v=2)
D−3:リン酸イソドデシル=ジブチルエタノールアミン
D−4:リン酸ドデシル=ジブチルエタノールアミン
【0072】
・試験区分3(ポリウレタン系弾性繊維の処理)
・実施例31〜60及び比較例15〜28
分子量1000のポリテトラメチレングリコールとジフェニルメタンジイソシアネートとから得たポリウレタン重合体を用いて溶融紡糸したポリウレタン系弾性繊維に、試験区分2で調整した各処理剤をローラーオイリング法で表4及び表5に記載の付着量となるようニート給油し、引き続き600m/分の速度で糸管に巻き取り、捲き幅38mm、捲き量400gの、繊度22デシテックスの処理済みポリウレタン系弾性繊維から成るパッケージを得た。
【0073】
試験区分4(評価)
試験区分3で得たパッケージを下記の評価に供した。結果を表4及び表5にまとめて示した。
・捲形状の評価
パッケージについて、バルジとサドルを計測すると共に、端面における綾落ちを肉眼観察し、捲形状を評価した。
【0074】
バルジ(単位:mm):パッケージの捲き幅の最大値と最小値を計測し、双方の差を下記の基準で評価した。
◎:4mm未満
◎〜○:4mm以上5mm未満
○:5mm以上6mm未満
△:6mm以上7mm未満
×:7mm以上
【0075】
サドル(単位:mm):ポリウレタン系弾性繊維の捲き幅が正面に見えるようにしてパッケージを置き、パッケージの最大円周部分の直径と最小円周部分の直径を計測し、双方の差を下記の基準で評価した。
◎:1mm未満
◎〜○:1mm以上2mm未満
○:2mm以上3mm未満
△:3mm以上4mm未満
×:4mm以上
【0076】
綾落ち:パッケージの端面において、巻き取られた処理済みポリウレタン系弾性繊維が円周面から滑落している程度を肉眼観察し、下記の基準で評価した。
○:綾落ちが認められない
×:綾落ちが認められる
【0077】
・解舒性の評価
第1駆動ローラとこれに常時接する第1遊離ローラ−とで送り出し部を構成し、また第2駆動ローラ−とこれに常時接する第2遊離ローラ−とで巻き取り部を構成して、該送り出し部に対し該巻き取り部を水平方向に20cm離して設置した。第1駆動ローラ−にパッケージを装着し、糸巻の厚さが2mmになるまで解舒して、試料とした。この試料から処理済みポリウレタン系弾性繊維を第2駆動ローラ−に巻き取った。第1駆動ローラ−からの処理済みポリウレタン系弾性繊維の送り出し速度を50m/分で固定する一方、第2駆動ローラ−への該処理済みポリウレタン系弾性繊維の巻き取り速度を50m/分より徐々に上げて、該処理済みポリウレタン系弾性繊維をパッケージから強制解舒した。この強制解舒時において、送り出し部分と巻き取り部分との間で処理済みポリウレタン系弾性繊維の踊りがなくなる時点での巻き取り速度V(m/分)を測定した。そして下記の式により解舒性(%)を求め、下記の基準で評価した。
解舒性(%)=(V−50)×2
◎:解舒性110%未満(全く問題なく、安定に解舒できる)
◎〜○:解舒性110以上125%未満(糸の引き出しに僅かに抵抗があるものの、糸切れの発生は無く、安定に解舒できる)
○:解舒性125以上135%未満(糸の引き出しにやや抵抗があるものの、糸切れの発生は無く、安定に解舒できる)
△:解舒性135以上145%未満(糸の引き出しに明らかに抵抗があり、若干の糸切れもあって、操業にやや問題がある。)
×:解舒性145%以上(糸の引き出しに大きな抵抗があり、糸切れが多発して、操業に大きな問題がある。)
【0078】
・平滑性の評価
エイコー測器社製μメーターを用い、パッケージから引き出した処理済みポリウレタン系弾性繊維に初期張力(T)5gをかけ、糸速度100m/分の速度で走行させたときの2次張力(T)を測定した。そして下記の式により摩擦係数を算出し、下記の基準で評価した。
摩擦係数=(T−T)/(T+T
◎:0.150以上0.200未満
◎〜○:0.200以上0.215未満
○:0.215以上0.230未満
△:0.230以上0.245未満
×:0.245以上
【0079】
・制電性の評価
パッケージから引き出した処理済みポリウレタン系弾性繊維10gの電気抵抗値を、25℃×40%RHの雰囲気下で、電気抵抗測定器(東亜電波工業社製のSM−5E型)を用いて測定し、測定値を次の基準で評価した。
◎:電気抵抗値1.0×10Ω未満(全く問題無く、安定に操業できる)
◎〜○:電気抵抗値1.0×10Ω以上5.0×1010Ω未満(ごくわずかに整経工程で寄りつきがあることがあるが、安定に操業できる)
○:電気抵抗値5.1×1010Ω以上1.0×1011Ω未満(整経工程で若干の寄りつきがあるが、問題なく安定に操業できる)
△:電気抵抗値1.1×1011Ω以上1.0×101 Ω未満(整経工程での寄りつき及び丸編み工程での風綿の付着があるものの、操業性には問題が無い)
×:電気抵抗値1.0×101 Ω以上(整経工程での寄りつきが激しく、丸編み工程での風綿の付着も激しくて、操業できない)
【0080】
【表4】
Figure 0004318282
【0081】
【表5】
Figure 0004318282
【0082】
【発明の効果】
既に明らかなように、以上説明した本発明には、ポリウレタン系弾性繊維の製造工程において優れた捲形状のパッケージを得ることができ、同時にその加工工程において用いるポリウレタン系弾性繊維に優れた解舒性、平滑性及び制電性を付与できるという効果がある。

Claims (15)

  1. 下記の第1成分と下記の第2成分とから成り、且つ該第1成分/該第2成分=100/0.1〜100/30(重量比)の割合で含有してなることを特徴とするポリウレタン系弾性繊維用処理剤。
    第1成分:共に25℃における粘度が2×10−6〜100×10−6/sのシリコーンオイル及び/又は炭化水素油
    第2成分:シロキサン単位Aとシロキサン単位Bとシロキサン単位Cとを主構成単位とするシリコーン樹脂であり、該シロキサン単位Aが下記の式1で示されるシロキサン単位、該シロキサン単位Bが下記の式2で示されるシロキサン単位及び/又は下記の式3で示されるシロキサン単位、該シロキサン単位Cが下記の式4で示されるシロキサン単位及び/又は下記の式5で示されるシロキサン単位であって(ただし、シロキサン単位Bが式2で示されるシロキサン単位であり且つシロキサン単位Cが式4で示されるシロキサン単位である場合を除く)、且つ1分子中に該シロキサン単位Aを1〜550個、該シロキサン単位Bを1〜200個、該シロキサン単位Cを1〜1800個有し、該シロキサン単位Cとして式4で示されるシロキサン単位を有する場合には式1で示されるシロキサン単位の個数/式4で示されるシロキサン単位の個数=0.8〜1.5、また該シロキサン単位Cとして式5で示されるシロキサン単位を有する場合には式1で示されるシロキサン単位の個数/式5で示されるシロキサン単位の個数=0.5〜1.5である、アミノ当量1000〜100000、重量平均分子量1000〜100000のシリコーン樹脂
    【式1】
    Figure 0004318282
    【式2】
    Figure 0004318282
    【式3】
    Figure 0004318282
    【式4】
    Figure 0004318282
    【式5】
    Figure 0004318282
    {式1〜式5において、
    〜R:炭素数1〜24の炭化水素基
    ,X:下記の式6で示される有機基
    【式6】
    Figure 0004318282
    (式6において、
    ,R:炭素数1〜5のアルキレン基
    :水素原子、炭素数1〜5のアルキル基、フェニル基、炭素数4〜22の1〜4価の脂肪族カルボン酸から一つの水酸基を除いた残基又は炭素数6〜22の1〜4価の芳香族カルボン酸から一つの水酸基を除いた残基
    f:0又は1)}
  2. 請求項1記載の第1成分及び第2成分と、更に下記の第3成分とから成り、且つ該第1成分/該第2成分=100/0.1〜100/30(重量比)の割合で、また該第1成分と該第2成分と該第3成分との合計/該第3成分=100/0.01〜100/20(重量比)の割合で含有して成ることを特徴とするポリウレタン系弾性繊維用処理剤。
    第3成分:下記の式7で示される有機リン酸エステル塩及び/又は下記の式8で示される有機リン酸エステル塩
    【式7】
    Figure 0004318282
    【式8】
    Figure 0004318282
    (式7,式8において、
    ,R10:炭素数12〜26の脂肪族炭化水素基
    m,n,r,s:1又は2であって、m+n=3、r+s=3を満足する整数
    ,M:アルカノールアミン又はアルカリ金属
    Y:オキシエチレン単位又はオキシエチレン単位とオキシプロピレン単位とからなるオキシアルキレン単位の繰り返し数が1〜10の(ポリ)オキシアルキレンジオールから全ての水酸基を除いた残基)
  3. 第2成分が、全構成単位中にシロキサン単位Aとシロキサン単位Bとシロキサン単位Cとを合計で85モル%以上有し、且つこれらのシロキサン単位形成用のシラン化合物から形成された他のシロキサン単位を残部として有するシリコーン樹脂である請求項1又は2記載のポリウレタン系弾性繊維用処理剤。
  4. 第2成分が、シロキサン単位Bとして少なくとも式3で示されるシロキサン単位を有するシリコーン樹脂である請求項1〜3のいずれか一つの項記載のポリウレタン系弾性繊維用処理剤。
  5. 第2成分が、シロキサン単位Aが式1で示されるシロキサン単位、シロキサン単位Bが式3で示されるシロキサン単位、シロキサン単位Cが式4で示されるシロキサン単位及び式5で示されるシロキサン単位であって、且つ1分子中に式1で示されるシロキサン単位を1〜390個、式3で示されるシロキサン単位を1〜70個、式4で示されるシロキサン単位を1〜560個、式5で示されるシロキサン単位を1〜650個有する場合のシリコーン樹脂である請求項1〜3のいずれか一つの項記載のポリウレタン系弾性繊維用処理剤。
  6. 第2成分が、シロキサン単位Aが式1で示されるシロキサン単位、シロキサン単位Bが式2で示されるシロキサン単位、シロキサン単位Cが式4で示されるシロキサン単位及び式5で示されるシロキサン単位であって、且つ1分子中に式1で示されるシロキサン単位を1〜390個、式2で示されるシロキサン単位を1〜70個、式4で示されるシロキサン単位を1〜560個、式5で示されるシロキサン単位を1〜650個有する場合のシリコーン樹脂である請求項1〜3のいずれか一つの項記載のポリウレタン系弾性繊維用処理剤。
  7. 第2成分が、シロキサン単位Aが式1で示されるシロキサン単位、シロキサン単位Bが式2で示されるシロキサン単位及び式3で示されるシロキサン単位、シロキサン単位Cが式4で示されるシロキサン単位及び式5で示されるシロキサン単位であって、且つ1分子中に式1で示されるシロキサン単位を1〜390個、式2で示されるシロキサン単位を1〜70個、式3で示されるシロキサン単位を1〜70個、式4で示されるシロキサン単位を1〜560個、式5で示されるシロキサン単位を1〜650個有する場合のシリコーン樹脂である請求項1〜3のいずれか一つの項記載のポリウレタン系弾性繊維用処理剤。
  8. 第2成分が、シロキサン単位Aが式1で示されるシロキサン単位、シロキサン単位Bが式3で示されるシロキサン単位、シロキサン単位Cが式4で示されるシロキサン単位であって、且つ1分子中に式1で示されるシロキサン単位を1〜390個、式3で示されるシロキサン単位を1〜70個、式4で示されるシロキサン単位を1〜560個有する場合のシリコーン樹脂である請求項1〜3のいずれか一つの項記載のポリウレタン系弾性繊維用処理剤。
  9. 第2成分が、シロキサン単位Aが式1で示されるシロキサン単位、シロキサン単位Bが式2で示されるシロキサン単位及び式3で示されるシロキサン単位、シロキサン単位Cが式4で示されるシロキサン単位であって、且つ1分子中に式1で示されるシロキサン単位を1〜390個、式2で示されるシロキサン単位を1〜70個、式3で示されるシロキサン単位を1〜70個、式4で示されるシロキサン単位を1〜560個有する場合のシリコーン樹脂である請求項1〜3のいずれか一つの項記載のポリウレタン系弾性繊維用処理剤。
  10. 第2成分が、シロキサン単位Aが式1で示されるシロキサン単位、シロキサン単位Bが式2で示されるシロキサン単位、シロキサン単位Cが式5で示されるシロキサン単位であって、且つ1分子中に式1で示されるシロキサン単位を1〜370個、式2で示されるシロキサン単位を1〜70個、式5で示されるシロキサン単位を1〜650個有する場合のシリコーン樹脂である請求項1〜3のいずれか一つの項記載のポリウレタン系弾性繊維用処理剤。
  11. 第2成分が、シロキサン単位Aが式1で示されるシロキサン単位、シロキサン単位Bが式3で示されるシロキサン単位、シロキサン単位Cが式5で示されるシロキサン単位であって、且つ1分子中に式1で示されるシロキサン単位を1〜370個、式3で示されるシロキサン単位を1〜70個、式5で示されるシロキサン単位を1〜650個有する場合のシリコーン樹脂である請求項1〜3のいずれか一つの項記載のポリウレタン系弾性繊維用処理剤。
  12. 第2成分が、シロキサン単位Aが式1で示されるシロキサン単位、シロキサン単位Bが式2で示されるシロキサン単位及び式3で示されるシロキサン単位、シロキサン単位Cが式5で示されるシロキサン単位であって、且つ1分子中に式1で示されるシロキサン単位を1〜370個、式2で示されるシロキサン単位を1〜70個、式3で示されるシロキサン単位を1〜70個、式5で示されるシロキサン単位を1〜650個有する場合のシリコーン樹脂である請求項1〜3のいずれか一つの項記載のポリウレタン系弾性繊維用処理剤。
  13. 第1成分が、25℃における粘度が10×10−6〜30×10−6/sのシリコーンオイルである請求項1〜12のいずれか一つの項記載のポリウレタン系弾性繊維用処理剤。
  14. 第3成分が、式8で示される有機リン酸エステル塩である請求項2〜13のいずれか一つの項記載のポリウレタン系弾性繊維用処理剤。
  15. 請求項1〜14のいずれか一つの項記載のポリウレタン系弾性繊維用処理剤を、希釈することなくニート給油法により、紡糸後でパッケージに捲き取るまでの間のポリウレタン系弾性繊維に対し、0.1〜10重量%となるよう付着させることを特徴とするポリウレタン弾性繊維の処理方法。
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