JP4681905B2 - ポリウレタン系弾性繊維紡糸液調製用分散剤、ポリウレタン系弾性繊維紡糸液及びポリウレタン系弾性繊維紡糸液の調製方法 - Google Patents
ポリウレタン系弾性繊維紡糸液調製用分散剤、ポリウレタン系弾性繊維紡糸液及びポリウレタン系弾性繊維紡糸液の調製方法 Download PDFInfo
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Description
R1,R2:炭素数2〜30の脂肪族アミド基、炭素数1〜30のN−モノ置換脂肪族アミノ基、炭素数2〜60のN,N−ジ置換脂肪族アミノ基、下記の化5で示される有機基、下記の化6で示される有機基、下記の化7で示される有機基又は下記の化8で示される有機基、但しR3が水素原子である場合は、少なくとも一方が下記の化5で示される有機基、下記の化6で示される有機基、下記の化7で示される有機基又は下記の化8で示される有機基
R3:水素原子、アルキル基の炭素数が2又は3のヒドロキシアルキル基又は下記の化9で示される有機基
R4,R5:炭素数2〜30の脂肪族アミド基、炭素数1〜30のN−モノ置換脂肪族アミノ基、炭素数2〜60のN,N−ジ置換脂肪族アミノ基、下記の化5で示される有機基、下記の化6で示される有機基、下記の化7で示される有機基又は下記の化8で示される有機基であって、且つ少なくとも一方が下記の化5で示される有機基、下記の化6で示される有機基、下記の化7で示される有機基又は下記の化8で示される有機基
R6:炭素数2〜6のアルキレン基
R7:炭素数2〜30の脂肪族アミド基、炭素数1〜30のN−モノ置換脂肪族アミノ基、炭素数2〜60のN,N−ジ置換脂肪族アミノ基、下記の化5で示される有機基又は下記の化7で示される有機基
R8:アルキル基の炭素数2又は3のヒドロキシアルキル基又は下記の化9で示される有機基
R9:炭素数1〜30の脂肪族炭化水素基
R10:炭素数2又は3のヒドロキシアルキル基
R11:メチル基又はエチル基
X:メチル硫酸基又はエチル硫酸基
p:1〜4
m,n:2又は3
R12:炭素数2〜4のアルキレン基
R13,R16:炭素数1〜30の脂肪族炭化水素基又は炭素数2〜30の脂肪族アシル基
R14,R15:炭素数2〜4のアルキレングリコールから全ての水酸基を除いた残基
A1,A2,A3,A4:合計2〜200個の炭素数2〜4のオキシアルキレン単位で構成されたポリオキシアルキレン基を有するポリアルキレングリコールから全ての水酸基を除いた残基
・実施例1[分散剤(P−1)の調製]
オレイン酸576g(2.04モル)及びジエチレントリアミン103g(1.0モル)をフラスコに仕込み、180℃に保持して、生成する水を窒素気流により留去しながら4時間反応を行い、ジエチレントリアミンのジオクタデセンアミドを得た。このジエチレントリアミンのジオクタデセンアミドを電位差滴定法で分析したところ、アミン価が91.0(KOHmg/g)であった。このジエチレントリアミンのジオクタデセンアミド643.3g(1.0モル)及び水酸化カリウム13gをオートクレーブに仕込み、窒素ガスでパージ後、120℃に加温し、エチレンオキサイド1408g(32モル)を圧入して、反応させた。1時間の熟成反応後、更にプロピレンオキサイド2900g(50モル)を圧入して、反応させた。1時間の熟成反応後、触媒を吸着剤処理により除去し、反応物4848gを得た。得られた反応物を分析したところ、1分子中に2個のオクタデセンアミド基と、合計80個のオキシエチレン単位とオキシプロピレン単位とから構成され且つ該オキシエチレン単位/該オキシプロピレン単位=40/60(モル比)の割合であるポリオキシアルキレン基を有するω−ヒドロキシポリオキシアルキレン基とを有する含窒素化合物であった。これを分散剤(P−1)とした。
実施例1の分散剤(P−1)と同様にして、分散剤(P−2)〜(P−9)を調製した。これらの内容を表1にまとめて示した。
N−オクタデセニル−N−メチルアミノエチルアミノエチルアミン367g(1モル)及び水酸化カリウム4gをオートクレーブに仕込み、窒素ガスでパージ後、120〜140℃に温度を保ちながらプロピレンオキサイド8352(144モル)とエチレンオキサイド4224g(96モル)との混合物を圧入した。1時間の熟成反応後、触媒を吸着剤処理により除去し、反応物12296gを得た。得られた反応物を分析したところ、N−オクタデセニル−N−メチルアミノエチルアミノエチルアミンの二級アミンと一級アミンに対し、合計80個のオキシエチレン単位とオキシプロピレン単位とから構成され且つ該オキシエチレン単位/該オキシプロピレン単位=40/60(モル比)の割合であるポリオキシアルキレン基を有するω−ヒドロキシポリオキシアルキレン基が該二級アミンには1個、また該一級アミンには2個結合した含窒素化合物であった。これを分散剤(P−10)とした。
実施例10の分散剤(P−10)と同様にして、分散剤(P−11)〜(P−15)を調製した。これらの内容を表1にまとめて示した。
オクタデシルクロライド144g(0.5モル)を120〜150℃に保ちながらこれにN,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)アミノエチルアミノ−N’−2−ヒドロキシエチルアミン384g(2モル)を滴下した。滴下終了後10時間、140〜150℃で反応を行ない、未反応物を減圧留去した後、水−エタノールを用いた再結晶により精製して、反応物156gを得た。得られた反応物を分析したところ、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)アミノエチルアミノ−N’−2−ヒドロキシエチル−N’−オクタデシルアミンであった。これを分散剤(P−16)とした。
A−1:オクタデセンアミド基
A−2:ドデカンアミド基
A−3:オクタンアミド基
A−4:オクタデカンアミド基
A−5:ブタンアミド基
A−6:オクタコサンアミド基
A−7:N−ブチルアミノ基
A−8:N−オレイル−N−メチルアミノ基
A−9:N,N−ジラウリルアミノ基
A−10:N−2−ヒドロキシエチル−N−ステアリルアミノ基
A−11:N,N−ビス(2−ヒドロキシ−2−メチルエチル)アミノ基
A−12:ポリオキシアルキレン基が合計10個のオキシエチレン単位とオキシプロピレン単位とから構成され且つ該オキシエチレン単位/該オキシプロピレン単位=50/50(モル比)の割合のものであるω−ヒドロキシポリオキシアルキレン基を有するN,N−ビス(ω−ヒドロキシポリオキシアルキレン)アミノ基
A−13:ポリオキシアルキレン基が合計80個のオキシエチレン単位とオキシプロピレン単位とから構成され且つ該オキシエチレン単位/該オキシプロピレン単位=40/60(モル比)の割合のものであるω−ヒドロキシポリオキシアルキレン基を有するN−ω−ヒドロキシポリオキシアルキレン−N−メチルアミノ基
A−14:ポリオキシアルキレン基が合計160個のオキシエチレン単位とオキシプロピレン単位とから構成され且つ該オキシエチレン単位/該オキシプロピレン単位=50/50(モル比)の割合のものであるω−ヒドロキシポリオキシアルキレン基を有するN−ω−ヒドロキシポリオキシアルキレン−N−ラウリルアミノ基
B−1:合計80個のオキシエチレン単位とオキシプロピレン単位とから構成され且つ該オキシエチレン単位/該オキシプロピレン単位=40/60(モル比)の割合のポリオキシアルキレン基を有するω−ヒドロキシポリオキシアルキレン基
B−2:20個のオキシエチレン単位で構成されたポリオキシエチレン基を有するω−ヒドロキシポリオキシエチレン基
B−3:12個のオキシエチレン単位で構成されたポリオキシエチレン基を有するω−ヒドロキシポリオキシエチレン基
B−4:合計60個のオキシエチレン単位とオキシプロピレン単位とから構成され且つ該オキシエチレン単位/該オキシプロピレン単位=50/50(モル比)の割合のポリオキシアルキレン基を有するω−ヒドロキシポリオキシアルキレン基
B−5:合計10個のオキシエチレン単位とオキシプロピレン単位とから構成され且つ該オキシエチレン単位/該オキシプロピレン単位=50/50(モル比)の割合のポリオキシアルキレン基を有するω−ヒドロキシポリオキシアルキレン基
B−6:合計160個のオキシエチレン単位とオキシプロピレン単位とから構成され且つ該オキシエチレン単位/該オキシプロピレン単位=50/50(モル比)の割合のポリオキシアルキレン基を有するω−ヒドロキシポリオキシアルキレン基
B−7:2−ヒドロキシエチル基
B−8:水素原子
N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)アミノエチルアミン148g(1モル)に、オレイン酸クロライド150g(0.5モル)をキシレン800gに溶解した溶液を、25〜30℃に反応系を保ちながら滴下した。滴下終了後6時間、同温度で反応を行ない、溶媒を減圧留去した後、水−エタノールを用いた再結晶により精製して、反応物196gを得た。得られた反応物を分析したところ、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)アミノエチル=オクタデセンアミドであった。これを分散剤(P−17)とした。
実施例17の分散剤(P−17)と同様にして、分散剤(P−18)〜(P−22)を調製した。これらの内容を表2にまとめて示した。
実施例10の分散剤(P−10)と同様にして、分散剤(P−23)〜(P−27)を調製した。これらの内容を表2にまとめて示した。
C−1:オクタデセンアミド基
C−2:ドデカンアミド基
C−3:オクタデカンアミド基
C−4:ブタンアミド基
C−5:エタンアミド基(アセトアミド基)
C−6:N−オレイルアミノ基
C−7:N,N−ジラウリルアミノ基
C−8:N−2−ヒドロキシエチル−N−オレイルアミノ基
C−9:N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)アミノ基
C−10:ポリオキシアルキレン基が合計20個のオキシエチレン単位とオキシプロピレン単位とから構成され且つ該オキシエチレン単位/該オキシプロピレン単位=50/50(モル比)の割合のものであるω−ヒドロキシポリオキシアルキレン基を有するN−ω−ヒドロキシポリオキシアルキレン−N−オクタデシルアミノ基
C−11:ポリオキシエチレン基が合計40個のオキシエチレン単位で構成されたものであるω−ヒドロキシポリオキシエチレン基を有するN−ω−ヒドロキシポリオキシエチレン−N−ラウリルアミノ基
C−12:ポリオキシアルキレン基が合計10個のオキシエチレン単位とオキシプロピレン単位とから構成され且つ該オキシエチレン単位/該オキシプロピレン単位=50/50(モル比)の割合のものであるω−ヒドロキシポリオキシアルキレン基を有するN,N−ビス(ω−ヒドロキシポリオキシアルキレン)アミノ基
C−13:ポリオキシアルキレン基が合計80個のオキシエチレン単位とオキシプロピレン単位とから構成され且つ該オキシエチレン単位/該オキシプロピレン単位=50/50(モル比)の割合のものであるω−ヒドロキシポリオキシアルキレン基を有するN,N−ビス(ω−ヒドロキシポリオキシアルキレン)アミノ基
C−14:ポリオキシエチレン基が合計10個のオキシエチレン単位で構成されたものであるω−ヒドロキシポリオキシエチレン基を有するN,N−ビス(ω−ヒドロキシポリオキシエチレン)アミノ基
C−15:ポリオキシエチレン基が合計40個のオキシエチレン単位で構成されたものであるω−ヒドロキシポリオキシエチレン基を有するN,N−ビス(ω−ヒドロキシポリオキシエチレン)アミノ基
C−16:N−2−ヒドロキシエチルドデカンアミド基
C−17:ポリオキシエチレン基が合計10個のオキシエチレン単位で構成されたものであるω−ヒドロキシポリオキシエチレン基を有するN−(ω−ヒドロキシポリオキシエチレン)ドデカンアミド基
実施例17の分散剤(P−17)と同様にして、分散剤(P−28)〜(P−33)、(P−38)及び(P−39)を調製した。これらの内容を表3にまとめて示した。
実施例10の分散剤(P−10)と同様にして、分散剤(P−35)〜(P−37)を調製した。これらの内容を表3にまとめて示した。
オクタデシルクロライド28.8(0.1モル)とα−アミノ−ω−ヒドロキシ(ポリオキシアルキレン)(ポリオキシアルキレン基が合計20個のオキシエチレン単位とオキシプロピレン単位で構成され且つ該オキシエチレン単位/該オキシプロピレン単位=50/50(モル比)の割合のもの)518.5g(0.5モル)とを窒素雰囲気下に混合して、150℃で10時間反応させた後、反応系を室温まで冷却し、そこへ水2000gを加え、更に塩酸で弱酸性とした後、エチルエーテル1000gを加えて混合し、静置して、成層分離したエチルエーテル層を回収した。同様の操作を3回行った後、回収したエチルエーテル層からエチルエーテルを留去して、反応物50.3gを得た。得られた反応物を分析したところ、N−オクタデシル−N−ω−ヒドロキポリオキシアルキレンアミンであった。これを分散剤(P−17)とした。
D−1:オクタデカンアミド基
D−2:オクタデセンアミド基
D−3:ドデカンアミド基
D−4:ドコサンアミド基
D−5:ブタンアミド基
D−6:オクタコサンアミド基
D−7:N−ステアリルアミノ基
D−8:N,N−ジラウリルアミノ基
D−9:N−2−ヒドロキシエチル−N−オクタデシルアミノ基
D−10:ポリオキシアルキレン基が合計80個のオキシエチレン単位とオキシプロピレン単位とから構成され且つ該オキシエチレン単位/該オキシプロピレン単位=40/60(モル比)の割合のものであるω−ヒドロキシポリオキシアルキレン基を有するN−ω−ヒドロキシポリオキシアルキレン−N−ラウリルアミノ基
D−11:ポリオキシアルキレン基が合計80個のオキシエチレン単位とオキシプロピレン単位とから構成され且つ該オキシエチレン単位/該オキシプロピレン単位=40/60(モル比)の割合のものであるω−ヒドロキシポリオキシアルキレン基を有するN−ω−ヒドロキシポリオキシアルキレンオクタデセンアミド基
D−12:ポリオキシアルキレン基が合計120個のオキシエチレン単位とオキシプロピレン単位とから構成され且つ該オキシエチレン単位/該オキシプロピレン単位=70/30(モル比)の割合のものであるω−ヒドロキシポリオキシアルキレン基を有するN−ω−ヒドロキシポリオキシアルキレンオクタデセンアミド基
E−1:2−ヒドロキシエチル基
E−2:合計10個のオキシエチレン単位とオキシプロピレン単位で構成され且つ該オキシエチレン単位/該オキシプロピレン単位=50/50(モル比)の割合のポリオキシアルキレン基を有するω−ヒドロキシポリオキシアルキレン基
E−3:合計20個のオキシエチレン単位とオキシプロピレン単位で構成され且つ該オキシエチレン単位/該オキシプロピレン単位=50/50(モル比)の割合のポリオキシアルキレン基を有するω−ヒドロキシポリオキシアルキレン基
E−4:合計80個のオキシエチレン単位とオキシプロピレン単位で構成され且つ該オキシエチレン単位/該オキシプロピレン単位=40/60(モル比)の割合のポリオキシアルキレン基を有するω−ヒドロキシポリオキシアルキレン基
E−5:合計120個のオキシエチレン単位とオキシプロピレン単位で構成され且つ該オキシエチレン単位/該オキシプロピレン単位=70/30(モル比)の割合のポリオキシアルキレン基を有するω−ヒドロキシポリオキシアルキレン基
オクタン酸144g(1モル)及びN−2−ヒドロキシエチルアミノエチルアミン104g(1モル)をフラスコに仕込み、180℃に保持して、生成する水を窒素気流により留去しながら8時間反応を行い、1−(2−ヒドロキシエチル)−2−ヘプチル−2−イミダゾリン230gを得た。得られた1−(2−ヒドロキシエチル)−2−ヘプチル−2−イミダゾリン115g(0.5モル)を70〜90℃に加温して、溶融した後、攪拌しながら同温度でジエチル硫酸77g(0.5モル)を徐々に滴下し、4級化反応を行った。滴下終了後2時間同温度で熟成した後、反応物192gを得た。得られた反応物を分析したところ、1−(2−ヒドロキシエチル)−1−エチル−2−ヘプチル−2−イミダゾリニウムエトサルフェートであった。これを分散剤(P−40)とした。
実施例40の分散剤(P−40)と同様にして、分散剤(P−41)〜(P−46)を調製した。これらの内容を表4にまとめて示した。
F−1:ヘプチル基
F−2:ウンデシル基
F−3:ヘプタデシル基
F−4:ヘプタデセニル基
F−5:ヘンエイコシル基
F−6:ペンチル基
F−7:ヘプタコサニル基
G−1:2−ヒドロキシエチル基
G−2:3−ヒドロキシプロピル基
酢酸1.2g(0.02モル)と水228.4gとをフラスコに仕込み、酢酸水溶液とした。そこへ実施例1の分散剤(P−1)97g(0.02モル)を撹拌しながら注入し、中和反応を行い、中和物の水溶液を得た。この中和物の水溶液を真空乾燥して、固形物を得た。得られた固形物を分散剤(P−47)とした。
実施例47の分散剤(P−47)と同様にして、分散剤(P−48)〜(P−55)を得た。これらの内容を表5にまとめて示した。
実施例1の分散剤(P−1)520g(0.1モル)をフラスコに仕込み、窒素雰囲気下に撹拌しながら80℃に加温し、ジエチル硫酸17.6g(0.11モル)を30分間かけて滴下しつつ、反応温度を80〜85℃に維持して4級化反応させた。更に同温度で2時間熟成して反応物を得た。この反応物に対し水−エタノール混合溶液を用いた再結晶を繰り返して、精製物495gを得た。これを分散剤(P−56)とした。
実施例56の分散剤(P−56)と同様にして、分散剤(P−57)〜(P−62)を得た。これらの内容を表6にまとめて示した。
実施例36の分散剤(P−36)520g(0.1モル)をフラスコに仕込み、窒素雰囲気下に撹拌しながら80℃に加温し、トリブチルホスフェート32g(0.12モル)を30分間かけて滴下しつつ、反応温度を80〜85℃に維持して4級化反応させた。更に同温度で2時間熟成して、反応物を得た。この反応物に対し水−エタノール混合溶液を用いた再結晶を繰り返して、精製物486gを得た。これを分散剤(P−63)とした。
N,N−ビス(ω−ヒドロキシポリオキシアルキレン)ドデシルアミン塩酸塩(ω−ヒドロキシポリオキシアルキレン基が合計80個のオキシエチレン単位とオキシプロピレン単位で構成され且つ該オキシエチレン単位/該オキシプロピレン単位=40/60(モル比)の割合のポリオキシアルキレン基を有するもの)429.5g(0.05モル)と水1300gをオートクレーブに仕込み、窒素ガスでパージ後、80〜100℃に温度を保ちながらエチレンオキサイド6.6g(0.15モル)を圧入した後、同温度で3時間4級化反応させた。室温まで冷却した後、反応物水溶液を別容器に採り、水酸化ナトリウムで中和した後、水を減圧留去して反応物を回収した。回収した反応物に対し水−エタノール混合溶液を用いた再結晶を繰り返して、精製物325gを得た。得られた精製物を分析したところ、N,N−ビス(ω−ヒドロキシポリオキシアルキレン)−N−2−ヒドロキシエチル−N−ドデシルアンモニウム=ヒドロオキシド(ω−ヒドロキシポリオキシアルキレン基が合計80個のオキシエチレン単位とオキシプロピレン単位で構成され且つ該オキシエチレン単位/該オキシプロピレン単位=40/60(モル比)の割合のポリオキシアルキレン基を有するもの)であった。これを分散剤(P−64)とした。
試験区分1で調製した分散剤を用いて次のように試験用の分散液を調製し、該分散液中における固体微粒子の分散安定性を評価した。調製した分散液の内容及び分散安定性の評価結果を表7〜12にまとめて示した。
湿式分散機のポットに、分散媒体としてN,N−ジメチルアセトアミドを200部、表7〜12に記載の固体微粒子を50部、分散剤として試験区分1で調製した分散剤を表7〜12に記載の使用量となる部及び直径0.5mmのガラスビーズを400部仕込み、回転数1500回/分で3時間、湿式分散処理を行なって、分散液を調製した。調製した分散液100mlを密栓付きガラス製100mlメスシリンダーに入れ、25℃にて1か月間放置し、1週間後と1か月間後に外観を観察して、下記の基準で評価した。
◎:5ml未満の透明層が発生した
○:5ml以上で20ml未満の透明層が発生した
△:20ml以上で40ml未満の透明層が発生した
×:40ml以上の透明層が発生した
使用量:固体微粒子100質量部当たりの分散剤の使用量(部)
SP−1:平均粒子径1.5μmのステアリン酸マグネシウム
SP−2:平均粒子径1.0μmのステアリン酸カルシウム
SP−3:平均粒子径0.5μmの酸化亜鉛
分散剤(P−65):ノナエチレンデカアミン1モルにエチレンオキサイド10モルを付加反応させた含窒素化合物
分散剤(P−66):モノデシルヘプタエチレンオクタアミン1モルにエチレンオキサイド70モルを付加反応させた含窒素化合物
分散剤(P−67):ジステアロイルヘプタエチレンオクタアミン1モルにエチレンオキサイド60モルを付加反応させた含窒素化合物
分散剤(R−1):ジエチレントリアミンのジオレイン酸アミド
分散剤(R−2):テトラエチレンペンタミン
分散剤(R−3):α−ドデシル−ω−ヒドロキシ(ポリオキシエチレン)(ポリオキシエチレンが合計10個のオキシエチレン単位からなるもの)
分散剤(R−4):ラウリン酸(ポリオキシエチレン)(ポリオキシエチレンが合計10個のオキシエチレン単位からなるもの)
分散剤(R−5):リン酸トリス(アルキルポリオキシエチレン)(ニッコーケミカルズ社製の商品名ニッコールTDP−2)
試験区分1で調製した分散剤を用いて次のように紡糸液を調製し、乾式ポリウレタン系弾性繊維を製造して、その捲形状、解舒性、平滑性及び制電性を評価した。乾式ポリウレタン系弾性繊維の製造に用いた実施例又は比較例に相当する紡糸液の内容及び評価結果を表13及び14にまとめて示した。
付加比率が1.60となるように、分子量2000のポリテトラメチレンエーテルグリコール2000g(1モル)及びビス−(p−イソシアナートフェニル)−メタン400g(1.6モル)を窒素シールされた撹拌容器に入れ、90℃で3時間反応させて、キャップドグリコールを得た。このキャップドグリコール699gをN,N−ジメチルアセトアミド1093gに溶解し、これに鎖伸長剤としてエチレンジアミン11g(0.18モル)、鎖停止剤としてジエチルアミン1.6g(0.02モル)及びN,N−ジメチルアセトアミド195gの混合物を加えて鎖伸長させ、固形分35.6%の紡糸原液を得た。この紡糸原液に、該紡糸原液中の固形分100重量部当たり0.5重量部となる量の固体微粒子と表13及び14に記載の使用量となる量の分散剤とを含有させ、分散して均一な紡糸液を得た。このとき、湿式分散機を用いて固体微粒子に分散剤を付着させた後に紡糸原液に加えて含有させた場合の分散剤の使用方法をM−1とし、また固体微粒子と分散剤とを紡糸原液にそのまま加えて含有させた場合の分散剤の使用方法をM−2とした。ここで得た紡糸液を用いて、公知の乾式紡糸法により、単糸数4本からなる44デシテックス(40デニール)の弾性糸を紡糸し、捲き幅38mmを与えるトラバースガイドを介して、捲き取り速度約600m/分で、長さ58mmの円筒状紙管に捲き取った。解舒性を評価する場合は500g捲きのパッケージとし、その他を評価する場合は100g捲きのパッケージとした。尚、紡糸直後の繊維に、オイリングローラを用い、粘度が25℃で10×10−6m2/sのジメチルシロキサン80部、粘度が25℃で12×10−6m2/sの鉱物油19部及び平均粒子径0.5μmのステアリン酸マグネシウム1部の混合物からなる油剤を繊維に対して5%となるよう付着させた。
パッケージについて、バルジとサドルを計測すると共に、端面における綾落ちを肉眼観察し、捲形状を評価した。
・・バルジ(単位:mm):パッケージの捲き幅の最大値と最小値を計測し、双方の差を下記の基準で評価した。
◎:4mm未満
◎〜○:4mm以上で5mm未満
○:5mm以上で6mm未満
△:6mm以上で7mm未満
×:7mm以上
・・サドル(単位:mm):ポリウレタン系弾性繊維の捲き幅が正面に見えるようにしてパッケージを置き、その最大円周部分の直径と最小円周部分の直径を計測し、双方の差を下記の基準で評価した。
◎:1mm未満
◎〜○:1mm以上で2mm未満
○:2mm以上で3mm未満
△:3mm以上で4mm未満
×:4mm以上
・・綾落ち:パッケージの端面において、捲き取られたポリウレタン系弾性繊維が円周面から滑落している程度すなわち綾落ちを肉眼観察し、下記の基準で評価した。
○:綾落ちが認められない
×:綾落ちが認められる
第1駆動ローラーとこれに常時接する第1遊動ローラーとで送り出し部を構成し、また第2駆動ローラーとこれに常時接する第2遊動ローラーとで捲き取り部を構成して、該送り出し部に対し該捲き取り部を水平方向に20cm離して設置した。第1駆動ローラーにパッケージを装着し、糸捲の厚さが2mmになるまで解舒して、第2駆動ローラーに捲き取った。このとき、第1駆動ローラーからのポリウレタン系弾性繊維の送り出し速度を50m/分で固定する一方、第2駆動ローラーへの該ポリウレタン系弾性繊維の捲き取り速度を50m/分より徐々に上げて、ポリウレタン系弾性繊維をパッケージから強制解舒した。かかる強制解舒において、送り出し部と捲き取り部との間でポリウレタン系弾性繊維の踊りがなくなる時点での捲き取り速度V(m/分)を測定した。そして下記の式により解舒性(%)を求め、下記の基準で評価した。
解舒性(%)=(V−50)×2
◎:解舒性110%未満(全く問題なく、安定に解舒できる)
◎〜○:解舒性110%以上で125%未満(糸の引き出しに僅かに抵抗があるものの、糸切れの発生は無く、安定に解舒できる)
○:解舒性125%以上で135%未満(糸の引き出しにやや抵抗があるものの、糸切れの発生は無く、安定に解舒できる)
△:解舒性135%以上で145%未満(糸の引き出しに明らかに抵抗があり、若干の糸切れもあって、操業にやや問題がある)
×:解舒性145%以上(糸の引き出しに大きな抵抗があり、糸切れが多発して、操業に大きな問題がある)
エイコー測器社製の商品名μメーターを用い、パッケージから引き出したポリウレタン系弾性繊維に初期張力(T1)5gをかけて、直径3cmで表面粗度5Sの金属ピンに接触角度90度となるよう接触させつつ、糸速度100m/分の速度で走行させたときの2次張力(T2)を測定した。そして下記の式により摩擦係数を算出し、下記の基準で評価した。
摩擦係数=(T2−T1)/(T2+T1)
◎:摩擦係数が0.150以上で0.200未満
◎〜○:摩擦係数が0.200以上で0.215未満
○:摩擦係数が0.215以上で0.230未満
△:摩擦係数が0.230以上で0.245未満
×:摩擦係数が0.245以上
パッケージから引き出したポリウレタン系弾性繊維10gの電気抵抗値を、25℃×40%RHの雰囲気下で、電気抵抗測定器(東亜電波工業社製の商品名SM−5E型)を用いて測定し、測定値を下記の基準で評価した。
◎:電気抵抗値が1.0×109Ω未満(全く問題無く、安定に操業できる)
◎〜○:電気抵抗値が1.0×109Ω以上で5.0×1010Ω未満(ごくわずかに整経工程で寄りつきがあることがあるが、安定に操業できる)
○:電気抵抗値が5.1×1010Ω以上で1.0×1011Ω未満(整経工程で若干の寄りつきがあるが、問題なく安定に操業できる)
△:電気抵抗値が1.1×1011Ω以上で1.0×1012Ω未満(整経工程での寄りつき及び丸編み工程での風綿の付着があるものの、操業性には問題が無い)
×:電気抵抗値が1.0×1012Ω以上(整経工程での寄りつきが激しく、丸編み工程での風綿の付着も激しくて、操業できない)
使用量:固体微粒子100重量部当たりの分散剤の使用量(部)
試験区分1で調製した分散剤を用いて次のように紡糸液を調製し、湿式ポリウレタン系弾性繊維を製造して、試験区分3と同様に捲形状、解舒性、平滑性及び制電性を評価した。湿式ポリウレタン系弾性繊維の製造に用いた実施例又は比較例に相当する紡糸液の内容及び評価結果を表15及び16にまとめて示した。
付加比率が1.60となるように、分子量2000のポリテトラメチレンエーテルグリコール2000g(1モル)及びビス−(p−イソシアナートフェニル)−メタン400g(1.6モル)を窒素シールされた撹拌容器に入れ、90℃で3時間反応させて、キャップドグリコールを得た。このキャップドグリコール699gをN,N−ジメチルアセトアミド1093gに溶解し、これに鎖伸長剤としてエチレンジアミン11g(0.18モル)、鎖停止剤としてジエチルアミン1.6g(0.02モル)及びN,N−ジメチルアセトアミド195gの混合物を加えて鎖伸長させ、固形分35.6%の紡糸原液を得た。この紡糸原液に、該紡糸原液中の固形分100重量部当たり0.5重量部となる量の固体微粒子及び表15、16に記載の使用量となる量の分散剤を含有させ、紡糸液を得た。このとき、湿式分散機を用いて固体微粒子に分散剤を付着させた後に紡糸原液に加えて含有させた場合の分散剤の使用方法をM−1とし、また固体微粒子と分散剤とを紡糸原液にそのまま加えて含有させた場合の分散剤の使用方法をM−2とした。ここで得た紡糸液を用いて、公知の湿式紡糸法により、単糸数6本からなる44デシテックス(40デニール)の弾性糸を紡糸し、捲き幅38mmを与えるトラバースガイドを介して、捲き取り速度約150m/分で、長さ58mmの円筒状紙管に捲き取った。解舒性を評価する場合は500g捲きのパッケージとし、その他を評価する場合は100g捲きのパッケージとした。尚、ここでも、試験区分3と同様に、紡糸直後の繊維に油剤を付着させた。
使用量:固体微粒子100重量部当たりの分散剤の使用量(部)
Claims (14)
- 固体微粒子を含有するポリウレタン系弾性繊維紡糸液を調製するときに用いる分散剤であって、下記の含窒素化合物から選ばれる一つ又は二つ以上から成ることを特徴とするポリウレタン系弾性繊維紡糸液調製用分散剤。
含窒素化合物:下記の化1〜化4で示される含窒素化合物、下記の化1〜化3で示される含窒素化合物を酸で中和した中和塩型含窒素化合物及び下記の化1〜化3で示される含窒素化合物を4級化剤で4級化した4級塩型含窒素化合物から選ばれるもの
R1,R2:炭素数2〜30の脂肪族アミド基、炭素数1〜30のN−モノ置換脂肪族アミノ基、炭素数2〜60のN,N−ジ置換脂肪族アミノ基、下記の化5で示される有機基、下記の化6で示される有機基、下記の化7で示される有機基又は下記の化8で示される有機基、但しR3が水素原子である場合は、少なくとも一方が下記の化5で示される有機基、下記の化6で示される有機基、下記の化7で示される有機基又は下記の化8で示される有機基
R3:水素原子、アルキル基の炭素数が2又は3のヒドロキシアルキル基又は下記の化9で示される有機基
R4,R5:炭素数2〜30の脂肪族アミド基、炭素数1〜30のN−モノ置換脂肪族アミノ基、炭素数2〜60のN,N−ジ置換脂肪族アミノ基、下記の化5で示される有機基、下記の化6で示される有機基、下記の化7で示される有機基又は下記の化8で示される有機基であって、且つ少なくとも一方が下記の化5で示される有機基、下記の化6で示される有機基、下記の化7で示される有機基又は下記の化8で示される有機基
R6:炭素数2〜6のアルキレン基
R7:炭素数2〜30の脂肪族アミド基、炭素数1〜30のN−モノ置換脂肪族アミノ基、炭素数2〜60のN,N−ジ置換脂肪族アミノ基、下記の化5で示される有機基又は下記の化7で示される有機基
R8:アルキル基の炭素数2又は3のヒドロキシアルキル基又は下記の化9で示される有機基
R9:炭素数1〜30の脂肪族炭化水素基
R10:炭素数2又は3のヒドロキシアルキル基
R11:メチル基又はエチル基
X:メチル硫酸基又はエチル硫酸基
p:1〜4
m,n:2又は3)
R12:炭素数2〜4のアルキレン基
R13,R16:炭素数1〜30の脂肪族炭化水素基又は炭素数2〜30の脂肪族アシル基
R14,R15:炭素数2〜4のアルキレングリコールから全ての水酸基を除いた残基
A1,A2,A3,A4:合計2〜200個の炭素数2〜4のオキシアルキレン単位で構成されたポリオキシアルキレン基を有するポリアルキレングリコールから全ての水酸基を除いた残基) - 含窒素化合物が、化1で示される含窒素化合物であって、且つ化1中のR1及びR2が炭素数8〜22の脂肪族アミド基、pが1又は2、m及びnが2、R3が化9で示される有機基であり、化9中のA4が合計5〜100個のオキシエチレン単位及び/又はオキシプロピレン単位で構成されたポリオキシアルキレン基を有するポリアルキレングリコールから全ての水酸基を除いた残基である場合のものである請求項1記載のポリウレタン系弾性繊維紡糸液調製用分散剤。
- 含窒素化合物が、化1で示される含窒素化合物を酸で中和した中和塩型含窒素化合物である請求項1又は2記載のポリウレタン系弾性繊維紡糸液調製用分散剤。
- 含窒素化合物が、化1で示される含窒素化合物を4級化剤で4級化した4級塩型含窒素化合物である請求項1又は2記載のポリウレタン系弾性繊維紡糸液調製用分散剤。
- 含窒素化合物が、化4で示される含窒素化合物であって、且つ化4中のR9が炭素数7〜21の脂肪族炭化水素基、R10が2−ヒドロキシエチル基である場合のものである請求項1記載のポリウレタン系弾性繊維紡糸液調製用分散剤。
- ウレタン系ポリマ、溶媒、固体微粒子及び分散剤を含有するポリウレタン系弾性繊維紡糸液であって、分散剤として請求項1〜5のいずれか一つの項記載のポリウレタン系弾性繊維紡糸液調製用分散剤を含有して成ることを特徴とするポリウレタン系弾性繊維紡糸液。
- 固体微粒子100質量部当たりポリウレタン系弾性繊維紡糸液調製用分散剤を0.1〜15質量部の割合で含有する請求項6記載のポリウレタン系弾性繊維紡糸液。
- 固体微粒子100質量部当たりポリウレタン系弾性繊維紡糸液調製用分散剤を1〜10質量部の割合で含有する請求項6記載のポリウレタン系弾性繊維紡糸液。
- 固体微粒子が、下記の金属元素を有する化合物から成るものであって、且つ平均粒子径が0.1〜50μmのものである請求項6〜8のいずれか一つの項記載のポリウレタン系弾性繊維紡糸液。
金属元素:ナトリウム、マグネシウム、カルシウム、バリウム、亜鉛、アルミニウム及びチタンから選ばれる少なくとも一つ - 金属元素を有する化合物が、金属酸化物及び/又は有機酸金属塩である請求項9記載のポリウレタン系弾性繊維紡糸液。
- 有機酸金属塩が、炭素数12〜22の脂肪酸金属塩である請求項10記載のポリウレタン系弾性繊維紡糸液。
- 脂肪酸金属塩が、ステアリン酸マグネシウム及び/又はステアリン酸カルシウムである請求項11記載のポリウレタン系弾性繊維紡糸液。
- 請求項6〜12のいずれか一つの項記載のポリウレタン系弾性繊維紡糸液を調製する方法であって、固体微粒子及びポリウレタン系弾性繊維紡糸液調製用分散剤を、該固体微粒子に該ポリウレタン系弾性繊維紡糸液調製用分散剤を付着させた後に含有させることを特徴とするポリウレタン系弾性繊維紡糸液の調製方法。
- 固体微粒子にポリウレタン系弾性繊維紡糸液調製用分散剤を湿式分散機を用いて付着させる請求項13記載のポリウレタン系弾性繊維紡糸液の調製方法。
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