JP2018154526A - ハイドロタルサイト類組成物、および、該組成物を含む樹脂添加剤 - Google Patents

ハイドロタルサイト類組成物、および、該組成物を含む樹脂添加剤 Download PDF

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Abstract

【課題】優れた分散性を有するハイドロタルサイト類組成物、および、該ハイドロタルサイト類組成物を用いた添加剤を提供することにある。【解決手段】本発明のハイドロタルサイト類組成物は、ハイドロタルサイト類と有機化合物を含む表面処理剤とを含む。このハイドロタルサイト類の少なくとも一部は、上記表面処理剤で被覆された状態である。この組成物の熱トルエン処理により抽出される抽出物は該組成物の1重量%以下であり、かつ、該抽出物に含まれるカルシウムが該組成物の重量の500ppm以下である。【選択図】なし

Description

本発明は、ハイドロタルサイト類組成物、および、該組成物を含む樹脂添加剤に関する。
ハイドロタルサイト類は、優れたアニオン交換機能を有することから、触媒や医薬品、樹脂(組成物)用添加剤等として広く利用されている。例えば、塩素による劣化を防止する目的でポリウレタン系弾性繊維にハイドロタルサイト類が用いられている(特許文献1)。
樹脂組成物の添加剤として用いる場合、ハイドロタルサイト類が樹脂組成物中で凝集する、または、不均一な分散状態となるといった分散性に関する課題が生じる場合がある。分散性に関する課題はアミド系溶媒を含むポリウレタン系樹脂組成物で特に顕著になる傾向がある。ポリウレタン系樹脂組成物中でのハイドロタルサイト類の分散性を向上させるため、様々な分散剤が提案されている(例えば、特許文献2〜5)。しかしながら、これらの分散剤を用いた場合であっても、分散性の改善効果は、ハイドロタルサイト類の生産バッチごとにバラつきが生じる。このバラつきは樹脂組成物の品質、および、生産安定性の低下につながるおそれがあるため、より安定して高い分散性が発揮することが望まれている。
特開平5−78569号公報 特開2012−193259号公報 特表2003−527476号公報 特開2006−219768号公報 特開2004−76207号公報
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、その主たる目的は、樹脂組成物、特にアミド系溶媒を含むウレタン系樹脂組成物に対する優れた分散性を有するハイドロタルサイト類組成物を提供することにある。
本発明者は、ハイドロタルサイト類の分散性(特に、ポリウレタン系樹脂組成物中での分散性)を向上させる手段について検討を重ねる中で、表面処理剤を含むハイドロタルサイト類組成物において、熱トルエンで抽出されるカルシウムが分散性に影響を与えることを見いだした。
本発明のハイドロタルサイト類組成物は、ハイドロタルサイト類と有機化合物を含む表面処理剤とを含む組成物である。上記ハイドロタルサイト類の少なくとも一部は、上記表面処理剤で被覆された状態である。このハイドロタルサイト類組成物は、熱トルエン処理により抽出される抽出物が該組成物の1重量%以下であり、かつ、該抽出物に含まれるカルシウムがハイドロタルサイト類組成物の重量の500ppm以下である。
1つの実施形態においては、上記抽出物に含まれるカルシウムは、組成物の重量の200ppm以下である。
1つの実施形態においては、上記ハイドロタルサイト類は脱結晶水処理されたものである。
1つの実施形態においては、上記表面処理剤は高級脂肪酸、高級脂肪酸とカルシウム以外の金属との金属塩、アニオン界面活性剤、リン酸エステル、および、カップリング剤から選択される少なくとも1種である。
本発明の別の局面においては、添加剤が提供される。本発明の添加剤は、上記ハイドロタルサイト類組成物を含む。
本発明のさらに別の局面においては、樹脂組成物が提供される。本発明の樹脂組成物は、ウレタン系樹脂、アミド系溶媒、および、上記添加剤を含む。
本発明によれば、優れた分散性を有するハイドロタルサイト類組成物を提供することができる。上記の通り、ハイドロタルサイト類組成物において、熱トルエンで抽出されるカルシウムが、樹脂組成物中での分散性に影響し得る。本発明によれば、ハイドロタルサイト類がカルシウムを含有する場合であっても、樹脂組成物中でのハイドロタルサイト類の分散性を安定的に高めることができる。ハイドロタルサイト類に含まれるカルシウムは、一般的な原料である工業的な金属化合物(例えば、マグネシウム化合物の出発原料である軽焼マグネシウム、あるいは、海水やイオン苦汁に消石灰、生石灰等を添加して得られた水酸化マグネシウム)に由来するものである。そのため、カルシウムを実質的に含まないハイドロタルサイト類を製造することは、製造コストの上昇につながり得る。しかしながら、本発明によれば、ハイドロタルサイト類組成物の製造にかかるコストの上昇も抑えることができる。そのため、本発明のハイドロタルサイト類組成物は、樹脂組成物および樹脂組成物を用いた製品(例えば、繊維)の製造において、品質、および、生産性を向上させることができる。
以下、本発明の実施形態について説明するが、本発明はこれらの実施形態には限定されない。
A.ハイドロタルサイト類組成物
本発明のハイドロタルサイト類組成物は、ハイドロタルサイト類と、有機化合物を含む表面処理剤とを含む。このハイドロタルサイト類は、表面の少なくとも一部が上記表面処理剤で被覆された状態である。このハイドロタルサイト類組成物は、熱トルエン処理により抽出される抽出物(以下、熱トルエン抽出物という)が該組成物の1重量%以下であり、かつ、熱トルエン抽出物に含まれるカルシウムが該組成物の重量の500ppm以下である。熱トルエン抽出物が組成物の1重量%以下であり、かつ、熱トルエン抽出物に含まれるカルシウムの含有量が組成物の重量の500ppm以下であることにより、高い分散性が発揮され得る。さらに、この高い分散性は、従来分散性に改善の余地があると考えられていた表面処理剤を用いた場合であっても得られるため、様々な表面処理剤の選択が可能になる。さらに、高価な表面処理剤を用いることなく、分散性を向上させることができる。また、これまで問題となっていた、ハイドロタルサイト類の生産バッチごとでの分散性のバラつきをも防止し得る。なお、本明細書において、熱トルエン処理により抽出される抽出物とは、本明細書の実施例に記載の熱トルエン抽出法により抽出された抽出物をいう。
ハイドロサイト類組成物において、ハイドロタルサイト類は少なくとも一部が表面処理剤で被覆された状態である。表面処理剤で被覆された状態であることにより、ハイドロタルサイト類が樹脂組成物中でより高い分散性を発揮し得る。
ハイドロタルサイト類組成物の熱トルエン抽出物は、ハイドロタルサイト類組成物の1重量%以下であり、好ましくは0.8重量%以下であり、より好ましくは0.5重量%以下である。熱トルエン抽出物が1重量%以下であることにより、樹脂組成物中での安定した分散性が得られる。熱トルエン抽出物の割合は少ないほど好ましい。コストおよび品質を両立するという観点から、熱トルエン抽出物は、例えば、ハイドロタルサイト類組成物の0.1重量%以上であってもよい。
上記熱トルエン抽出物に含まれるカルシウムの量は、組成物の重量の500ppm以下であり、好ましくは400ppm以下であり、特に好ましくは200ppm以下である。カルシウムの含有量が上記範囲内であることにより、ハイドロタルサイト類組成物が樹脂組成物において膨潤(ゲル化)することを防止し、安定した分散状態を経時的に維持し得る。カルシウムの含有量は好ましくは検出限界値以下である。
上記ハイドロタルサイト類組成物に含まれるカルシウムは、特に制限はなく、熱トルエン抽出物、および、熱トルエン抽出物に含まれるカルシウムが上記の範囲であればよい。ハイドロタルサイト類組成物に含まれるカルシウムは、例えば、1000ppm以下であり、好ましくは750ppm以下である。ハイドロタルサイト類組成物に含まれるカルシウムは、コストおよび品質を両立するという観点から、例えば、100ppm以上であってもよい。なお、カルシウムは、2価の金属イオンであるため、ハイドロタルサイト類を構成する2価の金属イオンとして含まれ得る。しかしながら、上記熱トルエン抽出により抽出されないカルシウムはハイドロタルサイト類に安定した状態で存在しているため、上記膨潤等の要因とはならないと考えられる。
A−1.ハイドロタルサイト類
ハイドロタルサイト類としては、任意の適切なハイドロタルサイト類を用いることができる。ハイドロタルサイト類は、一般式M2+ 1−x3+ (OH)n− x/n・mHOで表される。この一般式において、M2+は、Mg2+、Zn2+、Fe2+、Mn2+、Co2+、Ni2+およびCu2+からなる群より選ばれた少なくとも1種の2価の金属イオンを表す。M3+は、Al3+、Fe3+、Cr3+およびCo3+からなる群より選ばれた少なくとも1種の3価の金属イオンを表す。An−は、OH、CO 2−、SO 2−、NO3−およびClからなる群より選ばれた少なくとも1種の陰イオンを表す。xは0<x≦0.5の数であり、mは0≦m≦1の数であり、nは1≦n≦3である。ハイドロタルサイト類は、天然物であってもよく、合成品であってもよい。カルシウムの含有量を所望の量に調整できるという点からは、合成品が好ましい。
ハイドロタルサイト類の具体例としては、MgAl(OH)16CO・4HO、Mg4.5Al(OH)13CO・3.5HO、MgAl(OH)12CO・3HO、Mg4.5Al(OH)13COMg3.5ZnAl(OH)13CO・3.5HOなどが挙げられる。ハイドロタルサイト類は、1種のみを用いてもよく、2種以上を組み合せて用いてもよい。
ハイドロタルサイト類を合成する場合、任意の適切な方法により、合成することができる。例えば、マグネシウム、アルミニウム等のハイドロタルサイト類を構成する金属の水酸化物、酸化物、炭酸塩等を含むスラリーを調製した後、該スラリーを必要に応じて湿式粉砕処理し、次いで、炭酸ガス、または、炭酸水素塩および炭酸塩等の塩を添加し、加熱混合することにより、合成することができる。また、他の方法としては、アルカリの存在下、炭酸イオンを含む水溶液中でマグネシウム化合物とアルミニウム化合物とを水熱処理する方法が挙げられる。水熱処理を行う場合、マグネシウム源としては、硫酸マグネシウム、塩化マグネシウム、硝酸マグネシウム等の水可溶性塩類および/または平均粒子径10μm以下の酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、塩基性炭酸マグネシウム等の非水溶性マグネシウム化合物を用いることが好ましい。また、アルミニウム源としては、硫酸アルミニウム、塩化アルミニウム等の水可溶性塩類および/または平均粒子径が10μm以下の水酸化アルミニウムを用いることが好ましい。スラリーおよび水溶液の調製に用いる水としては、好ましくはイオン交換水または蒸留水が用いられる。イオン交換水または蒸留水を用いることにより、ハイドロタルサイト類に含まれるカルシウムの量を低減することができる。また、非水溶性の化合物を用いる場合、ビーズミル等の湿式粉砕機、または、ハンマーミル、ジェットミル等の乾式粉砕機を用いて予め上記粒子径になるまで粉砕してもよい。粉砕する際には、1種のみを粉砕工程に供してもよく、2種以上の化合物を同時に粉砕工程に供してもよい。
上記ハイドロタルサイト類を構成する金属の水酸化物、酸化物、炭酸塩等、ならびに、マグネシウム化合物およびアルミニウム化合物としては、カルシウム含有量が低いものを用いることが好ましい。具体的には、カルシウム含有量が100ppm未満のものを用いることが好ましい。また、ハイドロタルサイト類に炭酸イオンを導入するために用いる炭酸水素塩および/または炭酸塩についても、カルシウム含有量が低いものが好ましい。そのため、炭酸ガスを用いて調製されたものを好ましく用いることができる。これらを用いて合成することにより、ハイドロタルサイト類に含まれ得るカルシウムの量を低減することができる。また、炭酸水素塩および/または炭酸塩の使用と併せて炭酸ガスを用いることもハイドロタルサイト類に含まれるカルシウムを低減するうえで有用である。
上記金属の水酸化物、酸化物、炭酸塩等を用いる場合、そのメジアン径(d50)は好ましくは0.1μm〜10μmであり、より好ましくは0.1μm〜3μmである。メジアン径が上記範囲であることにより、ハイドロタルサイト類に含まれるカルシウムを低減させることができる。なお、本明細書において、メジアン径はレーザー回折式粒度分布計を用いて測定した値である。
水熱処理は、任意の適切な方法により行うことができ、通常、オートクレーブ等の耐圧容器中において行う。処理温度(スラリー温度)は、通常、120℃〜250℃であり、好ましくは130℃〜230℃であり、より好ましくは140℃〜230℃である。処理に用いる装置によっては、温度を測定できない場合がある。その場合、容器内の圧力により上記処理反応を調整してもよい。その場合、圧力は、例えば、0.1MPa〜10MPaであり、好ましくは0.2MPa〜4MPaである。処理時間は、例えば、1時間〜10時間であり、好ましくは1時間〜4時間である。
水熱処理後のスラリーは、ろ別した後、ハイドロタルサイト類を含む固形物(ウェットケーキ)とろ液とを分離し、回収した固形物の水洗を行うことが好ましい。水洗は1回のみでもよく、複数回行ってもよい。水洗に用いる水は、好ましくはイオン交換水または蒸留水である。イオン交換水または蒸留水を用いることにより、得られるハイドロタルサイト類に含まれるカルシウムを低減することができる。なお、上記水洗後のケーキを用いて、後述する表面処理を行ってもよい。
次いで、ろ別した固形分を回収し、オーブン等で加熱乾燥させ、必要に応じて乾燥後の固形分を乾式粉砕することより、ハイドロタルサイト類を得ることができる。
1つの実施形態においては、ハイドロタルサイト類は脱結晶水処理されたものである。脱結晶水処理されていることにより、分散性の向上効果がより発揮され得る。脱結晶水処理は任意の適切な方法により行われ得る。例えば、200℃〜350℃で0.5時間〜24時間焼成することにより、脱結晶水処理を行うことができる。脱結晶水処理は、ハイドロタルサイト類のみで行ってもよく、組成物を調製した後に行ってもよい。
A−2.表面処理剤
上記表面処理剤としては、任意の適切な表面処理剤を用いることができる。例えば、高級脂肪酸、高級脂肪酸とカルシウム以外の金属との金属塩、アニオン界面活性剤、リン酸エステル、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、アルミニウムカップリング剤等のカップリング剤が挙げられる。具体的には、ステアリン酸、オレイン酸、エルカ酸、パルミチン酸、ラウリン酸等の高級脂肪酸、これら高級脂肪酸のリチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩等の金属塩、ステアリルアルコール、オレイルアルコール等の高級アルコールの硫酸エステル塩、ポリエチレングリコールエーテルの硫酸エステル塩、アミド結合硫酸エステル塩、エーテル結合スルホン酸塩、エステル結合スルホネート、アミド結合アルキルアリールスルホン酸塩、エーテル結合アルキルアリールスルホン酸塩等のアニオン界面活性剤、オルトリン酸とオレイルアルコール、ステアリルアルコール等のモノ又はジエステル又はこれらの混合物であって、それらの酸型又はアルカリ金属塩又はアミン塩等のリン酸エステル、ビニルエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン等のシランカップリング剤、イソプロピルトリイソステアロイルチタネート、イソプロピルトリス(ジオクチルパイロホスフェート)チタネート、イソプロピルトリデシルベンゼンスルホニルチタネート等のチタンカップリング剤、アセトアルコキシアルミニウムジイソプロピレート等のアルカリカップリング剤等が挙げられる。表面処理剤としては、樹脂への分散性、取扱い性、および、コストの点から、好ましくは高級脂肪酸または高級脂肪酸とカルシウム以外の金属との金属塩であり、より好ましくはステアリン酸、ならびに、ステアリン酸ナトリウムおよびステアリン酸マグネシウム等のステアリン酸とカルシウム以外の金属との金属塩である。
上記の通り、本発明のハイドロタルサイト類組成物は、熱トルエン抽出物がハイドロタルサイト類組成物の1重量%以下である。この熱トルエン抽出物は、代表的には、上記表面処理剤に含まれる有機化合物とカルシウムとの金属塩である。具体的には、表面処理剤として、ステアリン酸を用いる場合、ステアリン酸カルシウムが熱トルエン抽出物の少なくとも一部として抽出し得る。このカルシウム塩がハイドロタルサイト類の分散性を低下させる一因となり得る。ステアリン酸カルシウムのような金属石けんは、紡糸性を改良する添加剤として、ポリウレタン系弾性繊維を製造する際に用いられることが開示されている(例えば、特開2007−100248号公報)。しかしながら、この技術文献の実施例ではステアリン酸マグネシウムのみが用いられている。本件発明者が検討したところ、ステアリン酸カルシウムでは紡糸性を実用的に改善する結果は得られない。本発明では、このようなカルシウム塩をハイドロタルサイト類組成物およびハイドロタルサイト類組成物を含む樹脂組成物に添加しないだけではなく、これらの組成物の製造過程において上記カルシウム塩が形成されることをも抑制する。その結果、ハイドロタルサイト類組成物の分散性を向上させ得る。この点も本発明の特徴の一つである。
上記表面処理剤は、目的に応じて任意の適切な量を用いることができる。例えば、ハイドロタルサイト類100重量部に対して、好ましくは0.1重量部〜10重量部であり、より好ましくは0.5重量部〜3.5重量部である。上記範囲内であれば、表面処理剤を用いることによる分散性の改善効果を十分に得ることができる。また、表面処理剤による不具合(例えば、該ハイドロタルサイト類組成物を含む樹脂成形体のブルーミングおよびベタつき)の発生が防止され得る。
B.ハイドロタルサイト類組成物の製造方法
本発明のハイドロタルサイト類組成物は任意の適切な方法により製造することができる。例えば、任意の適切なハイドロタルサイト類と表面処理剤とを混合することにより製造することができる。
上記の通り、ハイドロタルサイト類は少なくとも一部が表面処理剤で被覆されている。表面処理剤でハイドロタルサイト類を被覆する方法(表面処理方法)としては、任意の適切な方法を用いることができ、湿式法および乾式法等が挙げられる。湿式法による表面処理方法は、例えば、ハイドロタルサイト類を含有するスラリーに溶液またはエマルジョンとして表面処理剤を添加し、撹拌後、必要に応じて100℃までの温度に加熱しながら十分に混合した後、ハイドロタルサイト類をろ過、水洗し、乾燥することにより行うことができる。表面処理剤を溶液またはエマルジョンとして用いる場合、分散媒としてイオン交換水または蒸留水を用いることが好ましい。
上記表面処理剤を添加した後の加熱混合時間(表面処理時間、または、熟成時間ともいう)は、任意の適切な時間に設定することができ、24時間以上であることが好ましい。加熱混合時間が長くなるほど、ハイドロタルサイト類組成物からの熱トルエン抽出物が低減する傾向がある。また、加熱混合時間は、例えば、100時間以下である。熱トルエン抽出物を低減させる効果が小さくなるため、100時間を超えて加熱混合を行う利点は少ないからである。
上記表面処理は、好ましくはナトリウム化合物の存在下で、より好ましくは水溶性のナトリウム化合物の存在下で行う。ナトリウム化合物の存在下で表面処理を行うことにより、ハイドロタルサイト類組成物からの熱トルエン抽出物が低減する傾向にある。ナトリウム化合物としては、任意の適切なナトリウム化合物を用いることができ、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、塩化ナトリウム、水酸化ナトリウム、リン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム等の脂肪酸ナトリウムなどが挙げられる。
湿式法により表面処理を行う場合、例えば、表面処理剤を含む溶液またはエマルジョンのpHをpH7〜pH14に調整したうえで表面処理を行う。このような条件下で表面処理を行うことにより、ハイドロタルサイト類組成物からの熱トルエン抽出物が低減する傾向がある。
表面処理に用いるハイドロタルサイト類を含むスラリーは表面処理工程のために調製してもよい。すなわち、ハイドロタルサイト類の合成過程で得られるウェットケーキを水に分散させたスラリーに表面処理剤を添加することにより、表面処理を行ってもよい。上記加熱混合処理または水熱処理で得られたスラリーに直接表面処理剤を添加し、表面処理を行ってもよい。
C.添加剤
本発明の添加剤は、上記ハイドロタルサイト類組成物を含む。本発明のハイドロタルサイト類は樹脂組成物への分散性に優れるため、樹脂組成物用添加剤として優れた特性を有する。本発明の添加剤は、用途等に応じて、酸化防止剤等の任意の適切な他の成分を含んでいてもよい。
本発明の添加剤は、固形の状態で用いてもよく、任意の適切な溶媒に分散させた状態で用いてもよい。
D.樹脂組成物
本発明の樹脂組成物は、ウレタン系樹脂、アミド系溶媒および上記添加剤を含む。従来のハイドロタルサイト類は、ポリウレタン系繊維の製造に用いられるアミド系溶媒中での均一な分散が難しいという課題がある。本発明のハイドロタルサイト類組成物は、アミド系溶媒中でも良好に分散させることができるため、ハイドロタルサイト類が良好に分散し、溶媒中で固液分離等の経時変化が起こりにくくなる。そのため、経時劣化の少ない樹脂組成物を提供することができる。
本発明の樹脂組成物に含まれる添加剤の含有量は、任意の適切な範囲に設定され得る。樹脂組成物中の添加剤の含有量は、ウレタン系樹脂100重量部に対して、好ましくは0.1重量部〜10重量部である。このような含有量であれば、ハイドロタルサイト類を添加することによる効果を十分に得ることができる。
上記ウレタン系樹脂は、例えば、高分子ジオールとジイソシアネートとを反応させて得られるプレポリマーに、活性水素含有化合物を反応させることにより得られる。
高分子ジオールとしては、任意の適切なジオールを用いることができ、例えば、ポリエステルジオール、ポリカーボネートジオール、ポリエーテルジオール等が挙げられる。好ましくは、ポリエーテルジオールである。高分子ジオールは1種のみを用いてもよく、2種以上を組み合せて用いてもよい。
ジイソシアネートとしては、任意の適切なジイソシアネートを用いることができる。例えば、分子内に2個のイソシアネート基を有する脂肪族、脂環族又は芳香族の有機ジイソシアネートが挙げられる。具体的には、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4−又は2,6−トリレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、4,4′−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート等の有機ジイソシアネートが例示され、好ましくは4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネートである。ジイソシアネートは、1種のみを用いてもよく、2種以上を組み合せて用いてもよい。
活性水素含有化合物としては、任意の適切な化合物を用いることができる。例えば、イソシアネートと反応し得る水素原子を少なくとも2個含有する分子量500以下の低分子化合物を用いることができる。具体的には、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、トリレンジアミン、m−キシリレンジアミン、1,3−ジアミノシクロヘキサン、イソホロンジアミン、ヒドラジン、4,4′−ジアミノジフェニルメタン、ジヒドラジド、ピペラジン等のジアミン類、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール等のジオール類等が挙げられ、好ましくはエチレンジアミン、1,2−プロピレンジアミン等が挙げられる。これらの化合物は、1種のみを用いてもよく、2種以上を組み合せて用いてもよい。
アミド系溶媒としては、任意の適切な溶媒を用いることができる。アミド系溶媒としては、例えば、ジメチルアセトアミドおよびジメチルホルムアミドが挙げられる。好ましくは、ジメチルアセトアミドである。
本発明の樹脂組成物は、上記ハイドロタルサイト類組成物を含む添加剤以外に、用いられる用途に応じて、任意の適切な他の添加剤を含み得る。他の添加剤としては、例えば、紫外線防止剤、酸化防止剤、顔料、充填剤、帯電防止剤、殺菌剤、消臭剤、滑剤等が挙げられる。これらの他の添加剤の使用量は、目的に応じて任意の適切な値に設定される。
本発明の樹脂組成物は任意の適切な方法により調製することができる。例えば、ウレタン系樹脂および任意の溶媒を含む溶液に上記添加剤を添加混合する方法等が挙げられる。混合は任意の適切な手段を用いて行うことができ、例えば、ホモミキサーを用いて混合される。
本発明の樹脂組成物の用途の一例としては、ポリウレタン系繊維の製造が挙げられる。上記樹脂組成物を用いて紡糸する方法としては、湿式紡糸法を用いてもよく、乾式紡糸法を用いてもよい。上記の通り、本発明のハイドロタルサイト類は、溶媒としてアミド系溶媒を用いた場合であっても良好に分散させることができる。そのため、本発明の樹脂組成物は、乾式紡糸法に用いた場合であっても生産性を低下させるという課題の発生を防止し得る。
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例によって限定されるものではない。
[実施例1]
5Lの反応容器に、水酸化マグネシウム(製品名:200−06H、協和化学工業社製、カルシウム含有量:30ppm)111.8g、水酸化アルミニウム(製品名:HIGHLITE H−32、昭和電工社製、メジアン径(d50)=8.0μm、カルシウム含有量:20ppm)74.8gを入れ、全量が3Lになるようにイオン交換水を添加して、5分間攪拌し、スラリーを調製した。このスラリーを、湿式粉砕装置(製品名:ダイノーミルMULTILAB)で12分間(滞留時間)湿式粉砕処理した。その後、粉砕処理したスラリーに炭酸水素ナトリウム(苛性ソーダ(水酸化ナトリウム、AGC旭硝子社製、カルシウム含有量20ppm)に炭酸ガス(岩谷産業社製)を通気し、pH8にしたもの、炭酸水素ナトリウムとして60重量%)を、水酸化マグネシウム1モルに対して1/2モルとなるように添加し、10分間攪拌した。次いで、スラリーをオートクレーブに移し、190℃で4時間水熱処理した(圧力:1.3MPa)。得られたスラリーをろ過し、さらに15Lのイオン交換水で水洗した。その後、ウェットケーキを分取し、該ウェットケーキを3Lのイオン交換水に添加し、スラリー状になるまで混合した。別途、イオン交換水1Lに表面処理剤(花王株式会社製、商品名:ルナック S70 工業用ステアリン酸(カルシウム含有量測定下限値未満))7gを添加し、48%水酸化ナトリウム水溶液でpH10に調整した表面処理剤溶液を調製した。得られたスラリーを95℃に保持しながら、調製した表面処理剤溶液を添加し、48時間表面処理を行った。次いで、該スラリーから固体をろ別し、その後、ろ過ケーキを35℃、15Lのイオン交換水で水洗した。得られた水洗ケーキを100℃で24時間乾燥し、粉砕を行うことによって固形の生成物であるハイドロタルサイト類組成物(サンプルA)を得た。
[実施例2]
3Lの反応容器にイオン交換水400mlを入れ、撹拌下において、塩化マグネシウム6水和物(富田製薬社製、カルシウム含有量:30ppm)と硫酸アルミニウム塩(純正化学社製、カルシウム含有量20ppm)との混合水溶液(Mg含有量33.0g/L、Al含有量17.0g/L)800mlと、苛性ソーダ(水酸化ナトリウム)(AGC旭硝子社製、カルシウム含有量20ppm)と炭酸ソーダ水溶液(水酸化ナトリウムに炭酸ガス(岩谷産業社製)を添加し、pH11にしたもの)との混合水溶液(NaOH含有量166.2g/L、NaCO含有量170g/L)800mlを同時に添加し10分間撹拌したものを、オートクレーブ内で180℃で4時間水熱合成を行った(圧力:1.0MPa)。得られたスラリーをろ過し、さらに15Lのイオン交換水(カルシウム含有量5ppm)で水洗した。その後、ウェットケーキを分取し、該ウェットケーキに3Lのイオン交換水を加え、スラリー状になるまで撹拌した。得られたスラリーを95℃に保持しながら、表面処理剤(花王株式会社製、商品名:ルナック S70 工業用ステアリン酸(カルシウム含有量測定下限値以下))5gを添加した。その後、48%水酸化ナトリウム水溶液をpH10になるよう添加した。調製した表面処理剤溶液を添加し、48時間表面処理を行った。次いで、該スラリーから固体をろ別し、その後、ろ過ケーキを35℃、10Lのイオン交換水で水洗した。得られた水洗ケーキを100℃で24時間乾燥し、粉砕を行うことによって、固形の生成物であるハイドロタルサイト類組成物(サンプルB)を得た。
[実施例3]
実施例2で得られたハイドロタルサイト類組成物をオーブンを用いて250℃で3時間加熱処理し、ハイドロタルサイト類組成物(サンプルB−1)を得た。
[実施例4]
メジアン径(d50)が7.0μmである水酸化アルミニウムを用いた以外は実施例1と同様にして、固形の生成物であるハイドロタルサイト類組成物(サンプルC)を得た。
(比較例1)
カルシウム含有量が1500ppmである水酸化マグネシウム(商品名:MAGSTAR#4、タテホ化学工業社製)を用いたこと、イオン交換水に代えて工業用水を用いたこと、炭酸ナトリウムとして工業用炭酸ナトリウム(セントラル硝子株式会社製、商品名:ソーダ灰(重炭))を用いたこと以外は実施例3と同様にして、固形の生成物であるハイドロタルサイト類組成物(サンプルD)を得た。
(比較例2)
カルシウム含有量が2000ppmである水酸化マグネシウム(商品名:MAGSTAR#20、タテホ化学工業社製)を用いたこと以外は比較例1と同様にして、固形の生成物であるハイドロタルサイト類組成物(サンプルE)を得た。
(比較例3)
比較例2で得られたハイドロタルサイト類組成物をオーブンを用いて250℃で3時間加熱処理し、ハイドロタルサイト類組成物(サンプルE−1)を得た。
(比較例4)
塩化マグネシウム6水和物(カルシウム含有量:30ppm)に代えて、硫酸マグネシウム7水和物(カルシウム含有量:2000ppm、工業用軽焼マグネシウム(タテホ化学工業社製)を硫酸でpH6に調整したもの)を用いたこと、水酸化ナトリウムと工業用炭酸ソーダの混合水溶液を用いたこと、イオン交換水に代えて工業用水を用いたこと以外は実施例2と同様にして、固形の生成物であるハイドロタルサイト類組成物(サンプルF)を得た。
実施例1〜4および比較例1〜4で得られたハイドロタルサイト類組成物を用いて、以下の評価を行った。各ハイドロタルサイト類組成物の特性および評価結果を表1に示す。
1.熱トルエンによる抽出
得られたハイドロタルサイト類組成物5gおよびトルエン(和光純薬特級試薬)100mlをソックスレー抽出器にいれて、10時間加熱し、抽出作業を行った。得られた抽出液を100℃で2時間保持して恒量化し、重量を測定した100mlビーカーに入れ、プレート表面を120℃に設定したホットプレートを用いて蒸発乾固させ、乾固物(熱トルエン抽出物)を得た。次いで、重量を測定し、予め測定したビーカーの重量を引くことにより乾固物の重量を算出した。得られた乾固物の重量に対する最初にソックスレー抽出器に仕込んだハイドロタルサイトの重量の割合を算出し、熱トルエン抽出量とした。

2.熱トルエン抽出物のカルシウム含有量測定
上記熱トルエン抽出物、60%硝酸2ml、エーテル10ml、イオン交換水30mlを容器に入れて、プレート表面を120℃に設定したホットプレートを用いて加熱し、エーテルを除去した。次いで、得られた液を用いて、ICP−MS(セイコーインスツールメンツ株式会社製、製品名:ICP1700HVR)にて熱トルエン抽出物中のカルシウム含有量を測定した。最初に仕込んだハイドロタルサイト類組成物に対する割合を測定し、熱トルエンで抽出されるカルシウム量とした。

3.ハイドロタルサイト類組成物中のカルシウム含有量測定
得られたハイドロタルサイト類組成物0.2g、60%硝酸2ml、90%硫酸2mlを容器に入れ、プレート表面を120℃に設定したホットプレートで加熱し、水分を蒸発させた。その後、室温まで冷却し、60%硝酸2mlを加えた後、プレート表面を120℃に設定したホットプレートで加熱し、水分を蒸発させた。硝酸の添加および加熱の操作を5回繰り返し行った。次いで、水分を蒸発させた試料にイオン交換水を加え、メスフラスコを用いて、100mlの水溶液を調製した。次いで、得られた液を用いて、ICP−MS(セイコーインスツールメンツ株式会社製、製品名:ICP1700HVR)にてハイドロタルサイト類組成物中のカルシウム含有量を測定した。

4.粘度および分散性評価(100メッシュ金属網残さ)
500mlのガラスビーカーにジメチルアセトアミド(DMAC)300gを入れ、次いで得られたハイドロタルサイト類組成物50gを添加し、高速撹拌ディスパーにて3000rpmで3分間撹拌混合し、スラリーを得た。撹拌終了直後のスラリーの粘度をB型粘度計(東機産業株式会社製、製品名:TVB−10)にて測定した。その後、スラリーを2時間放置し、再度粘度を測定し、スラリーの状態を目視で観察した。均一で滑らかなスラリーであるものについては「良好」、視認できるほどの凝集物が存在し、一部分離しているものについては「不良」とした。
次いで、100メッシュ金属網に2時間放置後のスラリーを通過させた。網に残った残さを200mlのエタノールで洗浄した後、オーブンで100℃、12時間乾燥し、重量を測定した。添加したハイドロタルサイト類組成物50gの内、網を通過できなかった量(残さ量)を求めた。

実施例1〜4のハイドロタルサイト類組成物を用いたスラリーは、2時間放置した後であっても、粘度が低く、安定した分散状態を維持していた。一方、比較例1〜4のハイドロタルサイト類組成物を用いたスラリーでは、撹拌直後から粘度が高く、2時間放置後にはその大部分が残さとなっていた。
本発明のハイドロタルサイト類組成物は、例えば、樹脂用添加剤として好適に用いられ得る。

Claims (6)

  1. ハイドロタルサイト類と有機化合物を含む表面処理剤とを含む組成物であって、
    該ハイドロタルサイト類の少なくとも一部が前記表面処理剤で被覆された状態であり、
    該組成物の熱トルエン処理により抽出される抽出物が該組成物の1重量%以下であり、かつ、該抽出物に含まれるカルシウムが該組成物の重量の500ppm以下である、ハイドロタルサイト類組成物。
  2. 前記抽出物に含まれるカルシウムが組成物の重量の200ppm以下である、請求項1に記載のハイドロタルサイト類組成物。
  3. 前記ハイドロタルサイト類が脱結晶水処理されたものである、請求項1または2に記載のハイドロタルサイト類組成物。
  4. 前記表面処理剤が高級脂肪酸、高級脂肪酸とカルシウム以外の金属との金属塩、アニオン界面活性剤、リン酸エステル、および、カップリング剤から選択される少なくとも1種である、請求項1から3のいずれかに記載のハイドロタルサイト類化合物。
  5. 請求項1から4のいずれかに記載のハイドロタルサイト類組成物を含む、添加剤。
  6. ウレタン系樹脂、アミド系溶媒、および、請求項5に記載の添加剤を含む、樹脂組成物。
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