JP2004076207A - ポリウレタン繊維の耐塩素剤 - Google Patents
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Abstract
【課題】ポリウレタン繊維の耐塩素剤に使用されているC10〜C20の高級脂肪酸で表面処理した、または表面処理しないハイドロタルサイト類は、紡糸に使用されるジメチルアセトアミド等の有機溶媒中で強く凝集し、フィルターの目詰まりを生じやすい。その結果、長期間に渡る安定した紡糸操業ができない。
【解決手段】下記式(1)
【化1】
(但し、式中、R1は炭素数5〜25のアルキル基またはアルキレン基、R2は水素またはアルキル基、R3はメチル基またはエーテル基、Aは−SO3Hまたは−COOH、またはそれらのアルカリ金属塩を示す)で表されるアミド結合を有するアニオン系界面活性剤の0.1〜10重量%で表面処理したハイドロタルサイト類をポリウレタン繊維の耐塩素剤として使用する。
【解決手段】下記式(1)
【化1】
(但し、式中、R1は炭素数5〜25のアルキル基またはアルキレン基、R2は水素またはアルキル基、R3はメチル基またはエーテル基、Aは−SO3Hまたは−COOH、またはそれらのアルカリ金属塩を示す)で表されるアミド結合を有するアニオン系界面活性剤の0.1〜10重量%で表面処理したハイドロタルサイト類をポリウレタン繊維の耐塩素剤として使用する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、長期安定紡糸操業性を可能にする紡糸用極性有機溶媒中での分散性に優れたハイドロタルサイト類含有ポリウレタン繊維の耐塩素剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
ポリウレタン繊維は水着等に多く用いられる。しかし、プール水の殺菌剤に使用されている塩素により引張り強度等の物理的性質の低下や、染料の変退色が生じる。この対策として、C10〜C30の脂肪酸で表面処理したハイドロタルサイト類をジメチルアセトアミドまたは、ジメチルホルムアミドに分散後、ポリウレタンに混合し、紡糸する方法が広く用いられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
耐塩素剤として優れているハイドロタルサイト類は、表面処理しないとポリウレタン紡糸時の溶媒であるジメチルアセトアミドやジメチルホルムアミド中での分散が極端に悪く、強く凝集する。その改良としてC10〜C30の脂肪酸で表面処理が行われているが、なお不十分であり、凝集が起こり紡糸工程中での吐出圧の上昇や糸切れの発生があり、長期安定操業が困難である。従って本発明は、上記有機溶媒中でのハイドロタルサイト類の分散性を大幅に向上させ、長期にわたる安定した紡糸操業を可能にすることである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は下記式(1)
【化1】
(但し、式中、R1は炭素5〜25のアルキル基またはアルキレン基、R2は水素またはアルキル基、R3はメチル基またはエーテル基、Aは−SO3Hまたは−COOH、またはそれらのアルカリ金属塩を示す)で表されるアミド結合を有するアニオン系界面活性剤の0.1〜10重量%で表面処理された下記式(2)
【化2】
(但し、式中、M2+はMgおよび/またはZn、An−はn価のアニオン、xは0<x<0.5、好ましくは0.2≦x≦0.4、mは0≦m、nは1以上の整数を示す)で表され、BET比表面積が4〜20m2/g、累積50%の平均2次粒子径が1.5μm以下のハイドロタルサイト類を用いることにより、紡糸作業性と耐塩素性に優れたポリウレタン繊維を提供する。
【0005】
本発明の式(1)で表されるアミド結合を有するアニオン系界面活性剤で、ハイドロタルサイト類を表面処理することにより、ポリウレタン製造に使われるジメチルアセトアミドとかジメチルホルムアミド中で、極めて良く分散する。その結果、フィルターの目詰まりが著しく低減され、長期に渡る紡糸が可能となる。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明で用いる式(1)で表されるアミド結合を有するアニオン系界面活性剤としては、例えばオレオイルザルコシン、ラウロイルザルコシネート(Na塩)、アシル(牛脂)メチルタウリン酸ナトリウム、アミドエーテルサルフェート等を挙げることができる。
【0007】
本発明で用いるアミド結合を有するアニオン系界面活性剤の使用量は、ハイドロタルサイト類の重量に対し0.1〜10重量%であり、好ましくは0.5〜5重量%である。0.1%より少ないと表面処理効果が弱く、逆に10%を超えても表面処理効果は飽和に達しており、それ以上の改善効果は無く、かえってポリウレタンの物性を損なう恐れがある。
【0008】
本発明で用いる式(2)で表されるハイドロタルサイト類は、結晶が適度に発達した微粒子を用いることが好ましい。そのような要求を満たすために、BET比表面積が2〜20m2/g、好ましくは4〜15m2/gで且つ、累積50%の平均2次粒子径が1.5μm以下、好ましくは3μm以下であることが好ましい。BETが20を超えると凝集性が強くなり、逆に2より小さくなると結晶が大きくなりすぎて、耐塩素性の低下とフィルター通過性が悪くなる。
【0009】
本発明のアニオン系界面活性剤によるハイドロタルサイト類の表面処理は、公知の方法を用いることができる。例えばハイドロタルサイト類を水に分散させ、攪拌下、アニオン系界面活性剤が溶解する温度以上に保って、アニオン系界面活性剤の水溶液または、エチルアルコール等のアルコール溶液を加えることにより、いわゆる湿式法で実施できる。あるいは、ハイドロタルサイト類の粉末をヘンシエルミキサー等の高速攪拌混合機に入れ、攪拌下に、水またはアルコールに溶解したアニオン系界面活性剤を添加する、いわゆる乾式法により実施できる。以上、何れの方法でも実施できるが、湿式法が表面処理の均一性に優れているため好ましい。
【0010】
本発明で用いるハイドロタルサイト類の製造は、例えば特開昭55−80445で公知である。
【0011】
本発明で用いるアミド結合を有するアニオン系界面活性剤で表面処理したハイドロタルサイト類を、目的とする耐塩素性を付与するために、ポリウレタン繊維に対し0.1〜10重量%、好ましくは2〜7重量%配合する。0.1以下だと耐塩素性が不十分であり、10%を超えるとポリウレタンの物性を損なう。
【0012】
本発明で用いるポリウレタンは両末端にヒドロキシル基を有し、分子量が600〜4000である実質的に線状の重合体、例えばホモまたは重合体からなるポリエステルジオール、ポリエーテルジオール、ポリエステルアミドジオール、ポリ炭酸エステルジオール、ポリアクリルジオール、ポリチオエステルジオール、ポリチオエーテルジオール、ポリ炭化水素ジオールまたは、これらの混合物または、これらの共重合物と有機ジイソシアネートと多官能性活性水素原子を有する鎖延長剤、例えばポリオール、ポリアミン、ヒドロキシルアミン、ヒドラジン、ポリヒドラジド、ポリセミカルバジド、水または、これらの混合物等を主成分とするものである。
【0013】
以下、実施例に基づき本発明をより詳細に説明する。
【0014】
【実施例1】
BET比表面積が12m2/g(液体窒素吸着法で測定)、累積50%および90%の平均2次粒子径がそれぞれ0.74μm、1.20μm、最大2次粒子径が1.81μmの下記組成のハイドロタルサイト類;
【化3】
の粉末100gを約1リットルの水に加え、ケミスターラーで均一に分散させた後、約30℃のこのスラリーにラウロイルザルコシネート(日本油脂製、商品名フィレットL、液体):C11H23CON(CH3)CH2COONaを純分換算でハイドロタルサイト類の1重量%に相当する1gを溶解した約100ccの水溶液を攪拌下に加え、さらに約20分間攪拌を継続し表面処理を行った。この後、ろ過、水洗し、約120℃で15時間乾燥後、アトマイザーで粉砕した。
【0015】
[フィルター通過性試験]
この粉末26gを採り、ポリウレタンの紡糸溶媒であるジメチルアセトアミド170gとケミスターラーを用いて約5分間混合後、ホモジナイザーにより約5,000r.p.mで1時間分散処理を行った。得られた混合物を目開き44μm、直径30mm、高さ80mmのフィルターに入れ、常圧で1時間ろ過し、全通液量を測定した。本発明のハイドロタルサイト類分散液のフィルター通過液量は170.1gであった。
【0016】
[粒度分布測定方法]
イソプロピルアルコールに試料を加え、超音波で5分間前処理後、レーザー回析法粒度分布測定機を用い、超音波をかけた状態で粒度分布を測定した。
【0017】
【実施例2】
BET比表面積が6m2/g、累積50%および90%の平均2次粒子径がそれぞれ0.76μm、1.61μm、最大2次粒子径が2.15μmの下記組成のハイドロタルサイト類;
【化4】
の粉末100gを約1リットルの水に加え、ケミスターラーで均一に分散させた。このスラリーに、アシル(牛脂)メチルタウリン酸ナトリウム(日本油脂製、商品名ダイヤポンTパウダー)を純分でハイドロタルサイト類の2重量%に相当する2gを採り、約100cc(約60℃)の温水に加え溶解後、攪拌下に加え、攪拌を約20分間継続し表面処理を行った。
【0018】
この後、実施例1と同様に行った後、フィルター通過性試験を行った。その結果、全通液量は185.7gであった。
【0019】
【比較例1】
実施例1で用いたハイドロタルサイト類を用い、表面処理剤としてステアリン酸ソーダを、純分でハイドロタルサイト類の3重量%にあたる3gを、約70℃の温水100ccに溶解した溶液を用い、スラリー温度を約70℃に保って表面処理する以外は実施例1と同様に行った。
【0020】
得られた3重量%のステアリン酸ソーダで表面処理されたハイドロタルサイト類のフィルター通過性試験を実施した結果、全通液量は13.8gであった。
【0021】
【比較例2】
実施例1で用いたハイドロタルサイト類の粉末を表面処理することなく、フィルター通過性試験に供した結果、全通液量は5.8gであった。
【0022】
【発明の効果】
本発明によれば、ポリウレタン繊維の紡糸溶媒であるジメチルアセトアミド等との相溶性、分散性が格段に改良され、紡糸工程で使用されるフィルターの目詰まりが顕著に改善される。その結果、C10〜C20の高級脂肪酸で表面処理された従来のハイドロタルサイト類系耐塩素剤が有する、フィルター目詰まりによる不安定な紡糸操業の問題が解決され、長期に渡る安定した紡糸操業が可能となる。
【発明の属する技術分野】
本発明は、長期安定紡糸操業性を可能にする紡糸用極性有機溶媒中での分散性に優れたハイドロタルサイト類含有ポリウレタン繊維の耐塩素剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
ポリウレタン繊維は水着等に多く用いられる。しかし、プール水の殺菌剤に使用されている塩素により引張り強度等の物理的性質の低下や、染料の変退色が生じる。この対策として、C10〜C30の脂肪酸で表面処理したハイドロタルサイト類をジメチルアセトアミドまたは、ジメチルホルムアミドに分散後、ポリウレタンに混合し、紡糸する方法が広く用いられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
耐塩素剤として優れているハイドロタルサイト類は、表面処理しないとポリウレタン紡糸時の溶媒であるジメチルアセトアミドやジメチルホルムアミド中での分散が極端に悪く、強く凝集する。その改良としてC10〜C30の脂肪酸で表面処理が行われているが、なお不十分であり、凝集が起こり紡糸工程中での吐出圧の上昇や糸切れの発生があり、長期安定操業が困難である。従って本発明は、上記有機溶媒中でのハイドロタルサイト類の分散性を大幅に向上させ、長期にわたる安定した紡糸操業を可能にすることである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は下記式(1)
【化1】
(但し、式中、R1は炭素5〜25のアルキル基またはアルキレン基、R2は水素またはアルキル基、R3はメチル基またはエーテル基、Aは−SO3Hまたは−COOH、またはそれらのアルカリ金属塩を示す)で表されるアミド結合を有するアニオン系界面活性剤の0.1〜10重量%で表面処理された下記式(2)
【化2】
(但し、式中、M2+はMgおよび/またはZn、An−はn価のアニオン、xは0<x<0.5、好ましくは0.2≦x≦0.4、mは0≦m、nは1以上の整数を示す)で表され、BET比表面積が4〜20m2/g、累積50%の平均2次粒子径が1.5μm以下のハイドロタルサイト類を用いることにより、紡糸作業性と耐塩素性に優れたポリウレタン繊維を提供する。
【0005】
本発明の式(1)で表されるアミド結合を有するアニオン系界面活性剤で、ハイドロタルサイト類を表面処理することにより、ポリウレタン製造に使われるジメチルアセトアミドとかジメチルホルムアミド中で、極めて良く分散する。その結果、フィルターの目詰まりが著しく低減され、長期に渡る紡糸が可能となる。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明で用いる式(1)で表されるアミド結合を有するアニオン系界面活性剤としては、例えばオレオイルザルコシン、ラウロイルザルコシネート(Na塩)、アシル(牛脂)メチルタウリン酸ナトリウム、アミドエーテルサルフェート等を挙げることができる。
【0007】
本発明で用いるアミド結合を有するアニオン系界面活性剤の使用量は、ハイドロタルサイト類の重量に対し0.1〜10重量%であり、好ましくは0.5〜5重量%である。0.1%より少ないと表面処理効果が弱く、逆に10%を超えても表面処理効果は飽和に達しており、それ以上の改善効果は無く、かえってポリウレタンの物性を損なう恐れがある。
【0008】
本発明で用いる式(2)で表されるハイドロタルサイト類は、結晶が適度に発達した微粒子を用いることが好ましい。そのような要求を満たすために、BET比表面積が2〜20m2/g、好ましくは4〜15m2/gで且つ、累積50%の平均2次粒子径が1.5μm以下、好ましくは3μm以下であることが好ましい。BETが20を超えると凝集性が強くなり、逆に2より小さくなると結晶が大きくなりすぎて、耐塩素性の低下とフィルター通過性が悪くなる。
【0009】
本発明のアニオン系界面活性剤によるハイドロタルサイト類の表面処理は、公知の方法を用いることができる。例えばハイドロタルサイト類を水に分散させ、攪拌下、アニオン系界面活性剤が溶解する温度以上に保って、アニオン系界面活性剤の水溶液または、エチルアルコール等のアルコール溶液を加えることにより、いわゆる湿式法で実施できる。あるいは、ハイドロタルサイト類の粉末をヘンシエルミキサー等の高速攪拌混合機に入れ、攪拌下に、水またはアルコールに溶解したアニオン系界面活性剤を添加する、いわゆる乾式法により実施できる。以上、何れの方法でも実施できるが、湿式法が表面処理の均一性に優れているため好ましい。
【0010】
本発明で用いるハイドロタルサイト類の製造は、例えば特開昭55−80445で公知である。
【0011】
本発明で用いるアミド結合を有するアニオン系界面活性剤で表面処理したハイドロタルサイト類を、目的とする耐塩素性を付与するために、ポリウレタン繊維に対し0.1〜10重量%、好ましくは2〜7重量%配合する。0.1以下だと耐塩素性が不十分であり、10%を超えるとポリウレタンの物性を損なう。
【0012】
本発明で用いるポリウレタンは両末端にヒドロキシル基を有し、分子量が600〜4000である実質的に線状の重合体、例えばホモまたは重合体からなるポリエステルジオール、ポリエーテルジオール、ポリエステルアミドジオール、ポリ炭酸エステルジオール、ポリアクリルジオール、ポリチオエステルジオール、ポリチオエーテルジオール、ポリ炭化水素ジオールまたは、これらの混合物または、これらの共重合物と有機ジイソシアネートと多官能性活性水素原子を有する鎖延長剤、例えばポリオール、ポリアミン、ヒドロキシルアミン、ヒドラジン、ポリヒドラジド、ポリセミカルバジド、水または、これらの混合物等を主成分とするものである。
【0013】
以下、実施例に基づき本発明をより詳細に説明する。
【0014】
【実施例1】
BET比表面積が12m2/g(液体窒素吸着法で測定)、累積50%および90%の平均2次粒子径がそれぞれ0.74μm、1.20μm、最大2次粒子径が1.81μmの下記組成のハイドロタルサイト類;
【化3】
の粉末100gを約1リットルの水に加え、ケミスターラーで均一に分散させた後、約30℃のこのスラリーにラウロイルザルコシネート(日本油脂製、商品名フィレットL、液体):C11H23CON(CH3)CH2COONaを純分換算でハイドロタルサイト類の1重量%に相当する1gを溶解した約100ccの水溶液を攪拌下に加え、さらに約20分間攪拌を継続し表面処理を行った。この後、ろ過、水洗し、約120℃で15時間乾燥後、アトマイザーで粉砕した。
【0015】
[フィルター通過性試験]
この粉末26gを採り、ポリウレタンの紡糸溶媒であるジメチルアセトアミド170gとケミスターラーを用いて約5分間混合後、ホモジナイザーにより約5,000r.p.mで1時間分散処理を行った。得られた混合物を目開き44μm、直径30mm、高さ80mmのフィルターに入れ、常圧で1時間ろ過し、全通液量を測定した。本発明のハイドロタルサイト類分散液のフィルター通過液量は170.1gであった。
【0016】
[粒度分布測定方法]
イソプロピルアルコールに試料を加え、超音波で5分間前処理後、レーザー回析法粒度分布測定機を用い、超音波をかけた状態で粒度分布を測定した。
【0017】
【実施例2】
BET比表面積が6m2/g、累積50%および90%の平均2次粒子径がそれぞれ0.76μm、1.61μm、最大2次粒子径が2.15μmの下記組成のハイドロタルサイト類;
【化4】
の粉末100gを約1リットルの水に加え、ケミスターラーで均一に分散させた。このスラリーに、アシル(牛脂)メチルタウリン酸ナトリウム(日本油脂製、商品名ダイヤポンTパウダー)を純分でハイドロタルサイト類の2重量%に相当する2gを採り、約100cc(約60℃)の温水に加え溶解後、攪拌下に加え、攪拌を約20分間継続し表面処理を行った。
【0018】
この後、実施例1と同様に行った後、フィルター通過性試験を行った。その結果、全通液量は185.7gであった。
【0019】
【比較例1】
実施例1で用いたハイドロタルサイト類を用い、表面処理剤としてステアリン酸ソーダを、純分でハイドロタルサイト類の3重量%にあたる3gを、約70℃の温水100ccに溶解した溶液を用い、スラリー温度を約70℃に保って表面処理する以外は実施例1と同様に行った。
【0020】
得られた3重量%のステアリン酸ソーダで表面処理されたハイドロタルサイト類のフィルター通過性試験を実施した結果、全通液量は13.8gであった。
【0021】
【比較例2】
実施例1で用いたハイドロタルサイト類の粉末を表面処理することなく、フィルター通過性試験に供した結果、全通液量は5.8gであった。
【0022】
【発明の効果】
本発明によれば、ポリウレタン繊維の紡糸溶媒であるジメチルアセトアミド等との相溶性、分散性が格段に改良され、紡糸工程で使用されるフィルターの目詰まりが顕著に改善される。その結果、C10〜C20の高級脂肪酸で表面処理された従来のハイドロタルサイト類系耐塩素剤が有する、フィルター目詰まりによる不安定な紡糸操業の問題が解決され、長期に渡る安定した紡糸操業が可能となる。
Claims (3)
- 請求項1記載のアミド結合を有するアニオン系界面活性剤が、ラウロイルザルコシネート、オレオイルザルコシン、アシルメチルタウリン酸ナトリウム、アミドエーテルサルフェートの中から選ばれた少なくとも1種以上である請求項1記載のポリウレタン繊維の耐塩素剤。
- 請求項1記載のハイドロタルサイト類のBET比表面積が2〜20m2/gで且つ、累積50%の平均2次粒子径が1.5μm以下である請求項1記載のポリウレタン繊維の耐塩素剤。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002239279A JP2004076207A (ja) | 2002-08-20 | 2002-08-20 | ポリウレタン繊維の耐塩素剤 |
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---|---|---|---|
JP2002239279A JP2004076207A (ja) | 2002-08-20 | 2002-08-20 | ポリウレタン繊維の耐塩素剤 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004076207A true JP2004076207A (ja) | 2004-03-11 |
Family
ID=32022424
Family Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2002239279A Pending JP2004076207A (ja) | 2002-08-20 | 2002-08-20 | ポリウレタン繊維の耐塩素剤 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004076207A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100852327B1 (ko) | 2004-12-31 | 2008-08-14 | 주식회사 효성 | 아교에 대한 점착성이 우수한 흡습성 폴리우레탄 탄성섬유 |
JP2008196067A (ja) * | 2007-02-09 | 2008-08-28 | Asahi Kasei Fibers Corp | ポリウレタン弾性繊維及びその製造方法 |
WO2018168496A1 (ja) | 2017-03-17 | 2018-09-20 | 堺化学工業株式会社 | ハイドロタルサイト類組成物、および、該組成物を含む樹脂添加剤 |
-
2002
- 2002-08-20 JP JP2002239279A patent/JP2004076207A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100852327B1 (ko) | 2004-12-31 | 2008-08-14 | 주식회사 효성 | 아교에 대한 점착성이 우수한 흡습성 폴리우레탄 탄성섬유 |
JP2008196067A (ja) * | 2007-02-09 | 2008-08-28 | Asahi Kasei Fibers Corp | ポリウレタン弾性繊維及びその製造方法 |
WO2018168496A1 (ja) | 2017-03-17 | 2018-09-20 | 堺化学工業株式会社 | ハイドロタルサイト類組成物、および、該組成物を含む樹脂添加剤 |
KR20190122701A (ko) | 2017-03-17 | 2019-10-30 | 사카이 가가쿠 고교 가부시키가이샤 | 하이드로탈사이트류 조성물 및 해당 조성물을 포함하는 수지 첨가제 |
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