JP6686406B2 - 水性顔料分散体の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、水性顔料分散体の製造方法に関する。
従来より、被記録材上での記録画像の耐水性や耐光性が良好なインクジェット記録用インクとして、水中に分散した顔料と、アニオン性基を有する樹脂、及び塩基性化合物を含有する、インクジェット記録用の水性顔料インクが提案されている。
インクジェット印刷におけるコゲーション問題は既に検討がなされており、インク中に不純物として存在する多価金属の含有量を低減することで改良できることが知られている。例えば陽イオン交換樹脂を用いて多価金属の含有量を低減する方法や(特許文献1参照)、キレート樹脂を用いて多価金属の含有量を低減する方法(特許文献2、特許文献3参照)が知られている。しかしながらその低減効果は限定的なものであった。
これに対し出願人らは、水性顔料インクあるいはその原料となる水性顔料分散体に、一繊維中又は一粒子中にアルカリ金属型及び水素型のキレート形成基を有し、かつ全キレート形成基中、アルカリ金属型キレート形成基の割合が30モル%〜90モル%である、繊維状又は粒子状キレート樹脂(以下、多価金属捕集剤Aと称す)による接触処理を施す方法により、当該水性インク中の多価金属の含有量を簡単かつ効率的に低減できる方法を提案、開示している(特許文献4参照)。
しかしながら近年のインクジェットプリンターの技術進歩においては、使用するインクに含まれる多価金属の含有量はさらなる低減が要求される。
特開2002−179961号公報 特開2008−280430号公報 特開2008−214551号公報 WO2012/86789
本発明の目的は、特許文献4に開示の多価金属捕集剤Aを使用し、さらに多価金属含有量をできるだけ低減できる水性顔料分散体の製造方法を提供することにある。
多価金属が分散液中でフリーイオンの状態で存在していれば、多価金属はキレート樹脂との接触処理によって瞬時に捕集されるはずである。しかしながら、水性顔料分散体中の多価金属イオンはキレート樹脂との接触処理で瞬時に捕集されず、インクジェット用途として満足する水準に到達するには長時間の接触処理時間を必要とする。本発明者らは、多価金属イオンがアニオン性基を有する顔料分散体中の樹脂やアニオン性基を有する化合物と塩を形成しているため捕集効率が低下したと考え、接触処理工程の分散体を加温する多価金属イオンの捕集効率を向上させることで上記課題を解決した。
即ち本発明は、顔料とアニオン性基を含有する樹脂と、塩基性化合物とを含む水性顔料分散体の製造方法であって、顔料と、アニオン性基を含有する樹脂と、塩基性化合物と水とを含む水性顔料分散体を得る工程1と、繊維状または粒子状であり一繊維中または一粒子中にナトリウム及び/またはカリウム型及び水素型のキレート形成基を有し、かつ全キレート形成基中のナトリウム及び/またはカリウム型キレート形成基の割合が30モル%〜90モル%であるキレート樹脂による接触処理を35℃以上で行う工程2とを有する水性顔料分散体の製造方法を提供する。
本発明により、水性顔料分散体の多価金属の含有量を非常に低減させることができる。また本発明の製造方法で得た水性顔料分散体を使用した水性インクジェット記録用インクは、優れた長期保存安定性及び吐出安定性が期待できる。
(水性顔料分散体の製造方法)
本発明の水性顔料分散体の製造方法は、顔料と、アニオン性基を含有する樹脂と、塩基性化合物と水とを含む水性顔料分散体を得る工程1と、繊維状または粒子状であり一繊維中または一粒子中にナトリウム及び/またはカリウム型及び水素型のキレート形成基を有し、かつ全キレート形成基中のナトリウム及び/またはカリウム型キレート形成基の割合が30モル%〜90モル%であるキレート樹脂による接触処理を35℃以上で行う工程2とを行うことが特徴である。
(以下、「繊維状又は粒子状であり一繊維中又は一粒子中にナトリウム及び/またはカリウム型及び水素型のキレート形成基を有し、かつ全キレート形成基中のナトリウム及び/またはカリウム型キレート形成基の割合が30モル%〜90モル%であるキレート樹脂」を多価金属捕集剤Aと称する場合がある。)
以下工程1から順に説明する。
(工程1)
顔料と、アニオン性基を含有する樹脂と、塩基性化合物と水とを含む水性顔料分散体を得る工程1は、特に限定されず公知の方法で行うことができる。
(顔料)
本発明で使用する顔料は、特に限定されず公知の有機顔料あるいは無機顔料を使用することができる。また、本発明は未処理顔料、処理顔料のいずれでも適用することができる。具体的には、水や水溶性有機溶剤に分散可能であり、公知の無機顔料や有機顔料が使用できる。無機顔料としては例えば、酸化鉄、コンタクト法、ファーネス法、サーマル法等の公知の方法によって製造されたカーボンブラック等がある。また、有機顔料としては、アゾ顔料(アゾレーキ、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料などを含む)、多環式顔料(例えば、フタロシアニン顔料、ペリレン顔料、ペリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサジン顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフラロン顔料など)、染料キレート(例えば、塩基性染料型キレート、酸性染料型キレートなど)、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラックなどを使用することができる。
例えばブラックインクに使用される顔料としては、カーボンブラックとして、三菱化学社製のNo.2300、No.2200B、No.995、No.990、No.900、No.960、 No.980、No.33、No.40、No,45、No.45L、No.52、HCF88、MA7、MA8、MA100、等が、コロンビア社製のRaven5750、Raven5250、Raven5000、Raven3500、Raven1255、Raven700等が、キャボット社製のRegal 400R、Regal 330R、Regal 660R、Mogul L、Mogul 700、Monarch800、Monarch880、Monarch900、Monarch1000、Monarch1100、Monarch1300、Monarch1400等が、デグサ社製のColor Black FW1、同FW2、同FW2V、同FW18、同FW200、同S150、同S160、同S170、Printex 35、同U、同V、同1400U、Special Black 6、同5、同4、同4A、NIPEX150、NIPEX160、NIPEX170、NIPEX180、NIPEX95、NIPEX90、NIPEX85、NIPEX80、NIPEX75等が挙げられる。
またイエローインクに使用される顔料の具体例としては、C.I.ピグメントイエロー1、2、12、13、14、16、17、73、74、75、83、93、95、97、98、109、110、114、120、128、129、138、150、151、154、155、174、180、185等が挙げられる。
また、マゼンタインクに使用される顔料の具体例としては、C.I.ピグメントレッド5、7、12、48(Ca)、48(Mn)、57(Ca)、57:1、112、122、123、146、150、168、176、184、185、202、209、213、269、282、C.I.ピグメントバイオレット19等が挙げられる。
また、シアンインクに使用される顔料の具体例としては、C.I.ピグメントブルー1、2、3、15、15:3、15:4、15:6、16、22、60、63、66等が挙げられる。
また自己分散型顔料を使用してもよい。前記自己分散型顔料は、分散剤なしに水中に分散可能な顔料を意味する。ここで「分散剤なしに水中に分散あるいは溶解」とは、顔料を分散させるための分散剤を用いなくても、その表面の親水基により、水中に安定に存在している状態を意味する。ここで、「水中に安定に存在」とは、分散剤なしに水中(25℃、固形分10重量%)で90日間安定(顔料の粒径変化幅が+/−30%以内)であることを意味する。
前記親水基は、−OM、−COOM、−SOM、−SOM、−SONH、−RSOM、−POHM、−PO、−SONHCOR、−NH、及び−NRからなる群から選択される一以上の親水基、すなわちアニオン性親水性官能基であることが好ましい。なお、これらの式中のMは互いに独立して、水素原子、アルカリ金属、アンモニウム、置換基を有していてもよいフェニル基、又は有機アンモニウムを表す。また、これらの式中のRは互いに独立して、炭素原子数1〜12のアルキル基又は置換基を有していてもよいアリール基を表す。
自己分散型顔料は、例えば、顔料に物理的処理または化学的処理を施すことで、前記親水基を顔料の表面に結合(グラフト)させることにより製造される。当該物理的処理としては、例えば真空プラズマ処理等が例示できる。また、当該化学的処理としては、例えば水中で酸化剤により酸化する湿式酸化法や、p−アミノ安息香酸を顔料表面に結合させることによりフェニル基を介してカルボキシル基を結合させる方法等が例示できる。
前記自己分散型顔料は、例えば、特開平8−3498号公報、特表2000−513396号公報、特表2008−524400号公報、特表2009−515007号公報、特表2010−537006号公報、特表2012−500866号公報等に記載の方法によって顔料が処理されたものを用いることができる。前記自己分散型顔料の原料としては、無機顔料及び有機顔料のいずれも使用することができる。
本発明で使用する顔料は、ドライパウダー及びウェットケーキのいずれも用いることができる。また、これらの顔料は、単独で用いてもよく、固溶体であってもよく、2種類以上の顔料を混合して使用してもよい。
本発明で使用する顔料は、その一次粒子径が25μm以下のものからなる顔料が好ましく、1μm以下のものからなる顔料が特に好ましい。粒子径がこの範囲にあれば、顔料の沈降が発生しにくく、顔料分散性が良好となる。
粒子径の測定は、例えば透過型電子顕微鏡(TEM)又は走査型電子顕微鏡(SEM)を使用して測定した値を採用することができる。
(アニオン性基を含有する樹脂)
本発明におけるアニオン性基を含有する樹脂は、市販品をそのまま使用することもできる。カルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基、又はそれらの塩などのアニオン性基を有する樹脂から適宜選択して用いることができる。
カルボキシル基、スルホン酸基または燐酸基を含有する樹脂としては、例えばアニオン性基を有するポリビニル系樹脂、アニオン性基を有するポリエステル系樹脂、アニオン性基を有するアミノ系樹脂、アニオン性基を有するアクリル系共重合体、アニオン性基を有するエポキシ系樹脂、アニオン性基を有するポリウレタン系樹脂、アニオン性基を有するポリエーテル系樹脂、アニオン性基を有するポリアミド系樹脂、アニオン性基を有する不飽和ポリエステル系樹脂、アニオン性基を有するフェノール系樹脂、アニオン性基を有するシリコーン系樹脂、アニオン性基を有するフッ素系高分子化合物等が挙げられる。またその樹脂の構成は特に限定されずホモポリマー、コポリマー、ランダムコポリマー、ブロックコポリマー、グラフトコポリマーなど、種々の構造のものが使用できる。
中でもアニオン性基を有するアクリル系共重合体やアニオン性基を有するポリウレタン樹脂は、原料が豊富であり設計の容易であること、顔料分散機能に優れることから好ましい。
(アニオン性基を有するアクリル系共重合体)
前記アニオン性基を有するアクリル系共重合体としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、α−エチルアクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸等の二重結合を有する不飽和脂肪族カルボン酸によるアニオン性基を有し、スチレン、α−メチルスチレン、β−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、αエチルスチレン等のスチレン系モノマーを疎水性部分の構成成分として含有するようなアクリル系共重合体が好ましく、例えばスチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸エステル−(メタ)アクリル酸共重合体、(メタ)アクリル酸エステル−(メタ)アクリル酸共重合体等の、スチレン系モノマー、及び(メタ)アクリル酸を原料モノマーとして含むスチレン−アクリル酸系共重合体が挙げられる。(なお、本発明において「スチレン−アクリル酸系共重合体」とは、前述の通り「スチレン系モノマー、及び(メタ)アクリル酸を原料モノマーとして含む共重合体」と定義するものとする。従って、スチレン系モノマー、及び(メタ)アクリル酸以外の汎用のモノマーを共重合させてあってもよい)
前記スチレン−(メタ)アクリル酸系共重合体としては、スチレン系モノマー成分を構成成分として30質量%以上、好ましくは50質量%以上含有することにより、共重合樹脂の疎水性が増加し、水系においてはより強固に顔料への樹脂被覆が行われる。このため、サーマルジェット方式のインクジェット記録に用いても、インクの分散安定性、吐出安定性に有効であり好ましい。
本発明で使用するアニオン性基を含有する樹脂は、水中で安定した顔料表面の被覆を形成することが好ましく、顔料表面に対してその疎水性部分で良好に吸着し顔料表面を良好に被覆でき、かつアニオン性基が少なくとも部分中和されたときに安定した水分散性を有することが好ましい。この観点から、樹脂の酸価は60〜300mgKOH/gが好ましく、80〜250mgKOH/gがより好ましい、さらに100〜200mgKOH/gの範囲であると一層好ましい。なお酸価とは、樹脂1gを中和するに必要な水酸化カリウム(KOH)のミリグラム(mg)数であり、mgKOH/gにて示す量である。
前記アニオン性基を有する樹脂は、酸価が60mgKOH/g未満では、親水性が小さくなり過ぎて、顔料の分散安定性が低下する傾向がある。一方、酸価が300mgKOH/gを超えると、親水性が大きくなり過ぎて、印字品の耐水性が低下する傾向がある。
本発明で使用するアニオン性基を含有する樹脂の重量平均分子量は、5,000以上20,000以下の範囲が好ましく、5,000〜15,000の範囲がより好ましい。
重量平均分子量5,000未満では、初期の顔料分散性は優れているが、長期的な保存安定性が低下する傾向があるためである。一方、重量平均分子量20,000を超えると、水性顔料分散体の粘度が高くなり、インクジェット用記録液として、特にサーマルジェット方式のインクジェット用記録液として用いたときに吐出安定性が低下する傾向にあるからである。
また、本発明で使用するアニオン性基を含有する樹脂のガラス転移点(Tg)は、50℃以上150℃以下が好ましく、70℃以上130℃以下であることがより好ましい。
ガラス転移点が50℃ 以上ならば、印字品の耐水性も向上する。当然ながら、該水性インクの熱安定性も向上するので、サーマルジェットタイプのインクジェット記録に用いた場合でも、加熱によって吐出不良を引き起こすようなインク物性の変化を生じにくく、好ましい。
なお、本発明で使用する樹脂のガラス転移点は樹脂組成より計算で求められる値である。
(アニオン性基を有するポリウレタン樹脂)
前記アニオン性基を有するポリウレタン樹脂は、具体的には、カルボキシ基やスルホン酸基等のアニオン性基を有するポリオールとポリイソシアネート、さらに必要に応じて汎用のアニオン性基を有さないポリオールや鎖伸長剤を反応させて得たウレタン樹脂があげられる。
本発明で使用するカルボキシ基を有するポリオールとしては、例えば、多価アルコールと多塩基酸無水物との反応によって得られるエステル、2,2−ジメチロール乳酸、2,2−ジメチロールプロピオン酸、2,2−ジメチロールブタン酸、2,2−ジメチロール吉草酸などのジヒドロキシアルカン酸等が挙げられる。好ましい化合物としては2,2−ジメチロールプロピオン酸、2,2−ジメチロールブタン酸が挙げられる。中でも、ジメチロールプロピオン酸、又はジメチロールブタン酸の入手が容易であり好ましい。
また、スルホン酸基を有するポリオールとしては、例えば5−スルホイソフタル酸、スルホテレフタル酸、4−スルホフタル酸、5[4−スルホフェノキシ]イソフタル酸等のジカルボン酸、及びそれらの塩と、前記低分子量ポリオールとを反応させて得られるポリエステルポリオールが挙げられる。
本発明で使用するジイソシアネートとしては、例えばヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネー卜化合物、イソホロンジイソシアネー卜、水添キシリレンジイソシアネート、4,4−シクロヘキシルメタンジイソシアネート等の脂環族ジイソシアネー卜化合物、キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシレンジイソシアネー卜等の芳香脂肪族ジイソシアネー卜化合物、トルイレンジイソシアネー卜、フェニルメタンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネー卜が挙げられる。
中でも、印字画像の耐光変色が起こり難い点では、脂肪族ジイソシアネート化合物または脂環族ジイソシアネートが好ましい。
また、汎用のアニオン性基を有さないポリオールとしては、例えば、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリヒドロキシポリカーボネート、ポリヒドロキシポリアセタール、ポリヒドロキシポリアクリレート、ポリヒドロキシポリエステルアミドおよびポリヒドロキシポリチオエーテルが挙げられる。中でも、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオールおよびポリヒドロキシポリカーボネートが好ましい。これらのポリオールは1種のみを反応させてもよく、数種を混合して反応させてもよい。
また前記ポリオールのほか、印字物における皮膜硬度の調整等を目的として、低分子量のジオールを適宜併用しても良い。例としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール等が挙げられる。
本発明で使用する鎖伸長剤は、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、1,4−ビス(β−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、1,4−シクロヘキサンジオール、キシリレングリコール等のジオール類、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、キシリレンジアミン、イソホロンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、トリレンジアミン、4,4’−ジアミノジシクロヘキシルメタン等のジアミン類の1種または2種以上を使用することができる。
前記ウレタン樹脂は、例えば無溶剤下または有機溶剤の存在下で、前記ポリオールと前記ポリイソシアネートとを反応させることでウレタン樹脂を製造する。次いで、前記塩基性化合物等を用いて中和することにより形成されたアニオン性基を有するウレタン樹脂を、水性媒体中に混合し水性化する際に、必要に応じて鎖伸長剤と混合し、反応させることによって製造することができる。
前記ポリオールとポリイソシアネートとの反応は、例えば、前記ポリオールが有する水酸基に対する、前記ポリイソシアネートが有するイソシアネート基の当量割合が、0.8〜2.5の範囲で行うことが好ましく、0.9〜1.5の範囲で行うことがより好ましい。
本発明において、アニオン性基を有するウレタン系樹脂の重量平均分子量は5,000〜500,000の範囲内であることが好ましく、10,000〜200,000のものを使用することがより好ましく、15,000〜100,000のものを使用することが特に好ましい。
ここで重量平均分子量とはGPC(ゲル浸透クロマトグラフィー)法で測定される値であり、標準物質として使用するポリスチレンの分子量に換算した値である。
また、前記ウレタン樹脂としては、2〜200(mgKOH/g)の範囲の酸価を有するものを使用することが好ましく、2〜100(mgKOH/g)の範囲であることが、ウレタン樹脂の良好な水分散安定性等を向上するうえで好ましい。
ここでいう酸価とは、日本工業規格「 K 0070:1992. 化学製品の酸価,けん化価,エステル価,よう素価,水酸基価及び不けん化物の試験方法」に従って測定された数値であり、樹脂1gを完全に中和するのに必要な水酸化カリウムの量(mg)である。
酸価が低すぎる場合には顔料分散や保存安定性が低下し、また後記するインクジェット記録用水性インクを調製した場合に、印字安定性が悪くなるので好ましくない。酸価が高すぎる場合には、着色記録画像の耐水性が低下するのでやはり好ましくない。共重合体を該酸価の範囲内とするには、カルボキシ基を有するポリオールを、前記酸価の範囲内となる様に含めて共重合すれば良い。
(塩基性化合物)
本発明において塩基性化合物は、前記アニオン性基を含有する樹脂のアニオン性基を中和する目的で使用する。塩基性化合物としては公知のものを使用でき、例えばカリウム、ナトリウムなどのアルカリ金属の水酸化物;カリウム、ナトリウムなどのアルカリ金属の炭酸塩;カルシウム、バリウムなどのアルカリ土類金属などの炭酸塩;水酸化アンモニウム等の無機系塩基性化合物や、トリエタノールアミン、N,N−ジメタノールアミン、N−アミノエチルエタノールアミン、ジメチルエタノールアミン、N−N−ブチルジエタノールアミンなどのアミノアルコール類、モルホリン、N−メチルモルホリン、N−エチルモルホリンなどのモルホリン類、N−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン、ピペラジンヘキサハイドレートなどのピペラジン等の有機系塩基性化合物が挙げられる。中でも、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウムに代表されるアルカリ金属水酸化物は、水性顔料分散体の低粘度化に寄与し、インクジェット記録用インクの吐出安定性の面から好ましく、特に水酸化カリウムが好ましい。
塩基性化合物の配合量は使用しているアニオン性基を有する樹脂の中和率は、通常50モル%以上200モル%以下の範囲であり、80モル%以上120モル%以下の範囲であることが好ましい。中和率がこの範囲ならば、水中への分散容易性の向上、長期保存安定性が維持できることから好ましい。
(水)
本発明で使用する水は、イオン交換水、限外濾過水、逆浸透水、蒸留水等の純水、または超純水を用いることができる。また、紫外線照射、または過酸化水素添加などにより滅菌した水を用いることにより得られた水性顔料分散体やそれを使用したインク等を長期保存する場合にカビまたはバクテリアの発生を防止することができるので好適である。
(工程1の分散方法)
本発明において顔料と、アニオン性基を含有する樹脂と、塩基性化合物と水とを含む水性顔料分散体を得る工程1は、特に限定なく公知の方法で得ることができる。例えば、
(1)予め顔料ペーストを作成しそれを水で希釈する方法
(2)顔料と、アニオン性基を含有する樹脂と、塩基性化合物と水とを含む混合物を分散させる方法
(3)メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン等のような水との相溶性を有する有機溶剤中に顔料分散剤を溶解して得られた溶液に顔料を添加した後、攪拌または分散装置を用いて顔料を有機溶液中に分散させ、次いで水を含有する水性媒体を用いて転相乳化させた後、前記有機溶剤を留去する方法。
中でも、(1)の方法は顔料濃度の高い水性顔料分散体を得ることができ好ましく、また(2)の方法は簡便であり好ましい。
(1)予め顔料ペーストを作成しそれを水で希釈して水性顔料分散体を得る方法
顔料ペーストは顔料を高濃度で含む顔料分散体である。予め顔料ペーストを作成しそれを水で希釈する方法は特に限定はなく公知の分散方法を使用することができるが、例えば顔料及び顔料分散剤を含む混合物を、混練機を用いて混練し、得られた顔料混練物を、水を含有する水性媒体で希釈し調製する方法が、顔料を含有する高固形分濃度の混合物に混練機で強い剪断力を与えることによって顔料粒子を微細化させることができ、顔料濃度の高い水性顔料分散体を得ることができ好ましい。
前記使用する混練機は、ロールミル、ヘンシェルミキサー、加圧ニーダー、インテンシブミキサー、バンバリーミキサー、プラネタリーミキサー等、強い剪断力を与える混練分散法等が挙げられる。混練分散法のメリットである強い剪断力を混合物に与えるためには、該混合物の固形分比率が高い状態で混練するほうが好ましく、より高い剪断力を該混合物に加えることができる。固形分比率としては、20〜100質量%が好ましく、30〜90質量%がより好ましく、40〜80質量%が最も好ましい。20質量%未満では混合物の粘度が低下するため、混練が十分に行われず、顔料の解砕が不十分となるおそれがある。そして、固形分比率をこのように高めることによって混練中の混練物の粘度を適度に高く保ち、混練中の混練機から混練物にかかるシェアを大きくして、混練物中の顔料の粉砕と顔料のアニオン性基を有する樹脂による被覆を同時に進行させることができる。
混練時の温度は混練物に十分な剪断力が加わるように、使用するアニオン性基を有する樹脂のガラス転移点等の温度特性を考慮して適宜調整を行うことができる。例えばアニオン性基を有する樹脂がスチレン−アクリル酸系共重合体の場合、ガラス転移点より低く、かつ該ガラス転移点との温度差が50℃より小さい範囲で行うことが好ましい。このような温度範囲で混練を行うことにより、混練温度の上昇による樹脂の溶融に伴う混練物の粘度低下によって剪断力が不足することがない。
混練工程に用いる混練装置としては、固形分比率の高い混合物に対して高い剪断力を発生させることのできるものであればよく、前述したような公知の混練装置の中から選択して用いることが可能であるが、二本ロール等の撹拌槽を有しない開放型の混練機を用いるよりは、撹拌槽と撹拌羽根を有し撹拌槽を密閉可能な混練装置を用いることが好ましい。このような装置としては、ヘンシェルミキサー、加圧ニーダー、バンバリーミキサー、プラネタリーミキサーなどが例示され、特にプラネタリーミキサーなどが好適である。より好ましくは、顔料濃度と顔料と樹脂からなる固形分濃度が高い状態で混練を行うことから混練物の混練状態に依存して混練物の粘度が広い範囲で変化するが、プラネタリーミキサーは二本ロール等と比較すると、広い範囲の粘度領域で混練処理が可能であり、更に水性媒体の添加及び減圧溜去も可能であるため、混練時の粘度及び負荷剪断力の調整が容易である。
該混練工程においては、湿潤剤として機能する高表面張力のグリコール類やジオール類等多価アルコール類等の前記水溶性有機溶剤を併用してもよい。
水溶性有機溶剤の具体例としては、例えば、エチレングリコール、プロプレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、およびこれらのポリオキシアルキレン付加物等のグリコール類;グリセリン、ジグリセリン等のグリセリン類;ジエチレングリコールジエチルエーテル、およびこれらのポリオキシアルキレン付加物等の多価アルコールのエーテル類;アセテート類;チオジグリコール;N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチルイミダゾリジノン、ジメチルホルムアミド等の含窒素化合物類;ジメチルスルホキシド等が挙げられる。これらの水溶性有機溶剤は湿潤剤としても機能する場合がある。
得られた混練物を、水を含有する水性媒体中で希釈する方法は、特に限定はなく公知の方法で行うことができる。例えば前記混練機で顔料ペーストを製造した後、該混練機中に水を含有する水性媒体を添加しながら攪拌または分散することで、顔料ペーストが希釈された水性顔料分散体を得ることができる。また前記混練機で製造した顔料ペーストを取り出し別途攪拌機に仕込み、水を含有する水性媒体を添加しながら撹拌または分散することによっても、顔料ペーストが希釈された水性顔料分散体を得ることができる。
前記水を含有する水性媒体は、顔料ペーストに対して必要量を一括混合してもよいが、連続的あるいは断続的に必要量を添加して攪拌または分散を進めた方が、水による希釈が効率的に行われ、より短時間で水性顔料分散体を作製することができる。
この時攪拌または分散に使用する攪拌機や分散機としても特に限定はなく、前記ロールミル、ヘンシェルミキサー、加圧ニーダー、インテンシブミキサー、バンバリーミキサー、プラネタリーミキサー等の混練機をそのまま使用するほか、ペイントシェーカー、ビーズミル、サンドミル、ボールミル、アトライター、バスケットミル、サンドグラインダー、ダイノーミル、ディスパーマット、SCミル、スパイクミル、アジテーターミル、ジュースミキサー、高圧ホモジナイザー、超音波ホモジナイザー、ナノマイザー、デゾルバー、ディスパー、高速インペラー分散機等などがあげられる。
また、前記水を含有する水性媒体は、水単独の他、グリコール類やジオール類、多価アルコール類等の水溶性有機溶剤を併用することができる。
(2)顔料と、アニオン性基を含有する樹脂と、塩基性化合物と水とを含む混合物を分散させて水性顔料分散体を得る方法
最初から全ての材料を仕込んで水性顔料分散体を得る方法に最適な分散方法はメディアレス分散方法である。メディアレス分散とは、具体的には、超音波分散法、高速ディスクインペラー、コロイドミル、ロールミル、高圧ホモジナイザー、ナノマイザー、アルティマイザー等による分散法等があげられるが、生産性やメディアの摩耗によるコンタミ(異物の混入や汚染)などを顧慮すると超音波分散法が好ましい。超音波分散の前には顔料と水性媒体を混合・攪拌しておくことが、流動性を高めるため或いは顔料の沈降を防ぐために好ましいが、必須ではなく、混合・攪拌装置も特に限定されない。また、この時の粘度範囲は流動性を確保する観点から、0.1〜100mPa・sが好ましく、0.5〜50mPa・sがさらには好ましく、0.5〜30mPa・sがさらにより好ましく、1.0〜20mPa・sが最も好ましい。また、この時の顔料濃度は、1〜30質量%が好ましく、1〜25質量%がさらには好ましく、3〜20質量%がさらにより好ましく、5〜20質量%が最も好ましい。
超音波照射の条件は、特に制限されないが、100〜3000Wの出力と15〜40kHzの周波数で行うことが好ましく、さらに好ましくは150〜2000Wの出力と15〜30kHzの周波数で行うことが出来る。
また、超音波照射を行う時間は、実質的に水性インク中に顔料粒子が事実上均一分散するのに必要にして十分な時間を確保すれば良い。例えば分散液中に含まれる顔料の質量に対して0.5−1000W/gの電力量を与えるのが通常である。
超音波照射に供する水性インクの温度は、特に制限されるものではないが、この水性インクを凝固点〜70℃となる様に制御しながら、超音波を照射する様にすることが好ましい。凝固点以下だと超音波分散が不可能になり、70℃以上であると水分の蒸発が生じ、顔料濃度の増加などの不確定条件が生じるからである。
超音波照射時に分散体を冷却する手段は、公知のもの、氷冷、風冷、水冷などをごく一般的に使うことが出来る。具体的には、水性インクを保持する容器の外套(ジャケット)中に冷媒を流す方法、水性インクの入っている容器を冷媒の中に浸漬する方法、気体の風を吹き付ける方法、水などの冷媒と風とを使って蒸発熱で冷却する方法などを例示できる。
例えば、冷媒として、予め0℃を越えて20℃以下、好ましくは0℃を越えて10℃以下に冷却された冷却水を使用する方法は、比較的に経済的であり、しかも冷却効率も優れているため望ましい方法の一つである。この際、冷却水を循環装置で循環すると同時に、冷却装置で冷却も行うことが出来る。この際、冷却水中に、エチレングリコール、ジエチレングリコールなどの凍結温度を下げるものを加えたり、塩化ナトリウムなどを加えて凝固点降下を起こさせるのも大変望ましい。その結果、0℃を越える冷却水では十分な冷却効果が得られない時でも、それ以下の温度の冷却水とすることが出来、より水性インクを前記温度範囲内でもより低温となる様に保持して超音波照射することが可能になる。風冷する場合も、単に雰囲気温度の風を吹き付けるのではなく、予め冷やした冷風を用いることが好ましい。
なお、超音波照射の終点は、粒ゲージや市販の粒径測定装置で顔料粒子や前記複合粒子の粒径を測定して決める他、粘度、接触角、各種の方法で調製した塗膜の反射光度、色彩等の物性測定で決定しても良い。また顕微鏡などを使った直接観察を行って決定しても良い。
(工程2)
工程2は前述の通り、繊維状又は粒子状であり一繊維中又は一粒子中にナトリウム及び/またはカリウム型及び水素型のキレート形成基を有し、かつ全キレート形成基中のナトリウム及び/またはカリウム型キレート形成基の割合が30モル%〜90モル%であるキレート樹脂による接触処理を35℃以上で行う工程である。
工程2は、通常前記工程1の後に行うが、例えば工程1が前記(1)の予め顔料ペーストを作成しそれを水で希釈して水性顔料分散体を得る方法のような場合には、例えば水で希釈する際に同時に工程2を行ってもよい。
(多価金属捕集剤A)
本発明で使用する多価金属捕集剤A即ち繊維状又は粒子状であり一繊維中又は一粒子中にナトリウム及び/またはカリウム型及び水素型のキレート形成基を有し、かつ全キレート形成基中のナトリウム及び/またはカリウム型キレート形成基の割合が30モル%〜90モル%であるキレート樹脂において、キレート樹脂は、セルロース、ポリスチレン−ジビニルベンゼン共重合体、ポリアクリロニトリル、ポリエチレン、ポリメタクリレート、フェノール樹脂等の基体にキレート形成基を導入した構造を有し、キレートを形成することにより金属を捕集する能力を有する。アルカリ金属、特にナトリウム及び/またはカリウム塩を形成する官能基を有する樹脂であればよく、多価金属イオンを選択的に捕集するキレート樹脂を使用する。例えば、イミノジ酢酸型キレート樹脂、アミノリン酸型キレート樹脂が好適に使用できる。特にイミノジ酢酸型キレート樹脂は多価の金属イオンに対して極めて良好な選択性を有し好ましい。
また、前記キレート樹脂を複数のものを組み合わせて使用することができる。例えばイミノジ酢酸型キレート樹脂を主キレート樹脂として使用する場合には、この他に例えば、ポリアミン形、アミドキシム形、ジチオカルバミン酸形、チオ尿素形、アミノリン酸形、グルカミン形等を有するものを組み合わせて使用してもよい。さらには、他のイオン交換樹脂、例えば陽イオン交換樹脂や陰イオン交換樹脂などを組み合わせて使用してもよい。
本発明において好適に使用可能な具体的なキレート樹脂としては、例えばイミノジ酢酸型キレート樹脂であるダイヤイオンCR11(三菱化学社製)、アンバーライトIRC748(オルガノ社製)等、キレストファイバーIRYシリーズ(キレスト社製)がある。
例えばダイヤイオンCR11の金属イオンに対する選択性は
Hg2+>Cu2+>Pb2+>Ni2+>Cd2+>Zn2+>Co2+Fe2+>Mn2+>Be2+>Ca2+>Mg2+>Ba2+>Sr2+>>>Na
となっており、ナトリウムイオンに比較して2価金属イオンに対する選択性が極めて高い。また3価以上の金属イオンに対しても、
Cr3+>In3+>Fe3+>Ce3+>Al3+>La3+>Hg2+
のように極めて良好な選択性を有している。
また、キレストファイバーIRYの金属イオンに対する選択性は
Cu2+,Pb2+>Fe3+,In3+>Ga3+>Ni2+>Cd2+>Al3+,Zn2+>Cr3+,Co2+>Bi3+>Mn2+>Ca2+,Mg2+,Ba2+,Sr2+>>>Na,K
となっており、上記同様にナトリウムイオンに比較して多価金属イオンに対する選択性が極めて高い。
本発明で接触処理に用いるイミノジ酢酸型キレート樹脂は繊維状または粒子状であり、一粒子中にアルカリ金属型及び水素型のキレート形成基が共存し、かつ全キレート形成基中のアルカリ金属型キレート形成基の割合が30モル%〜90モル%に調整されたものである。このようなキレート樹脂を採用することにより、不純物である多価金属を容易に除去することができ、しかも最終的な製品形態であるインクジェット記録用水性インクの特性に悪影響を与えないことから好ましい。
前記かつ全キレート形成基中のアルカリ金属型キレート形成基の割合は、30モル%〜85モル%であることがより好ましく、40モル%〜80モル%であることがさらに好ましく、45モル%〜75モル%であることがさらにより好ましい。
粒子状のキレート樹脂中の全キレート形成基中、アルカリ金属型キレート形成基の比率が30モル%〜90モル%であるキレート樹脂は、適宜濃度調整を行った塩酸、希硫酸等の酸水溶液、及び水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の水酸化アルカリ金属水酸化物の水溶液中で、キレート樹脂の撹拌、洗浄を繰り返すことにより、その水素型キレート形成基とアルカリ金属型キレート形成基の比率を調製することができる。
あるいは通液カラム中にキレート樹脂を充填してから、濃度調整を行った塩酸、希硫酸等の酸水溶液、及び水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の水酸化アルカリ金属水酸化物の水溶液の通液と洗浄を繰り返すことにより、全キレート樹脂中のキレート形成基中におけるアルカリ型の比率を所望の値に設定しても良い。
全キレート樹脂中のアルカリ金属型キレート形成基の割合は、当該キレート樹脂におけるアルカリ金属の含有量を、蛍光X線分析、ICP発光分析、フレームレス原子吸光分析、エネルギー分散型X線測定など、公知慣用の方法により適宜定量し、アルカリ金属型100モル%及び水素型100モル%のときのアルカリ金属含有量の定量結果を基準として、比例計算により算出することができる。
本発明で使用するキレート樹脂の形状は、特に限定されるものではないが、粒子状、繊維状、針状等、特に公知の形状のものを使用することができる。大きさとしては、粒径30μm以上2000μm以下が好ましい。粒径が30μm未満では様々な粉塵問題への対策が必要な場合があり、粒径が2000μmを超えるとキレート樹脂の表面積が小さくなりすぎて、多価金属の捕集効率が大幅に低下するおそれがある。
(工程2における加温)
前記工程2では水性顔料分散体と多価金属捕集剤Aとを接触させるが、そのときに水性顔料分散体を35℃以上に加温して行う。
水性顔料分散体の加温方法は特に限定はなく、例えば工程1で分散に使用した分散機そのものを加温した状態で多価金属捕集剤Aと接触させてもよいし、水性顔料分散体を別途取り出し加温あるいは加温した水を加えて水性顔料分散体の水希釈液の温度を上げた状態で多価金属捕集剤Aと接触させてもよい。また多価金属捕集剤Aは水性顔料分散体中へ、多価金属捕集剤Aを水とを別々とを得別々に加えてもよいし予め多価金属捕集剤Aを水に混合したスラリー液として加えてもよい。また水と多価金属捕集剤Aとの添加順序も特に限定はなく、水性顔料分散体の状態によって適宜選択すればよい。
加温は、35℃以上であれば多価金属捕集剤Aの多価金属捕集効率が非常に高まるが、分散体に含まれる水の蒸発や顔料の変色等を防ぐ目的から、上限は70℃とすることが好ましい。
多価金属捕集剤Aと水性顔料分散体の接触時間は特に限定はないが、接触時間が長いほど捕集効率は高くなる。しかしながら、あまりに長い接触時間は生産効率を低下させるため、接触時間は短い方が望ましい。生産効率の観点からは、捕集効率が年間通して一定となるように接触時間と温度は適宜調整することが望ましい。
前記工程2における多価金属捕集剤Aの添加量は、水性顔料分散体中に存在する多価金属のモル総量と比較して、多価金属捕集剤Aのアルカリ金属型キレート形成基のモル総量が大過剰になるように、算出して用いることが好ましい。
前記接触後は、多価金属捕集剤Aはふるい等で水性顔料分散体から除去する。ふるいのメッシュは、多価金属捕集剤Aが捕集でき且つ水性顔料分散体中の分散された顔料は捕集されないような孔径であることが好ましい。好ましくは20μm〜150μmの範囲であり、30μm〜100μmの範囲がなお好ましい。
このようにして得た水性顔料分散体は、用途にもよるが通常顔料濃度が10〜50質量%となるように調整してあると、インク化の希釈が容易であり好ましい。これを使用してインク化する際は、所望するインク用途や物性に応じて、適宜水溶性溶媒及び/または水、あるいは添加剤を添加して、顔料濃度を0.1〜10質量%となるように希釈するのみで、インクを得ることができる。
また前記方法で、顔料濃度が前記範囲内であっても粘度が上記範囲よりも高く取扱いに不便を感じる場合には、水で適宜希釈し、所望の粘度範囲の水性顔料分散体とすることも可能である。
(捕集される多価金属)
本発明の水性顔料分散体の製造方法で、捕集対象となる不純物である多価金属は、カルシウム、クロム、ニッケル、鉄、銅、バリウム、ストロンチウム、マグネシウム、アルミニウム、亜鉛等を挙げることができる。これらの不純物としての多価金属の存在形態は、多価金属樹脂塩、多価金属単体、多価金属イオン、多価金属化合物中の多価金属等多種多様であるが、本明細書では、便宜上、存在形態によらず、一括して「不純物としての多価金属」と表記する。なお多価金属は、多価金属単体、多価金属イオン及び多価金属を含む化合物中の多価金属等、その存在形態を問わず加算した総量を示すものとする。
なお、顔料の化学構造に組み込まれた多価金属は不純物ではない。本願における「不純物としての多価金属」との区別は、顔料の化学構造に組み込まれた多価金属量を計算し、その量の差をとることで区別が可能である。
前記不純物としての多価金属として例示した中でも、通常は、カルシウムとマグネシウムの含有量が高く、特にカルシウムの含有量が圧倒的に高いことが多い。このため、インクジェット記録用水性インクの長期の保存安定性や吐出安定性に及ぼす影響に関する検証も、カルシウムとマグネシウムとの含有量合計、あるいはカルシウム含有量に対して行うことが現実的である。また不純物としての多価金属の含有量も、カルシウムまたはカルシウムとマグネシウムの含有量の合計を測定することで、その低減状況を評価することが可能である。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、特に断りがない限り「部」は「質量部」、「%」は「質量%」であり、1L(L(リットル))=1dm、1μL(マイクロL(リットル))=1mm3である。
(アニオン性基を含有する樹脂)
アニオン性基を含有する樹脂として、次のものを使用した。
(アニオン性基を含有するアクリル系共重合体 樹脂A、樹脂B)
樹脂A:モノマー組成比において、
スチレン/ メタアクリル酸/ アクリル酸=77/13/10(質量比)であり、
質量平均分子量11000、酸価150mgKOH/g
樹脂B:モノマー組成比において、
スチレン/ メタアクリル酸/ アクリル酸=72/16/12(質量比)であり、
質量平均分子量8000、酸価182mgKOH/g
(アニオン性基を含有するポリウレタン樹脂 樹脂W)
温度計、窒素ガス導入管及び攪拌機を備えた窒素置換された容器中にメチルエチルケトン64.2質量部を加え、該メチルエチルケトン中で、2,2−ジメチロールプロピオン酸18.4質量部及びイソホロンジイソシアネート33.9質量部を混合し、80℃で4時間反応させた。4時間後、メチルエチルケトンを更に38.2質量部を供給し、60℃以下に冷却した後、ポリエーテルポリオール(「PTMG2000」三菱化学株式会社製のポリテトラメチレングリコール、数平均分子量1000)140.1質量部及びジブチル錫ジラウリレート(以下DBTDL)0.01質量部を追加し、80℃で反応を継続させた。
反応物の重量平均分子量が20000から50000の範囲に達したことを確認した後、メタノール1.3質量部を投入することによって反応を終了した。次いで、メチルエチルケトン41.6質量部を追加することによってウレタン樹脂の有機溶剤溶液を得た。
前記ウレタン樹脂の有機溶剤溶液に50質量%水酸化カリウム水溶液15.1質量部を加えることによって、前記ウレタン樹脂が有するカルボキシル基の一部または全部を中和し、次いで水848.5質量部を加え十分に攪拌することによって、ウレタン樹脂とメチルエチルケトンと水とを含み、前記ウレタン樹脂が前記水中に分散又は溶解した混合物を得た。
次いで、前記混合物を約2時間エージングした後、前記混合物中にサーフィノール440(エアープロダクツ社製、アセチレングリコールのエチレンオキサイド付加物、不揮発分100質量%)0.07質量部を加え、約20分攪拌することにより混合物を得、該混合物を約1〜50kPaの減圧条件下で蒸留した。
前記混合物中に含まれるメチルエチルケトンの144質量部を除去したことを確認した後、減圧下でサーフィノール440(エアープロダクツ社製)0.03質量部を追加し、減圧蒸留を継続した。次いで、前記混合物中に含まれる水の147質量部を脱水したことを確認し、前記減圧蒸留を終了した。
次いで、水を加えることによって不揮発分を調整することにより、不揮発分20質量%の樹脂Wの水溶液1000質量部を得た。
なお、ここで重量平均分子量は以下の測定条件で得られたものである。
(GPC測定条件)
樹脂A及び樹脂Wの質量平均分子量は、GPC(ゲル・浸透・クロマトグラフィー)法で測定した値であり、ポリスチレン分子量に換算した値である。測定条件は以下の通りである。
送液ポンプ:LC−9A
システムコントローラー:SLC−6B
オートインジェクター:S1L−6B
検出器:RID−6A
以上 (株)島津製作所製
データ処理ソフト:Sic480IIデータステーション(システムインスツルメンツ 社製)。
カラム:GL−R400(ガードカラム)+GL−R440+GL−R450+GL−R400M(日立化成工業(株)製)
溶出溶媒:テトラヒドロフラン(THF)
溶出流量:2ml/min
カラム温度:35℃
(キレート繊維溶液Dの調整)
キレート繊維(キレスト(株)製 キレストファイバーIRY−L(商品名))1.8部、純水20.0部を十分に撹拌してスラリー状にして、48%水酸化カリウム(KOH)溶液0.3部を投入し5分間撹拌し、キレート繊維水溶液Dを得た。この時、キレート繊維中のアルカリ金属型キレート形成基の割合は52%である。
(実施例1)
(工程1)水性顔料分散体C1の製造方法
<組成1>
樹脂A 1500部
ファストゲンブルーSBG−SD
( Pigment Blue 15:3)
( DIC(株)製) 5000部
トリエチレングリコール 2400部
34% 水酸化カリウム水溶液 662部
組成1の混合物を、容量50LのプラネタリーミキサーPLM−V−50V(株式会社井上製作所製)に仕込み、ジャケットを加温し、内容物温度が60℃になるまで低速(自転回転数:21rpm,公転回転数:14rpm)で混練を行い、内容物温度が60℃に達した後、高速(自転回転数:35rpm,公転回転数:24rpm)に切替、混練を1時間継続し顔料ペーストを得た(固形分含有比率:68%)。
前記撹拌槽内の顔料ペーストに、イオン交換水を500部加えて混練を継続し、均一に希釈されたことを確認して、さらに500部のイオン交換水を加え、同様に均一になるまで希釈した。以下同様にして、イオン交換水を500部ずつ加え、総量4000部のイオン交換水を加えた。次いで、混練を継続しながら、イオン交換水を加える量を1000部/回にし、上記と同様に均一に希釈されたことを確認しながら総量11000部のイオン交換水を加えた。イオン交換水の添加が終了した後、プラネタリーミキサーから生成物を取り出した。
取り出した生成物10000部に、トリエチレングリコール651部、イオン交換水2482部を分散撹拌機で撹拌しながら少量ずつ添加して、水性顔料分散体C1(顔料濃度15.5%)を得た。
(工程2)
前記水性顔料分散体C1の300部を45度に調整した後、撹拌しながらキレート繊維溶液Dを投入して1時間撹拌した。撹拌終了後、270メッシュ(孔径53um)のふるいでキレート繊維を除去した。温度と攪拌時間を表1に示す。
(実施例2〜4、比較例1〜5)
実施例1の工程1で得た水性顔料分散体C1に対し、工程2の温度と攪拌時間を変更させた以外は実施例1と同様にして、実施例2〜4、比較例1〜5の結果を得た。温度と攪拌時間を表1に示す。
(実施例5)
(工程1)水性顔料分散体M1の製造方法
<組成2>
樹脂B 1000部
ファストゲンスーパーマゼンタRY(DIC(株)製) 5000部
トリエチレングリコール 3300部
34% 水酸化カリウム水溶液 535部
組成2の混合物を、容量50LのプラネタリーミキサーPLM−V−50V(株式会社井上製作所製) に仕込み、ジャケットを加温し、内容物温度が60℃になるまで低速(自転回転数:21rpm,公転回転数:14rpm)で混練を行い、内容物温度が60℃に達した後、高速(自転回転数:35rpm,公転回転数:24rpm)に切替、混練を1時間継続し(固形分含有比率:61%)、顔料ペーストを得た。
前記撹拌槽内の顔料ペーストに、イオン交換水を200部加えて混練を継続し、均一に希釈されたことを確認して、さらに200部のイオン交換水を加え、同様に均一になるまで希釈した。以下同様にして、イオン交換水を200部ずつ加え、総量1000部のイオン交換水を加えた。次いで、混練を継続しながら、イオン交換水を加える量を500部/回にし、上記と同様に均一に希釈されたことを確認しながら総量14000部のイオン交換水を加えた。イオン交換水の添加が終了した後、プラネタリーミキサーから生成物を取り出した。
さらに取り出した生成物10000部に、トリエチレングリコール282部、イオン交換水2707部を分散撹拌機で撹拌しながら少量ずつ添加し、水性顔料分散体M1(顔料濃度15.5%)を得た。
(工程2)
前記水性顔料分散体M1の300部を40度に調整した後、撹拌しながらキレート繊維溶液Dを投入して1時間撹拌した。撹拌終了後、270メッシュ(孔径53um)のふるいでキレート繊維を除去した。温度と攪拌時間を表1に示す。
(実施例6、比較例7〜10)
実施例5の工程1で得た水性顔料分散体M1に対し、工程2の温度と攪拌時間を変更させた以外は実施例5と同様にして、実施例6、比較例7〜10の結果を得た。温度と攪拌時間を表2に示す。
(実施例7)
(工程1)水性顔料分散体Y1の製造方法
<組成3>
樹脂B 1500部
Fast Yellow 7410
(Pigment Yellow 74)
(山陽色素株式会社製) 5000部
トリエチレングリコール 3000部
34% 水酸化カリウム水溶液 802部
組成3の混合物を、容量50LのプラネタリーミキサーPLM−V−50V(株式会社井上製作所製)に仕込み、ジャケットを加温し、内容物温度が60℃ になるまで低速(自転回転数:21rpm,公転回転数:14rpm)で混練を行い、内容物温度が60℃に達した後、高速(自転回転数:35rpm,公転回転数:24rpm)に切替、混練を1時間継続し(固形分含有比率:63%)、顔料ペーストを得た。
前記撹拌槽内の顔料ペーストに、イオン交換水を100部加えて混練を継続し、均一に希釈されたことを確認して、さらに100部のイオン交換水を加え、同様に均一になるまで希釈した。以下同様にして、イオン交換水を100部ずつ加え、総量1000部のイオン交換水を加えた。次いで、混練を継続しながら、イオン交換水を加える量を500部/回にし、上記と同様に均一に希釈されたことを確認しながら総量14000部のイオン交換水を加えた。イオン交換水の添加が終了した後、プラネタリーミキサーから生成物を取り出した。
さらに取り出した生成物10000部に、トリエチレングリコール395部、イオン交換水2354部を分散撹拌機で撹拌しながら少量ずつ添加し、水性顔料分散体Y1(顔料濃度15.5%)を得た。
(工程2)
前記水性顔料分散体Y1の300部を45度に調整した後、撹拌しながらキレート繊維溶液D1を投入して1時間撹拌した。撹拌終了後、270メッシュ(孔径53um)のふるいでキレート繊維を除去した。温度と攪拌時間を表3に示す。
(実施例7〜10、比較例11〜15)
実施例6の工程1で得た水性顔料分散体Y1に対し、工程2の温度と攪拌時間を変更させた以外は実施例6と同様にして、実施例7〜10、比較例11〜15の結果を得た。温度と攪拌時間を表3に示す。
(実施例11)
(工程1)水性顔料分散体M2の製造方法
<組成4>
ファストゲンスーパーマゼンタRY ウェットケーキ(不揮発分30質量%)
(DIC(株)製) 155部
樹脂Wの水溶液 (不揮発分20質量%) 47部
トリエチレングリコール 37部
イオン交換水 61部
組成4を金属製ビーカーに投入し、超音波分散機(hielscher社製UIP1000hd 最大出力:1000W 周波数:20KHz)により60分間超音波分散し、水性顔料分散体M2(顔料濃度15.5%)を得た。
なお、この時与えたエネルギーとしては単位顔料当たりに換算すると19W/gである。
(工程2)
前記水性顔料分散体M2の300部を45度に調整した後、撹拌しながらキレート繊維溶液D1を投入して1時間撹拌した。撹拌終了後、270メッシュ(孔径53um)のふるいでキレート繊維を除去した。温度と攪拌時間を表4に示す。
(実施例12〜14、比較例16〜20)
実施例11の工程1で得た水性顔料分散体M2に対し、工程2の温度と攪拌時間を変更させた以外は実施例11と同様にして、実施例12〜14、比較例16〜20の結果を得た。温度と攪拌時間を表4に示す。
(評価方法)
(金属含有量)
前記実施例、比較例で得た水性顔料分散体0.2μLを精秤し、0.2Nアンモニア水で20mLまでメスアップしサンプル液を得た。該サンプル液をICP分析装置(Perkin Elmer製 Optima 3300DV)で測定し、金属としてカルシウム(Ca)、マグネシウム(Mg)含有量を定量した。表中は、顔料濃度14.5%に換算したときの金属含有量で示した。
結果を各々の表に示す。
Figure 0006686406
*「なし」はキレート樹脂との接触処理をしていない。
Figure 0006686406
*「なし」はキレート樹脂との接触処理をしていない。
Figure 0006686406
*「なし」はキレート樹脂との接触処理をしていない。
Figure 0006686406
*「なし」はキレート樹脂との接触処理をしていない。
以上の実施例、比較例が示したように、本発明の接触処理を35℃以上で行う工程2を有する製造方法で得た水性顔料分散体は、高効率で多価金属含有量を低減することが出来た。
これは、水性顔料分散体中でアニオン性基を有する樹脂やアニオン性基を有する化合物と、多価金属イオンによる塩が、キレート樹脂の接触処理の加温によって、捕集効率が向上したためと推定される。

Claims (1)

  1. 顔料と、アニオン性基を含有する樹脂と、塩基性化合物とを含む水性顔料分散体の製造方法であって、顔料と、アニオン性基を含有する樹脂と、塩基性化合物と水とを含む水性顔料分散体を得る工程1と、繊維状または粒子状であり一繊維中または一粒子中にナトリウム及び/またはカリウム型及び水素型のキレート形成基を有し、かつ全キレート形成基中のナトリウム及び/またはカリウム型キレート形成基の割合が30モル%〜90モル%であるイミノジ酢酸型キレート樹脂による接触処理を35℃〜70℃で行う工程2とを有することを特徴とする水性顔料分散体の製造方法。
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