JPH09286613A - 電子材料用高純度アルミナ及びムライトの製造方法 - Google Patents

電子材料用高純度アルミナ及びムライトの製造方法

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JPH09286613A
JPH09286613A JP8098858A JP9885896A JPH09286613A JP H09286613 A JPH09286613 A JP H09286613A JP 8098858 A JP8098858 A JP 8098858A JP 9885896 A JP9885896 A JP 9885896A JP H09286613 A JPH09286613 A JP H09286613A
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slag
alumina
silica
ammonium alum
purity
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Kunihiko Nakamura
邦彦 中村
Tomio Takamatsu
富男 高松
Hideyuki Tsukamoto
秀幸 塚本
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Nippon Steel Chemical Co Ltd
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  • Compounds Of Alkaline-Earth Elements, Aluminum Or Rare-Earth Metals (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 製鉄所や精練所から副生する高炉スラグ等の
スラグから、電子材料用高純度アルミナ及び高純度ムラ
イトの効率的な製造方法を提供する。 【解決手段】 スラグ又はスラグ誘導体を硫酸と反応さ
せてせっこう又はせっこうと非晶質シリカを析出させ、
これを分離し、分離された液にアンモニアを添加してア
ンモニウムみょうばんを生成、析出させ、これを分離し
て得られるアンモニウムみょうばんを再結晶法で精製し
た後、精製アンモニウムみょうばんを熱分解する高純度
アルミナの製造方法、及び精製アンモニウムみょうばん
から調製した水酸化アルミニウムゾルと、非晶質シリカ
から調製したシリカゾルを、アルミナ/シリカ(モル
比)が3/2になるように混合し、乾燥し、焼成する高
純度ムライトの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、製鉄所や精練所等から
副生するスラグから、電子部品封止材用充填剤等の電子
材料用に好適な高純度アルミナ及びムライトの製造方法
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】製鉄所では、製鉄用高炉から高炉スラ
グ、製鋼用転炉から転炉スラグ、電気炉から電炉スラグ
等の鉄鋼スラグが多量に発生している。これらの鉄鋼ス
ラグは、例えば高炉スラグでは製品である銑鉄の30重
量%にも達し、かねてからその有効利用が図られてき
た。高炉スラグの利用方法として、溶融状高炉スラグを
徐冷してスラグ砕石とし、これを道路の路盤材料や埋立
資材にしたり、あるいはこのスラグ砕石や溶融状スラグ
から、各種断熱材や建材として有用なロックウールを製
造することが行われている。また、溶融状高炉スラグを
水で急冷破砕して高炉水砕スラグとし、高炉水砕スラグ
の潜在水硬性を生かして、高炉セメントを製造したり、
地盤改良資材に使用したりされている。
【0003】さらに、鉄鋼スラグ中の特定成分に着目
し、これの有効利用を図ったり、これをスラグから分離
する試みもなされている。特開平7−10521号公報
には、鉄鋼スラグの一種であるステンレススラグを硫酸
と反応させ、せっこうを分離した濾液にアルカリ水溶液
を添加し、析出した沈殿物から非晶質シリカを得る方法
が記載されている。また、特公昭57−43054号公
報には、高炉スラグから吸着剤を得るため、これに酸を
添加してゲル状物を生成させ、これを乾燥して微粉状固
体の吸着剤とする方法が記載されている。しかしなが
ら、これらはアルミナの製造を教えるものではない。
【0004】一方、アルミナは、優れた物理的、化学
的、熱的、光学的特性を有するため、ファインセラミッ
クスの進歩とともに急速にその用途が拡がっている。特
に、高純度アルミナは、近年、ファインセラミックスの
分野で、電子部品用基板やパッケージ材料、透光性セラ
ミックス、レーザー素子等に使用されるようになった。
このような電子材料用の一部の用途にあっては、α線に
よるソフトエラ−を防止するため、ウラン及びトリウム
の含有量が低いことが望まれている(ラヂオアイソト−
プス,31,p490〜499、窯業協会誌,89,p
46〜51,1981)。
【0005】これまで、高純度アルミナの製造方法とし
ては、アンモニウムみょうばん法、有機アルミニウム金
属法、改良バイヤー法、水中アーク法などが知られてい
る。これらの方法はいずれも、出発原料がボーキサイト
であり、ボーキサイトからバイヤー法により製造された
水酸化アルミニウムや、さらにホール・エール法により
電解精錬された金属アルミニウムを経て製造されるもの
であり、製造コストが高いという問題がある。また、天
然鉱物であるボーキサイトには、産地によって含有量は
異なるが、ウランが10000ppb 近く高濃度に含まれ
るものがある。バイヤー法を経た通常のアルミナには、
1000ppb ものウランが含まれ、これをホールエール
法により電解精錬してもウランの含有量は減少しない。
したがって、このような原料から製造される高純度アル
ミナのウランやトリウムを、電子材料用途に要求される
レベル以下に低減することは容易でない。
【0006】さらに、バイヤー法ではボーキサイトを溶
解するのにカセイソーダを使用し、また、ホール・エー
ル法ではアルミナを溶解するのに融材として氷晶石(3
NaF・AlF3 )を使用するので、製品であるアルミ
ナや金属アルミニウムに不純物としてナトリウムが多量
に含まれている。このナトリウムは、電子材料用途には
最も好ましくない元素であるので、コストをかけても徹
底的に除去しなければらない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明の
目的は、製鉄所や精練所から副生する高炉スラグ等のス
ラグから電子材料用高純度アルミナを効率的に製造する
方法を提供することにある。また、本発明の目的は、ス
ラグから電子材料用高純度シリカを併産することができ
る電子材料用高純度アルミナの製造方法を提供すること
にある。さらに、本発明の目的は、スラグから高純度ム
ライトの効率的な製造方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、ス
ラグ又はスラグ誘導体を硫酸と反応させてせっこう又は
せっこうと非晶質シリカを析出させ、これを分離し、分
離された液にアンモニアを添加してアンモニウムみょう
ばんを生成、析出させ、これを分離して得られるアンモ
ニウムみょうばんを再結晶法で精製した後、精製アンモ
ニウムみょうばんを熱分解することを特徴とする電子材
料用高純度アルミナの製造方法であり、また、本発明
は、再結晶法で精製された精製アンモニウムみょうばん
を、水酸化アルミニウム又はアンモニウムアルミニウム
炭酸塩に変換させ、ついでこれを熱分解することを特徴
とする電子材料用高純度アルミナの製造方法である。
【0009】また、本発明は、スラグ又はスラグ誘導体
を硫酸と反応させてせっこうを生成させ、析出したせっ
こうを分離し、この濾液の酸濃度を1規定以上に高めて
非晶質シリカを析出させ、非晶質シリカを分離した後、
この濾液にアンモニアを添加してアンモニウムみょうば
んを析出させ、これを濾過分離して得られるアンモニウ
ムみょうばんから高純度アルミナを製造することを特徴
とする高純度シリカを併産する電子材料用高純度アルミ
ナの製造方法である。
【0010】さらに、本発明は、前記の精製アンモニウ
ムみょうばんを純水に溶解し、アンモニアを添加して水
酸化アルミニウムゾルとなし、前記の非晶質シリカを水
洗、水洗と酸洗浄により精製し、これを純水に分散して
シリカゾルとなし、これらをアルミナ/シリカ(モル
比)が3/2になるように混合し、乾燥し、焼成するこ
とを特徴とする高純度ムライトの製造方法である。
【0011】
【発明の実施態様】以下、本発明について詳細に説明す
る。本発明で原料として使用するスラグとは、製鉄所、
精錬所等で発生する各種スラグをいい、例えば、高炉ス
ラグ、転炉スラグ、電炉スラグ、ステンレス鋼スラグ、
ニッケル精錬スラグ等の酸可溶性のシリカ分を含むスラ
グが挙げられ、好ましくは、シリカ、アルミナ及びアル
カリ土類金属の酸化物を主成分とするスラグである。こ
れらのスラグのうち、アルミナ分を10%以上含有する
ものが好ましく、具体的には高炉スラグ、アルミナ分を
約40%含有する取鍋スラグが挙げられる。高炉スラグ
の化学組成の一例を示すと、シリカ:33%、アルミ
ナ:14%、酸化カルシウム:41%、マグネシア:7
%、イオウ:1%、その他が残余である。
【0012】高炉スラグには、溶融状スラグを水で急冷
破砕した高炉水砕スラグと、溶融状スラグを徐冷したス
ラグ砕石があるが、反応性やハンドリングの面から高炉
水砕スラグが特に好ましい。そして、砂粒状の高炉水砕
スラグをさらに粉砕し、ブレーン比表面積で3000cm
2 /g以上の高炉水砕スラグ粉末が特に好ましい。
【0013】また、本発明においては、上記のスラグだ
けでなく、スラグ誘導体も原料として使用することがで
きる。ここで、スラグ誘導体とは、上記のスラグから製
造されるロックウ−ル、セメント、コンクリ−ト、バラ
ス等をいい、上記のような性状を有するものである。例
えば、ロックウ−ルは、高炉スラグに石英等の成分調整
材を添加した原料を溶融し、これを製綿して得られる
が、その化学的性状はスラグに類似している。このスラ
グ誘導体は、そのまま本発明の原料としてもよいが、そ
の生産工程で生ずるショット、不合格綿や、その2次製
品製造工程で生ずる屑綿、建築物の解体現場で生ずる回
収綿などが好適に使用できる。ロックウ−ル以外のスラ
グ誘導体についても同様なことがいえる。
【0014】本発明において、スラグを溶解するのに硫
酸を使用する。硫酸以外の酸、例えば塩酸で溶解する
と、水溶性の高い塩化カルシウムが生成し、この分離が
極めて困難になる。硫酸を使用すると、スラグ中に最も
多く含まれる酸化カルシウム成分が二水せっこうとして
析出沈殿し、その他の成分は酸に溶解する。この二水せ
っこうは、セメント原料やせっこうボード等の建築材料
として有用である。
【0015】本発明で使用する硫酸の濃度は、特に限定
されないが、0.5〜10規定の範囲が適当である。そ
の使用量は、スラグ中のCaO等の塩基分を中和する量
以上である必要があり、反応終了後のpHが酸性、好ま
しくは3以下、より好ましくは1以下となる量である。
硫酸の使用量が少ないとカルシウム分が残存するだけで
なく、シリカゲルと鉄、アルミニウムの水酸化物コロイ
ドも一緒に析出を開始する。しかし、高濃度の硫酸を大
過剰に使用することは、経済的に不利であるだけでな
く、シリカ分が徐々に析出してくるので好ましくない。
【0016】析出した二水せっこう、又はこれと非晶質
シリカを濾過、遠心分離等により分離した濾液には、濾
液のpHが1程度であれば、珪酸、アルミニウム、マグ
ネシウム、鉄、チタン等がイオン成分として溶解してい
る。また、硫酸濃度を更に高めるとシリカ分も析出す
る。
【0017】この濾液にアンモニアを加えると、この母
液からアンモニウムみょうばん〔NH4 Al(SO4
2 ・12H2 O〕が晶析する。アンモニアの添加量は、
母液中のアルミニウム量と等モル以上(AlとNH3
モル比)で、母液のpHが3を超えないようにする必要
がある。これの添加量が多すぎて母液のpHが3を超え
ると、母液に含まれる他の金属の水酸化物コロイドや非
晶質シリカゲルが析出するので好ましくない。また、こ
れの添加量が母液中のアルミニウムイオンに対して等モ
ルより少ないと、アンモニウムみょうばんの回収率が低
下する。また、アンモニウムみょうばんは水に溶解性を
もつので、これを晶析するには、みょうばんの濃度が1
0g/100g以上、好ましくは20g/100g以上
程度に濃縮することが好ましい。添加するアンモニア
は、アンモニアガスでもアンモニア水でよいし、アンモ
ニウム塩であることもできる。
【0018】このようにして得られたアンモニウムみょ
うばんは、水を用いる再結晶法で精製される。再結晶は
バッチ式でも連続式でもよく、バッチ式の場合、その回
数は2回以上とすることがよい。
【0019】高純度アルミナの製造原料としてアンモニ
ウムみょうばんは、工業的に用いられており、常法で高
純度アルミナを製造することができる。すなわち、これ
を晶析等により精製したものを、直接熱分解してアルミ
ナとするか、あるいはこれを純水に再溶解し、アンモニ
アを添加することにより水酸化アルミニウムゾルを得
て、これを焼成してアルミナとするか、あるいはこれを
純水に再溶解し、炭酸水素アンモニウムを添加すること
によりアンモニウムアルミニウム炭酸塩を熱分解してア
ルミナを得ることができる。なお、水酸化アルミニウム
又はアンモニウムアルミニウム炭酸塩は、純水で洗浄す
ることによって、更に純度が向上する。
【0020】このようにして得られる高純度アルミナ
は、純度99.9%以上で、ウラン、トリウム等のα線
放射元素の含有量が10ppb 以下であり、また、製造過
程でナトリウム含有副原料等を使用しないので、ナトリ
ウム含有量も少ないという特徴を有する。
【0021】以上説明した本発明は、スラグから高純度
アルミナを製造するものであるが、高炉スラグのように
シリカを多量に含む原料を使用する場合は、コスト低減
のために、シリカも回収することが望ましい。シリカの
回収には、上記の方法によりアルミナをアンモニウムみ
ょうばんとして晶析し、これを分離した濾液に、硫酸等
の鉱酸を添加し、濾液を酸性にしたあと加熱濃縮し、非
晶質シリカを析出させることができる。また、別法とし
て、せっこうを分離した濾液をそのまま加熱濃縮するか
あるいはさらに硫酸を添加して非晶質シリカを析出さ
せ、これを分離回収し、ついで、この濾液にアンモニア
を添加し、アンモニウムみょうばんを析出させる方法が
ある。経済性の観点からは、後者の方法、すなわち、シ
リカを回収し、次いでアルミナを回収かるプロセスが好
ましい。
【0022】上記のように、シリカ併産プロセスとする
場合、回収される非晶質シリカとアンモニウムみょうば
んとから、高純度ムライトを製造することもできる。こ
の場合、アルミナとしては、精製したアンモニウムみょ
うばんを純水に再溶解し、アンモニアを添加して水酸化
アルミニウムゾルとする。一方、シリカとしては、酸濃
度を高めることにより析出したものを純水で洗浄し、純
水に分散させたシリカゾルとして使用する。なお、さら
に酸洗浄してシリカゾルの純度を高めたものを使用して
もよい。この水酸化アルミニウムゾルとシリカゾルと
を、アルミナ/シリカモル比で3/2の割合で混合し、
乾燥し、約1000℃以上、好ましくは約1300℃以
上で焼成することによって高純度ムライトを経済的に製
造することができる。
【0023】本発明の方法で得られた高純度アルミナ又
はムライトは、U及びTh濃度が低いので、α線による
ソフトエラ−が問題とされる電子材料用に用いられる。
具体的には、ICのセラミックパッケ−ジ用のアルミ
ナ、LSIや超LSI用シリコンチップのアルミナ製保
護容器材料用のアルミナ等に用いられる。
【0024】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に詳細に説明
するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではな
い。
【0025】実施例1 高炉セメントの混合材に使用される高炉水砕スラグ粉末
(粉末度 ブレーン比表面積4000cm2 /g)10重
量部に対し、3規定硫酸を100重量部添加して室温で
30分間攪拌したところ、最初はスラグのベージュ色だ
った液が白色に変わった。析出した固形分を濾過分離
し、水で洗浄し、乾燥したところ、白色粉末を得た。こ
れは、X線回析で純粋な二水せっこうであると同定され
た。
【0026】この濾液にさらに濃硫酸を10重量部加
え、攪拌しながら95℃に加熱濃縮したところ、非晶質
シリカと思われるゲル状物質が析出した。これを濾過分
離し、濾液にアンモニア水をpHが2になるまで添加し
て静置したところ、結晶が析出した。これは、X線回折
でアンモニウムみょうばんであると同定された。このア
ンモニウムみょうばんを、純水に再溶解し、加熱後冷却
し、再結晶する晶析操作を3回繰り返し、精製アンモニ
ウムみょうばんを得た。
【0027】ついで、精製アンモニウムみょうばんを純
水に溶解し、pHが6になるまでアンモニア水を添加し
て、水酸化アルミニウムを析出させた。これを濾過分離
し、水洗し、乾燥し、最後に1200℃で2時間焼成し
て、白色粉末を得た。
【0028】これは、X線回折で純度99.99%以上
のαアルミナであると同定された。アルミナ以外の微量
成分の分析結果を表1に示す。なお、含有量の単位はpp
m である。
【0029】
【表1】
【0030】実施例2 実施例1と同様な方法で精製アンモニウムみょうばんを
製造した。ついで、これを純水に溶解し、炭酸水素アン
モニウムを添加したところ、白色ゾルが生成した。これ
は、X線回折で純粋なアルミニウムアンモニウムカーボ
ネートハイドロオキサイドであると同定された。これを
1200℃で2時間焼成して、白色粉末を得た。
【0031】これは、X線回折で純度99.99%以上
のαアルミナと同定された。アルミナ以外の微量成分の
分析結果を表2に示す。なお、含有量の単位はppm であ
る。
【0032】
【表2】
【0033】実施例3 実施例1と同様な方法で非晶質シリカを製造し、これを
濾過分離し、純水で洗浄した後、純水に分散してシリカ
ゾルとした。同じく、実施例1と同様な方法で水酸化ア
ルミニウムを製造し、これを濾過分離し、純水で洗浄し
た後、純水に分散して水酸化アルミナゾルとした。
【0034】このようにして製造した水酸化アルミナゾ
ルとシリカゾルとを、アルミナ/シリカモル比で3/2
になるように混合し、乾燥後、これを1300℃で2時
間焼成して、白色粉末を得た。
【0035】これは、X線回折で純度99.99%のム
ライトと同定された。アルミナ及びシリカ以外の微量成
分の分析結果を表3に示す。なお、含有量の単位はppm
である。
【0036】
【表3】
【0037】
【発明の効果】本発明によると、製鉄所等の副生物であ
るスラグを原料として、硫酸、アンモニアや洗浄用純水
という安価な原料から、極めて簡単なプロセスで、電子
材料用の高純度アルミナを効率的に製造することがで
き、また、副産物としてセメント原料や建築材料として
有用なせっこうを得ることができる。さらに、電子材料
用の高純度シリカを併産することもできる。さらにま
た、この製造プロセスを活用して高純度ムライトを効率
的に製造することができる。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スラグ又はスラグ誘導体を硫酸と反応さ
    せてせっこう又はせっこうと非晶質シリカを析出させ、
    これを分離し、分離された液にアンモニアを添加してア
    ンモニウムみょうばんを生成、析出させ、これを分離し
    て得られるアンモニウムみょうばんを再結晶法で精製し
    た後、精製アンモニウムみょうばんを熱分解することを
    特徴とする電子材料用高純度アルミナの製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1の精製アンモニウムみょうばん
    を、水酸化アルミニウム又はアンモニウムアルミニウム
    炭酸塩に変換させ、ついでこれを熱分解することを特徴
    とする電子材料用高純度アルミナの製造方法。
  3. 【請求項3】 スラグ又はスラグ誘導体を硫酸と反応さ
    せてせっこうを生成させ、析出したせっこうを分離し、
    この濾液の酸濃度を1規定以上に高めて非晶質シリカを
    析出させ、非晶質シリカを分離した後、この濾液にアン
    モニアを添加してアンモニウムみょうばんを析出させ、
    これを濾過分離して得られるアンモニウムみょうばんか
    ら高純度アルミナを製造することを特徴とする高純度シ
    リカを併産する電子材料用高純度アルミナの製造方法。
  4. 【請求項4】 ウラン及びトリウムの含有量が、10pp
    b 以下である請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の
    電子材料用の高純度アルミナの製造方法。
  5. 【請求項5】 スラグが、高炉水砕スラグ又は取鍋スラ
    グである請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の電子
    材料用高純度アルミナの製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項3の精製アンモニウムみょうばん
    を純水に溶解し、アンモニアを添加して水酸化アルミニ
    ウムゾルとなし、請求項3の非晶質シリカを水洗又は水
    洗と酸洗浄により精製し、これを純水に分散してシリカ
    ゾルとなし、これらをアルミナ/シリカ(モル比)が3
    /2になるように混合し、乾燥し、焼成することを特徴
    とする高純度ムライトの製造方法。
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