JP2977171B2 - 合成繊維用処理剤及び合成繊維の処理方法 - Google Patents

合成繊維用処理剤及び合成繊維の処理方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は合成繊維用処理剤及び合
成繊維の処理方法に関する。レーヨン、ポリアミド繊
維、ポリエステル繊維等を補強材として用い、これらを
ゴム類と接着加工したものが自動車用タイヤ類、ベルト
類、ホース類等に広く利用されている。レーヨン、ポリ
アミド繊維、ポリエステル繊維等を上記のように補強材
として用いる場合、これらがゴム類との接着性に優れて
いることが肝要である。本発明は、その表面特性を改善
してゴム類との接着性に優れた合成繊維を得ることがで
きる、合成繊維用処理剤及び合成繊維の処理方法に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】従来、レーヨン、ポリアミド繊維、ポリ
エステル繊維等の生コードをゴム類と接着する場合、R
FL(レゾルシン−ホルマリン−ゴムラテックス系接着
剤)で処理することが行なわれている。ところが、この
従来手段だけでは双方の接着が不充分という欠点があ
る。特にポリエステル繊維とゴム類との接着が悪い。そ
こでポリエステル繊維については、ポリエポキシ化合物
やポリイソシアネート化合物等を配合した紡糸油剤を用
い、該紡糸油剤を溶融紡糸直後のポリエステル繊維に付
着させて熱処理し、更に一定時間熟成することによりそ
の表面特性を予め改質しておくことも提案されている
(特開昭60−194122、特公昭43−2150
7)。ところが、これらの従来手段でもポリエステル繊
維とゴム類との接着が依然として不充分であり、またこ
れらの従来手段には健康上の懸念があるポリエポキシ化
合物や水との反応性に富むポリイソシアネート化合物を
用いるため安全性や取扱性に問題が多いという欠点があ
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、従来手段では補強材として用いる合成繊維
のゴム類に対する接着性が不充分で、また安全性や取扱
性に問題が多い点である。
【0004】
【課題を解決するための手段】しかして本発明者らは、
上記観点で鋭意研究した結果、特定構造の不飽和ウレタ
ンと潤滑油成分とをそれぞれ所定割合で用いて合成繊維
の表面特性を予め改質しておくことが正しく好適である
ことを見出した。
【0005】すなわち本発明は、合成繊維表面へ付着さ
せ、硬化触媒の存在下に該合成繊維表面で硬化させる処
理剤であって、下記の式1で示される不飽和ウレタン
と、潤滑剤及び界面活性剤を主成分とする潤滑油成分と
から成り、該不飽和ウレタン/該潤滑油成分=10/9
0〜90/10(重量比)の割合から成ることを特徴と
する合成繊維用処理剤に係る。また本発明は、溶融紡糸
された合成繊維に、延伸の前及び/又は後の工程で、上
記の不飽和ウレタンと潤滑油成分とを、該不飽和ウレタ
ン/該潤滑油成分=10/90〜90/10(重量比)
の割合となるよう付着させた後、硬化触媒の存在下で該
不飽和ウレタンを硬化させることを特徴とする合成繊維
の処理方法に係る。
【0006】
【式1】
【0007】式1において、 X:2〜6価のポリイソシアネート化合物又はポリウレ
タンポリイソシアネート化合物からイソシアネート基を
除いた残基 Y1,Y2:同時に同一又は異なる、2〜4価のポリオー
ル又は(ポリ)エーテルポリオールから水酸基を除いた
残基 R1,R2:同時に同一又は異なる、H又はCH3 p,q:1〜3の整数 m,n:0〜6の整数であって、且つ2≦m+n≦6を
満足する整数
【0008】本発明の合成繊維用処理剤において、式1
で示される不飽和ウレタンにはラジカル重合性エステル
モノオールとポリイソシアネート化合物とのウレタン化
反応生成物及びラジカル重合性エステルモノオールとポ
リウレタンポリイソシアネート化合物とのウレタン化反
応生成物が含まれる。ここで該ラジカル重合性エステル
モノオールは、(メタ)アクリル酸と2〜4価のポリオ
ール又は2〜4価の(ポリ)エーテルポリオールとから
誘導される、分子中に遊離の水酸基を1個有する部分エ
ステル(以下、エステルモノオールという)である。
【0009】上記エステルモノオールとしては、1)ヒ
ドロキシエチルモノ(メタ)アクリレート、ヒドロキシ
プロピルモノ(メタ)アクリレート等の、2価アルコー
ルのモノ(メタ)アクリレート類、2)ジエチレングリ
コールモノメタクリレート、プロピレングリコールモノ
メタクリレート、ポリエチレングリコール(3〜9モ
ル)モノメタクリレート、ポリプロピレングリコール
(3〜9モル)モノアクリレート、ポリ(オキシエチレ
ン及び/又はオキシプロピレン)グリコールモノアクリ
レート等の、ポリアルキレングリコールのモノ(メタ)
アクリレート類、3)グリセリンジアクリレート、グリ
セリンジメタクリレート、グリセリンアクリレートメタ
クリレート、トリメチロールプロパンジメタクリレー
ト、5−メチル−1,2,4−ヘプタントリオールジメ
タクリレート、1,2,6−ヘキサントリオールジメタ
クリレート等の、3価アルコールのジ(メタ)アクリレ
ート類、4)ペンタエリスリトールトリアクリレート、
ペンタエリスリトールトリメタクリレート等の、4価ア
ルコールのトリ(メタ)アクリレート類、5)エチレン
グリコールモノグリセリルエーテルジメタクリレート、
(ポリ)エトキシル化トリメチロールプロパンジメタク
リレート、(ポリ)プロポキシル化トリメチロールプロ
パンジアクリレート、(ポリ)エトキシル化グリセリン
ジメタクリレート等の、(ポリ)エーテルトリオールの
ジ(メタ)アクリレート類、6)ジグリセリントリアク
リレート、(ポリ)エトキシル化ペンタエリスリトール
トリメタクリレート、エチレングリコールジグリセリル
エーテルトリメタクリイレート等の、(ポリ)エーテル
テトラオールのトリ(メタ)アクリレート類が挙げられ
る。かかるエステルモノオールを誘導するのに用いる
(ポリ)エーテルポリオールとしては分子量400以下
のものが有利である。
【0010】上記エステルモノオールと反応させるポリ
イソシアネート化合物としては、1)トリレンジイソシ
アネート、4,4−ジフェニルメタンジイソシアネー
ト、キシリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイ
ソシアネート、イソホロンジイソシアネート、メチレン
ビス(シクロヘキシルジイソシアネート)、トリメチル
ヘキサメチレンジイソシアネート等のジイソシアネート
類、2)ヘキサメチレンジイソシアネート環状3量体、
トリス(イソシアネートフェニル)チオホスフェート等
のトリイソシアネート類が挙げられる。
【0011】上記エステルモノオールと反応させるポリ
ウレタンポリイソシアネート化合物は、2〜6価のポリ
オール、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオ
ール、又はポリエーテルエステルポリオール等とジイソ
シアネートとの反応により得られる、分子中に2個以上
の遊離のイソシアネート基を有するものである。かかる
ポリウレタンポリイソシアネート化合物としては、エチ
レングリコールとトリレンジイソシアネートとの1対2
モル反応物、エトキシル化ビスフェノールAとジフェニ
ルメタンジイソシアネートとの1対2モル反応物、トリ
メチロールプロパンとヘキサメチレンジイソシアネート
との1対3モル反応物、ジグリセリンとヘキサメチレン
ジイソシアネートとの1対4モル反応物、ポリエチレン
グリコール(3〜9モル)とキシリレンジイソシアネー
トとの1対2モル反応物、ポリテトラメチレングリコー
ル(3〜9モル)とメチレンビス(シクロヘキシルイソ
シアネート)との1対2モル反応物、ポリカプロラクト
ン変性ジオールとトリメチルヘキサメチレンジイソシア
ネートとの1対2モル反応物、1,4−ブタンジオール
及びコハク酸からなるオリゴエステルジオールとトリレ
ンジイソシアネートとの1対2モル反応物、ポリカーボ
ネートジオールとキシリレンジイソシアネートとの1対
2モル反応物、ヒマシ油とヘキサメチレンジイソシアネ
ートとの1対3モル反応物、テトラエチレングリコール
及びイソフタル酸からなるオリゴエステルジオールとイ
ソホロンジイソシアネートとの1対2モル反応物等が挙
げられる。
【0012】不飽和ウレタンを合成する際のポリイソシ
アネート化合物又はポリウレタンポリイソシアネート化
合物とエステルモノオールとの反応割合は官能基モル比
(NCO/OH)で1/1となるようにするのが好まし
いが、1/0.95〜0.95/1の範囲で変動しても
特に支障はない。不飽和ウレタンの合成では、エステル
モノオールに、触媒の存在下、温度を30〜80℃に保
持しつつ、ポリイソシアネート化合物又はポリウレタン
ポリイソシアネート化合物を徐々に加える方法が採用さ
れる。合成に際し、溶媒として各種の不活性溶媒を用い
ることもできる。
【0013】式1で示される不飽和ウレタンの合成にお
いて、エステルモノオール、ポリイソシアネート化合物
及びポリウレタンポリイソシアネート化合物の種類は該
不飽和ウレタンを合成繊維へ付与して硬化反応させるこ
とにより形成される皮膜の物性に影響を及ぼす。すなわ
ち、エステルモノオールの不飽和基の数が多いほど硬化
反応が早くなり、皮膜が硬くなる。またポリイソシアネ
ート化合物又はポリウレタンポリイソシアネート化合物
のイソシアネート基の数が多いほど皮膜が硬くなる。そ
してポリウレタンポリイソシアネート化合物の分子中に
占めるポリエーテル、ポリエステルポリオール、ポリエ
ーテルエステルポリオール等の割合が増すほど皮膜が柔
らかくなる。したがって合成繊維の製造工程条件や硬化
反応条件に合わせて不飽和ウレタンの種類を選択するの
が好ましい。
【0014】本発明の合成繊維用処理剤において、以上
説明した不飽和ウレタンと併用する潤滑油成分は潤滑剤
及び界面活性剤を主成分とするものである。潤滑剤とし
ては、鉱物油、脂肪酸と1価アルコールとのエステル、
脂肪酸と多価アルコールとのエステル、多価カルボン酸
と1価アルコールとのエステル、ポリ(オキシエチレン
及び/又はオキシプロピレン)エーテル等が挙げられ
る。また界面活性剤としては、1)ポリオキシエチレン
アルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニ
ルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ポ
リオキシエチレン(硬化)ヒマシ油、ポリオキシエチレ
ンアルキルアミノエーテル、ポリオキシエチレンアルキ
ルアミド、多価アルコール部分脂肪酸エステル等の非イ
オン界面活性剤、2)脂肪酸石鹸類、アルケニルコハク
酸石鹸類、アルカンスルホネート塩類、ジアルキルスル
ホサクシネート塩類、アルキルホスフェート塩類等のア
ニオン界面活性剤、3)4級アルキルアンモニウム塩等
のカチオン界面活性剤、4)アルキルイミダゾリニウム
ベタイン等の両性界面活性剤が挙げられる。
【0015】本発明の合成繊維用処理剤は、以上説明し
たような不飽和ウレタンと潤滑油成分とから成り、前者
/後者=10/90〜90/10(重量比)の割合から
成るものである。本発明の合成繊維用処理剤は、合成繊
維表面へ付着させ、硬化触媒の存在下に該合成繊維表面
で硬化させて、該合成繊維の表面を予め改質しておくこ
とにより、該合成繊維のゴム類に対する接着性を向上す
るものである。
【0016】次に本発明の合成繊維の処理方法について
説明する。本発明では、溶融紡糸された合成繊維に、延
伸前及び/又は後の工程で、以上説明したような不飽和
ウレタンと潤滑油成分とを付着させた後、硬化触媒の存
在下で該不飽和ウレタンを硬化させる。
【0017】不飽和ウレタンと潤滑油成分とは、合成繊
維へ同時に付着させてもよいし、別々に付着させてもよ
い。いずれの場合も、不飽和ウレタン/潤滑油成分=1
0/90〜90/10(重量比)の割合となるように付
着させるが、双方を延伸の前の工程で合成繊維へ付着さ
せる場合には、15/85〜85/15(重量比)の割
合となるように付着させるのが好ましい。また潤滑油成
分を延伸の前の工程で合成繊維へ付着させ、不飽和ウレ
タン又は不飽和ウレタンと残りの潤滑油成分との混合物
を延伸の後の工程で合成繊維へ付着させる場合には、不
飽和ウレタン/潤滑油成分=30/70〜90/10
(重量比)の割合となるように付着させるのが好まし
い。合成繊維の延伸、後工程におけるその撚糸や製織を
容易にしつつ、処理後の合成繊維とゴム類との間の接着
をより強くするためである。
【0018】合成繊維に不飽和ウレタンと潤滑油成分と
を付着させる際のこれらの形態は、ニート、水性エマル
ジョン又は有機溶剤溶液のいずれでもよいが、水性エマ
ルジョン又は有機溶剤溶液が好ましい。水性エマルジョ
ンとして付着させる場合、その濃度は通常5〜30重量
%が適用され、また有機溶剤溶液として付着させる場
合、その濃度は通常20〜90重量%が適用されるが、
この場合に用いる有機溶剤としては沸点が200〜30
0℃の石油溜分から得られる炭化水素系のものが好まし
い。合成繊維に対する不飽和ウレタンと潤滑油成分との
付着量は通常0.2〜2重量%が適用される。付着後の
工程で不飽和ウレタンを硬化させるための硬化触媒は不
飽和ウレタンや潤滑油成分に配合しておいてもよいし、
これらとは別に合成繊維へ付着させてもよい。
【0019】不飽和ウレタンと潤滑油成分とを合成繊維
に付着させた後、硬化触媒の存在下に該合成繊維上で該
不飽和ウレタンを硬化させる。硬化の方法としては、
1)熱処理、2)嫌気処理、3)光照射等の方法が挙げ
られる。
【0020】通常、本発明が適用される合成繊維はその
延伸工程において200℃前後の熱処理を受けるため、
延伸の前の工程で不飽和ウレタンを付着させれば、該不
飽和ウレタンも必然的に熱処理されるが、該不飽和ウレ
タンに必要な熱量を確実に与えるためには、延伸の後の
工程で合成繊維を巻き取る前に更に熱処理のためのヒー
ターや熱ローラーを設置するのが好ましい。かかる熱処
理に用いる硬化触媒としては、ジベンゾイルパーオキサ
イドやジクミルパーオキサイド等のパーオキサイド類が
挙げられるが、これらに硬化促進剤として1級又は2級
のアミノ基を有する(ポリ)アミン類を併用することも
できる。
【0021】嫌気処理は延伸後に巻き取った合成繊維の
パッケージを窒素封入するか又は真空包装することで達
成され、また光照射は延伸の前又は後の合成繊維に太陽
光線、白色光線、紫外線等を照射することで達成される
が、合成繊維のパッケージの内層は必然的に嫌気状態と
なるため、窒素封入や真空包装等をしなくても、表層に
光照射すれば、該パッケージ全体を硬化させることもで
きる。かかる嫌気処理に用いる硬化触媒としては、クメ
ンハイドロパーオキサイドやt−ブチルハイドロパーオ
キサイド等のハイドロパーオキサイド類、第3級アミン
類等が挙げられ、また光照射に用いる硬化触媒として
は、ベンゾフェノン、アセトフェノン、ベンゾイン、ア
ントラキノン等のカルボニル化合物、ジフェニルスルフ
ィド、ジチオカーボネート等の硫黄化合物が挙げられ
る。
【0022】
【実施例】
・試験区分1(不飽和ウレタンの合成) ・・不飽和ウレタン(U−1)の合成 グリセリンジメタクリレート227g(2.0モル)及
びジ−n−ブチル錫ジラウレート1.5gをフラスコに
仕込み、50℃に保持して撹拌し、4,4−ジフェニル
メタンジイソシアネート258g(1.0モル)を20
分かけて滴下した。その後、60℃で1時間保持して合
成を終了した。粘稠液状の不飽和ウレタン(U−1)を
得た。
【0023】 ・・不飽和ウレタン(U−2)の合成 ジグリセリン166g(1.0モル)及びジ−n−ブチ
ル錫ジラウレート4gをフラスコに仕込み、50℃に保
持して撹拌し、ヘキサメチレンジイソシアネート672
g(4.0モル)を30分かけて滴下した。同温度で1
時間保持した後、ヒドロキシエチルメタクリレート52
0g(4.0モル)を30分かけて滴下した。その後、
70℃に昇温し、1時間保持して合成を終了した。高粘
稠液状の不飽和ウレタン(U−2)を得た。
【0024】 ・・不飽和ウレタン(U−3)の合成 トリメチロールプロパンジアクリレート242g(1.
0モル)及びジ−n−ブチル錫ジラウレート2gをフラ
スコに仕込み、50℃に保持して撹拌し、ポリエチレン
グリコール(平均分子量300)とトリレンジイソシア
ネートとの1対2モル反応物324g(0.5モル)を
35分かけて滴下した。その後、70℃に昇温し、1時
間保持して合成を終了した。非常に高粘稠の不飽和ウレ
タン(U−3)を得た。
【0025】 ・・不飽和ウレタン(U−4)の合成 トリメチロールプロパンジアクリレート242g(1.
0モル)及びジ−n−ブチル錫ジラウレート2gをフラ
スコに仕込み、50℃に保持して撹拌し、ポリエステル
ジオール(アジピン酸とプロピレングリコールとから誘
導したもの、平均分子量600)とトリレンジイソシア
ネートとの1対2モル反応物474g(0.5モル)を
35分かけて滴下した。その後、70℃に昇温し、1時
間保持して合成を終了した。非常に高粘稠の不飽和ウレ
タン(U−4)を得た。
【0026】 ・・不飽和ウレタン(U−5)の合成 トリメチロールプロパンジアクリレート242g(1.
0モル)及びジ−n−ブチル錫ジラウレート2gをフラ
スコに仕込み、50℃に保持して撹拌し、ポリエーテル
エステルジオール(アジピン酸とテトラエチレングリコ
ールとから誘導したもの、平均分子量800)とトリレ
ンジイソシアネートとの1対2モル反応物574g
(0.5モル)を35分かけて滴下した。その後、70
℃に昇温し、1時間保持して合成を終了した。非常に高
粘稠の不飽和ウレタン(U−5)を得た。
【0027】 ・試験区分2(実施例及び比較例) ・・実施例1〜10及び比較例1〜4 市販の1000デニールのタイヤコード用ポリエステル
マルチフィラメントを超音波洗浄で水洗して脱油した
後、表1に示した処理剤の10%水性エマルジョンを繊
維に対し固形分換算で0.5重量%となるように付着さ
せ、直ちに緊張状態のまま、長さ100cm、表面温度2
00℃のヒーター上を10m/分の速さで通過させるこ
とにより熱処理して巻き取った。3日間放置後、タイヤ
コード用撚糸機を用いて撚糸し、撚り数480×480
回/m(下撚×上撚)の双糸コードを得た。該双糸コー
ドを、ディッピングテスト機を用いて、通常のRFL
(レゾルシン−ホルマリン−ラテックス)処理液で処理
し、乾燥熱処理してディップコードを得た。該ディップ
コードを未加硫ゴム上に荷重をかけて張り、その上に未
加硫ゴムを張り合わせ、ディップコードが動かない状態
で温度150℃、圧力50kg/cm2で30分加硫して、埋
め込み試料を作製し、JIS−L−1017にしたがっ
て接着力(Tテスト)の測定を行なった。結果を表1に
示した。表1中の数値はゴム中に埋め込まれたコードを
ゴムブロックから30cm/分の速度で引き抜くために要
する力(kg/cm)を表す。
【0028】
【表1】
【0029】表1において、 U−1〜U−5:試験区分1で得たもの L−1:オレイルオレート L−2:ポリオキシエチレン(25モル)硬化ヒマシ油 L−3:ソルビタンジオレート L−4:アルカンスルホネートナトリウム塩 L−5:ポリオキシエチレン(3モル)ラウリルエーテ
ルホスフェートカリウム塩 C−1:ジベンゾイルパーオキサイド C−2:ジエチレントリアミンセスキオレオアミド A−1:N,N,N’,N’−テトラヒドロキシエチル
エチレンジアミンとトリレンジイソシアネートとの1対
2モル反応物 表中の数値は接着力を除き重量部、これらは以下同じ
【0030】 ・・実施例11〜14及び比較例5〜8 極限粘度0.75のポリエチレンテレフタレートを溶融
紡糸機により紡糸し、表2に示した処理剤の15%水性
エマルジョンを繊維に対し固形分換算で0.6重量%と
なるように付着させ、直ちに3個の熱ゴデットローラー
(最高表面温度210℃)の間で延伸して巻き取り、1
000デニールのマルチフィラメントを得た。付着させ
た処理剤中の不飽和ウレタンを硬化させるためのラジカ
ル反応開始手段として、下記の熱処理、嫌気処理又は光
照射を行なった。
【0031】熱処理:第3ゴデットローラーと巻き取り
機の間に表面温度210℃、長さ2mのヒーターを置
き、接触走行させて熱処理した後に巻き取り、パッケー
ジを3日間熟成した(表2中でA) 嫌気処理:第3ゴデットローラーを出た後、何の処理も
せずに直ちに巻き取り、パッケージを真空包装して3日
間熟成した(表2中でB) 光処理:巻き取り機の付近に紫外線ランプを取付け、パ
ッケージの表面に紫外線を照射しながら巻き取り、パッ
ケージを3日間熟成した(表2中でC)
【0032】上記の硬化処理をしたマルチフィラメント
をタイヤコード用撚糸機を用いて撚糸し、撚り数480
×480回/m(下撚×上撚)の双糸コードを得た。該
双糸コードを、ディッピングテスト機を用いて、通常の
RFL(レゾルシン−ホルマリン−ラテックス)処理液
で処理し、乾燥熱処理してディップコードを得た。該デ
ィップコードを用い、以下実施例1〜10の場合と同様
にして埋め込み試料を作製し、接着力(Tテスト)の測
定を行なった。結果を表2に示した。
【0033】
【表2】
【0034】表2において、 L−6:ジオレイルアジペート C−3:クメンハイドロパーオキサイド C−4:ベンゾインイソブチルエーテル A−2:ジグリセリントリグリセリルエーテル これらは以下同じ
【0035】 ・・実施例15及び比較例9,10 極限粘度0.75のポリエチレンテレフタレートを溶融
紡糸機により紡糸し、表3に示した一次処理用処理剤を
繊維に対し0.3重量%となるように付着させ、直ちに
3個の熱ゴデットローラー(最高表面温度210℃)の
間で延伸し、第3ゴデットローラーの直後で表3に示し
た二次処理用処理剤の20%水性エマルジョンを繊維に
対し固形分換算で0.5重量%となるように付着させた
後、更に加熱ローラーを通し、熱処理して巻き取り、1
000デニールのマルチフィラメントを得、これを3日
間放置して熟成した。該マルチフィラメントを撚糸機を
用いて撚糸し、撚り数480×480回/mの双糸コー
ドを得た。該双糸コードを用い、以下実施例1〜10の
場合と同様にして埋め込み試料を作製し、接着力(Tテ
スト)の測定を行なった。結果を表3に示した。
【0036】
【表3】
【0037】表3において、 L−7:30℃における動粘度が30レッドウッド秒の
鉱物油
【0038】 ・・実施例16及び比較例11 極限粘度0.75のポリエチレンテレフタレートを溶融
紡糸機により紡糸し、表4に示した一次処理用処理剤の
20%水性エマルジョンを繊維に対し固形分換算で0.
3重量%となるように付着させ、直ちに3個の熱ゴデッ
トローラー(最高表面温度210℃)の間で延伸し、第
3ゴデットローラーの直後で表4に示した二次処理用処
理剤の20%水性エマルジョンを繊維に対し固形分換算
で0.5重量%となるように付着させた後、紫外線ラン
プを用いてパッケージに向け紫外線を照射しながら巻き
取り、1000デニールのマルチフィラメントを得、こ
れを真空包装して3日間放置して熟成した。該マルチフ
ィラメントを撚糸機を用いて撚糸し、撚り数480×4
80回/mの双糸コードを得た。該双糸コードを用い、
以下実施例1〜10の場合と同様にして埋め込み試料を
作製し、接着力(Tテスト)の測定を行なった。結果を
表4に示した。
【0039】
【表4】
【0040】
【発明の効果】既に明らかなように、以上説明した本発
明には、補強材として用いる合成繊維とゴム類との接
着、特にポリエステル繊維とゴム類との接着を向上する
ことができ、また安全性や取扱性の問題もないという効
果がある。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 合成繊維表面へ付着させ、硬化触媒の存
    在下に該合成繊維表面で硬化させる処理剤であって、下
    記の式1で示される不飽和ウレタンと、潤滑剤及び界
    活性剤を主成分とする潤滑油成分とから成り、該不飽和
    ウレタン/該潤滑油成分=10/90〜90/10(重
    量比)の割合から成ることを特徴とする合成繊維用処理
    。 【式1】 [式1において、 X:2〜6価のポリイソシアネート化合物又はポリウレ
    タンポリイソシアネート化合物からイソシアネート基を
    除いた残基 Y1,Y2:同時に同一又は異なる、2〜4価のポリオー
    ル又は(ポリ)エーテルポリオールから水酸基を除いた
    残基 R1,R2:同時に同一又は異なる、H又はCH3 p,q:1〜3の整数 m,n:0〜6の整数であって、且つ2≦m+n≦6を
    満足する整数]
  2. 【請求項2】 不飽和ウレタンが、式1中のY 1 及びY 2
    が分子量400以下の 2〜4価のポリオール又は(ポ
    リ)エーテルポリオールから水酸基を除いた残基である
    場合のものである請求項1記載の合成繊維用処理剤。
  3. 【請求項3】 溶融紡糸された合成繊維に、延伸の前及
    び/又は後の工程で、請求項1又は2記載の不飽和ウレ
    タンと潤滑油成分とを、該不飽和ウレタン/該潤滑油成
    分=10/90〜90/10(重量比)の割合となるよ
    う付着させた後、硬化触媒の存在下で該不飽和ウレタン
    を硬化させることを特徴とする合成繊維の処理方法。
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