JP6226109B1 - ポリウレタン発泡シート、その製造方法、及び積層体の製造方法 - Google Patents

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Abstract

本発明が解決しようとする課題は、シート形成後の泡保持性、風合い、及び剥離強度に優れるポリウレタン発泡シートを提供することである。本発明は、イソシアネート基を有するウレタンプレポリマー(A)を含む主剤(i)と、ポリオール(B)を含む硬化剤(ii)とを含有するポリウレタン組成物により形成されたポリウレタン発泡シートであって、前記ウレタンプレポリマー(A)が、イソシアネート基含有率が2〜20質量%であるウレタンプレポリマー(A−1)に対し、残存するイソシアネート基の5〜25モル%に重合性不飽和基を導入したものであることを特徴とするポリウレタン発泡シートを提供するものである。また、本発明は、前記ポリウレタン組成物を、ガスローディング法、又は、水発泡法により発泡することを特徴とするポリウレタン発泡シートの製造方法を提供するものである。

Description

本発明は、シート形成後の泡保持性、風合い、及び剥離強度に優れるポリウレタン発泡シートに関する。
ポリウレタン発泡シートは、自動車内装材、靴底、複写機用ローラ、緩衝材、シール材、電子用パッキンなど様々な分野にて広く利用されている。ポリウレタン発泡シートの製造方法としては、例えば、基材上にウレタンアクリレートオリゴマーを塗布し、紫外線硬化した後に、巻き取って使用する方法が開示されている(例えば、特許文献1を参照。)。
前記ポリウレタン発泡シートとしては、それ単独ではなく、異素材との積層体として利用されることも多い。前記異素材としては、例えば、不織布、織布、編布などの繊維基材や、これらにポリウレタン等を含浸させた複合繊維基材等が挙げられる。これら異素材との積層体を製造する際には、離型紙上にポリウレタン発泡シートを塗布し、その塗布面上に繊維基材を接着した後、離型紙を除去して得られる積層体をロールに巻き取ることが一般的である。しかしながら、ロールに巻き取る段階で、ある程度以上のポリウレタン発泡シートの硬化が行われていないと、シート中の泡が潰れてしまい、硬いシートになってしまう問題や、積層体にシワ・よれ・剥がれ等が生じることがあった。
特開2008−156544号公報
本発明が解決しようとする課題は、シート形成後の泡保持性、風合い、及び剥離強度に優れるポリウレタン発泡シートを提供することである。
本発明は、イソシアネート基を有するウレタンプレポリマー(A)を含む主剤(i)と、ポリオール(B)を含む硬化剤(ii)とを含有するポリウレタン組成物により形成されたポリウレタン発泡シートであって、前記ウレタンプレポリマー(A)が、イソシアネート基含有率が2〜20質量%であるウレタンプレポリマー(A−1)に対し、残存するイソシアネート基の5〜25モル%に重合性不飽和基を導入したものであることを特徴とするポリウレタン発泡シートを提供するものである。
また、本発明は、前記ポリウレタン組成物を、ガスローディング法、又は、水発泡法により発泡することを特徴とするポリウレタン発泡シートの製造方法を提供するものである。更に、本発明は、前記ポリウレタン組成物を、ガスローディング法、又は、水発泡法により発泡させた後に、基材上に塗布し、紫外線照射してポリウレタン発泡シートを得、次いで、繊維基材を貼り合せることを特徴とする積層体の製造方法を提供するものである。
本発明のポリウレタン発泡シートは、シート形成後の泡保持性、風合い、及び剥離強度に優れるものである。
本発明のポリウレタン発泡シートは、イソシアネート基含有率が2〜20質量%であるウレタンプレポリマー(A−1)に対し、残存するイソシアネート基の5〜25モル%に重合性不飽和基を導入したウレタンプレポリマー(A)を含む主剤(i)と、ポリオール(B)を含む硬化剤(ii)とを含有するポリウレタン組成物により形成されたものである。
前記ウレタンプレポリマー(A)は、イソシアネート基含有率が2〜20質量%であるウレタンプレポリマー(A−1)を原料とするものである。前記ウレタンプレポリマー(A−1)のイソシアネート基含有率が前記範囲であることにより、泡の保持性、及び適度な塗工性が得られる。前記ウレタンプレポリマー(A−1)のイソシアネート基含有率が2質量%を下回る場合には、粘度が高く、平滑で良好なシート自体を得ることができない場合や、所望の剥離強度が得られない場合があり、また、20質量%を超える場合には、粘度が低く、実用上使用可能なレベルの厚さを有するシートを得ることができない場合や所望の剥離強度が得られない問題がある。前記ウレタンプレポリマー(A−1)のイソシアネート基含有率としては、より一層優れた泡の保持性が得られる点から、4〜18質量%の範囲であることが好ましく、5〜15質量%の範囲がより好ましい。なお、前記ウレタンプレポリマー(A−1)のイソシアネート基含有率は、JISK1603−1:2007に準拠し、電位差滴定法により測定した値を示す。以下、ウレタンプレポリマー(A−1)のイソシアネート基含有率は、「NCO%」と略記する。
前記ウレタンプレポリマー(A)は、更に、前記ウレタンプレポリマー(A−1)に対し、残存するイソシアネート基の5〜25モル%に重合性不飽和基を導入することが必須である。係る範囲で重合性不飽和基をウレタンプレポリマーに導入することで、ポリウレタン発泡シートを得る際に、紫外線硬化により初期粘度をコントロールすることができ、異素材への良好な接着を可能とする。特に、ポリウレタン発泡シートを貼り合せる被着体が繊維基材の場合には、繊維基材に対するポリウレタン発泡シートの浸み込み量をコントロールできるため、極めて優れた剥離強度を得ることができる。また、ポリウレタン発泡シートを有する積層体を巻き取った際に、泡が潰れることがなく、発泡セルの形状を良好に保持したポリウレタン発泡シートを有する積層体を得ることができ、該積層体は風合いに優れるものとなる。前記ウレタンプレポリマー(A−1)に対する重合性不飽和基の導入率が5モル%を下回る場合には、所望の初期粘度が得られず、泡の保持性が不良となる問題があり、25モル%を超える場合には、繊維基材への浸み込みが少なく、所望の剥離強度が得られない場合や、泡の保持性、及び風合いが不良となる場合がある。前記ウレタンプレポリマー(A−1)に対する重合性不飽和基の導入率としては、より一層繊維基材への浸み込み量のコントロールが容易となり、一層優れた剥離強度、及び風合いが得られる点から、残存するイソシアネート基の7〜23モル%の範囲であることが好ましく、10〜20モル%の範囲がより好ましい。
前記ウレタンプレポリマー(A)としては、具体的には、例えば、ポリオール(a−1)とポリイソシアネート(a−2)と水酸基を有する(メタ)アクリル化合物(a−3)の反応物を用いることができる。
前記ポリオール(a−1)としては、例えば、ポリカーボネートポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリアクリルポリオール、ポリブタジエンポリオール等を用いることができる。これらのポリオールは単独で用いても2種以上を併用してもよい。
前記ポリオール(a−1)の数平均分子量としては、良好な機械的物性が得られる点から、500〜10,000の範囲であることが好ましく、800〜6,000の範囲であることがより好ましい。なお、前記ポリオール(a−1)の数平均分子量は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)法により、下記の条件で測定した値を示す。
測定装置:高速GPC装置(東ソー株式会社製「HLC−8220GPC」)
カラム:東ソー株式会社製の下記のカラムを直列に接続して使用した。
「TSKgel G5000」(7.8mmI.D.×30cm)×1本
「TSKgel G4000」(7.8mmI.D.×30cm)×1本
「TSKgel G3000」(7.8mmI.D.×30cm)×1本
「TSKgel G2000」(7.8mmI.D.×30cm)×1本
検出器:RI(示差屈折計)
カラム温度:40℃
溶離液:テトラヒドロフラン(THF)
流速:1.0mL/分
注入量:100μL(試料濃度0.4質量%のテトラヒドロフラン溶液)
標準試料:下記の標準ポリスチレンを用いて検量線を作成した。
(標準ポリスチレン)
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン A−500」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン A−1000」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン A−2500」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン A−5000」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−1」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−2」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−4」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−10」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−20」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−40」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−80」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−128」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−288」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−550」
前記ポリオール(a−1)には、必要に応じて、数平均分子量が50〜450の範囲の鎖伸長剤を併用してもよい。
前記鎖伸長剤としては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,2−ブタンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、1,5−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,8−ノナンジオール、2−エチル−2−ブチル−1,3−プロパンジオール、1,10−デカンジオール、1,12−ドデカンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、グリセリン等の水酸基を有する鎖伸長剤;エチレンジアミン、1,2−プロパンジアミン、1,6−ヘキサメチレンジアミン、ピペラジン、2,5−ジメチルピペラジン、イソホロンジアミン、1,2−シクロヘキサンジアミン、1,3−シクロヘキサンジアミン、1,4−シクロヘキサンジアミン、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジアミン、3,3’−ジメチル−4,4’−ジシクロヘキシルメタンジアミン、1,4−シクロヘキサンジアミン、ヒドラジン等のアミノ基を有する鎖伸長剤などを用いることができる。これらの鎖伸長剤は単独で用いても2種以上を併用してもよい。
前記ポリイソシアネート(a−2)としては、例えば、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリメリックジフェニルメタンジイソシアネート、カルボジイミド変性ジフェニルメタンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート等の芳香族ポリイソシアネート;ヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート等の脂肪族又は脂環族ポリイソシアネートなどを用いることができる。これらのポリイソシアネートは単独で用いても2種以上を併用してもよい。これらの中でも、より一層優れた反応性及び機械的強度が得られる点から、芳香族ポリソシアネートを用いることが好ましく、ジフェニルメタンジイソシアネートがより好ましい。
前記水酸基を有する(メタ)アクリル化合物と(a−3)しては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピルアクリレート、3−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシヘキシルアクリレート、ヒドロキシエチルアクリルアミド等の水酸基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル;トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート等の水酸基を有する多官能(メタ)アクリレート;ポリエチレングリコールモノアクリレート、ポリプロピレングリコールモノアクリレートなどを用いることができる。これらの化合物は単独で用いても2種以上を併用してもよい。
前記ウレタンプレポリマー(A)の製造方法としては、例えば、無溶剤下で、前記ポリオール(a−1)と前記ポリイソシアネート(a−2)とを反応させることでウレタンプレポリマー(A−1)を得、次いで、前記水酸基を有する(メタ)アクリル化合物(a−3)を反応させることによって製造する方法等を用いることができる。前記反応はいずれにおいても、例えば、20〜120℃の条件下で、例えば、30分〜24時間程度行うことが好ましい。
前記ウレタンプレポリマー(A−1)を製造する際の、前記ポリイソシアネート(a−2)が有するイソシアネート基と前記ポリオール(a−1)が有する水酸基の当量比([NCO/OH])としては、機械的強度をより一層向上できる点から、1.5〜25の範囲であることが好ましく、3〜15の範囲であることがより好ましい。
前記硬化剤(ii)に用いる前記ポリオール(B)としては、例えば、前記ウレタンプレポリマー(A)の原料である前記ポリオール(a−1)と同様のものを用いることができる。これらのポリオールは単独で用いても2種以上を併用してもよい。
また、前記ポリオール(B)には、必要に応じて、前記鎖伸長剤と同様のものを併用してもよい。これらの鎖伸長剤は単独で用いても2種以上を併用してもよい。
本発明で用いるポリウレタン組成物は、前記ウレタンプレポリマー(A)を含む主剤(i)と、前記ポリオール(B)を含む硬化剤(ii)とを含有するが、必要に応じて、その他の添加剤を含有してもよい。
前記その他の添加剤としては、例えば、光重合開始剤、水、触媒、整泡剤、重合禁止剤、酸化防止剤、チキソ性付与剤、可塑剤、安定剤、無機充填剤、有機充填剤、染料、顔料等を用いることができる。これらの添加剤は単独で用いても2種以上を併用してもよく、前記主剤(i)と前記硬化剤(ii)とのどちらに含有されていてもよいが、ウレタンプレポリマー(A)の安定性を向上できる点から、前記硬化剤(ii)に含有されることが好ましい。
前記光重合開始剤は、光照射や加熱等によってラジカルを発生し、前記ウレタン(メタ)アクリレート(A)のラジカル重合を開始させるため用いることが好ましく、例えば、4−フェノキシジクロロアセトフェノン、ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、2−メチル−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノ−1−プロパノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン等のアセトフェノン化合物;ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインイソエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等のベンゾイン化合物;ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド、3,3’−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン化合物;チオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン、2−メチルチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン等のチオキサントン化合物;4,4’−ジメチルアミノチオキサントン、4,4’−ジエチルアミノベンゾフェノン、α−アシロキシムエステル、ベンジル、メチルベンゾイルホルメート(「バイアキュア55」)、2−エチルアンスラキノン等のアンスラキノン化合物;2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド等のアシルフォスフィンオキサイド化合物;3,3’,4,4’−テトラ(tert−ブチルオパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、アクリル化ベンゾフェノン等を用いることができる。これらの光重合開始剤は単独で用いても2種以上を併用してもよい。
前記光重合開始剤を用いる場合の使用量としては、良好な紫外線硬化性が得られる点から、前記ウレタンプレポリマー(A)100質量部に対して、0.1〜5質量部の範囲であることが好ましく、0.5〜2質量部の範囲がより好ましい。
次に、本発明のポリウレタン発泡シートの製造方法について説明する。
本発明のポリウレタン発泡シートを製造する際のポリウレタン組成物の発泡方法としては、例えば、ガスローディング法、水発泡法、メカニカルフロス法等を使用する方法が挙げられる。これらの中でも、液成分の粘度許容範囲が広く、より一層優れた泡保持性が得られる点から、ガスローディング法、及び/又は、水発泡法を使用することが好ましく、不活性ガスがポリウレタン組成物に良く溶け込み、更に優れた泡保持性が得られる点から、ガスローディング法を使用することがより好ましい。
前記ガスローディング法を使用してポリウレタン発泡シートを得る方法としては、例えば、前記主剤(i)と前記硬化剤(ii)とを混合する前に、前記主剤(i)及び/又は前記硬化剤(ii)に対し、不活性ガスを、好ましくは0.05〜0.2MPaの範囲、より好ましくは0.07〜0.18MPaの範囲の圧力下で、ガスローディングする方法が挙げられる。
前記ガスローディングとは、前記主剤(i)及び/又は前記硬化剤(ii)に対して、圧力下で不活性ガスを外部から進入させ、強制的に抱き込ませる処理をいう。また、前記不活性ガスを進入させる際には、前記主剤(i)及び/又は前記硬化剤(ii)を撹拌することが、不活性ガスの溶解性を向上できる点から好ましい。前記ガスローディングは、公知のローディング装置を使用して行うことができる。
前記不活性ガスとしては、例えば、二酸化炭素、ヘリウムガス、窒素ガス、アルゴンガス、ネオンガス等を用いることができる。これらの中でも、原料入手の容易性、及び、主剤(i)や硬化剤(ii)への溶解性が高いことから、二酸化炭素を用いることが好ましい。
前記ガスローディングを行う際の圧力としては、不活性ガスによる安定的な泡の保持を可能とするため、0.05〜0.2MPaの範囲であることが好ましく、更に均一な泡を保持でき、一層優れた風合いが得られる点から、0.07〜0.18MPaの範囲であることがより好ましく、0.08〜0.17MPaの範囲が更に好ましい。
前記ガスローディングを行う時間としては、均一に不活性ガスをローディングでき、かつウレタンプレポリマーやポリオールの劣化を防ぐ点から、10分〜3時間の範囲であることが好ましく、10〜60分の範囲であることが好ましい。
前記ガスローディングとしては、前記主剤(i)にのみ行うことが好ましい。この理由としては、同条件(圧力・時間)でガスローディングを行った場合に、前記硬化剤(ii)に比べ、前記主剤(i)の方が不活性ガスの溶解性が高いことが挙げられ、これにより容易に安定的な泡を保持したポリウレタン発泡シートを得ることができるからである。なお、この際には、硬化剤(ii)に後述する水、好ましくは更に触媒及び製泡剤を含有させ、ガスローディングと共に、水発泡法を併用してもよい。
また、前記ガスローディングを行う際の前記主剤(i)の50℃における粘度としては、前記圧力下でも不活性ガスを良好にローディングできる点から、200〜20,000mPa・sの範囲であることが好ましく、250〜15,000mPa・sの範囲がより好ましい。なお、前記主剤(i)の50℃における粘度は、B型粘度計(ローターNo.3、回転数:12rpm)により測定した値を示す。
前記ガスローディングを前記主剤(i)に行った場合において、前記ガスローディング後の主剤(i)を常圧に開放した直後の主剤(i)の比重としては、より一層優れた泡の保持、及び風合いが得られる点から、0.2〜0.8の範囲であることが好ましく、0.3〜0.7の範囲であることがより好ましい。
前記ガスローディングを行った後は、一旦常圧下に戻してから、前記主剤(i)と前記硬化剤(ii)とを混合し、ウレタン化反応を進行させる方法;ガスローディングした前記主剤(i)及び/又は硬化剤(ii)を、ローディング装置に連結させた混合機等に、圧力差を利用して移動させ、混合機等により混合してウレタン化反応を進行させる方法などが挙げられる。
前記主剤(i)と前記硬化剤(ii)との混合割合[(i):(ii)]としては、質量比で80:20〜20:80の範囲であることが好ましく、75:25〜25:75の範囲がより好ましい。
続いて、混合された前記主剤(i)及び前記硬化剤(ii)は、例えば、離型紙、離型剤が塗布された基材等の基材上に、塗布され、紫外線照射することで、ポリウレタン発泡シートを得ることができる。
前記混合された前記主剤(i)及び前記硬化剤(ii)を塗布する方法としては、例えば、アプリケーター、ロールコーター、スプレーコーター、T−ダイコーター、ナイフコーター等を使用する方法が挙げられる。塗布する厚さとしては、例えば、10〜500μmの範囲である。
前記紫外線照射を行う方法としては、例えば、蛍光ケミカルランプ、ブラックライト、LEDランプ等の低照度の紫外線光照射装置;キセノンランプ、キセノン−水銀ランプ、メタルハライドランプ、高圧水銀ランプ、低圧水銀ランプ、LEDランプ等の中・高照度の紫外線光照射装置を使用して所定の紫外線を照射する方法が挙げられる。
前記紫外線照射を行う際の積算光量としては、例えば、100〜1,500mJ/cmの範囲であることが挙げられ、好ましくは、光重合反応を過不足なく進行させる点から、200〜1,000mJ/cmの範囲である。なお、前記紫外線の積算光量は、GSユアサ株式会社製UVチェッカー「UVR−N1」を用いて300〜390nmの波長域において測定した値を基準とする。
前記紫外線照射後には、残存するウレタンプレポリマー(A)のイソシアネートの硬化をすべく、例えば、40〜130℃の温度で3分〜3日間の条件にてエージングを行うことが好ましい。その後更に、40〜80℃の温度で1〜3日間エージングを行ってもよい。
また、前記水発泡法を使用してポリウレタン発泡シートを得る方法としては、例えば、前記硬化剤(ii)に水、好ましくは更に触媒及び整泡剤を含有させ、前記主剤(i)と前記硬化剤(ii)とを混合する方法が挙げられる。
前記水は発泡剤として機能するものであり、その使用量としては、前記硬化剤(ii)中0.01〜10質量%の範囲であることが好ましく、0.02〜5質量%の範囲がより好ましい。
前記触媒としては、例えば、トリエチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルヘキサンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルプロパンジアミン、N,N,N’,N’’,N’’−ペンタメチルジエチレントリアミン、N,N’,N’−トリメチルアミノエチルピペラジン、N,N−ジメチルシクロヘキシルアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、ビス(3−ジメチルアミノプロピル)−N,N−ジメチルプロパンジアミン、N,N−ジシクロヘキシルメチルアミン、ビス(ジメチルアミノエチル)エーテル、N,N’,N’’−トリス(3−ジメチルアミノプロピル)ヘキサヒドロ−S−トリアジン、N,N−ジメチルベンジルアミン、N,N−ジメチルアミノエトキシエトキシエタノール、N,N−ジメチルアミノヘキサノール、N,N−ジメチルアミノエトキシエタノール、N,N,N’−トリメチルアミノエチルエタノールアミン、N,N,N’−トリメチル−2−ヒドロキシエチルプロピレンジアミン、1−メチルイミダゾール、1−イソブチル−2−メチルイミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾール、ジメチルエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアミン化合物;ジブチルスズジウラウレート、ジオクチルチンジラウレート、オクチル酸スズ2−エチルヘキサン酸、オクチル酸カリウム、ジブチルスズラウリルメルカプタイド、ビスマストリス(2−エチルヘキサノエート)等の金属化合物などを用いることができる。これらの触媒は単独で用いても2種以上を併用してもよい。
前記触媒を用いる場合の使用量としては、前記硬化剤(ii)中0.01〜1質量%の範囲であることが好ましく、0.05〜0.5質量%の範囲がより好ましい。
前記整泡剤としては、シリコーン系界面活性剤を好ましく用いることができ、例えば、「SZ−1919」、「SH−192」、「SH−190」、「SZ−580」、「SRX−280A」、「SZ−1959」、「SZ−1328E」、「SF−2937F」、「SF−2938F」、「SZ−1671」、「SH−193」、「SZ−1923」、「シリコンY−7006」(以上、東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社製)等を市販品として入手することができる。前記整泡剤を用いる場合の使用量としては、前記硬化剤(ii)中0.01〜5質量%の範囲であることが好ましく、0.03〜3質量%の範囲がより好ましい。
前記主剤(i)と前記硬化剤(ii)とを混合する方法としては、例えば、混合注型機を使用する方法が挙げられる。
具体的には、例えば、前記主剤(i)と前記硬化剤(ii)とを混合注型機のそれぞれのタンクへ入れて、前記主剤(i)を好ましくは40〜80℃の範囲で加温し、前記硬化剤(ii)を好ましくは40〜80℃の範囲で加温し、それぞれを混合注型機で混合する方法が挙げられる。
前記主剤(i)と前記硬化剤(ii)との混合割合[(i):(ii)]としては、質量比で80:20〜20:80の範囲であることが好ましく、75:25〜25:75の範囲がより好ましい。
続いて、混合された前記主剤(i)及び前記硬化剤(ii)は、例えば、離型紙、離型剤が塗布された基材等の基材上に、塗布され、紫外線照射することで、ポリウレタン発泡シートを得ることができる。この工程は、前記ガスローディング法を使用した場合と同様である。
以上の方法により得られるポリウレタン発泡シートの密度としては、良好な風合いが得られる点から、0.5〜0.95g/cmの範囲であることが好ましく、0.65〜0.9g/cmの範囲であることがより好ましい。なお、前記ポリウレタン発泡シートの密度の測定方法は、縦10cm、横10cmに裁断したポリウレタン発泡シートの、厚さと重量を測定して、下記式(1)に従って密度を算出する方法による。
密度(g/cm)=重量(g)/10(cm)×10(cm)×厚さ(cm)(1)
次に、本発明の積層体の製造方法について説明する。
前記積層体の製造方法としては、例えば、前記ガスローディング法を使用して得られるポリウレタン発泡シート、及び/又は、前記水発泡法を使用して得られるポリウレタン発泡シートを、繊維基材に貼り合せることにより製造する方法が好ましく挙げられる。なお、前記ポリウレタン発泡シートとしては、前記紫外線照射を行った後、エージングを行っていないものを使用してもよく、紫外線照射及びエージングを行った後のものを使用してもよい。これらの中でも、ポリウレタン発泡シートの繊維基材への浸み込み量をコントロールしやすく、一層優れた剥離強度が得られる点から、前者の方法を採用することが好ましい。
前記繊維基材としては、例えば、不織布、織布、編み物等を使用することができる。前記繊維基材を構成するものとしては、例えば、ポリエステル繊維、ナイロン繊維、アクリル繊維、アセテート繊維、レーヨン繊維、ポリ乳酸繊維、綿、麻、絹、羊毛、それらの混紡繊維等を使用することができる。
以上、本発明のポリウレタン発泡シートは、シート形成後の泡保持性、風合い、及び剥離強度に優れるものである。
以下、実施例を用いて本発明をより詳細に説明する。
[調製例1]主剤(i−1)の調製
温度計、撹拌機、不活性ガス導入口、及び還流冷却器を備えた四口フラスコに、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(以下、「MDI」と略記する。)を100質量部、ポリテトラメチレングリコール(三菱化学株式会社製「PTMG2000」、数平均分子量:2,000)を120質量部入れ、80℃で3時間反応させ、NCO%:12.9質量%のウレタンプレポリマー(A−1−1)を得た。
次いで、2−ヒドロキシエチルアクリレート(以下、「HEA」と略記する。)を11.8質量部入れ、60℃で2時間反応させ、残存するイソシアネート基の15モル%にアクリロイル基を導入したウレタンプレポリマー(Ai)を得、これを主剤(i−1)とした。前記主剤(i−1)の50℃における粘度は、1,550mPa・sであった。
[調製例2]主剤(i−2)の調製
温度計、撹拌機、不活性ガス導入口、及び還流冷却器を備えた四口フラスコに、MDIを100質量部、PTMG2000を107質量部入れ、80℃で3時間反応させ、NCO%:14.2質量%のウレタンプレポリマー(A−1−2)を得た。
次いで、HEAを16質量部入れ、60℃で2時間反応させ、残存するイソシアネート基の20モル%にアクリロイル基を導入したウレタンプレポリマー(Aii)を得、これを主剤(i−2)とした。前記主剤(i−2)の50℃における粘度は、1,800mPa・sであった。
[調製例3]主剤(i’−1)の調製
温度計、撹拌機、不活性ガス導入口、及び還流冷却器を備えた四口フラスコに、MDIを100質量部、PTMG2000を150質量部入れ、80℃で3時間反応させ、NCO%:11.2質量%のウレタンプレポリマー(A’−1−1)を得た。
次いで、HEAを2.3質量部入れ、60℃で2時間反応させ、残存するイソシアネート基の3モル%にアクリロイル基を導入したウレタンプレポリマー(A’i)を得、これを主剤(i’−1)とした。前記主剤(i’−1)の50℃における粘度は、1,310mPa・sであった。
[調製例4]主剤(i’−2)の調製
温度計、撹拌機、不活性ガス導入口、及び還流冷却器を備えた四口フラスコに、MDIを100質量部、PTMG2000を75質量部入れ、80℃で3時間反応させ、NCO%:17.4質量%のウレタンプレポリマー(A’−1−2)を得た。
次いで、HEAを25.2質量部入れ、60℃で2時間反応させ、残存するイソシアネート基の30モル%にアクリロイル基を導入したウレタンプレポリマー(A’ii)を得、これを主剤(i’−2)とした。前記主剤(i’−2)の50℃における粘度は、3,610mPa・sであった。
[調製例5]主剤(i’−3)の調製
温度計、撹拌機、不活性ガス導入口、及び還流冷却器を備えた四口フラスコに、MDIを100質量部、PTMG2000を520質量部入れ、80℃で3時間反応させ、NCO%:1.9質量%のウレタンプレポリマー(A’−1−3)を得た。
次いで、HEAを4.9質量部入れ、60℃で2時間反応させ、残存するイソシアネート基の15モル%にアクリロイル基を導入したウレタンプレポリマー(A’iii)を得、これを主剤(i’−3)とした。前記主剤(i’−3)の50℃における粘度は、7,400mPa・sであった。
[調製例6]主剤(i’−4)の調製
温度計、撹拌機、不活性ガス導入口、及び還流冷却器を備えた四口フラスコに、MDIを100質量部、PTMG2000を50質量部入れ、80℃で3時間反応させ、NCO%:21質量%のウレタンプレポリマー(A’−1−4)を得た。
次いで、HEAを13.1質量部入れ、60℃で2時間反応させ、残存するイソシアネート基の15モル%にアクリロイル基を導入したウレタンプレポリマー(A’iv)を得、これを主剤(i’−4)とした。前記主剤(i’−4)の50℃における粘度は、820mPa・sであった。
[調製例7]硬化剤(ii−1)の調製
ポリテトラメチレングリコール(数平均分子量:1,000)を100質量部、エチレングリコールを8質量部、光重合開始剤としてチバスペシャリティ株式会社製「Irugacure184」を2質量部を混合、撹拌し、硬化剤(ii−1)を得た。
[実施例1]
前記主剤(i−1)をローディング装置に入れた。その後、ローディング装置内を0.1MPaに二酸化炭素で加圧し、原料を撹拌しながら30分かけてローディングした。
次いで、ポリマーエンジニアリング株式会社製低圧ウレタン注入発泡機「MT5」の主剤タンクへ、ローディング装置より圧力差を利用してガスローディングした主剤(i−1)を仕込み、0.5MPaの圧力下で循環した。
硬化剤(ii−1)も硬化剤タンクに仕込み、0.5MPaの圧力下で循環した。その後、(i−1)と(ii−1)とを質量比167:100となるように同時吐出して瞬間混合した後、離型剤を塗布したシートの上に厚み250μmとなるよう混合液を塗布した。
次いで、該塗布物に対し、日本電池株式会社製紫外線照射装置「CSOT−40」(高圧水銀ランプ、照度:120mW/cm、コンベアスピード:5m/分)にて300mJ/cmの紫外線を照射させ、その後、基布を貼り合せた。その後、110℃で5分間の加熱処理を行った。連続的に30分間運転し、巻き取ることで、繊維積層体を得た。
[実施例2、比較例1〜4]
用いる主剤(i)の種類を表1〜2に示す通りに変更した以外は、実施例1と同様にして繊維積層体を得た。
[ポリウレタン発泡シートの泡保持性の評価方法]
実施例及び比較例で得られた繊維積層体を横から見た断面図を、日立ハイテクテクノロジー株式会社製走査型電子顕微鏡「SU3500」(倍率:100倍)にて観察した。更に、前記繊維積層体を、温度23℃、湿度50%の条件下で7日間放置したものを試験片とし、その断面図を、同様に走査型電子顕微鏡にて観察し、泡保持性を以下のように評価した。
「T」:試験片の断面図において、繊維積層体作成直後に泡が確認され、7日後においてもほぼ変わらない状態で保持されている。
「F」:試験片の断面図において、繊維積層体作成直後に泡が押しつぶされ泡が確認できない、又は、繊維積層体作成直後に泡が確認されるが、7日後、泡の形状が変わっている、若しくは泡が押しつぶされているのが確認される。
[ポリウレタン発泡シートの風合いの評価]
実施例及び比較例で得られた繊維積層体のポリウレタン発泡シート側を手で触り、以下のように評価した。
「T」:柔らかい。
「F」:硬い。
[ポリウレタン発泡シートの繊維基材(基布)への染み込み量の評価方法]
実施例及び比較例で得られた繊維積層体を1日放置し、その後巻きを解いた。巻きはじめより10mの時点の繊維積層体を試験片とした。該試験片を横から見た断面図を、日立ハイテクテクノロジー株式会社製走査型電子顕微鏡「SU3500」(倍率:200倍)にて観察し、ポリウレタン発泡シートが基布へ浸み込んだ長さ(μm)を測定した。
[ポリウレタン発泡シートの剥離強度の評価方法]
前記[ポリウレタン発泡シートの繊維基材(基布)への染み込み量の評価方法]にて使用した試験片を使用した。この試験片の表面に1インチ(2.54cm)幅のホットメルト布テープを130℃で5秒間加熱融着し、温度23℃、相対湿度65%の条件下で、JISK6854−2−1999に準拠して、株式会社島津製作所製オートグラフ「G−1」を使用して、ヘッドスピード:200mm/分の条件にて剥離強度(N/cm)を測定した。なお、材料破壊を起こし、剥離強度が測定できなかったものは「−」と記載する。
Figure 0006226109
Figure 0006226109
本発明の製造方法により得られたポリウレタン発泡シートは、シート形成後も良好に泡を保持し、更に風合い、及び剥離強度に優れることが分かった。
一方、比較例1は、ウレタンプレポリマー(A)として、残存するイソシアネート基に対する重合性不飽和基の導入量が、本発明で規定する範囲を下回るものを用いた態様であるが、泡の保持性が不良であり、基布への浸み込みが多すぎる為、材料破壊を起こした。
比較例2は、ウレタンプレポリマー(A)として、残存するイソシアネート基に対する重合性不飽和基の導入量が、本発明で規定する範囲を超えるものを用いた態様であるが、泡の保持性は良好であるものの、風合いが不良であった。また基布への浸み込みがなく、剥離強度も不良であった。
比較例3は、ウレタンプレポリマー(A−1)のNCO%が、本発明で規定する範囲を下回る態様であるが、泡の保持性は良好であるものの、風合いが不良であった。また、基布への浸み込みがなく、剥離強度も不良であった。
比較例3は、ウレタンプレポリマー(A−1)のNCO%が、本発明で規定する範囲を超える態様であるが、泡の保持性及び風合いが不良であり、基布への浸み込みが多すぎ、剥離強度も不良であった。

Claims (9)

  1. イソシアネート基を有するウレタンプレポリマー(A)を含む主剤(i)と、ポリオール(B)を含む硬化剤(ii)とを含有するポリウレタン組成物により形成されたポリウレタン発泡シートであって、前記ウレタンプレポリマー(A)が、イソシアネート基含有率が2〜20質量%であるウレタンプレポリマー(A−1)に対し、残存するイソシアネート基の5〜2モル%に重合性不飽和基を導入したものであることを特徴とするポリウレタン発泡シート。
  2. 請求項1記載のポリウレタン組成物を、ガスローディング法、及び/又は、水発泡法により発泡することを特徴とするポリウレタン発泡シートの製造方法。
  3. 前記ガスローディング法が、前記主剤(i)及び/又は前記硬化剤(ii)に対し、不活性ガスを、0.05〜0.2MPaの範囲の圧力下で、ガスローディングするものである請求項2記載のポリウレタン発泡シートの製造方法。
  4. 前記ガスローディングを、前記主剤(i)にのみ行う請求項3記載のポリウレタン発泡シートの製造方法。
  5. 前記ガスローディングを行う際の前記主剤(i)の50℃における粘度が、200〜20,000mPa・sの範囲である請求項4記載のポリウレタン発泡シートの製造方法。
  6. 請求項1記載のポリウレタン組成物を、ガスローディング法、及び/又は、水発泡法により発泡させた後に、基材上に塗布し、紫外線照射してポリウレタン発泡シートを得、次いで、繊維基材に貼り合せることを特徴とする積層体の製造方法。
  7. 前記ガスローディング法が、前記主剤(i)及び/又は前記硬化剤(ii)に対し、不活性ガスを、0.05〜0.2MPaの範囲の圧力下で、ガスローディングするものである請求項6記載のポリウレタン発泡シートの製造方法。
  8. 前記ガスローディングを、前記主剤(i)にのみ行う請求項7記載のポリウレタン発泡シートの製造方法。
  9. 前記ガスローディングを行う際の前記主剤(i)の50℃における粘度が、200〜20,000mPa・sの範囲である請求項8記載のポリウレタン発泡シートの製造方法。
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