JP2019123831A - 粘着剤、粘着テープ及び粘着剤製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明(1)は、
ウレタンプレポリマーと、ポリチオールと、複数の光反応性官能基を含む樹脂と、粘着付与剤とを、含む組成物を原料と、する粘着剤であって、
(A)前記ウレタンプレポリマーが、
ポリオールと、光反応性官能基を含まないモノオールと、光反応性官能基を含むモノオールと、ポリイソシアネートとを、原料とし、
(B)前記ウレタンプレポリマーの末端に存在する光反応性官能基の当量数(a)と光非反応性官能基の当量数(b)の比{(a)/(b)}が0.4〜2.5であり、
(C)前記ウレタンプレポリマー及び前記樹脂に含まれる、すべての光反応性官能基の二重結合量を表す単位質量あたりの全二重結合量(mol/kg)が、0.1〜0.5であり、
(D)前記ポリチオールに含まれるチオール基の当量数(c)と、前記ウレタンプレポリマー及び前記樹脂に含まれる全光反応性官能基の二重結合の当量数(d)との、比{(c)/(d)}が、0.7〜2.5であり、
(E)前記樹脂の配合量が、前記ウレタンプレポリマー100質量部に対して、0.3質量部以上である
ことを特徴とする、粘着剤である。
本発明(2)は、
前記樹脂の光反応性官能基数が、3以上であることを特徴とする、前記発明(1)の粘着剤である。
本発明(3)は、
前記樹脂が、アクリル系モノマーであることを特徴とする、前記発明(1)又は(2)の粘着剤である。
本発明(4)は、
前記ウレタンプレポリマーの重量平均分子量が、2500〜25000であることを特徴とする、前記発明(1)〜(3)のいずれかの粘着剤である。
本発明(5)は、
前記粘着付与剤の配合量が、前記ウレタンプレポリマー100質量部に対して、5〜30質量部であることを特徴とする、前記発明(1)〜(4)のいずれかの粘着剤である。
本発明(6)は、
基材(又は芯材)と、
基材(又は芯材)の少なくとも1つの表面上に設けられた前記発明(1)〜(5)のいずれか一項に記載の粘着剤を含む粘着層と、
を備える粘着テープである。
本発明(7)は、
ポリオールと、光反応性官能基を含まないモノオールと、光反応性官能基を含むモノオールと、ポリイソシアネートとを、含む組成物をウレタン反応させて、ウレタンプレポリマーを作製する工程、
前記ウレタンプレポリマーと、ポリチオールと、複数の光反応性官能基を有する樹脂と、粘着付与剤と、を混合する工程、及び、
前記混合物に光を照射する照射工程を、
含み、光重合反応により粘着剤を製造することを特徴とする、粘着剤製造方法である。
<<粘着剤>>
本発明による粘着剤は、ウレタンプレポリマー、チオール基を有するポリチオール、複数の光反応性官能基を有する樹脂、粘着付与剤を含む、組成物を原料とする。
前記粘着剤は、光反応性官能基を有するウレタンプレポリマーと、チオール基を有するポリチオールとのエン・チオール反応により架橋させ、硬化させることを特徴とする。そのため、溶剤を使用せずに調製でき、また、硬化時酸素阻害が起こらないため、光照射による硬化時にカバーフィルムの設置や窒素雰囲気下での作業といった手間がかからないことが特徴である。
1−1.ウレタンプレポリマー
本発明におけるウレタンプレポリマーは、ポリオールと、光反応性官能基を含まないモノオールと、光反応性官能基を含むモノオールと、ポリイソシアネートとを、含むウレタンプレポリマーである。
(1)ポリオールと、光反応性官能基を含むモノオールと、ポリイソシアネートとの、ウレタン反応により生成した、ウレタン化合物、即ち、ウレタン化合物に複数存在する全ての末端が反応性の光反応性官能基であるウレタン化合物。
なお、図1に上記4種類のウレタン化合物の模式図を示す。ここで、符号10は光反応性官能基末端である。符号11は光非反応性官能基末端である。符号12の曲線は高分子主鎖及び側鎖である。
ここで、保持力とは、粘着剤が、せん断方向(ずり方向)の静荷重にどのくらい耐えられるかという能力であり、粘着剤のクリープ特性の指標である。従って、粘着剤の硬軟や温度に対する安定性等の指標として用いられる。即ち、保持力が高くなると粘着剤は硬くなり(剛性率が増加する)、耐熱性(耐熱温度)も高くなる。
なお、粘着剤の保持力の測定方法は、後述する方法で測定できる。
ここで、ウレタンプレポリマーにおけるイソシアネート基の含有率は、公知の方法で測定でき、例えば、JIS Z1603−1:2007「ポリウレタン原料芳香族イソシアネート試験方法」に準拠して測定することができる。
ここで、重量平均分子量の測定方法は、公知の方法で行うことができる。例えば、ゲルパーエミッションクロマトグラフィーを用い、テトラヒドロフラン(THF)を溶離液とし、示唆屈折率を検出することで測定することができる。重量平均分子量は、標準試料であるポリスチレンのGPC測定結果に基づいた検量線を作成し、測定試料の測定結果をポリスチレン換算値として算出することができる。
ウレタンプレポリマーに含まれるポリオールは、1つの分子に2個以上の水酸基を有する化合物であり、本発明の効果を阻害しない限りにおいて、特に限定されない。
本発明において用いられるポリオールとしては、例えば、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリエステルエーテルポリオール等が挙げられる。前記ポリオールは、単独で用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
ポリオールは、ウレタンプレポリマーの骨格を形成するため、その構造(骨格の炭素数、側鎖の構造等)による、凝集力(せん断力学特性)、粘着性、粗面追従性に対する影響を考慮して、選択することができる。
モノオールは、1つの分子に1個の水酸基を有する化合物であり、光反応性官能基を含まないとは、前記モノオールが光非反応性官能基のみで形成されたモノオールであることをいう。前記モノオールは、ポリイソシアネート基と結合することが可能であればよく、特に限定されない。例えば、直鎖、分岐又は環状の1価アルコール(メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、イソブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、ペンタノール、イソペンチルアルコール、ネオペンチルアルコール、ヘキサノール、2−メチル−1−ペンタノール、オクタノール、2−エチル−1−ヘキサノール、3,5,5−トリメチル−1−ヘキサノール、デカノール、ウンデカノール、1−ドデカノール、イソオクタデカノール、オクタデセノール、ドコサノール、14−メチルヘキサデカノール、シクロヘキサノール、メチルシクロヘキサノール、 2-エチルヘキシルグリコール等)等が挙げられる。また、グリコールエーテル類、例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングルコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル等が挙げられる。
モノオールは、1つの分子に1個の水酸基を有する化合物であり、光反応性官能基を含むとは、前記モノオールが、少なくとも1つの光反応性官能基を含むモノオールであることをいう。前記モノオールは、ポリイソシアネート基と結合することが可能であればよく、特に限定されない。例えば、アリルエーテルグリコール、ヒドロキシエチルアリルエーテルなどのアリルエーテル基を有するモノオール;2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテル、4−ヒドロキシブチルビニルエーテルなどのビニルエーテル基を有するモノオール;ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレートなどの(メタ)アクリル基を有するモノオールなどが挙げられる。
ポリイソシアネートは、1つの分子に2個以上のイソシアネート基を有する化合物であり、ウレタンプレポリマーの原料として通常に採用されるものであれば、特に限定されない。例えば、2官能のポリイソシアネートとしては、2,4−トルエンジイソシアネート(2,4−TDI)、2,6−トルエンジイソシアネート(2,6−TDI)、m−フェニレンジイソシネート、p−フェニレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(4,4’−MDI)、2,4’−ジフェニルメタンジアネート(2,4’−MDI)、2,2’−ジフェニルメタンジイソシアネート(2,2’−MDI)、水素添加MDI、キシリレンジイソシアネート、3,3’−ジメチル−4,4’−ビフェニレンジイソネート、3,3’−ジメトキシ−4,4’−ビフェニレンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート(XDI)、水素添加XDI、テトラメチルキシレンジイソシアネート(TMXDI)、などの芳香族系のもの、シクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート、メチルシクロヘキサンジイソシアネートなどの脂環式のもの、ブタン−1,4−ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソプロピレンジイソシアネート、メチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネートなどのアルキレン系のもの、3官能以上のポリイソシアネートとしては、1−メチルベンゾール−2,4,6−トリイソシアネート、1,3,5−トリメチルベンゾール−2,4,6−トリイソシアネート、ビフェニル−2,4,4’−トリイソシアネート、ジフェニルメタン−2,4,4’−トリイソシアネート、メチルジフェニルメタン−4,6,4’−トリイソシアネート、4,4’−ジメチルジフェニルメタン−2,2’,5,5’テトライソシアネート、トリフェニルメタン−4,4’,4”−トリイソシアネート、ポリメリックMDI、リジンエステルトリイソシアネート、1,3,6−ヘキサメチレントリイソシアネート、1,6,11−ウンデカントリイソシアネート、ビシクロヘプタントリイソシアネート、1,8−ジイソシアナトメチルオクタン等及びこれら変性体、誘導体等が挙げられる。
前記ポリイソシアネートは、本発明の粘着剤中のゾル成分や、ウレタンポリマーの骨格の一部として存在する。従って、前記ポリイソシアネートの炭素数、直鎖、側鎖の構造は、本発明による粘着剤の凝集力(せん断力学特性)、粘着性、粗面追従性に影響を考慮して、選択することができる。
上記ウレタンプレポリマーの合成において、反応を促進させる又は反応速度を高めるために、反応触媒を添加してもよい。ここで、反応触媒としては、特に限定されず、金属触媒、例えば、錫系触媒、鉛系触媒、その他の金属触媒アミン系触媒、その他の酸性触媒、塩基性触媒等の公知の触媒が挙げられる。これらの触媒のうちの1種又は2種以上を用いることができる。
複数の光反応性官能基を有する樹脂は、1つの分子に2個以上の光反応性官能基を有する化合物であり、より好ましくは3個以上である。前記2個以上の光反応性官能基は、全てが同一の官能基であってもよく、異なる官能基が含まれていてもよい。これら光反応性官能基は、光照射による架橋反応により、ウレタンプレポリマー、及び/又は、ポリチオールと架橋する。
ポリチオールは、1つの分子に2個以上のチオール基を有する化合物であり、本発明の効果を阻害しない限りにおいて、特に限定されない。
上記化合物により得られたウレタンプレポリマーとエン・チオール反応するポリチオールとしては、メルカプトカルボン酸と多価アルコールとのエステル、脂肪族ポリチオール、芳香族ポリチオールが挙げられる。脂肪族ポリチオール、芳香族ポリチオールとしては、エタンジチオール、プロパンジチオール、ヘキサメチレンジチオール、デカメチレンジチオール、トリレン−2,4−ジチオール、キシレンジチオール等が挙げられる。
粘着性付与剤は、高分子材料内で、可塑化作用により粘着性を発揮するものであれば、特に限定されず、例えば、ロジン系樹脂、テルペン系樹脂、脂肪族系石油樹脂、脂環族系石油樹脂、芳香族系石油樹脂、クロマロンインデン樹脂、スチレン系樹脂、フェノール系樹脂、キシレン樹脂等を添加することができる。前記粘着付与剤の配合量は、前記ウレタンプレポリマー100質量部に対して、5〜30質量部とすることができる。
その他の添加剤として、ウレタンプレポリマー及び樹脂と、チオール基との重合反応を効果的に行うべく、本発明の粘着組成物には、光重合開始剤を含むことができる。光重合反応の場合に用いられる光重合開始剤としては、例えば、アセトフェノン系、ベンゾフェノン系、チオキサントン系等の化合物が挙げられる。アセトフェノン系としては、例えば、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1,1−ジクロロアセトフェノン、4−(1−t−ブチルジオキシ−1−メチルエチル)アセトフェノン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノ−プロパン−1−オンや2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン−1、ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、ベンジルジメチルケタール、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−[4−(1−メチルビニル)フェニル]プロパノンオリゴマー等が挙げられる。
本発明による原料組成物の配合について以下に詳述する。
2−1.原料組成物の配合量
ウレタンプレポリマーの合成における、前記ポリオールの配合量を100質量部とする。
前記モノオールは、上述した、ウレタンプレポリマー混合物に含まれる、ウレタン化合物の末端に結合している光反応性官能基の当量数(a)と光非反応性官能基の当量数(b)の比が、0.4〜2.5になるように配合することができる。
なお、チオール・エン(二重結合)比は、チオールインデックスとして指標することも可能である。チオールインデックスは、チオール化合物中のチオール基のモル数の二重結合基のモル数に対する比に100を乗じた値であり、70〜250である。
ウレタンプレポリマーの製造方法は特に限定されず、公知の方法を用いることができる。下記に、その一例について説明する。
容器に、ポリイソシアネートを配合量入れ、窒素雰囲気下で撹拌する。ここにポリオールを滴下する。ここで、反応を促進するため、必要に応じて触媒を添加することができる。触媒の添加量は、特に限定されないが、例えば、0.01〜5質量部とすることができる。
所定の時間撹拌し、反応を完了させる。ここで、反応生成物の一部を抜き取り、イソシアネート基含有率を測定し、所望の範囲内にあることを確認する。確認後、光反応性官能基を含むモノオール及び光反応性官能基を含まないモノオールを添加し、所定の時間反応させて、プレポリマーとする。
原料組成物の製造方法も、特に限定されず、公知の方法を用いることができる。下記にその一例について説明する。
前記得られたウレタンプレポリマーを撹拌しながら、複数の光反応性基を有する樹脂、ポリチオール、粘着付与剤の所定の量を添加し、原料組成物とする。
粘着テープの成形方法も、特に限定されず、公知の方法を用いることができる。下記にその一例について説明する。
前記得られた原料組成物は、離型紙上に、所定の厚さに塗工される。次に、塗工された原料組成物は、光照射により硬化させられ、粘着剤とされる。
前記離型紙上に形成された粘着剤は、粘着剤面に、さらに基材を貼り合わせることで、片面テープを形成することができる。
また、前記離型紙上に形成された粘着剤は、芯材の両面に貼り合わせることで、両面テープを形成することができる。
また、剥離層は、公知の剥離剤を用いて形成することができる。例えば、ジメチルシロキサン等のシリコーン化合物を用いることができる。
前記粘着剤は、主に両面テープとして、ポリエチレン発泡体や一部のゴム発泡体のような難粘着性で、従来の粘着剤による固定が困難な材質の固定に用いることができる。ポリエチレン発泡体などの発泡体は、シール材、吸音材、衝撃吸収材として広く産業利用されている材料であるが、難粘着のため用途が限定されていた。
(原料)
下記原料を表1〜表5に従って秤量し、配合した。
・ポリオールa:ポリプロピレングリコール 分子量3000
・ポリオールb:ポリプロピレングリコール 分子量200
・光反応性官能基を含まないモノオール :ラウリルアルコール
・光反応性官能基を含むモノオール :ヒドロキシエチルアクリレート
・ポリイソシアネート:トリレンジイソシアネート(2,4-トリレンジイソシアネート:80%、2,6−トリレンジイソシアネート:20%)
・樹脂A :1,6−ヘキサンジオールジアクリレート(光反応性官能基数2)
・樹脂B :トリメチロールプロパントリアクリレート(光反応性官能基数3)
・樹脂C :ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート(光反応性官能基数4)
・粘着付与剤 : スーパーエステル−A100(荒川化学工業社製)
・ポリチオールA:1,4―ブタンジオールビス(3―メルカプトプロピオネート)(分子量:266,平均官能基数2)
・ポリチオールB:トリメチロールプロパン トリス(3-メルカプトプロピオネート)(分子量:296,平均官能基数3)
・ポリチオールC:ペンタエリスリトール テトラキス(3-メルカプトプロピオネート)(分子量:438,平均官能基数4)
・ポリチオールD:ジペンタエリスリトールヘキサキス(3-メルカプトプロピオネート)(分子量:783,平均官能基数6)
・開始剤:イルガキュア1173(BASF社製)
原料の配合量は表1に従って秤量する。セパレートフラスコに、ポリイソシアネートを配合量入れ、窒素雰囲気下で撹拌した。ここにポリオールa及びbを滴下する。滴下終了後触媒(ジブチルチンジラウレート)を0.3g添加した。3時間反応させた後、一部をサンプリングし、イソシアネート基含有率を測定し、下記プレポリマーごとの範囲内にあることを確認した。
なおイソシアネート含有率は、JIS Z1603−1:2007に基づく方法(ポリウレタン原料芳香族イソシアネート試験方法)に準拠して測定した。次に、モノオールを滴下し2時間反応させた。反応後サンプルリングし、イソシアネート基含有率が0.05%以下になっていることを確認した。イソシアネート基含有率が0.05%以下の場合、反応完了とし生成物をウレタンプレポリマーAとした。
表1に従って、同様の方法でプレポリマーB〜Lを調製した。
・プレポリマーA:イソシアネート含有率 0.3〜0.7%
・プレポリマーB:イソシアネート含有率 0.3〜0.7%
・プレポリマーC:イソシアネート含有率 2.8〜3.5%
・プレポリマーD:イソシアネート含有率 0.6〜1.1%
・プレポリマーE:イソシアネート含有率 0.6〜1.1%
・プレポリマーF:イソシアネート含有率 0.6〜1.1%
・プレポリマーG:イソシアネート含有率 0.2〜0.6%
・プレポリマーH:イソシアネート含有率 4.5〜5.5%
・プレポリマーI:イソシアネート含有率 1.0〜1.6%
・プレポリマーJ:イソシアネート含有率 0.6〜1.1%
・プレポリマーK:イソシアネート含有率 0.1〜0.5%
・プレポリマーL:イソシアネート含有率 6.5〜7.5%
実施例1の原料組成物は、表2に従って、秤量されたプレポリマーAを撹拌しながら、樹脂B、ポリチオールB、粘着付与剤を所定の配合量を添加し、原料組成物とした。
実施例2〜16及び比較例1〜12は、表2に示した各配合量に変更したほかは、実施例1と同様にして実施例2〜16及び比較例1〜10の原料組成物を得た。
実施例1の原料組成物を、離型紙上に、所定の厚さに塗工し、光照射(波長:365nm,照射量800mJ/cm2)により硬化させ、粘着剤とした。
前記離型紙上に形成された粘着剤は、粘着剤面に、さらにPETフィルム(厚み38μm)を貼り合わせ、実施例1の片面粘着テープとした。
実施例2〜16及び比較例1〜12は、表2に示した各配合量に変更したほかは、実施例1と同様にして実施例2〜16及び比較例1〜12の粘着テープを得た。
・対発泡体剥離強度測定
前記実施例1〜16及び比較例1〜12を用いて作製した粘着テープを、それぞれ幅25mm×長さ200mmの形状に加工して試験試料とした。また、被着体として幅30mm×長さ350mm×厚さ5mmの形状に加工した発泡体を被着体とした。前記試験試料と前記被着体を、2kgの重量のゴムローラーを用いて、5mm/sec.の速度で1往復させて、全面を貼り合わせた。その後30分間静置したものを測定に用いた。前記被着体として、クロロプレン系ゴム発泡体(イノアックコーポレーション社製:C−4305)、エチレンプロピレン系ゴム発泡体(イノアックコーポレーション社製:E−4088)及びポリエチレン発泡体(イノアックコーポレーション社製:A−8)の三種類を用いて、それぞれ評価した。
前記実施例1〜16及び比較例1〜12を用いて作製した粘着テープを、それぞれ幅25mm×長さ200mmの形状に加工して試験試料とした。また、被着体として幅30mm×長さ350mm×厚さ5mmの形状に加工したステンレス鋼板(SUS304:JIS G4305:2012「冷間圧延ステンレス鋼板及び鋼帯」)を被着体とした。前記試験試料と前記被着体を、それらの接着面積が25mm×25mmになるように、2kgの重量のゴムローラーを用いて、5mm/sec.の速度で貼り合わせた。その後15分間静置したもの(測定試料)を測定に用いた。
耐熱保持力測定は、80℃に調整された炉内に測定試料の被着体部を固定したのち、粘着テープ側に500gのおもりを吊るして行った(図2)。測定結果はおもりを吊るしたのち1時間後のずれ量を測定し、耐熱保持力とした。各実施例及び比較例の測定結果を表2〜表5に示した。
評価項目に「×」を含まず、少なくとも1つの評価項目に「△」を含む場合は、「判定」を「△」とし、
少なくとも1つの評価項目に「×」を含む場合は、「判定」を「×」とした。
・対発泡体剥離強度測定
クロロプレン系ゴム発泡体(イノアックコーポレーション製、品番:C−4305)
「〇」:10N/25mm以上
「△」:5N/25mm以上、10N/25mm未満
「×」:5N/25mm未満
エチレンプロピレン系ゴム発泡体(イノアックコーポレーション製、品番:E−4088)
「〇」:5N/25mm以上
「△」:2.5N/25mm以上、5N/25mm未満
「×」:2.5N/25mm未満
ポリエチレン発泡体(イノアックコーポレーション製、品番:A−8)
「〇」:5N/25mm以上
「△」:2.5N/25mm以上、5N/25mm未満
「×」:2.5N/25mm未満
・耐熱保持力測定
「〇」:5mm未満
「×」:5mm以上
表2〜表5の実施例及び比較例の各被着体に対する剥離強度及び80℃における保持力の測定結果から、本願発明の粘着テープは、非常に優れた、被着体である発泡体に対する粘着性(剥離強度)及び高温環境下(80℃)における耐熱性(保持力)を有することが理解できる。
10 光反応性官能基
11 光非反応性官能基
12 高分子主鎖及び側鎖
2 対発泡体剥離強度測定試料
20 材料試験機のチャック部
21 粘着テープ(試験試料)
22 発泡体(被着体)
3 耐熱保持力測定試料
30 吊り具
31 粘着テープ(試験試料)
32 ステンレス板(SUS304)
33 おもり(500g)
Claims (7)
- ウレタンプレポリマーと、ポリチオールと、複数の光反応性官能基を含む樹脂と、粘着付与剤とを、含む組成物を原料と、する粘着剤であって、
(A)前記ウレタンプレポリマーが、
ポリオールと、光反応性官能基を含まないモノオールと、光反応性官能基を含むモノオールと、ポリイソシアネートとを、原料とし、
(B)前記ウレタンプレポリマーの末端に存在する光反応性官能基の当量数(a)と光非反応性官能基の当量数(b)の比{(a)/(b)}が0.4〜2.5であり、
(C)前記ウレタンプレポリマー及び前記樹脂に含まれる、すべての光反応性官能基の二重結合量を表す単位質量あたりの全二重結合量(mol/kg)が、0.1〜0.5であり、
(D)前記ポリチオールに含まれるチオール基の当量数(c)と、前記ウレタンプレポリマー及び前記樹脂に含まれる全光反応性官能基の二重結合の当量数(d)との、比{(c)/(d)}が、0.7〜2.5であり、
(E)前記樹脂の配合量が、前記ウレタンプレポリマー100質量部に対して、0.3質量部以上である
ことを特徴とする、粘着剤。 - 前記樹脂の光反応性官能基数が、3以上であることを特徴とする、請求項1に記載の粘着剤。
- 前記樹脂が、アクリル系モノマーであることを特徴とする、請求項1又は2に記載の粘着剤。
- 前記ウレタンプレポリマーの重量平均分子量が、2500〜25000であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の粘着剤。
- 前記粘着付与剤の配合量が、前記ウレタンプレポリマー100質量部に対して、5〜30質量部であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の粘着剤。
- 基材(又は芯材)と、
基材(又は芯材)の少なくとも1つの表面上に設けられた請求項1〜5のいずれか一項に記載の粘着剤を含む粘着層と、
を備える粘着テープ - ポリオールと、光反応性官能基を含まないモノオールと、光反応性官能基を含むモノオールと、ポリイソシアネートとを、含む組成物をウレタン反応させて、ウレタンプレポリマーを作製する工程、
前記ウレタンプレポリマーと、ポリチオールと、複数の光反応性官能基を有する樹脂と、粘着付与剤と、を混合する工程、及び、
前記混合物に光を照射する照射工程を、
含み、光重合反応により粘着剤を製造することを特徴とする、粘着剤製造方法。
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