JP6270437B2 - 粘着テープ、および粘着テープの製造方法 - Google Patents

粘着テープ、および粘着テープの製造方法 Download PDF

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本発明は、シート状の基材と、その基材の少なくとも片面に設けられた粘着層とを備えた粘着テープに関する。
シート状の基材と、その基材の少なくとも片面に設けられた粘着層とを備えた粘着テープの製造方法としては、所謂、転写法が知られている。詳しくは、離型紙等に粘着性接着剤を塗布し、粘着性接着剤を熱等により硬化させることで、粘着層を形成する。そして、粘着層を離型紙から剥がし、離型紙から剥がされた粘着層を、基材の少なくとも片面に貼り合わせることで、粘着テープが形成される。また、転写法と異なる粘着テープの製造方法としては、基材の少なくとも片面に、直接、粘着性接着剤を塗布し、塗布された粘着性接着剤を硬化させることで、基材に粘着層を形成する方法が知られている。なお、粘着層の形成に用いられる粘着性接着剤としては、溶剤系の粘着性接着剤,光重合反応により硬化するアクリル系の粘着性接着剤(下記特許文献1参照),エマルジョン系の粘着性接着剤(下記特許文献2参照),ウレタン系の粘着性接着剤(下記特許文献3参照)が、知られている。
特開2000−73026号公報 特開2007−270034号公報 特開平11−293208号公報
上記技術を用いることで、粘着テープを形成することは可能であるが、上記技術には次のような問題があった。詳しくは、溶剤系の粘着性接着剤により粘着テープを製造する際には、接着剤中の溶剤を除去するために乾燥工程が必要であり、手間である。また、溶剤の使用により、人体,環境等に悪影響を及ぼす虞がある。さらに、溶剤を基材に直接塗布する場合には、基材が溶解,変形する虞がある。一方、光重合反応により硬化するアクリル系の粘着性接着剤により粘着テープを製造することで、溶剤系の粘着性接着剤の問題点を解消することが可能となる。ただし、アクリル系の粘着性接着剤には、空気(酸素)の存在により、硬化し難いという性質があるため、空気を遮断した状態で粘着性接着剤を硬化させる必要があり、製造設備が複雑化する。
また、エマルジョン系の粘着性接着剤により転写法を用いて粘着テープを製造する際には、離型紙における粘着層の形成時に、粘着性接着剤を半乾きの状態とし、その半乾きの状態の粘着性接着剤を、離型紙から剥がす。そして、その半乾きの状態の粘着性接着剤を、基材に貼り付けた後に、粘着性接着剤を十分に乾燥させることで、粘着テープが製造される。しかし、このような製造方法では、生産性が非常に悪い。また、ウレタン系の粘着性接着剤により形成される粘着層は、粘着力が低く、粘着テープとして最も必要な機能が備わっていないことが分かっている。このように、粘着性接着剤により製造される粘着テープには、改良の余地が多分に残されており、種々の改良を施すことで、粘着テープの実用性は向上すると考えられる。本発明は、そのような実情に鑑みてなされたものであり、実用性の高い粘着テープの提供を課題とする。
また、本発明の粘着テープの製造方法は、シート状の基材と、その基材の少なくとも片面に設けられた粘着層とを備えた粘着テープの製造方法であって、当該製造方法が、前記基材の少なくとも片面に、アリルエーテル基とビニルエーテル基との少なくとも一方を複数有するウレタンプレポリマーと、チオール基を1個有するモノチオールと、チオール基を複数有するポリチオールとからなる粘着性接着剤を塗布する塗布工程と、前記粘着性接着剤に光を照射する照射工程とを含み、前記モノチオールが有するチオール基と前記ポリチオールが有するチオール基との全当量数の、前記ウレタンプレポリマーが有するアリルエーテル基、若しくはビニルエーテル基の全当量数に対する比率が0.7〜1.5であり、前記ウレタンプレポリマーの重量平均分子量は、1000〜20000であり、前記モノチオールと前記ポリチオールとを合わせた量が100質量%である場合の前記チオール基を3個以上有するチオールの量が、30〜60質量%であり、前記粘着性接着剤の80℃における粘度(JIS K7117−1)が、500〜20000mPa・sであることを特徴とする。
本発明の粘着テープ、および粘着テープの製造方法では、アリルエーテル基とビニルエーテル基との少なくとも一方を有するウレタンプレポリマーに、チオール基を複数有するポリチオールだけでなく、チオール基を1個有するモノチオールも光重合反応させることで、適切な粘着力を備えた粘着層を形成することが可能となっている。また、本発明の粘着性接着剤を硬化させる際に、光重合反応が採用されており、熱等を加えるための工程が必要無く、空気を遮断する必要も無い。したがって、本発明の粘着テープ、および粘着テープの製造方法によれば、高い生産性を確保するとともに、製造設備の簡素化を図ることが可能となる。また、人体への有害性,環境汚染等に対しても非常に有利である。
剥離強度の測定方法を概略的に示す図である。 ボールNo.の測定方法を概略的に示す図である。 耐熱保持力の測定方法を概略的に示す図である。 実施例1〜5の粘着性接着剤の原料の配合量(モル比)、および、実施例1〜5の粘着性接着剤を用いて製造された粘着テープの物性評価を示す表である。 実施例6〜10の粘着性接着剤の原料の配合量(モル比)、および、実施例6〜10の粘着性接着剤を用いて製造された粘着テープの物性評価を示す表である。 比較例1〜5の粘着性接着剤の原料の配合量(モル比)、および、比較例1〜5の粘着性接着剤を用いて製造された粘着テープの物性評価を示す表である。 比較例6〜9の粘着性接着剤の原料の配合量(モル比)、および、比較例6〜9の粘着性接着剤を用いて製造された粘着テープの物性評価を示す表である。 図4〜7に示すプレポリマーA〜Eを製造するための原料の配合量(重量比)を示す表である。
本発明に記載の「粘着テープ」の「粘着層」は、アリルエーテル基とビニルエーテル基との少なくとも一方を複数有するウレタンプレポリマーと、チオール基を1個有するモノチオールと、チオール基を複数有するポリチオールとからなる粘着性接着剤を、光重合反応により硬化させることで、形成される。
アリルエーテル基とビニルエーテル基との少なくとも一方を複数有するウレタンプレポリマーは、ポリオールとポリイソシアネートとから合成されたウレタンプレポリマーに、アリルエーテル基とビニルエーテル基との少なくとも一方を有する化合物を付加することで製造される。ちなみに、上記ウレタンプレポリマーの重量平均分子量は、高過ぎると、粘着性接着剤の粘度が高くなり、流動性が悪くなるため、生産性が低くなる。一方、上記ウレタンプレポリマーの重量平均分子量は、低過ぎると、粘着性接着剤の粘度が低くなり、粘着層の厚さを任意に調整し難くなる。このため、上記ウレタンプレポリマーの重量平均分子量は、1000〜20000であることが好ましい。さらに言えば、2500〜16000であることが好ましく、特に、3000〜13000であることが好ましい。また、官能基数は、1〜3であることが好ましく、特に2であることが好ましい。
上記ウレタンプレポリマーの合成に用いられる「ポリイソシアネート」は、1つの分子に2個以上のイソシアネート基を有する化合物であり、ウレタンプレポリマーの原料として通常に採用されるものであればよい。例えば、芳香族イソシアネート、脂肪族イソシアネート、脂環族イソシアネート等が挙げられる。芳香族イソシアネートとしては、例えば、トリレンジイソシアネート(TDI)、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、ポリメリックMDI(クルードMDI)、キシリレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート等が挙げられる。脂肪族イソシアネートとしては、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソプロピレンジイソシアネート、メチレンジイソシアネート等が挙げられる。脂環族イソシアネートとしては、例えば、シクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(水添MDI)等が挙げられる。それら種々のポリイソシアネートのうちの1種または2種以上を併用したものを、上記ウレタンプレポリマーの原料として用いることが可能である。
また、上記ウレタンプレポリマーの合成に用いられる「ポリオール」は、1つの分子に2個以上の水酸基を有する化合物であり、ウレタンプレポリマーの原料として通常に採用されるものであればよい。例えば、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール等が挙げられる。ポリエステルポリオールとしては、多価アルコールと多価カルボン酸との縮合反応により得られるものがある。多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ブチレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン等が挙げられ、これらを1種または2種以上併用して用いることが可能である。多価カルボン酸としては、例えば、グルタル酸、アジピン酸、マレイン酸、テレフタル酸、イソフタル酸等が挙げられ、これらを1種または2種以上併用して用いることが可能である。さらに、カプロラクトン、メチルバレロラクトン等を開環縮合して得られるポリエステルポリオールが挙げられる。
また、ポリエーテルポリオールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ソルビトール等の多価アルコールに、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、トリメチレンオキサイド、ブチレンオキサイド等のオキサイドを付加重合させたものが挙げられる。それら種々のポリオールのうちの1種または2種以上を併用したものを、上記ウレタンプレポリマーの原料として用いることが可能である。
また、上記ウレタンプレポリマーの合成において、触媒を用いることが好ましい。触媒は、ウレタンプレポリマーの原料として通常に採用されるものであればよく、例えば、アミン系触媒、有機金属系触媒等が挙げられる。アミン系触媒としては、例えば、トリエチレンジアミン、ジエタノールアミン、ジメチルアミノモルフォリン、N−エチルモルホリン等が挙げられる。有機金属系触媒としては、例えば、スターナスオクトエート、ジブチルチンジラウレート、オクテン酸鉛、オクチル酸カリウム等が挙げられる。それら種々の触媒のうちの1種または2種以上を併用したものを、上記ウレタンプレポリマーの原料として用いることが可能である。
合成されたウレタンプレポリマーに付加させるアリルエーテル基とビニルエーテル基との少なくとも一方を有する化合物は、ウレタンプレポリマーのイソシアネート基に付加させることが可能なものであればよく、アリルエーテルグリコール,ヒドロキシエチルアリルエーテル,ヒドロキシプロピルビニルエーテル,ヒドロキシブチルビニルエーテル等が挙げられる。
上記化合物により得られたウレタンプレポリマーとエンチオール反応するモノチオールとしては、例えば、脂肪族モノチオール,メルカプトカルボン酸とアルコールとのエステル等が挙げられる。脂肪族モノチオールとしては、例えば、メチルチオール、エチルチオール、1−プロピルチオール、イソプロピルチオール、1−ブチルチオール、イソブチルチオール、tert−ブチルチオール、1−ペンチルチオール、イソペンチルチオール、3−ペンチルチオール、1−ヘキシルチオール、シクロヘキシルチオール、4−メチル−2−ペンチルチオール、1−ヘプチルチオール、1−オクチルチオール、イソオクチルチオール、2−エチルヘキシルチオール、1−ノニルチオール、イソノニルチオール、1−デシルチオール、1−ドデシルチオール、1−ミリスチルチオール、セチルチオール、1−ステアリルチオール、イソステアリルチオール、2−オクチルデシルチオール、2−オクチルドデシルチオール、2−ヘキシルデシルチオール、ベヘニルチオール等が挙げられる。
また、メルカプトカルボン酸とアルコールとのエステルとしては、2−エチルヘキシル−3−メルカプトプロピオネート(EHMP)、メトキシブチル−3−メルカプトプロピオネート(MBMP)、ステアリル−3−メルカプトプロピオネート(STMP)、メチル−3−メルカプトプロピオネート(MBM)、n−オクチル−3−メルカプトプロピオネート(NOMP)等が挙げられる。なお、それら種々のモノチオールのうちの1種または2種以上を併用したものを、上記ウレタンプレポリマーとのエンチオール反応の原料として用いることが可能である。
上記ウレタンプレポリマーとエンチオール反応するポリチオールとしては、メルカプトカルボン酸と多価アルコールとのエステル、脂肪族ポリチオール、芳香族ポリチオールが挙げられる。脂肪族ポリチオール、芳香族ポリチオールとしては、エタンジチオール、プロパンジチオール、ヘキサメチレンジチオール、デカメチレンジチオール、トリレン−2,4−ジチオール、キシレンジチオール等が挙げられる。
また、メルカプトカルボン酸と多価アルコールとのエステルでは、メルカプトカルボン酸として、チオグリコール酸、メルカプトプロピオン酸等が挙げられ、多価アルコールとして、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール及びソルビトール等が挙げられる。これらの中では、臭気が少ない点で、メルカプトカルボン酸と多価アルコールとのエステル類が好ましく、具体的には、例えば、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)、テトラエチレングリコールビス(3−メルカプトプロピオネート)、ジペンタエリスリトールヘキサ(3−メルカプトプロピオネート)が挙げられる。なお、それら種々のポリチオールのうちの1種または2種以上を併用したものを、上記ウレタンプレポリマーとのエンチオール反応の原料として用いることが可能である。
上述したモノチオールとポリチオールとを、アリルエーテル基とビニルエーテル基との少なくとも一方を複数有するウレタンプレポリマーと混合し、光を照射することで、エンチオール反応によって、適切な粘着力を発揮するエンチオール系の粘着性接着剤を得ることが可能となっている。また、上述したポリチオールとして、チオール基が2個のチオールと3個以上のチオールとを併用することで、より適切な粘着力を備えた粘着性接着剤を得ることが可能となっている。さらに、モノチオールとポリチオールとの含有量に対するチオール基が3個以上のチオールの含有量の比率(以下、3官能基チオール率という場合がある)を、調整することで、より適切な粘着力を備えた粘着性接着剤を得ることが可能となっている。3官能基チオール率は、高過ぎても、低過ぎても、粘着力が低下するため、3官能基チオール率は、30〜60%とすることが好ましい。
また、アリルエーテル基とビニルエーテル基との少なくとも一方を複数有するウレタンプレポリマーと反応が行われるチオール基の量は、特に限定されないが、全チオール基の全当量数の、ウレタンプレポリマーが有するアリルエーテル基、若しくはビニルエーテル基の全当量数に対する比率(エン/チオール比)が0.7〜1.5となることが好ましい。さらに言えば、0.9〜1.1であることが好ましく、特に、1.0であることが好ましい。エン/チオール比が大きすぎても、小さすぎても、粘着性接着剤が硬化しない虞がある。
また、ウレタンプレポリマーに付加されたアリルエーテル基、若しくはビニルエーテル基と、チオール基との光重合反応を効果的に行うべく、本発明の「粘着性接着剤」には、光重合開始剤が含まれることが好ましい。光重合開始剤としては、例えば、アセトフェノン系、ベンゾフェノン系、チオキサントン系等の化合物が挙げられる。アセトフェノン系としては、例えば、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1,1−ジクロロアセトフェノン、4−(1−t−ブチルジオキシ−1−メチルエチル)アセトフェノン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノ−プロパン−1−オンや2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン−1、ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、ベンジルジメチルケタール、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−[4−(1−メチルビニル)フェニル]プロパノンオリゴマー等が挙げられる。
ベンゾフェノン系としては、例えば、4−(1−t−ブチルジオキシ−1−メチルエチル)ベンゾフェノン、3,3′,4,4′−テトラキス(t−ブチルジオキシカルボニル)ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4′−メチル−ジフェニルサルファイド、3,3′,4,4′−テトラ(t−ブチルパーオキシルカルボニル)ベンゾフェノン、2,4,6−トリメチルベンゾフェノン、4−ベンゾイル−N,N−ジメチル−N−[2−(1−オキソ−2−プロペニルオキシ)エチル]ベンゼンメタナミニウムブロミド、(4−ベンゾイルベンジル)トリメチルアンモニウムクロリド等が挙げられる。また、チオキサントン系としては、例えば、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、4−イソプロピルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン、1−クロロ−4−プロポキシチオキサントン、2−(3−ジメチルアミノ−2−ヒドロキシ)−3,4−ジメチル−9H−チオキサントン−9−オンメソクロリド等が挙げられる。
なお、光重合開始剤の含有量は、上記ウレタンプレポリマー,モノチオール,ポリチオールの合計100質量部当たり0.01〜5質量部であることが好ましく、さらに言えば、0.1〜3質量部であることが好ましい。光重合開始剤の含有量が少なすぎると、光重合開始能力が不足し、原料の重合が速やかに行われず、好ましくない。一方、光重合開始剤の含有量が多すぎると、重合が過度に促進され、架橋密度が高くなり過ぎたり、架橋構造が不均一に形成されたりして好ましくない。
また、上述した粘着性接着剤を用いて粘着層が形成され、その粘着層が、シート状の基材の少なくとも片面に設けられることで、本発明に記載の「粘着テープ」が製造される。本発明に記載の「粘着テープ」は、種々の方法によって製造することが可能である。例えば、離型フィルムに所定の厚さとなるように、粘着性接着剤を塗布し、粘着性接着剤に紫外線を照射する。なお、離形フィルムは、紫外線を透過可能なものが採用される。これにより、粘着性接着剤が硬化し、粘着層が形成される。そして、形成された粘着層の離形フィルムと反対側の面に、基材が貼り合わされることで、粘着テープが形成される。また、その方法と異なる粘着テープの製造方法としては、離型フィルムに所定の厚さとなるように、粘着性接着剤を塗布し、塗布された粘着性接着剤の離形フィルムと反対側の面に、基材が貼り合わされる。そして、離形フィルム側から粘着性接着剤に紫外線を照射することで、粘着性接着剤が硬化し、粘着テープが形成される。このように、種々の方法で、本発明に記載の「粘着テープ」を形成することが可能であるが、硬化前の粘着性接着剤に、基材を貼り合せる方法により、粘着テープを製造することが好ましい。硬化前の粘着性接着剤に、基材を貼り合せることで、基材と粘着層との密着性が高くなる。
また、シート状の基材としては、発泡体,不織布,高分子フィルム等が挙げられる。発泡体としては、ウレタンフォーム、クロロプレンフォーム、エチレン/酢酸ビニル共重合体フォーム、アクリルフォーム、ポリエチレンフォーム等の熱可塑性樹脂フォームが挙げられる。特に、粘着テープの製造方法として、硬化前の粘着性接着剤に、基材を貼り合せる方法が採用される場合には、発泡体の連続気泡が露出する面が、硬化前の粘着性接着剤に貼り合されることで、粘着性接着剤が連続気泡内部に入り込むため、基材と粘着層との密着性が高くなる。
離形フィルム等に粘着性接着剤を塗布する際には、コンマコーター、ダイコーター、グラビアコーター等の塗布装置等を用いることが好ましい。特に、塗布時の粘着性接着剤の温度調整により、粘着性接着剤の粘度を調整することが可能であることから、ダイコーターを用いることが好ましい。
また、粘着性接着剤を適切に塗布するべく、粘着性接着剤が液状である際の粘度、具体的には、80℃の粘着性接着剤の粘度は、500〜20000mPa・sであることが好ましい。さらに言えば、700〜13000mPa・sであることが好ましい。粘度が高すぎると、粘着性接着剤の流動性が悪くなるため、粘着層に所定の厚みが出ない、塗布時間が長くなる、塗布装置による吐出圧が高くなる等の虞がある。また、粘度が低すぎると、粘着層に所定の厚さが得られない、液だれの発生により粘着テープを汚す等の虞がある。
また、粘着性接着剤を硬化させる際の粘着性接着剤への光の照射量は、600〜1800mJ/cm(365nm積算光量)であることが好ましい。ただし、ウレタンプレポリマーがビニルエーテル基を有する場合の粘着性接着剤への光の照射量は、600〜1000mJ/cm(365nm積算光量)であることが好ましく、ウレタンプレポリマーがアリルエーテル基を有する場合の粘着性接着剤への光の照射量は、1200〜1800mJ/cm(365nm積算光量)であることが好ましい。このことから、ビニルエーテル基を有するウレタンプレポリマーを採用することで、照射量を少なくすることが可能となり、積層体の生産性が向上する。なお、硬化後の粘着性接着剤の厚みは、25〜500μmであることが好ましい。硬化後の粘着性接着剤の厚みが厚過ぎると、生産コストが高くなる。また、硬化後の粘着性接着剤の厚みが薄過ぎると、必要な粘着力が確保できなくなる。
また、粘着テープの粘着力を指標するものとして、JIS K 0237に基づく方法(90°剥離試験方法)に準拠して測定された剥離強度(N/25mm)を採用することが可能である。具体的には、幅25mmの粘着テープを、SUS板に2kgのローラを1往復させることで圧着する。この際、図1に示すように、SUS板10に圧着される粘着テープ12の長さは、125mmとする。そして、23℃の条件下で30分間放置する。その後に、23℃、50%RHの条件下で、SUS板10に対して90°の方向に向かって、粘着テープ12の一端を300mm/minの速度で、引張り試験機14を用いて、引き剥がす。この際の測定値(N/25mm)が、剥離強度となる。その方法に準拠して測定された剥離強度(N/25mm)は、4(N/25mm)以上であることが好ましい。さらに言えば、4.5(N/25mm)以上であることが好ましく、特に、5.0(N/25mm)以上であることが好ましい。
また、粘着テープの粘着力を指標するものとして、JIS K 0237に基づく方法(ボールタック試験方法)に準拠して測定されたボールNo.を採用することが可能である。具体的には、図2に示すように、傾斜角度30°の傾斜板20の上に、粘着面を上にした状態の粘着テープ22をセットする。さらに、その粘着テープ22の上に、助走用の板24を載置する。そして、種々の大きさの鉄球を、助走用の板24で100mm転がす。この際に、鉄球が、粘着テープ22の100mmの範囲で止まるか否かを測定する。鉄球は、ボールNo.1〜32のものが用意されており、数字が大きいほど、重い鉄球となっている。そして、粘着テープ上で止まった鉄球のうち、最大の鉄球のボールNo.が測定値となる。このように測定されたボールNo.により、軽い力で短時間に被着体に粘着する力、つまり、瞬間的なくっつきやすさを評価することができる。このボールNo.は、ボールNo.21以上であることが好ましい。さらに言えば、ボールNo.23以上であることが好ましく、特に、ボールNo.27以上であることが好ましい。
さらに、粘着テープの粘着力を指標するものとして、高い温度状況下での耐熱保持力(分)を採用することが可能である。具体的には、図3に示すように、SUS板30を鉛直方向に延びるように保持する。そのSUS板30の下端に、接着面積が25mm×25mmとなるように、粘着テープ32を貼り合わせる。そして、粘着テープ32の下端に、310gの錘34を吊るし、80℃の環境下において放置する。この際、粘着テープ32がSUS板30から脱落するまでの時間を計測し、その時間が、耐熱保持力(分)となる。耐熱保持力(分)は、30分以上であることが好ましい。さらに言えば、35分以上であることが好ましく、特に、40分以上であることが好ましい。
以下に実施例を示し、本発明をさらに具体的に説明する。ただし、本発明は、この実施例に限定されるものではなく、当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した種々の態様で実施することができる。
<粘着性接着剤の原料および製造>
図4〜図7に示す配合の原料から、実施例1〜10の粘着性接着剤および比較例1〜9(比較例5除く)の粘着性接着剤を製造した。以下に、各原料の詳細を示す。なお、比較例5は、溶剤系の粘着性接着剤を用いて製造された粘着テープである。
図4〜図7に示す各「プレポリマー」は、図8に示す配合(重量比)の原料を以下の方法に従って反応させることで得られる。
まず、1リットル容量のセパラブルフラスコにポリオールを図に示す量入れて、窒素を流しながらポリイソシアネートを攪拌しながら図に示す量添加する。内容物が均一になったことを確認後、触媒(ジブチルチンジラウレート(DBTDL)0.3g)を添加する。そして、1時間かけて80〜90℃になるように、ゆっくりと昇温する。目的の温度に昇温してから2時間後にイソシアネート基含有率をJIS Z1603−1:2007に基づく方法(ポリウレタン原料芳香族イソシアネート試験方法)に準拠して測定する。そして、イソシアネート基含有率が、2.0〜2.5%の範囲内になっていることを確認する。イソシアネート基含有率が、2.0〜2.5%の範囲内になっていない場合には、反応時間を延長する。
イソシアネート基含有率が、2.0〜2.5%の範囲内になっていることを確認後、ビニルエーテルを図に示す量、ゆっくりと滴下し、2時間反応を行わせる。2時間経過後に、再度、上記方法に従ってイソシアネート基含有率を測定し、イソシアネート基含有率が0.5%以下になっていることを確認する。そして、イソシアネート基含有率が0.5%以下になっていることを条件として、図に示す各「プレポリマー」が得られる。
・ポリオールa;ポリプロピレングリコール(PPG)、商品名:サンニックスPP−1000、三洋化成(株)製、重量平均分子量:1000、水酸基数:2
・ポリオールb;ポリプロピレングリコール(PPG)、商品名:サンニックスPP−3000、三洋化成(株)製、重量平均分子量:3000、水酸基数:2
・ポリオールc;ポリプロピレングリコール(PPG)、商品名:プレミノールS4011、旭硝子(株)製、重量平均分子量:10000、水酸基数:2
・ポリオールd;ポリプロピレングリコール(PPG)、商品名:サンニックスPP−600、三洋化成(株)製、重量平均分子量:600、水酸基数:2
・ポリイソシアネート;TDI、商品名:ルプラネートT−80、BASF(株)製
・ビニルエーテル;ヒドロキシブチルビニルエーテル、日本カーバイド(株)製
上述のようにして得られた各「プレポリマー」と後述する複数のチオールを図4〜7に示す配合比(モル比)となるように計量し、80℃に加温した後に、混合撹拌する。これにより、実施例1〜10の粘着性接着剤および比較例1〜9(比較例5除く)の粘着性接着剤が得られる。
・モノチオール;官能基数1、重量分子量218.4、2−エチルヘキシル−3−メルカプトプロピオネート、EHMP、SC有機化学(株)製
・ポリチオールA;官能基数2、重量分子量238.6、ブタンジオールビスチオグリコレート、1,4−BDTG、淀化学(株)製
・ポリチオールB;官能基数3、重量分子量398.5、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトプロピオネート)、TMMP、SC有機化学(株)製
上述の手法により製造された実施例1〜10の粘着性接着剤、および、比較例1〜9(比較例5除く)の粘着性接着剤の80℃における粘度(mPa・s)を測定した。詳しくは、B型粘度計(単一円筒型回転粘度計;スピンドルタイプ)を用いて、JIS K 7117−1に準拠して、実施例1〜10の粘着性接着剤、および、比較例1〜9(比較例5除く)の粘着性接着剤の80℃における粘度(mPa・s)を測定した。その測定結果を、図4〜図7の「粘度」の欄に示しておく。
また、各ウレタンプレポリマーと反応が行われるチオール基の平均官能基数を、図4〜図7の「平均官能基数」の欄に示し、全チオール基の全当量数の、各ウレタンプレポリマーのビニルエーテル基の全当量数に対する比率を、図4〜図7の「エン/チオール比」の欄に示しておく。
<粘着テープの製造>
上述のように製造された実施例1〜10の粘着性接着剤、および、比較例1〜9(比較例5除く)の粘着性接着剤を用いて、粘着テープを製造した。詳しくは、スラブ法によりウレタンフォームのブロックを成形し、そのブロックを5mmの厚さにスライスする。これにより、シート状のウレタンフォームが得られる。なお、このシート状のウレタンフォームの両面は、連続気泡が露出する面となっている。また、紫外線を透過する離形フィルムに、実施例1〜10の粘着性接着剤、若しくは、比較例1〜3,6〜9の粘着性接着剤を、70μmの厚さとなるように、塗布する。その粘着性接着剤の離形フィルムと反対側の面に、シート状のウレタンフォームを貼り合せる。そして、粘着性接着剤の離形フィルム側から、800mJ/cm(365nm積算光量)のUVが照射され、各粘着性接着剤が硬化する。これにより、ウレタンフォームの片面に粘着層が形成された粘着テープが製造される。
また、比較例4の粘着性接着剤を用いた粘着テープは、転写法により製造される。詳しくは、比較例4の粘着性接着剤が離型フィルムに、70μmの厚さとなるように、塗布され、粘着性接着剤に対して、800mJ/cm(365nm積算光量)のUVが照射される。UVの照射により、粘着性接着剤が硬化すると、硬化した粘着性接着剤、つまり、粘着層の離形フィルムと反対側の面に、シート状のウレタンフォームが貼り合わされる。これにより、ウレタンフォームの片面に粘着層が形成された粘着テープが製造される。
<粘着テープの物性評価>
上述のように製造された実施例1〜10の粘着テープ、比較例1〜9(比較例5除く)の粘着テープ、および、比較例5としての溶剤系の粘着性接着剤を用いて製造された粘着テープに対して、以下の方法によって物性評価を行なった。ただし、比較例6および比較例7の粘着性接着剤は、UV照射により硬化しなかったため、評価可能な粘着テープを製造することができなかった。また、比較例4の粘着性接着剤を用いて粘着テープを製造する際に、粘着層をシート状のウレタンフォームに適切に貼り合すことができなかったため、評価可能な粘着テープを製造することができなかった。このため、比較例4,比較例6及び比較例7の粘着テープに対する物性評価は行われていない。
まず、JIS K 0237に基づく方法(90°剥離試験方法)に準拠して、粘着テープの剥離強度(N/25mm)を測定した。その測定結果を、図4〜図7の「90°剥離強度」の欄に示しておく。
また、JIS K 0237に基づく方法(ボールタック試験方法)に準拠して、ボールタック(ボールNo.)を測定した。その測定結果を、図4〜図7の「ボールタック」の欄に示しておく。
さらに、上述した方法に準拠して、耐熱保持力(分)を測定した。その測定結果を、図4〜図7の「耐熱保持力」の欄に示しておく。
以上の評価結果から、ビニルエーテル基を複数有するウレタンプレポリマーに、ポリチオールだけでなく、モノチオールをもエンチオール反応によって重合させることで、粘着力の高い粘着性接着剤によって粘着テープを製造できることが解る。具体的には、モノチオールが配合されていない比較例1の粘着テープでは、剥離強度が3.5(N/25mm)であり、ボールタックが、ボールNo.20である。一方、モノチオールが配合されている実施例の全ての粘着テープでは、剥離強度が4.0(N/25mm)以上であり、ボールタックが、ボールNo.22以上である。このことから、粘着力の向上にモノチオールが有効であることは明らかである。
ただし、モノチオールとポリチオールとの含有量に対するチオール基が3個以上のチオールの含有量の比率(3官能基チオール率)が低過ぎても、高過ぎても、粘着テープの粘着力は低下する。具体的には、比較例2の粘着テープでは、3官能基チオール率が62%であり、剥離強度が3.8(N/25mm)である。また、比較例3の粘着テープでは、3官能基チオール率が28%であり、耐熱保持力が20(分)である。一方、実施例の全ての粘着テープでは、3官能基チオール率が32.5〜58%であり、剥離強度が4.0(N/25mm)以上、耐熱保持力が30(分)である。このことから、3官能基チオール率は、ある程度の誤差を考慮して、30〜60%であることが好ましい。
また、粘着性接着剤の原料であるウレタンプレポリマーの重量平均分子量は、粘着性接着剤の粘度に影響する。具体的には、比較例8の粘着性接着剤では、ウレタンプレポリマーの重量平均分子量が1181であり、粘度が400(mPa・s)である。また、比較例9の粘着性接着剤では、ウレタンプレポリマーの重量平均分子量が20755であり、粘度が20000(mPa・s)である。一方、実施例の全ての粘着性接着剤では、ウレタンプレポリマーの重量平均分子量が1581〜10757であり、粘度が700〜10000(mPa・s)である。このことから、ウレタンプレポリマーの重量平均分子量は、ある程度の誤差を考慮して、1000〜15000であることが好ましい。
また、全チオール基の全当量数の、各ウレタンプレポリマーのビニルエーテル基の全当量数に対する比率(エン/チオール比)は、高過ぎても、低過ぎても、粘着性接着剤が硬化せず、適切な粘着テープを製造することができない。具体的には、比較例6の粘着性接着剤では、エン/チオール比は0.5であり、比較例6の粘着性接着剤はUV照射によって硬化しない。また、比較例7の粘着性接着剤では、エン/チオール比は1.7であり、比較例7の粘着性接着剤はUV照射によって硬化しない。一方、実施例の全ての粘着性接着剤では、エン/チオール比は0.7〜1.5であり、全実施例の粘着性接着剤はUV照射によって硬化する。このことから、エン/チオール比は0.7〜1.5であることが好ましい。
ただし、エン/チオール比が0.7である場合には、実施例8に示すように、剥離強度,耐熱保持力,ボールタックは許容範囲内であるが、比較的低い。また、エン/チオール比が1.5である場合にも、実施例9に示すように、剥離強度,耐熱保持力,ボールタックは許容範囲内であるが、比較的低い。一方、エン/チオール比が1.0である場合には、実施例1〜7に示すように、剥離強度,耐熱保持力,ボールタックに関して、殆ど良好な結果となっている。このため、エン/チオール比は、ある程度の誤差を考慮して、0.9〜1.1であることが好ましく、特に、1.0であることが好ましい。
また、比較例4の粘着テープのように、転写法により粘着テープを製造すると、粘着層とシート状のウレタンフォームとが適切に密着しないため、適切な粘着テープを製造することができない。一方、実施例の粘着テープのように、硬化前の粘着性接着剤に、シート状のウレタンフォームを貼り合せる方法により粘着テープを製造すると、粘着力の高い粘着テープを製造することができる。このことから、粘着テープの製造方法として、硬化前の粘着性接着剤に、シート状のウレタンフォームを貼り合せる方法を採用することが好ましい。
そして、最後に、比較例5の粘着テープは、溶剤系の粘着性接着剤を用いて製造されている。このため、この粘着テープ製造時には、接着剤中の溶剤を除去するために乾燥工程が必要であり、手間である。また、溶剤の使用により、人体,環境等に悪影響を及ぼす虞がある。一方、実施例の粘着テープでは、光を照射することで、エンチオール反応によって、粘着テープが製造される。このため、実施例の粘着テープによれば、溶剤系の粘着性接着剤を用いて製造される粘着テープの問題点を解消することが可能である。また、比較例5の粘着テープでは、耐熱保持力が5(分)であり、ボールタックが、ボールNo.21である。一方、実施例の全ての粘着テープでは、耐熱保持力が30(分)以上であり、ボールタックが、ボールNo.22以上である。このことからも、実施例の粘着テープが、溶剤系の粘着テープより優れていることは明らかである。
以下、本発明の諸態様について列記する。
(1)シート状の基材と、その基材の少なくとも片面に設けられた粘着層とを備えた粘着テープであって、
前記粘着層が、
アリルエーテル基とビニルエーテル基との少なくとも一方を複数有するウレタンプレポリマーと、チオール基を1個有するモノチオールと、チオール基を複数有するポリチオールとからなる粘着性接着剤を、光重合反応により硬化させることで形成されることを特徴とする粘着テープ。
(2)前記基材が、発泡体であることを特徴とする(1)項に記載の粘着テープ。
(3)前記粘着層が設けられる前記基材の少なくとも片面が、連続気泡が露出した面であることを特徴とする(2)項に記載の粘着テープ。
(4)前記モノチオールが有するチオール基と前記ポリチオールが有するチオール基との全当量数の、前記ウレタンプレポリマーが有するアリルエーテル基、若しくはビニルエーテル基の全当量数に対する比率が0.7〜1.5であることを特徴とする(1)項ないし(3)項のいずれか1つに記載の粘着テープ。
(5)前記ウレタンプレポリマーの重量平均分子量は、1000〜20000であることを特徴とする(1)項ないし(4)項のいずれか1つに記載の粘着テープ。
(6)前記ポリチオールは、
チオール基を2個有するチオールと、チオール基を3個以上有するチオールとによって構成されることを特徴とする(1)項ないし(5)項のいずれか1つに記載の粘着テープ。
(7)前記モノチオールと前記ポリチオールとを合わせた量が100質量%である場合の前記チオール基を3個以上有するチオールの量が、30〜60質量%であることを特徴とする(6)項に記載の粘着テープ。
(8)前記粘着性接着剤の80℃における粘度(JIS K7117−1)が、500〜20000mPa・sであることを特徴とする(1)項ないし(7)項のいずれか1つに記載の粘着テープ。
(9)シート状の基材と、その基材の少なくとも片面に設けられた粘着層とを備えた粘着テープの製造方法であって、
当該製造方法が、
前記基材の少なくとも片面に、アリルエーテル基とビニルエーテル基との少なくとも一方を複数有するウレタンプレポリマーと、チオール基を1個有するモノチオールと、チオール基を複数有するポリチオールとからなる粘着性接着剤を塗布する塗布工程と、
前記粘着性接着剤に光を照射する照射工程と
を含むことを特徴とする粘着テープの製造方法。

Claims (1)

  1. シート状の基材と、その基材の少なくとも片面に設けられた粘着層とを備えた粘着テープの製造方法であって、
    当該製造方法が、
    前記基材の少なくとも片面に、アリルエーテル基とビニルエーテル基との少なくとも一方を複数有するウレタンプレポリマーと、チオール基を1個有するモノチオールと、チオール基を複数有するポリチオールとからなる粘着性接着剤を塗布する塗布工程と、
    前記粘着性接着剤に光を照射する照射工程と
    を含み、
    前記モノチオールが有するチオール基と前記ポリチオールが有するチオール基との全当量数の、前記ウレタンプレポリマーが有するアリルエーテル基、若しくはビニルエーテル基の全当量数に対する比率が0.7〜1.5であり、
    前記ウレタンプレポリマーの重量平均分子量は、1000〜20000であり、
    前記モノチオールと前記ポリチオールとを合わせた量が100質量%である場合の前記チオール基を3個以上有するチオールの量が、30〜60質量%であり、
    前記粘着性接着剤の80℃における粘度(JIS K7117−1)が、500〜20000mPa・sであることを特徴とする粘着テープの製造方法。
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