JPH05117974A - 合成繊維処理用組成物及び合成繊維の処理方法 - Google Patents

合成繊維処理用組成物及び合成繊維の処理方法

Info

Publication number
JPH05117974A
JPH05117974A JP3304063A JP30406391A JPH05117974A JP H05117974 A JPH05117974 A JP H05117974A JP 3304063 A JP3304063 A JP 3304063A JP 30406391 A JP30406391 A JP 30406391A JP H05117974 A JPH05117974 A JP H05117974A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
unsaturated urethane
synthetic fiber
lubricating oil
oil component
treatment
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP3304063A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2977171B2 (ja
Inventor
Osamu Ogiso
脩 小木曽
Yukio Komatsu
幸男 小松
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Takemoto Oil and Fat Co Ltd
Original Assignee
Takemoto Oil and Fat Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Takemoto Oil and Fat Co Ltd filed Critical Takemoto Oil and Fat Co Ltd
Priority to JP3304063A priority Critical patent/JP2977171B2/ja
Publication of JPH05117974A publication Critical patent/JPH05117974A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2977171B2 publication Critical patent/JP2977171B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Treatments For Attaching Organic Compounds To Fibrous Goods (AREA)
  • Polyurethanes Or Polyureas (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明は、補強材として用いる合成繊維とゴム
類との接着、特にポリエステル繊維とゴム類との接着を
向上することができ、また安全性や取扱性の問題もな
い、合成繊維処理用組成物及び合成繊維の処理方法を提
供するものである。 【構成】本発明に係る合成繊維処理用組成物は、特定構
造の不飽和ウレタンと、潤滑剤及び/又は界面活性剤を
主成分とする潤滑油成分とから成り、該不飽和ウレタン
/該潤滑油成分=5/95〜100/0(重量比)であ
ることを特徴としており、また本発明に係る合成繊維の
処理方法は、溶融紡糸された合成繊維に、延伸の前及び
/又は後の工程で、上記の不飽和ウレタンと潤滑油成分
とを、該不飽和ウレタン/該潤滑油成分=5/95〜1
00/0(重量比)となるように付与し、次いで該不飽
和ウレタンを硬化反応させることを特徴としている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は合成繊維処理用組成物及
び合成繊維の処理方法に関する。レーヨン、ポリアミド
繊維、ポリエステル繊維等を補強材として用い、これら
をゴム類と接着加工したものが自動車用タイヤ類、ベル
ト類、ホース類等に広く利用されている。レーヨン、ポ
リアミド繊維、ポリエステル繊維等を上記のように補強
材として用いる場合、これらがゴム類との接着性に優れ
ていることが肝要である。本発明は、その表面特性を改
善してゴム類との接着性に優れた合成繊維を得ることが
できる、合成繊維処理用組成物及び合成繊維の処理方法
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、レーヨン、ポリアミド繊維、ポリ
エステル繊維等の生コードをゴム類と接着する場合、R
FL(レゾルシン−ホルマリン−ゴムラテックス系接着
剤)で処理することが行なわれている。ところが、この
従来手段だけでは双方の接着が不充分という欠点があ
る。特にポリエステル繊維とゴム類との接着が悪い。そ
こでポリエステル繊維については、ポリエポキシ化合物
やポリイソシアネート化合物等を配合した紡糸油剤を用
い、該紡糸油剤を溶融紡糸直後のポリエステル繊維に付
与して熱処理し、更に一定時間熟成することによりその
表面特性を予め改善しておくことも提案されている(特
開昭60−194122、特公昭43−21507)。
ところが、これらの従来手段でもポリエステル繊維とゴ
ム類との接着が依然として不充分であり、またこれらの
従来手段には健康上の懸念があるポリエポキシ化合物や
水との反応性に富むポリイソシアネート化合物を用いる
ため安全性や取扱性に問題が多いという欠点がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、従来手段では補強材として用いる合成繊維
とゴム類との接着が不充分で、また安全性や取扱性に問
題が多い点である。
【0004】
【課題を解決するための手段】しかして本発明者らは、
上記観点で鋭意研究した結果、特定構造の不飽和ウレタ
ンを用いて合成繊維の表面特性を予め改善しておくこと
が正しく好適であることを見出した。
【0005】すなわち本発明は、下記の式1で示される
不飽和ウレタンと、潤滑剤及び/又は界面活性剤を主成
分とする潤滑油成分とから成り、該不飽和ウレタン/該
潤滑油成分=5/95〜100/0(重量比)であるこ
とを特徴とする合成繊維処理用組成物、及び溶融紡糸さ
れた合成繊維に、延伸の前及び/又は後の工程で、上記
の不飽和ウレタンと潤滑油成分とを、該不飽和ウレタン
/該潤滑油成分=5/95〜100/0(重量比)とな
るように付与し、次いで該不飽和ウレタンを硬化反応さ
せることを特徴とする合成繊維の処理方法に係る。
【0006】
【式1】
【0007】[式1において、X:2〜6価のポリイソ
シアネート化合物又はポリウレタンポリイソシアネート
化合物からイソシアネート基を除いた残基 Y1,Y2:同時に同一又は異なる、2〜4価のポリオー
ル又は(ポリ)エーテルポリオールから水酸基を除いた
残基 R1,R2:同時に同一又は異なる、H又はCH3 p,q:1〜3の整数 m,n:0〜6の整数であって、且つ2≦m+n≦6を
満足する整数]
【0008】本発明の合成繊維処理用組成物において、
式1で示される不飽和ウレタンにはラジカル重合性エス
テルモノオールとポリイソシアネート化合物とのウレタ
ン化反応生成物及びラジカル重合性エステルモノオール
とポリウレタンポリイソシアネート化合物とのウレタン
化反応生成物が包含される。ここで該ラジカル重合性エ
ステルモノオールは、(メタ)アクリル酸と2〜4価の
ポリオール又は2〜4価の(ポリ)エーテルポリオール
とから誘導される、遊離の水酸基を1個有する部分エス
テル(以下、エステルモノオールという)である。
【0009】上記エステルモノオールとしては、1)ヒ
ドロキシエチルモノ(メタ)アクリレート、ヒドロキシ
プロピルモノ(メタ)アクリレート等の、2価アルコー
ルのモノ(メタ)アクリレート類、2)ジエチレングリ
コールモノメタクリレート、プロピレングリコールモノ
メタクリレート、ポリエチレングリコール(3〜9モ
ル)モノメタクリレート、ポリプロピレングリコール
(3〜9モル)モノアクリレート、ポリ(オキシエチレ
ン及び/又はオキシプロピレン)グリコールモノアクリ
レート等の、ポリアルキレングリコールのモノ(メタ)
アクリレート類、3)グリセリンジアクリレート、グリ
セリンジメタクリレート、グリセリンアクリレートメタ
クリレート、トリメチロールプロパンジメタクリレー
ト、5−メチル−1,2,4−ヘプタントリオールジメ
タクリレート、1,2,6−ヘキサントリオールジメタ
クリレート等の、3価アルコールのジ(メタ)アクリレ
ート類、4)ペンタエリスリトールトリアクリレート、
ペンタエリスリトールトリメタクリレート等の、4価ア
ルコールのトリ(メタ)アクリレート類、5)エチレン
グリコールモノグリセリルエーテルジメタクリレート、
(ポリ)エトキシル化トリメチロールプロパンジメタク
リレート、(ポリ)プロポキシル化トリメチロールプロ
パンジアクリレート、(ポリ)エトキシル化グリセリン
ジメタクリレート等の、(ポリ)エーテルトリオールの
ジ(メタ)アクリレート類、6)ジグリセリントリアク
リレート、(ポリ)エトキシル化ペンタエリスリトール
トリメタクリレート、エチレングリコールジグリセリル
エーテルトリメタクリイレート等の、(ポリ)エーテル
テトラオールのトリ(メタ)アクリレート類が挙げられ
る。かかるエステルモノオールを誘導するのに用いる
(ポリ)エーテルポリオールとしては分子量400以下
のものが有利である。
【0010】上記エステルモノオールと反応させるポリ
イソシアネート化合物としては、1)トリレンジイソシ
アネート、4,4−ジフェニルメタンジイソシアネー
ト、キシリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイ
ソシアネート、イソホロンジイソシアネート、メチレン
ビス(シクロヘキシルジイソシアネート)、トリメチル
ヘキサメチレンジイソシアネート等のジイソシアネート
類、2)ヘキサメチレンジイソシアネート環状3量体、
トリス(イソシアネートフェニル)チオホスフェート等
のトリイソシアネート類が挙げられる。
【0011】上記エステルモノオールと反応させるポリ
ウレタンポリイソシアネート化合物は、2〜6価のポリ
オール、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオ
ール、又はポリエーテルエステルポリオール等とジイソ
シアネートとの反応により得られる、分子中に2個以上
の遊離のイソシアネート基を有するものである。かかる
ポリウレタンポリイソシアネート化合物としては、エチ
レングリコールとトリレンジイソシアネートとの1対2
モル反応物、エトキシル化ビスフェノールAとジフェニ
ルメタンジイソシアネートとの1対2モル反応物、トリ
メチロールプロパンとヘキサメチレンジイソシアネート
との1対3モル反応物、ジグリセリンとヘキサメチレン
ジイソシアネートとの1対4モル反応物、ポリエチレン
グリコール(3〜9モル)とキシリレンジイソシアネー
トとの1対2モル反応物、ポリテトラメチレングリコー
ル(3〜9モル)とメチレンビス(シクロヘキシルイソ
シアネート)との1対2モル反応物、ポリカプロラクト
ン変性ジオールとトリメチルヘキサメチレンジイソシア
ネートとの1対2モル反応物、1,4−ブタンジオール
及びコハク酸からなるオリゴエステルジオールとトリレ
ンジイソシアネートとの1対2モル反応物、ポリカーボ
ネートジオールとキシリレンジイソシアネートとの1対
2モル反応物、ヒマシ油とヘキサメチレンジイソシアネ
ートとの1対3モル反応物、テトラエチレングリコール
及びイソフタル酸からなるオリゴエステルジオールとイ
ソホロンジイソシアネートとの1対2モル反応物等が挙
げられる。
【0012】不飽和ウレタンを合成する際のポリイソシ
アネート化合物又はポリウレタンポリイソシアネート化
合物とエステルモノオールとの反応割合は官能基モル比
(NCO/OH)で1/1となるようにするのが好まし
いが、1/0.95〜0.95/1の範囲で変動しても
特に支障はない。不飽和ウレタンの合成では、エステル
モノオールに、触媒の存在下、温度を30〜80℃に保
持しつつ、ポリイソシアネート化合物又はポリウレタン
ポリイソシアネート化合物を徐々に加える方法が採用さ
れる。合成に際し、溶媒として各種の不活性溶媒を用い
ることもできる。
【0013】式1で示される不飽和ウレタンの合成にお
いて、エステルモノオール、ポリイソシアネート化合物
及びポリウレタンポリイソシアネート化合物の種類は該
不飽和ウレタンを合成繊維へ付与して硬化反応させるこ
とにより形成される皮膜の物性に影響を及ぼす。すなわ
ち、エステルモノオールの不飽和基の数が多いほど硬化
反応が早くなり、皮膜が硬くなる。またポリイソシアネ
ート化合物又はポリウレタンポリイソシアネート化合物
のイソシアネート基の数が多いほど皮膜が硬くなる。そ
してポリウレタンポリイソシアネート化合物の分子中に
占めるポリエーテル、ポリエステルポリオール、ポリエ
ーテルエステルポリオール等の割合が増すほど皮膜が柔
らかくなる。したがって合成繊維の製造工程条件や硬化
反応条件に合わせて不飽和ウレタンの種類を選択するの
が好ましい。
【0014】本発明の合成繊維処理用組成物において、
潤滑油成分は潤滑剤及び/又は界面活性剤を主成分とす
るものである。潤滑剤としては、鉱物油、脂肪酸と1価
アルコールとのエステル、脂肪酸と多価アルコールとの
エステル、多価カルボン酸と1価アルコールとのエステ
ル、ポリ(オキシエチレン及び/又はオキシプロピレ
ン)エーテル等が挙げられる。また界面活性剤として
は、1)ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオ
キシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエ
チレンアルキルエステル、ポリオキシエチレン(硬化)
ヒマシ油、ポリオキシエチレンアルキルアミノエーテ
ル、ポリオキシエチレンアルキルアミド、多価アルコー
ル部分脂肪酸エステル等の非イオン界面活性剤、2)脂
肪酸石鹸類、アルケニルコハク酸石鹸類、アルカンスル
ホネート塩類、ジアルキルスルホサクシネート塩類、ア
ルキルホスフェート塩類等のアニオン界面活性剤、3)
4級アルキルアンモニウム塩等のカチオン界面活性剤、
4)アルキルイミダゾリニウムベタイン等の両性界面活
性剤が挙げられる。
【0015】本発明の合成繊維処理用組成物は、以上説
明したような不飽和ウレタンと潤滑油成分とから成り、
前者/後者=5/95〜100/0(重量比)から成る
ものであるが、これらの2成分の他に、第3成分とし
て、重合禁止剤、熱硬化触媒、嫌気硬化触媒、光硬化触
媒、防腐剤、防錆剤等を適宜含有することもできる。
【0016】次に本発明の合成繊維の処理方法について
説明する。本発明では、溶融紡糸された合成繊維に、延
伸前及び/又は後の工程で、以上説明したような不飽和
ウレタンと潤滑油成分とを付与し、次いで該不飽和ウレ
タンを硬化反応させる。
【0017】不飽和ウレタンと潤滑油成分とは、合成繊
維へ同時に付与してもよいし、別々に付与してもよい。
いずれの場合も、不飽和ウレタン/潤滑油成分=5/9
5〜100/0(重量比)となるように付与するが、双
方を延伸の前の工程で合成繊維へ付与する場合には、1
0/90〜90/10(重量比)となるように付与する
のが好ましく、15/85〜85/15(重量比)とな
るように付与するのが更に好ましい。また潤滑油成分を
延伸の前の工程で合成繊維へ付与し、不飽和ウレタン又
は不飽和ウレタンと潤滑油成分との混合物を延伸の後の
工程で合成繊維へ付与する場合には、不飽和ウレタン/
潤滑油成分=30/70〜90/10(重量比)となる
ように付与するのが好ましい。合成繊維の延伸、後工程
におけるその撚糸や製織を容易にしつつ、処理後の合成
繊維とゴム類との間の接着を強くするためである。
【0018】合成繊維に対する不飽和ウレタンと潤滑油
成分との付与形態は、ニート、水性エマルジョン又は有
機溶剤溶液のいずれでもよいが、水性エマルジョン又は
有機溶剤溶液が好ましい。水性エマルジョンとして付与
する場合、その濃度は通常5〜30重量%が適用され、
また有機溶剤溶液として付与する場合、その濃度は通常
20〜90重量%が適用されるが、この場合に用いる有
機溶剤としては沸点が200〜300℃の石油溜分から
得られる炭化水素系のものが好ましい。合成繊維に対す
る不飽和ウレタンと潤滑油成分との付与量は通常0.2
〜2重量%が適用される。付与後の工程で不飽和ウレタ
ンを硬化反応させるための硬化触媒は不飽和ウレタンや
潤滑油成分に配合しておいてもよいし、これらとは別に
合成繊維へ付与してもよい。
【0019】不飽和ウレタンと潤滑油成分とを合成繊維
に付与した後、合成繊維上で該不飽和ウレタンを硬化反
応させる。硬化反応の方法としては、1)熱処理、2)
嫌気処理、3)光照射等の方法が挙げられる。
【0020】通常、本発明が適用される合成繊維はその
延伸工程において200℃前後の熱処理を受けるため、
延伸の前の工程で不飽和ウレタンを付与すれば、該不飽
和ウレタンも必然的に熱処理されるが、該不飽和ウレタ
ンに必要な熱量を確実に与えるためには、延伸の後の工
程で合成繊維を巻き取る前に更に熱処理のためのヒータ
ーや熱ローラーを設置するのが好ましい。かかる熱処理
に用いる硬化触媒としては、ジベンゾイルパーオキサイ
ドやジクミルパーオキサイド等のパーオキサイド類が挙
げられるが、これらに硬化促進剤として1級又は2級の
アミノ基を有する(ポリ)アミン類を併用することもで
きる。
【0021】嫌気処理は延伸後に巻き取った合成繊維の
パッケージを窒素封入するか又は真空包装することで達
成され、また光照射は延伸の前又は後の合成繊維に太陽
光線、白色光線、紫外線等を照射することで達成される
が、合成繊維のパッケージの内層は必然的に嫌気状態と
なるため、窒素封入や真空包装等をしなくても、表層に
光照射すれば、該パッケージ全体を硬化させることもで
きる。かかる嫌気処理に用いる硬化触媒としては、クメ
ンハイドロパーオキサイドやt−ブチルハイドロパーオ
キサイド等のハイドロパーオキサイド類、第3級アミン
類等が挙げられ、また光照射に用いる硬化触媒として
は、ベンゾフェノン、アセトフェノン、ベンゾイン、ア
ントラキノン等のカルボニル化合物、ジフェニルスルフ
ィド、ジチオカーボネート等の硫黄化合物が挙げられ
る。
【0022】
【実施例】
・試験区分1(不飽和ウレタンの合成) ・・不飽和ウレタン(U−1)の合成 グリセリンジメタクリレート227g(2.0モル)及
びジ−n−ブチル錫ジラウレート1.5gをフラスコに
仕込み、50℃に保持して撹拌し、4,4−ジフェニル
メタンジイソシアネート258g(1.0モル)を20
分かけて滴下した。その後、60℃で1時間保持して合
成を終了した。粘稠液状の不飽和ウレタン(U−1)を
得た。
【0023】・・不飽和ウレタン(U−2)の合成 ジグリセリン166g(1.0モル)及びジ−n−ブチ
ル錫ジラウレート4gをフラスコに仕込み、50℃に保
持して撹拌し、ヘキサメチレンジイソシアネート672
g(4.0モル)を30分かけて滴下した。同温度で1
時間保持した後、ヒドロキシエチルメタクリレート52
0g(4.0モル)を30分かけて滴下した。その後、
70℃に昇温し、1時間保持して合成を終了した。高粘
稠液状の不飽和ウレタン(U−2)を得た。
【0024】・・不飽和ウレタン(U−3)の合成 トリメチロールプロパンジアクリレート242g(1.
0モル)及びジ−n−ブチル錫ジラウレート2gをフラ
スコに仕込み、50℃に保持して撹拌し、ポリエチレン
グリコール(平均分子量300)とトリレンジイソシア
ネートとの1対2モル反応物324g(0.5モル)を
35分かけて滴下した。その後、70℃に昇温し、1時
間保持して合成を終了した。非常に高粘稠の不飽和ウレ
タン(U−3)を得た。
【0025】・・不飽和ウレタン(U−4)の合成 トリメチロールプロパンジアクリレート242g(1.
0モル)及びジ−n−ブチル錫ジラウレート2gをフラ
スコに仕込み、50℃に保持して撹拌し、ポリエステル
ジオール(アジピン酸とプロピレングリコールとから誘
導したもの、平均分子量600)とトリレンジイソシア
ネートとの1対2モル反応物474g(0.5モル)を
35分かけて滴下した。その後、70℃に昇温し、1時
間保持して合成を終了した。非常に高粘稠の不飽和ウレ
タン(U−4)を得た。
【0026】・・不飽和ウレタン(U−5)の合成 トリメチロールプロパンジアクリレート242g(1.
0モル)及びジ−n−ブチル錫ジラウレート2gをフラ
スコに仕込み、50℃に保持して撹拌し、ポリエーテル
エステルジオール(アジピン酸とテトラエチレングリコ
ールとから誘導したもの、平均分子量800)とトリレ
ンジイソシアネートとの1対2モル反応物574g
(0.5モル)を35分かけて滴下した。その後、70
℃に昇温し、1時間保持して合成を終了した。非常に高
粘稠の不飽和ウレタン(U−5)を得た。
【0027】・試験区分2(実施例及び比較例) ・・実施例1〜10及び比較例1〜3 市販の1000デニールのタイヤコード用ポリエステル
マルチフィラメントを超音波洗浄で水洗して脱油した
後、表1に示した処理用組成物の10%水性エマルジョ
ンを繊維に対し固形分換算で0.5重量%となるように
付与し、直ちに緊張状態のまま、長さ100cm、表面温
度200℃のヒーター上を10m/分の速さで通過させ
ることにより熱処理して巻き取った。3日間放置後、タ
イヤコード用撚糸機を用いて撚糸し、撚り数480×4
80回/m(下撚×上撚)の双糸コードを得た。該双糸
コードを、ディッピングテスト機を用いて、通常のRF
L(レゾルシン−ホルマリン−ラテックス)処理液で処
理し、乾燥熱処理してディップコードを得た。該ディッ
プコードを未加硫ゴム上に荷重をかけて張り、その上に
未加硫ゴムを張り合わせ、ディップコードが動かない状
態で温度150℃、圧力50kg/cm2で30分加硫して、
埋め込み試料を作製し、JIS−L−1017にしたが
って接着力(Tテスト)の測定を行なった。結果を表1
に示した。表1中の数値はゴム中に埋め込まれたコード
をゴムブロックから30cm/分の速度で引き抜くために
要する力(kg/cm)を表す。
【0028】
【表1】
【0029】表1において、 U−1〜U−5:試験区分1で得たもの L−1:オレイルオレート L−2:ポリオキシエチレン(25モル)硬化ヒマシ油 L−3:ソルビタンジオレート L−4:アルカンスルホネートナトリウム塩L−5:ポ
リオキシエチレン(3モル)ラウリルエーテルホスフェ
ートカリウム塩 C−1:ジベンゾイルパーオキサイド C−2:ジエチレントリアミンセスキオレオアミド A−1:N,N,N’,N’−テトラヒドロキシエチル
エチレンジアミンとトリレンジイソシアネートとの1対
2モル反応物 表中の数値は接着力を除き重量部、これらは以下同じ
【0030】・・実施例11〜14及び比較例4〜6 極限粘度0.75のポリエチレンテレフタレートを溶融
紡糸機により紡糸し、表2に示した処理用組成物の15
%水性エマルジョンを繊維に対し固形分換算で0.6重
量%となるように付与し、直ちに3個の熱ゴデットロー
ラー(最高表面温度210℃)の間で延伸して巻き取
り、1000デニールのマルチフィラメントを得た。付
与した処理用組成物中の不飽和ウレタンを硬化させるた
めのラジカル反応開始手段として、下記の熱処理、嫌気
処理又は光照射を行なった。
【0031】熱処理:第3ゴデットローラーと巻き取り
機の間に表面温度210℃、長さ2mのヒーターを置
き、接触走行させて熱処理した後に巻き取り、パッケー
ジを3日間熟成した(表2中でA) 嫌気処理:第3ゴデットローラーを出た後、何の処理も
せずに直ちに巻き取り、パッケージを真空包装して3日
間熟成した(表2中でB) 光処理:巻き取り機の付近に紫外線ランプを取付け、パ
ッケージの表面に紫外線を照射しながら巻き取り、パッ
ケージを3日間熟成した(表2中でC)
【0032】上記の硬化処理をしたマルチフィラメント
をタイヤコード用撚糸機を用いて撚糸し、撚り数480
×480回/m(下撚×上撚)の双糸コードを得た。該
双糸コードを、ディッピングテスト機を用いて、通常の
RFL(レゾルシン−ホルマリン−ラテックス)処理液
で処理し、乾燥熱処理してディップコードを得た。該デ
ィップコードを用い、以下実施例1〜10の場合と同様
にして埋め込み試料を作製し、接着力(Tテスト)の測
定を行なった。結果を表2に示した。
【0033】
【表2】
【0034】表2において、 L−6:ジオレイルアジペート C−3:クメンハイドロパーオキサイド C−4:ベンゾインイソブチルエーテル A−2:ジグリセリントリグリセリルエーテル これらは以下同じ
【0035】・・実施例15及び比較例7,8 極限粘度0.75のポリエチレンテレフタレートを溶融
紡糸機により紡糸し、表3に示した一次処理用組成物を
繊維に対し0.3重量%となるように付与し、直ちに3
個の熱ゴデットローラー(最高表面温度210℃)の間
で延伸し、第3ゴデットローラーの直後で表3に示した
二次処理用組成物の20%水性エマルジョンを繊維に対
し固形分換算で0.5重量%となるように付与した後、
更に加熱ローラーを通し、熱処理して巻き取り、100
0デニールのマルチフィラメントを得、これを3日間放
置して熟成した。該マルチフィラメントを撚糸機を用い
て撚糸し、撚り数480×480回/mの双糸コードを
得た。該双糸コードを用い、以下実施例1〜10の場合
と同様にして埋め込み試料を作製し、接着力(Tテス
ト)の測定を行なった。結果を表3に示した。
【0036】
【表3】
【0037】表3において、 L−7:30℃における動粘度が30レッドウッド秒の
鉱物油
【0038】・・実施例16及び比較例9 極限粘度0.75のポリエチレンテレフタレートを溶融
紡糸機により紡糸し、表4に示した一次処理用組成物の
20%水性エマルジョンを繊維に対し固形分換算で0.
3重量%となるように付与し、直ちに3個の熱ゴデット
ローラー(最高表面温度210℃)の間で延伸し、第3
ゴデットローラーの直後で表4に示した二次処理用組成
物の20%水性エマルジョンを繊維に対し固形分換算で
0.5重量%となるように付与した後、紫外線ランプを
用いてパッケージに向け紫外線を照射しながら巻き取
り、1000デニールのマルチフィラメントを得、これ
を真空包装して3日間放置して熟成した。該マルチフィ
ラメントを撚糸機を用いて撚糸し、撚り数480×48
0回/mの双糸コードを得た。該双糸コードを用い、以
下実施例1〜10の場合と同様にして埋め込み試料を作
製し、接着力(Tテスト)の測定を行なった。結果を表
4に示した。
【0039】
【表4】
【0040】
【発明の効果】既に明らかなように、以上説明した本発
明には、補強材として用いる合成繊維とゴム類との接
着、特にポリエステル繊維とゴム類との接着を向上する
ことができ、また安全性や取扱性の問題もないという効
果がある。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の式1で示される不飽和ウレタン
    と、潤滑剤及び/又は界面活性剤を主成分とする潤滑油
    成分とから成り、該不飽和ウレタン/該潤滑油成分=5
    /95〜100/0(重量比)であることを特徴とする
    合成繊維処理用組成物。 【式1】 [式1において、X:2〜6価のポリイソシアネート化
    合物又はポリウレタンポリイソシアネート化合物からイ
    ソシアネート基を除いた残基 Y1,Y2:同時に同一又は異なる、2〜4価のポリオー
    ル又は(ポリ)エーテルポリオールから水酸基を除いた
    残基 R1,R2:同時に同一又は異なる、H又はCH3 p,q:1〜3の整数 m,n:0〜6の整数であって、且つ2≦m+n≦6を
    満足する整数]
  2. 【請求項2】 溶融紡糸された合成繊維に、延伸の前及
    び/又は後の工程で、請求項1記載の式1で示される不
    飽和ウレタンと潤滑油成分とを、該不飽和ウレタン/該
    潤滑油成分=5/95〜100/0(重量比)となるよ
    うに付与し、次いで該不飽和ウレタンを硬化反応させる
    ことを特徴とする合成繊維の処理方法。
JP3304063A 1991-10-22 1991-10-22 合成繊維用処理剤及び合成繊維の処理方法 Expired - Fee Related JP2977171B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3304063A JP2977171B2 (ja) 1991-10-22 1991-10-22 合成繊維用処理剤及び合成繊維の処理方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3304063A JP2977171B2 (ja) 1991-10-22 1991-10-22 合成繊維用処理剤及び合成繊維の処理方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH05117974A true JPH05117974A (ja) 1993-05-14
JP2977171B2 JP2977171B2 (ja) 1999-11-10

Family

ID=17928590

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP3304063A Expired - Fee Related JP2977171B2 (ja) 1991-10-22 1991-10-22 合成繊維用処理剤及び合成繊維の処理方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2977171B2 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012031551A (ja) * 2010-06-30 2012-02-16 Takemoto Oil & Fat Co Ltd ポリウレタン系弾性繊維用処理剤、ポリウレタン系弾性繊維の処理方法及びポリウレタン系弾性繊維
JP2016135936A (ja) * 2015-01-15 2016-07-28 松本油脂製薬株式会社 弾性繊維用処理剤及び弾性繊維
WO2018159758A1 (ja) * 2017-03-03 2018-09-07 キヤノン株式会社 光硬化性組成物、樹脂、ブロックイソシアネート、および、立体物の製造方法
EP3919538A1 (en) * 2020-06-04 2021-12-08 Covestro Deutschland AG Composition for polyurethane foam raw material

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012031551A (ja) * 2010-06-30 2012-02-16 Takemoto Oil & Fat Co Ltd ポリウレタン系弾性繊維用処理剤、ポリウレタン系弾性繊維の処理方法及びポリウレタン系弾性繊維
JP2016135936A (ja) * 2015-01-15 2016-07-28 松本油脂製薬株式会社 弾性繊維用処理剤及び弾性繊維
WO2018159758A1 (ja) * 2017-03-03 2018-09-07 キヤノン株式会社 光硬化性組成物、樹脂、ブロックイソシアネート、および、立体物の製造方法
EP3919538A1 (en) * 2020-06-04 2021-12-08 Covestro Deutschland AG Composition for polyurethane foam raw material

Also Published As

Publication number Publication date
JP2977171B2 (ja) 1999-11-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3715021B2 (ja) 液状硬化性樹脂組成物
CA2802628C (en) Cross-linkable thermoplastic polyurethanes
CN109906241B (zh) 聚氨酯树脂的制造方法、聚氨酯树脂及成型品
US4367302A (en) Thermoplastic polyurethane resin having isocyanate end groups and containing ethylenic side groups
JP6158742B2 (ja) 光硬化性防水剤およびワイヤーハーネス
JP2011046912A (ja) ポリウレタンの製造方法及びそれから得られたポリウレタンの用途
DE19902685A1 (de) Neuartige Urethan(meth)acrylate, Verfahren zu deren Herstellung und deren Verwendung
DE102009045027A1 (de) Monomerarme Polyurethanschäume
JP5022752B2 (ja) 液状硬化性樹脂組成物
JP2977171B2 (ja) 合成繊維用処理剤及び合成繊維の処理方法
JPH06166739A (ja) 放射線硬化性ポリウレタンエマルジョン組成物
JP2008247982A (ja) 液状硬化性樹脂組成物
JPH0657636A (ja) 合成繊維処理用組成物及び合成繊維処理方法
JPH0228210A (ja) プレポリマー組成物,その製造方法,およびその用途
US9388527B2 (en) Spinfinish material applied on the fiber and a production method thereof
EP3947508A1 (en) Method for preparing a pultruded polyurethane composite
EP3733729A1 (en) Method for preparing a pultruded polyurethane composite
CN109312040B (zh) 聚氨酯发泡片、其制造方法及层叠体的制造方法
WO2016043395A1 (ko) 폴리에스테르 섬유, 이의 제조방법 및 이를 포함하는 타이어 코드
CZ20033006A3 (cs) Energií vytvrditelný adukt obsahující silanovou skupinu a povlak z něho vytvořený
JP2007512422A5 (ja)
JP6226109B1 (ja) ポリウレタン発泡シート、その製造方法、及び積層体の製造方法
JPH03199227A (ja) 硬化性樹脂の製造方法
JP2005120120A (ja) 液状硬化性樹脂組成物
KR102024870B1 (ko) 폴리우레탄폼의 봉제슬립성 및 내마모성을 증진시키는 강화용 코팅제를 이용한 표면 강화방법 및 폴리우레탄폼의 표면 강화용 강화코팅제

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees