JP2005120120A - 液状硬化性樹脂組成物 - Google Patents

液状硬化性樹脂組成物 Download PDF

Info

Publication number
JP2005120120A
JP2005120120A JP2003353134A JP2003353134A JP2005120120A JP 2005120120 A JP2005120120 A JP 2005120120A JP 2003353134 A JP2003353134 A JP 2003353134A JP 2003353134 A JP2003353134 A JP 2003353134A JP 2005120120 A JP2005120120 A JP 2005120120A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
meth
acrylate
resin composition
curable resin
diisocyanate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2003353134A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroki Obara
浩揮 小原
Masanobu Sugimoto
雅信 杉本
Takeo Shigemoto
建生 重本
Zen Komiya
小宮 全
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JSR Corp
DSM IP Assets BV
Original Assignee
JSR Corp
DSM IP Assets BV
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by JSR Corp, DSM IP Assets BV filed Critical JSR Corp
Priority to JP2003353134A priority Critical patent/JP2005120120A/ja
Publication of JP2005120120A publication Critical patent/JP2005120120A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Macromonomer-Based Addition Polymer (AREA)

Abstract

【課題】 硬化物が低い帯電性を示し、良好な硬化性を示す、高速塗布可能な光ファイバ被覆材に適した液状硬化性樹脂組成物を提供すること。
【解決手段】 下記(A)、(B)、(C)及び(D):
(A)ウレタン(メタ)アクリレート 50〜90重量%、
(B)反応性希釈剤 5〜50重量%、
(C)重合開始剤 0.1〜5重量%、
(D)下記一般式(1)で表されるアルカリ金属アルコキシド化合物 0.1〜10重量%
【化1】
Figure 2005120120

(式中、R1は水素原子又はメチル基を、R2はポリオール残基を、R3はジイソシアネート残基を、R4はジオール残基を、mは1〜20の整数を、nは1〜50の整数を、Mはアルカリ金属原子を示す)
を含有する液状硬化性樹脂組成物。
【選択図】 なし

Description

本発明は、ガラス、セラミックス、プラスチック、木などの表面に塗布後硬化して使用する、帯電防止性を示す液状硬化性樹脂組成物に関する。さらに詳しくは、塗布性、及び硬化性に優れ、光ファイバ、光ファイバテープ芯線等の被覆材料として好適な液状硬化性樹脂組成物に関する。
光ファイバの製造においては、ガラスファイバを熱溶融紡糸し、保護補強を目的として樹脂被覆が施されている。この過程を線引きと称し、樹脂被覆としては、光ファイバの表面にまず柔軟な第一次の被覆層を設け、その外側に剛性の高い第二次の被覆層を設けた構造が知られている。また、これらの樹脂被覆を施された光ファイバ素線を実用に供するため平面上に複数並べて結束材料で固めテープ状被覆層を設けた構造が知られている。この第一次の被覆層を形成するための樹脂組成物をプライマリ材、第二次の被覆層を形成するための樹脂組成物をセカンダリ材、テープ状の被覆層を形成するための樹脂組成物をテープ材と称している。
このような光ファイバ用被覆材として用いられる硬化性樹脂には、塗布性に優れ高速で線引き可能なこと;十分な強度、柔軟性を有すること;耐熱性に優れること;耐候性に優れること;酸、アルカリなどに対する耐性に優れること;耐油性に優れていること;吸水、吸湿性が低いこと;耐候性に優れていること水素ガス発生量が少ないこと:液状で保存安定性が良好なことなどの特性が要求されている。
近年の光ファイバ需要の増大に伴い、品質に加え、生産性も重要視されている。しかし素線やテープ製造の中で、巻き取り或いは巻き変えの際にファイバ同士が静電気で絡まり、ボビンへの巻き取り性やボビンからの送り出し性を悪化させ、光ファイバの生産性が低減するという問題が生じる場合がある。一般に静電気を抑えるためには材料に帯電防止能を付与することが考えられ、具体的には、樹脂にカーボン粉末を配合したり、樹脂に界面活性剤を配合する試みがなされた(特許文献1〜5参照)。しかしながら、一般的にこれらの物質は周りの液状硬化性樹脂組成物と反応性を持たないため、経時的に表面に析出し、硬化物の表面をべとつかせるという問題がある。そのため硬化物が帯電防止能を持ち、かつ、経時的に硬化物の表面をべとつかせることのない光ファイバ被覆用樹脂組成物が求められている。
特開2001−89684号公報 特開2000−273127号公報 特開平11−5944号公報 特開平10−77421号公報 特表2002−543039号公報
本発明の目的は、硬化物が帯電防止能を持ち、かつ、経時的に硬化物の表面をべとつかせることのない光ファイバ被覆材に適した液状硬化性樹脂組成物を提供することにある。
本発明によれば、本発明の上記目的は、下記(A)、(B)、(C)及び(D):
(A)ウレタン(メタ)アクリレート 50〜90重量%、
(B)反応性希釈剤 5〜50重量%、
(C)重合開始剤 0.1〜5重量%、
(D)下記一般式(1)で表されるアルカリ金属アルコキシド化合物 0.1〜10重量%
Figure 2005120120
(式中、R1は水素原子又はメチル基を、R2はポリオール残基を、R3はジイソシアネート残基を、R4はジオール残基を、mは1〜20の整数を、nは1〜50の整数を、Mはアルカリ金属原子を示す)
を含有する液状硬化性樹脂組成物により達成された。
本発明の液状硬化性樹脂組成物は、その硬化物が優れた帯電防止能を有しており、かつ、経時的に硬化物の表面をべとつかせることのない。このため、光ファイバ被覆材、特にセカンダリ材、テープ材あるいはハンドリング材として好適である。
本発明の(A)成分であるウレタン(メタ)アクリレートは、特に限定されないが、例えば、(a)ポリオール化合物、(b)ポリイソシアネート化合物、及び(c)ヒドロキシ基含有(メタ)アクリレートモノマーを反応させて得られる。
(A)ウレタン(メタ)アクリレートは、そのオリゴマーの主鎖に結合した(メタ)アクリロイル基を少なくとも2個含有することが好ましい。例えば(メタ)アクリロイル基は、オリゴマーの主鎖の各末端に反応性末端基として存在してもよい。オリゴマーの主鎖は、例えばポリエーテル、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリカーボネイトカーボネート、炭化水素、又はそれらの共重合体をベースとすることができる。オリゴマーの主鎖は、ポリエーテルポリオール、ポリオレフィンポリオール、ポリカーボネイトカーボネートポリオール又はそれらの混合物等のポリオールプレポリマーを含むであることが好ましい。プレポリマーを用い、当該分野で公知の方法で放射線硬化性オリゴマーに転化してオリゴマーの主鎖を調製する場合は、このポリオールプレポリマーの分子量は、好ましくは700〜10,000、さらに好ましくは1,000〜5,000、最も好ましくは1,000〜3,000である。
(A)ウレタン(メタ)アクリレートのオリゴマーの主鎖は、例えばウレタン結合を介して互いに連結した1個以上のオリゴマーブロックであってもよい。例えば、1種又は2種以上のポリオールプレポリマーを当該分野で公知の方法により結合させることができる。オリゴマーの主鎖ポリオールプレポリマーがポリエーテルポリオールならば、ガラス転移点が低く、且つ機械特性が良好な被覆が得られる。オリゴマーの主鎖がポリオレフィンポリオールであると、耐水性がさらに向上した被覆が得られる。ポリカーボネイトカーボネート系オリゴマーは、例えば(a)ポリカーボネートポリオールと(b)ポリイソシアネートと(c)ヒドロキシ基含有(メタ)アクリレートモノマーとの反応により調製することができる。
この(A)ウレタン(メタ)アクリレートを製造する具体的方法としては、例えば(a)ポリオール、(b)ポリイソシアネート化合物及び(c)ヒドロキシ基含有(メタ)アクリレートモノマーを一括して仕込んで反応させる方法;(a)ポリオール及び(b)ポリイソイアネート化合物を反応させ、次いで(c)ヒドロキシ基含有(メタ)アクリレートモノマーを反応させる方法;(b)ポリイソシアネート化合物及び(c)ヒドロキシ基含有(メタ)アクリレートモノマーを反応させ、次いで(a)ポリオールを反応させる方法;(b)ポリイソシアネート化合物及び(c)ヒドロキシ基含有(メタ)アクリレートモノマーを反応させ、次いで(a)ポリオールを反応させ、最後にまた(c)ヒドロキシ基含有(メタ)アクリレートモノマーを反応させる方法などが挙げられる。
(a)ポリオールのヒドロキシ基と(b)のイソシアネート基間の反応では、ヒドロキシ官能性とイソシアネート官能性との間で化学量論的均衡をとると共に、反応温度を25℃以上に維持することが好ましい。ヒドロキシ官能性は実質的に消費されるべきである。イソシアネートとヒドロキシ基含有(メタ)アクリレートモノマーとのモル比は、3:1〜1.2:1、好ましくは2:1〜1.5:1である。ヒドロキシ基含有(メタ)アクリレートモノマーは、ウレタン結合を介してイソシアネートに結合する。
(A)ウレタン(メタ)アクリレートの合成に用いられる(a)ポリオールとしては、ポリエーテルジオール、ポリエステルジオール、ポリカーボネートジオール、ポリカプロラクトンジオール等を使用することができる。これらの中では、ポリエーテルジオールが好ましいが、その他のジオールをポリエーテルジオールと併用することもできる。これらの構造単位の重合様式は特に制限されず、ランダム重合、ブロック重合、グラフト重合のいずれであってもよい。
ポリエーテルジオールとしては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポリヘキサメチレングリコール、ポリヘプタメチレングリコール、ポリデカメチレングリコール、のような一種のイオン重合性環状化合物を開環重合させて得られるポリエーテルオレフィンジオール、又は二種以上のイオン重合性環状化合物を開環共重合させて得られるポリエーテルジオールが挙げられる。イオン重合性環状化合物としては、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブテン−1−オキシド、イソブテンオキシド、オキセタン、3,3−ジメチルオキセタン、3,3−ビスクロロメチルオキセタン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、3−メチルテトラヒドロフラン、ジオキサン、トリオキサン、テトラオキサン、シクロヘキセンオキシド、スチレンオキシド、エピクロルヒドリン、グリシジルメタクリレート、アリルグリシジルエーテル、アリルグリシジルカーボネート、ブタジエンモノオキシド、イソプレンモノオキシド、ビニルオキセタン、ビニルテトラヒドロフラン、ビニルシクロヘキセンオキシド、フェニルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、安息香酸グリシジルエステル等の環状エーテル類が挙げられる。
また、上記イオン重合性環状化合物と、エチレンイミン等の環状イミン類、γ−プロピオラクトン、グリコール酸ラクチド等の環状ラクトン酸、あるいはジメチルシクロポリシロキサン類とを開環共重合させたポリエーテルジオールを使用することもできる。上記二種類以上のイオン重合性環状化合物の具体的な組み合わせとしては、テトラヒドロフランとプロピレンオキシド、テトラヒドロフランと2−メチルテトラヒドロフラン、テトラヒドロフランと3−メチルテトラヒドロフラン、テトラヒドロフランとエチレンオキシド、プロピレンオキシドとエチレンオキシド、ブテン−1−オキシドとエチレンオキシド、テトラヒドロフラン、ブテン−1−オキシド、エチレンオキシドの3元重合体等を挙げることができる。これらのイオン重合性環状化合物の開環共重合体はランダムに結合していてもよいし、ブロック状の結合をしていてもよい。
ポリエーテルオレフィンジオールを使用する場合、このポリオレフィンは、複数個のヒドロキシル末端基を有する直鎖状又は分岐鎖状炭化水素であることが好ましい。この炭化水素は、大部分がメチレン基(−CH2−)からなり、主鎖中に存在する不飽和結合及び側基として懸垂した不飽和基を含んでも良い非芳香族化合物であることが好ましい。不飽和の程度が少なくなるに従って、硬化した光ファイバ被覆の長期安定性は増大するので、完全に飽和した、例えば水素化炭化水素が好ましい。炭化水素ジオールの例としては、例えば末端にヒドロキシル基を有し、完全に又は部分的に水素化された1,2―ポリブタジエン;1,4 1,2―ポリブタジエン共重合体;1,2−ポリブタジエン−エチレン又は−プロピレン共重合体;ポリイソブチレンポリオール;これらの混合物等が挙げられる。炭化水素ジオールとしては、ほぼ完全に水素化された1,2−ポリブタジエン又は1,2−ポリブタジエン/エチレン共重合体が好ましい。
ポリエーテルオレフィンジオール又は二種以上のイオン重合性環状化合物を開環共重合させて得られるポリエーテルジオールを使用する場合は、平均2個以上のヒドロキシル基を有することが好ましい。このオリゴマー主鎖ポリオールは、平均で2個を超えるヒドロキシル基を持っていてもよい。このようなオリゴマージオールの例としては、ポリエーテルジオール、ポリオレフィンジオール、ポリエステルジオール、ポリカーボネートジオール、及びそれらの混合物が挙げられる。ポリエーテルジオール、ポリオレフィンジオール、又はそれらの組み合わせが好ましい。ポリエーテルジオールを使用する場合は、実質的に非結晶性のポリエーテルであることが好ましい。このポリエーテルは下記モノマー単位の群から選択される1個以上の繰り返し単位を含むことが好ましい。
−O−CH2−CH2
−O−CH2−CH(CH3)−
−O−CH2−CH2−CH2
−O−CH(CH3)−CH2−CH2
−O−CH2−CH(CH3)−CH2
−O−CH2−CH2−CH2−CH2
−O−CH2−CH(CH3)−CH2−CH2
−O−CH(CH3)−CH2−CH2−CH2
使用可能なポリエーテルポリオールの例は、3−メチルテトラヒドロフラン20重量%とテトラヒドロフラン80重量%(両成分とも開環重合を受けたもの)との反応生成物である。このポリエーテル共重合体は、分岐した及び非分岐の両状態のオキシアルキレン繰り返し単位を有し、PTGL1000(保土谷化学工業(株))として市販されている。このシリーズで使用可能なポリエーテルの別の例は、PTGL2000(保土谷化学工業(株))である。
これらのポリエーテルジオールは、例えばPTMG650、PTMG1000、PTMG2000(以上、三菱化学(株)製)、エクセノール1020、2020,3020、プレミノールPML−4002、PML−5005(以上旭硝子(株)製)、ユニセーフDC1100、DC1800、DCB1000(以上、日本油脂(株)製)、PPTG1000、PPTG2000、PPTG4000、PTG400、PTG650、PTG1000、PTG2000、PTG−L1000、PTG−L2000(以上、保土ヶ谷化学工業(株)製)、Z−3001−4、Z−3001−5、PBG2000(以上、第一工業製薬(株)製)、Acclaim2200、2220、3201、3205、4200、4220、8200、12000(以上ライオンデール社製)等の市販品として入手することができる。
ポリオールとしては、上記ポリエーテルジオールが好ましいが、この他にポリエステルジオール、ポリカーボネートジオール、ポリカプロラクトンジオール等も用いることができ、これらのジオールをポリエーテルジオールと併用することもできる。これらの構造単位の重合様式は特に制限されず、ランダム重合、ブロック重合、グラフト重合のいずれであってもよい。
ポリカーボネートジオールの例は、ジエチレンカーボネートをジオールでアルコーリシスすることによって従来通り製造されるものである。このジオールは、例えば1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,12−ドデカンジオール等の、炭素原子数2〜12のアルキレンジオールであってよい。これらジオールの混合物も利用できる。ポリカーボネートジオールは、カーボネート基の他に主鎖中にエーテル結合を含むことができる。従って、例えばアルキレンオキサイド系モノマーと前述のアルキレンジオールとのポリカーボネート共重合体が使用できる。アルキレンオキサイド系モノマーとしては、例えばエチレンオキサイド、テトラヒドロフラン等が挙げられる。これらの共重合体は、ポリカーボネートホモポリマーに比べて、モジュラスが低く、しかも液状被覆組成物の結晶化も阻止する硬化被膜を生成する。ポリカーボネートジオールとポリカーボネート共重合体との混合物も利用できる。
ポリカーボネートジオールとしては、例えばDuracarb122 (PPG Industries社)及びPermanol KM10−1733 (Permuthane社、米国マサチューセッツ州)が挙げられる。Duracarb122はジエチルカーボネートのヘキサンジオールによるアルコーリシスによって製造される。ポリエステルジオールの例としては、飽和ポリカルボン酸又はそれらの無水物とジオールとの反応生成物が挙げられる。飽和ポリカルボン酸及び無水物としては、例えばフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、テトラクロロフタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバチン酸、コハク酸、グルタル酸、マロン酸、ピメリン酸、スベリン酸、2,2−ジメチルコハク酸、3,3−ジメチルグルタル酸、2,2−ジメチルグルタル酸等、それらの無水物及びそれらの混合物が挙げられる。ジオールとしては、例えば1,4−ブタンジオール、1,8−オクタンジオール、ジエチレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、ジメチロールシクロヘキサン等が挙げられる。ポリカプロラクトン類はこの分類に含まれ、ユニオン・カーバイド社からTone Polylolシリーズ、例えばTone0200、0221、0301、0310、2201及び2221という商品名で市販されている。Tone0301及び0310は3官能性である。
(A)ウレタン(メタ)アクリレートの合成に用いられる(b)ポリイソシアネートとしては、芳香族ジイソシアネート、脂環族ジイソシアネート、脂肪族ジイソシアネート等が挙げられる。具体的化合物としては、光ファイバ用樹脂組成物として使用できるものであれば特に制限はないが、好ましい例としては芳香族ジイソシアネート及び脂環式ジイソシアネート、より好ましくは、2,4−トリレンジイソシアネート及びイソホロンジイソシアネートが挙げられる。これらのジイソシアネート化合物は単独で用いても、2種以上併用しても良い。
いかなる(b)ポリイソシアネートも単独で又は混合物の状態でポリイソシアネートとして使用できる。これにより、分子の少なくとも一端がイソシアネート/(メタ)アクリレートモノマー反応から得られる反応生成物で末端キャップ(end−cap)された製品が得られる。“末端キャップ”とは、官能基がオリゴマージオールの両末端の一方に付加することである。このイソシアネート/ヒドロキシ基含有(メタ)アクリレートモノマー反応生成物は、ウレタン結合を介してオリゴマー主鎖(a)ジオールに結合する。このウレタン反応は、触媒の存在下で起こる。ウレタン反応用触媒としては、例えばジブチル錫ジラウレート、ジアザビシクロオクタン結晶等が挙げられる。
(A)ウレタン(メタ)アクリレートの合成に用いられる(b)ポリイソシアネートの例としては、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、テトラメチルキシレンジイソシアネート(TMXDI)、トルエンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、シクロへキシレンジイソシアネート、メチレンジシクロヘキサンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、4−クロロ−1,3−フェニレンジイソシアネート、4,4′−ビフェニレンジイソシアネート、1,5−ナフチレンジイソシアネート、1,4−テトラメチレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、1,10−デカメチレンジイソシアネート、1,4−シクロへキシレンジイソシアネートの他、並びにポリアルキルレンオキサイド及び若しくはポリエステルグリコールの両末端にトルエンジイソシアネート等のジイソシアネートが結合した化合物等が挙げられる。例えばそれぞれTDI末端停止ポリテトラメチレンエーテルグリコール及びTDI末端停止ポリエチレンアジペートが挙げられる。これらのジイソシアネートではとしては、イソホロンジイソシアネートやトルエンジイソシアネートのようなジイソシアネート等が好ましい。
(A)ウレタン(メタ)アクリレートの合成に用いられる(c)ヒドロキシ基含有(メタ)アクリレートモノマーとしては、ポリイソシアネートのイソシアネート基との反応性の点から、水酸基が第一級炭素原子に結合したヒドロキシ基含有(メタ)アクリレートモノマー(第一水酸基含有(メタ)アクリレートという)及び水酸基が第二級炭素原子に結合した水酸基含有(メタ)アクリレート(第二水酸基含有(メタ)アクリレートという)が好ましい。
一般に、(c)ヒドロキシ基含有(メタ)アクリレートモノマーは放射線照射により重合し得る官能基を有し、またこの化合物はジイソシアネートと反応し得る官能基を有する。
第一水酸基含有(メタ)アクリレートとして、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールモノ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールモノ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタンジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
第二水酸基含有(メタ)アクリレートとして、例えば、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェニルオキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシシクロヘキシル(メタ)アクリレート等が挙げられ、さらに、アルキルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、グリシジル(メタ)アクリレート等のグリシジル基含有化合物と、(メタ)アクリル酸との付加反応により得られる化合物が挙げられる。これらヒドロキシ基含有(メタ)アクリレートモノマーは1種単独で、あるいは2種以上組み合わせて使用できる。
(A)ウレタン(メタ)アクリレートの合成に用いる(a)ポリオール、(b)ポリイソシアネート化合物及び(c)ヒドロキシ基含有(メタ)アクリレートモノマーの使用割合は、ポリオールに含まれる水酸基1当量に対してポリイソシアネート化合物に含まれるイソシアネート基が1.1〜2当量、ヒドロキシ基含有(メタ)アクリレートモノマーの水酸基が0.1〜1当量となるようにするのが好ましい。
また(A)ウレタン(メタ)アクリレートの合成においてポリオールとともにジアミンを併用することも可能であり、このようなジアミンとしてはエチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、パラフェニレンジアミン、4,4′−ジアミノジフェニルメタン等のジアミンやヘテロ原子を含むジアミン、ポリエーテルジアミン等が挙げられる。
(A)ウレタン(メタ)アクリレートの合成においては、ナフテン酸銅、ナフテン酸コバルト、ナフテン酸亜鉛、ジブチル錫ジラウレート、トリエチルアミン、1,4−ジアザビシクロ〔2.2.2〕オクタン、2,6,7−トリメチル−1,4−ジアザビシクロ〔2.2.2〕オクタン等のウレタン化触媒を、反応物の総量に対して0.01〜1重量%用いるのが好ましい。また、反応温度は、通常5〜90℃、特に10〜80℃が好ましい。
(A)ウレタン(メタ)アクリレートは、アルカリ金属アルコキシド化合物(D)との相溶性及び硬化物のヤング率、破断伸び等の良好な力学特性及び放射線硬化性樹脂組成物の適度な粘度を得る観点から、本発明の放射線硬化性樹脂組成物中に、50〜90重量%有することが好ましく、60〜90重量%がより好ましく、70〜90重量%が特に好ましい。90重量%を超えると放射線硬化性樹脂組成物の粘度が10.0Pa・sを超えてしまうため作業性も低下し、また硬化物の耐水性も悪化する。50重量%を下回ると、化合物(D)との相溶性が低下し、外観不良になる場合がある。光ファイバセカンダリ材、テープ材、ハンドリング材としての硬化物のヤング率は50〜1200MPaが好ましい。放射線硬化性樹脂組成物の粘度は1.0〜10.0Pa・sが好ましい。
本発明の成分(B)反応性希釈剤としては、(B1)重合性単官能モノマーと(B2)重合性多官能モノマーが挙げられる。(B1)重合性単官能モノマーとしては、例えばN−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタム等のビニル基含有ラクタム、イソボルニル(メタ)アクリレート、ボルニル(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート等の脂環式構造含有(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、4−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、アクリロイルモルホリン、ビニルイミダゾール、ビニルピリジン等が挙げられる。さらに、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、アミル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ウンデシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、メトキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ジアセトン(メタ)アクリルアミド、イソブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、t−オクチル(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、7−アミノ−3,7−ジメチルオクチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、ヒドロキシブチルビニルエーテル、ラウリルビニルエーテル、セチルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル又は下記式(2)〜(4)
Figure 2005120120
(式中、R1は水素原子又はメチル基を示し、R5は炭素数2〜6、好ましくは2〜4のアルキレン基を示し、R6は水素原子又は炭素数1〜12、好ましくは1〜9のアルキル基を示し、sは0〜12、好ましくは1〜8の数を示す)
Figure 2005120120
(式中、R1は前記と同じ意味を有し、R7は炭素数2〜8、好ましくは2〜5のアルキレン基を示し、pは0〜8、好ましくは1〜4の数を示す)
Figure 2005120120
(式中、R1は前記と同じ意味を有し、R8は炭素数2〜8、好ましくは2〜5のアルキレン基を示し、R9〜R14は互いに独立で水素原子又はメチル基を示し、qは0〜8、好ましくは1〜4の数を示す)で表わされる化合物等が挙げられる。
上記(B1)重合性単官能モノマーの市販品として、アロニックスM−111、M−113、M−114、M−117(以上、東亞合成(株)製);KAYARAD、TC110S、R629、R644(以上、日本化薬(株)製);AIB、TBA、IOAA、LA、STA、IBXA、2−MTA、V−MTG、2−ETA、ビスコート150、ビスコート160、ビスコート190、ビスコート192、ビスコート3700(大阪有機化学工業(株)製)等が挙げられる。
(B2)重合性多官能モノマーとしては、例えばトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールヒドロキシピバレート、トリメチロールプロパントリオキシエチル(メタ)アクリレート、トリス(2−ヒドキシエチル)イソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジイルジメタンジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのエチレンオキサイド又はプロピレンオキサイドの付加体のジオールのジ(メタ)アクリレート、水添ビスフェノールAのエチレンオキサイド又はプロピレンオキサイドの付加体のジオールのジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのジグリシジルエーテルに(メタ)アクリレートを付加させたエポキシ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジビニルエーテル等が挙げられる。
(B2)重合性多官能モノマーの市販品としては、例えばユピマーUV SA1002、SA2007(以上、三菱化学(株)製);ビスコート195、ビスコート230、ビスコート260、ビスコート265、ビスコート310HP、ビスコート335HP、ビスコート700、ビスコート295、ビスコート300、ビスコート360、ビスコートGPT、ビスコート3PA、ビスコート400(大阪有機化学工業(株)製);リポキシ VR−77(昭和高分子(株)製)KAYARAD R−604、DPCA−20、−30、−60、−120、HX−620、D−310、D−330、MANDA(以上、日本化薬(株)製);アロニックスM−210、M−215、M−315、M−325(以上、東亜合成(株)製)等が挙げられる。
(B)反応性希釈剤は、組成物中に5〜50重量%配合するのが好ましく、10〜50重量%がより好ましく、15〜45重量%が特に好ましい。5重量%未満では組成物の粘度が高くなりすぎて塗工性が悪くなり、また、50重量%を超えると(B)反応性希釈剤以外に配合される(A)ウレタン(メタ)アクリレートの配合量が低下し、化合物(D)とその他の成分との相溶性が低下し、外観不良になる場合がある。
なお、本発明の液状硬化性樹脂組成物は、光重合開始剤を用いて放射線をすることにより硬化することができる。あるいは、放射線硬化と熱硬化を併用しても良い。ここで放射線とは、赤外線、可視光線、紫外線、X線、電子線、α線、β線、γ線等をいう。
(C)重合開始剤としては光重合開始剤が用いられ、必要に応じて、さらに光増感剤を併用するのが好ましい。ここで、光重合開始剤としては、例えば1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、キサントン、フルオレノン、ベンズアルデヒド、フルオレン、アントラキノン、トリフェニルアミン、カルバゾール、3−メチルアセトフェノン、4−クロロベンゾフェノン、4,4′−ジメトキシベンゾフェノン、4,4′−ジアミノベンゾフェノン、ミヒラーケトン、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンジルジメチルケタール、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、チオキサントン、ジエチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルホリノ−プロパン−1−オン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、ビス−(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルフォフフィンオキシド;IRUGACURE184、369、651、500、907、CGI1700、CGI1750、CGI1850、CG24−61(以上、チバケミカルスペシャリティー製);LucirinLR8728(BASF社製);Darocure1116、1173(以上、メルク社製);ユベクリルP36(UCB社製)等が挙げられる。また、光増感剤としては、例えばトリエチルアミン、ジエチルアミン、N−メチルジエタノールアミン、エタノールアミン、4−ジメチルアミノ安息香酸、4−ジメチルアミノ安息香酸メチル、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル;ユベクリルP102、103、104、105(以上、UCB社製)等が挙げられる。
本発明の液状硬化性樹脂組成物を熱及び放射線を併用して硬化させる場合には、前記熱重合開始剤と光重合開始剤を併用することもできる。これらの(C)重合開始剤は、組成物中に0.1〜10重量%、特に0.5〜7重量%配合するのが好ましい。熱硬化のためには、通常、過酸化物、アゾ化合物等の熱重合開始剤が用いられる。具体的には、例えばベンゾイルパーオキサイド、t−ブチル−オキシベンゾエート、アゾビスイソブチロニトリル等が挙げられる。
本発明の成分(D)は下記一般式(1)で表されるアルカリ金属アルコキシド化合物である。本発明において、成分(D)はセカンダリ材、テープ材あるいはハンドリング材表面の帯電を抑制するために必要である。成分(D)が有するウレタン基は、組成物中のその他の成分との相溶性を良くし、液状硬化性樹脂組成物の保存安定性を高める。
Figure 2005120120
(式中、R1は水素原子又はメチル基を、R2はポリオール残基を、R3はジイソシアネート残基を、R4はジオール残基を、mは1〜20の整数を、nは1〜50の整数を、Mはアルカリ金属原子を示す)
ポリオール残基はポリオールから全ての水酸基を除いてなる基を意味する。R2を分子中に含むポリオールとしては、ポリエーテルポリオール(例えばジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポリヘキサメチレングリコール、あるいは2種以上のイオン重合性環状化合物を開環共重合させて得られるポリエーテルジオール等)やアルキレングリコール(例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、テトラメチレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール等)やトリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール等が挙げられる。
ジイソシアネート残基はジイソシアネートから全てのイソシアネート基を除いてなる基を意味する。R3を分子中に含むポリオールとしては、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、1,3−キシレンジイソシアネート、1,4−キシレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、水添4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート等が挙げられる。
ジオール残基はジオールから全ての水酸基を除いてなる基を意味する。R4を分子中に含むジオールとしては、ポリエーテルジオール(例えばジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポリヘキサメチレングリコール、あるいは2種以上のイオン重合性環状化合物を開環共重合させて得られるポリエーテルジオール等)やアルキレングリコール(例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、テトラメチレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール等)が挙げられる。
mは1〜20の整数であるが、1〜15の整数が好ましい。nは1〜50の整数であるが、1〜20が好ましい。
式(1)のMはアルカリ金属原子であれば特に限定されるものではないが、リチウムが好ましい。成分(D)の市販品としては、U−601LPA−60、U−201PA−6(以上、新中村化学工業(株)製)等を挙げることができる。
成分(D)は、組成物中に0.1〜10重量%、特に0.5〜5重量%配合するのが好ましい。0.1重量%未満では帯電防止能が得られなくなる場合があり、また、10重量%を超えるとその他の成分との相溶性が低下し、外観不良になる場合がある。
本発明の液状硬化性樹脂組成物には、前記の成分以外に、必要に応じて本発明の液状硬化性樹脂組成物の特性を損なわない範囲で硬化性の他のオリゴマー又はポリマー、反応性希釈剤、その他の添加剤等を配合することができる。
上記硬化性の他のオリゴマー又はポリマーとしては、例えばポリエステル(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリアミド(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロイルオキシ基を有するシロキサンポリマー、グリシジルメタアクリレートとそのほかのビニルモノマーとの共重合体とアクリル酸を反応させて得られる反応性ポリマー等が挙げられる。
また、上記成分以外に各種添加剤、例えば酸化防止剤、着色剤、紫外線吸収剤、光安定剤、シランカップリング剤、熱重合禁止剤、レベリング剤、保存安定剤、可塑剤、滑剤、溶媒、フィラー、老化防止剤、濡れ性改良剤等を必要に応じて配合することができる。ここで、酸化防止剤としては、例えばIrganox1010、1035、1076、1222(以上、チバケミカルスペシャリティー製)、Antigen P、3C、FR、GA−80(住友化学(株)製)等が挙げられ;紫外線吸収剤としては、例えばTinuvinP、234、320、326、327、328、329、213(以上、チバケミカルスペシャリティー製)、Seesorb102、103、501、202、712、704(以上、シプロ化成(株)製)等が挙げられ;光安定剤としては、例えばTinuvin 292、144、622LD(以上、チバケミカルスペシャリティー製)、サノールLS770(三共(株)製)、Sumisorb TM−061(住友化学工業(株)製)等が挙げられ;シランカップリング剤としては、例えばγ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メタアクリロキシプロピルトリメトキシシラン、市販品として、SH6062、6030(以上、東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製)、KBE903、603、403(以上、信越化学工業(株)製)等が挙げられる。
本発明の液状硬化性樹脂組成物は、放射線を照射して硬化せしめることにより容易に硬化物を得ることができる。その硬化物は光ファイバ被覆材として有用である。
以下に本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。以下において部と記述してあるのは重量部を意味する。
合成例1
撹拌機を備えた反応容器に2,4−トリレンジイソシアネート30.579部、水酸基当量2,000のポリプロピレングリコール30.898部、ジブチルスズジラウレート0.080部、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール0.032部を仕込み、15〜30℃で反応を続け、残留イソシアネートが22.0重量%以下になるまで反応させた。この反応容器に2−ヒドロキシプロピルアクリレート11.359部滴下し、15〜30℃で反応を続け、残留イソシアネートが13.4重量%以下になるまで反応させた。さらにヒドロキシエチルアクリレート27.052部を滴下し、30〜70℃で反応を続け、残留イソシアネートが0.1重量%以下になるまで反応させた。均一で透明な液体を得た。この樹脂液をUA−1とする。
実施例1〜5
撹拌機を備えた反応容器に表1に示す配合比で化合物を仕込み、液温度を50〜60℃に制御しながら3時間攪拌し、実施例1〜5の組成物を得た。表1中の各成分の含有量は、重量部で示す。
比較例1〜8
比較例1〜8を表2に示した配合比で化合物を仕込んだ他は、実施例1〜4と同様な方法により、比較例1〜8の組成物を得た。
試験方法
上記の例で得られた液状硬化性樹脂組成物を以下のような方法で硬化させ、2種類の試験片を作製し、下記の如く評価を行なった。この結果を表1及び2に示した。
1.試験片1の作成
250μm厚のアプリケーターバーを用いてガラス板上に液状硬化性樹脂組成物を塗布した。これを窒素下で0.5J/cm2のエネルギーの紫外線を照射した。この硬化物を23℃、湿度50%雰囲気下で12時間以上状態調節したのち、試験片1とした。
2.試験片2の作成
130μm厚のアプリケーターバーを用いてガラス板上に液状硬化性樹脂組成物を塗布した。これを5%酸素下で0.1J/cm2のエネルギーの紫外線を照射した。得られたフィルムを直ちに、2つに裁断した。内1枚をガラス板から剥離し、硬化面同士が密着するように載せた。この硬化物を23℃、湿度50%雰囲気下で12時間以上状態調節したのち、試験片2とした。
3.摩擦帯電圧測定
摩擦帯電圧は、JIS L1094に準拠して摩擦帯電圧測定を行った。試験片1をガラス板から剥離し、10cm角に裁断後、紫外線照射面が表になるように測定装置に取り付けた。この試験片を綿布で20回摩擦し、摩擦直後に帯電圧を測定し、これを初期帯電圧とした。摩擦から60秒後の帯電圧を測定し、初期帯電圧に対する割合(%)を帯電圧減衰率とした。
4.貼り付き性の評価
試験片2を1cm幅に裁断後、ガラス板から剥離した。このサンプルを90°ピール試験(JIS Z0237)により、貼り付き力を測定した。引張速度50mm/minでの抗張力から貼り付き力を求めた。さらにこのサンプルを60℃で1週間静置し、再度貼り付き力を測定した。
5.樹脂外観の評価
得られた液体樹脂を、透明なバイアル瓶に移し、23℃の雰囲気に保管した。1日経過後、目視にて樹脂液を観察した。
Figure 2005120120
Figure 2005120120
表1及び表2から明らかなように、成分(A)、(B)及び(C)に加えて、成分(D)に相当する帯電防止剤である(c−1)又は(c−2)を配合すると帯電性が顕著に低下する。また成分(D)に相当する帯電防止剤を配合しても、成分(A)〜(C)が本発明の範囲外の場合には、貼り付き力や外観が悪化することがわかる。

Claims (3)

  1. 下記(A)、(B)、(C)及び(D):
    (A)ウレタン(メタ)アクリレート 50〜90重量%、
    (B)反応性希釈剤 5〜50重量%、
    (C)重合開始剤 0.1〜5重量%、
    (D)下記一般式(1)で表されるアルカリ金属アルコキシド化合物 0.1〜10重量%
    Figure 2005120120
    (式中、R1は水素原子又はメチル基を、R2はポリオール残基を、R3はジイソシアネート残基を、R4はジオール残基を、mは1〜20の整数を、nは1〜50の整数を、Mはアルカリ金属原子を示す)
    を含有する液状硬化性樹脂組成物。
  2. 前記式(1)において、Mがリチウムである請求項1に記載の液状硬化性樹脂組成物。
  3. 請求項1又は2に記載の液状硬化性樹脂組成物に放射線を照射して硬化せしめる工程を有する該液状硬化性樹脂組成物の硬化方法。
JP2003353134A 2003-10-14 2003-10-14 液状硬化性樹脂組成物 Pending JP2005120120A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003353134A JP2005120120A (ja) 2003-10-14 2003-10-14 液状硬化性樹脂組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003353134A JP2005120120A (ja) 2003-10-14 2003-10-14 液状硬化性樹脂組成物

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2005120120A true JP2005120120A (ja) 2005-05-12

Family

ID=34611499

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003353134A Pending JP2005120120A (ja) 2003-10-14 2003-10-14 液状硬化性樹脂組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2005120120A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005255955A (ja) * 2004-03-15 2005-09-22 Jsr Corp 液状硬化性樹脂組成物
JP2005263946A (ja) * 2004-03-18 2005-09-29 Jsr Corp 液状硬化性樹脂組成物
JP2007077326A (ja) * 2005-09-15 2007-03-29 Jsr Corp 液状硬化性樹脂組成物
JP2018030903A (ja) * 2016-08-22 2018-03-01 理研ビタミン株式会社 活性エネルギー線硬化型帯電防止性樹脂組成物

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005255955A (ja) * 2004-03-15 2005-09-22 Jsr Corp 液状硬化性樹脂組成物
JP2005263946A (ja) * 2004-03-18 2005-09-29 Jsr Corp 液状硬化性樹脂組成物
JP4568516B2 (ja) * 2004-03-18 2010-10-27 Jsr株式会社 液状硬化性樹脂組成物
JP2007077326A (ja) * 2005-09-15 2007-03-29 Jsr Corp 液状硬化性樹脂組成物
JP2018030903A (ja) * 2016-08-22 2018-03-01 理研ビタミン株式会社 活性エネルギー線硬化型帯電防止性樹脂組成物

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4143508B2 (ja) 液状硬化性樹脂組成物
JPH05163318A (ja) 液状硬化性樹脂組成物
US20080167432A1 (en) Curable Liquid Resin Composition
JP7139432B2 (ja) 放射線硬化性樹脂組成物
WO2021020588A1 (en) Radiation-curable resin composition and its cured product, and optical fiber
JP2010235814A (ja) 液状硬化性樹脂組成物
JP3958201B2 (ja) 液状硬化性樹脂組成物
JP4197216B2 (ja) 液状硬化性樹脂組成物およびその硬化物
JP4140740B2 (ja) 光ファイバ被覆用放射線硬化性液状樹脂組成物
JP2004211057A (ja) 放射線硬化性樹脂組成物
EP1320563B1 (en) Liquid curable resin composition and cured products
JP2017141126A (ja) 放射線硬化性樹脂組成物
JP4547082B2 (ja) シリコーン化合物、液状硬化性樹脂組成物およびその硬化物
JP2010235813A (ja) 液状硬化性樹脂組成物
JP2010235812A (ja) 液状硬化性樹脂組成物
JPH10204250A (ja) 液状硬化性樹脂組成物
JP4763244B2 (ja) 液状硬化性樹脂組成物
JP2007269871A (ja) 放射線硬化性液状樹脂組成物
JP2005060631A (ja) 放射線硬化性液状樹脂組成物
JP2005120120A (ja) 液状硬化性樹脂組成物
JP5162525B2 (ja) 液状硬化性樹脂組成物
JP2005036192A (ja) 液状硬化性樹脂組成物
JP4568516B2 (ja) 液状硬化性樹脂組成物
JP4540079B2 (ja) 光ファイバ用硬化性樹脂組成物およびその硬化物
JP2007269870A (ja) 放射線硬化性液状樹脂組成物

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20051104

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20051104

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20081024

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20081028

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090127

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20090224