JP2005036192A - 液状硬化性樹脂組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】 光ファイバに被覆したときに、ガラスに対する安定な密着力と、液状硬化性樹脂組成物の保存安定性に優れたプライマリ材を提供する。
【解決手段】 下記(A)及び(B)成分:
(A)ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー 10〜90重量%
(B)シランカップリング剤 0.1〜10重量%
を含有し、かつ成分(A)全量の3〜20重量%がアルコキシシリル基を有するウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーであることを特徴とする液状硬化性樹脂組成物。
【選択図】 なし

Description

本発明は、光ファイバ素線、光ファイバテープ等の被覆材料として好適な耐光性に優れた液状硬化性樹脂組成物に関する。
光ファイバは、ガラスを熱溶融紡糸して得たガラスファイバ素線に、保護補強を目的として樹脂を被覆して製造されている。この樹脂被覆としては、光ファイバの表面にまず柔軟な第一次の被覆層を設け、その外側に剛性の高い第二次の被覆層を設けた構造が知られている。これらの樹脂被覆を施された光ファイバ素線を平面上に複数並べて結束材料で固めたテープ状ファイバもよく知られている。光ファイバ素線の第一次の被覆層を形成するための樹脂組成物をプライマリ材、第二次の被覆層を形成するための樹脂組成物をセカンダリ材、テープ状ファイバの結束材として用いられる樹脂組成物をテープ材と称している。これらの樹脂被覆方法としては、液状硬化性樹脂組成物を塗布し、熱または光、特に紫外線により硬化させる方法が広く用いられている。
光ファイバは長期にわたって使用されるため、それに用いられる被覆材も長期にわたり特性変化の少ないことが求められている。特にプライマリ材においては、長期間の経過と共にガラスに対する密着力が低下したり、ガラスファイバの表面が浸食され光ファイバの光学特性が劣化する場合がある。このため、プライマリ材に対しては、ガラスに対して安定な密着力を示すと共に、ガラスファイバの表面に対する浸食性が低いことが求められている。
プライマリ材がガラスに対して安定な密着力を示すためには、種々の技術が知られている。例えば、シランカップリング剤の他にアミノ基を含有する化合物を樹脂組成物中に添加する技術(特許文献1参照)、同じく2種のシランカップリング剤を併用する技術(特許文献2参照)がある。
しかし、組成物中に遊離のシランカップリング剤を添加するこれらの技術では、十分なガラス密着性を得ることは困難であった。そこで、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーの一部の分子末端にアルコキシシリル基を含む基を用いることにより優れた密着力と耐熱、耐候性を示すことが提案された(特許文献3、特許文献4参照)。他にも、ポリエステルウレタン(メタ)アクリレートと(メタ)アクリル基を持つシランカップリング剤を組み合わせて、変化が少ない密着力を示すプライマリ材を得る(特許文献5)、ウレタン(メタ)アクリレートとシランカップリング剤、およびカルボン酸を組み合わせることで、密着力が長期的に安定なプライマリ材を得る技術(特許文献6)等を挙げることができる。
これらの技術により、プライマリ材とガラスファイバとの密着力については、一定の改善が見られたものの、プライマリ材に要求される他の特性、例えば、液状硬化性組成物の経時安定性については、これらの技術では十分に改善することが困難であり、優れた密着特性と液状硬化性組成物の経時安定性を両立されることのできる技術は知られていなかった。
特開昭63−312309号公報 特開平3−199217号公報 特開平7−1803号公報 特開平8−109229号公報 特開平8−188449号公報 特開平8−134157号公報
本発明の課題は、光ファイバに被覆したときに、ガラスに対する安定な密着力と、液状硬化性樹脂組成物の保存安定性に優れたプライマリ材を提供することにある。
本発明者らは、一定率でアルコキシシリル基を有するウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーとシランカップリング剤を含有する組成物を用いることにより前記課題を解決できることを見いだし、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、下記(A)及び(B)成分:
(A)ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー 10〜90重量%
(B)シランカップリング剤 0.1〜10重量%
を含有し、かつ成分(A)全量の3〜20重量%がアルコキシシリル基を有するウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーであることを特徴とする液状硬化性樹脂組成物である。
本発明の液状硬化性樹脂組成物は、液状硬化性樹脂組成物の保存安定性と硬化物のガラス密着性の向上の両立により得られる硬化物は密着力安定性に優れ、また、樹脂液の熱的安定性も良好で、光ファイバ用被覆材料として有用である。
以下に、本発明の液状硬化性樹脂組成物について、詳細に説明する。
成分(A)のウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーは、基本的には、ポリオール、ジイソシアネート及び水酸基含有(メタ)アクリレートとを反応させることにより製造される。すなわち、ジイソシアネートのイソシアネート基を、ポリオールの水酸基及び水酸基含有(メタ)アクリレートの水酸基と、それぞれ反応させることにより製造される。
この反応としては、例えばポリオール、ジイソシアネート及び水酸基含有(メタ)アクリレートを一括に仕込んで反応させる方法;ポリオール及びジイソシアネートを反応させ、次いで水酸基含有(メタ)アクリレートを反応させる方法;ジイソシアネート及び水酸基含有(メタ)アクリレートを反応させ、次いでポリオールを反応させる方法;ジイソシアネート及び水酸基含有(メタ)アクリレートを反応させ、次いでポリオールを反応させ、最後にまた水酸基含有(メタ)アクリレートを反応させる方法などが挙げられる。
ここで用いるポリオール化合物としては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポリヘキサメチレングリコール、ポリヘプタメチレングリコール、ポリデカメチレングリコールのような一種のイオン重合性環状化合物を開環重合させて得られるポリエーテルポリオール、または二種以上のイオン重合性環状化合物を開環共重合させて得られるポリエーテルポリオールが挙げられる。イオン重合性環状化合物としては、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブテン−1−オキシド、イソブテンオキシド、オキセタン、3,3−ジメチルオキセタン、3,3−ビスクロロメチルオキセタン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、3−メチルテトラヒドロフラン、ジオキサン、トリオキサン、テトラオキサン、シクロヘキセンオキシド、スチレンオキシド、エピクロルヒドリン、グリシジルメタクリレート、アリルグリシジルエーテル、アリルグリシジルカーボネート、ブタジエンモノオキシド、イソプレンモノオキシド、ビニルオキセタン、ビニルテトラヒドロフラン、ビニルシクロヘキセンオキシド、フェニルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、安息香酸グリシジルエステル等の環状エーテル類が挙げられる。また、上記イオン重合性環状化合物と、エチレンイミン等の環状イミン類、β−プロピオラクトン、グリコール酸ラクチド等の環状ラクトン酸、あるいはジメチルシクロポリシロキサン類とを開環共重合させたポリエーテルポリオールを使用することもできる。上記二種以上のイオン重合性環状化合物の具体的な組み合わせとしては、テトラヒドロフランとプロピレンオキシド、テトラヒドロフランと2−メチルテトラヒドロフラン、テトラヒドロフランと3−メチルテトラヒドロフラン、テトラヒドロフランとエチレンオキシド、プロピレンオキシドとエチレンオキシド、ブテン−1−オキシドとエチレンオキシド、テトラヒドロフラン、ブテン−1−オキシド、エチレンオキシドの3元重合体等を挙げることができる。これらのイオン重合性環状化合物の開環共重合体はランダムに結合していてもよいし、ブロック状の結合をしていてもよい。
ここまでに述べたこれらのポリエーテルポリオールは、例えばPTMG1000、PTMG2000(以上、三菱化学(株)製)、EXCENOL1010,2020、3020、NPML−2002A、−4002A、−8002A(以上、旭硝子ウレタン(株)製)、PEG1000、ユニセーフDC1100、DC1800(以上、日本油脂(株)製)、PPTG2000、PPTG1000、PTG400、PTGL1000、PTGL2000(以上、保土ヶ谷化学工業(株)製)、Z−3001−4、Z−3001−5、PBG2000A、PBG2000B(以上、第一工業製薬(株)製)、アクレーム8200、6300、4200、3201、2200(以上、住化バイエルウレタン(株)製)等の市販品としても入手することができる。
ポリオール化合物としては、上記のポリエーテルポリオールが好ましいが、この他にポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリカプロラクトンポリオール等も用いることができ、これらのポリオールをポリエーテルポリオールと併用して用いることもできる。これらの構造単位の重合様式は特に制限されず、ランダム重合、ブロック重合、グラフト重合のいずれであってもよい。
ここで用いるポリエステルポリオールとしては、例えばエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、テトラメチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,9−ノナンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール等の多価アルコールとフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、マレイン酸、フマール酸、アジピン酸、セバシン酸等の多塩基酸とを反応して得られるポリエステルポリオール等を挙げることができる。市販品としてはクラポールP−2010、PMIPA、PKA−A、PKA−A2、PNA−2000(以上、(株)クラレ製)等が入手できる。
また、ポリカーボネートポリオールとしては、例えばポリテトラヒドロフランのポリカーボネート、1,6−ヘキサンジオールのポリカーボネート等が挙げられ、市販品としてはDN−980、981、982、983(以上、日本ポリウレタン工業(株)製)等が挙げられる。
さらにポリカプロラクトンポリオールとしては、ε−カプロラクトンと、例えばエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、テトラメチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、1,2−ポリブチレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,4−ブタンジオール等の2価のジオールとを反応させて得られるポリカプロラクトンジオールが挙げられる。これらのジオールは、プラクセル205、205AL、212、212AL、220、220AL(以上、ダイセル化学工業(株)製)等が市販品として入手することができる。
上記以外のポリオールも数多く使用することができる。このようなポリオールとしては、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、β−メチル−δ−バレロラクトン、ヒドロキシ末端ポリブタジエン、ヒドロキシ末端水添ポリブタジエン、ヒマシ油変性ポリオール、ポリジメチルシロキサンの末端ジオール化合物、ポリジメチルシロキサンカルビトール変性ポリオール等が挙げられる。
これらのポリオールの好ましい分子量は数平均分子量で通常50〜15,000であり、特に100〜8,000である。また、環構造を有するポリオールとして以下に列挙する物質を用いることができる。例えばビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加ジオール、ビスフェノールFのアルキレンオキサイド付加ジオール、水添ビスフェノールA、水添ビスフェノールF、水添ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加ジオール、水添ビスフェノールFのアルキレンオキサイド付加ジオール、ハイドロキノンのアルキレンオキサイド付加ジオール、ナフトハイドロキノンのアルキレンオキサイド付加ジオール、アントラハイドロキノンのアルキレンオキサイド付加ジオール、1,4−シクロヘキサンジオール及びそのアルキレンオキサイド付加ジオール、トリシクロデカンジオール、トリシクロデカンジメタノール、ペンタシクロペンタデカンジオール、ペンタシクロペンタデカンジメタノール等が挙げられ、これらの中で、ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加ジオール、トリシクロデカンジメタノールが好ましい。これらのポリオールは、例えばユニオールDA400、DA700、DA1000、DB400(以上、日本油脂(株)製)、トリシクロデカンジメタノール(三菱化学(株)製)等の市販品として入手することもできる。
また、ジイソシアネートとしては、例えば2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、1,3−キシリレンジイソシアネート、1,4−キシリレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、3,3'−ジメチル−4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネート、3,3'−ジメチルフェニレンジイソシアネート、4,4'−ビフェニレンジイソシアネート、1,6−ヘキサンジイソシアネート、イソフォロンジイソシアネート、メチレンビス(4−シクロヘキシルイソシアネート)、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、ビス(2−イソシアネートエチル)フマレート、6−イソプロピル−1,3−フェニルジイソシアネート、4−ジフェニルプロパンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、水添ジフェニルメタンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、2,5−ビス(イソシアネートメチル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、2,6−ビス(イソシアネートメチル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン等が挙げられ、特に、2,4−トリレンジイソシアネート、イソフォロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、メチレンビス(4−シクロヘキシルイソシアネート)等が好ましい。
さらに、水酸基含有(メタ)アクリレートとしては、例えば2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェニルオキシプロピル(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールモノ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシアルキル(メタ)アクリロイルフォスフェート、4−ヒドロキシシクロヘキシル(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールモノ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールモノ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、下記化学式(1)又は式(2)
CH2=C(R1)-COOCH2CH2-(OCOCH2CH2CH2CH2CH2)n-OH (1)
CH2=C(R1)-COOCH2CH(OH)CH2-O-(C6H5) (2)
(式中、R1は水素原子又はメチル基を示し、nは1〜15の数を示す)
で表される(メタ)アクリレート等が挙げられる。また、アルキルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、グリシジル(メタ)アクリレート等のグリシジル基含有化合物と、(メタ)アクリル酸との付加反応により得られる化合物も使用することができる。これら水酸基含有(メタ)アクリレートのうち、特に、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等が好ましい。
ポリオール、ジイソシアネート及び水酸基含有(メタ)アクリレートの使用割合は、ポリオールに含まれる水酸基1当量に対してジイソシアネートに含まれるイソシアネート基が1〜3当量、水酸基含有(メタ)アクリレートの水酸基が0.2〜1.5当量となるようにするが、ポリオール及びアクリレート中の水酸基の当量とジイソシアネート中のイソシアネート基の当量はほぼ等しくするのが好ましい。
これらの化合物の反応においては、通常ナフテン酸銅、ナフテン酸コバルト、ナフテン酸亜鉛、ラウリル酸ジn−ブチルスズ、チタンテトラアルコキシド、ジルコニウムテトラアルコキシド、ジルコニウムアセチルアセトナート等のウレタン化触媒を、反応物の総量100重量部に対して0.01〜1重量部用いるのが好ましい。また、反応温度は、通常10〜90℃、特に30〜80℃で行うのが好ましい。
このようにして得られる成分(A)のウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーは、全組成中に10〜90重量%(以下、単に%で示す)配合されるのが好ましく、特に、光ファイバー素線等に被覆する際の塗工性、硬化させた後の被覆材料の柔軟性及び長期信頼性を維持するためには、20〜70%配合するのが好ましい。
また、本発明の液状硬化性樹脂組成物には、さらに、ジイソシアネート1モルに対して水酸基含有(メタ)アクリレート化合物2モルを反応させたウレタン(メタ)アクリレートを配合することもできる。かかるウレタン(メタ)アクリレートとしては、例えばヒドロキシエチル(メタ)アクリレートと2.5−ビス(イソシアネートメチル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、2,6−ビス(イソシアネートメチル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプタンの反応物、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートと2,4−トリレンジイソシアネートの反応物、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートとイソフォロンジイソシアネートの反応物、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートと2,4−トリレンジイソシアネートの反応物、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートとイソフォロンジイソシアネートの反応物等が挙げられる。
本発明の成分(A)の一部は、アルコキシシリル基を有するものであり、アルコキシシリル基は、通常、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーの分子末端に結合される。アルコキシシリル基を有する成分(A)の分子量は、1,000以上であることが望ましい。
成分(A)の一部は、アルコキシシリル基を有することが必要である。アルコキシシリル基を有する成分(A)とは、成分(A)の分子末端にアルコキシシリル基を有するものであり、例えば、下記化学式(3)の末端構造を有するものである。
-NHCO-X-(CH2)m-Si(OR2)3 (3)
(式中、R2は水素原子または炭素数1〜10のアルキル基を示し、Xは硫黄原子または−N(R3)−(R3は水素原子、炭素数1〜10のアルキル基またはフェニル基を示す)を示し、mは1〜10の数を示す。)
アルコキシシリル基を有する成分(A)は、成分(A)の製造の際、水酸基含有(メタ)アクリレート系化合物の代わりに、その一部を下記化学式(4)で表される化合物で置き換えることにより合成される。
HX-(CH2)m-Si(OR2)3 (4)
(式中、R2、Xおよびmは、化学式(3)と同じものを示す。)
成分(A)全量に対してアルコキシシリル基を有するウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーの占める割合は、成分(A)の製造の際に用いる水酸基含有(メタ)アクリレート系化合物と化学式(4)で表される化合物のモル比により決定される。
成分(A)全量に対してアルコキシシリル基を有するウレタンアクリレートオリゴマーの占める割合は、3〜20%であり、特に5〜15%が好ましい。3〜20%の範囲内であれば、液状硬化性樹脂組成物を保存中における粘度上昇が小さい点で保存安定性に優れる他、その硬化物はガラスに対する安定な密着力を有し、且つ耐熱、耐候性に優れたプライマリ材を得ることができるが、この範囲外であると、ガラス密着性は良好であっても、保存安定性等の特性が低下する。
本発明の成分(B)は、シランカップリング剤である。成分(B)の具体例としては、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリアルコキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリアルコキシシラン、ビニルトリアルコキシシラン、テトラアルコキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリアルコキシシラン、γ−クロロプロピルトリアルコキシシランなどが挙げられる。これらの中では、炭素数1〜2のアルコキシシリル基を有するシランカップリング剤が好ましい。特に、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシランが、樹脂組成物の保存安定性の観点から好ましい。
本発明の液状硬化性樹脂組成物中に占める成分(B)は、組成物全量に対して0.1〜10%配合されるのが好ましく、0.5〜5%配合されるのが特に好ましい。(B)成分の含有量が0.1〜10%の範囲内であれば、液状硬化性樹脂組成物の保存安定性と硬化物のガラス密着性の向上の両立を図れる点で好ましい。
本発明の液状硬化性樹脂組成物には、さらに必要に応じて、成分(A)と異なる不飽和重合性化合物(C)を加えることができる。このような、(C)不飽和重合性化合物としては、(C1)単官能不飽和重合性化合物あるいは、二官能以上の(C2)多官能不飽和重合性化合物がある。
(C1)単官能不飽和重合性化合物としては、例えばN−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタム等のビニル基含有ラクタム、イソボルニル(メタ)アクリレート、ボルニル(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、4−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート等の脂環式構造含有(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート等の芳香族構造含有(メタ)アクリレートの他、アクリロイルモルホリン、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、アミル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ウンデシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、メトキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチルビニルエーテル、ラウリルビニルエーテル、セチルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル及び下記化学式(5)
CH2=C(R3)-COO(R4O)p-C6H4-R5 (5)
(式中、R3は水素原子又はメチル基を示し、R4は炭素数2〜6、好ましくは2〜4のアルキレン基を示し、R5は水素原子又は炭素数1〜12、好ましくは1〜9のアルキル基を示し、pは0〜12、好ましくは1〜8の数を示す。)
で表される化合物等が挙げられる。成分(C1)の市販品としては、アロニックスM−111、M−113、M−114、M−117(以上、東亜合成(株)製)等が挙げられる。
(C2)多官能不飽和重合性化合物としては、例えばトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリオキシエチル(メタ)アクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのエチレンオキサイドまたはプロピレンオキサイドの付加体のジオールのジ(メタ)アクリレート、水添ビスフェノールAのエチレンオキサイドまたはプロピレンオキサイドの付加体のジオールのジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのジグリシジルエーテルに(メタ)アクリレートを付加させたエポキシジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジビニルエーテル等が挙げられる。また、成分(C2)の市販品としては、例えばユピマーUV SA1002、SA2007(以上、三菱化学(株)製);ビスコート700(大阪有機化学(株)製); KS−HDDA、KS−TPGDA、KS−TMPTA(以上、日本化薬(株)製);アロニックスM−210、M−215、M−315、M−325(以上、東亜合成化学(株)製)等が挙げられる。これらのうち、特にトリシクロデカンジメタノールジアクリレート(ユピマーUV SA1002)及びKS−HDDAが好ましい。(C2)多官能不飽和重合性化合物を用いることにより、光ファイバー被覆のセカンダリ材又はテープ材として適当な硬化後のヤング率が得られるほか、破断強度が向上する効果がある。
これらの(C)不飽和重合性化合物は、全組成中に5〜80%、好ましくは15〜80%、特に20〜70%配合するのが好ましい。成分(C)の含有量が15%以上であれば組成物の粘度が適度に低下して塗工性が良くなるばかりでなく、硬化物の靭性が向上し、硬化収縮率が低くなり、また、80%以下であれば十分に速い硬化速度が得られる点で好ましい。
本発明の液状硬化性樹脂組成物を紫外線等により硬化させる場合には、光重合開始剤(D)を添加することができる。成分(D)の光重合開始剤としては、例えば1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、キサントン、フルオレノン、ベンズアルデヒド、フルオレン、アントラキノン、カルバゾール、3−メチルアセトフェノン、4−クロロベンゾフェノン、4,4'−ジメトキシベンゾフェノン、ミヒラーケトン、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンジルジメチルケタール、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、チオキサントン、ジエチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルホリノ−プロパン−1−オン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、ビス−(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルフォスフィンオキシド等が挙げられる。成分(D)の市販品としては、IRGACURE184、369、651、500、819、907、1700、1750、1850、(以上、チバ・スペシャルティー・ケミカルズ(株)製)等が挙げられる。
これらの光重合開始剤(D)は、全組成中に0.01〜10%、特に0.1〜4%配合するのが好ましい。
本発明の液状硬化性樹脂組成物には、前記の成分以外に、必要に応じて本発明の液状硬化性樹脂組成物の特性を損なわない範囲で成分(A)、(B)、(C)以外の硬化性の他のオリゴマー、ポリマー、反応性希釈剤、その他の添加剤等を配合することができる。
硬化性の他のオリゴマー、ポリマーとしては、例えばポリエステル(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリアミド(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロイルオキシ基を有するシロキサンポリマー、グリシジルメタアクリレートとそのほかのビニルモノマーとの共重合体とアクリル酸を反応させて得られる反応性ポリマー等が挙げられる。
また、上記成分以外に各種添加剤、例えば酸化防止剤、着色剤、紫外線吸収剤、光安定剤、熱重合禁止剤、レベリング剤、界面活性剤、保存安定剤、可塑剤、滑剤、溶媒、フィラー、老化防止剤、濡れ性改良剤等を必要に応じて配合することができる。ここで、酸化防止剤としては、例えばIrganox1010、1035、1076、1222(以上、チバ・スペシャルティー・ケミカルズ(株)製)、Sumilizer GP、GA−80(住友化学工業(株)製)等が挙げられ;紫外線吸収剤としては、例えばTinuvinP、234、320、326、327、328、329、213(以上、チバ・スペシャルティー・ケミカルズ(株)製)、Seesorb102、103、501、202、712、704(以上、シプロ化成(株)製)等が挙げられ;光安定剤としては、例えばTinuvin 292、144、622LD(以上、チバ・スペシャルティー・ケミカルズ(株)製)、サノールLS770(三共(株)製)、Sumisorb TM−061(住友化学工業(株)製)等が挙げられる。
本発明の液状硬化性樹脂組成物中には、アミン化合物の含有量は、組成物全量の0.01%未満であることが好ましく、さらに好ましくは0.001%未満である。樹脂組成物中に0.01%以上のアミン化合物が存在すると、プライマリ材がアルカリ性側に変化してガラスの強度保持に悪影響を与え、引いては本発明の液状硬化性樹脂組成物の硬化物とガラスの密着性を低下させることがある。
また、本発明の液状硬化性樹脂組成物の粘度は、通常200〜20,000mPa・s/25℃であり、2,000〜15,000mPa・s/25℃が好ましい。そして、本発明の液状硬化性樹脂組成物を光ファイバー素線のセカンダリ材又は心線のテープ材として使用した場合には、硬化後のヤング率が100〜2,500MPaとなることが好ましく、また、光ファイバー素線のプライマリ材として用いる場合には、硬化後のヤング率が0.5〜3MPaとなることが好ましい。
なお、本発明の液状硬化性樹脂組成物は、熱及び/又は放射線によって硬化されるが、ここで放射線とは、赤外線、可視光線、紫外線、X線、電子線、α線、β線、γ線等をいう。
以下に本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
合成例1(ウレタンアクリレートオリゴマーの合成例)
撹拌機を備えた反応容器に、数平均分子量が2,300のエチレングリコール/ブチレングリコール共重合ジオールを43部、2,4−トリレンジイソシアネート4.9部、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール0.01部を仕込み、これらを撹拌しながら液温度が10℃となるまで冷却した。ジブチル錫ジラウレート0.04部を添加した後、攪拌しながら液温度を1時間かけて35℃まで徐々に上げた。その後、液温度を50℃に上げて2時間反応させた。γ−メルカプトプロピルトリメトキシシランを0.09部添加してさらに1時間反応させた。続いて、2−ヒドロキシエチルアクリレート1.9部を添加し、液温度約60℃にて撹拌し、1時間反応させた。続いて、メタノール0.06部を添加し、液温度約60℃にて撹拌し、反応させた。残留イソシアネート基濃度が0.05重量%以下になった時を反応終了とし、ウレタンアクリレートオリゴマーを得た(これをUA−1とする)。UA−1中に占めるアルコキシシリル基を有するウレタンアクリレートオリゴマーの比率は、5重量%であった。
合成例2(ウレタンアクリレートオリゴマーの合成例)
撹拌機を備えた反応容器に、数平均分子量が2,300のエチレングリコール/ブチレングリコール共重合ジオールを43部、2,4−トリレンジイソシアネート4.9部、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール0.01部を仕込み、これらを撹拌しながら液温度が10℃となるまで冷却した。ジブチル錫ジラウレート0.04部を添加した後、攪拌しながら液温度を1時間かけて35℃まで徐々に上げた。その後、液温度を50℃に上げて2時間反応させた。γ−メルカプトプロピルトリメトキシシランを0.27部添加してさらに1時間反応させた。続いて、2−ヒドロキシエチルアクリレート1.9部を添加し、液温度約60℃にて撹拌し、1時間反応させた。続いて、メタノール0.03部を添加し、液温度約60℃にて撹拌し、反応させた。残留イソシアネート基濃度が0.05重量%以下になった時を反応終了とし、ウレタンアクリレートオリゴマーを得た(これをUA−2とする)。UA−2中に占めるアルコキシシリル基を有するウレタンアクリレートオリゴマーの比率は、15重量%であった。
合成例3(ウレタンアクリレートオリゴマーの合成例)
撹拌機を備えた反応容器に、数平均分子量が2,000のポリプロピレングリコールを43部、2,4−トリレンジイソシアネート5.6部、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール0.01部を仕込み、これらを撹拌しながら液温度が10℃となるまで冷却した。ジブチル錫ジラウレート0.04部を添加した後、攪拌しながら液温度を1時間かけて35℃まで徐々に上げた。その後、液温度を50℃に上げて2時間反応させた。γ−メルカプトプロピルトリメトキシシランを0.11部添加してさらに1時間反応させた。続いて、2−ヒドロキシエチルアクリレート1.6部を添加し、液温度約60℃にて撹拌し、1時間反応させた。続いて、メタノール0.28部を添加し、液温度約60℃にて撹拌し、反応させた。残留イソシアネート基濃度が0.05重量%以下になった時を反応終了とし、ウレタンアクリレートオリゴマーを得た(これをUA−3とする)。UA−3中に占めるアルコキシシリル基を有するウレタンアクリレートオリゴマーの比率は、5重量%であった。
合成例4(ウレタンアクリレートオリゴマーの合成例)
撹拌機を備えた反応容器に、数平均分子量が2,000のポリプロピレングリコールを42部、2,4−トリレンジイソシアネート5.6部、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール0.01部を仕込み、これらを撹拌しながら液温度が10℃となるまで冷却した。ジブチル錫ジラウレート0.04部を添加した後、攪拌しながら液温度を1時間かけて35℃まで徐々に上げた。その後、液温度を50℃に上げて2時間反応させた。γ−メルカプトプロピルトリメトキシシランを0.32部添加してさらに1時間反応させた。続いて、2−ヒドロキシエチルアクリレート1.4部を添加し、液温度約60℃にて撹拌し、1時間反応させた。続いて、メタノール0.28部を添加し、液温度約60℃にて撹拌し、反応させた。残留イソシアネート基濃度が0.05重量%以下になった時を反応終了とし、ウレタンアクリレートオリゴマーを得た(これをUA−4とする)。UA−4中に占めるアルコキシシリル基を有するウレタンアクリレートオリゴマーの比率は、15重量%であった。
比較合成例1(ウレタンアクリレートオリゴマーの合成例)
撹拌機を備えた反応容器に、数平均分子量が2,300のエチレングリコール/ブチレングリコール共重合ジオールを43部、2,4−トリレンジイソシアネート4.9部、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール0.01部を仕込み、これらを撹拌しながら液温度が10℃となるまで冷却した。ジブチル錫ジラウレート0.04部を添加した後、攪拌しながら液温度を1時間かけて35℃まで徐々に上げた。その後、液温度を50℃に上げて2時間反応させた。γ−メルカプトプロピルトリメトキシシランを0.45部添加してさらに1時間反応させた。続いて、2−ヒドロキシエチルアクリレート1.9部を添加し、液温度約60℃にて撹拌し、反応させた。残留イソシアネート基濃度が0.05重量%以下になった時を反応終了とし、ウレタンアクリレートオリゴマーを得た(これをUA−5とする)。
UA−5中に占めるアルコキシシリル基を有するウレタンアクリレートオリゴマーの比率は、25重量%であった。
比較合成例2(ウレタンアクリレートオリゴマーの合成例)
撹拌機を備えた反応容器に、数平均分子量が2,300のエチレングリコールブチレングリコール共重合ジオールを43部、2,4−トリレンジイソシアネート4.9部、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール0.01部を仕込み、これらを撹拌しながら液温度が10℃となるまで冷却した。ジブチル錫ジラウレート0.04部を添加した後、攪拌しながら液温度を1時間かけて35℃まで徐々に上げた。その後、液温度を50℃に上げて2時間反応させた。2−ヒドロキシエチルアクリレート2.2部を添加し、液温度約60℃にて撹拌し、反応させた。残留イソシアネート基濃度が0.05重量%以下になった時を反応終了とし、ウレタンアクリレートオリゴマーを得た(これをUA−6とする)。
UA−6中には、アルコキシシリル基を有するウレタンアクリレートオリゴマーは存在しない。
実施例1〜7、比較例1〜3
撹拌機を備えた反応容器に表1に示す配合比(重量比)で化合物を仕込み、均一な溶液になるまで液温度50℃で撹拌し、実施例及び比較例の組成物を得た。
(1)樹脂液保存安定性試験方法:
樹脂液保存安定性を粘度変化率及びヤング率変化率で評価した。以下に各試験方法を示す。
(1−1)粘度測定方法:
実施例および比較例で得られた組成物の25℃における粘度をB型粘度計を用いて測定した。さらにこの組成物を耐久試験として60℃のオーブンに30日間放置した後、再度粘度を測定した(以下、「耐久後粘度」という)。粘度の変化率を下記計算式(1)より算出して、液状硬化性樹脂組成物の熱的安定性を評価した。
Figure 2005036192
(1−2)ヤング率測定方法:
実施例および比較例で得られた組成物の硬化後のヤング率を測定した。381ミクロン厚のアプリケーターバーを用いてガラス板上に液状硬化性樹脂組成物を塗布し、これを空気中で1J/cm2のエネルギーの紫外線を照射し硬化させ試験用フィルムを得た。この硬化フィルムから延伸部が幅6mm、長さ25mmとなるように短冊状サンプルを作成した。温度23℃、湿度50%下で引張り試験機を用いてJIS K7127に準拠して引張試験を行った。引張速度は1mm/minで2.5%歪みでの抗張力からヤング率を求めた。さらにこの組成物を耐久試験として60℃のオーブンに30日間放置した後、再度ヤング率を測定した(以下、「耐久後ヤング率」という)。ヤング率の変化率を下記計算式(2)より算出して、液状硬化性樹脂組成物の熱的保存安定性を評価した。
Figure 2005036192
(2)密着力安定性試験方法
実施例および比較例で得られた組成物に関し、その硬化物の密着力安定性を測定した。液状組成物を381μm厚のアプリケーターを用いてスライドガラス上に塗布し、窒素雰囲気下で0.1J/cm2の紫外線を照射し、厚さ約200μmの硬化フィルムを得た。このスライドガラス上の硬化フィルムを、温度23℃、湿度50%下に24時間静置した。その後、この硬化フィルムから延伸部が幅10mmとなるように短冊状サンプルを作成した。このサンプルを引っ張り試験器機を用いてJIS Z0237に準拠して密着力試験を行った。引張速度は50mm/minでの抗張力から密着力を求めた。さらにこの硬化物を耐久試験として温度60℃の温水中にて48時間静置した。その後、温度23℃、湿度50%下に24時間放置し、密着力を測定した(以下、「耐久後密着力」という)。密着力の変化率を下記計算式(3)より算出して、硬化物の密着力安定性を評価した。
Figure 2005036192
表1の結果より、本発明の液状硬化性樹脂組成物はいずれも、樹脂液保存安定が良好であり、且つ得られる硬化物の密着力安定性に優れていることが明らかである。
Figure 2005036192

Claims (2)

  1. 下記(A)及び(B)成分:
    (A)ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー 10〜90重量%
    (B)シランカップリング剤 0.1〜10重量%
    を含有し、かつ成分(A)全量の3〜20重量%がアルコキシシリル基を有するウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーであることを特徴とする液状硬化性樹脂組成物。
  2. (B)成分がγ−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、テトラメトキシシランおよびテトラエトキシシランからなる群から選ばれる一又は二以上の化合物である請求項1記載の組成物。
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