JP2002105148A - 光ファイバ用硬化性樹脂組成物およびその硬化物 - Google Patents

光ファイバ用硬化性樹脂組成物およびその硬化物

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JP2002105148A
JP2002105148A JP2000298213A JP2000298213A JP2002105148A JP 2002105148 A JP2002105148 A JP 2002105148A JP 2000298213 A JP2000298213 A JP 2000298213A JP 2000298213 A JP2000298213 A JP 2000298213A JP 2002105148 A JP2002105148 A JP 2002105148A
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Japan
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acrylate
meth
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curable resin
diol
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JP2000298213A
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English (en)
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Zen Komiya
全 小宮
Masahito Mase
雅仁 間瀬
Takashi Ukaji
孝志 宇加地
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JSR Corp
Koninklijke DSM NV
Original Assignee
JSR Corp
DSM NV
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐油性と耐水性を両立させた優れた耐久性を
示す光ファイバ用硬化性樹脂組成物を提供すること。 【解決手段】 (a)ポリプロピレンオキシドジオール
およびポリプロピレンオキシド−エチレンオキシド共重
合ジオールよりなる群から選ばれる少なくとも1種のポ
リアルキレンオキシドジオール、ジイソシアネート化合
物および水酸基含有(メタ)アクリレート化合物から導
かれる、ポリオキシアルキレン構造とエチレン性不飽和
基を有するポリウレタン、(b)イソボルニルアクリレ
ート、(c)ホモポリマーのガラス転移温度が20℃以
下である単官能性(メタ)アクリレート化合物、および
(d)N−ビニルカプロラクタムを含有する光ファイバ
用硬化性樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、油分に浸漬された
ときにもまた水に浸漬されたときにも、悪影響を受けに
くい光ファイバを与える光ファイバ用硬化性樹脂組成物
に関し、特に、光ファイバ素線を被覆する際のソフト材
として好適に用いられる光ファイバ用硬化性樹脂組成物
に関する。
【0002】
【従来の技術】光ファイバの製造においては、ガラスフ
ァイバを加熱溶融紡糸した直後に、保護補強を目的とし
て樹脂被覆が施されている。この樹脂被覆としては、光
ファイバの表面にまず柔軟な第一次の被覆層を設け、そ
の外側により剛性の高い第二次の被覆層を設けた構造が
知られている。また、これら樹脂被覆の施された光ファ
イバ素線を実用に供するため、平面上に数本、例えば4
本または8本並べ、結束材料で固めて断面が長方形のテ
ープ状構造にした、いわゆる光ファイバテープ構造芯線
を作ることが知られている。こうしたテープ構造芯線を
形成する場合には光ファイバ芯線はそれぞれの芯線を識
別する目的で着色インキなどによって着色される。この
第一次の被覆層を形成するための樹脂組成物をソフト
材、第二次の被覆層を形成するための樹脂組成物をハー
ド材、素線識別のために用いられる着色材を着色イン
キ、光ファイバ素線を束ねてテープ芯線を作るための結
束材料をバンドリング材と称している。
【0003】近年、光ファイバケーブルの敷設が進み、
様々な環境下に光ファイバが置かれるに従って、光ファ
イバのソフト材、ハード材、着色インキ、バンドリング
材に対してより高い耐久性が望まれるようになってきて
いる。特に、光ファイバケーブルの構造によってはジェ
リーと呼ばれる油分を含む材料が充填されたケーブルの
中に光ファイバが通されるためにジェリーから悪影響を
受けないことや、ケーブル中に水が浸透しても光ファイ
バの特性に悪影響を与えないことが望まれている。ジェ
リーのような油分や水に対する耐性を示すためには、ガ
ラスに直接塗布されるソフト材の耐久性が最も重要な役
割を果たすことが知られている。
【0004】このような光ファイバ被覆材料として用い
られている放射線硬化性樹脂には、常温で液状であって
塗布性に優れた低い粘度を有すること;硬化が早く生産
性が良好であること;充分な強度、柔軟性を有するこ
と;広い範囲の温度変化に伴う物性変化が少ないこと;
耐熱性、耐加水分解性に優れていること;経時的物性変
化が少なく、長期信頼性に優れていること;酸、アルカ
リなどの薬品に対する耐性に優れていること;吸湿、吸
水性が低いこと;耐光性に優れており、経時での着色が
少ないこと;耐油性に優れていること;光ファイバに悪
影響を及ぼす水素ガスの発生量が少ないことなどの特性
が要求されている。
【0005】さらに、ソフト材として使用される場合に
は、ソフト材の特性が直接光ファイバの特性に影響する
ため、水に浸漬された場合もガラスに密着した状態を保
つこと、油分の浸漬に対しては寸法変化が少なく、ファ
イバに過剰な応力を与えないことが必要とされている。
耐油性と耐水性を両立させた光硬化性樹脂組成物とし
て、N−ビニルカプロラクタムを含む組成物が特開平2
−47122号公報に提案されている。しかしながら、
上記公報が提案する耐水性は吸水率を指標としており、
実際の光ファイバで発生するおそれのあるガラスからの
剥離に直接関連しておらず、十分な解決策を与えるに至
っていない。同様に特開平8−188449号公報にお
いても耐ジェリー性および吸水率の低い光ファイバを得
るための被覆用組成物が提案されている。しかしなが
ら、耐水性は吸水率を指標としているばかりか、提案の
組成物はポリエステルウレタンアクリレートを用いてお
り、加水分解性に劣るおそれがある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明の目的
は、耐油性と耐水性を両立させた優れた耐久性を示す光
ファイバ用硬化性樹脂組成物を提供することにある。本
発明のさらに他の目的および利点は、以下の説明から明
らかになろう。
【0007】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明によれ
ば、本発明の上記目的および利点は、(a)ポリプロピ
レンオキシドジオールおよびプロピレンオキシド−エチ
レンオキシド共重合ジオールよりなる群から選ばれる少
なくとも1種のポリアルキレンオキシドジオール、ジイ
ソシアネート化合物および水酸基含有(メタ)アクリレ
ート化合物から導かれる、ポリオキシアルキレン構造お
よびエチレン性不飽和基を有するポリウレタン、(b)
イソボルニルアクリレート、および(c)ホモポリマー
のガラス転移温度が20℃以下である単官能性(メタ)
アクリレート化合物を含有し、そして、全組成物に対し
て、(a)成分が40〜90重量%、(b)成分が5〜
25重量%、および(c)成分が5〜25重量%である
ことを特徴とする光ファイバ用硬化性樹脂組成物によっ
て達成される。
【0008】本発明によれば、上記目的および利点は、
好ましくは、(a)成分、(b)成分および(c)成分
に加え、さらに(d)N−ビニルカプロラクタムを全組
成物に対して0〜11重量%含有する光ファイバ用硬化
性樹脂組成物によって達成される。
【0009】本発明の光ファイバ用硬化性樹脂組成物
(以下、「組成物」と称す)に用いられる(a)成分で
あるポリウレタン(以下、「ポリウレタン(a)」と称
する)は、ポリプロピレンオキシドジオールおよびプロ
ピレンオキシド−エチレンオキシド共重合ジオールより
なる群から選ばれる少なくとも1種のポリアルキレンオ
キシドジオール、ジイソシアネート化合物ならびにエチ
レン性不飽和基を有する化合物を反応させることにより
得られる。重合体の分子量は、1000から13000
であることが好ましい。
【0010】以下にポリウレタン(a)の製造方法を例
示する。 製法1:ポリアルキレンオキシドジオールとジイソシア
ネート化合物とを反応させて得られる重合体の官能基に
エチレン性不飽和基を有する化合物を反応させる方法。 製法2:ジイソシアネート化合物とエチレン性不飽和基
を有する化合物を反応させて得られる付加体の官能基に
ポリアルキレンオキシドジオールを反応させる方法。 製法3:ジイソシアネート化合物、ポリアルキレンオキ
シドジオールおよびエチレン性不飽和基を有する化合物
を同時に反応させる方法。
【0011】上記の方法で用いられるポリアルキレンオ
キシドジオール以外に以下に列記するポリエーテルジオ
ール化合物も同時に使用することができる。例えば、ポ
リエチレングリコール、ポリテトラメチレングリコー
ル、ポリヘキサメチレングリコールおよび一種以上のイ
オン重合性環状化合物を開環共重合させて得られるポリ
エーテルジオール等が挙げられる。イオン重合性環状化
合物としては、例えばエチレンオキシド、ブテン−1−
オキシド、イソブテンオキシド、テトラヒドロフラン、
2−メチルテトラヒドロフラン、3−メチルテトラヒド
ロフラン、ジオキサン、トリオキサン、テトラオキサ
ン、シクロヘキセンオキシド、スチレンオキシド、エピ
クロルヒドリン、グリシジルメタクリレート、アリルグ
リシジルエーテル、アリルグリシジルカーボネート、ブ
タジエンモノオキシド、イソプレンモノオキシド、ビニ
ルオキセタン、ビニルテトラヒドロフラン、ビニルシク
ロヘキセンオキシド、フェニルグリシジルエーテル、ブ
チルグリシジルエーテル、安息香酸グリシジルエステル
等の環状エーテル類が挙げられる。また、上記イオン重
合性環状化合物と、エチレンイミン等の環状イミン類、
β−プロピオラクトン、グリコール酸ラクチド等の環状
ラクトン酸、あるいはジメチルシクロポリシロキサン類
とを開環共重合させたポリエーテルジオールを使用する
こともできる。ここで、二種以上のイオン重合性環状化
合物の具体的な組み合わせとしては、テトラヒドロフラ
ンとプロピレンオキシドとの共重合体、テトラヒドロフ
ランと2−メチルテトラヒドロフランとの共重合体、テ
トラヒドロフランと3−メチルテトラヒドロフランとの
共重合体、テトラヒドロフランとエチレンオキシドとの
共重合体、ブテン−1−オキシドとエチレンオキシドと
の共重合体、ブテン−1−オキシドとプロピレンオキシ
ドとの共重合体等の2元共重合体、テトラヒドロフラン
とブテン−1−オキシドとエチレンオキシドとの3元共
重合体等を挙げることができる。これらのイオン重合性
環状化合物の開環共重合体はランダムに結合していても
よいし、ブロック状の結合をしていてもよい。
【0012】ポリプロピレンオキシドジオールまたはプ
ロピレンオキシド−エチレンオキシド共重合ジオールと
しては、市販品として例えば、プレミノールX−60
2、X−603、PML−3005、PML−301
0、PML−3012、PML−4002、PML40
10、(以上旭硝子(株)製)などが挙げられる。これ
らのポリプロピレンオキシドジオールおよびプロピレン
オキシド−エチレンオキシド共重合ジオールとして、不
飽和基含有量が0.01m当量/g以下のものを使用す
ると、得られる組成物の硬化速度が向上するため好まし
い。このような不飽和基含有量が0.01m当量/g以
下のポリプロピレンオキシドジオールおよびプロピレン
オキシド−エチレンオキシド共重合ジオールとしては、
市販品であるACCLAIM2200、3201、42
00、6300、8200(以上住友バイエルウレタン
(株)製)、NPML−2002、NPML−300
2、PML−4002CK(以上旭硝子(株)製)など
が挙げられる。
【0013】また、ポリアルキレンオキシドジオール以
外の上記ポリエーテルジオール化合物は、例えばPTM
G1000、PTMG2000(以上、三菱化学(株)
製)、PPG1000、EXCENOL2020、10
20(以上、旭硝子(株)製)、PEG1000、ユニ
セーフDC1100、DC1800(以上、日本油脂
(株)製)、PPTG2000、PPTG1000、P
TG400、PTGL2000(以上、保土谷化学工業
(株)製)、Z−3001−4、Z−3001−5、P
BG2000A、PBG2000B(以上、第一工業製
薬(株)製),等の市販品として入手することができ
る。
【0014】ポリウレタン(a)以外に非ポリエーテル
系ジオールから導かれるポリウレタンを、本発明の効果
が失われない範囲において、併用することができる。非
ポリエーテル系ジオール化合物としては、ポリエステル
ジオール化合物、ポリカーボネートジオール化合物、ポ
リカプロラクトンジオール化合物などを挙げることがで
きる。これら構造単位の重合様式は特に限定されず、ラ
ンダム重合、ブロック重合、グラフト重合のいずれであ
ってもよい。
【0015】ポリエステルジオール化合物としては、例
えばエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プ
ロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、テト
ラメチレングリコール、ポリテトラメチレングリコー
ル、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコー
ル、1,4−シクロヘキサンジメタノール、3−メチル
−1,5−ペンタンジオール、1,9−ノナンジオール、
2−メチル−1,8−オクタンジオール等の多価アルコ
ールとフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、マレイ
ン酸、フマール酸、アジピン酸、セバシン酸等の多塩基
酸とを反応して得られるポリエステルポリオール等を挙
げることができる。市販品としてはクラポールP−20
10、PMIPA、PKA−A、PKA−A2、PNA
−2000(以上、(株)クラレ製)等が入手できる。
【0016】また、ポリカーボネートジオール化合物と
しては、例えばポリテトラヒドロフランのポリカーボネ
ート、1,6−ヘキサンジオールのポリカーボネート等
が挙げられ、市販品としてはDN−980、981、9
82、983(以上、日本ポリウレタン(株)製)、P
C−8000(米国PPG社製)、PC−THF−CD
(BASF社製)等が挙げられる。
【0017】さらにポリカプロラクトンジオール化合物
としては、ε−カプロラクトンと、例えばエチレングリ
コール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコー
ル、ポリプロピレングリコール、テトラメチレングリコ
ール、ポリテトラメチレングリコール、1,2−ポリブ
チレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペ
ンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノー
ル、1,4−ブタンジオール等の2価のジオールとを反
応させて得られるポリカプロラクトンジオールが挙げら
れる。これらのジオールは、プラクセル205、205
AL、212、212AL、220、220AL(以
上、ダイセル化学工業(株)製)等の市販品として入手
することができる。
【0018】上記以外のジオール化合物も、本発明の効
果を阻害しない範囲で使用することができる。このよう
なジオール化合物としては、例えばエチレングリコー
ル、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、
1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、
ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメ
タノール、ビスフェノールAのエチレンオキシド付加ジ
オール、ビスフェノールAのプロピレンオキシド付加ジ
オール、ビスフェノールAのブチレンオキシド付加ジオ
ール、ビスフェノールFのエチレンオキシド付加ジオー
ル、ビスフェノールFのプロピレンオキシド付加ジオー
ル、ビスフェノールFのブチレンオキシド付加ジオー
ル、水添ビスフェノールAのエチレンオキシド付加ジオ
ール、水添ビスフェノールAのプロピレンオキシド付加
ジオール、水添ビスフェノールAのブチレンオキシド付
加ジオール、水添ビスフェノールFのエチレンオキシド
付加ジオール、水添ビスフェノールFのプロピレンオキ
シド付加ジオール、水添ビスフェノールFのブチレンオ
キシド付加ジオール、ハイドロキノンのアルキレンオキ
シド付加ジオール、ナフトハイドロキノンのアルキレン
オキシド付加ジオール、アントラハイドロキノンのアル
キレンオキシド付加ジオール、1,4−シクロヘキサン
ジオールおよびそのアルキレンオキシド付加ジオール、
ペンタシクロペンタデカンジオール、ペンタシクロペン
タデカンジメタノール、ジシクロペンタジエンのジメチ
ロール化合物、トリシクロデカンジメタノール、β−メ
チル−δ−バレロラクトン、ヒドロキシ末端ポリブタジ
エン、ヒドロキシ末端水添ポリブタジエン、ヒマシ油変
性ポリオール、ポリジメチルシロキサンの末端ジオール
化合物、ポリジメチルシロキサンカルビトール変性ポリ
オール等が挙げられる。これらのジオール化合物の数平
均分子量は、好ましくは50〜20,000であり、特
に好ましくは100〜12,000である。
【0019】このようなジオール化合物を併用する以外
にも、ジアミン化合物を併用することも可能である。こ
のようなジアミン化合物としてはエチレンジアミン、テ
トラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、パラ
フェニレンジアミン、4,4′−ジアミノジフェニルメ
タン等のジアミンやヘテロ原子を含むジアミン、ポリエ
ーテルジアミン等が挙げられる。
【0020】また、ジイソシアネートとしては、例えば
2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジ
イソシアネート、1,3−キシリレンジイソシアネー
ト、1,4−キシリレンジイソシアネート、1,5−ナフ
タレンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネ
ート、p−フェニレンジイソシアネート、3,3’−ジ
メチル−4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネー
ト、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、3,
3’−ジメチルフェニレンジイソシアネート、4,4’
−ビフェニレンジイソシアネート、1,6−ヘキサンジ
イソシアネート、イソホロンジイソシアネート、メチレ
ンビス(4−シクロヘキシルイソシアネート)、2,2,
4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、ビス
(2−イソシアネートエチル)フマレート、6−イソプ
ロピル−1,3−フェニルジイソシアネート、4−ジフ
ェニルプロパンジイソシアネート、リジンジイソシアネ
ート、水添ジフェニルメタンジイソシアネート、水添キ
シリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジ
イソシアネート、2,5-ビス(イソシアネートメチル)
−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、2,6-ビス(イソシ
アネートメチル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン等が
挙げられる。これらのうち、特に、2,4−トリレンジ
イソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシリ
レンジイソシアネート、メチレンビス(4−シクロヘキ
シルイソシアネート)等が好ましい。さらに、エチレン
性不飽和基を有する化合物としては、例えば、水酸基、
酸ハライド基またはエポキシ基を有する(メタ)アクリ
ル系化合物を挙げることができる。
【0021】水酸基含有(メタ)アクリレートとして
は、例えば2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレー
ト、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2
−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロ
キシ−3−フェニルオキシプロピル(メタ)アクリレー
ト、1,4−ブタンジオールモノ(メタ)アクリレー
ト、2−ヒドロキシアルキル(メタ)アクリロイルホス
フェート、4−ヒドロキシシクロヘキシル(メタ)アク
リレート、1,6−ヘキサンジオールモノ(メタ)アク
リレート、ネオペンチルグリコールモノ(メタ)アクリ
レート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレー
ト、トリメチロールエタンジ(メタ)アクリレート、ペ
ンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペン
タエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、下記式
(1)または(2): CH2=C(R1)-COOCH2CH2-[OCO(CH2)5]n-OH (1) CH2=C(R1)-COOCH(OH)CH2-O-C6H5 (2) (式中、R1は水素原子またはメチル基を示し、nは1
〜15の数を示す)で表される(メタ)アクリレート等が
挙げられる。また、アルキルグリシジルエーテル、アリ
ルグリシジルエーテル、グリシジル(メタ)アクリレー
ト等のグリシジル基含有化合物と、(メタ)アクリル酸
との付加反応により得られる化合物も使用することがで
きる。これら水酸基含有(メタ)アクリレートのうち、
特に、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2
−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等が好まし
い。
【0022】エポキシ基を有する(メタ)アクリル系化
合物としては、例えば(メタ)アクリル酸のグリシジル
エステルなどが挙げられる。酸ハライド基を有する(メ
タ)アクリル系化合物としては、例えば(メタ)アクリ
ル酸クロライド、(メタ)アクリル酸ブロマイドなどの
(メタ)アクリル酸ハライドを挙げることができる。こ
れらのエチレン性不飽和基を有する化合物は一種単独で
も二種以上併用してもよい。エチレン性不飽和基を有す
る化合物の一部をイソシアネート基に付加しうる官能基
を持った化合物で置き換えて用いることもできる。こう
した化合物としては、例えば、γ−メルカプトプロピル
トリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシ
シランなどを挙げることができる。これらの化合物を使
用することにより、ガラス等の基材への密着性を高める
ことができる。
【0023】ジオール化合物、ジイソシアネート化合物
およびエチレン性不飽和基を有する化合物を反応させる
場合に、好ましくは、ナフテン酸銅、ナフテン酸コバル
ト、ナフテン酸亜鉛、ジブチル錫ジラウレート、トリエ
チルアミン、1,4−ジアザビシクロ〔2.2.2〕オク
タン、2,6,7−トリメチル−1,4−ジアザビシクロ
〔2.2.2〕オクタン等のウレタン化触媒を、反応物の
総量100重量部に対して0.01〜1重量部用いるの
が好ましい。また、反応温度は、10〜90℃で行うこ
とが好ましく、さらには30〜80℃で行うことがより
好ましい。本発明の組成物に用いられる(b)成分のイ
ソボルニルアクリレートは、市販品としてIBXA(大
阪有機化学工業(株)製)、アロニックスM−156
(東亞合成(株)製)、ライトエステルIB−X(共栄
社化学(株)製)として入手することができる。
【0024】本発明の組成物に用いられる(c)成分で
ある、ホモポリマーのガラス転移温度が20℃以下の単
官能性(メタ)アクリレートとしては、例えばp−クミ
ルフェノールEO変性(1.2モル変性)アクリレー
ト、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(2−ア
クリロイルエチル)フマレート、2−ヒドロキシ−3−
ブチルオキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシ−
3−(2−エチルヘキシルオキシ)プロピルアクリレー
ト、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレ
ート、ノニルフェノールEO変性(8モル変性)アクリ
レート、ノニルフェノールEO変性(1モル変性)アク
リレート、ノニルフェノールEO変性(4モル変性)ア
クリレート、シクロヘキシルアクリレート、ラウリル
(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレ
ート、ジシクロペンテニロキシエチルアクリレート、ベ
ンジルアクリレート、2-シアノエチルアクリレート、
ノニルフェノールPO変性(2.5モル変性)アクリレ
ート、イソステアリルアクリレート、2−ヒドロキシプ
ロピルアクリレート、フェノールEO変性(2モル変
性)アクリレート、フェノールEO変性(4モル変性)
アクリレート、トリフルオロエチルアクリレート、テト
ラヒドロフルフリルアクリレート、2−フェノキシエチ
ルアクリレート、イソブチルアクリレート、アミノアク
リレート、2−アクリロイロキシエチルコハク酸、イソ
オクチルアクリレート、メトキシトリエチレングリコー
ルアクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、イ
ソミリスチルアクリレート、3−メトキシブチルアクリ
レート、n−ヘキシルアクリレート、トリエチレンオキ
シドドデシルエーテルアクリレート、2−エチルヘキシ
ルカルビトールアクリレート、エチルカルビトールアク
リレート、エトキシジエチレングリコールアクリレー
ト、メトキシトリプロピレングリコールアクリレート、
トリデシルアクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリ
レート、イソアミルアクリレート、イソオクチルアクリ
レート、2−メトキシエチルアクリレート、2−エトキ
シエチルアクリレート、n−ブチルメタアクリレート、
ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチル
アミノエチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシ
ルメタアクリレート、トリデシルメタアクリレート等を
挙げることができる。
【0025】また、市販品として、アロニックスM−1
01、M−102、M−111、M−113、M−11
4、M−117、TO−850,TO−851,TO−9
81、TO−1210、TO−1342(以上、東亞合
成(株)製);KAYARAD TC110S、R62
9、R644(以上、日本化薬(株)製);ビスコート
3700(大阪有機化学工業(株)製)等が挙げられ
る。これらの中では特にアロニックスM−102、M−
113、 M−114、M−117を使用することが好
ましい。
【0026】本発明の組成物に用いられる(d)成分の
N−ビニルカプロラクタムは、市販品としてビーエーエ
スエフジャパン(株)またはISP(株)から入手する
ことができる。本発明の組成物において、全組成物中、
ポリウレタン(a)の割合は40〜90重量%であり、
好ましくは50〜70重量%であり、特に好ましくは5
7〜65重量%である。この成分の割合が40重量%未
満であると、低温における硬化物のヤング率が上昇して
被覆材料の柔軟性が失われ、90重量%を越えると、粘
度が著しく上昇してガラス素線に対する塗布性が低下す
る。また、全組成物中、(b)成分の割合は5〜25重
量%であり、好ましくは10〜20重量%であり、特に
好ましくは13〜17重量%である。この成分の割合が
5重量%未満であると、耐水性が悪化して温水に浸漬し
たときのガラスに対する密着力の低下が著しくなる。2
5重量%を超えると、耐油性が悪化し、硬化物をミネラ
ルオイルに浸漬した場合の寸法変化率が大きくなる。同
様に全組成物中、(c)成分である単官能性(メタ)ア
クリレートの割合は5〜25重量%であり、好ましくは
7〜20重量%であり、特に好ましくは9〜16重量%
である。(c)成分の割合が5重量%未満であると、低
温における硬化物のヤング率が上昇し被覆材料の柔軟性
が失われ、25重量%を越えると、ガラス密着力が低下
する。さらに、全組成物中、(d)成分の割合は0〜1
1重量%であり、4〜10重量%であることが好まし
い。この成分の割合が少ないと、硬化速度が低下し高速
の光ファイバ製造が困難となる。11重量%を超える
と、耐水性が悪化し、水に浸漬したときのガラスに対す
る密着力の低下が著しくなる。
【0027】本発明の組成物には、発明の効果を阻害し
ない範囲で、(c)成分および(d)以外の単官能性ビ
ニル重合性化合物を加えることができる。このようなビ
ニル重合性化合物としては、例えばN−ビニルピロリド
ン、イソボルニルメタアクリレート、ボルニル(メタ)
アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレー
ト、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、シクロ
ヘキシルメタアクリレート等の脂環式構造含有(メタ)
アクリレート、アクリロイルモルホリン、ビニルイミダ
ゾール、ビニルピリジン等が挙げられる。さらに、メチ
ル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレー
ト、プロピル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メ
タ)アクリレート、イソブチルメタアクリレート、ヘキ
サフルオロプロピルメタアクリレート、テトラフルオロ
プロピルメタアクリレート、トリフルオロエチルメタア
クリレート、ヒドロキシプロピルメタアクリレート、シ
クロヘキシルメタアクリレート、テトラヒドロフルフリ
ルメタアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタアクリ
レート、2−ヒドロキシプロピルメタアクリレート、ベ
ンジルメタアクリレート、グリシジルメタアクリレー
ト、ステアリルメタアクリレート、セチルアクリレー
ト、β−カルボキシエチルアクリレート、t−ブチルア
ミノエチルメタアクリレート、ジアセトン(メタ)アク
リルアミド、イソブトキシメチル(メタ)アクリルアミ
ド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、t−オ
クチル(メタ)アクリルアミド、7−アミノ−3,7−
ジメチルオクチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエ
チル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノ
プロピル(メタ)アクリルアミド、2−アクリロイロキ
シエチルー2ーヒドロキシプロピルフタレート、2−ヒ
ドロキシ−3−(4−tert−ブチルフェノキシ)プ
ロピルアクリレート等が挙げられる。このような単官能
性ビニル化合物は、本発明の組成物中に、好ましくは0
〜50重量%、より好ましくは0〜25重量%配合する
ことができる。
【0028】また、本発明の組成物には、さらに、ジイ
ソシアネート1モルに対して水酸基含有(メタ)アクリ
レート化合物2モルを反応させて得られるウレタン(メ
タ)アクリレートを配合することもできる。このような
ウレタン(メタ)アクリレートとしては、例えばヒドロ
キシエチル(メタ)アクリレートと2,5−ビス(イソ
シアネートメチル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプタンま
たは2,6−ビス(イソシアネートメチル)−ビシクロ
[2.2.1]ヘプタンとの反応生成物、ヒドロキシエチ
ル(メタ)アクリレートと2,4−トリレンジイソシア
ネートとの反応生成物、ヒドロキシエチル(メタ)アク
リレートとイソホロンジイソシアネートとの反応生成
物、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートと2,4
−トリレンジイソシアネートとの反応生成物、ヒドロキ
シプロピル(メタ)アクリレートとイソホロンジイソシ
アネートとの反応生成物等が挙げられる。このようなウ
レタン(メタ)アクリレートは、本発明の組成物中に、
好ましくは0〜50重量%、より好ましくは0〜25重
量%で配合することができる。
【0029】またさらに、本発明の組成物には、多官能
性のビニル重合性化合物を加えることもできる。このよ
うなビニル重合性多官能化合物としては、例えばトリメ
チロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエ
リスリトールトリ(メタ)アクリレート、エチレングリ
コールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコ
ールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール
ジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ
(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ
(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メ
タ)アクリレート、トリメチロールプロパントリオキシ
エチル(メタ)アクリレート、トリス(2−ヒドキシエ
チル)イソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート、ト
リス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートジ(メ
タ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジ
(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのエチレンオ
キシドまたはプロピレンオキシドの付加体のジオールの
ジ(メタ)アクリレート、水添ビスフェノールAのエチ
レンオキシドまたはプロピレンオキシドの付加体のジオ
ールのジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのジ
グリシジルエーテルに(メタ)アクリレートを付加させ
たエポキシ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコ
ールジビニルエーテル等が挙げられる。また、市販品と
しては、例えばユピマーUV SA1002、SA20
07(以上、三菱化学(株)製);ビスコート700
(大阪有機化学工業(株)製);KAYARAD R−
604、DPCA−20、−30、−60、−120、
HX−620、D−310、D−330(以上、日本化
薬(株)製);アロニックスM−210、M−215、
M−315、M−325(以上、東亜合成(株)製)等
が挙げられる。かかるビニル重合性多官能化合物は、本
発明の組成物中に、好ましくは0〜50重量%、より好
ましくは0〜25重量%配合することができる。
【0030】本発明の組成物には、発明の効果を阻害し
ない範囲で、アミン系化合物を加えることができる。具
体的には、エチルアミン、プロピルアミン、イソプロピ
ルアミン、ブチルアミン、イソブチルアミン、ペンチル
アミン、ネオペンチルアミン、ヘキシルアミン、オクチ
ルアミン、ノニルアミン、2-エチルヘキシルアミン、シ
クロヘキシルアミン、エタノールアミン、アニリン、p
−メチルアニリン、ジエチルアミン、ジプロピルアミ
ン、ジブチルアミン、ジペンチルアミン、ジヘキシルア
ミン、メチルアニリン、エチルアニリン、ジヒドロキシ
エチルアミン、等が挙げられる。これらのアミン系化合
物のの組成物中に占める割合は、組成物の硬化速度の向
上ならびに硬化物の耐久性といった観点から、好ましく
は0〜5重量%であり、より好ましくは0.01〜3重
量%である。
【0031】本発明の液状硬化性樹脂組成物には、通
常、光開始剤を添加する。また、必要に応じて光増感剤
を添加してもよい。使用できる光開始剤、光増感剤とし
ては、例えば1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケ
トン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノ
ン、キサントン、フルオレノン、ベンズアルデヒド、フ
ルオレン、アントラキノン、トリフェニルアミン、カル
バゾール、3−メチルアセトフェノン、4−クロロベン
ゾフェノン、4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、4,
4’−ジアミノベンゾフェノン、ミヒラーケトン、ベン
ゾインプロピルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、
ベンジルジメチルケタール、1−(4−イソプロピルフ
ェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−
オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロ
パン−1−オン、チオキサントン、ジエチルチオキサン
トン、2−イソプロピルチオキサントン、2−クロロチ
オキサントン、2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)
フェニル〕−2−モルホリノ−プロパン−1−オン、
2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィン
オキシド、ビス−(2,6−ジメトキシベンゾイル)−
2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキシド、ビ
ス−(2,6−ジメトキシベンゾイル)−フェニルホス
フィンオキシド;IRGACURE184、369、6
51、500、907、I1700、1750、CGI
1850、CG24−61、Darocur 111
6、1173(以上、チバスペシャルティケミカルズ
(株)製);ルシリンTPO、LR8728(BASF
社製);ユベクリルP36(UCB社製)等が挙げられ
る。また、光増感剤としては、例えばトリエチルアミ
ン、トリエタノールアミン、N−メチルジエタノールア
ミン、4−ジメチルアミノ安息香酸、4−ジメチルアミ
ノ安息香酸メチル、4−ジメチルアミノ安息香酸エチ
ル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル;ユベクリ
ルP102、103、104、105(以上、UCB社
製)等が挙げられる。これらの光開始剤は、全組成中に
好ましくは0〜10重量%、さらに好ましくは0.5〜
4%配合される。
【0032】本発明の液状硬化性樹脂組成物には、前記
の成分以外に、必要に応じて本発明の液状硬化性樹脂組
成物の特性を損なわない範囲で硬化性の他のオリゴマ
ー、ポリマー、反応性希釈剤およびその他の添加剤等を
配合することができる。硬化性の他のオリゴマー、ポリ
マーとしては、例えばポリエステル(メタ)アクリレー
ト、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリアミド(メ
タ)アクリレート、(メタ)アクリロイルオキシ基を有
するシロキサンポリマー、グリシジルメタアクリレート
とそのほかのビニルモノマーとの共重合体とアクリル酸
を反応させて得られる反応性ポリマー等が挙げられる。
【0033】また、上記成分以外に各種添加剤、例えば
酸化防止剤、着色剤、紫外線吸収剤、光安定剤、シラン
カップリング剤、熱重合禁止剤、レベリング剤、界面活
性剤、保存安定剤、可塑剤、滑剤、溶媒、フィラー、老
化防止剤、濡れ性改良剤、塗面改良剤等を必要に応じて
配合することができる。ここで、酸化防止剤としては、
例えばIrganox1010、1035、1076、
1222(以上、チバスペシャルティケミカルズ(株)
製)、Antigene P、3C、FR、GA−80
(住友化学工業(株)製)等が挙げられ;紫外線吸収剤
としては、例えばTinuvin P、234、32
0、326、327、328、329、213(以上、
チバスペシャルティケミカルズ(株)製)、Seeso
rb102、103、501、202、712、704
(以上、シプロ化成(株)製)等が挙げられ;光安定剤
としては、例えばTinuvin 292、144、6
22LD(以上、チバスペシャルティケミカルズ(株)
製)、サノールLS770(三共化成(株)製)、Su
misorbTM−061、110(住友化学工業
(株)製)等が挙げられ;シランカップリング剤として
は、例えばγ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ
−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−(メ
タ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、市販品
として、SH6062、6030(以上、東レ・ダウコ
ーニング・シリコーン(株)製)、KBE903、60
3、403(以上、信越化学工業(株)製)等が挙げら
れる。
【0034】また、本発明の液状硬化性樹脂組成物の粘
度は、好ましくは0.2〜20Pa・s/25℃、さら
に好ましくは1.5〜15Pa・s/25℃である。本
発明の組成物を光ファイバー素線のソフト材として使用
した場合には、硬化後のヤング率が、0.3〜5.0MP
aとなることが好ましい。本発明の液状硬化性樹脂組成
物中のウレタン基濃度は、好ましくは0.47mmol
/g以上、より好ましくは0.60mmol/gに調製
する。ウレタン基濃度が0.47mmol/g未満の場
合は、耐油性の低下が見られ、ミネラルオイルに浸漬し
たときの寸法変化率が2.1%を超えることがある。な
お、本発明の組成物は、熱および/または放射線によっ
て硬化されるが、ここで放射線とは、赤外線、可視光
線、紫外線、X線、電子線、α線、β線、γ線等をい
う。
【0035】
【実施例】以下に本発明を実施例により具体的に説明す
るが、本発明はこれら実施例に限定されるものではな
い。
【0036】ウレタンアクリレート合成例1 攪拌器を備えた反応容器に、イソホロンジイソシアネー
ト7.9g、不飽和度が0.0016m当量/gで分子量
が2000であるポリプロピレングリコールを51.0
g、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール0.015
g、フェノチアジン0.005gを仕込んだ。これらを
撹拌しながら液温度が10〜15℃になるまで冷却し
た。ジブチル錫ジラウレート0.049gを徐々に滴下
して反応温度を30〜45℃に保った。滴下終了後、温
度を45〜55℃に上げて撹拌を継続した。反応混合物
中の残留イソシアネート量を30分間隔で測定し、これ
らの値の差が0.03%以内になるまで撹拌を継続し
た。残留イソシアネートが一定となったことが確認され
た後に、50〜70℃の温度で2−ヒドロキシエチルア
クリレート2.4g添加した。さらに、液温度60〜7
0℃で1時間反応を継続した後に、再び残留イソシアネ
ート量の測定を行った。残留イソシアネート量が0.1
%以下になったときを反応の終点とした。得られたウレ
タンアクリレートをUA−1とする。このウレタンアク
リレートのウレタン基濃度は1.16mmol/gであ
った。
【0037】ウレタンアクリレート合成例2 攪拌器を備えた反応容器に、イソホロンジイソシアネー
ト4.6g、不飽和度が0.0019m当量/gで分子量
が4000であるポリプロピレングリコールを55.1
g、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール0.015
g、フェノチアジン0.005gを仕込んだ。これらを
撹拌しながら液温度が10〜15℃になるまで冷却し
た。ジブチル錫ジラウレート0.049gを徐々に滴下
して反応温度を10〜25℃に保った。滴下終了後、温
度を50〜60℃に上げて撹拌を継続した。反応混合物
中の残留イソシアネート量を30分間隔で測定し、これ
らの値の差が0.03%以内になるまで撹拌を継続し
た。残留イソシアネートが一定となったことが確認され
た後に、50〜70℃の温度で2−ヒドロキシエチルア
クリレート1.6g添加した。さらに、液温度60〜7
0℃で1時間反応を継続した後に、再び残留イソシアネ
ート量の測定を行った。残留イソシアネート量が0.1
%以下になったときを反応の終点とした。得られたウレ
タンアクリレートをUA−2とする。このウレタンアク
リレートのウレタン基濃度は0.674mmol/gで
あった。
【0038】ウレタンアクリレート合成例3 撹拌器を備えた反応容器に、イソホロンジイソソアネー
ト8.6g、エチレンオキサイドとブチレンオキサイド
の15/85(重量比)共重合ジオール(分子量200
0)で不飽和度が0.0018m当量/gの59.1g、
2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール0.017g、
フェノチアジン0.006gを仕込んだ。これらを撹拌
しながら液温度が15〜20℃になるまで冷却した。ジ
ブチル錫ジラウレート0.056gを徐々に滴下して反
応温度を15〜25℃に保った。滴下終了後、温度を4
5〜55℃に上げて撹拌を継続した。反応混合物中の残
留イソシアネート量を30分間隔で測定し、これらの値
の差が0.03%以内になるまで撹拌を継続した。残留
イソシアネートが一定となったことが確認された後に、
45〜55℃の温度で2−ヒドロキシエチルアクリレー
ト2.5g添加した。さらに、液温度55〜65℃で2.
5時間反応を継続した後に、メタノール0.14gを添
加した。さらに60〜70℃で反応を継続し、再び残留
イソシアネート量の測定を行った。残留イソシアネート
量が0.1%以下になったときを反応の終点とした。得
られたウレタンアクリレートをUA−3とする。このウ
レタンアクリレートのウレタン基濃度は1.10mmo
l/gである。
【0039】ウレタンアクリレート合成例4 ウレタンアクリレート合成例1で使用したポリプロピレ
ングリコールの不飽和度が0.05m当量/gである以
外は、すべてウレタンアクリレート合成例1と同様の操
作でウレタンアクリレートUA−4を合成した。このウ
レタンアクリレートのウレタン基濃度は1.16mmo
l/gであった。
【0040】実施例1〜7および比較例1〜8(液状樹
脂組成物合成例) UA−1を61.1g、アロニックスM−113(東亞
合成(株)製)を14.0g、イソボルニルアクリレー
ト(大阪有機化学工業(株)製)14.5g、N−ビニ
ルカプロラクタム(ISP(株)製)7.5g、ルシリ
ンTPO(BASF社製)1.3g、イルガノックス1
035(チバスペシャルティケミカルズ(株)製)0.
5g、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン(東
レダウコーニングシリコーン(株)製 SH6062)
1.0g、ジエチルアミン0.1gを添加して、50℃で
3時間撹拌して均一な液状組成物を得た。これを液状樹
脂組成物1とする。同様にして、UA−1、UA−2、
UA−3、またはUA−4を用いて作製した液状樹脂組
成物の組成を表1および表2に示す。
【0041】組成物の内容と特性 試験例 上記例で得られた液状硬化性樹脂組成物を以下のような
方法で硬化させ、試験片を作製し、下記試験により評価
した。この結果を表1および表2に示した。 1.粘度の測定 液状組成物をB8Hローテーターを用いて、25℃にお
ける液粘度を測定した。 2.試験片の作製:250ミクロン厚用のアプリケータ
ーバーを用いてガラス板上に液状硬化性樹脂組成物を塗
布した。これを空気中で1J/cm2のエネルギーの紫外
線を照射した。このフィルムは23℃、50%RHの雰
囲気に12時間以上放置して状態調節を行ったのちに下
記のヤング率測定に用いた。 3.ヤング率 硬化フィルムを6mm幅の短冊型に切り出し、これを引
っ張り試験器により引っ張り弾性率を測定した。引っ張
り速度は1mm/min、チャック間距離は25mmと
した。ヤング率は2.5%伸びの加重を試験片の断面
積、および0.025で除して算出した。測定は23℃
および低温側は−40℃で行った。
【0042】4.石英ガラスとの密着力 窒素気流下において紫外線照射量が100mJ/cm2
になるように紫外線を照射して、約200μm厚硬化フ
ィルムを清浄な石英ガラス板上に作製した。これを、2
3℃、50%RHの雰囲気に12時間以上放置して状態
調節を行った後に、幅1cmの短冊形に切れ目を入れ
て、引っ張り速度50mm/minで90°ピール強度
の測定を行った。このときの密着力の値を初期値とす
る。また、耐水性の測定のためには、石英ガラス板上に
硬化されたフィルムをガラス板ごと、60℃のイオン交
換水に浸漬した。1週間放置した後に、石英ガラス板に
乗ったサンプルを取り出し、1時間以内に同様の条件で
90°ピール強度の測定を行った。
【0043】5.ミネラルオイル膨潤 250ミクロン厚用のアプリケーターバーを用いてガラ
ス板上に液状硬化性樹脂組成物を塗布した。これを空気
中で0.1J/cm2のエネルギーの紫外線を照射した。
このフィルムは23℃、50%RHの雰囲気に12時間
以上放置して状態調節を行ったのち、幅6mm×長さ2
5mmの試験片になるように切り出した。試験片の長辺
の長さ(L1)を測定する。この試験片を、ミネラルオ
イル(シグマアルドリッチジャパン製)に浸漬して23
℃で1週間放置した。ミネラルオイルから取り出した
後、試験片を不織布で付着しているオイルをふき取り、
試験片の長辺の長さ(L2)を測定する。寸法変化率
は、以下の式で算出した。 寸法変化率(%)=(L2−L1)/L1×100
【0044】6.硬化速度 100ミクロン厚用のアプリケーターバーを用いて、ガ
ラス板状に液状硬化性樹脂組成物を塗布した。これを窒
素下で500mJ/cm2、または10mJ/cm2のエ
ネルギーの紫外線を照射した。このフィルムは23℃、
50%RHの雰囲気に12時間以上放置して状態調節を
行ったのちにヤング率の測定を行った。500mJ/c
2照射時のヤング率に対する10mJ/cm2照射時の
ヤング率の割合を硬化速度と定義した。
【0045】表1および表2に、各液状硬化性樹脂組成
物の特性を示した。表1および表2から明らかなよう
に、本発明の硬化性樹脂組成物は、温水浸漬後の密着力
の低下が少なく、また、ミネラルオイルに浸漬したとき
の寸法変化が少ないことがわかる。
【0046】
【表1】
【0047】
【表2】
【0048】
【発明の効果】本発明の液状硬化性樹脂組成物は、耐水
性と耐油性に優れ、光ファイバ被覆材料に好適な特性を
示す。
フロントページの続き (72)発明者 小宮 全 東京都中央区築地二丁目11番24号 ジェイ エスアール株式会社内 (72)発明者 間瀬 雅仁 東京都中央区築地二丁目11番24号 ジェイ エスアール株式会社内 (72)発明者 宇加地 孝志 東京都中央区築地二丁目11番24号 ジェイ エスアール株式会社内 Fターム(参考) 2H050 BB14W BB15W BD00 BD05 4J027 AG04 AG09 AG23 AG24 AG27 BA04 BA07 BA08 BA13 CA25 CC03 CC04 CC05 CC06 CC08 CD03

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)ポリプロピレンオキシドジオール
    およびプロピレンオキシド−エチレンオキシド共重合ジ
    オールよりなる群から選ばれる少なくとも1種のポリア
    ルキレンオキシドジオール、ジイソシアネート化合物お
    よび水酸基含有(メタ)アクリレート化合物から導かれ
    る、ポリオキシアルキレン構造およびエチレン性不飽和
    基を有するポリウレタン、(b)イソボルニルアクリレ
    ート、および(c)ホモポリマーのガラス転移温度が2
    0℃以下である単官能性(メタ)アクリレート化合物を
    含有し、そして、全組成物に対して、(a)成分が40
    〜90重量%、(b)成分が5〜25重量%、および
    (c)成分が5〜25重量%であることを特徴とする光
    ファイバ用硬化性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 さらに(d)N−ビニルカプロラクタム
    を全組成物に対して0〜11重量%含むことを特徴とす
    る請求項1に記載の光ファイバ用硬化性樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 さらに(e)アミン化合物を全組成物に
    対して0.01〜4重量%含むことを特徴とする請求項
    1または2のいずれかに記載の光ファイバ用硬化性樹脂
    組成物。
  4. 【請求項4】 ポリアルキレンオキシドジオールの不飽
    和基含有量が0.01m当量/g以下であることを特徴
    とする請求項1〜3のいずれか1項記載の光ファイバ用
    硬化性樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 ウレタン基濃度が組成物全体に対して
    0.47mmol/g以上であることを特徴とする請求
    項1〜4のいずれか1項記載の光ファイバ用硬化性樹脂
    組成物。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれか1項記載の硬化
    性樹脂組成物の硬化物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007119704A (ja) * 2005-09-28 2007-05-17 Jsr Corp 液状硬化性樹脂組成物
JP2020513469A (ja) * 2016-11-08 2020-05-14 コーニング インコーポレイテッド 低弾性率および高臨界応力を有するファイバコーティング

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