JP2004067866A - 放射線硬化型樹脂組成物 - Google Patents
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Abstract
(A)ウレタン(メタ)アクリレート 10〜50重量%、
(B)(A)以外で、下記一般式(1)
−(CH2CH2O)n− (1)
(式中、nは1から14を示す)の構造単位を有し、その構造単位の繰り返し数が1から14である(メタ)アクリレート 50〜90重量%、
を含有することを特徴とする放射線硬化型樹脂組成物。
【効果】本発明の放射線硬化性樹脂組成物により得られる硬化物は、放射線硬化型インキ材によって被覆された基体に対し、良好な接着剤、密着性を有し、なおかつ表面特性に優れるため、放射線硬化型コート材、接着剤、結合材として有用である。
【選択図】 なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、放射線硬化型インキ材によってコートまたは被覆された基体への放射線硬化型接着剤、または放射線硬化型インキ材によってコートまたは被覆された基体同士の放射線硬化型結合材に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、印刷等の分野において、生産性の向上を目的に放射線硬化型インキ材が使用されるケースが増大している。具体的には、プラスチック、紙、光ファイバなどに対し、着色を目的に放射線硬化型インキ材が使用されている。インキ材を塗布し、硬化した基体に対おいて、表面放射線硬化型インキ材は目的物の最表層となる場合が多く、そのため表面性を重視した樹脂設計となっている。表面性を重視する場合、シリコーン系の添加剤を用いたり、光硬化の場合、光開始剤量を増加させたりするため、これらの添加剤や光開始剤が表面にブリードしてくるケースが多く、放射線硬化型インキ材でコートした基体への他の材料の接着は難しい。また、たとえ、接着できても接着力は極めて低いものとなっていた。
【0003】
また、プラスチック、紙にインキ材が塗布され、さらに表層を放射線硬化型接着剤で被覆する場合、接着剤層がインキ材の外層となり、最表層となる。また、インキ材で被覆された光ファイバ着色素線などの場合、光ファイバ着色素線を束ね、結合させるために、テープ材、バンドリング材が必要になるが、これらもまた、最表層である。最表層の場合、いずれの場合でも表面にべとつきがあってはならないため、インキ材の外層に塗布される放射線硬化型樹脂組成物は、十分な表面硬化性が必要になる。
【0004】
インキ材被覆された基体に接着させるために、粘着性の強い放射線硬化型樹脂組成物を用いれば、インキ材の表面特性が良好で接着させにくくとも、ある程度の接着力は得られる。しかしながら、粘着性の強い放射線硬化型樹脂組成物は表面特性に乏しく、表面がべとつくため、本目的には使用できない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、放射線硬化型インキ材によって被覆された基体に対し、良好な接着性、密着性を有し、なおかつ表面特性に優れた放射線硬化型のコート材、接着剤、結合材として有用な組成物を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、鋭意検討した結果、以下に示す特定の接着剤用放射線硬化型樹脂組成物により前記課題を解決できることを見いだした。
【0007】
すなわち、本発明は、次の成分(A)および(B):
(A)ウレタン(メタ)アクリレート 10〜50重量%、
(B)(A)以外で、下記一般式(1)
【0008】
−(CH2CH2O)n− (1)
【0009】
(式中、nは1から14を示す)
の構造単位を有し、その構造単位の繰り返し数が1から14である(メタ)アクリレート 50〜90重量%、
を含有することを特徴とする放射線硬化型樹脂組成物を提供するものである。
また、本発明は当該放射線硬化性樹脂組成物を含有するコート材、接着剤または結合材を提供するものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の放射線硬化型樹脂組成物には(A)成分としてウレタン(メタ)アクリレートを含むが、これは組成物の高速硬化性、得られる硬化層の耐久性、高い靭性、柔軟性等の点で必要である。このウレタン(メタ)アクリレートはポリオール、ポリイソシアネートおよび水酸基含有(メタ)アクリレートを反応させることにより得られる。
【0011】
この反応としては、例えばポリオール、ジイソシアネートおよび水酸基含有(メタ)アクリレートを一括に仕込んで反応させる方法;ポリオールおよびジイソシアネートを反応させ、次いで水酸基含有(メタ)アクリレートを反応させる方法;ジイソシアネートおよび水酸基含有(メタ)アクリレートを反応させ、次いでポリオールを反応させる方法;ジイソシアネートおよび水酸基含有(メタ)アクリレートを反応させ、次いでポリオールを反応させ、最後にまた水酸基含有(メタ)アクリレートを反応させる方法などが挙げられる。
【0012】
ここで用いるポリオール化合物としては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポリヘキサメチレングリコール、ポリヘプタメチレングリコール、ポリデカメチレングリコールのような一種のイオン重合性環状化合物を開環重合させて得られるポリエーテルジオール、または二種以上のイオン重合性環状化合物を開環共重合させて得られるポリエーテルジオールが挙げられる。イオン重合性環状化合物としては、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブテン−1−オキシド、イソブテンオキシド、オキセタン、3,3−ジメチルオキセタン、3,3−ビスクロロメチルオキセタン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、3−メチルテトラヒドロフラン、ジオキサン、トリオキサン、テトラオキサン、シクロヘキセンオキシド、スチレンオキシド、エピクロルヒドリン、グリシジルメタクリレート、アリルグリシジルエーテル、アリルグリシジルカーボネート、ブタジエンモノオキシド、イソプレンモノオキシド、ビニルオキセタン、ビニルテトラヒドロフラン、ビニルシクロヘキセンオキシド、フェニルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、安息香酸グリシジルエステル等の環状エーテル類が挙げられる。また、上記イオン重合性環状化合物と、エチレンイミン等の環状イミン類、β−プロピオラクトン、グリコール酸ラクチド等の環状ラクトン酸、あるいはジメチルシクロポリシロキサン類とを開環共重合させたポリエーテルジオールを使用することもできる。上記二種以上のイオン重合性環状化合物の具体的な組み合わせとしては、テトラヒドロフランとプロピレンオキシド、テトラヒドロフランと2−メチルテトラヒドロフラン、テトラヒドロフランと3−メチルテトラヒドロフラン、テトラヒドロフランとエチレンオキシド、プロピレンオキシドとエチレンオキシド、ブテン−1−オキシドとエチレンオキシド、テトラヒドロフラン、ブテン−1−オキシド、エチレンオキシドの3元重合体等を挙げることができる。これらのイオン重合性環状化合物の開環共重合体はランダムに結合していてもよいし、ブロック状の結合をしていてもよい。
【0013】
ここまでに述べたこれらのポリエーテルジオールは、例えばPTMG1000、PTMG2000(以上、三菱化学(株)製)、 EXCENOL 1020、2020、3020(以上、旭硝子(株)製)、PEG1000、ユニセーフDC1100、DC1800(以上、日本油脂(株)製)、PPTG2000、PPTG1000、PTG400、PTGL2000(以上、保土ヶ谷化学(株)製)、Z−3001−4、Z−3001−5、PBG2000A、PBG2000B(以上、第一工業製薬(株)製)、Acclaim Polyol 2200、2220、3201、3205、4200、4220、8200、12200(以上住友バイエルウレタン(株)製)等の市販品としても入手することができる。
【0014】
ポリオール化合物としては、上記のポリエーテルジオールが好ましいが、この他にポリエステルジオール、ポリカーボネートジオール、ポリカプロラクトンジオール等も用いることができ、これらのジオールをポリエーテルジオールと併用して用いることもできる。これらの構造単位の重合様式は特に制限されず、ランダム重合、ブロック重合、グラフト重合のいずれであってもよい。
【0015】
ここで用いるポリエステルジオールとしては、例えばエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、テトラメチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,9−ノナンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール等の多価アルコールとフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、マレイン酸、フマール酸、アジピン酸、セバシン酸等の多塩基酸とを反応して得られるポリエステルポリオール等を挙げることができる。市販品としてはクラポール P−2010、PMIPA、PKA−A、PKA−A2、PNA−2000(以上、(株)クラレ製)等が入手できる。
【0016】
また、ポリカーボネートジオールとしては、例えばポリテトラヒドロフランのポリカーボネート、1,6−ヘキサンジオールのポリカーボネート等が挙げられ、市販品としてはDN−980、981、982、983(以上、日本ポリウレタン(株)製)、PC−8000(米国PPG社製)、PC−THF−CD(BASF社製)等が挙げられる。
【0017】
さらにポリカプロラクトンジオールとしては、ε−カプロラクトンと、例えばエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、テトラメチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、1,2−ポリブチレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,4−ブタンジオール等の2価のジオールとを反応させて得られるポリカプロラクトンジオールが挙げられる。これらのジオールは、プラクセル 205、205AL、212、212AL、220、220AL(以上、ダイセル化学工業(株)製)等が市販品として入手することができる。
【0018】
上記以外のジオールも数多く使用することができる。このようなジオールとしては、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、β−メチル−δ−バレロラクトン、ヒドロキシ末端ポリブタジエン、ヒドロキシ末端水添ポリブタジエン、ヒマシ油変性ポリオール、ポリジメチルシロキサンの末端ジオール化合物、ポリジメチルシロキサンカルビトール変性ポリオール等が挙げられる。
【0019】
また上記したようなジオールを二種以上用いる以外にも、ポリオキシアルキレン構造を有するジオールとともにジアミンを併用することも可能であり、このようなジアミンとしてはエチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、パラフェニレンジアミン、4,4′−ジアミノジフェニルメタン等のジアミンやヘテロ原子を含むジアミン、ポリエーテルジアミン等が挙げられる。
【0020】
これらのジオールの好ましい分子量は数平均分子量で通常50〜3500であり、特に好ましくは100〜1500である。
【0021】
また、環構造を有するポリオールとして以下に列挙する物質を用いることができる。例えばビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加ジオール、ビスフェノールFのアルキレンオキサイド付加ジオール、水添ビスフェノールA、水添ビスフェノールF、水添ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加ジオール、水添ビスフェノールFのアルキレンオキサイド付加ジオール、ハイドロキノンのアルキレンオキサイド付加ジオール、ナフトハイドロキノンのアルキレンオキサイド付加ジオール、アントラハイドロキノンのアルキレンオキサイド付加ジオール、1,4−シクロヘキサンジオールおよびそのアルキレンオキサイド付加ジオール、トリシクロデカンジオール、トリシクロデカンジメタノール、ペンタシクロペンタデカンジオール、ペンタシクロペンタデカンジメタノール等が挙げられ、これらの中で、ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加ジオール、トリシクロデカンジメタノールが好ましい。これらのポリオールは、例えばユニオール DA400、DA700、DA1000、DB400(以上、日本油脂(株)製)、トリシクロデカンジメタノール(三菱化学(株)製)等の市販品として入手することもできる。
【0022】
また、ジイソシアネートとしては、例えば2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、1,3−キシリレンジイソシアネート、1,4−キシリレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、3,3’−ジメチル−4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、3,3’−ジメチルフェニレンジイソシアネート、4,4’−ビフェニレンジイソシアネート、1,6−ヘキサンジイソシアネート、イソフォロンジイソシアネート、メチレンビス(4−シクロヘキシルイソシアネート)、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、ビス(2−イソシアネートエチル)フマレート、6−イソプロピル−1,3−フェニルジイソシアネート、4−ジフェニルプロパンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、水添ジフェニルメタンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、2,5−ビス(イソシアネートメチル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、2,6−ビス(イソシアネートメチル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン等が挙げられ、特に、2,4−トリレンジイソシアネート、イソフォロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、メチレンビス(4−シクロヘキシルイソシアネート)等が好ましい。
【0023】
さらに、水酸基含有(メタ)アクリレートとしては、例えば2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェニルオキシプロピル(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールモノ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシアルキル(メタ)アクリロイルフォスフェート、4−ヒドロキシシクロヘキシル(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールモノ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールモノ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、下記式(3)または式(4)
【0024】
CH2=C(R1)−COOCH2CH2−(OCOCH2CH2CH2CH2CH2)m−OH (3)
CH2=C(R1)−COOCH2CH(OH)CH2−O−(C6H5) (4)
【0025】
(式中、R1は水素原子またはメチル基を示し、mは1〜15の数を示す)で表される(メタ)アクリレート等が挙げられる。また、アルキルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、グリシジル(メタ)アクリレート等のグリシジル基含有化合物と、(メタ)アクリル酸との付加反応により得られる化合物も使用することができる。これら水酸基含有(メタ)アクリレートのうち、特に、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等が好ましい。
【0026】
ポリオール、ジイソシアネートおよび水酸基含有(メタ)アクリレートの使用割合は、ポリオールに含まれる水酸基1当量に対してジイソシアネートに含まれるイソシアネート基が 1.1〜3当量、水酸基含有(メタ)アクリレートの水酸基が0.2〜1.5当量となるようにするが、ポリオールおよびアクリレート中の水酸基の当量とジイソシアネート中のイソシアネート基の当量はほぼ等しくするのが好ましい。
【0027】
水酸基含有(メタ)アクリレートの一部をイソシアネート基に付加しうる官能基を持った化合物で置き換えて用いることもできる。例えば、γ−メルカプトトリメトキシシラン、γ−アミノトリメトキシシランなどを挙げることができる。これらの化合物を使用することにより、ガラス等の基材への密着性を高めることができる。
【0028】
これらの化合物の反応においては、通常ナフテン酸銅、ナフテン酸コバルト、ナフテン酸亜鉛、ラウリル酸ジn−ブチルスズ、チタニウムアリルアセトアセテートトリイソプロポキシド、チタニウムn−ブトキシド、チタニウムイソプロポキシド、チタニウムメタクリレートイソプロポキシド、チタニウムメタクリロキシエチルアセテートトリイソプロポキシド、ジルコニウムイソプロポキシド、ジルコニウムn−ブトキシド、ジルコニウム2,4−ペンタンジオネート、トリエチルアミン、1,4−ジアザビシクロ〔2.2.2〕オクタン、2,6,7−トリメチル−1,4−ジアザビシクロ〔2.2.2〕オクタン等のウレタン化触媒を、反応物の総量100重量部に対して0.01〜1重量部用いるのが好ましい。また、反応温度は、通常10〜90℃、特に30〜80℃で行うのが好ましい。
【0029】
このようにして得られる 成分(A)のウレタン(メタ)アクリレートは、良好な密着力を得るために、全組成中に10〜50重量%配合されるのが好ましく、20〜50重量%がさらに好ましく、23〜50重量%が特に好ましい。また、良好な表面特性を得るために、成分(A)の平均分子量は500〜5000であることが好ましく、500〜4000がより好ましく、500〜2000がさらに好ましい。
【0030】
また、本発明の放射線硬化性樹脂組成物には、さらに、ジイソシアネート1モルに対して水酸基含有(メタ)アクリレート化合物2モルを反応させたウレタン(メタ)アクリレートを配合することもできる。かかるウレタン(メタ)アクリレートとしては、例えばヒドロキシエチル(メタ)アクリレートと2,5−ビス(イソシアネートメチル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、2,6−ビス(イソシアネートメチル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプタンの反応物、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートと2,4−トリレンジイソシアネートの反応物、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートとイソフォロンジイソシアネートの反応物、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートと2,4−トリレンジイソシアネートの反応物、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートとイソフォロンジイソシアネートの反応物等が挙げられる。
【0031】
本発明の放射線硬化型樹脂組成物に含まれる(B)成分は、(A)成分以外で、下記一般式(1)
【0032】
−(CH2CH2O)n− (1)
【0033】
(式中、nは1から14を示す)
の構造単位を有し、その構造単位の繰り返し数が1から14である(メタ)アクリレートである。
【0034】
(B)成分の一般式(1)の構造単位の繰り返し数が1〜14の範囲であることにより、硬化物の良好な表面特性を得ることができるが、好ましい繰り返し数は5〜10である。
【0035】
本発明の放射線硬化型樹脂組成物は(B)成分として組成物中の含有率が50〜90重量%であることが、密着力、表面硬化性の点で好ましい。また、組成物中の含有率が60〜90重量%がさらに好ましく、70〜90重量%が最も好ましい。
【0036】
(B)成分は二種以上の化合物を用いることが好ましい。粘弾性の観点で、密着力を発現させるために、硬化物のガラス転移温度を上昇させる必要があり、(B)成分の少なくとも一種は、前記式(1)の構造以外に炭素数5〜10の環状構造を有するものであることがさらに好ましい。ここで炭素数5〜10の環状構造としては、フェニル基、シクロヘキサン基が好ましく、フェニル基がさらに好ましい。
【0037】
前記式(1)の構造と炭素数5〜10の環状構造を有する(B)成分としては、例えば、ビスフェノールA型エチレンオキサイド付加ジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールF型エチレンオキサイド付加ジ(メタ)アクリレート、水添ビスフェノールA型エチレンオキサイド付加ジ(メタ)アクリレート、水添ビスフェノールF型エチレンオキサイド付加ジ(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ノニルフェノールEO付加物(メタ)アクリレート、パラクミルフェノールEO変性(メタ)アクリレート等の前記式(1)の構造と、フェノール、ビスフェノールまたはアルキルフェノール構造とを有する(メタ)アクリレートが挙げられる。
【0038】
炭素数5〜10の環状構造を有する(B)成分の市販品としては、ライトエステルPO、BP−2EM、ライトアクリレートPO―A、P―200A、NP―4EA、NP―8EA、BP−4EA、BP−4PA(以上、共栄社化学(株)製)、PHE、PHE―2、NP―2、NP−4、N−177E、BPE―4、BPE―10、BPE―20、HBPE―4、BPEM―10(以上、第一工業製薬(株)製)、アロニックスM−101、M−102、M−110、M−111、M−113、M−117、M−208、M−210(以上、東亜合成(株)製)、V#192、V#700(以上、大阪有機化学工業(株)製)、KAYARAD R−551、R−712、SR−339A、SR−504、SR−349、SR−601、SR−602、SR−348、SR−480、SR−9036(以上、日本化薬(株)製)等が挙げられる。
【0039】
また、ガラス転移温度が上昇しすぎると界面剥離性が上昇し、密着力が低下するので、上記式(1)の構造と炭素数5〜10の環状構造を有する(B)成分以外に、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、EO変性2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート等のアルコキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレートまたはトリメチロールプロパンEO付加トリ(メタ)アクリレートを用いると、良好な塗膜が得られる。ポリエチレングリコールジアクリレートを用いると、特に良好な塗膜が得られる。
【0040】
上記、(メタ)アクリレートの市販品としては、ライトエステルMC、130MA、2EG、MTG、3EG、4EG、9EG、14EG、ライトアクリレートEC−A、MTG−A、130A、3EG−A、4EG−A、9EG−A、14EG−A、TMP−6EO−3A、EHDG−A(以上、共栄社化学(株)製)、V−MTG、V#190、V#335HP、V#360(以上、大阪有機化学工業(株)製)、アロニックスM−120、M−240、M−245、M−350、M−360(以上、東亜合成(株)製)、ME−3、EH−2、PE−200、PE−300、PE−400、PE−600、TMP−3、MPEM−400、PEM−200(以上、第一工業製薬(株)製)、KAYARAD PEG400DA、SR−256、SR−230、SR−259、SR−268、SR−272、SR−344、SR−610、SR−454、SR−205、SR−209、SR−210、SR−231E、SR−252(以上、日本化薬(株)製)等が挙げられる。
【0041】
本発明の放射線硬化型樹脂組成物には、成分(A)および(B)以外に不飽和重合性化合物を加えることができる。このような、重合性化合物としては、例えばN−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタム等のビニル基含有ラクタム、イソボルニル(メタ)アクリレート、ボルニル(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート等の脂環式構造含有(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、4−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、アクリロイルモルホリン、ビニルイミダゾール、ビニルピリジン等が挙げられる。さらに、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、アミル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ウンデシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、メトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ジアセトン(メタ)アクリルアミド、イソブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、t−オクチル(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、7−アミノ−3,7−ジメチルオクチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、ヒドロキシブチルビニルエーテル、ラウリルビニルエーテル、セチルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル等が挙げられる。
【0042】
不飽和重合性化合物の例として、多官能化合物を挙げることもできる。このような、不飽和重合性多官能化合物としては、例えばトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリス(2−ヒドキシエチル)イソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのプロピレンオキサイドの付加体のジオールのジ(メタ)アクリレート、水添ビスフェノールAのプロピレンオキサイドの付加体のジオールのジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのジグリシジルエーテルに(メタ)アクリレートを付加させたエポキシ(メタ)アクリレート等が挙げられる。また、市販品としては、例えばユピマーUV SA1002、SA2007(以上、三菱化学(株)製);KAYARAD R−604、DPCA−20、−30、−60、−120、HX−620、D−310、D−330(以上、日本化薬(株)製);アロニックス M−210、M−215、M−315、M−325(以上、東亜合成(株)製)等が挙げられる。
【0043】
本発明で使用される光開始剤、光増感剤としては、例えば1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、キサントン、フルオレノン、ベンズアルデヒド、フルオレン、アントラキノン、トリフェニルアミン、カルバゾール、3−メチルアセトフェノン、4−クロロベンゾフェノン、4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、ミヒラーケトン、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンジルジメチルケタール、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、チオキサントン、ジエチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルホリノ−プロパン−1−オン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、ビス−(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルフォスフィンオキシド;IRGACURE 184、261、369、500、651、819、907、1700、1750、1850、CGI−403、Darocure 953、1116、1173、1664、2273、2959(以上、チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製); Lucirin TPO―X(BASF社製);ユベクリル P36(UCB社製)等が挙げられる。また、光増感剤としては、例えばトリエチルアミン、ジエチルアミン、N−メチルジエタノールアミン、エタノールアミン、4−ジメチルアミノ安息香酸、4−ジメチルアミノ安息香酸メチル、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル;ユベクリル P102、103、104、105(以上、UCB社製)等が挙げられる。
【0044】
これらの光開始剤は、全組成中に0.01〜10重量%、特に0.01〜5重量%配合するのが好ましい。
【0045】
本発明の放射線硬化性樹脂組成物には、前記の成分以外に、必要に応じて本発明の放射線硬化性樹脂組成物の特性を損なわない範囲で硬化性の他のオリゴマー、ポリマー、反応性希釈剤、その他の添加剤等を配合することができる。
【0046】
硬化性の他のオリゴマー、ポリマーとしては、例えばポリエステル(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリアミド(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロイルオキシ基を有するシロキサンポリマー、グリシジルメタアクリレートとそのほかのビニルモノマーとの共重合体とアクリル酸を反応させて得られる反応性ポリマー等が挙げられる。
【0047】
また、上記成分以外に各種添加剤、例えば着色剤、紫外線吸収剤、光安定剤、シランカップリング剤、熱重合禁止剤、レベリング剤、界面活性剤、保存安定剤、可塑剤、滑剤、溶媒、フィラー、老化防止剤、濡れ性改良剤、塗面改良剤等を必要に応じて配合することができる。ここで、紫外線吸収剤としては、例えばTinuvin P、234、320、326、327、328、329、213(以上、チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製)、Seesorb 102、103、501、202、712、704(以上、シプロ化成(株)製)等が挙げられ;光安定剤としては、例えばTinuvin 292、144、622LD(以上、チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)(株)製)、サノールLS770(三共(株)製)、Sumisorb TM−061(住友化学(株)製)等が挙げられ;シランカップリング剤としては、例えばγ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メタアクリロキシプロピルトリメトキシシラン、市販品として、SH6062、6030(以上、東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製)、KBE 903、603、403(以上、信越化学(株)製)等が挙げられる。
【0048】
本発明の放射線硬化性樹脂組成物には、前記の成分以外に、必要に応じて本発明の放射線硬化性樹脂組成物の特性を損なわない範囲で顔料を配合することができる。顔料の配合によって着色させ、用途に合わせて、色を変えることで、硬化物同士を区別することができる。
【0049】
また、本発明の放射線硬化性樹脂組成物の粘度は、通常50〜20000mPa・s/25℃であり、50〜10000mPa・s/25℃が好ましい。そして、本発明の放射線硬化性樹脂組成物は、放射線硬化型インキ材によって被覆された基材に対するコート材、接着剤、結合材として有用であるが、光ファイバー着色素線のテープ材として使用した場合には、硬化後のヤング率が5〜1500MPa/23℃となることが好ましく、さらに好ましくは10〜500MPa/23℃であり、特に好ましいのは、10〜100MPa/23℃である。
【0050】
なお、本発明の放射線硬化性樹脂組成物は、熱および/または放射線によって硬化されるが、ここで放射線とは、赤外線、可視光線、紫外線、X線、電子線、α線、β線、γ線等をいう。
【0051】
【実施例】
以下に本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0052】
合成例1(ウレタンアクリレートオリゴマーの合成例)
撹拌機を備えた反応容器に、トルエンジイソシアネート40.26g、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール0.24gを仕込み、これらを撹拌しながら液温度が15℃となるまで冷却した。ジブチル錫ジラウレート0.8gを添加した後、2−ヒドロキシエチルアクリレート26.84gを液温度が30℃以下になるように徐々に添加していった。添加終了後、液温度が45℃となるまで加温し、45℃となってから1時間反応させた。続いて、数平均分子量が1000のポリプロピレングリコール932.9gを添加し、液温度約60℃にて撹拌し、反応させた。残留イソシアネート基濃度が0.1重量%以下になった時を反応終了とし、分子量1580のウレタンアクリレートオリゴマーを得た(これをUA−1とする)。
【0053】
合成例2(ウレタンアクリレートオリゴマーの合成例)
撹拌機を備えた反応容器に、イソフォロンジイソシアネート95.06g、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール0.24gを仕込み、これらを撹拌しながら液温度が15℃となるまで冷却した。ジブチル錫ジラウレート0.8gを添加した後、2−ヒドロキシエチルアクリレート49.66gを液温度が30℃以下になるように徐々に添加していった。添加終了後、液温度が45℃となるまで加温し、45℃となってから1時間反応させた。続いて、数平均分子量が4000のポリプロピレングリコール855.29gを添加し、液温度約60℃にて撹拌し、反応させた。残留イソシアネート基濃度が0.1重量%以下になった時を反応終了とし、分子量4680のウレタンアクリレートオリゴマーを得た(これをUA−2とする)。
【0054】
実施例1〜7、比較例1〜4
撹拌機を備えた反応容器に表に示す配合比(重量比)で化合物を仕込み、均一な溶液になるまで液温度50℃で撹拌し、実施例および比較例の組成物を得た。
撹拌機を備えた反応容器に、表1に示す組成の各成分を加えた後、50℃で1時間撹拌混合して、実施例1〜7および比較例1〜4の塗膜用組成物を調製した。表1における各成分は以下の通りである。表中の成分の配合量は重量部である。
(B)成分
ビスフェノールA型エチレンオキサイド変性ジアクリレート(市販品:ビスコート#700、大阪有機化学工業(株)製)
テトラエチレングリコールジアクリレート(市販品:ライトアクリレート4EGA、共栄社化学(株)製)
ノナエチレングリコールジアクリレート(市販品:ライトアクリレート9EGA、共栄社化学(株)製)
フェノキシテトラエチレングリコールアクリレート(市販品:アロニックスM−102、東亜合成(株)製)、
(その他の成分)
ラウリルアクリレート(市販品:LA、大阪有機化学工業(株)製)
トリシクロデカンジメチロールジアクリレート(市販品:ユピマーSA−1002、三菱油化(株)製)
ポリエチレングリコールジメタクリレート(市販品:PEM−1000、第一工業製薬(株)製) 本品のポリエチレングリコール部分は、平均分子量1000であり、平均エチレングリコール構造単位数約23に相当する。
2,2−チオ−ジエチレンビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート(市販品:Irganox1035、チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製)
2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン(市販品:Darocur1173、チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製)
1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(市販品:Irgacure184、チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製)
2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルホリノ−プロパン−1−オン(市販品:Irgacure907、チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製)
次に、上記のようにして調製された組成物(実施例1〜7および比較例1〜4)を用いて、各組成物の基材との密着性、表面特性を以下のようにして測定、評価した。
【0055】
(密着力評価方法)
スライドガラス上にUVインキ(T&K TOKA製ベストキュアーF)をスピンコーターにより塗布し、3.5kWメタルハライドランプ(オーク社製SMX−3500/F−OS)を用いて窒素雰囲気下で0.1J/cm2の紫外線を照射し、厚さ約20μm厚の硬化フィルムを得た。この硬化フィルム上に本発明による樹脂液を同じくスピンコーターにより塗布し、3.5kWメタルハライドランプ(オーク社製SMX−3500/F−OS)を用いて空気雰囲気下で0.5J/cm2の紫外線を照射し、厚さ約50μm厚の硬化フィルムを得た。1cm幅に短冊を切り出し、JIS K6854に準拠し、90度剥離試験を実施した。UVインキから本発明による樹脂を剥がすことによって密着力を測定した。引っ張り速度は5mm/minとした。
【0056】
(表面性評価方法)
ガラス上に本発明による樹脂液を塗布し、液状組成物を254μm厚のアプリケーターを用いてスライドガラス上に塗布し、3.5kWメタルハライドランプ(オーク社製SMX−3500/F−OS)を用いて窒素雰囲気下で0.005J/cm2の紫外線を照射し、厚さ約130μmの硬化フィルムを得た。指触によりタックの有無を確認した。タックがなくなるまで5mJ/cm2の紫外線照射を繰り返した。この繰り替えし数が少ないものほど表面性が良好とした。
【0057】
上記の評価を行った結果を表1に示す。この結果から、必須成分である(A)成分の含有量が10〜50重量%であり、(B)成分の含有量が50〜90重量%である実施例1〜7は、UVインキに対する密着力、表面特性において良好な結果を示した。一方、本発明で必須な(A)成分の含有率の低い比較例1では密着性が悪かった。また(B)成分の含有率の低い比較例2ではいずれも表面特性が悪かった。また(B)成分の要件を満たさないメタクリレートを使用した比較例4では表面特性が悪かった。
【0058】
【表1】
【0059】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の放射線硬化性樹脂組成物により得られる硬化物は、放射線硬化型インキ材によって被覆された基体に対し、良好な接着剤、密着性を有し、なおかつ表面特性に優れるため、放射線硬化型コート材、接着剤、結合材として有用である。
Claims (7)
- 次の成分(A)および(B):
(A)ウレタン(メタ)アクリレート 10〜50重量%、
(B)(A)以外で、下記一般式(1)
−(CH2CH2O)n− (1)
(式中、nは1から14を示す)
の構造単位を有し、その構造単位の繰り返し数が1から14である(メタ)アクリレート 50〜90重量%、
を含有することを特徴とする放射線硬化型樹脂組成物。 - (A)成分の平均分子量が500〜5000である請求項1記載の放射線硬化型樹脂組成物。
- (B)成分の含有量が60〜90重量%である請求項1記載の放射線硬化型樹脂組成物。
- (B)成分が二種以上の化合物である請求項1または2記載の放射線硬化型樹脂組成物。
- (B)成分の一種以上の化合物が炭素数5〜10の環状構造を有するものである放射線硬化型樹脂組成物。
- (B)成分の一種以上の化合物がポリエチレングリコールジアクリレートである放射線硬化型樹脂組成物。
- 請求項1〜6のいずれか1項記載の放射線硬化型樹脂組成物を含有するコート材、接着剤または結合材。
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