JP4074560B2 - 液状硬化性樹脂組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、各種被覆材、特に光ファイバ用被覆材として好適な液状硬化性樹脂組成物に関し、さらに詳細には、硬化後の表面の摩擦力、貼り付き性とも低い良好な硬化表面を与える液状硬化性樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
光ファイバは、ガラスを熱溶融紡糸して得たガラスファイバに、保護補強を目的として樹脂を被覆して製造されている。この樹脂被覆ファイバとしては、ガラスファイバの表面にまず柔軟な第一次の被覆層を設け、その外側に剛性の高い第二次の被覆層を設けた光ファイバ素線、複数の光ファイバ素線を結束材料で固めたテープ状光ファイバや光ファイバケーブル、光ファイバ素線にさらに被覆層を施すことにより取り扱いやすい太さにした光ファイバコード等が知られている。また、光ファイバ素線、テープ状光ファイバ、光ファイバコード等を集合した構造の光ファイバケーブルもよく知られている。ガラスファイバへの樹脂被覆方法としては、ガラスファイバに液状硬化性樹脂組成物を塗布し、熱または放射線、特に紫外線により硬化させる方法が広く用いられている。
【0003】
これらの被覆材には、ポリエーテルポリオールとポリイソシアネートと水酸基含有(メタ)アクリレートを反応して得られるウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー(以下、「ポリエーテル系ウレタン(メタ)アクリレート」という。)からなる液状硬化性樹脂組成物が広く使用されている。中でもポリエーテル系ウレタン(メタ)アクリレートと、ポリイソシアネートと水酸基含有(メタ)アクリレートを反応して得られる1種以上のウレタン(メタ)アクリレートとを併用した液状硬化性樹脂組成物は、モノマー等の揮発性が高い成分の含有量を少なくできることから、これらの液状硬化性樹脂組成物を取り扱う際の作業環境上優れているだけでなく、液保存安定性に優れ被覆材料として好適である等の良好な特性を示すことが知られている(特許文献1)。
【0004】
しかしながら、これらのポリエーテル系ウレタン(メタ)アクリレートと、ポリイソシアネートと水酸基含有(メタ)アクリレートを反応して得られる1種以上のウレタン(メタ)アクリレートとを併用した液状硬化性樹脂組成物は、硬化時に雰囲気中の酸素の影響を受けやすく、酸素が混入した際に硬化表面の摩擦係数が大きくなる、または、貼り付き力が大きくなる等、表面性が悪化する傾向がある。このため、光ファイバ素線、テープ状光ファイバ等の生産工程において、ボビンへの巻き取りや巻き替え時に、巻きが乱れる、貼り付く等の問題があった。
光ファイバテープ等の表面滑り性を改善する方法としては、ウレタン(メタ)アクリレートを主成分とする液状硬化性樹脂組成物に変性シリコーンを添加する技術が知られている(特許文献2、3、4)が、いずれも上述のような性質の異なる複数種類のウレタン(メタ)アクリレートの併用系ではないため、液保存安定性に欠ける欠点があるほか、比較的高価なフッ素系変性シリコーンを要する等の欠点があった。また、性質の異なる複数種類のウレタン(メタ)アクリレートの併用系であっても、従来の変性シリコーンを添加する技術では、樹脂液の外観を損ねる欠点があった。
【0005】
【特許文献1】
特開平11−302329号公報
【特許文献2】
特開平11−5944号公報
【特許文献3】
特開2001−261923号公報
【特許文献4】
特開平10−77421号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、硬化後の表面の摩擦力、貼り付き性とも低く良好な硬化表面を与え、各種被覆材、特に光ファイバ用被覆材として好適な液状硬化性樹脂組成物を得ることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、ポリエーテルポリオールとポリイソシアネートと水酸基含有(メタ)アクリレートを反応して得られるウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー、ポリイソシアネートと水酸基含有(メタ)アクリレートを反応して得られる1種以上のウレタン(メタ)アクリレート、重合性モノマー、及び変性シリコーンを所定量含有する液状硬化性樹脂組成物により上記課題を解決することを見いだし、本発明を完成した。
【0008】
すなわち、本発明は、下記成分(A)、(B)、(C)及び(D):
(A)ポリエーテルポリオールとポリイソシアネートと水酸基含有(メタ)アクリレートを反応して得られるポリエーテル系ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー 25〜70重量%、
(B)ポリイソシアネートと水酸基含有(メタ)アクリレートを反応して得られるウレタン(メタ)アクリレート 5〜50重量%、
(C)重合性モノマー 5〜50重量%、
(D)変性シリコーン 0.1〜5重量%
を含有する液状硬化性樹脂組成物である。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の液状硬化性樹脂組成物に使用される(A)成分は、(a1)ポリエーテルポリオールと(a2)ポリイソシアネートと(a3)水酸基含有(メタ)アクリレートを反応して得られるポリエーテル系ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーである。
(a1)ポリエーテルポリオールとしては、例えばエチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブテン−1−オキシド、イソブテンオキシド、3,3−ビスクロロメチルオキセタン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、3−メチルテトラヒドロフラン、ジオキサン、トリオキサン、テトラオキサン、シクロヘキセンオキシド、スチレンオキシド、エピクロルヒドリン、グリシジルメタクリレート、アリルグリシジルエーテル、アリルグリシジルカーボネート、ブタジエンモノオキシド、イソプレンモノオキシド、ビニルオキセタン、ビニルテトラヒドロフラン、ビニルシクロヘキセンオキシド、フェニルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、安息香酸グリシジルエステルなどのイオン重合性環状化合物を開環重合により得られるポリオールを挙げることができる。この際、2種以上のイオン重合性環状化合物からなる共重合体を用いてもよく、この場合、ポリオールにおける各構造単位の重合様式は特に制限されず、ランダム重合、ブロック重合、交互重合、グラフト重合のいずれであってもよい。
【0010】
上記イオン重合性環状化合物の1種を開環重合させて得られるポリエーテルポリオールの例としては、例えばポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポリヘキサメチレングリコール、ポリヘプタメチレングリコール、ポリデカメチレングリコール等のジオール類、ポリエチレントリオール、ポリプロピレントリオール、ポリテトラメチレントリオール等のトリオール類、ポリエチレンヘキサオール、ポリプロピレンヘキサオール、ポリテトラメチレンヘキサオール等のヘキサオール類等を挙げることができる。また、2種以上の上記イオン重合性環状化合物を開環共重合させて得られるポリエーテルポリオールの具体例としては、例えばテトラヒドロフランとプロピレンオキシド、テトラヒドロフランと2−メチルテトラヒドロフラン、テトラヒドロフランと3−メチルテトラヒドロフラン、テトラヒドロフランとエチレンオキシド、プロピレンオキシドとエチレンオキシド、ブテン−1−オキシドとエチレンオキシドなどの組み合わせより得られる二元共重合体;テトラヒドロフラン、ブテン−1−オキシドおよびエチレンオキシドの組み合わせより得られる三元重合体などを挙げることができる。
【0011】
さらに、上記イオン重合性環状化合物と、エチレンイミンなどの環状イミン類;β−プロピオラクトン、グリコール酸ラクチドなどの環状ラクトン酸;あるいはジメチルシクロポリシロキサン類とを開環共重合させたポリエーテルジオールを使用することもできる。
【0012】
上記ポリエーテルポリオールは、例えばPTMG650、PTMG1000、PTMG2000(以上、三菱化学(株)製)、PPG400、PPG1000、EXCENOL720、1020、2020(以上、旭オーリン(株)製)、PEG1000、ユニセーフDC1100、DC1800(以上、日本油脂(株)製)、PPTG2000、PPTG1000、PTG400、PTGL2000(以上、保土谷化学工業(株)製)、Z−3001−4、Z−3001−5、PBG2000A、PBG2000B、EO/BO4000、EO/BO2000(以上、第一工業製薬(株)製)などの市販品としても入手することができる。
さらに、例えば水添ビスフェノールAのアルキレンオキシド付加ジオール、水添ビスフェノールFのアルキレンオキシド付加ジオール、1,4−シクロヘキサンジオールのアルキレンオキシド付加ジオールなどが挙げられ、例えばユニオールDA400、DA700、DA1000、DA4000(以上、日本油脂(株)製)などの市販品としても入手することができる。
【0013】
上記ポリエーテルポリオール化合物の内、プロピレンオキシドの開環重合により得られるポリエーテル構造を有するポリエーテルポリオールが特に好ましい。具体的には、ポリプロピレングリコール、ポリプロピレントリオール、ポリプロピレンヘキサオール、および、プロピレンオキシドとテトラヒドロフラン、プロピレンオキシドとエチレンオキシド、プロピレンオキシドとブチレンオキシドの二元共重合体が好ましい。その数平均分子量は400以上、さらには1,000以上であるものが好ましく、上限は20,000までのものが好ましい。
【0014】
(a2)ポリイソシアネート化合物としては、例えば、芳香族ポリイソシアネート、脂環族ポリイソシアネート、脂肪族ポリイソシアネート等が挙げられる。
芳香族ポリイソシアネートとして、例えば、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、1,3−キシリレンジイソシアネート、1,4−キシリレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、3,3'−ジメチル−4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネート、3,3'−ジメチルフェニレンジイソシアネート、4,4'−ビフェニレンジイソシアネート、ビス(2−イソシアネートエチル)フマレート、6−イソプロピル−1,3−フェニルジイソシアネート、4−ジフェニルプロパンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート等が挙げられる。
【0015】
脂環族ポリイソシアネートとして、例えば、イソフォロンジイソシアネート、メチレンビス(4−シクロヘキシルイソシアネート)、水添ジフェニルメタンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、2,5−ビス(イソシアネートメチル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、2,6−ビス(イソシアネートメチル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン等が挙げられる。
【0016】
脂肪族ポリイソシアネートとして、例えば、1,6−ヘキサンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、等が挙げられる。このうち、2,4−トリレンジイソシアネート、イソフォロンジイソシアネートが特に好ましい。
これらのポリイソシアネートは単独で用いても、2種以上併用しても良い。
【0017】
(a3)水酸基含有(メタ)アクリレートとしては、特に限定されないが、水酸基が第一級炭素に結合した水酸基含有(メタ)アクリレート、および、水酸基が第二級炭素に結合した水酸基含有(メタ)アクリレートを用いることが好ましい。水酸基が第三級炭素に結合した水酸基含有(メタ)アクリレート(第三水酸基含有(メタ)アクリレートという。)は、イソシアネート基との反応性に劣るため好ましくない。
【0018】
水酸基が第一級炭素に結合した水酸基含有(メタ)アクリレートとしては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールモノ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールモノ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタンジ(メタ)アクリレート、および下記式(2)で表される(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0019】
【化2】
【0020】
(式中、R1は水素原子またはメチル基を示し、n1は1〜3の数を示す)
【0021】
水酸基が第二級炭素に結合した水酸基含有(メタ)アクリレートとしては、例えば、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェニルオキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシシクロヘキシル(メタ)アクリレート、等が挙げられ、また、アルキルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、グリシジル(メタ)アクリレート等のグリシジル基含有化合物と、(メタ)アクリル酸との付加反応により得られる化合物が挙げられる。
【0022】
水酸基含有(メタ)アクリレートの一部を、イソシアネート基に付加しうる官能基を持った化合物で置き換えて用いることもできる。例えば、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシランなどを挙げることができる。これらの化合物を使用することにより、ガラス等の基材に対する良好な密着性を得ることができる。
【0023】
ポリエーテル系ウレタン(メタ)アクリレートを製造するとき、ポリエーテルポリオール化合物、ポリイソシアネート化合物および水酸基含有(メタ)アクリレートのそれぞれの使用割合は、ポリオール化合物に含まれる水酸基1当量に対して、ポリイソシアネート化合物に含まれるイソシアネート基が1.1〜2当量、水酸基含有(メタ)アクリレートの水酸基が0.1〜2当量の範囲で、かつ、イソシアネート基に対して、ポリオール化合物および水酸基含有(メタ)アクリレートに含まれる水酸基が当量ないし水酸基が小過剰となる割合で反応させるのが好ましい。例えば、ポリオール化合物に含まれる水酸基1当量に対して、ポリイソシアネート化合物に含まれるイソシアネート基が2当量、水酸基含有(メタ)アクリレートの水酸基が1当量で反応させることが望ましい。
【0024】
ポリエーテルポリオール化合物、ポリイソシアネート化合物および水酸基含有(メタ)アクリレートを反応させてポリエーテル系ウレタン(メタ)アクリレートを製造する方法は特に制限されないが、例えば次の(1)〜(4)の方法に従って行われる。
(1)ポリエーテルポリオール化合物、ポリイソシアネート化合物および水酸基含有(メタ)アクリレート化合物を一括して仕込んで反応させる方法。
(2)ポリエーテルポリオール化合物およびポリイソシアネート化合物を反応させ、次いで水酸基含有(メタ)アクリレート化合物を反応させる方法。
(3)ポリイソシアネート化合物および水酸基含有(メタ)アクリレート化合物を反応させ、次いでポリエーテルポリオール化合物を反応させる方法。
(4)ポリイソシアネート化合物および水酸基含有(メタ)アクリレート化合物を反応させ、次いでポリエーテルポリオール化合物を反応させ、最後にまた水酸基含有(メタ)アクリレート化合物を反応させる方法。
【0025】
本発明の液状硬化性樹脂組成物中の(A)成分の含量は、組成物全量に対して、通常25〜70重量%であり、好ましくは25〜40重量%である。(A)成分の含量が25〜70重量%であると、液保存安定性において優れている。
【0026】
本発明の液状硬化性樹脂組成物に使用される(B)成分は、ポリイソシアネートと水酸基含有(メタ)アクリレートを反応して得られるウレタン(メタ)アクリレートである。具体的には、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートと2,4−トリレンジイソシアネート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートとイソフォロンジイソシアネート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートと2,4−トリレンジイソシアネート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートとイソフォロンジイソシアネートのそれぞれ2モル:1モルの反応物等を挙げることができる。これらの(B)成分のウレタン(メタ)アクリレートは2種以上を組み合わせて使用することができる。すなわち、(B)成分のウレタン(メタ)アクリレートを製造するときは、ポリイソシアネート化合物に含まれるイソシアネート基が1当量に対して水酸基含有(メタ)アクリレートの水酸基を1当量で反応させることが望ましい。
【0027】
ポリイソシアネートと水酸基含有(メタ)アクリレートを反応して得られるウレタン(メタ)アクリレートを2種以上併用する際は、それぞれを別個に製造した後混合しても良いが、2種以上のポリイソシアネートと1種の水酸基含有(メタ)アクリレートを同時に反応させる、または、1種のポリイソシアネートと2種以上の水酸基含有(メタ)アクリレートを同時に反応させる、または、2種以上のポリイソシアネートと2種以上の水酸基含有(メタ)アクリレートを同時に反応させることにより一括製造することもできる。
【0028】
これらの反応においては、ナフテン酸銅、ナフテン酸コバルト、ナフテン酸亜鉛、ジブチル錫ジラウレート、トリエチルアミン、1,4−ジアザビシクロ〔2.2.2〕オクタン、2,6,7−トリメチル−1,4−ジアザビシクロ〔2.2.2〕オクタン等から選ばれるウレタン化触媒を、反応物の総量に対して0.01〜1重量%を用いるのが好ましい。また、反応温度は、通常5〜90℃、特に10〜80℃で行うのが好ましい。
【0029】
本発明の液状硬化性樹脂組成物中の(B)成分の含量は、組成物全量に対して、通常5〜50重量%であり、好ましくは20〜45重量%である。(B)成分の含量が5〜50重量%であると、液保存安定性において優れている。
【0030】
本発明の液状硬化性樹脂組成物に使用される(C)成分は、重合性モノマーである。(C)重合性モノマーとしては、(C1)単官能性化合物と(C2)多官能性化合物が挙げられる。
(C1)単官能性化合物としては、例えばN−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタム等のビニル基含有ラクタム、イソボルニル(メタ)アクリレート、ボルニル(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート等の脂環式構造含有(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、4−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロイルモルホリン、ビニルイミダゾール、ビニルピリジン等が挙げられる。さらに、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ウンデシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、メトキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ジアセトン(メタ)アクリルアミド、イソブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、t−オクチル(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、7−アミノ−3,7−ジメチルオクチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、ヒドロキシブチルビニルエーテル、ラウリルビニルエーテル、セチルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテルを挙げることができる。
【0031】
上記の重合性モノマーの単官能性化合物の市販品として、アロニックスM111、M113、M114、M117(以上、東亞合成(株)製);KAYARAD、TC110S、R629、R644(以上、日本化薬(株)製);IBXA、ビスコート3700(大阪有機化学工業(株)製)等が挙げられる。
【0032】
また(C2)多官能性化合物としては、例えばトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリオキシエチル(メタ)アクリレート、トリス(2−ヒドキシエチル)イソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのエチレンオキサイドまたはプロピレンオキサイド付加体ジオールのジ(メタ)アクリレート、水添ビスフェノールAのエチレンオキサイドまたはプロピレンオキサイド付加体ジオールのジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのジグリシジルエーテルに(メタ)アクリレートを付加させたエポキシ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジビニルエーテル等が挙げられる。また、市販品としては、例えばユピマーUV SA1002、SA2007(以上、三菱化学(株)製);ビスコート700(大阪有機化学工業(株)製);KAYARAD R−604、DPCA−20、−30、−60、−120、HX−620、D−310、D−330(以上、日本化薬(株)製);アロニックスM−210、M−215、M−315、M−325(以上、東亞合成(株)製)等が挙げられる。
【0033】
本発明の液状硬化性樹脂組成物中における重合性モノマーの含有量は、組成物全量に対して、好ましくは5〜50重量%、さらに好ましくは10〜30重量%である。
上記範囲の場合、塗工性および硬化速度が適度に維持され、硬化物の靭性も適切で、しかも硬化収縮率も低く優れている。
【0034】
本発明の液状硬化性樹脂組成物に使用される(D)成分は、変性シリコーンである。(D)変性シリコーンとしてはポリエーテル変性シリコーン、アルキル変性シリコーン、アルキルアラルキルポリエーテル変性シリコーン等が用いられる。これらの中ではポリエーテル変性シリコーンが好ましく、中でもポリエーテル変性シリコーンの少なくとも一部が、下記式(1)で表される構造を構成単位として有するポリジメチルシロキサン誘導体が特に好ましい。
【0035】
【化3】
【0036】
(式中、xは1〜120、yは1〜70、zは1〜50、mは1〜200、nは1〜500である。)
【0037】
(D)成分の市販品としては、BYK UV3510(ビックケミー・ジャパン株式会社製、ジメチルポリシロキサン−ポリオキシアルキレン共重合体)、DC57(東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社製、ジメチルポリシロキサン−ポリオキシアルキレン共重合体)等を挙げることができる。
【0038】
(D)変性シリコーンの数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法により求めたポリスチレン換算分子量として、好ましくは1000〜100000、より好ましくは5000〜50000、特に好ましくは8000〜12000である。この分子量範囲のポリエーテル変性シリコーンを使用することにより、樹脂液との相溶性と表面性を改良することができる。
【0039】
本発明の液状硬化性樹脂組成物中の(D)成分の含量は、組成物全量に対して、通常0.1〜5重量%であり、好ましくは0.3〜3重量%である。(D)成分の含量が0.1〜5重量%であると、液保存安定性において優れている。
【0040】
本発明の液状硬化性樹脂組成物には、必要に応じて(E)重合開始剤を加えることができる。重合開始剤としては、硬化方法に応じて熱重合開始剤または放射線重合開始剤等を用いることができる。
本発明の液状硬化性樹脂組成物を熱硬化させる場合には、過酸化物、アゾ化合物等の熱重合開始剤が用いることができる。具体的には、例えばベンゾイルパーオキサイド、t−ブチル−オキシベンゾエート、アゾビスイソブチロニトリル等が挙げられる。
【0041】
また、本発明の液状硬化性樹脂組成物を放射線硬化させる場合には、放射線重合開始剤を用いることができる。光硬化を例に取れば、光重合開始剤を用いることができ、必要に応じて、さらに光増感剤を添加することができる。
ここで、光重合開始剤としては、例えば1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、キサントン、フルオレノン、ベンズアルデヒド、フルオレン、アントラキノン、トリフェニルアミン、カルバゾール、3−メチルアセトフェノン、4−クロロベンゾフェノン、4,4'−ジメトキシベンゾフェノン、4,4'−ジアミノベンゾフェノン、ミヒラーケトン、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンジルジメチルケタール、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、チオキサントン、ジエチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルホリノ−プロパン−1−オン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、ビス−(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルフォフフィンオキシド;IRGACURE184、369、651、500、907、CGI1700、CGI1750、CGI1850、CG24−61、DAROCUR1116、1173(以上、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製);LUCIRIN LR8728(BASF社製);ユベクリルP36(UCB社製)等が挙げられる。
【0042】
光増感剤としては、例えばトリエチルアミン、ジエチルアミン、N−メチルジエタノールアミン、エタノールアミン、4−ジメチルアミノ安息香酸、4−ジメチルアミノ安息香酸メチル、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル;ユベクリルP102、103、104、105(以上、UCB社製)等が挙げられる。
【0043】
(E)重合開始剤は、本発明の液状硬化性樹脂組成物中に、組成物全体に対して、0.1〜10重量%、特に0.3〜7重量%配合するのが好ましい。
【0044】
本発明の液状硬化性樹脂組成物には、さらに微粒子を含有しても良い。ただし、添加した微粒子を含む構造体の数については、液状硬化性樹脂組成物およびその硬化物の内部に存在する長さ5μm以上の構造体が5個/mm3以下、好ましくは2μm以上の構造体が5個/mm3以下、さらに好ましくは1μm以上の構造体が5個/mm3以下でなければならない。
【0045】
また、上記成分以外に各種添加剤、例えば酸化防止剤、着色剤、紫外線吸収剤、光安定剤、シランカップリング剤、熱重合禁止剤、レベリング剤、界面活性剤、保存安定剤、可塑剤、滑剤、溶媒、老化防止剤、濡れ性改良剤、塗面改良剤等を必要に応じて配合することができる。
ここで、酸化防止剤としては、例えばIRGANOX1010、1035、1076、1222(以上、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)、ANTIGENE P、3C、FR、GA−80(住友化学工業(株)製)等が挙げられる。
紫外線吸収剤としては、例えばTINUVIN P、234、320、326、327、328、329、213(以上、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)、Seesorb102、103、501、202、712、704(以上、シプロ化成(株)製)等が挙げられる。
【0046】
光安定剤としては、例えばTINUVIN 292、144、622LD(以上、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)、サノールLS770(三共(株)製)、TM−061(住友化学工業(株)製)等が挙げられる。
シランカップリング剤としては、例えばγ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メタアクリロキシプロピルトリメトキシシラン、市販品として、SH6062、6030(以上、東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製)、KBE903、603、403(以上、信越化学工業(株)製)等が挙げられる。
【0047】
本発明の液状硬化性樹脂組成物には、前記の添加剤以外にも、必要に応じて本発明の組成物の特性を損なわない範囲で他のオリゴマー、ポリマー、その他の添加剤等を配合することができる。また、本発明の液状硬化性樹脂組成物には、通常、実質的な量の非重合性希釈剤を含有しない。
他のオリゴマー、ポリマーとしては、例えばポリエステル(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリアミド(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロイルオキシ基を有するシロキサンポリマー、グリシジル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0048】
本発明の液状硬化性樹脂組成物は、物品の表面に塗布し、紫外線、可視光線、赤外線、電子線等の放射線を照射、および/または、加熱することで、短時間で硬化物を形成できる。放射線として好ましいものは、紫外線である。
本発明の組成物を用いてガラスファイバを被覆する場合、光学ガラス母材を、例えば1〜25m/秒の速度で線引きし、これにプライマリーコーティング剤を被覆し、紫外線照射により硬化し、次いでセカンダリコーティング材を被覆し、硬化させることで紫外線照射による硬化は、通常、低圧または高圧水銀灯、キセノン灯等を用いた紫外線照射により行う。
この際に、本発明の液状硬化性樹脂組成物をセカンダリコーティング剤として用いることで、表面の摩擦が小さく、相互の貼り付き性も小さい素線を得ることができる。また、複数本の光ファイバを束ねる光ファイバテープ用被覆材(テープの結束材)としても好適である。
【0049】
【実施例】
以下に本発明を実施例による具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0050】
[成分(A)の合成例1]
撹拌機を備えた反応容器に、2,4−トリレンジイソシアネート28.3g、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール0.02g、ジブチル錫ジラウレート0.08g、フェノチアジン0.008gを仕込み、これらを撹拌しながら液温度が20℃になるまで冷却した。2−ヒドロキシエチルアクリレート18.9gを液温度が25℃以下になるように制御しながら滴下した後、室温にて1時間撹拌、反応させた。その後、数平均分子量1000のポリプロピレングリコール81.2gを添加し、液温度約60℃で撹拌、反応させた。残留イソシアネートが0.1重量%以下になった時点を反応終了とし、数平均分子量が1580のポリエーテル系ウレタンアクリレートを得た。これをポリエーテル系ウレタンアクリレート(UA−a1)とする。
【0051】
[成分(B)の合成例1]
撹拌機を備えた反応容器に、2,4−トリレンジイソシアネート42.9g、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール0.02g、ジブチル錫ジラウレート0.08g、フェノチアジン0.008gを仕込み、これらを撹拌しながら液温度が20℃になるまで冷却した。2−ヒドロキシエチルアクリレート57.1gを液温度が25℃以下になるように制御しながら滴下した後、室温にて1時間撹拌、反応させた。残留イソシアネートが0.1重量%(全内容物に対する量;以下同じ)以下になった時点を反応終了とし、ポリオール構造を含有しないウレタンアクリレートを得た。これをウレタンアクリレート(UA−b1)とする。
【0052】
[成分(B)の合成例2]
撹拌機を備えた反応容器に、2,4−トリレンジイソシアネート42.9g、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール0.02g、ジブチル錫ジラウレート0.08g、フェノチアジン0.008gを仕込み、これらを撹拌しながら液温度が20℃になるまで冷却した。2−ヒドロキシエチルアクリレート27.6gを液温度が25℃以下になるように制御しながら滴下した後、室温にて1時間撹拌、反応させた。さらに2−ヒドロキシプロピルアクリレート30.9gを添加し、液温度約60℃で撹拌、反応させた。残留イソシアネートが0.2重量%以下になった時点を反応終了とし、ポリオール構造を含有しないウレタンアクリレートを得た。これをウレタンアクリレート(UA−b2)とする。
【0053】
[成分(B)の合成例3]
撹拌機を備えた反応容器に、2,4−トリレンジイソシアネート40.1g、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール0.02g、ジブチル錫ジラウレート0.08g、フェノチアジン0.008gを仕込み、これらを撹拌しながら液温度が20℃になるまで冷却した。2−ヒドロキシエチルアクリレート26.7gを液温度が25℃以下になるように制御しながら滴下した後、室温にて1時間撹拌、反応させた。さらに4−ヒドロキシブチルアクリレート33.2gを添加し、液温度約60℃で撹拌、反応させた。残留イソシアネートが0.1重量%以下になった時点を反応終了とし、ポリオール構造を含有しないウレタンアクリレートを得た。これをウレタンアクリレート(UA−b3)とする。
【0054】
[成分(B)の合成例4]
撹拌機を備えた反応容器に、イソフォロンジイソシアネート46.1g、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール0.02g、ジブチル錫ジラウレート0.08g、フェノチアジン0.008gを仕込み、これらを撹拌しながら液温度が20℃になるまで冷却した。2−ヒドロキシエチルアクリレート24.1gを液温度が30℃以下になるように制御しながら滴下した後、室温にて1時間撹拌、反応させた。さらに2−ヒドロキシプロピルアクリレート29.9gを添加し、液温度約60℃で撹拌、反応させた。残留イソシアネートが0.2重量%以下になった時点を反応終了とし、ポリオール構造を含有しないウレタンアクリレートを得た。これをウレタンアクリレート(UA−b4)とする。
【0055】
実施例1
撹拌機を備えた反応容器に、ポリエーテル系ウレタンアクリレート(a1)45.0g、ウレタンアクリレート(b1)15.0g、ウレタンアクリレート(b2)15.0g、イソボルニルアクリレート10.0g、N−ビニルピロリドン10.0g、重合開始剤 IRGACURE184(チバスペシャルティーケミカルズ製)3.0g、酸化防止剤IRGANOX1035(チバスペシャルティーケミカルズ製)0.3g、変性シリコーンBYK UV3510(ビックケミー・ジャパン株式会社製)2.0gを入れ、均一な溶液になるまで液温度50℃で撹拌し、液状硬化性樹脂組成物を得た。
【0056】
実施例2〜4、比較例1〜3
表1に示した組成とした以外は実施例1と同様にして、実施例2〜4及び比較例1〜3の液状硬化性樹脂組成物を得た。なお、表1中の組成は、重量部により示す。
【0057】
評価方法
[樹脂液外観]
実施例および比較例で得られた液状硬化性樹脂組成物について、23℃における樹脂液の外観を調べた。サンプルを透明サンプル瓶にとりわけ、樹脂液に濁りがあるか目視観察により判断した。
【0058】
[動摩擦係数]
実施例および比較例で得られた液状硬化性樹脂組成物について、その硬化物の動摩擦係数を測定した。液状硬化性樹脂組成物を381μm厚のアプリケーターを用いてガラス上に塗布し、3.5kWメタルハライドランプ(オーク社製SMX−3500/F−OS)を用いて空気雰囲気下で0.1J/cm2の紫外線を照射し、厚さ200μmの硬化膜を得た。ついで、動摩擦係数をJIS K 7125に準拠し、測定速度300mm/分、荷重100gにて、摩擦測定器を用いて測定した。
【0059】
[表面貼りつき力]
実施例および比較例で得られた液状硬化性樹脂組成物について、その硬化物の表面貼りつき力を測定した。液状硬化性樹脂組成物を135μm厚のアプリケーターを用いてガラス上に塗布し、3.5kWメタルハライドランプ(オーク社製SMX−3500/F−OS)を用いて空気雰囲気下で0.1J/cm2の紫外線を照射し、厚さ70μmの硬化膜を得た。ついで、この硬化膜の表面同士を張り合わせ、JIS K6854−3に準拠し、測定速度1mm/分で180度ピール試験を行い、表面貼りつき力を測定した。
【0060】
【表1】
【0061】
BYK UV3510;ビックケミー・ジャパン株式会社製、ジメチルポリシロキサン−ポリオキシアルキレン共重合体 (数平均分子量9000)
DC57;東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社製、ジメチルポリシロキサン−ポリオキシアルキレン共重合体 (数平均分子量4000)
IRGACURE 184;チバ・スペシャルティ・ケミカルズ株式会社、1−ヒドロキシ−シクロヘキシルフェニルケトン
IRGANOX 1035;チバ・スペシャルティ・ケミカルズ株式会社、2,2−チオ−ジエチレンビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]
【0062】
表1より、本発明の液状硬化性樹脂組成物は、樹脂液の外観を損ねることなく、硬化後の表面の摩擦力、貼り付き性とも低い良好な硬化表面を与えることは明らかである。
【0063】
【発明の効果】
本発明の液状硬化性樹脂組成物は、硬化後の表面の摩擦力、貼り付き性とも低い良好な硬化表面を与え、各種被覆材、特に光ファイバ用被覆材として好適である。
Claims (3)
- 下記成分(A)、(B)、(C)及び(D):
(A)ポリエーテルポリオールとポリイソシアネートと水酸基含有(メタ)アクリレートを反応して得られるポリエーテル系ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー 25〜70重量%、
(B)(b1)2,4−トリレンジイソシアネートと2−ヒドロキシエチルアクリレート、(b2)2,4−トリレンジイソシアネートと2−ヒドロキシエチルアクリレートと2−ヒドロキシプロピルアクリレート、(b3)2,4−トリレンジイソシアネートと2−ヒドロキシエチルアクリレートと4−ヒドロキシブチルアクリレート、又は(b4)イソフォロンジイソシアネートと2−ヒドロキシエチルアクリレートと2−ヒドロキシプロピルアクリレートのいずれかの反応により得られる、ポリオール構造を含有しないウレタンアクリレートから選ばれる2種 5〜50重量%、
(C)重合性モノマー 5〜50重量%、
(D)少なくとも一部が、下記式(1)で表される構造を有し、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法によるポリスチレン換算数平均分子量が8000〜12000である変性シリコーン 0.1〜5重量%
を含有する液状硬化性樹脂組成物。 - 成分(A)におけるポリエーテルポリオールが、プロピレンオキシドの開環重合体である請求項1記載の液状硬化性樹脂組成物。
- 光ファイバの二次被覆材用またはテープ材用である請求項1又は2記載の液状硬化性樹脂組成物。
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