JP2005290065A - 液状硬化性樹脂組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】 安定した高速塗布性を有する液状硬化性樹脂組成物の提供。
【解決手段】 ポリイソシアネートと1種以上の水酸基含有(メタ)アクリレートを反応して得られるポリオール構造を含有しないウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーを、全ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー100質量%中50質量%以上含有する液状硬化性樹脂組成物。
【選択図】 なし

Description

本発明は、光ファイバ被覆材として有用な液状硬化性樹脂組成物、特に安定した高速塗布性を有する液状硬化性樹脂組成物に関する。
光ファイバは、ガラスを熱溶融紡糸して得たガラスファイバに、保護補強を目的として樹脂を被覆して製造されている。この樹脂被覆ファイバとしては、ガラスファイバの表面にまず柔軟な第一次の被覆層(プライマリ層)を設け、その外側に剛性の高い第二次の被覆層(セカンダリ層)を設けた光ファイバ素線、複数の光ファイバ素線を結束材料で固めたテープ状光ファイバや光ファイバケーブル、光ファイバ素線にさらに被覆層を施すことにより取り扱いやすい太さにした光ファイバコート等が知られている。また、光ファイバ素線、テープ状光ファイバ、光ファイバコート等を集合した構造の光ファイバケーブルもよく知られている。ガラスファイバへの樹脂被覆方法としては、ダイス内をガラスファイバを通過させつつガラスファイバに液状硬化性樹脂組成物を塗布し、熱又は放射線、特に紫外線により硬化させる方法が広く用いられている。
これらの被覆材には、ポリエーテルポリオールとポリイソシアネートと水酸基含有(メタ)アクリレートを反応して得られるウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー(以下、「ポリエーテル系ウレタン(メタ)アクリレート」という。)からなる液状硬化性樹脂組成物が広く使用されている。中でもポリエーテル系ウレタン(メタ)アクリレートと、ポリイソシアネートと水酸基含有(メタ)アクリレートを反応して得られる1種以上のウレタン(メタ)アクリレートとを併用した液状硬化性樹脂組成物は、モノマー等の揮発性が高い成分の含有量を少なくできることから、これらの液状硬化性樹脂組成物を取り扱う際の作業環境上優れているだけでなく、液保存安定性に優れ被覆材料として好適である等の良好な特性を示すことが知られている(特許文献1、2)。
特開平11−302329号公報 特開2000−181359号公報
しかしながら、これら従来のポリエーテル系ウレタン(メタ)アクリレート含有液状硬化性樹脂組成物を用いてダイス内をガラスファイバを通過させて樹脂液を高速で塗布した場合、その塗布が均一にならないため、安定したヤング率や破断伸びを有する被覆層が形成されないという問題があった。
従って本発明の目的は、安定した高速塗布性を有し、安定した被覆層(硬化物)を形成し得る液状硬化性樹脂組成物を提供することにある。
そこで本発明者は、樹脂液の安定した高速塗布性を有する組成物について種々検討した結果、高速塗布性を発現させるには、樹脂液の弾性特性、特に定常状態コンプライアンスが低いことが必要であり、そのような低い定常状態コンプライアンスを得るには、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー中の、ポリイソシアネートとポリオール構造を含有しない水酸基含有(メタ)アクリレートを反応して得られるウレタン(メタ)アクリレート含量を多くする必要があることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーを含有する液状硬化性樹脂組成物であって、ポリイソシアネートと1種以上の水酸基含有(メタ)アクリレートを反応して得られるポリオール構造を含有しないウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーを、全ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー100質量%中50質量%以上含有する液状硬化性樹脂組成物を提供するものである。
本発明の液状硬化性樹脂組成物は、定常状態コンプライアンスが低いという弾性特性を有することから、安定した高速塗布性を有し、かつ得られた硬化物は安定した弾性率と破断伸びを有する。従って、本発明の液状硬化性樹脂組成物は、光ファイバ被覆材、特にセカンダリ材として有用である。
本発明の液状硬化性樹脂組成物は、ポリイソシアネートと1種以上の水酸基含有(メタ)アクリレートを反応して得られるポリオール構造を含有しないウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー(以下、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー(A)と略す)を全ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー100質量%中50質量%以上、好ましくは70質量%以上、さらに好ましくは85質量%以上含有する。
当該ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー(A)の製造に用いられるポリイソシアネート化合物としては、例えば、芳香族ポリイソシアネート、脂環族ポリイソシアネート、脂肪族ポリイソシアネート等が挙げられる。
芳香族ポリイソシアネートとして、例えば、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、1,3−キシリレンジイソシアネート、1,4−キシリレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、3,3'−ジメチル−4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネート、3,3'−ジメチルフェニレンジイソシアネート、4,4'−ビフェニレンジイソシアネート、ビス(2−イソシアネートエチル)フマレート、6−イソプロピル−1,3−フェニルジイソシアネート、4−ジフェニルプロパンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート等が挙げられる。
脂環族ポリイソシアネートとしては、例えば、イソフォロンジイソシアネート、メチレンビス(4−シクロヘキシルイソシアネート)、水添ジフェニルメタンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、2,5−ビス(イソシアネートメチル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、2,6−ビス(イソシアネートメチル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン等が挙げられる。
脂肪族ポリイソシアネートとしては、例えば、1,6−ヘキサンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート等が挙げられる。
このうち、2,4−トリレンジイソシアネート、イソフォロンジイソシアネートが特に好ましい。これらのポリイソシアネートは単独で用いても、2種以上併用しても良い。
ポリオール構造を含有しない1種以上の水酸基含有(メタ)アクリレートとしては、特に限定されないが、水酸基が第一級炭素に結合した水酸基含有(メタ)アクリレート、及び、水酸基が第二級炭素に結合した水酸基含有(メタ)アクリレートを用いることが好ましい。水酸基が第三級炭素に結合した水酸基含有(メタ)アクリレート(第三水酸基含有(メタ)アクリレートという。)は、イソシアネート基との反応性に劣るため好ましくない。
水酸基が第一級炭素に結合した水酸基含有(メタ)アクリレートとしては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールモノ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールモノ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタンジ(メタ)アクリレート、及び下記式(1)で表される(メタ)アクリレート等が挙げられる。
Figure 2005290065
(式中、R1は水素原子又はメチル基を示し、n1は1〜3の数を示す)
水酸基が第二級炭素に結合した水酸基含有(メタ)アクリレートとしては、例えば、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェニルオキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシシクロヘキシル(メタ)アクリレート、等が挙げられ、また、アルキルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、グリシジル(メタ)アクリレート等のグリシジル基含有化合物と、(メタ)アクリル酸との付加反応により得られる化合物が挙げられる。
水酸基含有(メタ)アクリレートの一部を、イソシアネート基に付加しうる官能基を持った化合物で置き換えて用いることもできる。例えば、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシランなどを挙げることができる。これらの化合物を使用することにより、ガラス等の基材に対する良好な密着性を得ることができる。
ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー(A)を製造するときは、ポリイソシアネートに含まれるイソシアネート基が1当量に対して水酸基含有(メタ)アクリレートの水酸基を1当量で反応させることが望ましい。
ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー(A)を2種以上併用する際は、それぞれを別個に製造した後混合しても良いが、2種以上のポリイソシアネートと1種の水酸基含有(メタ)アクリレートを同時に反応させる、又は、1種のポリイソシアネートと2種以上の水酸基含有(メタ)アクリレートを同時に反応させる、又は、2種以上のポリイソシアネートと2種以上の水酸基含有(メタ)アクリレートを同時に反応させることにより一括製造することもできる。
これらの反応においては、ナフテン酸銅、ナフテン酸コバルト、ナフテン酸亜鉛、ジブチル錫ジラウレート、トリエチルアミン、1,4−ジアザビシクロ〔2.2.2〕オクタン、2,6,7−トリメチル−1,4−ジアザビシクロ〔2.2.2〕オクタン等から選ばれるウレタン化触媒を、反応物の総量に対して0.01〜1質量%を用いるのが好ましい。また、反応温度は、通常5〜90℃、特に10〜80℃で行うのが好ましい。
本発明の液状硬化性樹脂組成物中のウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー(A)の含量は、全ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー100質量%中50質量%以上が必要であり、さらに70〜100質量%、さらに85〜100質量%、さらに90.0〜100質量%、特に95.0〜100質量%が好ましい。ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーが全オリゴマー組成物中50質量%未満では、樹脂液が低い定常コンプライアンスを示さず、安定した高速塗布性を実現できない。
本発明液状硬化性樹脂組成物には、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー(A)の他に、ポリエーテル系ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー(B)を含んでいてもよい。当該ポリエーテル系ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー(B)は、(b1)ポリエーテルポリオールと(b2)ポリイソシアネートと(b3)水酸基含有(メタ)アクリレートを反応して得られるポリエーテル系ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーである。
(b1)ポリエーテルポリオールとしては、例えばエチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブテン−1−オキシド、イソブテンオキシド、3,3−ビスクロロメチルオキセタン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、3−メチルテトラヒドロフラン、ジオキサン、トリオキサン、テトラオキサン、シクロヘキセンオキシド、スチレンオキシド、エピクロルヒドリン、グリシジルメタクリレート、アリルグリシジルエーテル、アリルグリシジルカーボネート、ブタジエンモノオキシド、イソプレンモノオキシド、ビニルオキセタン、ビニルテトラヒドロフラン、ビニルシクロヘキセンオキシド、フェニルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、安息香酸グリシジルエステルなどのイオン重合性環状化合物を開環重合により得られるポリオールを挙げることができる。この際、2種以上のイオン重合性環状化合物からなる共重合体を用いてもよく、この場合、ポリオールにおける各構造単位の重合様式は特に制限されず、ランダム重合、ブロック重合、交互重合、グラフト重合のいずれであってもよい。
上記イオン重合性環状化合物の1種を開環重合させて得られるポリエーテルポリオールの例としては、例えばポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポリヘキサメチレングリコール、ポリヘプタメチレングリコール、ポリデカメチレングリコール等のジオール類、ポリエチレントリオール、ポリプロピレントリオール、ポリテトラメチレントリオール等のトリオール類、ポリエチレンヘキサオール、ポリプロピレンヘキサオール、ポリテトラメチレンヘキサオール等のヘキサオール類等を挙げることができる。また、2種以上の上記イオン重合性環状化合物を開環共重合させて得られるポリエーテルポリオールの具体例としては、例えばテトラヒドロフランとプロピレンオキシド、テトラヒドロフランと2−メチルテトラヒドロフラン、テトラヒドロフランと3−メチルテトラヒドロフラン、テトラヒドロフランとエチレンオキシド、プロピレンオキシドとエチレンオキシド、ブテン−1−オキシドとエチレンオキシドなどの組み合わせより得られる二元共重合体;テトラヒドロフラン、ブテン−1−オキシド及びエチレンオキシドの組み合わせより得られる三元重合体などを挙げることができる。
さらに、上記イオン重合性環状化合物と、エチレンイミンなどの環状イミン類;β−プロピオラクトン、グリコール酸ラクチドなどの環状ラクトン酸;あるいはジメチルシクロポリシロキサン類とを開環共重合させたポリエーテルジオールを使用することもできる。
上記ポリエーテルポリオールは、例えばPTMG650、PTMG1000、PTMG2000(以上、三菱化学(株)製)、PPG400、PPG1000、EXCENOL720、1020、2020(以上、旭硝子ウレタン(株)製)、PEG1000、ユニセーフDC1100、DC1800(以上、日本油脂(株)製)、PPTG2000、PPTG1000、PTG400、PTGL2000(以上、保土谷化学工業(株)製)、Z−3001−4、Z−3001−5、PBG2000A、PBG2000B、EO/BO4000、EO/BO2000(以上、第一工業製薬(株)製)などの市販品としても入手することができる。
さらに、例えば水添ビスフェノールAのアルキレンオキシド付加ジオール、水添ビスフェノールFのアルキレンオキシド付加ジオール、1,4−シクロヘキサンジオールのアルキレンオキシド付加ジオールなどが挙げられ、例えばユニオールDA400、DA700、DA1000、DA4000(以上、日本油脂(株)製)などの市販品としても入手することができる。
上記ポリエーテルポリオール化合物の内、プロピレンオキシドの開環重合により得られるポリエーテル構造を有するポリエーテルポリオールが特に好ましい。具体的には、ポリプロピレングリコール、ポリプロピレントリオール、ポリプロピレンヘキサオール、及び、プロピレンオキシドとテトラヒドロフラン、プロピレンオキシドとエチレンオキシド、プロピレンオキシドとブチレンオキシドの二元共重合体が好ましい。その数平均分子量は400以上、さらには1,000以上であるものが好ましく、上限は20,000までのものが好ましい。
(b2)ポリイソシアネート化合物としては、例えば、芳香族ポリイソシアネート、脂環族ポリイソシアネート、脂肪族ポリイソシアネート等が挙げられる。
芳香族ポリイソシアネートとして、例えば、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、1,3−キシリレンジイソシアネート、1,4−キシリレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、3,3'−ジメチル−4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネート、3,3'−ジメチルフェニレンジイソシアネート、4,4'−ビフェニレンジイソシアネート、ビス(2−イソシアネートエチル)フマレート、6−イソプロピル−1,3−フェニルジイソシアネート、4−ジフェニルプロパンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート等が挙げられる。
脂環族ポリイソシアネートとして、例えば、イソフォロンジイソシアネート、メチレンビス(4−シクロヘキシルイソシアネート)、水添ジフェニルメタンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、2,5−ビス(イソシアネートメチル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、2,6−ビス(イソシアネートメチル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン等が挙げられる。
脂肪族ポリイソシアネートとして、例えば、1,6−ヘキサンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、等が挙げられる。このうち、2,4−トリレンジイソシアネート、イソフォロンジイソシアネートが特に好ましい。
これらのポリイソシアネートは単独で用いても、2種以上併用しても良い。
(b3)水酸基含有(メタ)アクリレートとしては、特に限定されないが、水酸基が第一級炭素に結合した水酸基含有(メタ)アクリレート、及び、水酸基が第二級炭素に結合した水酸基含有(メタ)アクリレートを用いることが好ましい。水酸基が第三級炭素に結合した水酸基含有(メタ)アクリレート(第三水酸基含有(メタ)アクリレートという。)は、イソシアネート基との反応性に劣るため好ましくない。
水酸基が第一級炭素に結合した水酸基含有(メタ)アクリレートとしては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールモノ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールモノ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタンジ(メタ)アクリレート、及び前記式(1)で表される(メタ)アクリレート等が挙げられる。
水酸基が第二級炭素に結合した水酸基含有(メタ)アクリレートとしては、例えば、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェニルオキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシシクロヘキシル(メタ)アクリレート、等が挙げられ、また、アルキルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、グリシジル(メタ)アクリレート等のグリシジル基含有化合物と、(メタ)アクリル酸との付加反応により得られる化合物が挙げられる。
水酸基含有(メタ)アクリレートの一部を、イソシアネート基に付加しうる官能基を持った化合物で置き換えて用いることもできる。例えば、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシランなどを挙げることができる。これらの化合物を使用することにより、ガラス等の基材に対する良好な密着性を得ることができる。
ポリエーテル系ウレタン(メタ)アクリレート(B)を製造するとき、ポリエーテルポリオール化合物、ポリイソシアネート化合物及び水酸基含有(メタ)アクリレートのそれぞれの使用割合は、ポリオール化合物に含まれる水酸基1当量に対して、ポリイソシアネート化合物に含まれるイソシアネート基が1.1〜2当量、水酸基含有(メタ)アクリレートの水酸基が0.1〜2当量の範囲で、かつ、イソシアネート基に対して、ポリオール化合物及び水酸基含有(メタ)アクリレートに含まれる水酸基が当量ないし水酸基が小過剰となる割合で反応させるのが好ましい。例えば、ポリオール化合物に含まれる水酸基1当量に対して、ポリイソシアネート化合物に含まれるイソシアネート基が2当量、水酸基含有(メタ)アクリレートの水酸基が1当量で反応させることが望ましい。
ポリエーテルポリオール化合物、ポリイソシアネート化合物及び水酸基含有(メタ)アクリレートを反応させてポリエーテル系ウレタン(メタ)アクリレート(B)を製造する方法は特に制限されないが、例えば次の(1)〜(4)の方法に従って行われる。
(1)ポリエーテルポリオール化合物、ポリイソシアネート化合物及び水酸基含有(メタ)アクリレート化合物を一括して仕込んで反応させる方法。
(2)ポリエーテルポリオール化合物及びポリイソシアネート化合物を反応させ、次いで水酸基含有(メタ)アクリレート化合物を反応させる方法。
(3)ポリイソシアネート化合物及び水酸基含有(メタ)アクリレート化合物を反応させ、次いでポリエーテルポリオール化合物を反応させる方法。
(4)ポリイソシアネート化合物及び水酸基含有(メタ)アクリレート化合物を反応させ、次いでポリエーテルポリオール化合物を反応させ、最後にまた水酸基含有(メタ)アクリレート化合物を反応させる方法。
本発明の液状硬化性樹脂組成物中のポリエーテル系ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー(B)の含量は、全ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー組成物中11.6質量%以下、さらに0〜10.0質量%、特に0〜5.0質量%が、樹脂液の定常状態コンプライアンスを低くし、高速塗布性を実現するうえで好ましい。
ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー(A)及びポリエーテル系ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー(B)を含む全ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー組成物は、本発明液状硬化性樹脂組成物中に塗工性、硬化速度の維持等の点から、30〜90質量%、さらに35〜85質量%、特に40〜80質量%含有するのが好ましい。重合性モノマー(C)としては、(C1)単官能性化合物と(C2)多官能性化合物が挙げられる。
(C1)単官能性化合物としては、例えばN−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタム等のビニル基含有ラクタム、イソボルニル(メタ)アクリレート、ボルニル(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート等の脂環式構造含有(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、4−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロイルモルホリン、ビニルイミダゾール、ビニルピリジン等が挙げられる。さらに、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ウンデシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、メトキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ジアセトン(メタ)アクリルアミド、イソブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、t−オクチル(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、7−アミノ−3,7−ジメチルオクチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、ヒドロキシブチルビニルエーテル、ラウリルビニルエーテル、セチルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテルを挙げることができる。
上記の重合性モノマーの単官能性化合物の市販品として、アロニックスM111、M113、M114、M117(以上、東亞合成(株)製);KAYARAD、TC110S、R629、R644(以上、日本化薬(株)製);IBXA、ビスコート3700(大阪有機化学工業(株)製)等が挙げられる。
また(C2)多官能性化合物としては、例えばトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリオキシエチル(メタ)アクリレート、トリス(2−ヒドキシエチル)イソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのエチレンオキサイド又はプロピレンオキサイド付加体ジオールのジ(メタ)アクリレート、水添ビスフェノールAのエチレンオキサイド又はプロピレンオキサイド付加体ジオールのジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのジグリシジルエーテルに(メタ)アクリレートを付加させたエポキシ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジビニルエーテル等が挙げられる。また、市販品としては、例えばユピマーUV SA1002、SA2007(以上、三菱化学(株)製);ビスコート700(大阪有機化学工業(株)製);KAYARAD R−604、DPCA−20、−30、−60、−120、HX−620、D−310、D−330(以上、日本化薬(株)製);アロニックスM−210、M−215、M−315、M−325(以上、東亞合成(株)製)等が挙げられる。
本発明の液状硬化性樹脂組成物中における重合性モノマー(C)の含有量は、塗工性、硬化速度の維持等の点から、組成物全量に対して、好ましくは10〜70質量%、さらに好ましくは20〜60質量%である。
本発明の液状硬化性樹脂組成物には、さらに変性シリコーンを配合できる。変性シリコーン(D)としてはポリエーテル変性シリコーン、アルキル変性シリコーン、アルキルアラルキルポリエーテル変性シリコーン等が用いられる。これらの中ではポリエーテル変性シリコーンが好ましく、中でもポリエーテル変性シリコーンの少なくとも一部が、下記式(2)で表される構造を構成単位として有するポリジメチルシロキサン誘導体が特に好ましい。
Figure 2005290065
(式中、xは1〜120、yは1〜70、zは1〜50、mは1〜200、nは1〜500である。)
変性シリコーン(D)の市販品としては、BYK UV3510(ビックケミー・ジャパン株式会社製、ジメチルポリシロキサン−ポリオキシアルキレン共重合体)、DC57(東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社製、ジメチルポリシロキサン−ポリオキシアルキレン共重合体)等を挙げることができる。
変性シリコーン(D)の数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法により求めたポリスチレン換算分子量として、好ましくは1000〜100000、より好ましくは5000〜50000、特に好ましくは8000〜12000である。この分子量範囲のポリエーテル変性シリコーンを使用することにより、樹脂液との相溶性と表面性を改良することができる。
本発明の液状硬化性樹脂組成物中の変性シリコーン(D)の含量は、組成物全量に対して、通常0.1〜5質量%であり、好ましくは0.3〜3質量%である。この(D)成分の含量が0.1〜5質量%であると、液保存安定性において優れている。
本発明の液状硬化性樹脂組成物には、必要に応じて重合開始剤を加えることができる。重合開始剤としては、硬化方法に応じて熱重合開始剤又は放射線重合開始剤等を用いることができる。
本発明の液状硬化性樹脂組成物を熱硬化させる場合には、過酸化物、アゾ化合物等の熱重合開始剤が用いることができる。具体的には、例えばベンゾイルパーオキサイド、t−ブチル−オキシベンゾエート、アゾビスイソブチロニトリル等が挙げられる。
また、本発明の液状硬化性樹脂組成物を放射線硬化させる場合には、放射線重合開始剤を用いることができる。光硬化を例に取れば、光重合開始剤を用いることができ、必要に応じて、さらに光増感剤を添加することができる。
ここで、光重合開始剤としては、例えば1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、キサントン、フルオレノン、ベンズアルデヒド、フルオレン、アントラキノン、トリフェニルアミン、カルバゾール、3−メチルアセトフェノン、4−クロロベンゾフェノン、4,4'−ジメトキシベンゾフェノン、4,4'−ジアミノベンゾフェノン、ミヒラーケトン、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンジルジメチルケタール、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、チオキサントン、ジエチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルホリノ−プロパン−1−オン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、ビス−(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルフォフフィンオキシド;IRGACURE184、369、651、500、907、CGI1700、CGI1750、CGI1850、CG24−61、DAROCUR1116、1173(以上、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製);LUCIRIN LR8728(BASF社製);ユベクリルP36(UCB社製)等が挙げられる。
光増感剤としては、例えばトリエチルアミン、ジエチルアミン、N−メチルジエタノールアミン、エタノールアミン、4−ジメチルアミノ安息香酸、4−ジメチルアミノ安息香酸メチル、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル;ユベクリルP102、103、104、105(以上、UCB社製)等が挙げられる。
重合開始剤は、本発明の液状硬化性樹脂組成物中に、組成物全体に対して、0.1〜10質量%、特に0.3〜7質量%配合するのが好ましい。
本発明の液状硬化性樹脂組成物には、さらに微粒子を含有しても良い。ただし、添加した微粒子を含む構造体の数については、液状硬化性樹脂組成物及びその硬化物の内部に存在する長さ5μm以上の構造体が5個/mm3以下、好ましくは2μm以上の構造体が5個/mm3以下、さらに好ましくは1μm以上の構造体が5個/mm3以下でなければならない。
また、上記成分以外に各種添加剤、例えば酸化防止剤、着色剤、紫外線吸収剤、光安定剤、シランカップリング剤、熱重合禁止剤、レベリング剤、界面活性剤、保存安定剤、可塑剤、滑剤、溶媒、老化防止剤、濡れ性改良剤、塗面改良剤等を必要に応じて配合することができる。
ここで、酸化防止剤としては、例えばIRGANOX245、1010、1035、1076、1222、1520L(以上、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)、ANTIGENE P、3C、FR、GA−80(住友化学工業(株)製)等が挙げられる。
紫外線吸収剤としては、例えばTINUVIN P、234、320、326、327、328、329、213(以上、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)、Seesorb102、103、501、202、712、704(以上、シプロ化成(株)製)等が挙げられる。
光安定剤としては、例えばTINUVIN 292、144、622LD(以上、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)、サノールLS770(三共(株)製)、TM−061(住友化学工業(株)製)等が挙げられる。
シランカップリング剤としては、例えばγ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メタアクリロキシプロピルトリメトキシシラン、市販品として、SH6062、6030(以上、東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製)、KBE903、603、403(以上、信越化学工業(株)製)等が挙げられる。
本発明の液状硬化性樹脂組成物には、前記の添加剤以外にも、必要に応じて本発明の組成物の特性を損なわない範囲で他のオリゴマー、ポリマー、その他の添加剤等を配合することができる。また、本発明の液状硬化性樹脂組成物には、通常、実質的な量の非重合性希釈剤を含有しない。
他のオリゴマー、ポリマーとしては、例えばポリエステル(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリアミド(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロイルオキシ基を有するシロキサンポリマー、グリシジル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
本発明の液状硬化性樹脂組成物は、物品の表面に塗布し、紫外線、可視光線、赤外線、電子線等の放射線を照射、及び/又は、加熱することで、短時間で硬化物を形成できる。放射線として好ましいものは、紫外線である。
本発明の組成物を用いてガラスファイバを被覆する場合、光学ガラス母材を、例えば1〜25m/秒の速度で線引きし、これにプライマリーコーティング剤を被覆し、紫外線照射により硬化し、次いでセカンダリコーティング材を被覆し、硬化させることで紫外線照射による硬化は、通常、低圧又は高圧水銀灯、キセノン灯等を用いた紫外線照射により行う。
この際に、本発明の液状硬化性樹脂組成物をセカンダリコーティング剤として用いることで、表面の摩擦が小さく、相互の貼り付き性も小さい素線を得ることができる。また、複数本の光ファイバを束ねる光ファイバテープ用被覆材(テープの結束材)としても好適である。
本発明の液状硬化性樹脂組成物は、低い定常状態コンプライアンスを有し、安定した高速塗布性を有している。ここで定常状態コンプライアンスは、樹脂液の弾性特性であり、TA INSTRUMENTS製 AR2000を用いて、測定温度−10〜40℃、角周波数1〜500rad/secで測定し、基準温度20℃における複素コンプライアンスJ‘及びJ“に関してマスターカーブを作成した。このマスターカーブを元に、102 rad/secにおけるJ’を定常状態コンプライアンスとした。本発明組成物の定常状態コンプライアンスは、1×10-5Pa-1以下、さらに0.7×10-5Pa-1以下であることが、安定した高速塗布性を実現するうえで好ましい。
また、本発明の液状硬化性樹脂組成物の硬化物は、弾性率が100MPa以上、破断伸びが5%以上であるのが好ましい。このような性質を有する硬化物を与える組成物は光ファイバのセカンダリ材又はバンドリング材として特に有用である。
以下に本発明を実施例による具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
合成例1
撹拌機を備えた反応容器に、2,4−トリレンジイソシアネート42.9g、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール0.02g、ジブチル錫ジラウレート0.08g、フェノチアジン0.008gを仕込み、これらを撹拌しながら液温度が20度になるまで冷却した。2−ヒドロキシエチルアクリレート57.1gを液温度が25度以下になるように制御しながら滴下した後、室温にて1時間撹拌、反応させた。残留イソシアネートが0.1質量%(全内容物に対する量;以下同じ)以下になった時点を反応終了とし、ポリオール構造を含有しないウレタンアクリレートを得た。これをウレタンアクリレート(UA−1)とする。
合成例2
撹拌機を備えた反応容器に、2,4−トリレンジイソシアネート40.1g、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール0.02g、ジブチル錫ジラウレート0.08g、フェノチアジン0.008gを仕込み、これらを撹拌しながら液温度が20度になるまで冷却した。2−ヒドロキシプロピルアクリレート59.8gを液温度が25度以下になるように制御しながら滴下した後、室温にて1時間撹拌、反応させた。残留イソシアネートが0.1質量%以下になった時点を反応終了とし、ポリオール構造を含有しないウレタンアクリレートを得た。これをウレタンアクリレート(UA−2)とする。
合成例3
撹拌機を備えた反応容器に、2,4−トリレンジイソシアネート41.4g、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール0.02g、ジブチル錫ジラウレート0.08g、フェノチアジン0.008gを仕込み、これらを撹拌しながら液温度が20度になるまで冷却した。2−ヒドロキシエチルアクリレート27.6gを液温度が25度以下になるように制御しながら滴下した後、室温にて1時間撹拌、反応させた。さらに2−ヒドロキシプロピルアクリレート30.9gを添加し、液温度約60度で撹拌、反応させた。残留イソシアネートが0.1質量%以下になった時点を反応終了とし、ポリオール構造を含有しないウレタンアクリレートを得た。これをウレタンアクリレート(UA−3)とする。
合成例4
撹拌機を備えた反応容器に、2,4−トリレンジイソシアネート40.0g、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール0.02g、ジブチル錫ジラウレート0.08g、フェノチアジン0.008gを仕込み、これらを撹拌しながら液温度が20度になるまで冷却した。2−ヒドロキシエチルアクリレート26.7gを液温度が25度以下になるように制御しながら滴下した後、室温にて1時間撹拌、反応させた。さらに2−ヒドロキシブチルアクリレート33.2gを添加し、液温度約60度で撹拌、反応させた。残留イソシアネートが0.1質量%以下になった時点を反応終了とし、ポリオール構造を含有しないウレタンアクリレートを得た。これをウレタンアクリレート(UA−4)とする。
合成例5(ポリエーテル系ウレタンアクリレート)
撹拌機を備えた反応容器に、2,4−トリレンジイソシアネート13.3g、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール0.02g、ジブチル錫ジラウレート0.08g、フェノチアジン0.008gを仕込み、これらを撹拌しながら液温度が20℃になるまで冷却した。2−ヒドロキシエチルアクリレート8.9gを液温度が25℃以下になるように制御しながら滴下した後、室温にて1時間撹拌、反応させた。その後、数平均分子量2000のポリプロピレングリコール77.7gを添加し、液温度約60℃で撹拌、反応させた。残留イソシアネートが0.1質量%以下になった時点を反応終了とし、数平均分子量が2580のポリエーテル系ウレタンアクリレートを得た。これをポリエーテル系ウレタンアクリレート(UA−a1)とする。
実施例1
撹拌機を備えた反応容器に、ウレタンアクリレート(UA−1)60.0g、イソボルニルアクリレート10.0g、ラウリルアクリレート30.0g、重合開始剤 IRGACURE184(チバスペシャルティーケミカルズ製)3.0g、酸化防止剤IRGANOX245(チバスペシャルティーケミカルズ製)0.3gを入れ、均一な溶液になるまで液温度50度で撹拌し、液状硬化性樹脂組成物を得た。
実施例2〜6及び比較例1〜3
表1に示した組成とした以外は実施例1と同様にして、実施例2〜6及び比較例1〜3の液状硬化性樹脂組成物を得た。なお、表1中の組成は、重量部により示す。
(評価方法)
(1)定常状態コンプライアンスの測定
実施例および比較例で得られた組成物に関し、TA INSTRUMENTS製 AR2000を用いて、測定温度−10〜40℃、角周波数1〜500rad/secで測定し、基準温度20℃における複素コンプライアンスJ‘及びJ“に関してマスターカーブを作成した。このマスターカーブを元に、102 rad/secにおけるJ’を定常状態コンプライアンスとした。
(2)ヤング率の測定法
実施例および比較例で得られた組成物に関し、その硬化物の弾性率を測定した。液状組成物を381μm厚のアプリケーターを用いてガラス上に塗布し、3.5kWメタルハライドランプ(オーク社製SMX−3500/F−OS)を用いて空気雰囲気下で1J/cm2の紫外線を照射し、厚さ約200μmの硬化膜を得た。次いで、この硬化膜を0.6cm幅に切り、これを用いて弾性率の測定をJIS K 7127に準拠し、引っ張り速度1mm/分、標線間距離25mmで測定した。
(3)破断伸びの測定法
実施例および比較例で得られた組成物に関し、その硬化物の弾性率を測定した。液状組成物を381μm厚のアプリケーターを用いてガラス上に塗布し、3.5kWメタルハライドランプ(オーク社製SMX−3500/F−OS)を用いて空気雰囲気下で1J/cm2の紫外線を照射し、厚さ約200μmの硬化膜を得た。次いで、この硬化膜を0.6cm幅に切り、引っ張り速度50mm/分、標線間距離25mmで引張試験を行い、試験片破断時の、引張試験機の試験片保持部であるチャック移動距離から伸び率を算出し、破断伸びとした。
得られた結果を表1に示す。
Figure 2005290065
表1より、全ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー中に、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー(A)を50質量%以上含有する本発明組成物は1×10-5Pa-1以下の低い定常状態コンプライアンスを有し、安定した高速塗布性を有していた。その結果、本発明組成物の硬化物はヤング率100MPa以上、破断伸び5%以上であり、安定した特性を有していた。

Claims (4)

  1. ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーを含有する液状硬化性樹脂組成物であって、ポリイソシアネートと1種以上の水酸基含有(メタ)アクリレートを反応して得られるポリオール構造を含有しないウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーを、全ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー100質量%中50質量%以上含有する液状硬化性樹脂組成物。
  2. 定常状態コンプライアンスが1×10-5Pa-1以下である請求項1記載の液状硬化性樹脂組成物。
  3. 光ファイバのセカンダリ材もしくはバンドリング材用途であり、その硬化物の弾性率が100MPa以上、破断伸びが5%以上である請求項1又は2に記載の液状硬化性樹脂組成物。
  4. 請求項1〜3いずれかに記載の液状硬化性樹脂組成物の硬化物。
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