JP3003969B2 - 合成繊維用処理剤及び合成繊維の処理方法 - Google Patents

合成繊維用処理剤及び合成繊維の処理方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は合成繊維用処理剤及び合
成繊維の処理方法に関する。レーヨン、ポリアミド繊
維、ポリエステル繊維等の合成繊維を補強材として用
い、該合成繊維をゴム類と接着加工したものが自動車用
タイヤ類、ベルト類、ホース類等に広く利用されてい
る。合成繊維を上記のような補強材として用いる場合、
該合成繊維がゴム類との接着性に優れていることが肝要
である。本発明は、その表面特性を改質してゴム類との
接着性に優れた合成繊維を得ることができる、合成繊維
用処理剤及び合成繊維の処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、レーヨン、ポリアミド繊維、ポリ
エステル繊維等の合成繊維を補強材として用い、該合成
繊維をゴム類と接着する場合、一般にRFL(レゾルシ
ン−ホルマリン−ゴムラテックス系接着剤)で処理する
ことが行われている。ところが、この従来手段だけでは
双方の接着が不十分という欠点がある。特にポリエステ
ル繊維とゴム類との接着が悪い。そこでポリエステル繊
維については、ポリエポキシ化合物やポリイソシアネー
ト化合物を配合した紡糸油剤を用い、該紡糸油剤を溶融
紡糸直後のポリエステル繊維に付着させて熱処理し、更
に一定時間熟成することによりその表面特性を予め改質
しておくことも提案されている(特開昭60−1941
22、特公昭43−21507)。ところが、これらの
従来手段でもポリエステル繊維とゴム類との接着が依然
として不十分であり、しかもこれらの従来手段には健康
上の懸念があるポリエポキシ化合物を用いることによる
安全性の問題や水との反応性に富むポリイソシアネート
化合物を用いることによる取扱い性の問題があるという
欠点がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、従来手段では補強材として用いる合成繊維
とゴム類との接着が不十分で、また安全性や取扱い性に
問題がある点である。
【0004】
【課題を解決するための手段】しかして本発明者らは、
上記課題を解決するべく鋭意研究した結果、特定構造の
(メタ)アクリレートと潤滑油成分とをそれぞれ所定割
合で用いて合成繊維の表面を予め改質しておくことが正
しく好適であることを見出した。
【0005】すなわち本発明は、合成繊維表面へ付着さ
せ、重合触媒の存在下に該合成繊維表面で重合させる処
理剤であって、下記の式1で示される(メタ)アクリレ
ートと、潤滑剤及び界面活性剤を主成分とする潤滑油成
分とから成り、且つ該(メタ)アクリレート/該潤滑油
成分=10/90〜90/10(重量比)の割合から成
ることを特徴とする合成繊維用処理剤に係る。また本発
明は、溶融紡糸された合成繊維に、上記の(メタ)アク
リレートと潤滑油成分とを、該(メタ)アクリレート/
該潤滑油成分=10/90〜90/10(重量比)の割
合となるよう付着させた後、重合触媒の存在下で該(メ
タ)アクリレートを重合させることを特徴とする合成繊
維の処理方法に係る。
【0006】
【式1】
【0007】式1において、 X:2〜6価ポリオールから総ての水酸基を除いた残基 R:H又はCH3 m,n:1〜5の整数であって、且つ2≦m+n≦6を
満足するもの
【0008】本発明の合成繊維用処理剤において、式1
で示される(メタ)アクリレートは、2〜6価ポリオー
ルとアクリル酸又はメタクリル酸とのエステル化反応に
より誘導される、ポリオールの(メタ)アクリル酸部分
エステルである。したがってかかるポリオールの(メ
タ)アクリル酸部分エステルには、ジオールモノ(メ
タ)アクリレート、トリオールモノ,ジ(メタ)アクリ
レート、テトラオールモノ〜トリ(メタ)アクリレー
ト、ペンタオールモノ〜テトラ(メタ)アクリレート、
ヘキサオールモノ〜ペンタ(メタ)アクリレートが含ま
れる。
【0009】式1で示される(メタ)アクリレートを誘
導するのに用いる2〜6価ポリオールとしては、1)エ
チレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブ
タンジオール、1,6−ヘキサンジオール等の2価アル
コール類、2)ジエチレングリコール、ジプロピレング
リコール、エトキシル化ビスフェノールA、ポリエチレ
ングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリ(オキ
シエチレン,オキシプロピレン)グリコール等の(ポ
リ)エーテルジオール類、3)グリセリン、トリメチロ
ールプロパン、5−メチル−1,2,4−ヘプタントリ
オール、1,2,6−ヘキサントリオール等の3価アル
コール類、4)ペンタエリスリトール等の4価アルコー
ル類、5)(ポリ)エトキシル化トリメチロールプロパ
ン、(ポリ)プロポキシル化トリメチロールプロパン、
(ポリ)エトキシル化グリセリン等の(ポリ)エーテル
トリオール類、6)(ポリ)エトキシル化ジグリセリ
ン、(ポリ)エトキシル化ペンタエリスリトール、プロ
ポキシル化ペンタエリスリトール、エチレングリコール
ジグリセリルエーテル等の(ポリ)エーテルテトラオー
ル類、7)(ポリ)プロポキシル化ソルビトール、(ポ
リ)プロポキシル化ジペンタエリスリトール等のポリエ
ーテルヘキサオール類、8)ジグリセリン、トリグリセ
リン等のポリグリセリン類が挙げられる。
【0010】式1で示される(メタ)アクリレートは、
分子中にラジカル重合性基と水酸基とを有するため、こ
れを合成繊維へ付着させて重合させると、該合成繊維上
に強固な接着性皮膜を形成する。このためには特に、
1)1分子中に含まれる(メタ)アクリロイル基の数が
2又は3個、2)1分子中に含まれる水酸基の数が1〜
4個、及び3)(メタ)アクリロイル基1個当たりの分
子量が100〜500の条件を同時に充足するものが好
ましいが、該(メタ)アクリレートを熱延伸前の工程で
合成繊維へ付着させる場合には、熱延伸時の熱による揮
散を回避するため、分子量300以上のものが好まし
く、400以上のものが更に好ましい。
【0011】式1で示される(メタ)アクリレートの合
成方法としては、1)ポリオールと(メタ)アクリル酸
とのエステル化反応、2)ポリオールと(メタ)アクリ
ル酸メチルとのエステル交換反応、3)ポリオールとグ
リシジル(メタ)アクリレートとの反応、4)ポリオー
ルグリシジルエーテルと(メタ)アクリル酸との反応等
が挙げられるが、本発明は(メタ)アクリレートの合成
方法を特に限定するものではない。
【0012】本発明の合成繊維用処理剤において、以上
説明した(メタ)アクリレートと併用する潤滑油成分は
潤滑剤及び界面活性剤を主成分とするものである。潤滑
剤としては、鉱物油、脂肪酸と1価アルコールとのエス
テル、脂肪酸と多価アルコールとのエステル、多価カル
ボン酸と1価アルコールとのエステル、ポリ(オキシエ
チレン及び/又はオキシプロピレン)エーテル等が挙げ
られる。また界面活性剤としては、1)ポリオキシエチ
レンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフ
ェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステ
ル、ポリオキシエチレン(硬化)ヒマシ油、ポリオキシ
エチレンアルキルアミノエーテル、ポリオキシエチレン
アルキルアミド、多価アルコール部分脂肪酸エステル等
の非イオン界面活性剤、2)脂肪酸石鹸類、アルケニル
コハク酸石鹸類、アルカンスルホネート塩類、ジアルキ
ルスルホサクシネート塩類、アルキルホスフェート塩類
等のアニオン界面活性剤、3)4級アルキルアンモニウ
ム塩等のカチオン界面活性剤、4)アルキルイミダゾリ
ニウムベタイン等の両性界面活性剤が挙げられる。
【0013】本発明の合成繊維用処理剤は、以上説明し
たような(メタ)アクリレートと潤滑油成分とから成
り、該(メタ)アクリレート/該潤滑油成分=10/9
0〜90/10(重量比)の割合から成るものである。
本発明の合成繊維用処理剤は、合成繊維表面へ付着さ
せ、重合触媒の存在下に該合成繊維表面で重合させて、
該合成繊維の表面を予め改質しておくことにより、該合
成繊維のゴム類に対する接着性を向上するものである。
【0014】次に本発明の合成繊維の処理方法について
説明する。本発明では、溶融紡糸された合成繊維に、以
上説明したような(メタ)アクリレートと潤滑油成分と
を付着させた後、重合触媒の存在下で該(メタ)アクリ
レートを重合させる。
【0015】(メタ)アクリレートと潤滑油成分とは、
合成繊維へ同時に付着させてもよいし、又は別々に付着
させてもよいが、いずれの場合も、(メタ)アクリレー
ト/潤滑油成分=10/90〜90/10(重量比)の
割合となるよう付着させる。双方を延伸の前の工程で合
成繊維へ付着させる場合には、15/85〜85/15
(重量比)の割合となるよう付着させるのが好ましく、
また潤滑油成分の全部又は一部を延伸の前の工程で合成
繊維へ付着させ、(メタ)アクリレート又は(メタ)ア
クリレートと潤滑油成分の残りの一部との混合物を延伸
の後の工程で該合成繊維へ付着させる場合には、(メ
タ)アクリレート/潤滑油成分=30/70〜90/1
0(重量比)の割合となるよう付着させるのが好まし
い。合成繊維の延伸、後工程におけるその撚糸や製織を
容易にしつつ、処理後の合成繊維とゴム類との間の接着
を強くするためである。
【0016】合成繊維に(メタ)アクリレートと潤滑油
成分とを付着させる際のこれらの形態は、ニート、水性
エマルジョン又は有機溶剤溶液のいずれでもよいが、水
性エマルジョン又は有機溶剤溶液が好ましい。水性エマ
ルジョンとして付着させる場合、その濃度は通常5〜3
0重量%が適用され、また有機溶剤溶液として付着させ
る場合、その濃度は通常20〜90重量%が適用される
が、この場合に用いる有機溶剤としては沸点が200〜
300℃の石油溜分から得られる炭化水素系のものが好
ましい。合成繊維に対する(メタ)アクリレートと潤滑
油成分との付着量は通常0.2〜2重量%が適用され
る。付着後に(メタ)アクリレートを重合させるための
重合触媒は予め(メタ)アクリレートや潤滑油成分に配
合しておいてもよいし、これらとは別に合成繊維へ付着
させてもよい。
【0017】(メタ)アクリレートと潤滑油成分とを合
成繊維へ付着させた後、重合触媒の存在下に該合成繊維
上で該(メタ)アクリレートを重合させる。重合方法と
しては、1)熱処理、2)嫌気処理、3)光照射等が挙
げられる。
【0018】通常、本発明が適用される合成繊維はその
延伸工程において200℃前後の熱処理を受けるため、
延伸の前の工程で(メタ)アクリレートを付着させる場
合には、該(メタ)アクリレートも必然的に熱処理さ
れ、重合するので、別に改めて熱処理する必要性は少な
いが、該(メタ)アクリレートに必要な熱量を確実に与
えて確実に重合させるためには、延伸の後の工程で該合
成繊維を巻き取る前に更に熱処理するのが好ましい。か
かる熱処理に用いる重合触媒としては、ジベンゾイルパ
ーオキサイドやジクミルパーオキサイド等のパーオキサ
イド類が挙げられるが、これらに硬化促進剤として1級
又は2級のアミノ基を有する(ポリ)アミン類を併用す
ることもできる。
【0019】嫌気処理は延伸の後で巻き取った合成繊維
のパッケージを窒素封入するか又は真空包装することで
達成され、また光照射は延伸の前又は後の合成繊維に太
陽光線、白色光線、紫外線等を照射することで達成され
るが、合成繊維のパッケージの内層は必然的に嫌気状態
となるため、窒素封入や真空包装等をしなくても、表層
に光照射すれば、該パッケージ全体を(メタ)アクリレ
ートの重合により硬化させることもできる。かかる嫌気
処理に用いる重合触媒としては、クメンハイドロパーオ
キサイドやt−ブチルハイドロパーオキサイド等のハイ
ドロパーオキサイド類、第3級アミン類等が挙げられ、
また光照射に用いる重合触媒としては、ベンゾフェノ
ン、アセトフェノン、ベンゾイン、アントラキノン等の
カルボニル化合物、ジフェニルスルフィド、ジチオカー
ボネート等の硫黄化合物が挙げられる。
【0020】
【実施例】・実施例1〜13及び比較例1〜7 前述した合成方法により表1に記載した内容の(メタ)
アクリレートを合成し、これらと潤滑油成分等とを用い
て表2及び表3に記載した組成の処理剤を調製した。市
販の1000デニールのタイヤコード用ポリエステルマ
ルチフィラメントを超音波洗浄で水洗して脱油した後、
表2及び表3に記載した処理剤の10重量%水性エマル
ジョン(比較例7は水性分散液)を繊維に対し固形分換
算で0.5重量%となるように付着させ、直ちに緊張状
態のまま、長さ100cm、表面温度200℃のヒーター
上を10m/分の速さで通過させることにより熱処理し
て巻き取った。3日間放置後、タイヤコード用撚糸機を
用いて撚糸し、撚り数480×480回/m(下撚×上
撚)の双糸コードを得た。該双糸コードを、ディッピン
グテスト機を用いて、通常のRFL(レゾルシン−ホル
マリン−ゴムラテックス系接着剤)で処理し、乾燥熱処
理してディップコードを得た。該ディップコードを未加
硫ゴム上に荷重をかけて張り、その上に未加硫ゴムを張
り合わせ、ディップコードが動かない状態で温度150
℃、圧力50kg/cm2で30分加硫して、埋め込み試料を
作製し、JIS−L−1017にしたがって接着力(T
テスト)の測定を行なった。結果を表2及び表3に示し
た。尚、表2及び表3中の接着力の数値はゴム中に埋め
込まれたディップコードをゴムブロックから30cm/分
の速度で引き抜くために要する力(kg/cm)を表す。ま
た表2及び表3中の各成分の数値は重量部を表す。これ
らは以下の実施例及び比較例についても同じである。
【0021】
【表1】
【0022】
【表2】
【0023】
【表3】
【0024】表1〜表3において、 MA−1:エチレングリコールモノメタクリレート MA−2:テトラエチレングリコールモノアクリレート MA−3:グリセリンジメタクリレート MA−4:ジグリセリントリアクリレート MA−5:テトラグリセリンジメタクリレート MA−6:2,2−ビス(グリシドキシエトキシフェニ
ル)プロパン/アクリル酸=1/2(モル比)反応物 R−1:エチレングリコールジメタクリレート R−2:2−エチルヘキシルメタクリレート R−3:ω−メトキシテトラエチレングリコールアクリ
レート L−1:オレイルオレート L−2:ポリオキシエチレン(25モル)硬化ヒマシ油 L−3:ソルビタンジオレート L−4:アルカンスルホネートナトリウム塩 L−5:ポリオキシエチレン(3モル)ラウリルエーテ
ルホスフェートカリウム塩 C−1:ジベンゾイルパーオキサイド C−2:ジエチレントリアミンセスキオレオアミド A−1:N,N,N',N'−テトラヒドロキシエチルエ
チレンジアミンとトリレンジイソシアネートとの1対2
モル反応物(イソシアネート系接着剤) これらは以下同じ
【0025】・実施例14〜17及び比較例8〜10 極限粘度0.75のポリエチレンテレフタレートを溶融
紡糸機により紡糸し、表4に記載した処理剤の15重量
%水性エマルジョンを繊維に対し固形分換算で0.6重
量%となるように付着させ、直ちに3個の熱ゴデットロ
ーラー(最高表面温度210℃)の間で延伸して巻き取
り、1000デニールのマルチフィラメントを得た。付
着させた処理剤中の(メタ)アクリレートを重合させる
ための手段として、下記の熱処理、嫌気処理又は光照射
を行なった。
【0026】熱処理:第3ゴデットローラーと巻き取り
機の間に表面温度210℃、長さ2mのヒーターを置
き、接触走行させて熱処理した後に巻き取り、パッケー
ジを3日間熟成した(表4中でA) 嫌気処理:第3ゴデットローラーを出た後、何の処理も
せずに直ちに巻き取り、パッケージを真空包装して3日
間熟成した(表4中でB) 光処理:巻き取り機の付近に紫外線ランプを取付け、パ
ッケージの表面に紫外線を照射しながら巻き取り、パッ
ケージを3日間熟成した(表4中でC)
【0027】かくして(メタ)アクリレートを重合させ
たマルチフィラメントをタイヤコード用撚糸機を用いて
撚糸し、撚り数480×480回/m(下撚×上撚)の
双糸コードを得た。該双糸コードを、ディッピングテス
ト機を用いて、通常のRFL(レゾルシン−ホルマリン
−ゴムラテックス系接着剤)で処理し、乾燥熱処理して
ディップコードを得た。該ディップコードを用い、以下
実施例1〜13の場合と同様にして埋め込み試料を作製
し、接着力(Tテスト)の測定を行なった。結果を表4
に示した。
【0028】
【表4】
【0029】表4において、 L−6:ジオレイルアジペート C−3:クメンハイドロパーオキサイド C−4:ベンゾインイソブチルエーテル A−2:ジグリセリントリグリシジルエーテル これらは以下同じ
【0030】・実施例18及び比較例11,12 極限粘度0.75のポリエチレンテレフタレートを溶融
紡糸機により紡糸し、表5に記載した一次処理用処理剤
を繊維に対し0.3重量%となるよう付着させ、直ちに
3個の熱ゴデットローラー(最高表面温度210℃)の
間で延伸し、第3ゴデットローラーの直後で表5に記載
した二次処理用処理剤の20重量%水性エマルジョンを
繊維に対し固形分換算で0.5重量%となるよう付着さ
せた後、更に加熱ローラーを通し、熱処理して巻き取
り、1000デニールのマルチフィラメントを得、これ
を3日間放置して熟成した。該マルチフィラメントを撚
糸機を用いて撚糸し、撚り数480×480回/m(下
撚×上撚)の双糸コードを得た。該双糸コードを用い、
以下実施例1〜13の場合と同様にして埋め込み試料を
作製し、接着力(Tテスト)の測定を行なった。結果を
表5に示した。
【0031】
【表5】
【0032】表5において、 L−7:30℃における動粘度が30レッドウッド秒の
鉱物油
【0033】・実施例19及び比較例13 極限粘度0.75のポリエチレンテレフタレートを溶融
紡糸機により紡糸し、表6に記載した一次処理用処理剤
の20重量%水性エマルジョンを繊維に対し固形分換算
で0.3重量%となるよう付着させ、直ちに3個の熱ゴ
デットローラー(最高表面温度210℃)の間で延伸
し、第3ゴデットローラーの直後で表6に記載した二次
処理用処理剤の20重量%水性エマルジョンを繊維に対
し固形分換算で0.5重量%となるよう付着させた後、
紫外線ランプを用いてパッケージに向け紫外線を照射し
ながら巻き取り、1000デニールのマルチフィラメン
トを得、これを真空包装して3日間放置して熟成した。
該マルチフィラメントを撚糸機を用いて撚糸し、撚り数
480×480回/m(下撚×上撚)の双糸コードを得
た。該双糸コードを用い、以下実施例1〜13の場合と
同様にして埋め込み試料を作製し、接着力(Tテスト)
の測定を行なった。結果を表6に示した。
【0034】
【表6】
【0035】
【発明の効果】既に明らかなように、以上説明した本発
明には、補強材として用いる合成繊維とゴム類との接
着、特にポリエステル繊維とゴム類との接着を向上する
ことができ、また安全性や取扱い性の問題もないという
効果がある。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 合成繊維表面へ付着させ、重合触媒の存
    在下に該合成繊維表面で重合させる処理剤であって、下
    記の式1で示される(メタ)アクリレートと、潤滑剤及
    び界面活性剤を主成分とする潤滑油成分とから成り、且
    つ該(メタ)アクリレート/該潤滑油成分=10/90
    〜90/10(重量比)の割合から成ることを特徴とす
    る合成繊維用処理剤。 【式1】 (式1において、 X:2〜6価ポリオールから総ての水酸基を除いた残基 R:H又はCH3 m,n:1〜5の整数であって、且つ2≦m+n≦6を
    満足するもの)
  2. 【請求項2】 (メタ)アクリレートが、式1中のmが
    2又は3であり、nが1〜4の整数であって、(メタ)
    アクリロイル基1個当たりの分子量が100〜500で
    ある場合のものである請求項1記載の合成繊維用処理
    剤。
  3. 【請求項3】 溶融紡糸された合成繊維に、請求項1
    は2記載の(メタ)アクリレートと、潤滑油成分とを、
    該(メタ)アクリレート/該潤滑油成分=10/90〜
    90/10(重量比)の割合となるよう付着させた後、
    重合触媒の存在下で該(メタ)アクリレートを重合させ
    ることを特徴とする合成繊維の処理方法。
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