JP5047129B2 - 合成繊維用処理剤及び合成繊維処理方法 - Google Patents
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R:炭素数7〜17の炭化水素基
X:オキシエチレン単位及び/又はオキシプロピレン単位の繰り返し数が1〜40の(ポリ)アルキレングリコールから全ての水酸基を除いた残基
Y:水素原子、メチル基又は1価の炭素数2〜22の脂肪族アシル基
・実施例1{処理剤(P−1)の調製}
下記のダイマー酸エステル(K−1)を25部、下記の非イオン界面活性剤(H−1)を12部、下記の非イオン界面活性剤(H−5)を23部、下記の非イオン界面活性剤(E−2)を30部、下記の非イオン界面活性剤(E−5)を7部、下記のアニオン界面活性剤(S−1)を1部、下記のアニオン界面活性剤(S−3)を0.5部、下記のアニオン界面活性剤(S−4)を1.5部及び下記の酸化防止剤(T−1)を1部の割合で均一混合して実施例1の処理剤(P−1)を調製した。
ダイマー酸エステル(K−1):オレイン酸を出発原料にしたダイマー酸と2−エチル−ヘキシルアルコールとのエステル化合物
非イオン界面活性剤(H−1):ラウリン酸1モルに対してエチレンオキサイド(以下、単にEOという)8モルを付加したポリオキシエチレンラウリン酸エステルの末端をメチル化した化合物。
非イオン界面活性剤(H−5):オレイン酸1モルに対してEO23モルを付加したポリオキシエチレンオレイン酸エステルの末端をオレイン酸でエステル化した化合物。
非イオン界面活性剤(E−2):ヤシ油1モルに対してEO6モルとプロピレンオキサイド(以下、単にPOという)4モルを付加したポリオキシアルキレン脂肪族多価エステル化合物。
非イオン界面活性剤(E−5):ラウリルアルコール1モルにEOとPOを50/50(質量比)の割合でランダム状に付加したポリエーテルモノオール(数平均分子量2000)。
アニオン界面活性剤(S−1):オレイルリン酸エステルトリエタノールアミン塩
アニオン界面活性剤(S−3):トリデシルスルホン酸ナトリウム塩
アニオン界面活性剤(S−4):オレイン酸カリウム塩
酸化防止剤(T−1):1,3,5−トリス(4−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)イソシアヌルサン
実施例1の処理剤(P−1)と同様にして、実施例2〜35の処理剤(P−2)〜(P−35)及び比較例1〜25の処理剤(R−1)〜(R−25)を調製した。以上の各例の処理剤の調製に用いた成分の内容を表1〜表6に、また以上の各例で調製した処理剤の内容を表7〜表13にまとめて示した。
使用量:部
・合成繊維への各処理剤の付着(条件−1)
試験区分1で調製した各処理剤を必要に応じてイオン交換水又は有機溶剤にて均一に希釈し、10%溶液とした。固有粘度1.10、カルボキシル末端濃度15当量/106gのポリエチレンテレフタレートのチップを常法により乾燥した後、エクストルーダーを用いて295℃で紡糸し、口金から吐出して冷却固化した後の走行糸条に、前記の10%溶液を、計量ポンプを用いたガイド給油法にて付着させた後、ガイドで集束させて、表面速度2500m/分、150℃の引取りロールで引取り、引き続き245℃の延伸ロール、弛緩ロールを介して全延伸倍率2.16倍となるように延伸し、5400m/分のワインダーで巻き取り、1670デシテックス360フィラメントの延伸糸を10kg捲きケークとして得た。
試験区分1で調製した各処理剤を必要に応じてイオン交換水又は有機溶剤にて均一に希釈し、10%溶液とした。硫酸相対粘度3.7のナイロン6のチップを常法により乾燥した後、エクストルーダーを用いて280℃で紡糸し、口金から吐出して冷却固化した後の走行糸条に、前記の10%溶液をローラー給油法にて付着させた後、ガイドで集束させて、表面速度600m/分、室温の引取りロールで引取り、引き続き220℃の延伸ロール、弛緩ロールを介して全延伸倍率5.25倍となるように延伸し、3150m/分のワインダーで巻き取り、1400デシテックス208フィラメントの延伸糸を10kg捲きケークとして得た。
JIS−L1073(合成繊維フィラメント糸試験方法)に準拠し、抽出溶剤としてノルマルヘキサン/エタノール(50/50容量比)混合溶剤を用いて、合成繊維に対する処理剤の付着量(%)を測定した。結果を表14〜表16にまとめて示した。
前記で得たケークから採取した試験糸を、初期張力1kg、糸速度500m/分で、表面温度245℃(条件−1の場合)又は220℃(条件−2の場合)のホットローラーに巻き付けて走行させ、ホットローラーに発生する12時間後のタールの量を肉眼で観察し、次の基準で評価した。結果を表14〜表16にまとめて示した。
AAA:タールが認められない
AA:タールが僅かに認められる
A:タールが少し認められる
B:タールが明らかに認められる
C:タールがかなりの量認められる
前記の紡糸工程において、糸をケークとして巻き取る前に、毛羽計数装置(東レエンジニアリング社製のDT−105)にて1時間当たりの毛羽数を測定し、次の基準で評価した。結果を表14〜表16にまとめて示した。
AAA:測定された毛羽数が0個
AA:測定された毛羽数が1個未満(但し、0を含まない)
A:測定された毛羽数が1〜2個
B:測定された毛羽数が3〜9個
C:測定された毛羽数が10個以上
試験区分1で調製した各処理剤をポリエステルフィルムに1滴滴下し、滴下直後と1分経過後の直径を個々に測定して、その変化率を百分率で算出し、次の基準で評価した。結果を表14〜表16にまとめて示した。
AAA:算出された変化率が200%より大きい
AA:算出された変化率が150%より大きく200%以下
A:算出された変化率が120%より大きく150%以下
B:算出された変化率が100%より大きく120%以下
C:算出された変化率が100%(全く拡がっていない)
試験区分1で調製した各処理剤をPVCフィルムに1滴滴下し、滴下直後と1分経過後の直径を個々に測定して、その変化率を百分率で算出し、次の基準で評価した。結果を表14〜表16にまとめて示した。
AAA:算出された変化率が200%より大きい
AA:算出された変化率が150%より大きく200%以下
A:算出された変化率が120%より大きく150%以下
B:算出された変化率が100%より大きく120%以下
C:算出された変化率が100%(全く拡がっていない)
前記で得たケークから採取した試験糸を撚糸後に平織りにし、熱処理した後、片面に可塑剤中でゲル状とした塩ビペーストを均一に塗布し、塗布面を貼り合わせ、再度熱処理を行った。24時間静置後、引張試験機を用いて貼り合わせた平織物間の180度剥離力を測定し、次の基準で評価した。結果を表14〜表16にまとめて示した。
AAA:剥離力が35N/5cm2より大きい
AA:剥離力が25N/5cm2より大きく35N/5cm2下
A:剥離力が18N/5cm2より大きく25N/5cm2以下
B:剥離力が12N/5cm2より大きく18N/5cm2以下
C:剥離力が12N/5cm2以下
付与形態の欄の有機溶剤溶液:用いた有機溶剤は、40℃の粘度が2.0×10−6m2/sのノルマルパラフィン
付着形態の欄のニート:処理剤をそのまま付着させた
Claims (11)
- 有機酸エステル、非イオン界面活性剤及びアニオン界面活性剤からなる合成繊維用処理剤であって、有機酸エステルを全体の10〜45質量%、非イオン界面活性剤を全体の45〜84質量%及びアニオン界面活性剤を全体の0.1〜10質量%の割合で含有し、且つ有機酸エステルの少なくとも一部として下記のダイマー酸エステルを全体の3〜45質量%含有していて、ダイマー酸エステル以外の有機酸エステルが下記のエステル化合物から選ばれる一つ又は二つ以上であることを特徴とする合成繊維用処理剤。
ダイマー酸エステル:不飽和脂肪酸の2分子以上を分子間重合した不飽和重合脂肪酸であるダイマー酸及び/又は該不飽和重合脂肪酸に部分的若しくは完全に水素添加した飽和若しくは不飽和重合脂肪酸であるダイマー酸と、脂肪族モノアルコールとのエステル化合物から選ばれる一つ又は二つ以上。
エステル化合物:トリメリット酸と炭素数1〜26の脂肪族モノアルコールとのエステル化合物、天然油脂、グリセリンと炭素数2〜22の脂肪族モノカルボン酸とのエステル化合物、トリメチロールプロパンと炭素数2〜22の脂肪族モノカルボン酸とのエステル化合物、ペンタエリスリトールと炭素数2〜22の脂肪族モノカルボン酸とのエステル化合物、炭素数2〜26の脂肪族モノアルコールと炭素数2〜22の脂肪族モノカルボン酸とのエステル化合物に炭素数2〜4のアルキレンオキサイドを付加した化合物、炭素数2〜26の脂肪族多価アルコールと炭素数2〜22の脂肪族モノカルボン酸との完全エステル化合物に炭素数2〜4のアルキレンオキサイドを付加した化合物、及び炭素数1〜26の脂肪族モノアルコールと炭素数2〜10の脂肪族多価カルボン酸との完全エステル化合物に炭素数2〜4のアルキレンオキサイドを付加した化合物。 - ダイマー酸エステルが、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、リシノール酸、トール油脂肪酸及び大豆油脂肪酸から選ばれる一つ又は二つ以上を出発原料にしたダイマー酸と、炭素数1〜26の脂肪族モノアルコールとのエステル化合物から選ばれる一つ又は二つ以上である請求項1記載の合成繊維用処理剤。
- 非イオン界面活性剤の少なくとも一部として下記のエーテル型非イオン界面活性剤を全体の20〜84質量%含有する請求項1又は2記載の合成繊維用処理剤。
エーテル型非イオン界面活性剤:有機酸、有機アルコール、有機アミン及び/又は有機アミドに炭素数2〜4のアルキレンオキサイドを付加した化合物から選ばれる一つ又は二つ以上。 - アニオン界面活性剤が、有機スルホン酸塩、有機リン酸エステル塩及び有機脂肪酸塩から選ばれる一つ又は二つ以上である請求項1〜4のいずれか一つの項記載の合成繊維用処理剤。
- 有機酸エステルを全体の15〜40質量%、非イオン界面活性剤を全体の55〜80質量%及びアニオン界面活性剤を全体の1〜8質量%の割合で含有し、且つ有機酸エステルの少なくとも一部としてダイマー酸エステルを全体の10〜40質量%含有していて、非イオン界面活性剤の少なくとも一部として化1で示されるポリオキシアルキレン脂肪酸エステルを全体の25〜70質量%含有する請求項4又は5記載の合成繊維用処理剤。
- 請求項1〜6のいずれか一つの項記載の合成繊維用処理剤100質量部当たり、更に下記の酸化防止剤を0.1〜3質量部の割合で添加して成る合成繊維用処理剤。
酸化防止剤:フェノール系酸化防止剤、ホスファイト系酸化防止剤及びチオエーテル系酸化防止剤から選ばれる一つ又は二つ以上 - 請求項1〜7のいずれか一つの項記載の合成繊維用処理剤を熱処理工程に供する合成繊維フィラメント糸条に対し0.1〜3質量%となるよう付着させることを特徴とする合成繊維の処理方法。
- 合成繊維用処理剤を5〜30質量%の水性液となし、該水性液を熱処理工程に供する合成繊維フィラメント糸条に対し合成繊維用処理剤として0.1〜3質量%となるよう付着させる請求項8記載の合成繊維の処理方法。
- 合成繊維が産業資材用合成繊維である請求項8又は9記載の合成繊維の処理方法。
- 産業資材用合成繊維がポリエステル系繊維又はポリアミド系繊維である請求項10記載の合成繊維の処理方法。
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