JP3469449B2 - 軟質樹脂組成物及び成形品 - Google Patents

軟質樹脂組成物及び成形品

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JP3469449B2
JP3469449B2 JP579298A JP579298A JP3469449B2 JP 3469449 B2 JP3469449 B2 JP 3469449B2 JP 579298 A JP579298 A JP 579298A JP 579298 A JP579298 A JP 579298A JP 3469449 B2 JP3469449 B2 JP 3469449B2
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尚 高柳
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、軟質樹脂組成物及
び該樹脂組成物を用いた成形品に関し、特に、コンクリ
ートやモルタルの構造物、金属駆体を用いた構造物等の
建築物に使用することができる防水性、亀裂追従性及び
耐ブリスター性に優れた軟質樹脂組成物及び該樹脂組成
物を用いたシート状又はパネル状の成形品に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】従来、軟質の不飽和ポリエステル樹脂
(不飽和多塩基酸や飽和多塩基酸とグリコールとの脱水
縮合反応から得られるアルキッド樹脂をスチレンに溶解
した樹脂)は、樹脂硬化物の伸び率が高く、コンクリー
ト等への追従性に優れていることや、液状樹脂粘度、ゲ
ル化時間の調整が容易にできることなどから、かかる軟
質不飽和ポリエステル樹脂を繊維強化材に含浸させなが
らコンクリートに防水層を設ける工法に用いられてい
る。特に、当該樹脂は、コンクリート又は鉄筋コンクリ
ート建造物の屋上、ベランダ、駐車場等の防水材として
有効である。
【0003】しかし、従来の軟質の不飽和ポリエステル
樹脂は、架橋密度が低いために硬化物内に水分が浸透し
やすく、樹脂層とプライマー或いは樹脂層同士の層間で
水が溜まりブリスターとなるという問題点を有してい
る。
【0004】また、これら従来の軟質不飽和ポリエステ
ル樹脂は、成形時は低弾性で伸び率も高いが、経時的に
その特性が失われて硬くなり、施工後数年でライニング
層にクラックが入ることが多い。この様なクラックは外
観を悪くするばかりでなく、漏水などの原因となり、防
水材としての機能を果たせなくなる。
【0005】このような耐水性を改良すべく、耐薬品性
に優れたエポキシアクリレート樹脂とそれに可撓性を付
与する目的でゴム状化合物を導入した軟質樹脂も提案さ
れているが、伸び率が高く、耐薬品性に優れている反
面、軟質の不飽和ポリエステル樹脂と同様に経時的に伸
び率が低下し、樹脂粘度が高いため作業性が悪く、樹脂
原料が高価である等の欠点を有している。
【0006】近年においては、上記防水材としての用途
だけでなく、工場等の床をこのような樹脂でライニング
することにも用いられている。この場合、従来の軟質不
飽和ポリエステル樹脂やエポキシアクリレート樹脂で
は、重量物が落下した際にその応力を十分吸収しきれな
いため、その衝撃でライニング層が破壊するケースがあ
り、耐薬品性と耐衝撃性の良いものが求められている。
【0007】特開平4−41926号公報や特公平4−
39492号公報には、軟質不飽和ポリエステル樹脂と
繊維強化材とを用いて予めシート化した物を床等に直接
貼り付ける工法が提案されている。かかる工法は短期間
で施工ができる利点を有している一方、現場でシートを
貼り付ける際にカッターやはさみでシートを裁断する必
要があるため、加工性の良い柔軟性に富んだ樹脂が要求
される。しかし、従来の軟質の不飽和ポリエステル樹脂
やエポキシアクリレート樹脂は裁断性が悪く、加工断面
にクラックが入るという問題点を有していた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】従って、請求項1〜7
記載の発明の目的は、繊維強化材との密着性が良好で、
耐水性と伸び率とのバランス、加工性、耐衝撃性及び耐
薬品性にも優れた軟質樹脂組成物を提供するにある。
【0009】請求項8記載の発明の目的は、本発明の軟
質樹脂組成物を用いて、耐水性と伸び率とのバランス、
加工性、耐衝撃性及び耐薬品性に優れた成形品、特にシ
ート状又はパネル状の成形品を提供するにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決するために検討した結果、エポキシアクリレート樹
脂に軟質のウレタンアクリレート樹脂を特定割合で混合
配合することにより、本発明の軟質樹脂組成物及び成形
品を完成するに至ったものである。
【0011】請求項1記載の軟質樹脂組成物は、(A)
エポキシアクリレート、(B)ウレタンアクリレート及
び(C)共重合性単量体を含んで成る樹脂組成物であっ
て、(A)エポキシアクリレートと(B)ウレタンアク
リレートとの重量比が、40/60<(A)エポキシア
クリレート/(B )ウレタンアクリレート≦10/90
であることを特徴とする。
【0012】請求項2記載の軟質樹脂組成物は、請求項
1記載の軟質樹脂組成物において、(A)エポキシアク
リレートが、ビスフェノール型エポキシ樹脂と(メタ)
アクリル酸との反応物であることを特徴とする。
【0013】請求項3記載の軟質樹脂組成物は、請求項
1又は2記載の軟質樹脂組成物において、(B)ウレタ
ンアクリレートが、一分子中に1個以上の水酸基及び1
個以上の共重合性不飽和基を有する化合物と、一分子中
に2個以上の水酸基を有するグリコール及び/又はポリ
オールと、1分子中に2個以上のイソシアネート基を有
する化合物との反応物であることを特徴とする。
【0014】請求項4記載の軟質樹脂組成物は、請求項
3記載の軟質樹脂組成物において、一分子中に2個以上
の水酸基を有するグリコール及び/又はポリオールが、
各々エチレンオキシド及び/又はプロピレンオキシドか
ら得られるポリエチレングリコール及び/又はポリプロ
ピレングリコールであることを特徴とする。
【0015】請求項5記載の軟質樹脂組成物は、請求項
1〜4いずれかの項記載の軟質樹脂組成物に、強化材を
更に含むことを特徴とする。
【0016】請求項6記載の軟質樹脂組成物は、請求項
5記載の軟質樹脂組成物において、強化材が有機繊維の
不織布であることを特徴とする。
【0017】請求項7記載の軟質樹脂組成物は、請求項
5記載の軟質樹脂組成物において、強化材がガラス繊維
及び/又は炭素繊維であることを特徴とする。
【0018】請求項8記載の成形品は、請求項1〜7い
ずれかの項記載の軟質樹脂組成物を、熱又は光により硬
化させて得られることを特徴とする。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明の軟質樹脂組成物は、
(A)エポキシアクリレート、(B)ウレタンアクリレ
ート及び(C)共重合性単量体を含有するものである。
本明細書中、例えば(メタ)アクリル酸とは、アクリル
酸とメタクリル酸とを意味するものとする。
【0020】本発明において用いられる(A)エポキシ
アクリレートは、ビスフェノール型エポキシ樹脂と(メ
タ)アクリル酸との反応から公知の方法により得ること
ができる。かかるエポキシアクリレートは、好適には分
子量が500〜4000のものが溶解性の点より好まし
い。かかるエポキシアクリレートは、本発明の樹脂組成
物を配合する際に単独で、或いは予め共重合性単量体に
溶解させることにより使用することができる。
【0021】上記ビスフェノール型エポキシ樹脂は特に
限定されないが、例えば、エポキシ当量174〜200
0のビスフェノールA及び/又はF型エポキシ樹脂が耐
薬品性と機械的特性の点から好適に使用される。
【0022】また、本発明において用いられる(B)ウ
レタンアクリレートは、一分子中に1個以上の水酸基及
び1個以上の共重合性不飽和基を有する化合物と、一分
子中に2個以上の水酸基を有するグリコール及び/又は
ポリオールと、1分子中に2個以上のイソシアネート基
を有する化合物から、公知の方法、例えば特公昭55−
30527号公報、特公昭55−8013号公報、特公
昭54−21879号公報、特公昭60−26132号
公報又は特公昭60−26133号公報に記載されてい
る方法により製造でき、ポリマー鎖中にウレタン結合を
有するとともに、ポリマー末端にはアクリロイル基又は
メタクロイル基を有するポリマーである。
【0023】上記一分子中に1個以上の水酸基と1個以
上の共重合性不飽和基を有する化合物には、ヒドロキシ
エチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル
(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)
アクリレート、フェノキシヒドロキシプロピル(メタ)
アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アク
リレート、ジプロピレングリコールモノ(メタ)アクリ
レート等を用いることができる。
【0024】また、上記一分子中に2個以上の水酸基を
有するグリコール及び/又はポリオールには、例えば、
ネオペンチルグリコール、エチレングリコール、プロピ
レングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレン
グリコール、トリメチレングリコール、水添ビスフェノ
ールA、ビスフエノールAエチレンオキサイド付加物、
ビスフエノールAプロピレンオキサイド付加物等のグリ
コール類と、アジピン酸、(無水)フタル酸、イソフタ
ル酸、テレフタル酸、トリメリット酸等の多塩基酸との
脱水縮合反応から得られる分子量1000〜2000の
飽和ポリエステルポリオール又は、エチレンオキシド或
いはプロピレンオキシドの開環反応により得られる分子
量300〜2000のポリエチレングリコール、ポリプ
ロピレングリコール類又は、カプロラクトンの開環反応
で得られるポリカプロラクトン等を、単独或いは2種類
以上を併用して使用することができる。これらポリオー
ル成分の分子量が上記範囲内であると、得られる樹脂組
成物の粘度が良好で、液状樹脂組成物を強化材に含浸さ
せる工程の作業性にも優れるため好ましい。
【0025】上記一分子中に2個以上のイソシアネート
基を有する化合物としては、芳香族及び/又は脂肪族ポ
リイソシアネート化合物が用いられ、例えば、トリレン
ジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネー
ト、水添ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメ
チレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネー
ト、キシリレンジイソシアネート、水添キシリレンジイ
ソシアネート等を挙げることができ、これらを単独或い
は2種類以上を混合して用いることができる。
【0026】本発明において用いられる(C)共重合性
単量体としては、例えば、スチレン、ビニルスチレン或
いはアルキル(メタ)アクリレート等のモノ(メタ)ア
クリレート類、エチレングリコールジ(メタ)アクリレ
ート、ポリアルキレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト等のジ(メタ)アクリレート類、トリメチロールプロ
パントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトール
テトラ(メタ)アクリレート等の多官能(メタ)アクリ
レート等があり、これらを単独或いは二種類以上混合し
て使用することができる。
【0027】かかる共重合性単量体は、(A)エポキシ
アクリレートと(B)ウレタンアクリレートとのブレン
ド物100重量部に対して、10〜100重量部の範囲
で使用することができる。10重量部未満では粘度が高
くなり硬化触媒、充填剤の混合等の作業性が悪くなり、
100重量部を超えると共重合性単量体の特性が強くな
りすぎ、得られる樹脂組成物の柔軟性、耐薬品性、強靱
性及び繊維強化材に対する密着性が損なわれる。
【0028】本発明において(A)エポキシアクリレー
トと(B)ウレタンアクリレートとの使用割合は、重量
比で、(A)エポキシアクリレート:(B)ウレタンア
クリレート=40:60〜10:90の範囲でなければ
ならない。 (A)エポキシアクリレートの使用割合が、10よりも
少ない場合では硬化性が悪く、繊維との密着性、耐水性
が低下する傾向にあり、40よりも多い場合は耐衝撃性
が低下する傾向とカッティング性が劣る傾向にある。
【0029】本発明においては、樹脂組成物に更に、強
化材を含むことができる。かかる強化材としては、ガラ
ス繊維、炭素繊維、有機繊維の不織布等を使用すること
ができ、(A)エポキシアクリレート、(B)ウレタン
アクリレート及び(C)共重合性単量体とのブレンド樹
脂を、かかる強化材に含浸して使用することができる。
【0030】ガラス繊維や炭素繊維は、通常FRP成形
で使用するロービングクロス、チョップドストランドマ
ット、サーフェースマット等の形態のものを、有機繊維
の不織布としては、ポリエステル繊維、アクリル繊維、
炭素繊維等の不織布等を使用することができ、これらを
単独或いは2種類以上組み合わせて使用することができ
る。
【0031】かかる強化材は、(A)エポキシアクリレ
ート、(B)ウレタンアクリレート及び(C)共重合性
単量体を混合したブレンド樹脂100重量部に対して、
1〜60重量部、好ましくは1〜55重量部の範囲で使
用することができる。1重量部未満では硬化物の機械的
特性が十分でなく、荷重に対して十分な強度を示すこと
ができず、60重量部を超えると成形作業性が低下して
実用的ではない。更に1〜55重量部の範囲内では、よ
り有効な効果が得られる。
【0032】本発明の軟質樹脂組成物は、有機過酸化物
又は紫外線開始剤を樹脂組成物に溶解して、有機過酸化
物は常温又は加熱、紫外線開始剤は紫外線を照射するこ
とにより硬化させることができる。
【0033】かかる有機過酸化物としては、例えば、メ
チルエチルケトンパーオキシド、クメンハイドロパーオ
キシド、ベンゾイルパーオキシド、t−ブチルパーオキ
シド、t−ブチルパーオキシベンゾエート等を挙げるこ
とができる。
【0034】また、紫外線開始剤としては、例えば、ベ
ンゾインメチルエーテル、ベンゾインブチルエーテル等
のベンゾインアルキルエーテル類、2,2−ジメトキシ
−2−フェニルアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−
メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1ヒドロキ
シシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−
[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホォリノ−
プロパン−1−オンなどのアセトフェノン類、アセトフ
ェノンジメチルケタール、ベンジルジメチルケタールな
どのケタール類等を挙げることができる。
【0035】これらの有機過酸化物或いは紫外線開始剤
は、(A)エポキシアクリレート、(B)ウレタンアク
リレート及び(C)共重合性単量体を混合したブレンド
樹脂100重量部に対して0.01〜10重量部、好ま
しくは0.1〜5重量部の範囲で使用することができ
る。0.1重量部未満では硬化が遅くなり実用的でな
く、また、5重量部を超えるとラジカル発生源が多くな
るために分子量が高くなりにくく、得られる硬化物の耐
熱性、耐水性を損なうので適切でない。この際必要に応
じて、有機過酸化物の分解を促進するために、コバル
ト、鉄等の有機金属塩、第3級アミン等を触媒として配
合することもできる。
【0036】更に、施工現場での適切なゲル化時間を確
保するために、必要に応じて公知のアミン系の助促進剤
又は公知の重合禁止剤を当業者が用いる適切な範囲内で
使用することができる。
【0037】また必要に応じて、空気との接触面を硬化
させタックのない面に仕上げるために、パラフィンワッ
クスを樹脂組成物に添加することができる。その添加量
としては樹脂100重量部に対して0.001〜0.5
重量部の範囲が好ましく、0.001重量部未満ではパ
ラフィンワックスが不充分でタックが残り、0.5重量
部よりも多い場合はワックスが樹脂組成物と分離するの
で取り扱いが悪くなる。
【0038】本発明においては、上記成分の他に必要に
応じて顔料、溶剤、充填剤、接着剤等を当業者が用いる
適切な範囲内で添加して使用することができる。
【0039】本発明の軟質樹脂組成物は、例えば、
(A)エポキシアクリレート及び(B)ウレタンアクリ
レートを所定の割合で混合し、これを(C)共重合性単
量体に均一に溶解するか或いは、(A)エポキシアクリ
レート、(B)ウレタンアクリレートを予め(C)共重
合性単量体に各々均一溶解したものを所定の割合で混合
し、次いで得られた混合物に、有機過酸化物、紫外線開
始剤、必要に応じて有機金属塩、アミン系助促進剤、重
合禁止剤、ワックス、顔料、溶剤、充填剤、接着材等を
加えて室温〜60℃で攪拌混合することにより得られ
る。
【0040】このようにして得られた樹脂組成物を成形
するにあたり、使用できる施工方法としては、コンクリ
ート等に直接積層施工する方法と、当該樹脂組成物を用
いて得られたシート材或いはパネル材をコンクリート等
に接着剤等で貼り付ける方法に大別される。
【0041】コンクリート等に直接積層施行できる方法
とは、プライマー等の下地処理調整したコンクリート構
造物に脱泡ローラーを用いながら、ガラス繊維、有機繊
維の不織布、炭素繊維に直接樹脂組成物を含浸させ、室
温或いは加熱又は紫外線照射により硬化させ、構造物に
接着させるものである。
【0042】または、当該樹脂組成物を用いて得られた
シート材或いはパネル材をコンクリート等に接着剤等で
貼り付ける方法とは、上記軟質樹脂組成物を用いて得ら
れる成形品、特にシート材又はパネル材を作製してコン
クリート等に接着剤等で貼り付けるものである。かかる
シート材又はパネル材は、SMC製造装置のような連続
的にシート又はパネルを製造できる装置を使用して、該
装置に設置された離型用のポリエステルフィルムに調製
した樹脂組成物を均一に延ばし、この上に強化材、例え
ばチョップドストランドを降らせたり、有機繊維の不織
布を乗せて、別の離型用のポリエステルフィルムで表面
を覆い、ロールで樹脂組成物を含浸、脱泡させながらポ
リエステルフィルムに挟まれたシート又はパネルを得
る。シート又はパネルの厚さについては0.5〜10m
mの範囲で成形することができる。0.5mm未満で
は、シートが薄く作製しにくいことや機械的特性を損な
い、10mmを超えると成形物の重量が作業性に支障を
きたす。かかるシート材又はパネル材は、室温或いは加
熱或いは紫外線照射により硬化させることができ、この
シート材又はパネル材を接着剤等でコンクリート構造物
に貼り付けて用いることができる。
【0043】(実施例)以下、本発明を次の実施例及び
比較例により更に詳細に説明するが、本発明はこれらに
より限定されるものではない。合成例1. 攪拌機、還流管、滴下ロート、ガス導入管
を具備した4つ口フラスコに、エポキシ当量500のビ
スフェノールA型エポキシ樹脂597g、メタクリル酸
103g、ハイドロキノン0.14g、2−エチルイミ
ダゾール1.4gを入れて120℃で約2.5時間反応
させ、酸化8のエポキシアクリレート(a)を得た。
【0044】合成例2. 攪拌機、還流管、滴下ロー
ト、ガス導入管を具備した4つ口フラスコに2−ヒドロ
キシメタアクリレート163g、モノメチルエーテルハ
イドロキノン0.2gを仕込み、これに芳香族ジイソシ
アネート化合物として2,6−トルエンジイソシアネー
ト218.3gを室温で1時間かけて滴下して、内温を
50〜55℃に保持しながら反応させた。滴下終了後、
NCO基含有量が14〜15重量%になるまで更に温度
50〜55℃で30分反応させ、続いて、ジブチル錫ジ
ラウレート0.5gを添加し、温度50〜55℃を保持
しつつ、1時間かけて分子量約1000のポリプロピレ
ングリコール634gを滴下した。滴下終了後、75〜
80℃に加熱し、赤外吸収スペクトルで2270cm-1
NCO基の吸収が消失するまで反応させ、ウレタンアク
リレート(b)を得た。
【0045】実施例1. 離型用のポリエステルフィル
ム上に有機繊維の不織布(三菱レイヨン(株);商品名
コルバックS)を用意した。次いで、上記合成例1及び
2で得られたエポキシアクリレート(a)/ウレタンア
クリレート(b)を74重量部/666重量部(重量比
で10/90)の比で混合したものを、スチレンで不揮
発分74重量%に調整し、この樹脂100重量部に対し
て、促進剤として6%ナフテン酸コバルト0.01重量
部、MEKPO(メチルエチルケトンパーオキシド)
1.0重量部を混合し、得られた樹脂を前記不織布に厚
み1mmになるように含浸させた。次いで気泡を脱泡ロ
ーラーで良く取り除いてから別の離型用のポリエステル
フィルムで覆い、120℃で10分かけて硬化させて、
成形品を得た。この時の三菱レイヨン(株)製の商品名
コルバックSの体積含有率を15%に調整した。
【0046】実施例2. エポキシアクリレート(a)
/ウレタンアクリレート(b)を252重量部/448
重量部(重量比で36/64)の比で混合したものを、
スチレンで不揮発分70重量%に調整した以外は実施例
1と同様にして、成形品を得た。
【0047】実施例3. エポキシアクリレート(a)
/ウレタンアクリレート(b)を74重量部/666重
量部(重量比で10/90)の比で混合したものを、ス
チレンで不揮発分74重量%に調整し、この樹脂100
重量部に対して促進剤として6%ナフテン酸コバルト
0.01重量部、MEKPO(メチルエチルケトンパー
オキシド)1.0重量部を混合した。これを離型用のポ
リエステルフィルム上に流布し、SMC製造マシーンで
長さ1インチの硝子繊維をランダムに降らせ、厚み1m
mになるようにロールで調整して両面をポリエステルフ
ィルムで覆ったシート成形品を作製した。このシートを
120℃で10分かけて硬化させた。この時のガラス繊
維の体積含有率を15%とした。
【0048】実施例4. エポキシアクリレート(a)
/ウレタンアクリレート(b)を252重量部/448
重量部(重量比で36/64)の比で混合したものを、
スチレンで不揮発分70重量%に調整した以外は実施例
3と同様にして、シート成形品を作製した。
【0049】比較例1. エポキシアクリレート(a)
/ウレタンアクリレート(b)の代わりに、日本ユピカ
(株)製の防水ライニング用不飽和ポリエステル樹脂
“ユピカ8660”を100重量部用いた以外は実施例
1と同様にして、成形品を得た。
【0050】比較例2. エポキシアクリレート(a)
/ウレタンアクリレート(b)の代わりに、日本ユピカ
(株)製の防水ライニング用不飽和ポリエステル樹脂
“ユピカ8660”を100重量部用いた以外は実施例
3と同様にして、シート成形品を得た。
【0051】比較例3. エポキシアクリレート(a)
/ウレタンアクリレート(b)を518重量部/222
重量部(重量比70/30)の比で用いた以外は実施例
1と同様にして、成形品を得た。
【0052】比較例4. エポキシアクリレート(a)
/ウレタンアクリレート(b)を518重量部/222
重量部(重量比で70/30)の比で用いた以外は実施
例3と同様にして、シート成形品を得た。
【0053】(試験例)実施例1〜4及び比較例1〜4
で得られた成形品について以下の評価を行った。(1)引張特性: 各成形品を、JISK7113に準拠して1
号ダンベルを用いて削りだし、引張り強度(最大荷重時
の強度)及び伸び率(破断までの伸び率)を、引張スピ
ード5mm/分で測定した。この測定を3回繰り返し、
その平均値を特性値とした。
【0054】(2)耐温水性: 各成形品を、60mm
×60mm×3mmに削りだし、40℃の温水に浸漬
し、経時的に吸水量及びその外観を調べた。吸水量は次
式より算出し、外観は以下の評価により決定した。 吸水量(重量%)={(浸漬X日後の重量mg)−(浸
漬前の重量mg)}×100/(浸漬前の重量mg) 外観の評価:○:良好、△:白化、×:クラック発生
【0055】(3)耐熱劣化性: 各成形品を、JISK71
13に準拠して1号ダンベルを用いて削りだし、80℃の
熱風乾燥機に168時間放置後、室温まで放冷して引張
り強度(最大荷重時の強度)及び伸び率(破断までの伸
び率)を引張スピード5mm/分で測定した。この測定
を3回繰り返し、その平均値を特性値とした。引張り強
度及び伸び率は、常態強度を基準に、80℃/168時
間の環境下で処理した時の引張り特性保持率(%)とし
て示し、各保持率は次式により求めた。 引張り特性(強度、伸び):保持率(%) =加熱処理後の
引張り特性×100/常態の引張り特性
【0056】(4)耐衝撃性: JISK5400のデュポン式
(8.3.2 )に準拠して、撃ち型(先端の半径が1/2 イン
チ)を用いて300gの重りを10,20,30cmの高
さから落下させ各シート材が破壊した場合を×、異常な
かった場合を○として評価した。
【0057】(5)シートの裁断性: 作製したシート
を洋裁用のはさみで切り、切り口の状態(ミクロクラッ
ク)から裁断性を判定した。切り口にクラックのない物
を○、ミクロクラックが発生しているものを×とした。
【0058】これらの結果を表1に示す。
【表1】
【0059】表1から、従来の防水ライニングに使用さ
れている軟質不飽和ポリエステル樹脂は水が硬化物の内
部まで浸透しやすく加水分解も受けやすく、高温で処理
した場合、硬くなる傾向にあり、伸び率の低下が激しい
ことがわかる。
【0060】
【発明の効果】本発明の軟質樹脂組成物は、温水に浸漬
した後も加水分解による吸水量の増加やクラック発生等
がない優れた特性を保持し、耐水性に優れ、高温で処理
した場合も硬くならずに処理前の優れた引張り特性を維
持しており、デュポン衝撃性、シート裁断性にも優れ
る。また本発明の成形品は上記軟質樹脂組成物を用いて
いるため、防水性、引張り特性、加工性及び耐衝撃性等
に優れたライニング、シート、或いはパネルが得られ
る。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−279436(JP,A) 特開 昭61−227948(JP,A) 特開 平3−243631(JP,A) 特開 平11−106452(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08F 290/00 - 290/14 C08F 299/00 - 299/08 C08J 5/00 C08J 5/04

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)エポキシアクリレート、(B)ウ
    レタンアクリレート及び(C)共重合性単量体を含んで
    なる樹脂組成物であって、(A)エポキシアクリレート
    と(B)ウレタンアクリレートとの重量比が、40/6
    0<(A)エポキシアクリレート/(B )ウレタンアク
    リレート≦10/90であり、かつ、共重合性単量体で
    不揮発分を70〜74重量%に調整することを特徴とす
    コンクリート建築物防水用樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 (A)エポキシアクリレートは、ビスフ
    ェノール型エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸との反応
    物であることを特徴とする請求項1記載の樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 (B)ウレタンアクリレートは、一分子
    中に1個以上の水酸基及び1個以上の共重合性不飽和基
    を有する化合物と、一分子中に2個以上の水酸基を有す
    るグリコール及び/又はポリオールと、1分子中に2個
    以上のイソシアネート基を有する化合物との反応物であ
    ることを特徴とする請求項1又は2記載の樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 一分子中に2個以上の水酸基を有するグ
    リコール及び/又はポリオールは、各々エチレンオキシ
    ド及び/又はプロピレンオキシドから得られるポリエチ
    レングリコール及び/又はポリプロピレングリコールで
    あることを特徴とする請求項3記載の樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 強化材を更に含むことを特徴とする請求
    項1〜4いずれかの項記載の樹脂組成物。
  6. 【請求項6】 強化材は有機繊維の不織布であることを
    特徴とする請求項5記載の樹脂組成物。
  7. 【請求項7】 強化材はガラス繊維及び/又は炭素繊維
    であることを特徴とする請求項5記載の樹脂組成物。
  8. 【請求項8】 請求項1〜7いずれかの項記載の樹脂組
    成物を、熱又は光により硬化させて得られることを特徴
    とする成形品。
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