JP2018080281A - 繊維強化プラスチックシート - Google Patents
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Abstract
【課題】温度が比較的低い環境下であっても充分な柔軟性を有するとともに、耐水性が良好なFRPシートを提供すること。【解決手段】不飽和ポリエステル樹脂と繊維状補強材とを含有し、繊維状補強材の含有率が18〜26質量%であり、不飽和ポリエステル樹脂は、エーテル結合を含むグリコールに由来する構造単位を有するとともに、JIS K6911−2006の規定に準拠して測定される引張強さが10〜30MPaであり、かつ前記規定に準拠して測定される引張弾性率が700MPa以下である、繊維強化プラスチックシートを提供する。【選択図】なし
Description
本発明は、繊維強化プラスチックシートに関する。
建造物の屋上、ベランダ、バルコニー、腰壁、パラペット、浴室洗い場、及びトイレ、並びに駐車場等には、防水材が設けられている。防水材としては、古くから、アスファルト、ゴムシート、塩化ビニルシート、ウレタン樹脂、及びアクリル樹脂等が使用されてきた。近年では、耐摩耗性や下地との密着性、材料自身の強度の低さによる膨れや亀裂の問題、並びに耐水性及び耐薬品性等を考慮して、不飽和ポリエステル樹脂とガラス繊維を含有する樹脂組成物をライニングして、繊維強化プラスチック(Fiber Reinforced Plastics; FRP)を被覆する方法が増えている(例えば特許文献1参照)。
一方、施工現場において、ライニングによってFRP層を形成する方法では、作業者の熟練度、並びに下地の乾燥状態、亀裂、及び平滑性等の影響を受けやすく、また、FRP層の形成時に樹脂組成物中のスチレンが揮散して臭気が発生する。これらの点を考慮して、予め製造されたFRPシートを用いることが提案されている。
例えば、特許文献2には、所定の不飽和ポリエステル樹脂シロップをガラス繊維に含浸し硬化成形したガラス繊維強化樹脂成形板が提案されている。また、特許文献3には、所定の不飽和ポリエステル樹脂シロップをガラス繊維に含浸し硬化成形した柔軟性ガラス繊維強化樹脂成形シートを、高弾性の合成樹脂接着剤を介して、表面に被覆したコンクリート構造体が提案されている。さらに、特許文献4には、所定の不飽和ポリエステルと重合性単量体とを所定の割合で含む不飽和ポリエステル樹脂に補強材を組み合わせてシート状に成形してなる軟質FRPシートが提案されている。
特許文献2〜4に開示されているようなFRPシートでも、温度が比較的低い環境下における柔軟性は充分とはいえず、改善の余地がある。FRPシートは、作業性及びコスト等の観点から、長尺状のFRPシートをロール状に巻回した形態(FRPシート巻回体)とされ、施工現場において所望の寸法に切断されて用いられることが多い。しかし、例えば15℃以下のような温度が比較的低い環境下では、樹脂の硬さが増すため、FRPシート巻回体を広げる際に巻き癖が残っていたり、被着対象にFRPシートを接着剤で貼り付ける際に跳ね返りや巻き戻りが生じたりして、施工し難いことがある。
そこで、本発明は、温度が比較的低い環境下であっても充分な柔軟性を有するとともに、耐水性が良好なFRPシートを提供しようとするものである。
本発明者らの検討の結果、FRPシートの柔軟性を高めるためには、特定のグリコール成分を使用して得られる不飽和ポリエステル樹脂が必要であること、また、FRPシートの耐水性は使用する不飽和ポリエステル樹脂の耐水性に依存することが分かった。そして、本発明者らは、引張強さ及び引張弾性率が特定範囲内の不飽和ポリエステル樹脂を使用することで、低温環境下でも充分な柔軟性を有して良好に施工することが可能で、耐水性も良好なFRPシートが得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、不飽和ポリエステル樹脂と繊維状補強材とを含有し、前記繊維状補強材の含有率が18〜26質量%であり、前記不飽和ポリエステル樹脂は、エーテル結合を含むグリコールに由来する構造単位を有するとともに、JIS K6911−2006の規定に準拠して測定される引張強さが10〜30MPaであり、かつ前記規定に準拠して測定される引張弾性率が700MPa以下である、繊維強化プラスチックシートを提供する。
本発明によれば、温度が比較的低い環境下であっても充分な柔軟性を有するとともに、耐水性が良好なFRPシートを提供することができる。
以下、本発明の実施の形態について説明するが、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではない。
本発明の一実施形態の繊維強化プラスチックシート(本明細書において、「FRPシート」と記載することがある。)は、不飽和ポリエステル樹脂と繊維状補強材とを含有する。このFRPシートは、不飽和ポリエステル樹脂をマトリックス材として、そのマトリックス材中に繊維状補強材が含有されている構成をとることができる。このFRPシート中の繊維状補強材の含有率は18〜26質量%である。また、FRPシートを構成する不飽和ポリエステル樹脂は、エーテル結合を含むグリコールに由来する構造単位を有するとともに、引張強さが10〜30MPaであり、かつ、引張弾性率が700MPa以下である。
本明細書において、不飽和ポリエステル樹脂の引張強さ及び引張弾性率の各値は、23℃において、JIS K6911−2006の規定に準拠して測定される値である。それらの値を、JIS K7161−2−2014の規定に準拠して求めることもできる。また、本明細書において、不飽和ポリエステル樹脂についての引張強さ及び引張弾性率等の各物性値は、繊維状補強材を使用せずに得た不飽和ポリエステル樹脂自体(不飽和ポリエステル樹脂の硬化物)の物性値を意味する。より具体的には、不飽和ポリエステル樹脂の物性値は、JIS K6919−2009に記載されている「注型板」(液状不飽和ポリエステル樹脂に硬化剤、又は硬化剤と促進剤を配合したものを型に入れて硬化させたもの)の23℃における物性値である。
本発明の一実施形態のFRPシートでは、繊維状補強材の含有率を上記特定の範囲内とし、かつ、エーテル結合を含むグリコールに由来する構造単位、並びに上記特定の引張強さ及び引張弾性率を有する不飽和ポリエステル樹脂を用いている。そのため、このFRPシートは、耐水性及び耐熱性が良好であり、防水部材として必要な強度を有し、さらに、温度が比較的低い環境下においても充分な柔軟性を有して容易に施工することが可能である。具体的には、例えば、ロール状に巻回された形態のFRPシートを、例えば15℃以下といった環境下で使用する場合にも、巻き癖が残らずにFRPシートの貼り付けを容易に行うことが可能である。なお、本明細書において、「温度が比較的低い環境」とは、温度が15℃以下(具体的には10〜15℃程度)の環境のことをいい、10℃以下等のさらに低い温度環境を「低温環境」ということがある。
不飽和ポリエステル樹脂の引張強さは、10〜30MPaであり、低温環境下においても充分な柔軟性を有する観点から、好ましくは10〜25MPaであり、より好ましくは10〜20MPaである。不飽和ポリエステル樹脂の引張弾性率は、700MPa以下であり、低温環境下においても充分な柔軟性を有する観点から、好ましくは600MPa以下であり、より好ましくは550MPa以下であり、さらに好ましくは500MPa以下である。また、不飽和ポリエステル樹脂の強度、耐水性、及び耐熱性の観点から、その引張弾性率は、150MPa以上であることが好ましく、160MPa以上であることがより好ましい。
不飽和ポリエステル樹脂のJIS K6911−2006の規定に準拠して測定される引張破壊ひずみ(伸び)は、25%以上であることが好ましく、より好ましくは30%以上、さらに好ましくは40%以上200%以下である。不飽和ポリエステル樹脂のJIS K6911−2006の規定に準拠して測定される曲げ強さは、5〜30MPaであることが好ましく、より好ましくは5〜25MPa、さらに好ましくは8〜20MPaである。
不飽和ポリエステル樹脂の合成に使用する酸成分及びグリコール成分等のモノマーの種類及びその使用量等を調節することにより、引張強さが10〜30MPaであり、かつ、引張弾性率が700MPa以下である不飽和ポリエステル樹脂を得ることができる。以下、上記引張強さ及び引張弾性率を有する不飽和ポリエステル樹脂を得る観点からの好ましいモノマー等について説明する。
不飽和ポリエステル樹脂は、酸又はその無水物とグリコールとの重縮合により合成することができる。酸としては、不飽和多塩基酸及び/又は飽和多塩基酸を用いることができる。不飽和ポリエステル樹脂は、エーテル結合を含むリコールに由来する構造単位のほか、不飽和多塩基酸又はその無水物に由来する構造単位、及び飽和多塩基酸又はその無水物に由来する構造単位を有することが好ましい。
不飽和多塩基酸又はその無水物としては、例えば、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、無水イタコン酸、及びシトラコン酸等を挙げることができ、これらのうち、マレイン酸及び無水マレイン酸が好ましい。不飽和ポリエステル樹脂には、不飽和多塩基酸及びその無水物のうちの1種又は2種以上を用いることができる。
飽和多塩基酸又はその無水物としては、例えば、フタル酸(オルトフタル酸)、イソフタル酸、テレフタル酸、無水フタル酸、テトラヒドロフタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、へキサヒドロフタル酸、へキサヒドロ無水フタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、トリメリット酸、及びピロメリット酸等を挙げることができる。これらのうち、フタル酸、イソフタル酸、及びテレフタル酸が好ましい。また、不飽和ポリエステル樹脂に柔軟性を付与する観点から、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、アゼライン酸、及びセバシン酸等の直鎖式飽和二塩基酸が好ましい。不飽和ポリエステル樹脂には、飽和多塩基酸及びその無水物のうちの1種又は2種以上を用いることができる。
不飽和多塩基酸、飽和多塩基酸、及びそれらの無水物に由来する構造単位の含有割合は、不飽和ポリエステル樹脂の全質量を基準として、10〜50質量%であることが好ましく、より好ましくは20〜40質量%、さらに好ましくは25〜35質量%である。
グリコールとしては、不飽和ポリエステル樹脂に柔軟性を付与する観点から、エーテル結合を含むグリコールが使用される。エーテル結合を含むグリコールとしては、例えば、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、及びポリプロピレングリコール等を挙げることができる。エーテル結合を含むグリコールは、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、及びトリエチレングリコールからなる群より選ばれる少なくとも1つであることが好ましい。不飽和ポリエステル樹脂には、エーテル結合を含むグリコールの1種又は2種以上を用いることができ、また、エチレングリコール及びプロピレングリコール等のエーテル結合を含まないグリコールの1種又は2種以上が用いられていてもよい。
エーテル結合を含むグリコールに由来する構造単位の含有割合は、不飽和ポリエステル樹脂の全質量を基準として、10〜50質量%であることが好ましく、より好ましくは20〜40質量%、さらに好ましくは25〜35質量%である。
不飽和ポリエステル樹脂として、硬化反応性や諸物性の向上のため、変性不飽和ポリエステル樹脂を用いることもできる。変性不飽和ポリエステル樹脂としては、例えば、不飽和ポリエステル樹脂の分子末端であるカルボキシ基又はヒドロキシ基に、エポキシ基を有するα,β−不飽和カルボン酸エステルやヒドロキシ基を有する(メタ)アクリレートを反応させて得られるものを用いることができる。また、不飽和ポリエステル樹脂の分子末端のヒドロキシ基に、ポリイソシアネートを反応させて得られる変性不飽和ポリエステル樹脂を用いることもできる。なお、本明細書において、「(メタ)アクリレート」とは、アクリレート及びメタクリレートの両方が含まれることを意味し、「(メタ)アクリル」とは、アクリル及びメタクリルの両方が含まれることを意味する。
不飽和ポリエステル樹脂は、さらに、重合性単量体に由来する構造単位を有することが好ましい。不飽和ポリエステル樹脂の合成に重合性単量体を使用することにより、3次元架橋された不飽和ポリエステル樹脂を得ることができ、これにより、FRPシートの耐水性をより高めることが可能となる。この不飽和ポリエステル樹脂としては、前述の酸と、エーテル結合を含むグリコールとの重縮合により生成した不飽和ポリエステルを、重合性単量体に溶解して希釈したものを加熱硬化させて得られる不飽和ポリエステル樹脂がより好ましい。
重合性単量体は、前述のエーテル結合を含むグリコール、並びに不飽和多塩基酸、飽和多塩基酸、及びそれらの無水物以外の重合性単量体である。重合性単量体としては、例えば、メチルアクリレート及びメチルメタクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル、並びにスチレン、α−メチルスチレン、ジビニルベンゼン、ビニルトルエン、パラメチルスチレン、及びtert−ブチルスチレン等を挙げることができる。これらのうち、スチレンが好ましい。不飽和ポリエステル樹脂には、重合性単量体のうちの1種又は2種以上を用いることができる。
重合性単量体に由来する構造単位の含有割合は、不飽和ポリエステル樹脂の全質量を基準として、20〜60質量%であることが好ましく、より好ましくは30〜50質量%、さらに好ましくは35〜45質量%である。
不飽和ポリエステル樹脂を合成する際には、前述した酸又はその無水物、及びグリコール等のモノマー成分を含有する組成物に硬化剤を添加して調製した樹脂組成物を用いることができる。硬化剤により、前述のモノマー成分を硬化反応させて、不飽和ポリエステル樹脂を得ることができる。好適な硬化剤としては、有機過酸化物、及びアゾ化合物を挙げることができる。不飽和ポリエステル樹脂の合成には、硬化剤の1種又は2種以上を用いることができる。硬化剤の使用量は、不飽和ポリエステル樹脂を形成するモノマー成分の合計100質量部に対して、0.5〜5質量部であることが好ましい。
有機過酸化物として、ハイドロパーオキサイド、ジアルキルパーオキサイド、ジアシルパーオキサイド、ケトンパーオキサイド、パーオキシエステル、パーオキシケタール、及びパーオキシジカーボネート等を用いることができる。有機過酸化物としては、例えば、ベンゾイルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシベンゾエート、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、3−イソプロピルヒドロパーオキサイド、t−ブチルヒドロパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ジクミルヒドロパーオキサイド、アセチルパーオキサイド、ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、イソブチルパーオキサイド、3,3,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、及びラウリルパーオキサイド等を挙げることができる。アゾ化合物の具体例としては、例えば、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスカルボンアミド、及び2−フェニルアゾ−2,4−ジメチル−4−メトキシバレロニトリル等を挙げることができる。
不飽和ポリエステル樹脂を合成する際には、上述した樹脂組成物に促進剤を含有させてもよい。好適な促進剤としては、金属石鹸類、金属キレート類、アミン系化合物、及びβ−ジケトン化合物等を挙げることができる。不飽和ポリエステル樹脂の合成には、促進剤の1種又は2種以上を用いることができる。促進剤の使用量は、不飽和ポリエステル樹脂を形成するモノマー成分の合計100質量部に対して、0.005〜2質量部であることが好ましい。
金属石鹸類としては、例えば、コバルト金属塩(例えばオクテン酸コバルト、ナフテン酸コバルト、及びオクチル酸コバルト等)、オクチル酸亜鉛、オクチル酸バナジウム、ナフテン酸カルシウム、オクテン酸カルシウム、オクテン酸カリウム、ナフテン酸銅、及びナフテン酸バリウム等を挙げることができる。金属キレートとしては、例えば、鉄アセチルアセトネート、バナジウムアセチルアセテート、及びコバルトアセチルアセテート等を挙げることができる。アミン系化合物としては、例えば、N,N−ジメチルアニリン、及びN,N−ジメチル−p−トルイジン等を挙げることができる。β−ジケトン化合物としては、例えば、α−アセチルブチロラクトン、及びN,N−ジメチルアセトアセトアミド等を挙げることができる。
なお、不飽和ポリエステル樹脂を合成する際には、上述した樹脂組成物に、各種添加剤を含有させてもよい。添加剤としては、例えば、重合禁止剤、粘度調整剤、チキソトロピー調整剤(揺変剤)、顔料、染料、消泡剤、カップリング剤、湿潤分散剤、レベリング剤、充填材、骨材、抗菌剤、防カビ剤、紫外線吸収剤、及び酸化防止剤等を挙げることができる。また、不飽和ポリエステル樹脂に、ビニルエステル樹脂やアクリル樹脂等の他の樹脂をブレンドして、耐久性や硬化性の向上を図ることも可能である。
FRPシートを成形する場合には、不飽和ポリエステル樹脂を形成する前述のモノマー成分等を含有する樹脂組成物と、繊維状補強材とが組み合わされる。繊維状補強材としては、例えば、ガラス繊維、アミド樹脂繊維、アラミド繊維、ビニロン繊維、ポリエステル樹脂繊維、フェノール樹脂繊維、カーボン繊維、金属繊維、及びセラミック繊維等を挙げることができる。FRPシートは、1種又は2種以上の繊維状補強材を含有することができる。繊維状補強材としては、ガラス繊維が好ましく、ガラスチョップドストランドがより好ましく、ガラスロービングのチョップドストランドがさらに好ましい。
FRPシート中の繊維状補強材の含有率は、前述の通り、FRPシートの全質量を基準として、18〜26質量%であることが必要である。繊維状補強材の含有率が18%未満であると、FRPシートの強度が不充分となり、その含有率が26%を超えると、低温環境下においてFRPシートの柔軟性が不充分となり、施工し難くなる。適度な柔軟性と強度を兼ね備えたFRPシートを得る観点からは、繊維状補強材の含有率は、18〜24質量%であることが好ましい。
本発明の一実施形態のFRPシートの幅、厚さ及び長さ等の寸法は特に限定されない。FRPシートが、例えば防水部材として用いられる場合、そのFRP防水シートの幅は、運搬及び施工のし易さ、並びに製造コスト等の観点から、200〜2000mm程度が好ましく、より好ましくは500〜1500mm程度、さらに好ましくは1000〜1200mm程度である。FRP防水シートの厚さは、防水部材としての強度、及び施工し易い程度の柔軟性を確保する観点から、0.2〜2mm程度であることが好ましく、より好ましくは0.4〜1.5mm程度、さらに好ましくは0.6〜1.2mm程度である。
また、FRPシートは、運搬のし易さ及び生産コスト等の観点から、ロール状に巻回された形態(FRPシート巻回体の形態)であることが好ましい。この場合、FRPシートの長さは、運搬のし易さの観点から、10〜20m程度であることが好ましい。FRPシートを巻回体の形態とすることで、FRPシートを設ける対象に応じて、カッターや鋏等でFRPシートを適当な長さで切断して用いることができるため、用途を広げることができる。
本発明の一実施形態のFRPシートの製造方法は特に限定されない。例えば、前述の不飽和ポリエステル樹脂を形成するモノマー成分、繊維状補強材、硬化剤、並びに必要に応じて用いられる促進剤及び各種添加剤等を配合した樹脂組成物を調製し、その樹脂組成物をシート状に成形する方法を挙げることができる。また、繊維状補強材を添加する前の樹脂組成物を第1の離型材に塗工する工程と、その塗工した樹脂層上に繊維状補強材を撒き落とす工程と、繊維状補強材を加えた樹脂層上を第2の離型材で覆う工程と、樹脂層を硬化させてシート状に成形する工程とを含む方法を挙げることができる。これらの方法では、公知のシート成形方法を用いて、FRPシートを連続的に成形することが好ましい。
FRPシートを連続的に成形する方法の一例として、例えば、特許文献4に開示されている「フィルム成形法(シート成形法)と呼ばれる連続成形法」を参照することができる。FRPシートの連続成形方法としては、具体的には、まず、第1の離型材を連続的に送っていき、その第1の離型材上に樹脂組成物を塗布して樹脂層を形成していき、その連続的に形成していく樹脂層上に、繊維状補強材を撒き落とすことが好ましい。この際、補強材として、ガラスロービングを用い、樹脂層上でガラスロービングを連続的にカットして得られたチョップドストランドを樹脂層上に均一に降らせながら、必要に応じてローラー等を用いてチョップドストランドに樹脂を含浸させることが好ましい。このようにして、第1の離型材上に樹脂組成物と繊維状補強材(チョップドストランド)とを含有する混合層を形成することができる。そして、その混合層上に第2の離型材を連続的に重ねて、必要に応じてローラー等を用いて混合層の厚さを調整し、硬化炉にて樹脂組成物を連続的に硬化させることが好ましい。その後、第1の離型材及び第2の離型材を剥がし、必要に応じて幅寸法の切断工程を経て、ロール状に巻き取った製品形態のFRPシートを得ることができる。
本発明の一実施形態のFRPシートは、種々の用途に使用されるが、建築材料や防水用途として好適であり、好ましくは防水部材(FRP防水シート)として用いられる。具体的には、FRP防水シートは、採光板等の建築材料、並びに建造物の屋上、ベランダ、バルコニー、腰壁、パラペット、浴室洗い場、及びトイレ、並びに駐車場、プール、下水道施設、浄水場施設、オゾン処理槽、貯水槽、及び化学工場床等の防水構造に用いられることがより好ましい。これらの防水構造における下地の材質としては、例えば、セメントコンクリート、石膏、モルタル、アスファルトコンクリート、プラスチック、金属、セラミックス、及び木材等を挙げることができる。また、このFRPシートは、温度が比較的低い環境下においても充分な柔軟性を有するため、15℃以下の環境下で好適に用いられ、10℃以下、さらには5℃以下といった低温環境下用としても好適である。
FRPシートが上述の防水構造に用いられる場合等において、防水処理を施す対象となる下地に対して、接着剤を介してFRPシートを設けることができる。この場合、下地との追随性を高めるために、FRPシートにおける下地側の面に絶縁緩衝層を設けることができ、下地から接着剤層及び絶縁緩衝層を介してFRPシートを設けることができる。
FRPシートが上述の防水構造に用いられる場合等において、複数のFRPシートを用いて、それらを積層して用いることができる。また、FRPシート上に、別の防水層を設けることもできる。防水層としては、従来のFRP防水構造に用いられているスチレンを含有するFRP防水層、スチレンを含有しない、いわゆるノンスチレン型FRP防水層、及び高強度ウレタン樹脂防水層等を挙げることができる。それらの防水層を、例えばライニング工法にてFRPシート上に設けることができる。FRPシート上に設ける防水層として、ノンスチレン型FRP防水層や高強度ウレタン樹脂防水層を用いることで、より環境に配慮した防水構造を提供することができる。FRP防水層としては、日本建築学会、「建築工事標準仕様書・同解説 JASS 8 防水工事」における「JASS 8 M−101−2007」に規定されている防水用ポリエステル樹脂を好適に用いることができる。高強度ウレタン樹脂防水層としては、JIS A6021:2011で規定されている高強度形のウレタンゴム系材料を用いることができる。
以上詳述したFRPシートは、18〜26質量%の含有率で繊維状補強材を含有し、かつ、エーテル結合を含むグリコールに由来する構造単位、並びに10〜30MPaの引張強さ及び700MPa以下の引張弾性率を有する不飽和ポリエステル樹脂を含有する。そのため、このFRPシートは、耐水性が良好であり、防水部材として必要な強度を有し、なおかつ、温度が比較的低い環境においても充分な柔軟性を有して容易に施工することが可能である。また、上記不飽和ポリエステル樹脂として、引張強さが10〜25MPa、かつ引張弾性率が600MPa以下のものを用いれば、例えば10℃以下、さらには5℃以下といった低温環境下においても良好な柔軟性を有するFRPシートを得ることが可能である。
前述の通り、FRPシートは、作業性及びコスト等の観点から、長尺に製造され、その長尺のFRPシートがロール状に巻回された製品形態とされ、施工現場で所望の寸法に切断されて用いられることが好ましい。このような使用態様で、温度が15℃以下の環境下における柔軟性が不充分であった従来のFRPシートを使用すると、FRPシートの巻回体を広げる際にFRPシートに巻き癖が残って施工し難いことがあった。また、下地等の被着対象にFRPシートを接着剤で貼り付ける際に跳ね返りや巻き戻りが生じ、施工し難いことがあった。それに対して、本発明の一実施形態のFRPシートでは、それを上述の使用態様で、かつ温度が比較的低い環境下で使用する場合にも、充分な柔軟性を有することから容易に施工可能である。また、そのFRPシートを下地等の被着対象に接着剤で貼り付けた際に、FRPシートの跳ね返りや巻き戻りが生じ難く、施工し易い。
一方、不飽和ポリエステル樹脂及びガラス繊維を含有する樹脂組成物を下地等に直接ライングして被覆する方法(ライニング工法)では、作業者の熟練度の影響を受けやすく、その熟練度が低い場合には、ライニング層に欠陥が生じることがある。そのようなライニング工法では、下地に乾燥不足等の問題がある場合に下地処理に多くの手間が掛かることもある。また、ライニング工法では、下地の乾燥状態や平滑性の影響により、下地に対するライニング層の接着不良が発生したり、下地に亀裂が生じた場合にライニング層に破断が起こったりして、漏水の原因になることがある。さらに、樹脂組成物中にスチレンが含有されている場合、ライニング層を形成するときに、スチレンが揮散して臭気が発生する問題がある。これに対し、本発明の一実施形態のFRPシートでは、シートの形態で防水部材として用いることが可能であるため、上述のようなライニング工法における諸問題が生じ難いという利点がある。
なお、上述の通り、本発明の一実施形態のFRPシートは次のような構成をとることが可能である。
[1]不飽和ポリエステル樹脂と繊維状補強材とを含有し、前記繊維状補強材の含有率が18〜26質量%であり、前記不飽和ポリエステル樹脂は、エーテル結合を含むグリコールに由来する構造単位を有するとともに、JIS K6911−2006の規定に準拠して測定される引張強さが10〜30MPaであり、かつ前記規定に準拠して測定される引張弾性率が700MPa以下である、FRPシート。
[2]前記不飽和ポリエステル樹脂の前記引張弾性率が、600MPa以下である前記[1]に記載のFRPシート。
[3]前記エーテル結合を含むグリコールが、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、及びトリエチレングリコールからなる群より選ばれる少なくとも1つである前記[1]又は[2]に記載のFRPシート。
[4]ロール状に巻回された前記[1]〜[3]のいずれかに記載のFRPシート。
[5]防水部材として用いられる前記[1]〜[4]のいずれかに記載のFRPシート。
[6]温度が15℃以下の環境下で用いられる前記[1]〜[5]のいずれかに記載のFRPシート。
[1]不飽和ポリエステル樹脂と繊維状補強材とを含有し、前記繊維状補強材の含有率が18〜26質量%であり、前記不飽和ポリエステル樹脂は、エーテル結合を含むグリコールに由来する構造単位を有するとともに、JIS K6911−2006の規定に準拠して測定される引張強さが10〜30MPaであり、かつ前記規定に準拠して測定される引張弾性率が700MPa以下である、FRPシート。
[2]前記不飽和ポリエステル樹脂の前記引張弾性率が、600MPa以下である前記[1]に記載のFRPシート。
[3]前記エーテル結合を含むグリコールが、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、及びトリエチレングリコールからなる群より選ばれる少なくとも1つである前記[1]又は[2]に記載のFRPシート。
[4]ロール状に巻回された前記[1]〜[3]のいずれかに記載のFRPシート。
[5]防水部材として用いられる前記[1]〜[4]のいずれかに記載のFRPシート。
[6]温度が15℃以下の環境下で用いられる前記[1]〜[5]のいずれかに記載のFRPシート。
以下、試験例を挙げて、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の試験例によって限定されるものではない。
<試験例1:不飽和ポリエステル樹脂の作製及び評価>
(不飽和ポリエステル樹脂組成物の調製)
表1の上段に示す各成分(単位:質量%)を配合し、液状の不飽和ポリエステル樹脂組成物(以下、単に「樹脂組成物」と記載することがある。)a〜iを調製した。調製した各樹脂組成物の25℃における粘度を、JIS K6901−2008の規定に準拠して、BM型粘度計(ローター:3号、回転数:30rpm)により測定した。その結果を表1に示す。表1の上段に示す成分の略記は以下の通りである。
MAN:無水マレイン酸
IPA:イソフタル酸
TPA:テレフタル酸
OPA:オルトフタル酸
AA :アジピン酸
DEG:ジエチレングリコール
DPG:ジプロピレングリコール
TEG:トリエチレングリコール
(不飽和ポリエステル樹脂組成物の調製)
表1の上段に示す各成分(単位:質量%)を配合し、液状の不飽和ポリエステル樹脂組成物(以下、単に「樹脂組成物」と記載することがある。)a〜iを調製した。調製した各樹脂組成物の25℃における粘度を、JIS K6901−2008の規定に準拠して、BM型粘度計(ローター:3号、回転数:30rpm)により測定した。その結果を表1に示す。表1の上段に示す成分の略記は以下の通りである。
MAN:無水マレイン酸
IPA:イソフタル酸
TPA:テレフタル酸
OPA:オルトフタル酸
AA :アジピン酸
DEG:ジエチレングリコール
DPG:ジプロピレングリコール
TEG:トリエチレングリコール
(不飽和ポリエステル樹脂製注型板の作製)
調製した樹脂組成物a〜iのそれぞれについて、以下に述べるようにして、物性測定用の不飽和ポリエステル樹脂A〜Iの試験片を作製した。まず、樹脂組成物100質量部に対して、硬化剤としてメチルエチルケトンパーオキサイド(商品名「パーメックN」、日油社製)1質量部、促進剤としてオクテン酸コバルト(Co:8質量%、日本化学産業社製)0.05質量部を加え、混合した。次いで、2枚のガラス板の間に厚さ3mmのスペーサーを挟んで形成した空間内に、硬化剤及び促進剤を加えた樹脂組成物を流し込み、80℃×30分の条件で1次硬化させた後、さらに120℃×60分の条件で2次硬化させ、厚さ約3mmの試験片(注型板)を作製した。
調製した樹脂組成物a〜iのそれぞれについて、以下に述べるようにして、物性測定用の不飽和ポリエステル樹脂A〜Iの試験片を作製した。まず、樹脂組成物100質量部に対して、硬化剤としてメチルエチルケトンパーオキサイド(商品名「パーメックN」、日油社製)1質量部、促進剤としてオクテン酸コバルト(Co:8質量%、日本化学産業社製)0.05質量部を加え、混合した。次いで、2枚のガラス板の間に厚さ3mmのスペーサーを挟んで形成した空間内に、硬化剤及び促進剤を加えた樹脂組成物を流し込み、80℃×30分の条件で1次硬化させた後、さらに120℃×60分の条件で2次硬化させ、厚さ約3mmの試験片(注型板)を作製した。
(引張試験及び曲げ試験)
作製した各注型板について、引張試験、及び曲げ試験を行った。引張試験では、各注型板から作製した1号ダンベルの試験片について、万能試験機(島津製作所社製)を用いて、JIS K6911−2006の規定に準拠して、23℃における引張強さ、引張弾性率、及び引張破壊伸びを測定した。曲げ試験では、各注型板から作製した、幅10mmかつ長さ80mmの試験片について、支点間距離46.5mmで3点曲げ試験を行い、デジタルフォースゲージ(商品名「FGJN−50」、日本電産シンポ社製)を用いて、23℃における曲げ強さを測定した。これらの結果を表1に示す。
作製した各注型板について、引張試験、及び曲げ試験を行った。引張試験では、各注型板から作製した1号ダンベルの試験片について、万能試験機(島津製作所社製)を用いて、JIS K6911−2006の規定に準拠して、23℃における引張強さ、引張弾性率、及び引張破壊伸びを測定した。曲げ試験では、各注型板から作製した、幅10mmかつ長さ80mmの試験片について、支点間距離46.5mmで3点曲げ試験を行い、デジタルフォースゲージ(商品名「FGJN−50」、日本電産シンポ社製)を用いて、23℃における曲げ強さを測定した。これらの結果を表1に示す。
(熱水試験)
また、作製した各注型板を用いて、より短期間に耐水性を確認するために、熱水試験を行った。具体的には、各注型板から作製した4cm角の試験片の全体を98℃の熱水、及び80℃の熱水に浸漬させ、所定時間経過後に熱水から取り出した試験片の外観変化を確認した。98℃の熱水を用いた試験では、試験片を浸漬させてから50時間後の外観変化を確認し、80℃の熱水を用いた試験では、試験片を浸漬させてから100時間後、168時間(7日間)後、及び336時間(14日間)後の外観変化を確認した。そして、以下の評価基準にしたがって各条件の耐水性を評価した。
A :試験片にクレーズ、クラック、及びフクレのいずれも発生していなかった。
B :試験片にクレーズが生じていた。
C1:試験片にクラックが生じていた。
C2:試験片にフクレが生じていた。
なお、「クレーズ」(ひび割れ)及び「クラック」(き裂)は、それぞれJIS K6900−1994に定義されているものである。「クレーズ」はボイドを含んだような構造のひび割れであるのに対し、「クラック」は割れ目の中が空隙になっているき裂状態であることから、クラックの方がクレーズよりも製品の破壊に結びつきやすく、欠陥の度合は大きいといわれている。また、「フクレ」とは、試験片が膨潤したように膨れていた状態を表す。
また、作製した各注型板を用いて、より短期間に耐水性を確認するために、熱水試験を行った。具体的には、各注型板から作製した4cm角の試験片の全体を98℃の熱水、及び80℃の熱水に浸漬させ、所定時間経過後に熱水から取り出した試験片の外観変化を確認した。98℃の熱水を用いた試験では、試験片を浸漬させてから50時間後の外観変化を確認し、80℃の熱水を用いた試験では、試験片を浸漬させてから100時間後、168時間(7日間)後、及び336時間(14日間)後の外観変化を確認した。そして、以下の評価基準にしたがって各条件の耐水性を評価した。
A :試験片にクレーズ、クラック、及びフクレのいずれも発生していなかった。
B :試験片にクレーズが生じていた。
C1:試験片にクラックが生じていた。
C2:試験片にフクレが生じていた。
なお、「クレーズ」(ひび割れ)及び「クラック」(き裂)は、それぞれJIS K6900−1994に定義されているものである。「クレーズ」はボイドを含んだような構造のひび割れであるのに対し、「クラック」は割れ目の中が空隙になっているき裂状態であることから、クラックの方がクレーズよりも製品の破壊に結びつきやすく、欠陥の度合は大きいといわれている。また、「フクレ」とは、試験片が膨潤したように膨れていた状態を表す。
<試験例2:FRPシートの作製及び評価>
上述した樹脂組成物a、b、d、g及びhを調製し、その調製した樹脂組成物のそれぞれについて、以下に述べるようにして、FRPシートA、B、D、G及びHを作製した。なお、上述した樹脂組成物cの硬化物(不飽和ポリエステル樹脂C)の物性が樹脂組成物b及びdの各硬化物(不飽和ポリエステル樹脂B及びD)の物性に近いため、樹脂組成物cを用いたFRPシートの作製は省略した。また、上述した樹脂組成物e及びfの各硬化物(不飽和ポリエステル樹脂E及びF)は、熱水試験により耐水性が劣ることが確認されたため、樹脂組成物e及びfを用いたFRPシートの作製も省略した。さらに、上述した樹脂組成物iの硬化物(不飽和ポリエステル樹脂I)は硬すぎるため、これにガラス繊維を配合してFRPシートを作製した場合、そのFRPシートを曲げて巻こうとすると、破断することになるため、そのFRPシートの作製も省略した。
上述した樹脂組成物a、b、d、g及びhを調製し、その調製した樹脂組成物のそれぞれについて、以下に述べるようにして、FRPシートA、B、D、G及びHを作製した。なお、上述した樹脂組成物cの硬化物(不飽和ポリエステル樹脂C)の物性が樹脂組成物b及びdの各硬化物(不飽和ポリエステル樹脂B及びD)の物性に近いため、樹脂組成物cを用いたFRPシートの作製は省略した。また、上述した樹脂組成物e及びfの各硬化物(不飽和ポリエステル樹脂E及びF)は、熱水試験により耐水性が劣ることが確認されたため、樹脂組成物e及びfを用いたFRPシートの作製も省略した。さらに、上述した樹脂組成物iの硬化物(不飽和ポリエステル樹脂I)は硬すぎるため、これにガラス繊維を配合してFRPシートを作製した場合、そのFRPシートを曲げて巻こうとすると、破断することになるため、そのFRPシートの作製も省略した。
(FRPシートの作製)
具体的には、樹脂組成物100質量部に対して、硬化剤としてメチルエチルケトンパーオキサイド(商品名「パーメックN」、日油社製)1質量部、促進剤としてオクテン酸コバルト(Co:8質量%、日本化学産業社製)0.05質量部、着色剤(商品名「トーナーグレー」、大泰化工社製)2質量部、脱泡剤(商品名「BYK A−501」、ビックケミー社製)0.2質量部を加え、真空脱泡した混合物を得た。40cm角のガラス板上に、厚さ1.0mmで内径35cm角のアルミニウム製型枠を貼り付け、FRPシートの試験片作製用の成形型を作製した。その成形型の型枠内に真空脱泡した混合物を均一に塗り広げた。型枠内の混合物に、約30cmの高さからガラス繊維を撒き落とし、均一になるように敷き詰めた。FRP成形用の脱泡ローラー及びネジローラーを使用して、脱泡しつつ、混合物をガラス繊維に含浸させた。次いで、混合物の上をポリエステル製の離型フィルムで覆い、離型フィルムの上からゴムローラーを転がし、気泡を抜きながら平滑にした。そして、混合物を硬化炉で80℃×20分の条件で1次硬化させた後、さらに120℃×20分の条件で2次硬化させた後、空冷後、ガラス板及び離型フィルムを剥がし取り、厚さ1mm±0.1mmのFRPシートを得た。
具体的には、樹脂組成物100質量部に対して、硬化剤としてメチルエチルケトンパーオキサイド(商品名「パーメックN」、日油社製)1質量部、促進剤としてオクテン酸コバルト(Co:8質量%、日本化学産業社製)0.05質量部、着色剤(商品名「トーナーグレー」、大泰化工社製)2質量部、脱泡剤(商品名「BYK A−501」、ビックケミー社製)0.2質量部を加え、真空脱泡した混合物を得た。40cm角のガラス板上に、厚さ1.0mmで内径35cm角のアルミニウム製型枠を貼り付け、FRPシートの試験片作製用の成形型を作製した。その成形型の型枠内に真空脱泡した混合物を均一に塗り広げた。型枠内の混合物に、約30cmの高さからガラス繊維を撒き落とし、均一になるように敷き詰めた。FRP成形用の脱泡ローラー及びネジローラーを使用して、脱泡しつつ、混合物をガラス繊維に含浸させた。次いで、混合物の上をポリエステル製の離型フィルムで覆い、離型フィルムの上からゴムローラーを転がし、気泡を抜きながら平滑にした。そして、混合物を硬化炉で80℃×20分の条件で1次硬化させた後、さらに120℃×20分の条件で2次硬化させた後、空冷後、ガラス板及び離型フィルムを剥がし取り、厚さ1mm±0.1mmのFRPシートを得た。
なお、上記ガラス繊維には、連続成形方法に好適なソフトタイプのガラスロービング(製品名「RS 240 PU−537」、日東紡績社製)をロービングカッターにて1インチの長さにカットしたもの(チョップドストランド)を用いた。また、ガラス繊維の使用量は、FRPシート中のガラス繊維の含有率が後記表2に示す割合となる量とし、各樹脂組成物を用いて作製したFRPシートA、B、D、G及びHのそれぞれについて、ガラス繊維の含有率が異なるものを作製した。
(FRPシートの柔軟性評価)
得られた各FRPシートについて、以下に述べるようにして、FRPシートの柔軟性を確認するための試験を行った。まず、得られたFRPシートを幅25mm×長さ300mmの寸法に切断し、柔軟性評価用の試験片を作製した。25℃環境下において、上記寸法に切断した試験片を輪になるように丸め、試験片の幅25mmの両端を突き合わせて接着テープで固定した。この状態の試験片を温度−10℃の恒温槽に入れ、3時間静置した。その後、表2に示す各環境温度(−10℃、0℃、5℃、15℃、及び25℃)において、接着テープを剥がして曲がった試験片を伸ばし、合板製の下地に、塗布量500g/m2で塗布したシリコーン系弾性接着剤(製品名「SP−300」、大泰化工社製)で貼り付けた。このときに、接着剤の接着力で拘束された試験片は、巻き癖がないか、その程度が小さかったといえるため、柔軟性が良好であると判断し、表2中「○」(合格)と示した。また、接着剤の接着力で拘束されず、端部から跳ねて剥がれた試験片は、巻き癖が残ったことから、柔軟性が乏しいと判断し、表2中「×」(不合格)と示した。
得られた各FRPシートについて、以下に述べるようにして、FRPシートの柔軟性を確認するための試験を行った。まず、得られたFRPシートを幅25mm×長さ300mmの寸法に切断し、柔軟性評価用の試験片を作製した。25℃環境下において、上記寸法に切断した試験片を輪になるように丸め、試験片の幅25mmの両端を突き合わせて接着テープで固定した。この状態の試験片を温度−10℃の恒温槽に入れ、3時間静置した。その後、表2に示す各環境温度(−10℃、0℃、5℃、15℃、及び25℃)において、接着テープを剥がして曲がった試験片を伸ばし、合板製の下地に、塗布量500g/m2で塗布したシリコーン系弾性接着剤(製品名「SP−300」、大泰化工社製)で貼り付けた。このときに、接着剤の接着力で拘束された試験片は、巻き癖がないか、その程度が小さかったといえるため、柔軟性が良好であると判断し、表2中「○」(合格)と示した。また、接着剤の接着力で拘束されず、端部から跳ねて剥がれた試験片は、巻き癖が残ったことから、柔軟性が乏しいと判断し、表2中「×」(不合格)と示した。
前述の通り、FRPシートの耐水性は、FRPシートを構成する不飽和ポリエステル樹脂の耐水性に依存する。そのため、上記試験例1及び2の結果より、エーテル結合を含むグリコールに由来する構造単位を有する不飽和ポリエステル樹脂の引張強さが10〜30MPaで、かつ引張弾性率が700MPa以下である場合、耐水性と、温度15℃の環境下での柔軟性を両立したFRPシートを製造可能であることが確認された。また、低温環境下でも良好な柔軟性を有するFRPシートを得る観点から、FRPシート中の繊維状補強材の含有率を18〜24質量%とすることがより好ましいことが確認された。さらに、低温環境下でも良好な柔軟性を有するFRPシートを得る観点から、FRPシートには、引張弾性率が600MPa以下、より好ましくは550MPa以下、さらに好ましくは500MPa以下の不飽和ポリエステル樹脂を用いるのが良いことが確認された。
<試験例3:実機によるFRPシートの作製及び評価>
(FRPシート及びその巻回体の作製)
次に、上述した樹脂組成物a、b、d、及びgのそれぞれについて、以下に述べるように、前述した連続成形方法により、後記表3に示すガラス繊維含有率のFRPシートを作製した。具体的には、搬送機にてポリエステル製の第1の離型フィルムを連続的に送り、その第1の離型フィルム上に樹脂組成物を塗布して樹脂層を連続的に形成した。樹脂組成物の塗布工程の後に配置されたローラーカッターに上記ガラスロービングを連続的に供給し、ローラーカッターで得られたチョップドストランドを、順次形成されてくる樹脂層上に撒き落としてガラス繊維層を連続的に形成した。その後工程に配置したローラーにより、ガラス繊維層に樹脂層(樹脂組成物)を含浸させることで、第1の離型フィルム上に樹脂組成物及びガラス繊維を含有する混合層を形成した。この混合層上に、ポリエステル製の第2の離型フィルムを重ねていき、厚み調整ローラーで混合層の厚みを調整し、硬化炉にて樹脂組成物を連続的に硬化させた。その後、第1の離型フィルム及び第2の離型フィルムを剥がし、幅寸法の切断工程を経て、厚さ1mm±0.1mm、長さ1000mm、幅250mmのFRPシートを作製した。そして、このFRPシートをロール状に巻き取って、直径約300mmのFRPシート巻回体を得た。
(FRPシート及びその巻回体の作製)
次に、上述した樹脂組成物a、b、d、及びgのそれぞれについて、以下に述べるように、前述した連続成形方法により、後記表3に示すガラス繊維含有率のFRPシートを作製した。具体的には、搬送機にてポリエステル製の第1の離型フィルムを連続的に送り、その第1の離型フィルム上に樹脂組成物を塗布して樹脂層を連続的に形成した。樹脂組成物の塗布工程の後に配置されたローラーカッターに上記ガラスロービングを連続的に供給し、ローラーカッターで得られたチョップドストランドを、順次形成されてくる樹脂層上に撒き落としてガラス繊維層を連続的に形成した。その後工程に配置したローラーにより、ガラス繊維層に樹脂層(樹脂組成物)を含浸させることで、第1の離型フィルム上に樹脂組成物及びガラス繊維を含有する混合層を形成した。この混合層上に、ポリエステル製の第2の離型フィルムを重ねていき、厚み調整ローラーで混合層の厚みを調整し、硬化炉にて樹脂組成物を連続的に硬化させた。その後、第1の離型フィルム及び第2の離型フィルムを剥がし、幅寸法の切断工程を経て、厚さ1mm±0.1mm、長さ1000mm、幅250mmのFRPシートを作製した。そして、このFRPシートをロール状に巻き取って、直径約300mmのFRPシート巻回体を得た。
(FRPシートの柔軟性評価)
得られたFRPシート巻回体を、−10℃、0℃、5℃、及び15℃の各環境下に24時間静置した後、その環境下において、合板製の下地に、FRPシートの片面全体に塗布量500g/m2で塗布したシリコーン系弾性接着剤(製品名「SP−300」、大泰化工社製)を介してFRPシートを貼り付けた。このときに、接着剤の接着力により、下地に平滑に保持されたFRPシートは、巻き癖がないか、その程度が小さかったといえるため、柔軟性が良好であると判断し、表3中「○」(合格)と示した。また、端部から跳ねたり、剥がれたりしたFRPシートは、巻き癖が残ったことから、柔軟性が乏しいと判断し、表3中「×」(不合格)と示した。
得られたFRPシート巻回体を、−10℃、0℃、5℃、及び15℃の各環境下に24時間静置した後、その環境下において、合板製の下地に、FRPシートの片面全体に塗布量500g/m2で塗布したシリコーン系弾性接着剤(製品名「SP−300」、大泰化工社製)を介してFRPシートを貼り付けた。このときに、接着剤の接着力により、下地に平滑に保持されたFRPシートは、巻き癖がないか、その程度が小さかったといえるため、柔軟性が良好であると判断し、表3中「○」(合格)と示した。また、端部から跳ねたり、剥がれたりしたFRPシートは、巻き癖が残ったことから、柔軟性が乏しいと判断し、表3中「×」(不合格)と示した。
試験例3の結果からも、低温環境下で良好な柔軟性を有するFRPシートを得る観点から、FRPシート中の繊維状補強材の含有率を24質量%以下にすることがより好ましいことが確認された。また、FRPシートには、引張強さが10〜25MPaであり、かつ引張弾性率が600MPa以下である不飽和ポリエステル樹脂を用いることがより好ましいことが確認された。
Claims (6)
- 不飽和ポリエステル樹脂と繊維状補強材とを含有し、
前記繊維状補強材の含有率が18〜26質量%であり、
前記不飽和ポリエステル樹脂は、エーテル結合を含むグリコールに由来する構造単位を有するとともに、JIS K6911−2006の規定に準拠して測定される引張強さが10〜30MPaであり、かつ前記規定に準拠して測定される引張弾性率が700MPa以下である、繊維強化プラスチックシート。 - 前記不飽和ポリエステル樹脂の前記引張弾性率が、600MPa以下である請求項1に記載の繊維強化プラスチックシート。
- 前記エーテル結合を含むグリコールが、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、及びトリエチレングリコールからなる群より選ばれる少なくとも1つである請求項1又は2に記載の繊維強化プラスチックシート。
- ロール状に巻回された請求項1〜3のいずれか1項に記載の繊維強化プラスチックシート。
- 防水部材として用いられる請求項1〜4のいずれか1項に記載の繊維強化プラスチックシート。
- 温度が15℃以下の環境下で用いられる請求項1〜5のいずれか1項に記載の繊維強化プラスチックシート。
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