JP3676973B2 - ポリエステル繊維 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、主たる繰返し単位がトリメチレンテレフタレートからなるポリエステル繊維に関するものである。更に詳しくは、優れた平滑性、集束性、制電性を有し、毛羽や断糸が殆どなく安定した仮撚加工から織編加工が可能なポリエステル繊維に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ポリトリメチレンテレフタレートからなるポリエステル繊維は、低弾性率なため編織物した場合、ソフトな風合を呈するだけでなく、弾性回復性や染色性がポリアミド繊維並みの性能を有し、且つ、ポリエチレンテレフタレートからなるポリエステル繊維の特徴である寸法安定性、耐光性、低吸湿性などの特性も維持している点から、広範囲への展開が期待されている。
【0003】
しかしながら、ポリトリメチレンテレフタレート繊維は低張力下でも変形し易すいため、接触面積の増大により糸・糸間の静摩擦や糸・各種接触体間の動摩擦がポリエチレンテレフタレート繊維に比べて大きく、糸条の通過性が悪くなって高速下での仮撚加工や織編加工が難しいという問題がある。
【0004】
我々の研究によれば、従来ポリエチレンテレフタレート繊維に多用されている鉱物油やエステル含有処理剤を用いても、糸・糸間の静摩擦は依然として高いためは糸条の通過性は改善できないことが判明した。
【0005】
このような問題を解消するため、国際公開公報WO99/39041号には、脂肪族エステル及び/又は鉱物油に、エチレンオキシドとプロピレンオキシドの共重合体ポリエーテルを併用することにより、糸・糸間の静摩擦や糸・各種接触体間の動摩擦を下げることが提案されている。確かにこのような成分を適宜、選択することによって、糸・糸間の静摩擦や糸・各種接触体間の動摩擦をある程度下げることは可能だが、未だ不十分である。この理由は、ポリトリメチレンテレフタレートは、ポリエチレンテレフタレートに比べて糸・糸間の静摩擦が非常に高いため、ポリエーテル成分の比率を少なく共10重量%以上にしない限りポリエチレンテレフタレート並の糸・糸間の静摩擦にすることは困難であるが、このようにポリエーテルを多く使用すると今度は油剤全体の粘度が高くなるため、糸・各種接触体間の動摩擦がアップして毛羽や断糸の発生を抑制することが困難になり、仮撚加工や織編加工時の糸条の通過性を改善することができなくなるためである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記従来技術の有する問題を解消し、優れた平滑性、集束性、制電性を有し毛羽や断糸が殆どなく安定した仮撚加工や織編加工が可能なポリエステル繊維を提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記本発明の課題は、以下の構成により達成することができる。
すなわち、繰返し単位の80モル%以上がトリメチレンテレフタレート単位からなるポリエステル繊維であって、該繊維の複屈折率が0.03〜0.08、伸度が30〜180%、10%伸長弾性回復率が30〜100%で、且つ、該繊維表面には下記成分を含有する処理剤が繊維重量を基準として0.2〜1重量%付着していることを特徴とするポリエステル繊維。
処理剤成分
a.レッドウッド粘度が60〜200秒の鉱物油及び/又は分子量が300〜600のエステル化合物:40〜70重量%
b.下記一般式(化2)で表される化合物:1〜5重量%
【0008】
【化2】
Figure 0003676973
【0009】
(式中、ROは炭素数2〜3のアルキレンオキシド基、(CH2CH2CH2CH2O)zは平均分子量が500〜4000のポリテトラメチレングリコールの残基、X、Yは夫々1以上でX+Yは20〜100の整数を示す)
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
本発明のポリエステル繊維は、繰返し単位の80モル%以上、好ましくは95モル%以上、特に好ましくは実質的に100モル%がトリメチレンテレフタレートであるポリエステルから構成される。20モル%以下の範囲で共重合してもよい第3成分としては、エチレングリコール、テトラメチレングリコール等のジオール成分、イソフタル酸、アジピン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸等のジカルボン酸成分を例示できる。かかるポリエステルの固有粘度は、0.4〜1.5の範囲が適当であり、特に0.7〜1.2が好ましい。
【0011】
なお、本発明の目的を阻害しない範囲内、通常は20重量%以下の範囲内で、ポリエチレンテレフタレート、ポリテトラメチレンテレフタレート、ポリシクロヘキサンジメチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレート等の他のポリエステルをブレンドしてもよい。その他、必要に応じて、艶消し剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、末端停止剤、蛍光増白剤等が含まれていてもよい。
【0012】
上記ポリエステルからなる本発明の繊維は、複屈折率が0.03〜0.08の範囲、好ましくは0.04〜0.07の範囲にある必要がある。複屈折率が0.03未満の場合には、仮撚加工する前の経時で原糸の物性が変化したり、仮撚加工時に部分融着などが発生し、品質斑を起こし易くなる。一方、複屈折率が0.08を越えると延伸糸に近く、高速度で加工すると糸切れや毛羽が発生し易くなり安定した仮撚加工や織編加工ができなくなる。
【0013】
本発明の繊維は、伸度が30〜180%の範囲、特に60〜150%の範囲にある必要がある。伸度がこの範囲を外れると、糸切れや毛羽が発生し易くなり安定した仮撚加工や織編加工できない。
【0014】
さらに、本発明の繊維は、10%伸長弾性回復率が30〜100%、好ましくは50〜80%の範囲である必要がある。この回復率が蒸気範囲を外れると編織物した場合、ソフトな風合が得られなくなる。
【0015】
本発明の上記特性を有するポリエステル繊維には、レッドウッド粘度が60〜200秒の鉱物油及び/又は分子量が300〜600のエステル化合物を40〜70重量%、及び、前記した化学式(化2)で表されるポリエーテル化合物を1〜5重量%含有した処理剤が付着している必要がある。
【0016】
好ましく用いられる60〜200秒の鉱物油としては、例えば流動パラフィンを挙げることができる。一方、分子量が300〜600のエステル化合物としては、ラウリルオレート、イソオクチルステアレート、ブチルステアレート、イソトリデシルステアレート等の脂肪族モノカルボン酸と脂肪族1価アルコールとのエステル化合物、ネオペンチルグリコールジラウレート、1,6−ヘキサンジオールジオレート、トリメチロールプロパントリヘラルゴネート等の脂肪族モノカルボン酸と脂肪族多価アルコールとの完全エステル化合物、ジ(2−エチルヘキシル)アゼレート、ジオレイルアジペート等の脂肪族ポリカルボン酸と脂肪族1価アルコールとの完全エステル化合物等を例示することができる。
【0017】
このような鉱物油及び/又はエステル化合物の処理剤中における含有量は40〜70重量%、好ましくは50〜70重量%の範囲であることが必要である。該含有量が40重量%未満の場合には、平滑性が不十分となって本発明の目的を達成することができない。一方、70重量%を越える場合には、該鉱物油やエステルを乳化させるために必要な量の乳化剤を併用することができなくなり、該処理剤の安定性が低下するので好ましくない。
【0018】
上記鉱物油及び/又はエステル化合物と併用される、前記した化学式(化2)で表されるポリエーテル化合物は、糸・各種接触体間の動摩擦をアップさせずに糸・糸間の静摩擦を調整して耐毛羽性を改善するために使用する。
【0019】
かかるポリエーテル化合物は、従来公知の方法で合成される。すなわち、テトラヒドロフランの開環重合で得られたポリテトラメチレングリコール(以下PTMGと称する)に炭素数2〜3のアルキレンオキシドを付加させることにより容易に合成できる。該アルキレンオキシドを付加させる形式としては、ランダム付加、ブロック付加の何れでもよい。ここで、炭素数2〜3のアルキレンオキシドはエチレンオキシド又はプロピレンオキシドである。エチレンオキシドとプロピレンオキシドの比率は特に限定するものではないが、好ましくはエチレンオキシドがモル比で50〜100%である。PTMGの平均分子量は500〜4000とする必要があるが、好ましくは1000〜3000である。PTMGの平均分子量が4000を越えると処理剤の粘性が高くなりすぎ、平滑性が低下して安定した仮撚加工や織編加工ができなくなるので好ましくない。一方、PTMGの平均分子量が500未満では、集束性が不十分となり好ましくない。
【0020】
PTMGに付加する炭素数2〜3のアルキレンオキシドの付加モル数は20〜100モルの範囲とする必要がある。付加モル数が20モル未満では、集束性が不十分となり好ましくない。一方、付加モル数が100モルを越えると、処理剤の粘性が高くなりすぎ、平滑性悪化して安定した仮撚加工や織編加工ができなくなる。なお、該ポリエーテル化合物の末端OHの一方もしくは双方を、炭素数18以下のアルキル基、アルケニル基又はアシル基で封鎖しておいたものでもよい。該アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、オクチル基、デシル基、ラウリル基、ミリシチル基、セチル基、ステアリル基などの直鎖状のもの及びイソプロピル基、イソアミル基、2エチルヘキシル基、イソトリデシル基、イソステアリル基などの分岐状のものが挙げられる。また炭素数18以下のアルケニル基としては、アリル基、クロトニル基、オレイル基などが挙げられる。さらに炭素数18以下のアシル基としては、炭素数18以下のカルボン酸からOHを除いたもの、例えばアセチル基、プロピオニル基、ラウロイル基、オレオイル基や、アジピン酸、琥珀酸などの2塩基酸の片方のカルボキシル基よりOHを除いたものなどが挙げられる。
【0021】
このようなポリエーテル化合物の処理剤中における含有量は、仮撚加工や織編加工時の毛羽発生防止のためには1重量%以上必要であるが、あまりに多くなりすぎると、糸・糸間の静摩擦が低下して巻取性に問題を生じるようになるので、1〜5重量%の範囲にすることが必要である。
【0022】
以上に説明した本発明にかかる処理剤には、上記成分の他、本発明の効果を阻害しない範囲内で、従来、使用されている非イオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、シリコーン化合物、弗素化合物、酸化防止剤等を配合してもよい。これらの成分は特に限定しないが、一般的には、非イオン系界面活性剤は鉱物油やエステルの乳化や濡れ性向上ために用いられ、ポリアルキレングリコールアルキルエーテル、ポリアルキレングリコールアリールエーテル、部分エステル多価アルコールのアルキレンオキサイド付加物などが挙げられるが、特に好ましくは、ポリアルキレングリコールアルキルエーテルである。アニオン系界面活性剤は主に制電性向上のために用いられ、アルキルスルホネート塩、アルキルホスフェート塩、ポリアルキレングリコールアルキルエーテルホスフェート塩、アルキルカルボン酸塩、アルキルサルフェート塩などが挙げられる。
【0023】
本発明においては、上記処理剤を紡出糸条に付与する方法は任意であるが、通常濃度3〜20重量%の水性エマルジョンとして、従来公知のオイリングローラー方式やノズル方式で付与するのが適当である。
【0024】
処理剤の紡出糸条への付与量(処理剤有効成分として)は、繊維重量を基準として0.2〜1.0重量%、好ましくは0.3〜0.5重量%の範囲にする必要がある。付与量が1.0重量%を越える場合には、紡糸時の巻取り性には特に問題を生じないが、得られた繊維を摩擦仮撚加工する際にヒータープレートにタールが付着して安定に仮撚加工できなくなるので好ましくない。一方、付与量が0.2重量%未満の場合には、繊維の集束性及び潤滑性が不十分で紡糸時の巻取り性が低下するだけでなく、摩擦仮撚加工時の加工性も不十分となるため好ましくない。
【0025】
以上に説明した本発明のポリエステル繊維は、公知の方法で摩擦仮撚加工や織編加工が施される。摩擦仮撚加工方法については限定しないが、一般的には摩擦仮撚具としてウレタンやセラミックディスク、或いはベルト方式が採用される。加工機のヒーターは、要求される捲縮の状態や加工速度によって、接触1段あるいは接触と非接触の2段、更には非接触2段方式など任意のものが使用できる。また、ヒーターの温度は、接触ヒーターの場合150〜200℃、非接触ヒーターの場合150〜500℃である。加工速度は、加工機の機種によって300〜1200m/分が適宜選択される。
【0026】
摩擦仮撚加工された加工糸は織編物に加工されるが、織編加工方法する場合、必要に応じて更に平滑性を付与するため低粘度の鉱物油やエステルを主体とした処理剤が0.3〜3重量%追油される。
【0027】
【発明の作用】
ポリトリメチレンテレフタレート繊維は、低張力下でも変形し易すいために接触面積が増大し、糸・糸間の静摩擦や糸・各種接触体間の動摩擦がポリエチレンテレフタレート繊維に比べ大きくなり、糸条の通過性は低下して毛羽や断糸が発生し易いのに対し、本発明では、繊維表面に鉱物油やエステル化合物を主体として含有し、さらにポリテトラメチレングリコールにエチレンオキシドやプロピレンオキシドを付加させたポリエーテルを1〜5重量%含有する処理剤を付着しているので、糸・糸間の静摩擦や糸・各種接触体間の動摩擦をいずれも低くすることでき、安定した仮撚加工や織編加工が可能となるのである。
【0028】
【実施例】
以下、実施例をあげて本発明をさらに具体的に説明する。なお、実施例における各評価は項目は以下の方法にしたがって測定した。
【0029】
(1)紡出糸の複屈折率(△n)
1−ブロモナフタレンを浸透液とし、偏光顕微鏡にて波長530nmの単色光を用いてを測定した。
【0030】
(2)10%伸長弾性回復率
オートグラフを用い、試料に初荷重0.029cN/dtex(1/30g/de)をかけてセットした後、10%まで伸長(L)させたのち回復させ徐重し、2分間放置後再び伸長させて負荷が0.029cN/dtex(1/30g/de)となる伸長(L1)を求め、次式より回復率を求める。
伸長弾性回復率(%)=(L−L1)/L×100
【0031】
(3)OPU測定方法
紡出糸約3gを105℃×2時間乾燥後直ちに重量(A)を測定し、次いでアルキルベンゼンスルホン酸ソーダを主成分として含有(濃度0.5重量%)する洗浄用水溶液300cc中に浸漬し、40℃にて超音波を少なくとも10分かける。次いで、洗浄液を廃棄し、40℃の温水で30分間流水洗浄後、室温にて風乾する。その後、105℃×2時間乾燥後直ちに重量(B)を測定する。下記式にしたがいOPUを算出した。
OPU(%)=(A−B)/B×100
【0032】
(4)糸・糸間の静摩擦係数
実施例で得られた118dtex/36フィラメントのポリトリメチレンテレフタレートからなる未延伸ポリエステル繊維(A)を円筒の周りに、ラセン角±15°で約10gの巻き張力で前後に巻き付ける。この円筒は直径が2インチ(5.1cm)で、長さが3インチ(7.6cm)である。上述と同じ未延伸ポリエステル繊維(B)を12インチ(30.5cm)とって、この円筒の上に掛ける。この時(B)が(A)の上部にのっており、且つその巻き付け方向と略平行になるようにする。0.035cN/dtex(0.04g/de)の荷重を(B)の一端にかけ、もう一方の端には、ストレインゲージを連結させる。円筒を0.0016cm/秒の周速で180度回転させて、ストレインゲージに負荷される張力を連続記録する。糸糸間の静摩擦係数μsは、円筒上を走行するベルトの摩擦に関する良く知られた下記式より算出される。
μs=1/πln(T2/T1)
ここで、T2はストレインゲージに負荷される張力のピーク値の平均値(n=25)、T1は0.035cN/dtex(0.04g/de)の荷重により与えられる張力、lnは自然対数記号である。
なお、測定中に非可逆的な伸長、すなわち延伸が起った場合のデータは使用しなかった。測定雰囲気温度は25℃とした。
【0033】
(5)糸・金属接触体間の動摩擦
実施例で得られたポリトリメチレンテレフタレートからなる未延伸糸を1.45倍に延伸した83dtex/36フィラメントを用い、繊維・金属間走行摩擦測定機で、走行速度300m/分で摩擦体として径60mmの梨地クロムピンを用いて、接触角180度、摩擦体入側張力(T1)9.8cN(10g)で摩擦体出側の張力(T2)を測定し糸・糸間の静摩擦に記載した式と同様にして動摩擦係数μdをもとめた。
μd=1/πln(T2/T1)
【0034】
(6)集束性
上記のポリトリメチレンテレフタレートからなる延伸糸を、東洋精機製作所製の糸摩擦抱合力試験機を用いて、下記条件で糸切れまでのしごき回数を測定した。
張力=2.94N(300g)、ストローク長=5cm、速度=200ストローク/分、撚数=3ターン、交わり角度=45度
【0035】
(7)巻姿(バルジ)
バルジは、巻取り量10Kgの紡糸巻取パッケージの本来の巻取幅に対する端面の膨らみ幅をmm単位で測定した。
【0036】
(8)毛羽数
少なくとも25mの仮撚加工糸について、目視にて毛羽の個数を数え、1メートルあたりの毛羽数を求めた。
【0037】
[実施例1〜3、比較例1〜4]
ポリトリメチレンテレフタレートからなるポリエステル繊維を3300m/分の紡糸速度で溶融紡糸するに際し、紡糸糸条に表1に記載した組成の水系エマルジョン処理剤(エマルジョン濃度10重量%)を純分付着量が0.35%重量となる割合で付着させ、118dtex/36フィラメントの未延伸ポリエステル繊維を得た。得られた繊維の複屈折率は0.06、伸度は145%、10%伸長弾性回復率は55%であった。この未延伸繊維を直径45mmの円板を備えたウレタン製の外接式摩擦仮撚装置を用いて、延伸倍率1.45、ヒーター温度160℃、摩擦円板回転数6250rpm、加工速度800m/分で延伸同時仮撚加工を施して83dtex/36フィラメントの加工糸を得た。その結果を表1に示す。
【0038】
【表1】
Figure 0003676973
【0039】
表中の各種油剤成分は次のとおりである
1−1:120秒流動パラフィン
2−1:イソオクチルステアレート
2−2:ラウリルオレート
2−3:1,6−ヘキサンジオールジオレート
3−1:PTMG1000の(PO)10モル/(EO)10モルランダム付加物
3−2:PTMG1000の(EO)25モルランダム付加物
4−1:平均分子量が1万のPO/EO=30/70(重量比)ランダム付加ポリエーテル(グリセリン出発原料)
4−2:平均分子量が2000のPO/EO=50/50(重量比)ランダム付加ポリエーテル(ブタンノ−ル出発原料)
4−3:(EO)7ラウリルエーテル
4−4:(EO)n硬化ヒマシ油エーテル
4−5:ラウリルスルホネートNa塩
4−6:(EO)3ラウリルホスフェートK塩
【0040】
【発明の効果】
本発明の主としてトリメチレンテレフタレート単位からなるポリエステル繊維は、糸・糸間の静摩擦係数、及び糸・各種接触体間の動摩擦係数が小さくて平滑性に優れているので、仮撚加工や職編加工において毛羽や断糸の発生が抑制され、品位に優れた製品を得ることができる。

Claims (1)

  1. 繰返し単位の80モル%以上がトリメチレンテレフタレート単位からなるポリエステル繊維であって、該繊維の複屈折率が0.03〜0.08、伸度が30〜180%、10%伸長弾性回復率が30〜100%で、且つ、該繊維表面には下記成分を含有する処理剤が繊維重量を基準として0.2〜1重量%付着していることを特徴とするポリエステル繊維。
    処理剤成分
    a.レッドウッド粘度が60〜200秒の鉱物油及び/又は分子量が300〜600のエステル化合物:40〜70重量%
    b.下記一般式(化1)で表される化合物:1〜5重量%
    Figure 0003676973
    (式中、ROは炭素数2〜3のアルキレンオキシド基、(CH2CH2CH2CH2O)zは平均分子量が500〜4000のポリテトラメチレングリコールの残基、X、Yは夫々1以上でX+Yは20〜100の整数を示す)
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