JP2002180377A - ポリエステル繊維 - Google Patents

ポリエステル繊維

Info

Publication number
JP2002180377A
JP2002180377A JP2000377008A JP2000377008A JP2002180377A JP 2002180377 A JP2002180377 A JP 2002180377A JP 2000377008 A JP2000377008 A JP 2000377008A JP 2000377008 A JP2000377008 A JP 2000377008A JP 2002180377 A JP2002180377 A JP 2002180377A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
weight
fiber
elongation
yarn
molecular weight
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2000377008A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3676973B2 (ja
Inventor
Masao Uchida
正夫 内田
Shoji Makino
昭二 牧野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Teijin Ltd
Original Assignee
Teijin Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Teijin Ltd filed Critical Teijin Ltd
Priority to JP2000377008A priority Critical patent/JP3676973B2/ja
Publication of JP2002180377A publication Critical patent/JP2002180377A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3676973B2 publication Critical patent/JP3676973B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Treatments For Attaching Organic Compounds To Fibrous Goods (AREA)
  • Artificial Filaments (AREA)
  • Chemical Treatment Of Fibers During Manufacturing Processes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れた平滑性、集束性、制電性を有し毛羽や
断糸が殆どなく安定した仮撚加工や織編加工が可能なポ
リトリメチレンテレフタレート繊維を提供する。 【解決手段】 複屈折率が0.03〜0.08、伸度が
30〜180%、10%伸長弾性回復率が30〜100
%のポリトリメチレンテレフタレート繊維の繊維表面
に、レッドウッド粘度が60〜200秒の鉱物油及び/
又は分子量が300〜600のエステル化合物を40〜
70重量%、下記式で表される化合物を1〜5重量%含
有する処理剤が、0.2〜1重量%付着しているポリエ
ステル繊維。 【化1】 (式中、ROは炭素数2〜3のアルキレンオキシド基、
(CH2CH2CH2CH2O)zは平均分子量が500〜
4000のポリテトラメチレングリコールの残基、X、
Yは夫々1以上でX+Yは20〜100の整数を示す)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主たる繰返し単位
がトリメチレンテレフタレートからなるポリエステル繊
維に関するものである。更に詳しくは、優れた平滑性、
集束性、制電性を有し、毛羽や断糸が殆どなく安定した
仮撚加工から織編加工が可能なポリエステル繊維に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】ポリトリメチレンテレフタレートからな
るポリエステル繊維は、低弾性率なため編織物した場
合、ソフトな風合を呈するだけでなく、弾性回復性や染
色性がポリアミド繊維並みの性能を有し、且つ、ポリエ
チレンテレフタレートからなるポリエステル繊維の特徴
である寸法安定性、耐光性、低吸湿性などの特性も維持
している点から、広範囲への展開が期待されている。
【0003】しかしながら、ポリトリメチレンテレフタ
レート繊維は低張力下でも変形し易すいため、接触面積
の増大により糸・糸間の静摩擦や糸・各種接触体間の動
摩擦がポリエチレンテレフタレート繊維に比べて大き
く、糸条の通過性が悪くなって高速下での仮撚加工や織
編加工が難しいという問題がある。
【0004】我々の研究によれば、従来ポリエチレンテ
レフタレート繊維に多用されている鉱物油やエステル含
有処理剤を用いても、糸・糸間の静摩擦は依然として高
いためは糸条の通過性は改善できないことが判明した。
【0005】このような問題を解消するため、国際公開
公報WO99/39041号には、脂肪族エステル及び
/又は鉱物油に、エチレンオキシドとプロピレンオキシ
ドの共重合体ポリエーテルを併用することにより、糸・
糸間の静摩擦や糸・各種接触体間の動摩擦を下げること
が提案されている。確かにこのような成分を適宜、選択
することによって、糸・糸間の静摩擦や糸・各種接触体
間の動摩擦をある程度下げることは可能だが、未だ不十
分である。この理由は、ポリトリメチレンテレフタレー
トは、ポリエチレンテレフタレートに比べて糸・糸間の
静摩擦が非常に高いため、ポリエーテル成分の比率を少
なく共10重量%以上にしない限りポリエチレンテレフ
タレート並の糸・糸間の静摩擦にすることは困難である
が、このようにポリエーテルを多く使用すると今度は油
剤全体の粘度が高くなるため、糸・各種接触体間の動摩
擦がアップして毛羽や断糸の発生を抑制することが困難
になり、仮撚加工や織編加工時の糸条の通過性を改善す
ることができなくなるためである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来技
術の有する問題を解消し、優れた平滑性、集束性、制電
性を有し毛羽や断糸が殆どなく安定した仮撚加工や織編
加工が可能なポリエステル繊維を提供することを課題と
する。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記本発明の課題は、以
下の構成により達成することができる。すなわち、繰返
し単位の80モル%以上がトリメチレンテレフタレート
単位からなるポリエステル繊維であって、該繊維の複屈
折率が0.03〜0.08、伸度が30〜180%、1
0%伸長弾性回復率が30〜100%で、且つ、該繊維
表面には下記成分を含有する処理剤が繊維重量を基準と
して0.2〜1重量%付着していることを特徴とするポ
リエステル繊維。 処理剤成分 a.レッドウッド粘度が60〜200秒の鉱物油及び/
又は分子量が300〜600のエステル化合物:40〜
70重量% b.下記一般式(化2)で表される化合物:1〜5重量
【0008】
【化2】
【0009】(式中、ROは炭素数2〜3のアルキレン
オキシド基、(CH2CH2CH2CH2O)zは平均分子
量が500〜4000のポリテトラメチレングリコール
の残基、X、Yは夫々1以上でX+Yは20〜100の
整数を示す)
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て詳細に説明する。本発明のポリエステル繊維は、繰返
し単位の80モル%以上、好ましくは95モル%以上、
特に好ましくは実質的に100モル%がトリメチレンテ
レフタレートであるポリエステルから構成される。20
モル%以下の範囲で共重合してもよい第3成分として
は、エチレングリコール、テトラメチレングリコール等
のジオール成分、イソフタル酸、アジピン酸、5−ナト
リウムスルホイソフタル酸等のジカルボン酸成分を例示
できる。かかるポリエステルの固有粘度は、0.4〜
1.5の範囲が適当であり、特に0.7〜1.2が好ま
しい。
【0011】なお、本発明の目的を阻害しない範囲内、
通常は20重量%以下の範囲内で、ポリエチレンテレフ
タレート、ポリテトラメチレンテレフタレート、ポリシ
クロヘキサンジメチレンテレフタレート、ポリエチレン
−2,6−ナフタレンジカルボキシレート等の他のポリ
エステルをブレンドしてもよい。その他、必要に応じ
て、艶消し剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、
末端停止剤、蛍光増白剤等が含まれていてもよい。
【0012】上記ポリエステルからなる本発明の繊維
は、複屈折率が0.03〜0.08の範囲、好ましくは
0.04〜0.07の範囲にある必要がある。複屈折率
が0.03未満の場合には、仮撚加工する前の経時で原
糸の物性が変化したり、仮撚加工時に部分融着などが発
生し、品質斑を起こし易くなる。一方、複屈折率が0.
08を越えると延伸糸に近く、高速度で加工すると糸切
れや毛羽が発生し易くなり安定した仮撚加工や織編加工
ができなくなる。
【0013】本発明の繊維は、伸度が30〜180%の
範囲、特に60〜150%の範囲にある必要がある。伸
度がこの範囲を外れると、糸切れや毛羽が発生し易くな
り安定した仮撚加工や織編加工できない。
【0014】さらに、本発明の繊維は、10%伸長弾性
回復率が30〜100%、好ましくは50〜80%の範
囲である必要がある。この回復率が蒸気範囲を外れると
編織物した場合、ソフトな風合が得られなくなる。
【0015】本発明の上記特性を有するポリエステル繊
維には、レッドウッド粘度が60〜200秒の鉱物油及
び/又は分子量が300〜600のエステル化合物を4
0〜70重量%、及び、前記した化学式(化2)で表さ
れるポリエーテル化合物を1〜5重量%含有した処理剤
が付着している必要がある。
【0016】好ましく用いられる60〜200秒の鉱物
油としては、例えば流動パラフィンを挙げることができ
る。一方、分子量が300〜600のエステル化合物と
しては、ラウリルオレート、イソオクチルステアレー
ト、ブチルステアレート、イソトリデシルステアレート
等の脂肪族モノカルボン酸と脂肪族1価アルコールとの
エステル化合物、ネオペンチルグリコールジラウレー
ト、1,6−ヘキサンジオールジオレート、トリメチロ
ールプロパントリヘラルゴネート等の脂肪族モノカルボ
ン酸と脂肪族多価アルコールとの完全エステル化合物、
ジ(2−エチルヘキシル)アゼレート、ジオレイルアジ
ペート等の脂肪族ポリカルボン酸と脂肪族1価アルコー
ルとの完全エステル化合物等を例示することができる。
【0017】このような鉱物油及び/又はエステル化合
物の処理剤中における含有量は40〜70重量%、好ま
しくは50〜70重量%の範囲であることが必要であ
る。該含有量が40重量%未満の場合には、平滑性が不
十分となって本発明の目的を達成することができない。
一方、70重量%を越える場合には、該鉱物油やエステ
ルを乳化させるために必要な量の乳化剤を併用すること
ができなくなり、該処理剤の安定性が低下するので好ま
しくない。
【0018】上記鉱物油及び/又はエステル化合物と併
用される、前記した化学式(化2)で表されるポリエー
テル化合物は、糸・各種接触体間の動摩擦をアップさせ
ずに糸・糸間の静摩擦を調整して耐毛羽性を改善するた
めに使用する。
【0019】かかるポリエーテル化合物は、従来公知の
方法で合成される。すなわち、テトラヒドロフランの開
環重合で得られたポリテトラメチレングリコール(以下
PTMGと称する)に炭素数2〜3のアルキレンオキシ
ドを付加させることにより容易に合成できる。該アルキ
レンオキシドを付加させる形式としては、ランダム付
加、ブロック付加の何れでもよい。ここで、炭素数2〜
3のアルキレンオキシドはエチレンオキシド又はプロピ
レンオキシドである。エチレンオキシドとプロピレンオ
キシドの比率は特に限定するものではないが、好ましく
はエチレンオキシドがモル比で50〜100%である。
PTMGの平均分子量は500〜4000とする必要が
あるが、好ましくは1000〜3000である。PTM
Gの平均分子量が4000を越えると処理剤の粘性が高
くなりすぎ、平滑性が低下して安定した仮撚加工や織編
加工ができなくなるので好ましくない。一方、PTMG
の平均分子量が500未満では、集束性が不十分となり
好ましくない。
【0020】PTMGに付加する炭素数2〜3のアルキ
レンオキシドの付加モル数は20〜100モルの範囲と
する必要がある。付加モル数が20モル未満では、集束
性が不十分となり好ましくない。一方、付加モル数が1
00モルを越えると、処理剤の粘性が高くなりすぎ、平
滑性悪化して安定した仮撚加工や織編加工ができなくな
る。なお、該ポリエーテル化合物の末端OHの一方もし
くは双方を、炭素数18以下のアルキル基、アルケニル
基又はアシル基で封鎖しておいたものでもよい。該アル
キル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、オ
クチル基、デシル基、ラウリル基、ミリシチル基、セチ
ル基、ステアリル基などの直鎖状のもの及びイソプロピ
ル基、イソアミル基、2エチルヘキシル基、イソトリデ
シル基、イソステアリル基などの分岐状のものが挙げら
れる。また炭素数18以下のアルケニル基としては、ア
リル基、クロトニル基、オレイル基などが挙げられる。
さらに炭素数18以下のアシル基としては、炭素数18
以下のカルボン酸からOHを除いたもの、例えばアセチ
ル基、プロピオニル基、ラウロイル基、オレオイル基
や、アジピン酸、琥珀酸などの2塩基酸の片方のカルボ
キシル基よりOHを除いたものなどが挙げられる。
【0021】このようなポリエーテル化合物の処理剤中
における含有量は、仮撚加工や織編加工時の毛羽発生防
止のためには1重量%以上必要であるが、あまりに多く
なりすぎると、糸・糸間の静摩擦が低下して巻取性に問
題を生じるようになるので、1〜5重量%の範囲にする
ことが必要である。
【0022】以上に説明した本発明にかかる処理剤に
は、上記成分の他、本発明の効果を阻害しない範囲内
で、従来、使用されている非イオン系界面活性剤、アニ
オン系界面活性剤、シリコーン化合物、弗素化合物、酸
化防止剤等を配合してもよい。これらの成分は特に限定
しないが、一般的には、非イオン系界面活性剤は鉱物油
やエステルの乳化や濡れ性向上ために用いられ、ポリア
ルキレングリコールアルキルエーテル、ポリアルキレン
グリコールアリールエーテル、部分エステル多価アルコ
ールのアルキレンオキサイド付加物などが挙げられる
が、特に好ましくは、ポリアルキレングリコールアルキ
ルエーテルである。アニオン系界面活性剤は主に制電性
向上のために用いられ、アルキルスルホネート塩、アル
キルホスフェート塩、ポリアルキレングリコールアルキ
ルエーテルホスフェート塩、アルキルカルボン酸塩、ア
ルキルサルフェート塩などが挙げられる。
【0023】本発明においては、上記処理剤を紡出糸条
に付与する方法は任意であるが、通常濃度3〜20重量
%の水性エマルジョンとして、従来公知のオイリングロ
ーラー方式やノズル方式で付与するのが適当である。
【0024】処理剤の紡出糸条への付与量(処理剤有効
成分として)は、繊維重量を基準として0.2〜1.0
重量%、好ましくは0.3〜0.5重量%の範囲にする
必要がある。付与量が1.0重量%を越える場合には、
紡糸時の巻取り性には特に問題を生じないが、得られた
繊維を摩擦仮撚加工する際にヒータープレートにタール
が付着して安定に仮撚加工できなくなるので好ましくな
い。一方、付与量が0.2重量%未満の場合には、繊維
の集束性及び潤滑性が不十分で紡糸時の巻取り性が低下
するだけでなく、摩擦仮撚加工時の加工性も不十分とな
るため好ましくない。
【0025】以上に説明した本発明のポリエステル繊維
は、公知の方法で摩擦仮撚加工や織編加工が施される。
摩擦仮撚加工方法については限定しないが、一般的には
摩擦仮撚具としてウレタンやセラミックディスク、或い
はベルト方式が採用される。加工機のヒーターは、要求
される捲縮の状態や加工速度によって、接触1段あるい
は接触と非接触の2段、更には非接触2段方式など任意
のものが使用できる。また、ヒーターの温度は、接触ヒ
ーターの場合150〜200℃、非接触ヒーターの場合
150〜500℃である。加工速度は、加工機の機種に
よって300〜1200m/分が適宜選択される。
【0026】摩擦仮撚加工された加工糸は織編物に加工
されるが、織編加工方法する場合、必要に応じて更に平
滑性を付与するため低粘度の鉱物油やエステルを主体と
した処理剤が0.3〜3重量%追油される。
【0027】
【発明の作用】ポリトリメチレンテレフタレート繊維
は、低張力下でも変形し易すいために接触面積が増大
し、糸・糸間の静摩擦や糸・各種接触体間の動摩擦がポ
リエチレンテレフタレート繊維に比べ大きくなり、糸条
の通過性は低下して毛羽や断糸が発生し易いのに対し、
本発明では、繊維表面に鉱物油やエステル化合物を主体
として含有し、さらにポリテトラメチレングリコールに
エチレンオキシドやプロピレンオキシドを付加させたポ
リエーテルを1〜5重量%含有する処理剤を付着してい
るので、糸・糸間の静摩擦や糸・各種接触体間の動摩擦
をいずれも低くすることでき、安定した仮撚加工や織編
加工が可能となるのである。
【0028】
【実施例】以下、実施例をあげて本発明をさらに具体的
に説明する。なお、実施例における各評価は項目は以下
の方法にしたがって測定した。
【0029】(1)紡出糸の複屈折率(△n) 1−ブロモナフタレンを浸透液とし、偏光顕微鏡にて波
長530nmの単色光を用いてを測定した。
【0030】(2)10%伸長弾性回復率 オートグラフを用い、試料に初荷重0.029cN/d
tex(1/30g/de)をかけてセットした後、1
0%まで伸長(L)させたのち回復させ徐重し、2分間
放置後再び伸長させて負荷が0.029cN/dtex
(1/30g/de)となる伸長(L1)を求め、次式
より回復率を求める。 伸長弾性回復率(%)=(L−L1)/L×100
【0031】(3)OPU測定方法 紡出糸約3gを105℃×2時間乾燥後直ちに重量
(A)を測定し、次いでアルキルベンゼンスルホン酸ソ
ーダを主成分として含有(濃度0.5重量%)する洗浄
用水溶液300cc中に浸漬し、40℃にて超音波を少
なくとも10分かける。次いで、洗浄液を廃棄し、40
℃の温水で30分間流水洗浄後、室温にて風乾する。そ
の後、105℃×2時間乾燥後直ちに重量(B)を測定
する。下記式にしたがいOPUを算出した。 OPU(%)=(A−B)/B×100
【0032】(4)糸・糸間の静摩擦係数 実施例で得られた118dtex/36フィラメントの
ポリトリメチレンテレフタレートからなる未延伸ポリエ
ステル繊維(A)を円筒の周りに、ラセン角±15°で
約10gの巻き張力で前後に巻き付ける。この円筒は直
径が2インチ(5.1cm)で、長さが3インチ(7.
6cm)である。上述と同じ未延伸ポリエステル繊維
(B)を12インチ(30.5cm)とって、この円筒
の上に掛ける。この時(B)が(A)の上部にのってお
り、且つその巻き付け方向と略平行になるようにする。
0.035cN/dtex(0.04g/de)の荷重
を(B)の一端にかけ、もう一方の端には、ストレイン
ゲージを連結させる。円筒を0.0016cm/秒の周
速で180度回転させて、ストレインゲージに負荷され
る張力を連続記録する。糸糸間の静摩擦係数μsは、円
筒上を走行するベルトの摩擦に関する良く知られた下記
式より算出される。 μs=1/πln(T2/T1) ここで、T2はストレインゲージに負荷される張力のピ
ーク値の平均値(n=25)、T1は0.035cN/
dtex(0.04g/de)の荷重により与えられる
張力、lnは自然対数記号である。なお、測定中に非可
逆的な伸長、すなわち延伸が起った場合のデータは使用
しなかった。測定雰囲気温度は25℃とした。
【0033】(5)糸・金属接触体間の動摩擦 実施例で得られたポリトリメチレンテレフタレートから
なる未延伸糸を1.45倍に延伸した83dtex/3
6フィラメントを用い、繊維・金属間走行摩擦測定機
で、走行速度300m/分で摩擦体として径60mmの
梨地クロムピンを用いて、接触角180度、摩擦体入側
張力(T1)9.8cN(10g)で摩擦体出側の張力
(T2)を測定し糸・糸間の静摩擦に記載した式と同様
にして動摩擦係数μdをもとめた。 μd=1/πln(T2/T1)
【0034】(6)集束性 上記のポリトリメチレンテレフタレートからなる延伸糸
を、東洋精機製作所製の糸摩擦抱合力試験機を用いて、
下記条件で糸切れまでのしごき回数を測定した。張力=
2.94N(300g)、ストローク長=5cm、速度
=200ストローク/分、撚数=3ターン、交わり角度
=45度
【0035】(7)巻姿(バルジ) バルジは、巻取り量10Kgの紡糸巻取パッケージの本
来の巻取幅に対する端面の膨らみ幅をmm単位で測定し
た。
【0036】(8)毛羽数 少なくとも25mの仮撚加工糸について、目視にて毛羽
の個数を数え、1メートルあたりの毛羽数を求めた。
【0037】[実施例1〜3、比較例1〜4]ポリトリメ
チレンテレフタレートからなるポリエステル繊維を33
00m/分の紡糸速度で溶融紡糸するに際し、紡糸糸条
に表1に記載した組成の水系エマルジョン処理剤(エマ
ルジョン濃度10重量%)を純分付着量が0.35%重
量となる割合で付着させ、118dtex/36フィラ
メントの未延伸ポリエステル繊維を得た。得られた繊維
の複屈折率は0.06、伸度は145%、10%伸長弾
性回復率は55%であった。この未延伸繊維を直径45
mmの円板を備えたウレタン製の外接式摩擦仮撚装置を
用いて、延伸倍率1.45、ヒーター温度160℃、摩
擦円板回転数6250rpm、加工速度800m/分で
延伸同時仮撚加工を施して83dtex/36フィラメ
ントの加工糸を得た。その結果を表1に示す。
【0038】
【表1】
【0039】表中の各種油剤成分は次のとおりである 1−1:120秒流動パラフィン 2−1:イソオクチルステアレート 2−2:ラウリルオレート 2−3:1,6−ヘキサンジオールジオレート 3−1:PTMG1000の(PO)10モル/(E
O)10モルランダム付加物 3−2:PTMG1000の(EO)25モルランダム
付加物 4−1:平均分子量が1万のPO/EO=30/70
(重量比)ランダム付加ポリエーテル(グリセリン出発
原料) 4−2:平均分子量が2000のPO/EO=50/5
0(重量比)ランダム付加ポリエーテル(ブタンノ−ル
出発原料) 4−3:(EO)7ラウリルエーテル 4−4:(EO)n硬化ヒマシ油エーテル 4−5:ラウリルスルホネートNa塩 4−6:(EO)3ラウリルホスフェートK塩
【0040】
【発明の効果】本発明の主としてトリメチレンテレフタ
レート単位からなるポリエステル繊維は、糸・糸間の静
摩擦係数、及び糸・各種接触体間の動摩擦係数が小さく
て平滑性に優れているので、仮撚加工や職編加工におい
て毛羽や断糸の発生が抑制され、品位に優れた製品を得
ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4L033 AA07 AC09 AC15 BA01 BA21 CA48 4L035 BB33 BB60 BB61 DD20 EE20 FF08 4L038 AA16 AB07 BA13 BA33 BA35 BB08 CA01 CA10 DA04 DA20

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 繰返し単位の80モル%以上がトリメチ
    レンテレフタレート単位からなるポリエステル繊維であ
    って、該繊維の複屈折率が0.03〜0.08、伸度が
    30〜180%、10%伸長弾性回復率が30〜100
    %で、且つ、該繊維表面には下記成分を含有する処理剤
    が繊維重量を基準として0.2〜1重量%付着している
    ことを特徴とするポリエステル繊維。 処理剤成分 a.レッドウッド粘度が60〜200秒の鉱物油及び/
    又は分子量が300〜600のエステル化合物:40〜
    70重量% b.下記一般式(化1)で表される化合物:1〜5重量
    % 【化1】 (式中、ROは炭素数2〜3のアルキレンオキシド基、
    (CH2CH2CH2CH2O)zは平均分子量が500〜
    4000のポリテトラメチレングリコールの残基、X、
    Yは夫々1以上でX+Yは20〜100の整数を示す)
JP2000377008A 2000-12-12 2000-12-12 ポリエステル繊維 Expired - Fee Related JP3676973B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000377008A JP3676973B2 (ja) 2000-12-12 2000-12-12 ポリエステル繊維

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000377008A JP3676973B2 (ja) 2000-12-12 2000-12-12 ポリエステル繊維

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2002180377A true JP2002180377A (ja) 2002-06-26
JP3676973B2 JP3676973B2 (ja) 2005-07-27

Family

ID=18845788

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000377008A Expired - Fee Related JP3676973B2 (ja) 2000-12-12 2000-12-12 ポリエステル繊維

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3676973B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005200793A (ja) * 2004-01-16 2005-07-28 Teijin Techno Products Ltd 生分解性ポリエステル繊維
JP2005206980A (ja) * 2004-01-23 2005-08-04 Toray Ind Inc ポリエステル繊維用非含水処理剤および高強度ポリエステル繊維
JP2007154324A (ja) * 2005-12-01 2007-06-21 Takemoto Oil & Fat Co Ltd 合成繊維用処理剤及び合成繊維の処理方法

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005200793A (ja) * 2004-01-16 2005-07-28 Teijin Techno Products Ltd 生分解性ポリエステル繊維
JP4537078B2 (ja) * 2004-01-16 2010-09-01 帝人ファイバー株式会社 生分解性ポリエステル繊維
JP2005206980A (ja) * 2004-01-23 2005-08-04 Toray Ind Inc ポリエステル繊維用非含水処理剤および高強度ポリエステル繊維
JP4509584B2 (ja) * 2004-01-23 2010-07-21 東レ株式会社 ポリエステル繊維用非含水処理剤および高強度ポリエステル繊維
JP2007154324A (ja) * 2005-12-01 2007-06-21 Takemoto Oil & Fat Co Ltd 合成繊維用処理剤及び合成繊維の処理方法
JP4624913B2 (ja) * 2005-12-01 2011-02-02 竹本油脂株式会社 合成繊維用処理剤及び合成繊維の処理方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP3676973B2 (ja) 2005-07-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP1052325B1 (en) Smooth polyester fiber
JPS6260510B2 (ja)
JP3187007B2 (ja) 加工性の優れたポリエステル繊維
JP3856617B2 (ja) 仮撚加工用ポリエステル繊維
JP3676973B2 (ja) ポリエステル繊維
WO1993020268A1 (en) Process for high-speed spinning of polyester fiber
JP4265718B2 (ja) 摩耗性が改善されたポリケトン繊維
JP2005029936A (ja) ポリエステル系複合繊維
JP3390510B2 (ja) ポリエーテルエステルブロック共重合体系弾性糸
JP2006193854A (ja) 生分解性ポリエステル繊維
JP3909265B2 (ja) 合成繊維の延伸仮撚加工方法
JP3510744B2 (ja) シートベルト用原着ポリエステル繊維
JP2003239176A (ja) 仮撚加工用ポリエステル繊維
JPH076134B2 (ja) 高速摩擦仮撚に適した油剤
JP2007321320A (ja) 仮撚加工用生分解性ポリエステル繊維
JP3420086B2 (ja) 合成繊維の延伸仮撚方法
JP4537078B2 (ja) 生分解性ポリエステル繊維
JP2790535B2 (ja) ポリエーテルエステルブロック共重合体弾性糸
JPH0621380B2 (ja) 合成繊維の延伸仮撚方法
JP2007262588A (ja) マイクロファイバー用マルチフィラメント糸
JPS6081375A (ja) 合成繊維処理用油剤及び該油剤による合成繊維の処理方法
JPH01104832A (ja) ポリエステル2成分複合糸
JP2003342876A (ja) 経時安定性に優れた仮撚加工用ポリエステル繊維
JPH0127196B2 (ja)
JP2001200479A (ja) 耐久性に優れた親水性ポリエステル系繊維

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20050317

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20050412

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Effective date: 20050502

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

R150 Certificate of patent (=grant) or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080513

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 4

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090513

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees