JP6219000B1 - 合成繊維用処理剤及びその用途 - Google Patents

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Abstract

合成繊維用フィラメント生産後のフィラメント(パッケージ)保管時に、フィラメントの経時に伴う物性の変化を抑制することで、長期にわたり安定してフィラメントの後加工を行うことが可能な、合成繊維用処理剤を提供する。下記一般式(1)で示されるポリオキシアルキレンアルキルエーテル(A)及び特定のポリオキシアルキレンアルキルエーテル(B)を含む合成繊維用処理剤であって、前記処理剤の不揮発分の30℃における動粘度が100〜250mm2/sである、合成繊維用処理剤。R1O−(A1O)m−[(PO)a/(EO)b]−H (1)(但し、R1は炭素数14の直鎖のアルキル基を示す。A1Oはオキシアルキレン基、POはオキシプロピレン基、EOはオキシエチレン基を示す。m、a及びbは、各々の平均付加モル数を示す。)

Description

本発明は合成繊維用処理剤、及びその用途に関するものである。さらに詳しくは、長期にわたって原糸品質が良好であり、そのため繊維の後加工に優れる合成繊維用処理剤、それを用いた合成繊維フィラメント糸条及び仮撚り加工糸の製造方法に関するものである。
近年、合成繊維の生産が一層高速化しており、その一方で低デニール化した合成繊維、ハイマルチ化した合成繊維、更には異型断面化した合成繊維等、新しい形態の合成繊維の生産が増える傾向にある。
一般に、合成繊維用処理剤は、平滑剤を主体とし、乳化剤や制電剤等から構成される。従来の合成繊維用処理剤は、特に乳化剤や制電剤等に工夫がなされ、ヒーター汚れ、毛羽糸切れ、静電気発生をある程度抑止できていた(特許文献1及び特許文献2)。
従来の合成繊維用処理剤は、仮撚り加工用フィラメント(POY)の場合、フィラメントの経時変化の問題から、製糸後、数日から一ヶ月の間に仮撚り(DTY)加工することが必須となっていた。しかし、在庫等の問題で、一ヶ月以上、更には半年以上も過ぎてから加工されることも多く、この場合フィラメントの経時変化のため加工性不良をもたらす要因となっていた。
日本国特開2006−70420号公報 日本国特開2009−13553号公報
本発明の目的は、合成繊維用フィラメント生産後のフィラメント(パッケージ)保管時に、フィラメントの経時に伴う物性の変化を抑制することで、長期にわたり安定してフィラメントの後加工を行うことが可能な、合成繊維用処理剤を提供することにある。また、それを用いた合成繊維フィラメント糸条、合成繊維の製造方法を提供することにある。
本発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、特定のアルキル基及び付加形態を有する2種類のポリオキシアルキレンアルキルエーテルを含み、かつ、特定の動粘度を示す合成繊維用処理剤であれば、上記課題が解決できることを見出した。
すなわち、本願発明の合成繊維用処理剤は、下記一般式(1)で示されるポリオキシアルキレンアルキルエーテル(A)及び下記一般式(2)で示されるポリオキシアルキレンアルキルエーテル(B)を含む合成繊維用処理剤であって、前記処理剤の不揮発分の30℃における動粘度が100〜250mm/sである。
O−(AO)m−[(PO)a/(EO)b]−H (1)
(但し、Rは炭素数14の直鎖のアルキル基を示す。AOはオキシエチレン基又はオキシプロピレン基であり、POはオキシプロピレン基、EOはオキシエチレン基を示す。m、a及びbは、各々の平均付加モル数を示し、m=0〜10、a=1〜100、b=1〜100である。[(PO)a/(EO)b]はaモルのPOとbモルのEOとがランダム付加してなるポリオキシアルキレン基である。)
O−(AO)n−[(PO)c/(EO)d]−H (2)
(但し、Rは炭素数12の直鎖のアルキル基を示す。AOはオキシエチレン基又はオキシプロピレン基であり、POはオキシプロピレン基、EOはオキシエチレン基を示す。n、c及びdは、各々の平均付加モル数を示し、n=0〜10、c=1〜100、d=1〜100である。[(PO)c/(EO)d]はcモルのPOとdモルのEOとがランダム付加してなるポリオキシアルキレン基である。)
前記アルキルエーテル(A)及び前記アルキルエーテル(B)の重量比(A/B)が0.1〜10であると好ましい。
下記一般式(3)で示されるポリエーテル(C)をさらに含有すると好ましい。
O−[(PO)e/(EO)f]−H (3)
(但し、Rは水素原子又は炭素数1〜11又は15〜24の直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基を示す。POはオキシプロピレン基、EOはオキシエチレン基を示す。e及びfは、各々の平均付加モル数を示し、e=1〜100、f=1〜100である。[(PO)e/(EO)f]はeモルのPOとfモルのEOとがランダム付加してなるポリオキシアルキレン基である。)
前記mが1〜10であると好ましい。
前記nが1〜10であると好ましい。
摩擦仮撚り用であると好ましい。
本願発明の合成繊維フィラメント糸条は、上記合成繊維用処理剤を(原料)合成繊維フィラメント糸条に付着させてなる。
本願発明の仮撚り加工糸の製造方法は、上記合成繊維フィラメント糸条を加熱して、延伸し、仮撚り加工する工程を含む。
本発明の合成繊維用処理剤は、合成繊維用フィラメント生産後のフィラメント(パッケージ)保管時にフィラメントの経時に伴う物性の変化を抑制することができるので、長期にわたり安定してフィラメントの後加工を行うことができる。
本発明の合成繊維用処理剤について、以下詳細に説明する。
〔合成繊維用処理剤〕
本発明の合成繊維用処理剤は、上記一般式(1)で示されるポリオキシアルキレンアルキルエーテル(A)及び上記一般式(2)で示されるポリオキシアルキレンアルキルエーテル(B)とを必須に含み、30℃における不揮発分の動粘度が特定の範囲内であることを特徴とする。
本発明の合成繊維用処理剤は、前記処理剤の不揮発分の動粘度が100〜250mm/sであり、115〜240mm/sが好ましく、130〜230mm/sがより好ましく、145〜215mm/sがさらに好ましく、160〜200mm/sが特に好ましい。100mm/s未満では、処理剤が低粘度のため繊維上から糸管へ移行したり、パッケージ外層から揮発したりすることで、OPUが常に一定に保たれないため、フィラメントの経時に伴う物性の変化が抑制できないので、長期にわたり安定してフィラメントの後加工を行うことができない。一方、250mm/s超では、処理剤が高粘度のため、フィラメント(パッケージ)保管時に処理剤が繊維上に均一になじむ速度が遅すぎて、安定してフィラメントの後加工を行うことが困難となる。
なお、本発明における不揮発分とは、処理剤を105℃で熱処理して溶媒等の揮発分を除去し、恒量に達した時の絶乾成分をいう。
動粘度の測定は、キャノンフェンスケ粘度計に試料を10g入れ、30±0.1℃に温度調節した恒温槽中に15分間保持する。その後、試料が粘度計の標線間を通過する流出時間(秒)を測定し、粘度計係数を乗じた値を30℃における不揮発分の動粘度とした。
本発明の処理剤の不揮発分の10重量%濃度水溶液のpHは、5.5〜8.0が好ましく、6.0〜7.8がより好ましく、6.2〜7.5がさらに好ましい。5.5未満又は8.0超では、処理剤が分解し、本願効果が得にくいことがある。
本発明の処理剤の不揮発分の10重量%濃度水溶液の透過率は、95%以上が好ましく、97%以上がより好ましく、98%以上がさらに好ましい。好ましい上限値は100%である。95%未満では水溶液の安定性が乏しく、貯蔵時に水溶液が分離する恐れがあり、そのため均一に付着せず、本願の効果が得られないことがある。
本発明の合成繊維用処理剤には、上記一般式(1)で示されるポリオキシアルキレンアルキルエーテル(A)が必須に含有される。
前記処理剤の不揮発分に占める、前記ポリオキシアルキレンアルキルエーテル(A)の重量割合は、2〜98重量%が好ましく、5〜60重量%がより好ましく、10〜50重量%が更に好ましく、20〜40重量%が最も好ましい。2重量%未満又は98重量%超では処理剤の不揮発分の粘度が適正ではなくなるために、フィラメントの経時に伴う物性の変化が抑制できないので、長期にわたり安定してフィラメントの後加工を行うことができないことがある。
本発明の合成繊維用処理剤には、上記一般式(2)で示されるポリオキシアルキレンアルキルエーテル(B)が必須に含有される。
前記処理剤の不揮発分に占める、前記ポリオキシアルキレンアルキルエーテル(B)の重量割合は、2〜98重量%が好ましく、10〜70重量%がより好ましく、20〜60重量%が更に好ましく、30〜50重量%が最も好ましい。2重量%未満又は98重量%超では処理剤の不揮発分の粘度が適正ではなくなるために、フィラメントの経時に伴う物性の変化が抑制できないので、長期にわたり安定してフィラメントの後加工を行うことができないことがある。
前記ポリオキシアルキレンアルキルエーテル(A)及び前記ポリオキシアルキレンアルキルエーテル(B)の重量比(A/B)は、0.1〜10が好ましく、0.15〜1.0がより好ましく、0.2〜1.0がさらに好ましく、0.25〜0.8が特に好ましく、0.4〜0.6が最も好ましい。0.1未満では、粘度が適正値より低くなるためかフィラメントの経時に伴う物性の変化が抑制できないので、長期にわたり安定してフィラメントの後加工を行うことができないことがあり、10超では、粘度が適正値より高くなるためか、フィラメントの経時に伴う物性の変化が抑制できないことがある。
処理剤の不揮発分に占める、前記ポリオキシアルキレンアルキルエーテル(A)及び前記ポリオキシアルキレンアルキルエーテル(B)の合計の重量割合は、4〜98重量%が好ましく、20〜95重量%がより好ましく、45〜80重量%がさらに好ましく、50〜70重量%が特に好ましい。4重量%未満では耐熱性が悪化しヒーター汚染が速くなり、長期にわたり安定してフィラメントの後加工を行うことができないことがあり、98重量%超では、制電不良をもたらし、糸揺れによる毛羽や糸切れの増加につながることがある。
本発明の処理剤が前記ポリエーテル(C)を含む場合には、処理剤の不揮発分に占める、前記ポリオキシアルキレンアルキルエーテル(A)、前記ポリオキシアルキレンアルキルエーテル(B)及び前記ポリエーテル(C)の合計の重量割合は、5〜99重量%が好ましく、20〜97重量%がより好ましく、50〜95重量%がさらに好ましく、70〜90重量%が特に好ましい。5重量%未満では耐熱性が悪化しヒーター汚染が速くなり、長期にわたり安定してフィラメントの後加工を行うことができないことがあり、99重量%超では、制電不良をもたらし、糸揺れによる毛羽や糸切れの増加につながることがある。
本発明の処理剤は、アルキルエーテル(A)及びアルキルエーテル(B)の重量が増加することで、長期にわたり安定してフィラメントの後加工を行うことができる観点から、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル全体に占める、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルを構成するアルキル基が炭素数8〜10であるアルキルエーテルの重量割合は、10重量%以下が好ましく、5重量%以下がより好ましく、2重量%以下がさらに好ましく、0重量%が最も好ましい。
(ポリオキシアルキレンアルキルエーテル(A))
ポリオキシアルキレンアルキルエーテル(A)(以後、アルキルエーテル(A)という)は、本発明に必須の成分である。前記アルキルエーテル(A)の構造は、上記一般式(1)で示される。
一般式(1)中、Rは炭素数14の直鎖のアルキル基を示す。炭素数11以下の直鎖のアルキル基又は分岐のアルキル基では、処理剤の繊維上の移動速度が速いためか、長期にわたり安定してフィラメントの後加工を行うことができない。一方、炭素数15以上の直鎖のアルキル基又は分岐のアルキル基では、処理剤の繊維上の移動速度が遅すぎるためか、本願効果が得られない。
(AO)mは、(ポリ)オキシアルキレン基を示し、AOは、オキシエチレン基又はオキシプロピレン基である。
mはポリオキシアルキレン基の平均付加モル数を示す。mは0〜10であり、1〜10が好ましく、1〜6がより好ましく、2〜4がさらに好ましい。オキシエチレン基の平均付加モル数が10を超えると、濡れ性が不良となるために、均一付着性が低下する。
オキシプロピレン基の平均付加モル数が10を超えると、親水性が低下し乳化力が悪化することで合成繊維用処理剤の水溶液の安定性が劣る。よって、オキシエチレン基又はオキシプロピレン基の平均付加モル数mが10超になると、長期にわたり安定してフィラメントの後加工を行うことができない。
aは(ポリ)オキシプロピレン基の平均付加モル数を示し、1〜100であり、3〜70が好ましく、5〜60がより好ましく、8〜40がさらに好ましく、10〜30が特に好ましい。1未満では融点が上昇するために、取り扱い性が劣る。一方、100超では、繊維処理剤の摩擦が高くなり、工程通過性が低下し、長期にわたり安定してフィラメントの後加工を行うことができない。なお、(ポリ)オキシプロピレン基は、a=1のときはオキシプロピレン基の平均付加モル数を示すことを意味する。
bは(ポリ)オキシエチレン基の平均付加モル数を示し、1〜100であり、5〜70が好ましく、10〜60がより好ましく、15〜40がさらに好ましく、20〜30が特に好ましい。1未満では親水性が低下し乳化力が悪化することで合成繊維用処理剤の水溶液の安定性が劣るため、フィラメントの経時に伴う物性の変化が抑制できないので、長期にわたり安定してフィラメントの後加工を行うことができない。一方、100超では、動粘度の上昇により、フィラメントの経時に伴う物性の変化が抑制できないので、長期にわたり安定してフィラメントの後加工を行うことができない。
(AO)m−[(PO)a/(EO)b]は、mモルのAOと、aモルのPOとbモルのEOとが付加してなるポリオキシアルキレン基を示し、ポリオキシアルキレン基の少なくとも1部がランダム付加である。そのような(AO)m−[(PO)a/(EO)b]は、以下のような態様1〜9を含む。
(態様1)
m≧1であり、まずEOのみをmモル付加した後に、aモルのPOとbモルのEO比率とを一定の比率で付加させていく。
(態様2)
m≧1であり、まずEOのみをmモル付加した後に、aモルのPOとbモルのEO比率を下記条件1で変化させながら付加させていく。
(態様3)
m≧1であり、まずEOのみをmモル付加した後に、aモルのPOとbモルのEO比率を下記条件2で変化させながら付加させていく。
(態様4)
m≧1であり、まずPOのみをmモル付加した後に、aモルのPOとbモルのEO比率とを一定の比率で付加させていく。
(態様5)
m≧1であり、まずPOのみをmモル付加した後に、aモルのPOとbモルのEO比率を下記条件1で変化させながら付加させていく。
(態様6)
m≧1であり、まずPOのみをmモル付加した後に、aモルのPOとbモルのEO比率を下記条件2で変化させながら付加させていく。
(態様7)
m=0であり、aモルのPOとbモルのEO比率とを一定の比率で付加させていく。
(態様8)
m=0であり、aモルのPOとbモルのEO比率を下記条件1で変化させながら付加させていく。
(態様9)
m=0であり、aモルのPOとbモルのEO比率を下記条件2で変化させながら付加させていく。
ただし、本願発明の(AO)m−[(PO)a/(EO)b]に、次の態様10は含まれない。
(態様10)
(1)まずEOのみをb’モル付加する。(2)a’’モルのPOとb’’モルのEO比率とを一定の比率で付加させる。(3)EOのみをb’’’モル付加する。
条件1
エチレンオキサイド及びプロピレンオキサイドの供給開始時をT0、エチレンオキサイド及びプロピレンオキサイドの供給終了時をT100とし、T0とT100との間の時間T1及びT2が、T0<T1<T2<T100及び(T2−T1)/T100=0.01の関係にあるとき、
T0、T100、T1、T2の各々の時点で供給されるエチレンオキサイドとプロピレンオキサイドとの重量比を、[PO/EO]T0、[PO/EO]T100、[PO/EO]T1及び[PO/EO]T2として、下記数式(B)〜(D)を同時に満足する、アルキレンオキサイド付加物の製造方法。
0<[PO/EO]T0<1 (B)
1<[PO/EO]T100<100 (C)
0.8<[PO/EO]T2/[PO/EO]T1<10 (D)
条件2
エチレンオキサイド及びプロピレンオキサイドの供給開始時をT0、エチレンオキサイド及びプロピレンオキサイドの供給終了時をT100とし、T0とT100との間の時間T1及びT2が、T0<T1<T2<T100及び(T2−T1)/T100=0.01の関係にあるとき、
T0、T100、T1、T2の各々の時点で供給されるエチレンオキサイドとプロピレンオキサイドとの重量比を、[EO/PO]T0、[EO/PO]T100、[EO/PO]T1及び[EO/PO]T2として、下記数式(B)’〜(D)’を同時に満足する、アルキレンオキサイド付加物の製造方法。
0<[EO/PO]T0<1 (B)’
1<[EO/PO]T100<100 (C)’
0.8<[EO/PO]T2/[EO/PO]T1<10 (D)’
態様1〜3では、まずEOのみを付加させていることから、態様4〜6と比較すると、アルキル基に直接親水基であるEOを付加させることで、親水性が増加するため、合成繊維用処理剤の水溶液安定性が優れる。そのため、処理剤が繊維に均一に付着することで、パッケージの外観が良好となる。
態様4〜6では、まずPOのみを付加させていることから、態様1〜3と比較すると、アルキル基に直接疎水基であるPOを付加させることで、濡れ性が良好となるために、均一に付着し易いという特徴がある。
態様7では、POとEOを任意の比率で設定できるので、アルキルエーテル(A)の融点、曇点、分子量といった特性の制御が比較的容易である。また合成中POとEOの比率が常に一定であるので、合成にかかる時間を短縮化することできる。
態様2、態様5及び態様8では、アルキルエーテル(A)の末端水酸基側にいくほどPO比率が上昇するので、繊維間摩擦の増加をもたらし、パッケージ外観が良好になる。
態様3、態様6及び態様9では、アルキルエーテル(A)の末端水酸基側にいくほどEO比率が上昇するので、繊維対金属間摩擦の低下をもたらし、毛羽や糸切れの減少につながる。
態様10は、親水性のEOと親水性のEOとでランダム体が封鎖されているためか、処理剤の不揮発分の動粘度が高くなりすぎて、フィラメント(パッケージ)保管時に、処理剤が繊維上に均一になじむ速度が遅すぎて、長期にわたり安定してフィラメントの後加工を行いにくい。
前記アルキルエーテル(A)の13C−NMRスペクトル及びH−NMRスペクトルを測定したチャートに基づいて、下記で各々定義されるNPO−PO、NPO2、NEO−R、N、NEO−OH、NPO−OH、N1OH及びN2OHを読み取り、
PO−PO:PO−PO結合したPOの1級炭素に帰属される13C−NMRスペクトルの積分値の和
PO2:POの2級炭素に帰属される13C−NMRスペクトルの積分値の和
EO−R:R基と直接エーテル結合したEOの炭素に帰属される13C−NMRスペクトルの積分値の和
:R基のα位炭素に帰属される13C−NMRスペクトルの積分値の和
EO−OH:末端水酸基に直接結合しているEOの炭素に帰属される13C−NMRスペクトルの積分値の和
PO−OH:末端水酸基に直接結合しているPOの炭素に帰属される13C−NMRスペクトルの積分値の和
1OH:1級水酸基の結合したメチレン基のプロトンに帰属されるH−NMRスペクトルの積分値の和
2OH:2級水酸基の結合したメチン基のプロトンに帰属されるH−NMRスペクトルの積分値の和
そして、得られた読み取り値を各々下記計算式(I)〜(IV):
Er(%)=100×NPO−PO/(NPO−PO+NPO2) (I)
EO−R(%)=100×NEO−R/N (II)
EO−OH(%)=100×NEO−OH/(NEO−OH+NPO−OH) (III)
OH(%)=100×N2OH/(N1OH+N2OH) (IV)
に代入して得られるランダム化指数Er、R基に直結しているオキシエチレン基の百分率EEO−R、末端水酸基が直結しているオキシエチレン基の百分率EEO−OH、及び末端水酸基の2級化率EOHのパラメーターについて、前記アルキルエーテル(A)の各態様が、本願効果を発揮する観点から、下記を各々満足すると好ましい。
(態様1)
1≦Er≦45、EEO−R=100、26≦EEO−OH≦74及び26≦EOH≦74が好ましく、10≦Er≦35、EEO−R=100、40≦EEO−OH≦70及び38≦EOH≦70がより好ましい。
(態様2)
1≦Er≦45、EEO−R=100、1≦EEO−OH≦49及び51≦EOH≦99が好ましく、10≦Er≦35、EEO−R=100、10≦EEO−OH≦40及び65≦EOH≦95がより好ましい。
(態様3)
1≦Er≦45、EEO−R=100、51≦EEO−OH≦99及び1≦EOH≦49が好ましく、10≦Er≦35、EEO−R=100、65≦EEO−OH≦95及び10≦EOH≦40がより好ましい。
(態様4)
1≦Er≦45、EEO−R=0、26≦EEO−OH≦74及び26≦EOH≦74が好ましく、10≦Er≦35、EEO−R=0、40≦EEO−OH≦70及び38≦EOH≦70がより好ましい。
(態様5)
1≦Er≦45、EEO−R=0、1≦EEO−OH≦49及び51≦EOH≦99が好ましく、10≦Er≦35、EEO−R=0、10≦EEO−OH≦40及び65≦EOH≦95がより好ましい。
(態様6)
1≦Er≦45、EEO−R=0、51≦EEO−OH≦99及び1≦EOH≦49が好ましく、10≦Er≦35、EEO−R=0、65≦EEO−OH≦95及び10≦EOH≦40がより好ましい。
(態様7)
1≦Er≦45、26≦EEO−R≦74、26≦EEO−OH≦74及び26≦EOH≦74が好ましく、10≦Er≦35、38≦EEO−R≦50、40≦EEO−OH≦70及び38≦EOH≦70がより好ましい。
(態様8)
1≦Er≦45、51≦EEO−R≦99、1≦EEO−OH≦49及び51≦EOH≦99が好ましく、10≦Er≦35、65≦EEO−R≦95、10≦EEO−OH≦40及び65≦EOH≦95がより好ましい。
(態様9)
1≦Er≦45、1≦EEO−R≦49、51≦EEO−OH≦99及び1≦EOH≦49が好ましく、10≦Er≦35、10≦EEO−R≦35、65≦EEO−OH≦95及び10≦EOH≦40がより好ましい。
前記アルキルエーテル(A)の重量平均分子量は、200〜12000であり、500〜5000が好ましく、1000〜3000が特に好ましい。重量平均分子量が200未満の場合、仮撚り加工工程で熱処理された際、低分子量のため発煙が発生しヒーター汚れの原因となる可能性がある。重量平均分子量が12000超の場合、高分子量に起因する粘度の増大により、処理剤を合成繊維に付着した際、動摩擦係数が大きくなり、パッケージ外観が不足することがある。
なお、重量平均分子量は、東ソー(株)製高速ゲルパーミエーションクロマトグラフィー装置HLC−8220GPCを用い、試料濃度3mg/ccで、昭和電工(株)製分離カラムKF−402HQ、KF−403HQに注入し、示差屈折率検出器で測定した最大ピーク値のことをいう。
〔アルキルエーテル(A)の製造方法〕
アルキルエーテル(A)の製造方法としては、特に限定はなく、公知の方法を採用できる。例えば、下記一般式(A):
OH (A)
(但し、式中Rは、炭素数14の直鎖のアルキル基を示す。)
で示されるアルコールに対して、上記(態様1)〜(態様9)に合わせて、以下のように製造するものである。
(態様1)
エチレンオキサイドのみをmモル供給して付加反応させる工程(以後、1段目という)と、1段目の後にプロピレンオキサイドをaモル及びエチレンオキサイドをbモル供給してランダム付加反応させる工程(以後、2段目という)を、1段目及び2段目まで連続して行ってもよいし、一度各工程で得られた付加物を回収して、引き続き反応を行っても良い。
(態様2)
エチレンオキサイドのみをmモル供給して付加反応させる工程(1段目)と、1段目の後にプロピレンオキサイドをaモル及びエチレンオキサイドをbモル、条件1に従って供給してランダム付加反応させる工程(2段目)を、1段目及び2段目まで連続して行ってもよいし、一度各工程で得られた付加物を回収して、引き続き反応を行っても良い。
(態様3)
エチレンオキサイドのみをmモル供給して付加反応させる工程(1段目)と、1段目の後にプロピレンオキサイドをaモル及びエチレンオキサイドをbモル、条件2に従って供給してランダム付加反応させる工程(2段目)を、1段目及び2段目まで連続して行ってもよいし、一度各工程で得られた付加物を回収して、引き続き反応を行っても良い。
(態様4)
プロピレンオキサイドのみをmモル供給して付加反応させる工程(1段目)と、1段目の後にプロピレンオキサイドをaモル及びエチレンオキサイドをbモル供給してランダム付加反応させる工程(2段目)を、1段目及び2段目まで連続して行ってもよいし、一度各工程で得られた付加物を回収して、引き続き反応を行っても良い。
(態様5)
プロピレンオキサイドのみをmモル供給して付加反応させる工程(1段目)と、1段目の後にプロピレンオキサイドをaモル及びエチレンオキサイドをbモル、条件1に従って供給してランダム付加反応させる工程(2段目)を、1段目及び2段目まで連続して行ってもよいし、一度各工程で得られた付加物を回収して、引き続き反応を行っても良い。
(態様6)
プロピレンオキサイドのみをmモル供給して付加反応させる工程(1段目)と、1段目の後にプロピレンオキサイドをaモル及びエチレンオキサイドをbモル、条件2に従って供給してランダム付加反応させる工程(2段目)を、1段目及び2段目まで連続して行ってもよいし、一度各工程で得られた付加物を回収して、引き続き反応を行っても良い。
(態様7)
プロピレンオキサイドをaモル及びエチレンオキサイドをbモル、常に一定の比率で供給してランダム付加反応させる工程。
(態様8)
プロピレンオキサイドをaモル及びエチレンオキサイドをbモル、上記条件1に従って供給してランダム付加反応させる工程。
(態様9)
プロピレンオキサイドをaモル及びエチレンオキサイドをbモル、上記条件2に従って供給してランダム付加反応させる工程。
アルキルエーテル(A)の製造方法としては、例えば、以下が挙げられる。
撹拌、温度調節が可能で、アルキレンオキサイドチャージタンク、窒素供給管、圧力調整バルブの付いたオートクレーブ内に、炭素数14の直鎖のアルコールをアルカリ触媒(例えば、苛性カリや苛性ソーダ)と共に投入し、混合系内を窒素置換した後、80〜130℃にて1〜3時間脱水操作を行う。次いで、上記(態様1)〜(態様9)となるよう、エチレンオキサイド(EO)、プロピレンオキサイド(PO)等のアルキレンオキサイド(AO)をゲージ圧力0.1〜0.4MPa、反応温度80〜180℃で投入して付加重合反応を行う。その後得られたアルキルエーテルを回収する。このようにしてアルキルエーテル(A)を合成することができる。なお、アルキルエーテルの重量平均分子量を大きくするために、炭素数14の直鎖のアルコールの代わりに回収したアルキルエーテルを使用して、上記と同様な工程を2〜5回繰り返し行ってもよい。
(ポリオキシアルキレンアルキルエーテル(B))
ポリオキシアルキレンアルキルエーテル(B)(以後、アルキルエーテル(B)という)は、本発明に必須の成分である。前記アルキルエーテル(A)と併用されることで、処理剤の不揮発分の粘度が適正値となるため、合成繊維用フィラメント生産後のフィラメント(パッケージ)保管時に、フィラメントの経時に伴う物性の変化を抑制することで、長期にわたり安定してフィラメントの後加工を行うことが可能となる。
前記アルキルエーテル(B)の構造は、上記一般式(2)で示される。
一般式(2)中、Rは炭素数12の直鎖のアルキル基を示す。炭素数11以下の直鎖のアルキル基又は分岐のアルキル基では、処理剤の繊維上の移動速度が速いためか、長期にわたり安定してフィラメントの後加工を行うことができない。一方、炭素数15以上の直鎖のアルキル基又は分岐のアルキル基では、処理剤の繊維上の移動速度が遅すぎるためか、本願効果が得られない。
(AO)nは、(ポリ)オキシアルキレン基を示し、AOは、オキシエチレン基又はオキシプロピレン基である。
nはポリオキシアルキレン基の平均付加モル数を示す。nは0〜10であり、1〜10が好ましく、1〜6がより好ましく、2〜4がさらに好ましい。オキシエチレン基の平均付加モル数が10を超えると、濡れ性が不良となるために、均一付着性が低下する。
オキシプロピレン基の平均付加モル数が10を超えると、親水性が低下し乳化力が悪化することで合成繊維用処理剤の水溶液の安定性が劣る。よって、オキシエチレン基又はオキシプロピレン基の平均付加モル数nが10超になると、長期にわたり安定してフィラメントの後加工を行うことができない。
cは(ポリ)オキシプロピレン基の平均付加モル数を示し、1〜100であり、3〜70が好ましく、5〜60がより好ましく、8〜40がさらに好ましく、10〜30が特に好ましい。1未満では融点が上昇するために、取り扱い性が劣る。一方、100超では、繊維処理剤の摩擦が高くなり、工程通過性が低下し、長期にわたり安定してフィラメントの後加工を行うことができない。
dは(ポリ)オキシエチレン基の平均付加モル数を示し、1〜100であり、5〜70が好ましく、10〜60がより好ましく、15〜40がさらに好ましく、20〜30が特に好ましい。1未満では親水性が低下し乳化力が悪化するために、合成繊維用処理剤の水溶液の安定性が劣るため、フィラメントの経時変化が抑制できないので、長期にわたり安定してフィラメントの後加工を行うことができない。一方、100超では、繊維処理剤の摩擦が低く、フィラメントの経時に伴う物性の変化が抑制できないので、長期にわたり安定してフィラメントの後加工を行うことができない。
(AO)n−[(PO)c/(EO)d]は、nモルのAOと、cモルのPOとdモルのEOとが付加してなるポリオキシアルキレン基を示し、ポリオキシアルキレン基の少なくとも1部がランダム付加である。そのような(AO)n−[(PO)c/(EO)d]は、上記[(PO)a/(EO)b]と同様に態様1〜9を含む。
態様1〜3では、まずEOのみを付加させていることから、態様4〜6と比較すると、アルキル基に直接親水基であるEOを付加させることで、親水性が増加するため、合成繊維用処理剤の水溶液安定性が優れる。そのため、処理剤が繊維に均一に付着することで、パッケージの外観が良好となる。
態様4〜6では、まずPOのみを付加させていることから、態様1〜3と比較すると、アルキル基に直接疎水基であるPOを付加させることで、濡れ性が良好となるために、均一に付着し易いという特徴がある。
態様7では、POとEOを任意の比率で設定できるので、アルキルエーテル(B)の融点、曇点、分子量といった特性の制御が比較的容易である。また合成中POとEOの比率が常に一定であるので、合成にかかる時間を短縮化することできる。
態様2、態様5及び態様8では、アルキルエーテル(B)の末端水酸基側にいくほどPO比率が上昇するので、繊維間摩擦の増加をもたらし、パッケージ外観が良好になる。
態様3、態様6及び態様9では、アルキルエーテル(B)の末端水酸基側にいくほどEO比率が上昇するので、繊維対金属間摩擦の低下をもたらし、毛羽や糸切れの減少につながる。
態様10は、親水性のEOと親水性のEOとでランダム体が封鎖されているためか、処理剤の不揮発分の動粘度が高くなりすぎて、フィラメント(パッケージ)保管時に、処理剤が繊維上に均一になじむ速度が遅すぎて、長期にわたり安定してフィラメントの後加工を行いにくい。
前記アルキルエーテル(B)の13C−NMRスペクトル及びH−NMRスペクトルを測定したチャートに基づいて、下記で各々定義されるNPO−PO、NPO2、NEO−R、N、NEO−OH、NPO−OH、N1OH及びN2OHを読み取り、
PO−PO:PO−PO結合したPOの1級炭素に帰属される13C−NMRスペクトルの積分値の和
PO2:POの2級炭素に帰属される13C−NMRスペクトルの積分値の和
EO−R:R基と直接エーテル結合したEOの炭素に帰属される13C−NMRスペクトルの積分値の和
:R基のα位炭素に帰属される13C−NMRスペクトルの積分値の和
EO−OH:末端水酸基に直接結合しているEOの炭素に帰属される13C−NMRスペクトルの積分値の和
PO−OH:末端水酸基に直接結合しているPOの炭素に帰属される13C−NMRスペクトルの積分値の和
1OH:1級水酸基の結合したメチレン基のプロトンに帰属されるH−NMRスペクトルの積分値の和
2OH:2級水酸基の結合したメチン基のプロトンに帰属されるH−NMRスペクトルの積分値の和
そして、得られた読み取り値を各々下記計算式(I)〜(IV):
Er(%)=100×NPO−PO/(NPO−PO+NPO2) (I)
EO−R(%)=100×NEO−R/N (II)
EO−OH(%)=100×NEO−OH/(NEO−OH+NPO−OH) (III)
OH(%)=100×N2OH/(N1OH+N2OH) (IV)
に代入して得られるランダム化指数Er、R基に直結しているオキシエチレン基の百分率EEO−R、末端水酸基が直結しているオキシエチレン基の百分率EEO−OH、及び末端水酸基の2級化率EOHのパラメーターについて、前記アルキルエーテル(B)の各態様が、本願効果を発揮する観点から、下記を各々満足すると好ましい。
(態様1)
1≦Er≦45、EEO−R=100、26≦EEO−OH≦74及び26≦EOH≦74が好ましく、10≦Er≦35、EEO−R=100、40≦EEO−OH≦70及び38≦EOH≦70がより好ましい。
(態様2)
1≦Er≦45、EEO−R=100、1≦EEO−OH≦49及び51≦EOH≦99が好ましく、10≦Er≦35、EEO−R=100、10≦EEO−OH≦40及び65≦EOH≦95がより好ましい。
(態様3)
1≦Er≦45、EEO−R=100、51≦EEO−OH≦99及び1≦EOH≦49が好ましく、10≦Er≦35、EEO−R=100、65≦EEO−OH≦95及び10≦EOH≦40がより好ましい。
(態様4)
1≦Er≦45、EEO−R=0、26≦EEO−OH≦74及び26≦EOH≦74が好ましく、10≦Er≦35、EEO−R=0、40≦EEO−OH≦70及び38≦EOH≦70がより好ましい。
(態様5)
1≦Er≦45、EEO−R=0、1≦EEO−OH≦49及び51≦EOH≦99が好ましく、10≦Er≦35、EEO−R=0、10≦EEO−OH≦40及び65≦EOH≦95がより好ましい。
(態様6)
1≦Er≦45、EEO−R=0、51≦EEO−OH≦99及び1≦EOH≦49が好ましく、10≦Er≦35、EEO−R=0、65≦EEO−OH≦95及び10≦EOH≦40がより好ましい。
(態様7)
1≦Er≦45、26≦EEO−R≦74、26≦EEO−OH≦74及び26≦EOH≦74が好ましく、10≦Er≦35、38≦EEO−R≦50、40≦EEO−OH≦70及び38≦EOH≦70がより好ましい。
(態様8)
1≦Er≦45、51≦EEO−R≦99、1≦EEO−OH≦49及び51≦EOH≦99が好ましく、10≦Er≦35、65≦EEO−R≦95、10≦EEO−OH≦40及び65≦EOH≦95がより好ましい。
(態様9)
1≦Er≦45、1≦EEO−R≦49、51≦EEO−OH≦99及び1≦EOH≦49が好ましく、10≦Er≦35、10≦EEO−R≦35、65≦EEO−OH≦95及び10≦EOH≦40がより好ましい。
前記アルキルエーテル(B)の重量平均分子量は、200〜12000であり、500〜5000が好ましく、1000〜3000が特に好ましい。重量平均分子量が200未満の場合、仮撚り加工工程で熱処理された際、低分子量のため発煙が発生しヒーター汚れの原因となる可能性がある。重量平均分子量が12000超の場合、高分子量に起因する粘度の増大により、処理剤を合成繊維に付着した際、動摩擦係数が大きくなり、パッケージ外観が不足することがある。
〔アルキルエーテル(B)の製造方法〕
アルキルエーテル(B)の製造方法は、アルキルエーテル(A)の製造方法と、アルコールのアルキル基を炭素数12の直鎖のアルキル基に変更する以外は同様である。
〔ポリエーテル(C)〕
ポリエーテル(C)は、上記一般式(3)で示される。ポリエーテル(C)は、上述したポリオキシアルキレンアルキルエーテル(A)及びポリオキシアルキレンアルキルエーテル(B)と併用することにより、アルキル基の分布が発生することにより処理剤の相溶性が向上することで、本願発明の効果が得られ易くなる成分である。
一般式(3)中、Rは水素原子又は炭素数1〜11または15〜24の直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基を示す。POはオキシプロピレン基、EOはオキシエチレン基を示す。e及びfは、各々の平均付加モル数を示し、e=1〜100、f=1〜100である。[(PO)e/(EO)f]はeモルのPOとfモルのEOとがランダム付加してなるポリオキシアルキレン基である。)
eは(ポリ)オキシプロピレン基の平均付加モル数を示し、1〜100であり、3〜70が好ましく、5〜60がより好ましく、8〜40がさらに好ましく、10〜30が特に好ましい。1未満では融点が上昇するために、取り扱い性が劣る。一方、100超では、繊維処理剤の摩擦が高くなり、工程通過性が不良となる。
fは(ポリ)オキシエチレン基の平均付加モル数を示し、1〜100であり、5〜70が好ましく、10〜60がより好ましく、15〜40がさらに好ましく、20〜30が特に好ましい。1未満では親水性が低下し乳化力が悪化するために、合成繊維用処理剤の水溶液の安定性が劣る。一方、100超では、繊維処理剤の摩擦が低くなりすぎて、工程通過性が低下し、パッケージ外観が不良となる。
〔ポリエーテル(C)の製造方法〕
ポリエーテル(C)の製造方法としては、特に限定はなく、公知の方法を採用できる。
ポリエーテル(C)の製造方法としては、例えば、以下が挙げられる。
撹拌、温度調節が可能で、アルキレンオキサイドチャージタンク、窒素供給管、圧力調整バルブの付いたオートクレーブ内に、出発原料アルコール(一価アルコール及び/又は二価アルコール)をアルカリ触媒(例えば、苛性カリや苛性ソーダ)と共に投入し、混合系内を窒素置換した後、80〜130℃にて1〜3時間脱水操作を行う。次いで、所望の比率となるよう、エチレンオキサイド(EO)、プロピレンオキサイド(PO)等のアルキレンオキサイド(AO)をゲージ圧力0.1〜0.4MPa、反応温度80〜180℃で投入して(EO、POを同時に投入するとランダム型)、付加重合反応を行う。その後得られたポリエーテル化合物を回収する。このようにしてポリエーテル化合物(C)を合成することができる。なお、ポリエーテル化合物の重量平均分子量を大きくするために、出発原料アルコールの代わりに回収したポリエーテル化合物を使用して、上記と同様な工程を2〜5回繰り返し行ってもよい。
一価アルコールとしては、脂肪族の一価アルコールが挙げられる。コストや反応性、また合成繊維用処理剤としての平滑性の点から、脂肪族の一価アルコールが好ましい。一価アルコールは、1級アルコールまたは2級アルコールが好ましく、1級アルコールがさらに好ましい。また、一価アルコールからヒドロキシル基を除いた残基である炭化水素基は、直鎖状でも分岐状でもよく、飽和でも不飽和でもよい。一価アルコールの炭素数は、繊維用処理剤の低温保管時の製品安定性の点から、4〜11及び15〜24が好ましく、8〜11及び15〜22がより好ましく、8〜11及び16〜18がさらに好ましい。
一価アルコールとしては、例えば、ブタノール、ペンチルアルコール、ヘキシルアルコール、ヘプチルアルコール、オクチルアルコール、ノニルアルコール、デシルアルコール、ウンデシルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ノナデシルアルコール等の飽和脂肪族アルコール;ブテニルアルコール、ペンテニルアルコール、オクテニルアルコール、デセニルアルコール、ペンタデセニルアルコール、オレイルアルコール、ガドレイルアルコール、リノレイルアルコール等の不飽和脂肪族アルコール;メチルシクロヘキシルアルコール、エチルシクロヘキシルアルコール、プロピルシクロヘキシルアルコール、オクチルシクロヘキシルアルコール、ノニルシクロヘキシルアルコール、アダマンチルアルコール等の環状脂肪族アルコール;等が挙げられる。
これらの中でも、ブタノール、オクチルアルコール、ノニルアルコール、デシルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ノナデシルアルコール、オレイルアルコールが好ましく、ブタノール、オクチルアルコール、デシルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、オレイルアルコールがさらに好ましい。
二価アルコールとしては、エチレングリコール、プロピレングルコール、ブチレングリコール、ノナンジオール等の炭素数2〜9のアルキレングリコール;ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングルコール、トリプロピレングリコール等のポリアルキレングリコール等が挙げられる。これらの中でも、ポリエーテル化合物(C)を生産するための反応の容易さやコストの点から、ジエチレングリコール、トリエチレングリコールが好ましい。
前記ポリエーテル(C)の重量平均分子量は、200〜12000であり、500〜5000が好ましく、1000〜3000が特に好ましい。重量平均分子量が200未満の場合、仮撚り加工工程で熱処理された際、低分子量のため発煙が発生しヒーター汚れの原因となる可能性がある。重量平均分子量が12000超の場合、高分子量に起因する粘度の増大により、処理剤を合成繊維に付着した際、動摩擦係数が大きくなり、パッケージ外観が不良となることがある。
(P原子を含むアニオン性界面活性剤、S原子を含むアニオン性界面活性剤)
本発明の処理剤は、P原子を含むアニオン性界面活性剤及びS原子を含むアニオン性界面活性剤から選ばれる少なくとも1種をさらに含むと、制電性に優れることでパッケージ外観及び解舒性が向上するため、好ましい。
P原子を含むアニオン性界面活性剤は、特に限定されないが、例えば、アルキルリン酸エステル(以下ホスフェートと略記する)の金属塩/またはアミン塩、ポリオキシエチレンアルキルホスフェートの金属塩/またはアミン塩が挙げられる。より具体的には、例えば、ラウリルホスフェートカリウム塩、ラウリルホスフェートナトリウム塩、オクチルホスフェートカリウム塩、オクチルホスフェートナトリウム塩等が挙げられる。
S原子を含むアニオン性界面活性剤は、特に限定されないが、例えば、アルカンスルホン酸塩が挙げられる。これらの制電剤は必要に応じて単独または2種類以上のものを適宣併用する事ができる。
(変性シリコーン)
本発明の処理剤は、変性シリコーンをさらに含むと、繊維―繊維間摩擦が適度に低下し、パッケージ外観及び解舒性の向上に寄与するため、好ましい。
変性シリコーンとしては、特に限定されないが、ポリエーテル変性(EO、PO/EO)変性シリコーン、アルキル変性シリコーン、エステル変性シリコーン、アルコキシ変性シリコーン等の非反応性シリコーンや、アミノ変性シリコーン、エポキシ変性シリコーン、カルボキシル変性シリコーン、カルビノール変性シリコーン、メルカプト変性シリコーン、フェノール変性シリコーン等の反応性シリコーンオイルが挙げられる。上記ポリオキシアルキレンアルキルエーテル(A、B)と相溶性が優れるため、本願効果が得られやすい観点から、EO変性シリコーン又はPO/EO変性シリコーンが好ましい。
また、本発明の合成繊維用処理剤は、本発明の効果を損なわない範囲で、潤滑剤、乳化剤、浸透剤、制電剤(但し、P原子を含むアニオン性界面活性剤及びS原子を含むアニオン性界面活性剤を除く)等を必要に応じて含有してもよい。処理剤の不揮発分に占めるこれら潤滑剤、乳化剤、浸透剤、制電剤等の合計の重量割合は、繊維の集束性向上や油膜強化といった特性をより発現させる点から、50重量%以下が好ましく、40重量%以下がより好ましく、30重量%以下がさらに好ましく、20重量%以下が最も好ましい。
潤滑剤としては、特に限定はなく、公知のものを採用できる。例えば、メチルオレート、ブチルパルミテート、ブチルステアレート、ブチルオレート、イソオクチルラウレート、イソオクチルパルミテート、イソオクチルステアレート、イソオクチルオレート、ラウリルオレート、イソトリデシルステアレート、ヘキサデシルステアレート、イソステアリルオレート、オレイルオクタノエート、オレイルラウレート、オレイルパルミテート、オレイルステアレート、オレイルオレート等の脂肪酸エステル化合物(一価アルコールと一価カルボン酸とのエステル);ジエチレングリコールジラウレート、ジエチレングリコールジオレート、ヘキサメチレングリコールジラウレート、ヘキサメチレングリコールジオレート、ネオペンチルグリコールジラウレート、トリメチロールプロパントリカプリレート、トリメチロールプロパントリラウレート、トリメチロールプロパントリパルミテート、トリメチロールプロパントリオレート、グリセリントリオレート、ペンタエリスリトールテトララウレート、ペンタエリスリトールテトラオレート等の多価アルコールと一価カルボン酸とのエステル;ジオレイルマレート、ジイソトリデシルアジペート、ジセチルアジペート、ジオレイルアジペート、ジオクチルセバケート、ジラウリルセバケート、ジステアリルセバケート、ジオクチルアゼレート、ジステアリルアゼレート、ジオクチルフタレート、トリオクチルトリメリテート等の多価カルボン酸と一価アルコールとのエステル;ネオドール23(Shell製の合成アルコール)にエチレンオキサイドを2モル付加した物とラウリン酸とのエステル、ネオドール23にエチレンオキサイドを2モル付加した物とアジピン酸とのジエステル、イソトリデシルアルコールにプロピレンオキサイドを2モル付加した物とラウリン酸とのエステル、エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドとのブロックもしくはランダム共重合体の両末端もしくは一方の末端がカルボン酸で封鎖された重合体等のアルキレンオキサイドを付加したアルコールとカルボン酸とのエステル等を挙げることができる。
これらの潤滑剤は必要に応じて2種類以上のものを適宣併用することができる。処理剤の不揮発分に占める潤滑剤の重量割合は特に限定はないが、0〜30重量%が好ましく、3〜20重量%がより好ましく、3〜10重量%がさらに好ましい。
処理剤の水溶液をより安定化させるために、繊維への付着性を補助するために、または処理剤を付着させた繊維から処理剤を水洗し得るようにするために、乳化剤、浸透剤を使用してもよい。乳化剤、浸透剤としては、特に限定はなく、公知のものを採用できる。例えば、重量平均分子量が300以上1000未満である、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル等を挙げることができる。さらに、ポリオキシエチレンラウリルアミノエーテル、ポリエチレングリコールモノラウレート、ポリエチレングリコールジラウレート、ポリエチレングリコールモノオレート、ポリエチレングリコールジオレート、グリセリンモノオレート、ソルビタンモノオレート、ポリオキシエチレングリセリンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタントリオレート、ポリオキシエチレンヒマシ油エーテル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油エーテル等の非イオン界面活性剤等を挙げることができる。これらの乳化剤、浸透剤は必要に応じて単独または2種類以上のものを適宣併用する事ができる。処理剤の不揮発分に占める乳化剤、浸透剤の重量割合は、特に限定はないが、0.1〜40重量%が好ましく、5〜30重量%がさらに好ましい。なおこれらの乳化剤、浸透剤は、繊維糸条に制電性を付与したり、潤滑性や集束性を与えたりするために用いても構わない。
以上述べた潤滑剤、乳化剤、浸透剤、制電剤等の成分以外にも、必要に応じて、酸化防止剤、防腐剤、防錆剤、消泡剤等の成分を用いても構わない。
本発明の合成繊維用処理剤が、適度な動粘度を有するために、パッケージの外観が良好になることから、パッケージの外観が特に要求される摩擦仮撚り用である場合に本願効果が得られ易い。
本発明の合成繊維用処理剤は、下記に述べる観点から、合成繊維の摩擦仮撚り用処理剤である場合に特に適している。
一般に仮撚り加工糸(Draw Texturing Yarn;以下DTYと略す)は、摩擦仮撚り用処理剤を付与して部分配向糸(Partially Oriented Yarn;以下POYと略す)を生産した後、次に加熱装置(ヒーター)により糸条を加熱し、仮撚り装置にて糸条に撚りを与えながら延伸することで得られる。
また近年、この方式を用いた加工糸の種類として、付加価値の高い細デニール糸や、フルダル糸、ブライト異型断面糸といった特殊糸の生産が増える傾向にある。一般にこれらの特殊糸は、繊維とローラー、繊維とガイド、繊維と仮撚りユニット、繊維どうしの間で生じる摩擦に起因した、繊維の集束不良・張力変動・制電不良等の問題が発生し易いことが知られている。
すなわち、近年生産が増えてきた繊維の集束不良や張力変動等の起こり易い銘柄に対してこれらの問題を改善できる処理剤が必要とされている。
本発明の合成繊維用処理剤は、適度な動粘度を有するために、OPUの低下や張力変動が生じにくいことで合成繊維用フィラメント生産後のフィラメント(パッケージ)保管時に、フィラメントの経時に伴う物性の変化を抑制することで、長期にわたり安定してフィラメントの後加工を行うことが可能になることから、合成繊維の摩擦仮撚り用処理剤である場合に特に適している。
本発明の合成繊維用処理剤は、一般には、輸送コストや処理剤の安定性の観点から、処理剤に占める不揮発分の重量割合が80重量%以上の処理剤として、合成繊維フィラメントに付与する工場に移送される。本発明の処理剤は、処理剤の安定性が非常によく、外観不良や成分の分離を防止できる。その結果、合成繊維に処理剤が均一に付着し、製糸工程や後加工工程で発生する問題を大幅に改善できる。
本発明の合成繊維用処理剤は、さらに外観調整剤を含有することが好ましい。外観調整剤により、処理剤の安定性を向上させることができる。外観調製剤は、合成繊維の製造工程で、熱処理により揮発・除去される成分である。処理剤全体に占める外観調整剤の重量割合は、0.1〜20重量%が好ましく、3〜12重量%がさらに好ましい。外観調整剤の重量割合が20重量%超だと、繊維用処理剤としての性能が悪化し、合成繊維の仮撚り加工糸の生産において、仮撚り加工工程で発生する毛羽・断糸・白粉・染色斑の加工欠点を低減させることができず、むしろ加工欠点の増加をもたらすおそれがある。
外観調整剤としては、特に限定はなく、公知のものを採用できる。外観調製剤としては、水や低級アルコールが挙げられる。例えば、水、エチレングリコール、プロピレングリコール、イソプロピルアルコール、グリセリン、ブチルジグリコール等を挙げることができる。これらの中でも、水、エチレングリコール、グリセリンが好ましい。外観調製剤は必要に応じて単独または2種類以上のものを適宣併用することができる。
本発明の合成繊維用処理剤は、不揮発分のみからなる前述の成分で構成されていてもよく、不揮発分と外観調整剤とから構成されてもよく、不揮発分を低粘度鉱物油で希釈したものでもよく、水中に不揮発分を乳化した水溶液であってもよい。水中に不揮発分を乳化した水溶液の場合、不揮発分の濃度は5〜20重量%が好ましく、6〜15重量%がより好ましく、8〜12重量%がさらに好ましく、10重量%が最も好ましい。
本発明の合成繊維用処理剤の製造方法については、特に限定なく、公知の方法を採用することができる。処理剤は、通常、構成する前記の各成分を任意の順番で混合することによって製造される。
[合成繊維フィラメント糸条]
本発明の合成繊維フィラメント糸条は、本発明の合成繊維用処理剤を(原料)合成繊維フィラメント糸状に付着させたものであり、合成繊維の仮撚り加工糸の生産において、仮撚り加工の工程で発生する毛羽・断糸・白粉・染色斑の加工欠点を低減させることができ、ヒーターの清掃周期も延長させることができる。合成繊維用処理剤の不揮発分の付着量は、(原料)合成繊維フィラメントに対して、0.1〜1.0重量%が好ましく、0.2〜0.8重量%がより好ましく、0.3〜0.6重量%がさらに好ましい。
(原料)合成繊維フィラメントに本発明の合成繊維用処理剤を付与する方法としては、特に限定はなく、公知の方法を採用することができる。通常、合成繊維フィラメントの紡糸工程または延伸工程で付与され、(原料)合成繊維フィラメントに対して、不揮発分のみからなる処理剤、不揮発分を低粘度鉱物油で希釈した処理剤、または水中に不揮発分を乳化した水系処理剤をローラー給油、ノズル給油等でオイリングする方法等が挙げられる。
本発明の合成繊維用処理剤は、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維、ポリプロピレン繊維等の合成繊維の仮撚り加工用途に特に適している。ポリエステル繊維としては、エチレンテレフタレートを主たる構成単位とするポリエステル(PET)、トリメチレンテレフタレートを主たる構成単位とするポリエステル(PTT)、ブチレンテレフタレートを主たる構成単位とするポリエステル(PBT)、乳酸を主たる構成単位とするポリエステル(PLA)等が挙げられ、ポリアミド繊維としては、ナイロン6、ナイロン66等が挙げられ、ポリプロピレン繊維としては、ポリプロピレン等が挙げられる。
[仮撚り加工糸の製造方法]
本発明の仮撚り加工糸の製造方法は、前述の本発明の合成繊維用処理剤を付着させた合成繊維フィラメント糸条を加熱して、延伸し、仮撚り加工する工程を含むものであり、仮撚り加工の工程で発生する毛羽・断糸・白粉・染色斑の加工欠点を低減させることができ、ヒーターの清掃周期も延長させることができる。仮撚り加工の方法としては、特に限定はなく、公知の方法を採用できる。例えば、WO2009/034692号公報に記載された方法等が挙げられる。
仮撚り加工条件としては、特に制限しないが、より効果を発揮できる点から、熱源の熱板に直接合成繊維フィラメント糸条を接触させて加熱する接触タイプ(熱板接触加熱方式)の仮撚り加工機を用いて仮撚り加工を行うことが好ましい。かかる熱板接触加熱方式の仮撚り加工機とは、ヒーター温度が160〜230℃、ヒーター長は150〜250cmであり、合成繊維フィラメント糸状が、ヒータープレートの表面と接触して走行するもののことである。加工速度は、通常500〜1200m/min、好ましくは600〜1000m/minである。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、ここに記載した実施例に限定されるものではない。なお、文中及び表中に示されるパーセント(%)は特に限定しない限り、「重量%」を示す。実施例及び比較例において、各評価は以下に示す方法に基づいて行った。
まず、製造例1〜18及び製造比較例1〜9のポリオキシアルキレンアルキルエーテルPOA−1〜18及びPOA−D1〜9を次のようにして得た。
<製造例1>
撹拌、温度調節が可能で、アルキレンオキサイドチャージタンク、窒素供給管、圧力調整バルブの付いた3Lのオートクレーブ内に、アルコールとしてC14直鎖のアルコール214gと、アルカリ触媒である苛性カリ3.6gを仕込んだ。オートクレーブ内を窒素置換した後、撹拌しながら100〜110℃にて1時間脱水操作を行った。次に、所望のモル比率となるよう、1段目としてエチレンオキサイドを132g、2段目として、プロピレンオキサイド1160gとエチレンオキサイド880gの混合物を、ゲージ圧力0.0〜0.4MPa、反応温度140〜150℃で投入して、約15時間付加重合反応を行った。その後得られたポリオキシアルキレンアルキルエーテルを乳酸5.5gで中和処理し回収した。このようにして、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル(POA−1)を得た。
製造例2〜18及び製造比較例1〜9において、表1、表2及び表3に記載の各例のアルコールと、エチレンオキサイド及びプロピレンオキサイドの付加モル数と、付加形態(態様)を変更した以外は、製造例1と同様にして、POA−2〜18及びPOA−D1〜9を得た(表1、表2及び表3)。
Figure 0006219000
Figure 0006219000
Figure 0006219000
13C−NMR法>
測定試料約30mgを直径5mmのNMR用試料管に秤量し、重水素化溶媒として約0.5mlの重水素化クロロホルムを加えて溶解させて、13C−NMR測定装置(BRUKER社製AVANCE400,100MHz)で測定した。
H−NMR法および2級化率算出方法>
測定試料約30mgを直径5mmのNMR用試料管に秤量し、重水素化溶媒として約0.5mlの重水素化クロロホルムを加え溶解させる。その後、約0.1mlの無水トリフルオロ酢酸を添加し、分析用試料とし、H−NMR測定装置(BRUKER社製AVANCE400,400MHz)で測定した。
<処理剤の不揮発分の30℃における動粘度>
本発明における不揮発分とは、処理剤を105℃で熱処理して溶媒等の揮発分を除去し、恒量に達した時の絶乾成分をいう。
(処理剤の不揮発分の調製方法)
始めに直径10cm×高さ1cmのステンレス製容器に、処理剤を満たし、次に105℃に温度調節したギヤオーブン中で、容器ごと処理剤を2時間加熱し、揮発成分を蒸発除去した。このようにして、処理剤の不揮発分を回収した。
(動粘度の測定方法)
処理剤の不揮発分の動粘度の測定は、キャノンフェンスケ粘度計に試料を10g入れ、30±0.1℃に温度調節した恒温槽中に15分間保持する。その後、試料が粘度計の標線間を通過する流出時間(秒)を測定し、粘度計係数を乗じた値を動粘度とした。
処理剤の不揮発分の動粘度μ=f×t
{factor:1.3043、流出時間:t[sec]}
実施例2〜18、比較例1〜11においても、同様の方法で処理剤の不揮発分を回収し、動粘度を測定した。
(10%濃度水溶液の調製方法)
始めに100mL容のガラスビーカーに25.0℃のイオン交換水88.9gを満たした。次に撹拌下のイオン交換水中に、実施例1(不揮発分90%物)で調製した合成繊維用処理剤11.9g(25.0℃)を投入し30分間撹拌を継続することで、均一な10%濃度水溶液を調製した。実施例2〜18、比較例1〜11においても、イオン交換水と合成繊維用処理剤の投入量を変える以外は、上記と同様の方法で10%濃度水溶液を調製した。
なお、10%濃度水溶液とは、イオン交換水90重量部及び処理剤の不揮発分10重量部からなり、溶解若しくは乳化された状態の水溶液を意味する。通常、乳化された状態のことをエマルション若しくはエマルジョンというが、本願発明の処理剤の10%濃度水溶液は透明である場合が多いため、水溶液の表現で統一して記載している。従って、10%濃度水溶液には、外観が透明な水溶液と、半透明若しくは不透明であるエマルションの概念を含む。
(実施例1〜10、比較例1〜11)
実施例1〜10及び比較例1〜11において、表4及び表5に記載の配合成分を混合撹拌して、合成繊維用処理剤を調製した。なお、表4及び表5中のポリエーテル1〜3は以下のポリエーテルである。
ポリエーテル1:PO/EO=50/50、重量平均分子量4500 ランダム型
ポリエーテル2:PO/EO=25/75、重量平均分子量1800 ランダム型
ポリエーテル3:PO/EO=50/50のポリオキシアルキレンデシルエーテル、
重量平均分子量800 ランダム型
次に、調製した合成繊維用処理剤に水を加え、不揮発分の重量割合が10重量%となる水溶液を調製した。次いで、エクストルーダーで口金から吐出、冷却固化された、酸化チタン含有量2.5%のポリエチレンテレフタレートフルダル糸条に対して、メタリングポンプ装置を用いたノズルオイリング方式にて、処理剤の不揮発分の付着量が0.60重量%となるよう水溶液を付与し、130デシテックス/72フィラメントのPOYを紡糸し、3100m/minの速度で巻き取ることで、14kg捲きチーズを得た。
次に、得られたPOYをパッケージ搬送用段ボール箱に入れ、温度32±2℃、湿度63±8%)中で6ヶ月間保管後、熱板接触加熱方式である仮撚り加工機にて、下記の仮撚り加工条件で延伸仮撚り加工を行い、仮撚り加工糸(DTY)を得た。パッケージ外層油剤付着量、張力異常、仮撚り加工断糸、接触ヒーター汚染、白粉発生量、編地染色班、解舒性の評価については、下記の方法にて行った。その結果を表4及び5に示す。
<仮撚り加工条件>
熱板接触加熱方式である仮撚り加工機の延伸仮撚り条件
仮撚り加工機:帝人製機(株)製 HTS−15V
加工速度:900m/min
延伸比(DR):1.60
撚り掛け装置:3軸ディスク摩擦方式 1−5−1
(ガイドディスク1枚−ワーキング(ポリウレタン)ディスク5枚−ガイドディスク1枚)
ディスク速度/糸速度(D/Y):1.8
オーバーフィード率:3%
第一ヒーター(加撚側)温度:200℃
第二ヒーター(解撚側)温度:170℃
加工日数:10日間
<パッケージ外層油剤付着量(OPU)>
POYを6ヶ月間経時後、パッケージ外層に残存する処理剤の不揮発分の付着量を測定し、処理剤の減少量に応じて、以下のように評価した。◎及び○を合格とした。
◎:処理剤の付着量が0.58〜0.60%で減少無し
○:処理剤の付着量が0.55%以上0.58%未満で、顕著な減少が認められない
△:処理剤の付着量が0.50%以上0.55%未満で減少を確認
×:処理剤の付着量が0.50%未満で減少を確認
<張力異常>
仮撚り加工を開始後、24時間連続加工している間に、張力モニターが検知した張力の変動幅および発生するまでの間隔でもって、以下のように評価した。◎及び○を合格とした。
◎:平均加工張力に対して±3cN以上の張力変動が発生しない
○:平均加工張力に対して±3cN以上±5cN未満の張力変動が、24時間以内に発生
△:平均加工張力に対して±5cN以上の張力変動が、12時間超24時間以内に発生
×:平均加工張力に対して±5cN以上の張力変動が、12時間以内に発生
<仮撚り加工断糸>
延伸仮撚り加工を行った後、断糸回数を以下のように評価した。断糸回数が多いほど、毛羽も発生しやすくなる。◎及び○を合格とした。
◎:0回
○:1〜2回
△:3〜4回
×:5回以上
<接触ヒーター汚染>
延伸仮撚り加工を行った後、ヒーターの汚染状況を目視により、以下のように評価した。◎及び○を合格とした。
◎:ヒーターが汚れていない。
○:ヒーターが一部分のみ汚れている。
△:ヒーターが半分ほど汚れている。
×:ヒーターが全部汚れている。
<白粉発生量>
延伸仮撚り加工を行った後、仮撚りディスクと、その周辺の白粉発生量を目視により、以下のように評価した。◎及び○を合格とした。
◎:10日間加工後に白粉なし。
○:10日間加工後に一部白粉あり。
△:5日間加工後白粉が発生、堆積。
×:加工開始から白粉が発生、堆積。
<編地染色班>
延伸仮撚り加工を行った後、得られた加工糸を(株)小池機械製作所製の丸編み機で筒編みを作製し、ポリエステル編地の染色処理を行った。得られた編地の染色性を、以下のように評価した。◎及び○を合格とした。
◎:染色斑無し
○:染色斑が1〜2ヶ所有る
△:染色斑が3ヶ所以上認められる
×:染色斑が多く有り、染色筋も認められる
<解舒性>
東レエンジニアリング(株)製パッケージアナライザーPA−701を用いて、130デシテックス/72フィラメントのPOYの解舒張力{解舒条件;700m/min、10分間}を評価した。張力の変動幅が大きく、異常張力が多いほど、経時に伴いフィラメントの物性が変化しており、後加工性不良につながる。◎及び○を合格とした。
◎:異常張力が観察されず、解舒張力が安定(2g未満)している。
○:張力の変動幅が2g以上〜4g以下
△:異常張力が確認される
×:異常張力が有り、かつ糸切れを生じる
Figure 0006219000
Figure 0006219000
表4から分かるように、実施例1〜10では、本願発明の上記一般式(1)で示されるポリオキシアルキレンアルキルエーテル(A)及び上記一般式(2)で示されるポリオキシアルキレンアルキルエーテル(B)を含む合成繊維用処理剤であって、30℃における処理剤の不揮発分の動粘度が100〜250mm/sである、合成繊維用処理剤を付与しているために、合成繊維用フィラメント生産後のフィラメント(パッケージ)保管時にフィラメントの経時に伴う物性の変化を抑制することができるので、長期にわたり安定してフィラメントの後加工を行うことができる。
一方、表5から分かるように、比較例1〜11において、アルキル基の異なるポリオキシアルキレンアルキルエーテルの場合(比較例1〜11)、アルキル基は同じでもブロック付加物である場合(比較例5、6、9)、アルキル基は同じでも分岐体である場合(比較例4、7、8、10)、処理剤の不揮発分の動粘度が100〜250mm/sの範囲にないため、フィラメントの経時に伴う物性の変化を抑制することができない。
また、一般式(1)で示されるポリオキシアルキレンアルキルエーテル(A)及び一般式(2)で示されるポリオキシアルキレンアルキルエーテル(B)のどちらかが含まれない場合(比較例11)、フィラメントの経時に伴う物性の変化を、充分に抑制することができない。

Claims (8)

  1. 下記一般式(1)で示されるポリオキシアルキレンアルキルエーテル(A)及び下記一般式(2)で示されるポリオキシアルキレンアルキルエーテル(B)を含む合成繊維用処理剤であって、前記処理剤の不揮発分の30℃における動粘度が100〜250mm/sである、合成繊維用処理剤。
    O−(AO)m−[(PO)a/(EO)b]−H (1)
    (但し、Rは炭素数14の直鎖のアルキル基を示す。AOはオキシエチレン基又はオキシプロピレン基であり、POはオキシプロピレン基、EOはオキシエチレン基を示す。m、a及びbは、各々の平均付加モル数を示し、m=0〜10、a=1〜100、b=1〜100である。[(PO)a/(EO)b]はaモルのPOとbモルのEOとがランダム付加してなるポリオキシアルキレン基である。)
    O−(AO)n−[(PO)c/(EO)d]−H (2)
    (但し、Rは炭素数12の直鎖のアルキル基を示す。AOはオキシエチレン基又はオキシプロピレン基であり、POはオキシプロピレン基、EOはオキシエチレン基を示す。n、c及びdは、各々の平均付加モル数を示し、n=0〜10、c=1〜100、d=1〜100である。[(PO)c/(EO)d]はcモルのPOとdモルのEOとがランダム付加してなるポリオキシアルキレン基である。)
  2. 前記アルキルエーテル(A)及び前記アルキルエーテル(B)の重量比(A/B)が0.1〜10である、請求項1に記載の合成繊維用処理剤。
  3. 下記一般式(3)で示されるポリエーテル(C)をさらに含有する、請求項1又は2に記載の合成繊維用処理剤。
    O−[(PO)e/(EO)f]−H (3)
    (但し、Rは水素原子又は炭素数1〜11又は15〜24の直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基を示す。POはオキシプロピレン基、EOはオキシエチレン基を示す。e及びfは、各々の平均付加モル数を示し、e=1〜100、f=1〜100である。[(PO)e/(EO)f]はeモルのPOとfモルのEOとがランダム付加してなるポリオキシアルキレン基である。)
  4. 前記mが1〜10である、請求項1〜3のいずれかに記載の合成繊維用処理剤。
  5. 前記nが1〜10である、請求項1〜4のいずれかに記載の合成繊維用処理剤。
  6. 摩擦仮撚り用である、請求項1〜5のいずれかに記載の合成繊維用処理剤。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の合成繊維用処理剤を(原料)合成繊維フィラメント糸条に付着させてなる、合成繊維フィラメント糸条。
  8. 請求項7に記載の合成繊維フィラメント糸条を加熱して、延伸し、仮撚り加工する工程を含む、仮撚り加工糸の製造方法。
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