JP2012107366A - 合成繊維の摩擦仮撚り用処理剤及びその用途 - Google Patents

合成繊維の摩擦仮撚り用処理剤及びその用途 Download PDF

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Abstract

【課題】 本発明の目的は、仮撚り加工の工程で発生する毛羽・断糸・白粉・染色斑の問題に対して、これらを低減し、ヒーターの清掃周期も延長可能な合成繊維の摩擦仮撚り用処理剤を提供することにある。
【解決手段】 本発明は、ポリエーテル化合物(A)とアルキルポリエーテル化合物(B)とを必須に含有する合成繊維の摩擦仮撚り用処理剤であり、前記ポリエーテル化合物(A)が、ニ価アルコールに所定の割合でエチレンオキサイド(EO)を必須に含むアルキレンオキサイド(AO)を付加重合させた、重量平均分子量が8000〜20000のポリアルキレングリコールであり、前記アルキルポリエーテル化合物(B)が、一価アルコールに所定の割合でエチレンオキサイド(EO)を必須に含むアルキレンオキサイド(AO)を付加重合させた、重量平均分子量が1000〜20000である化合物である。
【選択図】なし

Description

本発明は合成繊維の摩擦仮撚り用処理剤およびその用途に関するものである。さらに詳しくは、仮撚り加工に適した合成繊維の摩擦仮撚り用処理剤、それを用いた合成繊維フィラメント糸条、仮撚り加工糸の製造方法に関するものである。
仮撚り加工糸は、加熱装置(ヒーター)により糸条を加熱し、仮撚り装置にて糸条に撚りを与えながら延伸することで得られる。近年、この方式を用いた加工糸の種類として、付加価値の高い、細デニール糸や、フルダル糸、ブライト異型断面糸といった特殊糸の生産が増える傾向にある。一般にこれらの特殊糸は、繊維とローラー、繊維とガイド、繊維と仮撚りユニット、繊維どうしの間で生じる摩擦に起因した、繊維の集束不良・張力変動・制電不良等の問題が発生することが知られている。繊維の仮撚り加工において、これらの問題が甚大な場合、毛羽・断糸・白粉・染色斑等の加工欠点につながる。また、毛羽・断糸・白粉・染色斑を低減するために、繊維を加温するヒーターの清掃を充分に行う必要があるが、ヒーターの清掃には多大な時間と労力を要し、生産性の低下につながるので、ヒーター清掃周期の延長が求められていた。更に、そのような特殊糸銘柄については、油剤付着量を多くする必要があり、また繊維屑が発生し易いため、高品質の仮撚り加工糸を生産性よく得ることができなかった。
これらの問題を解決するため、ポリエーテル化合物と特定のポリオルガノシロキサンを併用した繊維用油剤(例えば特許文献1、2)や、フッ素系界面活性剤を用いた繊維用油剤(例えば特許文献3)や、セカンダリーアルコール又はその誘導体を含有する繊維用油剤(例えば特許文献4)が提案されている。
しかし、特許文献1、2、3のような繊維用油剤を使用すると、合成繊維の染色工程において、ポリオルガノシロキサンやフッ素系界面活性剤により染料の均一分散性が阻害され、合成繊維に染料が付き難くなり、染色性不良の原因となっていた。さらに、油剤成分の合成に労力を要しコストアップにつながるため現実的ではなかった。
また、特許文献4のような繊維用油剤においても、前述の特殊糸に対する性能は不十分であった。すなわち、近年生産が増えてきた毛羽・断糸・白粉・染色斑の起こり易い銘柄に対して、充分な毛羽・断糸・白粉・染色斑の抑制、及びヒーターに蓄積する汚れを防止する点において、満足のいく結果には至っていなかった。
特開平10−131055号公報 特開平10−72783号公報 特開2004−124354号公報 特開2003−313773号公報
本発明の目的は、仮撚り加工の工程で発生する毛羽・断糸・白粉・染色斑の問題に対して、これらを低減し、ヒーターの清掃周期も延長可能な合成繊維の摩擦仮撚り用処理剤、それを用いた合成繊維フィラメント糸条、合成繊維の製造方法を提供することにある。
本発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、エチレンオキサイドの付加割合が特定値以上である、特定のポリエーテル化合物(A)と特定のアルキルポリエーテル化合物(B)とを併用する処理剤であれば、上記課題を解決できることを見出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明は、ポリエーテル化合物(A)とアルキルポリエーテル化合物(B)とを必須に含有し、前記ポリエーテル化合物(A)が、ニ価アルコールにエチレンオキサイド(EO)を必須に含むアルキレンオキサイド(AO)を付加重合させたポリアルキレングリコールであって、アルキレンオキサイド(AO)全体に占めるエチレンオキサイド(EO)の付加割合が70重量%以上であり、重量平均分子量が8000〜20000であり、前記アルキルポリエーテル化合物(B)が、一価アルコールにエチレンオキサイド(EO)を必須に含むアルキレンオキサイド(AO)を付加重合させた化合物であって、アルキレンオキサイド(AO)全体に占めるエチレンオキサイド(EO)の付加割合が70重量%以上であり、重量平均分子量が1000〜20000である、合成繊維の摩擦仮撚り用処理剤である。
前記ポリエーテル化合物(A)と前記アルキルポリエーテル化合物(B)との重量比(A/B)は10/90〜90/10であることが好ましい。
また、処理剤の不揮発分に占める前記ポリエーテル化合物(A)と前記アルキルポリエーテル化合物(B)の合計の重量割合は60重量%以上であることが好ましい。
また、処理剤に占める不揮発分の重量割合を90重量%としたときに、処理剤の750nmにおける光透過率(25℃)は95%以上である。
前記ポリエーテル化合物(A)は、ニ価アルコールにプロピレンオキサイド(PO)とエチレンオキサイド(EO)とを付加重合させたポリアルキレングリコールであって、PO/EOの付加割合(重量比)が10/90〜30/70であり、重量平均分子量が8000〜20000であることが好ましい。
前記アルキルポリエーテル化合物(B)は、一価アルコールにエチレンオキサイド(EO)又はプロピレンオキサイド(PO)とエチレンオキサイド(EO)とを付加重合させた化合物であって、PO/EOの付加割合(重量比)が0/100〜30/70であり、重量平均分子量が1000〜20000であることが好ましい。
前記一価アルコールは、炭素数4〜24の脂肪族アルコールであることが好ましい。
前記合成繊維は、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維又はポリプロピレン繊維であることが好ましい。
本発明の合成繊維フィラメント糸条は、上記の合成繊維の摩擦仮撚り用処理剤をフィラメント糸条に付着させたものである。
本発明の仮撚り加工糸の製造方法は、上記の合成繊維フィラメント糸条を加熱して、延伸し、仮撚り加工する工程を含むものである。
本発明の合成繊維の摩擦仮撚り用処理剤は、合成繊維の仮撚り加工糸の生産において、仮撚り加工の工程で発生する毛羽・断糸・白粉・染色斑の加工欠点を低減させることができ、ヒーターの清掃周期も延長させることができる。本発明の合成繊維フィラメント糸条によれば、合成繊維の仮撚り加工糸の生産において、仮撚り加工の工程で発生する毛羽・断糸・白粉・染色斑の加工欠点を低減させることができ、ヒーターの清掃周期も延長させることができる。本発明の仮撚り加工糸の製造方法によれば、仮撚り加工の工程で発生する毛羽・断糸・白粉・染色斑の加工欠点を低減させることができ、ヒーターの清掃周期も延長させることができる。
本発明は、所定のポリエーテル化合物(A)とアルキルポリエーテル化合物(B)とを必須に含有する、合成繊維の摩擦仮撚り用処理剤である。ポリエーテル化合物(A)とアルキルポリエーテル化合物(B)とを併用することにより、合成繊維の仮撚り加工糸の生産において、仮撚り加工の工程で発生する毛羽・断糸・白粉・染色斑の加工欠点を低減させることが可能となる。
ポリエーテル化合物(A)は、主に、油膜強度、すなわち処理剤が繊維を保護する効果を増大させ、毛羽や断糸等の加工欠点を低減させるものと推測される。油膜強度は、エチレンオキサイド(EO)の付加割合が多いほど効果が大きい。アルキルポリエーテル化合物(B)は、主に、アルキル基に起因する摩擦低下能を増大させ、繊維とローラー、繊維とガイド、繊維と仮撚りユニット、繊維どうしの間で生じる擦過を緩和させ、毛羽や断糸等の加工欠点を低減させるものと推測される。
また、ポリエーテル化合物(A)とアルキルポリエーテル化合物(B)は、アルキレンオキサイド(AO)全体に占めるエチレンオキサイド(EO)の付加割合が、共に70重量%以上であるので、成分どうしの相溶性が向上し、製品にした際の安定性が著しく改善される。以下詳細に説明する。
[ポリエーテル化合物(A)]
本発明の処理剤に用いられるポリエーテル化合物(A)は、ニ価アルコールにエチレンオキサイド(EO)を必須に含むアルキレンオキサイド(AO)を付加重合させたポリアルキレングリコールであって、アルキレンオキサイド(AO)全体に占めるエチレンオキサイド(EO)の付加割合が70重量%以上であり、重量平均分子量が8000〜20000である。ポリエーテル化合物(A)は、二価アルコールにアルキレンオキサイドを付加重合させたポリアルキレングリコールであり、その両末端はヒドロキシル基(OH)である。
二価アルコールとしては、エチレングリコール、プロピレングルコール、ブチレングリコール、ノナンジオール等の炭素数2〜9のアルキレングリコール;ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングルコール、トリプロピレングリコール等のポリアルキレングリコール等が挙げられる。これらの中でも、ポリエーテル化合物(A)を生産するための反応の容易さやコストの点から、ジエチレングリコール、トリエチレングリコールが好ましい。
アルキレンオキサイド(AO)全体に占めるエチレンオキサイド(EO)の付加割合は、70重量%以上であり、70〜90重量%がより好ましく、70〜85重量%がさらに好ましく、80〜85重量%が特に好ましい。アルキレンオキサイド(AO)全体に占めるエチレンオキサイド(EO)の付加割合が70重量%未満の場合、アルキルポリエーテル化合物(B)との相溶性が悪く、処理剤の安定性が悪くなり、貯蔵条件によっては成分が分離するおそれがある。このような処理剤、つまり成分が分離した状態の処理剤を合成繊維に付着させると、合成繊維に処理剤が均一付着しなくなるため、製糸工程や加工工程で問題が多発する原因となる。
アルキレンオキサイド(AO)としては、エチレンオキサイド(EO)、プロピレンオキサイド(PO)、ブチレンオキサイド(BO)等が挙げられる。エチレンオキサイド(EO)以外のアルキレンオキサイド(AO)を含む場合、ランダム型に付加重合させたポリアルキレングリコール共重合体であってもよく、ブロック型に付加重合させたポリアルキレングリコール共重合体であってもよい。生産性の点から、ランダム型に付加重合させたポリアルキレングリコール共重合体が好ましい。
ポリエーテル化合物(A)の重量平均分子量は、8000〜20000であり、8000〜18000が好ましく、8000〜14000がより好ましく、10000〜14000がさらに好ましく、10000〜120000が特に好ましい。重量平均分子量が8000未満の場合、仮撚り加工工程で熱処理された際、低分子量のため発煙が発生しヒーター汚れの原因となり、また油膜強度も不十分である。重量平均分子量が20000超の場合、高分子量に起因する粘度の増大により、処理剤を合成繊維に付着した際、動摩擦係数が大きくなり、毛羽・断糸の原因となる。また、粘度の増大により取り扱い性も困難となる。
なお、重量平均分子量は、東ソー(株)製高速ゲルパーミエーションクロマトグラフィー装置HLC−8220GPCを用い、試料濃度3mg/ccで、昭和電工(株)製分離カラムKF−402HQ、KF−403HQに注入し、RI検出器で測定した最大ピーク値のことをいう。
これらポリエーテル化合物(A)の中でも、発煙、粘度、動摩擦係数の点から、二価アルコールにプロピレンオキサイド(PO)とエチレンオキサイド(EO)とを付加重合させたポリアルキレングリコールであって、PO/EOの付加割合(重量比)が10/90〜30/70であり、重量平均分子量が8000〜20000である化合物が好ましい。
PO/EOの付加割合(重量比)は、15/85〜30/70がより好ましく、15/85〜20/80がさらに好ましい。PO/EOの付加割合(重量比)が10/90未満の場合、製品(処理剤)の保管条件によっては、成分が分離する可能性が高くなる。またポリエーテルの融点が高く、性状が固体となるため取り扱い性も悪くなるおそれがある。PO/EOの付加割合(重量比)が30/70超の場合は、前述のアルキレンオキサイド(AO)全体に占めるエチレンオキサイド(EO)の付加割合が70重量%未満の場合と同様である。
ポリエーテル化合物(A)の製造方法としては、特に限定はなく、公知の方法を採用できる。例えば、以下が挙げられる。
撹拌、温度調節が可能で、アルキレンオキサイドチャージタンク、窒素供給管、圧力調整バルブの付いたオートクレーブ内に、出発原料アルコールとして前述の二価アルコールをアルカリ触媒(例えば、苛性カリや苛性ソーダ)と共に投入し、混合系内を窒素置換した後、80〜130℃にて1〜3時間脱水操作を行う。次いで、所望の比率となるよう、エチレンオキサイド(EO)、プロピレンオキサイド(PO)等のアルキレンオキサイド(AO)をゲージ圧力0.1〜0.4MPa、反応温度80〜180℃で投入して(EO、POを同時に投入するとランダム型、交互に投入するとブロック型)、付加重合反応を行う。その後得られたポリーエル化合物を回収する。このようにしてポリエーテル化合物(A)を合成することができる。なお、ポリエーテル化合物の重量平均分子量を大きくするために、上記の出発原料アルコールの代わりに回収したポリエーテル化合物を使用して、上記と同様な工程を2〜5回繰り返し行ってもよい。
[アルキルポリエーテル化合物(B)]
本発明の処理剤に用いられるアルキルポリエーテル化合物(B)は、一価アルコールにエチレンオキサイド(EO)を必須に含むアルキレンオキサイド(AO)を付加重合させた化合物であって、アルキレンオキサイド(AO)全体に占めるエチレンオキサイド(EO)の付加割合が70重量%以上であり、重量平均分子量が1000〜20000である。
一価アルコールとしては、脂肪族の一価アルコール、脂環族の一価アルコール等が挙げられる。コストや反応性、また繊維用処理剤としての性能の点から、脂肪族の一価アルコールが好ましい。一価アルコールは、1級アルコール又は2級アルコールが好ましく、1級アルコールがさらに好ましい。また、一価アルコールからヒドロキシル基を除いた残基である炭化水素基は、直鎖状でも分岐状でもよく、飽和でも不飽和でもよい。一価アルコールの炭素数は、繊維用処理剤としての性能の点から、4〜24が好ましく、8〜24がより好ましく、8〜18がさらに好ましい。
一価アルコールとしては、例えば、ブタノール、ペンチルアルコール、ヘキシルアルコール、ヘプチルアルコール、オクチルアルコール、ノニルアルコール、デシルアルコール、ウンデシルアルコール、ドデシアルアルコール、トリデシアルコール、テトラデシアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ノナデシルアルコール等の飽和脂肪族アルコール;ブテニルアルコール、ペンテニルアルコール、オクテニルアルコール、デセニルアルコール、ドデセニルアルコール、トリデセニルアルコール、ペンタデセニルアルコール、オレイルアルコール、ガドレイルアルコール、リノレイルアルコール等の不飽和脂肪族アルコール;メチルシクロヘキシルアルコール、エチルシクロヘキシルアルコール、プロピルシクロヘキシルアルコール、オクチルシクロヘキシルアルコール、ノニルシクロヘキシルアルコール、アダマンチルアルコール等の環状脂肪族アルコール;等が挙げられる。
これらの中でも、ブタノール、オクチルアルコール、ノニルアルコール、デシルアルコール、ドデシアルアルコール、トリデシアルコール、テトラデシアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ノナデシルアルコール、オレイルアルコールが好ましく、ブタノール、オクチルアルコール、デシルアルコール、ドデシアルアルコール、トリデシアルコール、テトラデシアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、オレイルアルコールがさらに好ましい。
アルキレンオキサイド(AO)全体に占めるエチレンオキサイド(EO)の付加割合は、70重量%以上であり、70〜95重量%がより好ましく、80〜90重量%がさらに好ましく、80〜85重量%が特に好ましい。アルキレンオキサイド(AO)全体に占めるエチレンオキサイド(EO)の付加割合が70重量%未満の場合、合成繊維の仮撚り加工糸の生産において、仮撚り加工の工程で発生する毛羽・断糸・白粉・染色斑の加工欠点を低減させることができない。
アルキレンオキサイド(AO)としては、エチレンオキサイド(EO)、プロピレンオキサイド(PO)、ブチレンオキサイド(BO)等が挙げられる。エチレンオキサイド(EO)以外のアルキレンオキサイド(AO)を含む場合、ランダム型に付加重合させた化合物であってもよく、ブロック型に付加重合させた化合物であってもよい。生産性の点から、ランダム型に付加重合させた化合物が好ましい。
アルキルポリエーテル化合物(B)の重量平均分子量は、1000〜20000であり、1500〜10000が好ましく、1500〜7000がより好ましく、1500〜3000がさらに好ましい。重量平均分子量が1000未満の場合、仮撚り加工工程で熱処理された際、低分子量のため発煙が発生しヒーター汚れの原因となる。重量平均分子量が20000超の場合、高分子量に起因する粘度の増大により、処理剤を合成繊維に付着した際、動摩擦係数が大きくなり、毛羽・断糸の原因となる。また、粘度の増大により取り扱い性も困難となる。なお、重量平均分子量は、前述のポリエーテル化合物(A)と同じ方法で測定したものである。
これらアルキルポリエーテル化合物(B)の中でも、発煙、粘度、動摩擦係数の点から、一価アルコールに、エチレンオキサイド(EO)又はプロピレンオキサイド(PO)とエチレンオキサイド(EO)とを付加重合させた化合物であって、PO/EOの付加割合(重量比)が0/100〜30/70であり、重量平均分子量が1000〜20000である化合物が好ましい。
PO/EOの付加割合(重量比)は、0/100〜20/80がより好ましく、10/90〜20/80がさらに好ましい。PO/EOの付加割合(重量比)が30/70超の場合、前述のアルキレンオキサイド(AO)全体に占めるエチレンオキサイド(EO)の付加割合が70重量%未満の場合と同様である。
アルキルポリエーテル化合物(B)を製造する方法としては、特に限定はなく、公知の方法を採用できる。例えば、以下が挙げられる。
撹拌、温度調節が可能で、アルキレンオキサイドチャージタンク、窒素供給管、圧力調整バルブの付いたオートクレーブ内に、出発原料アルコールとして前述の一価アルコールをアルカリ触媒(例えば、苛性カリや苛性ソーダ)と共に投入し、混合系内を窒素置換した後、80〜130℃にて1〜3時間脱水操作を行う。次いで、所望の比率となるよう、エチレンオキサイド(EO)、プロピレンオキサイド(PO)等のアルキレンオキサイド(AO)をゲージ圧力0.1〜0.4MPa、反応温度80〜180℃で投入して(EO、POを同時に投入するとランダム型、交互に投入するとブロック型)、付加重合反応を行う。その後得られたアルキルポリーエル化合物を回収する。このようにしてアルキルポリエーテル化合物(B)を合成することができる。なお、アルキルポリエーテル化合物の重量平均分子量を大きくするために、上記の出発原料アルコールの代わりに回収したアルキルポリエーテル化合物を使用して、上記と同様な工程を2〜5回繰り返し行ってもよい。
[摩擦仮撚り用処理剤]
本発明の摩擦仮撚り用処理剤に必須に含有される前述のポリエーテル化合物(A)とアルキルポリエーテル化合物(B)との重量比(A/B)は、10/90〜90/10が好ましく、10/90〜80/20がより好ましく、10/90〜60/40がさらに好ましく、10/90〜40/60が特に好ましい。重量比(A/B)が10/90未満の場合、油膜強度不足となることがあり、重量比(A/B)が90/10超の場合、摩擦低減不良となることがある。
処理剤の不揮発分に占めるポリエーテル化合物(A)の重量割合は、5〜30重量%が好ましく、5〜25重量%がより好ましく、10〜20重量%がさらに好ましい。また、処理剤の不揮発分に占めるアルキルポリエーテル化合物(B)の重量割合は、5〜90重量%が好ましく、30〜80重量%がより好ましく、40〜70重量%がさらに好ましい。
処理剤の不揮発分に占めるポリエーテル化合物(A)とアルキルポリエーテル化合物(B)の合計の重量割合は、60重量%以上が好ましく、65重量%以上がより好ましく、70重量%以上がさらに好ましく、75重量%以上が特に好ましい。合計の重量割合が60重量%未満の場合、合成繊維の仮撚り加工糸の生産において、仮撚り加工の工程で発生する毛羽・断糸・白粉・染色斑の加工欠点を低減させることができないことがある。
なお、本発明における不揮発分とは、処理剤を105℃で熱処理して溶媒等の揮発分を除去し、恒量に達した時の絶乾成分をいう。
また、本発明の摩擦仮撚り用処理剤は、本発明の効果を損なわない範囲で、潤滑剤、乳化剤、浸透剤、制電剤等を必要に応じて含有してもよい。処理剤の不揮発分に占めるこれら潤滑剤、乳化剤、浸透剤、制電剤等の合計の重量割合は、繊維の集束性向上や油膜強化といった特性をより発現させる点から、40重量%以下が好ましく、30重量%以下がより好ましく、20重量%以下がさらに好ましい。
潤滑剤としては、特に限定はなく、公知のものを採用できる。例えば、メチルオレート、ブチルパルミテート、ブチルステアレート、ブチルオレート、イソオクチルラウレート、イソオクチルパルミテート、イソオクチルステアレート、イソオクチルオレート、ラウリルオレート、イソトリデシルステアレート、ヘキサデシルステアレート、イソステアリルオレート、オレイルオクタノエート、オレイルラウレート、オレイルパルミテート、オレイルステアレート、オレイルオレート等の脂肪酸エステル化合物(一価アルコールと一価カルボン酸とのエステル);ジエチレングリコールジラウレート、ジエチレングリコールジオレート、ヘキサメチレングリコールジラウレート、ヘキサメチレングリコールジオレート、ネオペンチルグリコールジラウレート、トリメチロールプロパントリカプリレート、トリメチロールプロパントリラウレート、トリメチロールプロパントリパルミテート、トリメチロールプロパントリオレート、グリセリントリオレート、ペンタエリスリトールテトララウレート、ペンタエリスリトールテトラオレート等の多価アルコールと一価カルボン酸とのエステル;ジオレイルマレート、ジイソトリデシルアジペート、ジセチルアジペート、ジオレイルアジペート、ジオクチルセバケート、ジラウリルセバケート、ジステアリルセバケート、ジオクチルアゼレート、ジステアリルアゼレート、ジオクチルフタレート、トリオクチルトリメリテート等の多価カルボン酸と一価アルコールとのエステル;ネオドール23(Shell製の合成アルコール)にエチレンオキサイドを2モル付加した物とラウリン酸とのエステル、ネオドール23にエチレンオキサイドを2モル付加した物とアジピン酸とのジエステル、イソトリデシルアルコールにプロピレンオキサイドを2モル付加した物とラウリン酸とのエステル、エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドとのブロックもしくはランダム共重合体の両末端もしくは一方の末端がカルボン酸で封鎖された重合体等のアルキレンオキサイドを付加したアルコールとカルボン酸とのエステル等を挙げることができる。
これらの潤滑剤は必要に応じて2種類以上のものを適宣併用することができる。処理剤の不揮発分に占める潤滑剤の重量割合は特に限定はないが、0〜30重量%が好ましく、0〜10重量%がさらに好ましい。
処理剤をエマルション化するために、繊維への付着性を補助するために、あるいは処理剤を付着させた繊維から処理剤を水洗し得るようにするために、乳化剤、浸透剤(界面活性剤)を使用してもよい。乳化剤、浸透剤としては、特に限定はなく、公知のものを採用できる。例えば、重量平均分子量が300以上1000未満である、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル等を挙げることができる。さらに、ポリオキシエチレンラウリルアミノエーテル、ポリエチレングリコールモノラウレート、ポリエチレングリコールジラウレート、ポリエチレングリコールモノオレート、ポリエチレングリコールジオレート、グリセリンモノオレート、ソルビタンモノオレート、ポリオキシエチレングリセリンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタントリオレート、ポリオキシエチレンヒマシ油エーテル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油エーテル等の非イオン界面活性剤等を挙げることができる。これらの乳化剤、浸透剤は必要に応じて単独又は2種類以上のものを適宣併用する事ができる。処理剤の不揮発分に占める乳化剤、浸透剤の重量割合は、特に限定はないが、0.1〜40重量%が好ましく、0.1〜30重量%がさらに好ましい。なおこれらの乳化剤、浸透剤は、繊維糸条に制電性を付与したり、潤滑性や集束性を与えたりするために用いても構わない。
制電剤としては、特に限定はなく、公知のものを採用できる。例えば、アルキルリン酸エステル(以下ホスフェートと略記する)の金属塩/またはアミン塩、ポリオキシエチレンアルキルホスフェートの金属塩/またはアミン塩、アルカンスルホン酸塩、脂肪酸石鹸等のアニオン性界面活性剤;アルキルアミン塩、アルキルイミダゾリニウム塩、第4アンモニウム塩等のカチオン性界面活性剤;ラウリルジメチルベタイン、ステアリルジメチルベタイン等の両性界面活性剤;等を挙げることができる。これらの制電剤は必要に応じて単独又は2種類以上のものを適宣併用する事ができる。処理剤の不揮発分に占める制電剤の重量割合は、特に限定はないが、0.1〜10重量%が好ましく、0.1〜5重量%がさらに好ましい。
以上述べた潤滑剤、乳化剤、浸透剤、制電剤等の成分以外にも、必要に応じて、酸化防止剤、防腐剤、防錆剤、消泡剤等の成分を用いても構わない。
本発明の摩擦仮撚り用処理剤は、一般には、輸送コストや処理剤の安定性の観点から、処理剤に占める不揮発分の重量割合が80重量%以上の処理剤として、合成繊維フィラメントに付与する工場に移送される。本発明の処理剤は、上記のポリエーテル化合物(A)とアルキルポリエーテル化合物(B)を必須に含有するので、不揮発分濃度が80重量%以上であっても、処理剤の安定性が非常によく、外観不良や成分の分離を防止できる。その結果、合成繊維に処理剤が均一に付着し、製糸工程や加工工程で発生する問題を大幅に改善できる。
本発明の摩擦仮撚り用処理剤は、上記のポリエーテル化合物(A)とアルキルポリエーテル化合物(B)を必須に含有するので、処理剤に占める不揮発分の重量割合が80重量%以上と大きな領域においても、処理剤の光透過率を高くすることが可能である(750nmにおける光透過率(25℃)が95%以上)。具体的には、処理剤に占める不揮発分の重量割合を90重量%としたときに、処理剤の750nmにおける光透過率(25℃)は95%以上となる。該光透過率は、97%以上がより好ましく、99%以上がさらに好ましい。透過率が95%未満の場合、処理剤の安定性が悪くなり、外観不良や成分の分離を引き起こすおそれがある。従来の処理剤では、透過率が高くても本願の課題を解決できなかったり、透過率が低く、処理剤の安定性が悪かったりした。なお、処理剤に占める不揮発分の重量割合は、後述の外観調整剤で希釈したり、揮発分を揮発させたりして調整することができる。
本発明の摩擦仮撚り用処理剤は、さらに外観調整剤を含有することが好ましい。外観調整剤とは、前述の透過率を向上させることができる成分であり、処理剤の安定性を向上させることができる。外観調製剤は、合成繊維の製造工程で、熱処理により揮発・除去される成分である。処理剤全体に占める外観調整剤の重量割合は、0.1〜20重量%が好ましく、0.1〜10重量%がさらに好ましい。外観調整剤の重量割合が20重量%超だと、繊維用処理剤としての性能が悪化し、合成繊維の仮撚り加工糸の生産において、仮撚り加工工程で発生する毛羽・断糸・白粉・染色斑の加工欠点を低減させることができず、むしろ加工欠点の増加をもたらすおそれがある。
外観調整剤としては、特に限定はなく、公知のものを採用できる。外観調製剤としては、水や低級アルコールが挙げられる。例えば、水、エチレングリコール、プロピレングリコール、イソプロピルアルコール、グリセリン、ブチルジグリコール等を挙げることができる。これらの中でも、水、エチレングリコール、グリセリンが好ましい。外観調製剤は必要に応じて単独又は2種類以上のものを適宣併用することができる。
本発明の摩擦仮撚り用処理剤は、不揮発分のみからなる前述の成分で構成されていてもよく、不揮発分と外観調整剤とから構成されてもよく、不揮発分を低粘度鉱物油で希釈したものでもよく、水中に不揮発分を乳化した水系エマルジョンであってもよい。水中に不揮発分を乳化した水系エマルジョンの場合、不揮発分の濃度は5〜20重量%が好ましく、6〜15重量%がより好ましく、8〜12重量%がさらに好ましい。
本発明の摩擦仮撚り用処理剤の製造方法については、特に限定なく、公知の方法を採用することができる。処理剤は、通常、構成する前記の各成分を任意の順番で添加混合することによって製造される。
[合成繊維フィラメント糸条]
本発明の合成繊維フィラメント糸条は、本発明の摩擦仮撚り用処理剤を(原料)合成繊維フィラメント糸状に付着させたものであり、合成繊維の仮撚り加工糸の生産において、仮撚り加工の工程で発生する毛羽・断糸・白粉・染色斑の加工欠点を低減させることができ、ヒーターの清掃周期も延長させることができる。摩擦仮撚り用合成繊維処理剤の不揮発分の付着量は、(原料)合成繊維フィラメントに対して、0.2〜1.5重量%が好ましく、0.3〜1.0重量%がより好ましく、0.3〜0.8重量%がさらに好ましい。
(原料)合成繊維フィラメントに本発明の摩擦仮撚り用処理剤を付与する方法としては、特に限定はなく、公知の方法を採用することできる。通常、合成繊維フィラメントの紡糸工程または延伸工程で付与され、(原料)合成繊維フィラメントに対して、不揮発分のみからなる処理剤、不揮発分を低粘度鉱物油で希釈した処理剤、又は水中に不揮発分を乳化した水系エマルジョン処理剤をローラーオイリング、ガイドオイリング等で給油する方法等が挙げられる。
本発明の摩擦仮撚り用処理剤は、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維、ポリプロピレン繊維等の合成繊維の仮撚り加工用途に特に適している。ポリエステル繊維としては、エチレンテレフタレートを主たる構成単位とするポリエステル(PET)、トリメチレンエチレンテレフタレートを主たる構成単位とするポリエステル(PTT)、ブチレンエチレンテレフタレートを主たる構成単位とするポリエステル(PBT)、乳酸を主たる構成単位とするポリエステル(PLA)等が挙げられ、ポリアミド繊維としては、ナイロン6、ナイロン66等が挙げられ、ポリプロピレン繊維としては、ポリプロピレン等が挙げられる。
[仮撚り加工糸の製造方法]
本発明の仮撚り加工糸の製造方法は、前述の本発明の摩擦仮撚り用処理剤を付着させた合成繊維フィラメント糸条を加熱して、延伸し、仮撚り加工する工程を含むものであり、仮撚り加工の工程で発生する毛羽・断糸・白粉・染色斑の加工欠点を低減させることができ、ヒーターの清掃周期も延長させることができる。仮撚り加工の方法としては、特に限定はなく、公知の方法を採用できる。例えば、WO2009/034692号公報に記載された方法等が挙げられる。
仮撚り加工条件としては、特に制限しないが、より効果を発揮できる点から、熱源の熱板に直接合成繊維フィラメント糸条を接触させて加熱する接触タイプ(熱板接触加熱方式)の仮撚り加工機を用いて仮撚り加工を行うことが好ましい。かかる熱板接触加熱方式の仮撚り加工機とは、ヒーター温度が160℃〜230℃、ヒーター長は150cm〜250cmであり、合成繊維フィラメント糸状が、ヒータープレートの表面と接触して走行するもののことである。加工速度は、通常500〜1000m/min、好ましくは600〜800m/minである。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、ここに記載した実施例に限定されるものではない。なお、文中及び表中に示されるパーセント(%)は特に限定しない限り、「重量%」を示す。実施例及び比較例において、各評価は以下に示す方法に基づいて行った。
(実施例1)
表1に記載の配合成分を混合撹拌して、実施例1の摩擦仮撚り用処理剤を調製した。調製された処理剤について、下記方法にて透過率を測定した。その結果を表1に示す。
<透過率>
実施例及び比較例で調製された摩擦仮撚り用処理剤の透過率は、(株)日立製作所製分光光度計U−1900 Spectrophotometerにて測定した。測定条件は、波長750nm、測定温度25℃に規定した。透過率95%以上のときに、摩擦仮撚り用処理剤としての均一性及び安定性に支障ないことを表す。
次に、調製した摩擦仮撚り用処理剤に水を加え、不揮発分の重量割合が10重量%となる水系エマルジョンを調製した。次いで、エクストルーダーで口金から吐出、冷却固化された、酸化チタン含有量2.5%のポリエチレンテレフタレートフルダル糸条に対して、メタリングポンプ装置を用いたガイドオイリング方式にて、処理剤の不揮発分の付着量が0.6重量%となるよう水系エマルジョンを付与し、89デシテックス/72フィラメントの部分配向糸(Partially Oriented Yarn;以下POYと略す)を紡糸し、2800m/minの速度で巻き取ることで、10kg捲きチーズを得た。次に、得られたPOYを用いて、熱板接触加熱方式である仮撚り加工機にて、下記の仮撚り加工条件で、延伸仮撚り加工を10日間連続運転して行い、仮撚り加工糸(Draw Texturing Yarn;以下DTYと略す)を得た。仮撚り加工断糸、接触ヒーター汚染、白粉発生量、編地染色班の評価については、下記の方法にて行った。その結果を表1に示す。
<仮撚り加工条件>
熱板接触加熱方式である仮撚り加工機の延伸仮撚り条件
仮撚り加工機:帝人製機(株)製 HTS−15V
加工速度:600m/min
延伸比(DR):1.60
撚り掛け装置:3軸ディスク摩擦方式 1−5−1
(ガイドディスク1枚−ワーキング(ポリウレタン)ディスク5枚−ガイドディスク1枚)
ディスク速度/糸速度(D/Y):1.8
オーバーフィード率:3%
第一ヒーター(加撚側)温度:200℃
第二ヒーター(解撚側)温度:室温
加工日数:10日間
<仮撚り加工断糸>
延伸仮撚り加工を行った後、断糸回数を以下のように評価した。断糸回数が多いほど、毛羽も発生しやすくなる。
◎:0回
○:1〜2回
△:3〜4回
×:5回以上
<接触ヒーター汚染>
延伸仮撚り加工を行った後、ヒーターの汚染状況を目視により、以下のように評価した。
◎:ヒーターが汚れていない。
○:ヒーターが一部分のみ汚れている。
△:ヒーターが半分ほど汚れている。
×:ヒーターが全部汚れている。
<白粉発生量>
延伸仮撚り加工を行った後、仮撚りディスクと、その周辺の白粉発生量を目視により、以下のように評価した。
◎:10日間加工後に白粉なし。
○:10日間加工後に一部白粉あり。
△:5日間加工後白粉が発生、堆積。
×:加工開始から白粉が発生、堆積。
<編地染色班>
延伸仮撚り加工を行った後、得られた加工糸を(株)小池機械製作所製の丸編み機で筒編みを作製し、ポリエステル編地の染色処理を行った。得られた編地の染色性を、以下のように評価した。
◎:染色斑無し
△:染色斑が少し認められる
×:染色斑が多く認められる
(実施例2〜9、比較例1〜9)
実施例1において、表1又は表2に記載の各例の配合成分に変更して摩擦仮撚り用処理剤を調製する以外は実施例1と同様にして、評価した。その結果を表1及び表2に示す。
Figure 2012107366
Figure 2012107366
なお、表1、表2に記載のポリエーテル化合物(A)及びアルキルポリエーテル化合物(B)は、以下の通りである。
・PO/EO=20/80ポリエーテル(重量平均分子量10000):ジエチレングリコールに、PO/EO=20/80の重量比率でPO及びEOをランダム付加させたもので、重量平均分子量が10000であるポリエーテル化合物。
・PO/EO=25/75ポリエーテル(重量平均分子量12000):ジエチレングリコールに、PO/EO=25/75の重量比率でPO及びEOをランダム付加させたもので、重量平均分子量が12000であるポリエーテル化合物。
・PO/EO=25/75ポリエーテル(重量平均分子量8000):ジエチレングリコールに、PO/EO=25/75の重量比率でPO及びEOをランダム付加させたもので、重量平均分子量が8000であるポリエーテル化合物。
・PO/EO=30/70ポリエーテル(重量平均分子量10000):ジエチレングリコールに、PO/EO=30/70の重量比率でPO及びEOをランダム付加させたもので、重量平均分子量が10000であるポリエーテル化合物。
・PO/EO=20/80ステアリルエーテル(重量平均分子量2500):ステアリルアルコールに、PO/EO=20/80の重量比率でPO及びEOをランダム付加させたもので、重量平均分子量が2500であるアルキルポリエーテル化合物。
・PO/EO=20/80ステアリルエーテル(重量平均分子量1500):ステアリルアルコールに、PO/EO=20/80の重量比率でPO及びEOをランダム付加させたもので、重量平均分子量が1500であるアルキルポリエーテル化合物。
・PO/EO=25/75ラウリルエーテル(重量平均分子量1000):ラウリルアルコールに、PO/EO=25/75の重量比率でPO及びEOをランダム付加させたもので、重量平均分子量が1000であるアルキルポリエーテル化合物。
・PO/EO=30/70ラウリルエーテル(重量平均分子量1000):ラウリルアルコールに、PO/EO=30/70の重量比率でPO及びEOをランダム付加させたもので、重量平均分子量が1000であるアルキルポリエーテル化合物。
・PO/EO=50/50ポリエーテル(重量平均分子量5000):ジエチレングリコールに、PO/EO=50/50の重量比率でPO及びEOをランダム付加させたもので、重量平均分子量が5000であるポリエーテル化合物。
・PO/EO=50/50ステアリルエーテル(重量平均分子量1500):ステアリルアルコールに、PO/EO=50/50の重量比率でPO及びEOをランダム付加させたもので、重量平均分子量が1500であるアルキルポリエーテル化合物。
・PO/EO=50/50ラウリルエーテル(重量平均分子量2000):ラウリルアルコールに、PO/EO=50/50の重量比率でPO及びEOをランダム付加させたもので、重量平均分子量が2000であるアルキルポリエーテル化合物。
表1及び2からわかるように、実施例の合成繊維の摩擦仮撚り用処理剤は、比較例の処理剤と比較して、合成繊維の仮撚り加工工程で発生する、毛羽・断糸・白粉・染色斑等の加工欠点を著しく減少させることができ、ヒーターの汚染を防止できる。

Claims (10)

  1. ポリエーテル化合物(A)とアルキルポリエーテル化合物(B)とを必須に含有し、
    前記ポリエーテル化合物(A)が、ニ価アルコールにエチレンオキサイド(EO)を必須に含むアルキレンオキサイド(AO)を付加重合させたポリアルキレングリコールであって、アルキレンオキサイド(AO)全体に占めるエチレンオキサイド(EO)の付加割合が70重量%以上であり、重量平均分子量が8000〜20000であり、
    前記アルキルポリエーテル化合物(B)が、一価アルコールにエチレンオキサイド(EO)を必須に含むアルキレンオキサイド(AO)を付加重合させた化合物であって、アルキレンオキサイド(AO)全体に占めるエチレンオキサイド(EO)の付加割合が70重量%以上であり、重量平均分子量が1000〜20000である、
    合成繊維の摩擦仮撚り用処理剤。
  2. 前記ポリエーテル化合物(A)と前記アルキルポリエーテル化合物(B)との重量比(A/B)が10/90〜90/10である、請求項1に記載の合成繊維の摩擦仮撚り用処理剤。
  3. 処理剤の不揮発分に占める前記ポリエーテル化合物(A)と前記アルキルポリエーテル化合物(B)の合計の重量割合が60重量%以上である、請求項1又は2に記載の合成繊維の摩擦仮撚り用処理剤。
  4. 処理剤に占める不揮発分の重量割合を90重量%としたときに、処理剤の750nmにおける光透過率(25℃)が95%以上である、請求項1〜3のいずれかに記載の合成繊維の摩擦仮撚り用処理剤。
  5. 前記ポリエーテル化合物(A)が、ニ価アルコールにプロピレンオキサイド(PO)とエチレンオキサイド(EO)とを付加重合させたポリアルキレングリコールであって、PO/EOの付加割合(重量比)が10/90〜30/70であり、重量平均分子量が8000〜20000である、請求項1〜4のいずれかに記載の合成繊維の摩擦仮撚り用処理剤。
  6. 前記アルキルポリエーテル化合物(B)が、一価アルコールにエチレンオキサイド(EO)又はプロピレンオキサイド(PO)とエチレンオキサイド(EO)とを付加重合させた化合物であって、PO/EOの付加割合(重量比)が0/100〜30/70であり、重量平均分子量が1000〜20000である、請求項1〜5のいずれかに記載の合成繊維の摩擦仮撚り用処理剤。
  7. 前記一価アルコールが、炭素数4〜24の脂肪族アルコールである、請求項1〜6のいずれかに記載の合成繊維の摩擦仮撚り用処理剤。
  8. 前記合成繊維が、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維又はポリプロピレン繊維である、請求項1〜7のいずれかに記載の合成繊維の摩擦仮撚り用処理剤。
  9. 請求項1〜8のいずれかに記載の合成繊維の摩擦仮撚り用処理剤をフィラメント糸条に付着させた、合成繊維フィラメント糸条。
  10. 請求項9に記載の合成繊維フィラメント糸条を加熱して、延伸し、仮撚り加工する工程を含む、仮撚り加工糸の製造方法。
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