JP2019026991A - 黒原着ポリエステル繊維 - Google Patents

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Abstract

【課題】 礼服やフォーマルスーツなどの衣料用途やジオテキスタイルなどの産業用途として十分な黒色度を有し、かつ製糸安定性と後工程の通過性が良好な黒原着ポリエステル繊維を得る。
【解決手段】 カーボンブラックを含有したポリエステル繊維であって、(a)〜(d)を満たす黒原着ポリエステル繊維。
(a)カーボンブラックの含有量が1.0質量%以上、2.0質量%以下
(b)スズ50%、鉛50%、線径1.2mmのはんだ上を15,000m走行後に、はんだの摩耗深さが200μm以下
(c)繊維の黒色度(L*値)が15以下
(d)繊維に付着した油剤が1.0質量%以上、2.0質量%以下
【選択図】なし

Description

本発明は、製編織時に使用するガイドやローラー等の付属品の摩耗を抑制し、黒色度が良好な黒原着ポリエステル繊維に関する。
化学特性や物理特性に優れているポリエステル繊維は衣料用途や産業用途に幅広く使用されている。しかし、染色性に関しては色落ちや色移りが発生し易いという欠点も有している。特に黒色は礼服やフォーマルスーツなどの衣料用途やジオテキスタイルなどの産業用途で多く使用されるが、染色において濃色である黒は色移りし易く、扱いに注意を払う必要がある。そこで近年、ポリエステルに無機顔料としてカーボンブラックを添加した黒原着ポリエステル繊維が提案されてきた。
しかしながら、カーボンブラックを配合したポリエステルは繊維表面に突起が形成されて粗面となり易く、製糸工程における糸導ガイドで傷や摩耗が生じたり、製織・製編工程で糸導ガイドや筬など接触部が摩耗したりする問題があった。
特許文献1では、平均一次粒子径、吸油量、および比表面積を規定したカーボンブラックを1.0重量%以下で配合することで摩耗を抑制できると提案されている。特許文献2では、平均一次粒子径が0.05μm以上0.3μm以下のカーボンブラックと0.4μm以上2.0μm以下のカーボンブラックを含有させることで摩耗を低減できると提案されている。特許文献3では、芯成分にカーボンブラックを5〜10重量%含有した特定の芯鞘構造複合繊維とすることで十分な黒色度を得られ、かつ摩耗を抑制できると提案されている。
特開平9−250026号公報 特開2006−241640号公報 特開2008−163487号公報
しかしながら、特許文献1のようにカーボンブラックの含有量を低減させることでガイドの摩耗を抑制することは可能であるが、十分な黒色度を得ることは困難となる。特許文献2のように平均一次粒子径が0.4μm以上のカーボンブラックを含むと紡糸時のフィルターの目詰まりや断糸が発生し易くなり、製糸が困難となってくる。特許文献3のように芯鞘構造とすると芯成分にカーボンブラックを5重量%以上含有させる必要があり、破断強伸度が低下し易くなるため、単糸繊度が4dtex以下の繊維の製糸が困難となる。
したがって、本発明は、黒色度や製糸性が良好で、かつ製糸工程や製編織工程で糸が接触するガイドや筬などの摩耗を抑制された黒原着ポリエステル繊維を得ることを目的としたものである。
本発明の要旨は、カーボンブラックを含有したポリエステル繊維であって、(a)〜(d)を満たす黒原着ポリエステル繊維である。
(a)カーボンブラックの含有量が1.0質量%以上、2.0質量%以下
(b)スズ50質量%、鉛50質量%、線径1.2mmのはんだ上を15,000m走行後に、はんだの摩耗深さが200μm以下
(c)繊維の黒色度(L*値)が15以下
(d)繊維に付着した油剤が1.0質量%以上、2.0質量%以下
中でも、カーボンブラックの平均一次粒子径が10nm以上、50nm以下であることが好ましい。
本発明の黒原着ポリエステル繊維は、黒色度や製糸性が良好で、かつ製編織工程で糸が接触するガイドや筬などの摩耗抑制が良好な繊維を提供できる。また単糸繊度が細い繊維であっても黒色度が良好で強伸度を保ったものが得られる。また本発明の黒原着ポリエステル繊維は、礼服やフォーマルスーツなどの衣料用途、及びジオテキスタイルなどの産業資材用途で好適に使用できる。
図1は、摩耗性評価の説明図である。
本発明におけるポリエステルは、ジカルボン酸類またはそのエステル形成誘導体とジオールまたはそのエステル形成誘導体を原料として重縮合反応によって製造される線状飽和ポリエステルであればよく、ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。特に、ポリエチレンテレフタレートを主体とするものが好ましく、またホモポリエステルであってもコポリエステルであってもよい。共重合成分としては、例えば、アジピン酸、セバシン酸、フタル酸、イソフタル酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、ジフェニルスルホンジカルボン酸、p−オキシエトキシ安息香酸などのジカルボン酸類、または/および1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポリヘキサンメチレングリコールなどの脂肪族ジオールを含んでいるものが挙げられる。コポリエステルの場合は、これらの共重合成分を少なくとも1種以上用いることができる。
本発明の黒原着ポリエステル繊維は、本発明の効果を損なわない範囲内で、添加物を添加することにより改質が行われたものであっても良い。添加物としては、熱安定化剤、酸化防止剤、蛍光増白剤、艶消し剤等が挙げられる。また、添加物は単独で用いても良いし併用しても良い。
本発明の黒原着ポリエステル繊維はカーボンブラックの含有量が繊維中に1.0質量%以上、2.0質量%以下であることが必要である。カーボンブラックの含有量が1.0質量%未満であると、L*値が15を超え易くなり、十分な黒色度が得られない。2.0質量%を超えると、製糸工程や後工程で糸が接触する糸導ガイドや筬を摩耗し、安定生産を継続的に行うことが困難となる。また、2.0質量%を超えると破断強伸度が低下し易くなる傾向があり、単糸繊度4dtex以下の繊維の製糸が困難となるおそれがある。より好ましいカーボンブラックの含有量は1.0質量%以上、2.0質量%以下である。
本発明の黒原着ポリエステル繊維は、一種の繊維形成性ポリマーからなる単独繊維であっても、複数の繊維形成性ポリマーからなる複合繊維であってもよいが、単独繊維であることが好ましい。
本発明の黒原着ポリエステル繊維は、黒色度と製糸性の観点から、カーボンブラックが繊維全体に均一分散していることが好ましい。芯鞘型複合繊維のように繊維の一部のみにカーボンブラックを分散させたり、一部を高濃度にしたりした場合、破断強度が低下し易くなり、単糸繊度4dtex以下の繊維の製糸が困難となるおそれがある。カーボンブラックが繊維全体に均一分散した単独繊維であると、破断強度の低下を抑制でき、より好ましいものとなる。本発明において、カーボンブラックが繊維全体に均一分散したものであれば、単糸繊度4dtex以下の繊維であっても、製糸性も強伸度等の糸物性も良好なものが得られ易くなる。
カーボンブラックの平均一次粒子径としては、10nm以上、50nm以下であることが好ましい。平均一次粒子径が10nm未満であると、カーボンブラックの比表面積が大きくなり、ポリエステルへの分散が困難で凝集塊が発生し易い傾向がある。凝集塊が存在すると製糸工程での断糸等が発生し、安定的に生産することが難しくなる傾向がある。50nmを超えると、十分な黒色度を得ることが難しくなる傾向がある。平均一次粒子径は15nm以上、40nm以下がより好ましい。さらに好ましくは15nm以上、35nm以下である。すなわち、ポリエステルへの分散性が良好で凝集塊が発生し難く、安定的に生産し易い点から、平均一次粒子径は10nm以上が好ましく、十分な黒色度を得易い点から、50nm以下が好ましい。
上記のカーボンブラックの平均一次粒子径は透過型電子顕微鏡を用いて粒子径を測定し、数平均で求めたものである。
本発明の黒原着ポリエステル繊維において、繊維に対し1.0質量%以上、2.0質量%以下の油剤を付着させる必要がある。付着した油剤が1.0質量%未満であると、製糸工程や後工程で糸が接触する糸導ガイドや筬での摩擦抵抗が大きくなり、安定生産を継続的に行うことが困難となり易い。2.0質量%を超えると、糸が接触する糸導ガイドや筬でスカムの問題が発生し易くなり、安定生産を継続的に行うことが困難となる。付着させる油剤は1.0質量%以上、1.5質量%以下が好ましい。なお、ポリエステル繊維の紡糸時は、油剤の付着量は、0.5質量%以上、0.9質量%以下程度が通常であるが、本発明においては製糸工程や製編織工程で糸が接触する糸導ガイドや筬の摩耗を抑制し易い観点から、上記の範囲が好ましい。
本発明の黒原着ポリエステル繊維は、図1に示す装置を用い、構成比率スズ50質量%、鉛50質量%、線径1.2mmのはんだを、後述する方法で摩耗させた深さが200μm以下である。摩耗深さが200μmを超えると、製糸工程や製編織工程で糸が接触する糸導ガイドや筬を摩耗し、安定生産を継続的に行うことが困難となる。好ましくは摩耗深さが180μm以下である。なお、通常の非原着のポリエステル繊維であれば、50μm程度摩耗するため、下限は、50μm程度で十分である。
図1は、摩耗性評価装置1の側面図である。延伸糸ボビンa、ワッシャーテンサーb、ガイドc1,c2、はんだd、張力計e、および巻取ボビンfから構成され、延伸糸ボビンaより測定糸Yが400m/minで供給される。測定糸Yはワッシャーテンサーbにより張力が0.33cN/dtexに調整され、ガイドc1の下面、はんだdの上面、ガイドc2の下面を通過する。ガイドc1およびc2の下面とはんだdの上面は初期の高低差を7mm、ガイドc1およびc2の間隔を40mmとし、測定糸Yが同じ張力で通過できるように設定されている。はんだdはスズ50質量%、鉛50質量%で構成されているため、柔らかく、測定糸Yがはんだdの上面を通過すると、はんだdは測定糸Yにより摩耗する。また、張力計eで測定糸Yにかかる張力を測定する。その後、測定糸Yは巻取ボビンfで巻き取られる。
本発明の黒原着ポリエステル繊維において、繊維横断面(繊維長さ方向に垂直な繊維断面)の形状は、特に制限がなく、要求特性や用途に応じて、適宜選択することができる。例えば、真円形、楕円形、三角形、扁平形、C字形、W字形、Y字形等が挙げられるが、特にこれらに限定されるものではない。
本発明の黒原着ポリエステル繊維において、総繊度は、特に制限がなく、要求特性や用途に応じて、適宜設定することが可能である。また、単糸繊度についても、特に制限はないが、1dtex以上、5dtex以下が好ましい。1dtex以上であれば、断糸が少なく、安定生産を継続的に行うことが容易になる。また、5dtexを超えると、布帛の風合いが硬いものとなり易い。より好ましくは1dtex以上、4dtex以下である。
本発明の黒原着ポリエステル繊維において、強度は、特に制限がなく、要求特性や用途に応じて、適宜設定することが可能であるが、製編織工程の点から、2.0cN/dtex以上、7.0cN/dtex以下が好ましい。さらに好ましくは2.5cN/dtex以上、7.0cN/dtex以下である。
本発明の黒原着ポリエステル繊維において、伸度は、特に制限がなく、要求特性や用途に応じて、適宜設定することが可能であるが、後加工の点から、20%以上、50%以下が好ましい。さらに好ましくは25%以上、45%以下である。
本発明の黒原着ポリエステル繊維は、ステープル、紡績糸、フィラメント等の形態で用いることができる。また、平滑性に優れているため、製糸工程や製編織工程で安定生産を継続的に行うことができる。
本発明の黒原着ポリエステル繊維を用いて、種々の繊維構造物を得ることができる。繊維構造物としては、例えば、撚糸、組紐などの糸束、仮撚糸やタスラン加工糸などの加工糸、紡績糸、各種混繊糸、織編物や不織布等の布帛等の形態をとることができる。
次に、本発明の黒原着ポリエステル繊維を製造する方法の好適な例について説明する。
本発明の黒原着ポリエステル繊維は、上記ポリエステルおよび上記カーボンブラックを準備し、混合して溶融紡糸して得ることができる。
ポリエステルにカーボンブラックを混合する方法としては、ポリエステル樹脂の重合時にカーボンブラックを混合する方法や、二軸押出機を用いてポリエステルにカーボンブラックを予め混練し、マスターチップ化することが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
マスターチップを用いる場合には、準備したポリエステルとマスターチップを混合溶融して、紡糸口金より吐出し、冷却した後、延伸を行い、本発明の黒原着ポリエステル繊維を得ることができる。
なお、本発明の黒原着ポリエステル繊維を製造する際には、溶融紡糸した後に一旦巻き取り延伸する方法や、溶融紡糸した後、一旦巻き取ることなく延伸する直接紡糸延伸法など任意の方法を採用することができる。
以下、本発明の実施例はポリエチレンテレフタレートを用いて具体的に説明するが、下記実施例は本発明を例示するものであって、本発明を限定するものではない。なお、各種物性の測定及び評価の方法は下記のように行った。
(1)製糸安定性評価
繊維を生産した際の24時間当たりの平均糸切れ回数により、下記の基準で評価した。
○:糸切れ回数が1回未満の場合
×:糸切れ回数が1回以上の場合
(2)付着油剤量測定
黒原着ポリエステル繊維およそ2gから10mlのメタノールで付着油剤を抽出した後、メタノールを揮発させ、残渣物を付着油剤とした。繊維およそ2gに対し、得られた油剤の質量の割合(%)を付着油剤量とした。
(3)繊維の強度・伸度測定
JIS L1013に準じて、島津製作所製オートグラフAGSを用いた引張試験を行い、測定長:200mm、引張り速度:200mm/minの条件下にて、繊維が破断したときの破断強度、および破断伸度をそれぞれ5回測定し、その平均値を求め、繊維の強度・伸度とした。
(4)摩耗性評価
図1に示す装置を用い、構成比率スズ50質量%、鉛50質量%、線径1.2mmのはんだ(白光株式会社製HEXSOL(登録商標)FS403−1)上を、張力0.33cN/dtex、速度400m/minで15,000m走行させた後、光学顕微鏡を用いて、はんだの摩耗深さを測定し、下記の基準で評価した。
○:摩耗深さが200μm以下の場合
×:摩耗深さが200μmを超える場合
(5)黒色度評価
得られた黒原着ポリエステル繊維を幅5cmのプレートにプレートが透けないように捲き付け、測色色差計(日本電色工業製「ZE 2000」)を用いて、L*値を測色した。ここで、L*値は色の明度を0〜100で表し、0に近いほど黒く、100に近いほど白くなる。測色したL*値を下記の基準により評価した。
○:L*値が15以下の場合
×:L*値が15を超える場合
〔実施例1〕
ポリエチレンテレフタレートに平均一次粒子径32nmのカーボンブラックを30質量%混合したマスターバッチを準備した。繊維中のカーボンブラック含有量が1.25質量%となるように、ポリエチレンテレフタレートとマスターバッチを混合し、295℃で紡出し、油剤を1.0質量%付着させた後に、延伸倍率3.1倍で延伸し、4,000m/minの速度で巻取り、56dtex/24fの黒原着ポリエステル繊維を得た。製糸安定性は良好であり、得られた黒原着ポリエステル繊維のはんだの摩耗深さは132μmであった。L*値は14.2と良好な黒色度を示した。得られた結果を表1に示す。
〔実施例2〕
繊維中のカーボンブラック含有量を2.0質量%とする以外は実施例1と同様の方法で黒原着ポリエステル繊維を作製した。製糸安定性は良好であり、得られた黒原着ポリエステル繊維のはんだの摩耗深さは176μmであった。L*値は13.6と良好な黒色度を示した。得られた結果を表1に示す。
〔実施例3〕
繊維に付着させた油剤を1.2質量%とする以外は実施例1と同様の方法で黒原着ポリエステル繊維を作製した。製糸安定性は良好であり、得られた黒原着ポリエステル繊維のはんだの摩耗深さは122μmであった。L*値は14.0と良好な黒色度を示した。得られた結果を表1に示す。
〔比較例1〕
繊維中のカーボンブラック含有量を2.5質量%とする以外は実施例1と同様の方法で黒原着ポリエステル繊維を作製した。得られた黒原着ポリエステル繊維のはんだの摩耗深さは274μmであった。L*値は13.5と良好な黒色度を示した。得られた結果を表1に示す。
〔比較例2〕
繊維中のカーボンブラック含有量を0.75質量%とする以外は実施例1と同様の方法で黒原着ポリエステル繊維を作製した。製糸安定性は良好であり、得られた黒原着ポリエステル繊維のはんだの摩耗深さは119μmであった。L*値は19.7と十分な黒色度を得られなかった。得られた結果を表1に示す。
〔比較例3〕
繊維に付着させた油剤を0.6質量%とする以外は実施例1と同様の方法で黒原着ポリエステル繊維を作製した。得られた黒原着ポリエステル繊維のはんだの摩耗深さは257μmであった。L*値は14.5と良好な黒色度を示した。得られた結果を表1に示す。
〔比較例4〕
繊維に付着させた油剤を2.5質量%とする以外は実施例1と同様の方法で黒原着ポリエステル繊維を作製した。製糸性は糸導ガイド等でスカムが発生し、糸切れが多発した。また、得られた黒原着ポリエステル繊維のはんだの摩耗深さは108μmであった。L*値は14.6と良好な黒色度を示した。得られた結果を表1に示す。
〔比較例5〕
カーボンブラックの平均一次粒子径を63nmとする以外は実施例1と同様の方法で黒原着ポリエステル繊維を作製した。製糸安定性は良好であり、得られた黒原着ポリエステル繊維のはんだの摩耗深さは155μmであった。L*値は16.1と十分な黒色度を得られなかった。得られた結果を表1に示す。
Figure 2019026991
実施例1〜3で得られた黒原着ポリエステル繊維を用いて織物を製造したところ、良好な黒色度で、製糸工程や製織工程でのガイドや筬などの摩耗が認められなかったが、比較例から得られた黒原着ポリエステル繊維は製糸性、黒色度、耐摩耗性のいずれか1以上が不良であった。
本発明の黒原着ポリエステル繊維は、製糸性や後工程通過性、黒色度が良好で、礼服やフォーマルスーツなどの衣料用途やジオテキスタイルなどの産業用途に好適に用いることができる。
1 摩耗性評価装置
a 延伸糸ボビン
b ワッシャーテンサー
c1,c2 ガイド
d はんだ
e 張力計
f 巻取ボビン
Y 測定糸
本発明の黒原着ポリエステル繊維はカーボンブラックの含有量が繊維中に1.0質量%以上、2.0質量%以下であることが必要である。カーボンブラックの含有量が1.0質量%未満であると、L*値が15を超え易くなり、十分な黒色度が得られない。2.0質量%を超えると、製糸工程や後工程で糸が接触する糸導ガイドや筬を摩耗し、安定生産を継続的に行うことが困難となる。また、2.0質量%を超えると破断強伸度が低下し易くなる傾向があり、単糸繊度4dtex以下の繊維の製糸が困難となるおそれがある
Figure 2019026991

Claims (2)

  1. カーボンブラックを含有したポリエステル繊維であって、(a)〜(d)を満たす黒原着ポリエステル繊維。
    (a)カーボンブラックの含有量が1.0質量%以上、2.0質量%以下
    (b)スズ50%、鉛50%、線径1.2mmのはんだ上を15,000m走行後に、はんだの摩耗深さが200μm以下
    (c)繊維の黒色度(L*値)が15以下
    (d)繊維に付着した油剤が1.0質量%以上、2.0質量%以下
  2. カーボンブラックの平均一次粒子径が10nm以上、50nm以下であることを特徴とする請求項1記載の黒原着ポリエステル繊維。
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