JPH1053962A - 弾性繊維用油剤 - Google Patents

弾性繊維用油剤

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JPH1053962A
JPH1053962A JP21949696A JP21949696A JPH1053962A JP H1053962 A JPH1053962 A JP H1053962A JP 21949696 A JP21949696 A JP 21949696A JP 21949696 A JP21949696 A JP 21949696A JP H1053962 A JPH1053962 A JP H1053962A
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JP
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group
modified
amide
epoxy
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JP21949696A
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English (en)
Inventor
Yukinori Tose
行範 東瀬
Chiyoko Nakamura
千代子 中村
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Sanyo Chemical Industries Ltd
Original Assignee
Sanyo Chemical Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 弾性繊維を製造する際に、精練性が良好で染
色ムラ発生が少なく紡糸から後加工工程において長期的
に安定な操業性が得られ、かつ繊維同士の膠着性が少な
く、解舒性に優れた弾性繊維を得るための油剤を提供す
る。 【解決手段】 特定の化学構造のエポキシまたはアミド
変性ポリシロキサンを含有することを特徴とする弾性繊
維用油剤を使用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は弾性繊維用油剤に関
し、更に詳しくは精練性が良好で、染色時のオイルスポ
ット等の発生が少ないポリウレタン弾性繊維を得るため
の油剤に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、ポリウレタン弾性繊維の製造
方法としては、溶融紡糸法、乾式紡糸法、湿式紡糸法等
があるが、いずれの方法でも繊維同士の膠着性が大きい
ため、通常のポリエステル用、ナイロン用の油剤を付着
したのでは膠着性を十分に防止することができず、その
ため後加工工程でチーズからの解舒性が悪く、糸切れな
どの問題が生じている。
【0003】このため、紡糸工程においてジメチルポリ
シロキサンまたは鉱物油、およびこれらの配合物をベー
スオイルとし、そのベースオイル中に各種の膠着防止剤
を添加した油剤を繊維に付与させている。
【0004】しかし、ジメチルポリシロキサンは精練性
が非常に悪く、精練工程で多くの時間を費やしたり、染
色時のオイルスポット等の原因となることがしばしばあ
る。
【0005】また、鉱物油の場合は精練性に関しての問
題は少ないが、ポリウレタン繊維中に容易に膨潤するた
め、繊維を脆化させる問題が起こっている。
【0006】上記ベースオイルに添加される膠着防止剤
として、金属石鹸を懸濁させて用いる方法により離型効
果を発現させる方法(特公昭41−286号公報、特公
昭40−5557号公報);常温液状物質のポリエーテ
ル変性シリコーンを使用する方法(特公昭45−407
19号公報、特開昭48−19893号公報)等が提案
されている。しかし、前者では金属石鹸を油剤中に分散
させることは難しく、糸への付着ムラ等が生じている。
また、後者においては高分子量のシロキサン骨格にポリ
エーテル基を導入した化合物を使用するため、ポリエー
テル変性シリコーン自体の粘度が高く、適正な油剤粘度
を保つためには添加量に制限があり、その効果は満足の
いくものではなかった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
とするところは精練性が良好で、染色時のオイルスポッ
トなどの発生が少なく、かつポリウレタン弾性繊維を製
造する際に、紡糸から後加工工程において良好な操業性
が得られるポリウレタン弾性繊維用油剤を提供すること
にある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らはポリウレタ
ン弾性繊維の製造時、精練性良好な紡糸用油剤を得るべ
く鋭意検討した結果、紡糸工程において特定のエポキシ
またはアミド変性ポリシロキサンを含有する油剤を繊維
に付着させることで上記問題点が解決することを見いだ
し、本発明に到達した。
【0009】すなわち本発明は、ポリオキシエチレン骨
格の含有量が分子中に20〜80重量%であるエポキシ
またはアミド変性ポリシロキサン(A)を含有すること
を特徴とする弾性繊維用油剤に関する。
【発明の実施の形態】
【0010】本発明のエポキシ変性またはアミド変性ポ
リシロキサンの分子中におけるポリオキシエチレン基の
含有量は20〜80重量%である。20重量%未満のも
のでは、精練性の効果を発現することは難しく、また、
80重量%を超えた場合、粘度が高くなりすぎる傾向に
あるため、これを用いて弾性繊維用油剤を構成した場
合、油剤全体の粘度が高くなりすぎ、糸切れ等の問題が
生じたり、また油剤全体の粘度を適正な範囲にした場
合、全油剤中に配合する配合比が少なくなり、本特長で
ある精練性の効果を十分に発現することは難しくなる。
【0011】本発明のエポキシ変性またはアミド変性ポ
リシロキサン(A)としては、一般式1、一般式2ある
いは一般式3で表わされるエポキシ変性またはアミド変
性ポリシロキサン(A1)、(A2)、(A3)、およ
びこれらの組み合わせが挙げられる。
【0012】本発明のエポキシ変性またはアミド変性ポ
リシロキサン(A1)は、下記一般式1で示される。
【0013】
【化5】
【0014】(A1)における一般式1において、X1
はトリアルキルシリル基またはY2である。トリアルキ
ルシリル基のアルキル基は特に限定はなく、メチル基、
エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、2
ーエチルヘキシル基、ジデシル基、オクタデシル基等が
挙げられ、3つのアルキル基はそれぞれ同一でも異なっ
ていてもよい。トリアルキルシリル基としては、例えば
トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、ジメチルプ
ロピルシリル基等が挙げられる。このうち好ましい基は
トリメチルシリル基である。
【0015】一般式1においてY1 、Y2 としては、一
般式4で表わされるポリエーテル基含有基である。ここ
で、Y1 とY2 は同一の基でも異なっていてもよい。
【0016】
【化6】
【0017】一般式4においてX4 は1価の炭化水素基
またはトリアルキルシロキサン基である。1価の炭化水
素基は、特に限定はなく、脂肪族炭化水素基(メチル
基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル
基、2ーエチルヘキシル基、ジデシル基、オクタデシル
基等)、芳香族炭化水素基(フェニル基、ビフェニル
基、ナフチル基、フェナントリル基等)、脂環式炭化水
素基(シクロプロピル基、シクロヘキシル基等)等が挙
げられる。トリアルキルシロキサン基としてのアルキル
基は特に限定はなく、メチル基、エチル基、プロピル
基、イソプロピル基、ブチル基、2ーエチルヘキシル
基、ジデシル基、オクタデシル基等が挙げられ、3つの
アルキル基はそれぞれ同一でも異なっていてもよい。ト
リアルキルシロキサン基としては、例えばトリメチルシ
ロキサン基、トリエチルシロキサン基、ジメチルプロピ
ルシロキサン基等が挙げられる。X4 の好ましい基はメ
チル基、トリメチルシロキサン基である。
【0018】一般式4において、Zは水素原子、アルキ
ル基、またはカルボキシル(塩)基、スルホン酸(塩)
基もしくはリン酸(塩)基を有する基である。アルキル
基は、特に限定はなく、メチル基、エチル基、プロピル
基、イソプロピル基、ブチル基、2ーエチルヘキシル
基、ジデシル基、オクタデシル基等が挙げられる。カル
ボキシル(塩)基は、特に限定はなく、酢酸、酢酸N
a、酢酸K、酢酸トリエタノールアミンカチオン、プロ
ピオン酸、プロピオン酸Na、プロピオン酸トリエタノ
ールアミンカチオン等が挙げられる。スルホン酸(塩)
基は、特に限定はなく、スルホン酸Na、スルホコハク
酸Na等が挙げられる。リン酸(塩)基は、特に限定は
なく、リン酸エステルモノNa、リン酸エステルジNa
等が挙げられる。Zのうち好ましい基は水素原子、メチ
ル基、酢酸、酢酸Na、プロピオン酸、プロピオン酸N
a、スルホコハク酸Na、リン酸エステルモノNa、リ
ン酸エステルジNaであり、特に好ましい基は水素原
子、メチル基である。
【0019】一般式4において、Bは鎖中または鎖端に
エポキシ基またはアミド基を有する有機基である。エポ
キシ基またはアミド基以外の残基としては、アルキレン
基、ポリオキシアルキレン基などが挙げられる。エポキ
シ基を有する有機基としては例えば、プロピルグリシジ
ルエーテル基、エチルシクロヘキサンオキサイド、エチ
ルシクロペンチルオキサイド等が挙げられる。アミド基
を有する有機基としては例えば、アミノプロピル基と脂
肪酸(酢酸、プロピオン酸、ブタン酸、カプロン酸、デ
カン酸、オクタデカン酸等)とのアミド化合物や、γ−
(β−アミノエチル)イミノプロピル基と高級脂肪酸と
のアミド化合物が挙げられる。このうち好ましいもの
は、プロピルグリシジルエーテル基である。
【0020】一般式4においてR1 、R2 はそれぞれ独
立に1価の炭化水素基である。1価の炭化水素基は、特
に限定はなく、脂肪族炭化水素基(メチル基、エチル
基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、2ーエチ
ルヘキシル基、ジデシル基、オクタデシル基等)、芳香
族炭化水素基(フェニル基、ビフェニル基、ナフチル
基、フェナントリル基等)、脂環式炭化水素基(シクロ
プロピル基、シクロヘキシル基等)等が挙げられる。こ
のうち、好ましい基はメチル基、フェニル基である。
【0021】一般式4において、OAは通常、オキシエ
チレン基、オキシプロピレン基が挙げられる。OAの繰
り返しは同一でも異なっていてもよいが、オキシエチレ
ン基が必須であり、オキシエチレン基単独、または、オ
キシエチレン基とオキシプロピレン基の併用であっても
よい。併用の場合、付加様式はランダム付加、ブロック
付加いずれでもよい。
【0022】一般式4においてpは1〜50の数であ
り、好ましくは2〜20である。0では精練性の効果を
発現することは難しく、また、50を超える場合、粘度
が高くなりすぎる傾向にあるため、全油剤中に配合する
配合比が少なくなり、精練性の効果を十分に発現するこ
とが難しくなることがある。
【0023】一般式4においてqは1〜4の数である。
【0024】一般式4においてrは1〜5の数である。
【0025】一般式1においてR1 、R2 はそれぞれ独
立に1価の炭化水素基である。1価の炭化水素基は、特
に限定はなく、脂肪族炭化水素基(メチル基、エチル
基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、2ーエチ
ルヘキシル基、ジデシル基、オクタデシル基等)、芳香
族炭化水素基(フェニル基、ビフェニル基、ナフチル
基、フェナントリル基等)、脂環式炭化水素基(シクロ
プロピル基、シクロヘキシル基等)等が挙げられる。こ
のうち、好ましい基はメチル基、フェニル基である。
【0026】一般式1においてmは0〜15の数であ
り、好ましくは0〜10である。15を超える場合、粘
度が高くなりすぎる傾向にあるため、全油剤中に配合す
る配合比が少なくなり、精練性の効果を十分に発現する
ことが難しくなることがある。
【0027】本発明のエポキシ変性またはアミド変性ポ
リシロキサン(A2)は、下記一般式2で示される。
【0028】
【化7】
【0029】(A2)における一般式2において、X2
はトリアルキルシリル基であり、一般式1のX1 で挙げ
たものと同様である。
【0030】一般式2においてX3 はトリアルキルシロ
キサン基またはY2 である。トリアルキルシロキサン基
のアルキル基は、特に限定はなく、メチル基、エチル
基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、2ーエチ
ルヘキシル基、ジデシル基、オクタデシル基等が挙げら
れ、3つのアルキル基はそれぞれ同一でも異なっていて
もよい。トリアルキルシロキサン基としては、例えばト
リメチルシロキサン基、トリエチルシロキサン基、ジメ
チルプロピルシロキサン基等が挙げられる。このうち好
ましい基はトリメチルシロキサン基である。
【0031】一般式2において、Y1 、Y2 は先に説明
した(A1)におけるY1 、Y2 と同じものでよく、Y
1 とY2 は同一の基でも異なっていてもよい。
【0032】一般式2において、R1 は先に説明した
(A1)におけるR1 と同じものでよい。
【0033】一般式2においてnは0〜10の数であ
り、好ましくは0〜7である。10を超える場合、粘度
が高くなりすぎる傾向にあるため、全油剤中に配合する
配合比が少なくなり、精練性の効果を十分に発現するこ
とが難しくなることがある。
【0034】本発明のエポキシ変性またはアミド変性ポ
リシロキサン(A3)は、下記一般式3で示される。
【0035】
【化8】
【0036】(A3)における一般式3において、X3
は先に説明した(A2)におけるX3 と同じものでよ
い。X3 は繰り返し単位において、同一の基でもよい
し、異なった組み合わせでもよい。
【0037】一般式3において、X2 は先に説明した
(A2)におけるX2 と同じものでよい。
【0038】一般式3において、Y1 、Y2 は先に説明
した(A1)におけるY1 、Y2 と同じものでよく、Y
1 、Y2 は同一の基でも異なっていてもよい。
【0039】一般式3においてkは0〜7の数であり、
好ましくは0〜5である。10を超える場合、粘度が高
くなりすぎる傾向にあるため、全油剤中に配合する配合
比が少なくなり、精練性の効果を十分に発現することが
難しくなることがある。
【0040】また、本発明のエポキシまたはアミド変性
ポリシロキサンの25゜Cにおける粘度は10〜400
センチストークスであり、好ましいものは10〜200
センチストークスである。25゜Cにおける粘度が10
センチストークス未満のものでは、分子中にポリオキシ
エチレン基の含有量が少なく、精練性の効果を発現する
ことは難しく、また、400センチストークスを超える
場合、全油剤中に配合する配合比が少なくなるため、精
練性の効果を十分に発現することが難しくなることがあ
る。
【0041】本発明のエポキシまたはアミド変性ポリシ
ロキサン中のSi原子の数は2〜20個であり、好まし
くは2〜10個である。Si原子の数が20個を超えた
場合、粘度が高くなりすぎるため、全油剤中に配合され
る配合比が少なくなり、精練性の効果を十分に発揮する
ことが難しくなることがある。
【0042】また、本発明のエポキシまたはアミド変性
ポリシロキサンの製造方法としては、特に限定されない
が、通常、エポキシ変性ポリシロキサンの場合、Si−
H基を有するポリシロキサンにアリルグリシジルエーテ
ルとアリルアルコールのアルキレンオキサイド付加物を
混合し、白金触媒下で付加させる方法等で製造すること
ができる。アミド変性ポリシロキサンの場合は、Si−
H基を有するアミノ変性ポリシロキサンに白金触媒化で
アリルアルコールのアルキレンオキサイド付加物を付加
させた後、1級または2級のアミノ基と脂肪酸との脱水
反応等によって製造することができる。
【0043】本発明のエポキシまたはアミド変性ポリシ
ロキサンの含有量としては、通常全油剤に対し、5〜8
0重量%であり、好ましくは10〜80重量%である。
5重量%未満では精練効果が不十分であり、80重量%
を超えた場合は油剤全体の粘度が著しく上昇する傾向に
あるため、細デニールの糸を紡出する際に、糸切れ等の
問題が起こることがある。
【0044】エポキシまたはアミド変性ポリシロキサン
(A)を含有する本発明の油剤の粘度は均一付着、ロー
ラ巻き付き防止の点から、25℃で100センチストー
クス以下が好ましい。
【0045】本発明のエポキシまたはアミド変性ポリシ
ロキサンと配合して使用される成分としては、紡糸から
後加工工程での各種ローラまたはガイド類との摩擦低減
のために、精練性の効果を妨げない程度にジオルガノポ
リシロキサンや鉱物油の併用が好ましい。
【0046】このためのジオルガノポリシロキサンとし
ては、ジメチルポリシロキサンやジメチルポリシロキサ
ンのメチル基の一部がその他のアルキル基、フェニル基
で置換されたもの等が挙げられる。いずれの場合も、配
合油全体の粘度は通常、25℃で100センチストーク
ス以下、好ましくは2〜50センチストークスのもので
ある。粘度が2センチストークス未満のものであると揮
発性が高く、糸への付着が難しくなる傾向があり、また
50センチストークスを超えると糸への付着が難しくな
ることがある。
【0047】鉱物油としては、配合油全体の粘度が通常
25℃で100センチストークス以下、好ましくは1〜
50センチストークスである。粘度が1センチストーク
ス未満のものであると揮発性が高く、糸への付着が難し
くなる傾向があり、また50センチストークスを超える
と糸への付着が難しくなることがある。
【0048】本発明の弾性繊維用油剤には、さらに必要
により膠着防止剤、例えば、タルク、シリカ、コロイダ
ルアルミナ等の鉱物性固体微粒子、あるいは高級脂肪酸
の金属粉末塩等、あるいはパラフィン、ポリエチレン等
の常温固体ワックス等、あるいはエポキシ変性シリコー
ン、ポリエーテル変性シリコーン、アミノ変性シリコー
ン、シリコーンレジン等の変性シリコーンや、つなぎ剤
として、アルコール類、脂肪酸エステル類等、本発明の
エポキシまたはアミド変性ポリシロキサンの性能を損な
わない程度に追加配合して良く、追加させることで膠着
防止効果を増大させることができる。また、さらに制電
剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤等、通常、紡糸油剤に使
用される成分を配合することができる。
【0049】本発明の油剤はポリウレタン繊維の紡糸工
程において、紡出後、糸が巻き取られるまでの任意の位
置でローラ給油やノズル給油等で糸に付与させることが
できる。本発明の油剤は、通常ポリウレタン弾性繊維に
対して0.5〜10重量%、好ましくは1〜8重量%付
与させる。
【0050】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に詳細に説明
するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0051】表1に記載した実施例用〜および比較
例用の変性ポリシロキサン化合物を表2に記載した割
合で配合し、実施例1〜5と比較例1〜3の弾性繊維用
油剤を調製した。さらに、(イ)膠着性、(ロ)精練
性、(ハ)染色性、(ニ)膨潤性の性能評価を行った。
その評価結果を併せて表2に示す。
【0052】
【表1】
【0053】なお、実施例および比較例で得られた油剤
を付与した糸の膠着性、染色性、膨潤性の試験法は以下
の通りである。
【0054】(イ) 膠着性 ポリウレタン繊維の乾式紡糸法において、表1の油剤を
ローラ給油で油剤付着量がフィラメント重量に対し6%
になるよう付与させ、600m/分でチーズに巻き取っ
た。巻き取ったチーズを1週間エージング後、可変倍率
の引き出し巻き取り装置にかけ50m/分の速度で糸を
送り出した時、糸が膠着により巻き込まれずに巻き取る
ことのできる最低の倍率で示した。1.3以下が好まし
い。。
【0055】(ロ) 精練性 膠着性で用いた繊維を用い、以下の条件で精練を行っ
た。精練後の繊維に残った油剤の付着量を測定し、油剤
の脱落率を算出した。 精練条件:精練剤(グランアップVO50K;三洋化成
工業株式会社製)2g/l、炭酸ソーダ0.5g/l
(浴比1:20)中に編み物の生地を入れ、85℃、3
0分間精練した後、80℃の温水で10分間湯洗し、流
水で5分間水洗後、脱水、乾燥した。 −判定基準− ○:油剤脱落率80%以上 ×:油剤脱落率80%未満
【0056】(ハ) 染色性 膠着性で用いた繊維の上にナイロン加工糸をコイル状に
巻き付けたシングルカバード糸を用いて編み物とし、上
記の条件で精練した後、以下の染色条件で染料を付着さ
せ、染色斑を目視にて判定した。 染色条件:染料(C.I.Acid Blue 23
0:クラリアントジャパン株式会社製)1%o.w.f
を用い精練後の生地を染色浴につけ、浴比1:15、8
0℃、15分間染色した後、水洗し、判定試料とした。 −判定基準− ○:均一染色 △:やや不均一染色部分有り ×:不均一染色部分多い
【0057】(ニ) 膨潤性 市販のウレタンフィルムを、調整した油剤中に70℃×
10分間浸漬し、取り出した後、表面に付着している油
剤を拭き取り、浸漬前後でのフィルムの重量を測定。重
量の増加率を膨潤率とした。 −判定基準− ○:膨潤率5%未満 ×:膨潤率5%以上
【0058】
【表2】
【0059】ジメチルポリシロキサン :SH−20
0 5cs(東レ・ダウコーニングシリコーン株式会社
製) 鉱物油 :流動パラフィン40S
(中央化成株式会社製) ポリエーテル変性シリコーン:KF−352(信越化学
工業株式会社製)
【0060】表2の実施例1〜5の性能評価結果から明
らかなように、本発明のエポキシまたはアミド変性ポリ
シロキサンを含有した油剤は染色性(精練性)が良好
で、染色時にオイルスポット等の発生が著しく低減され
ることが判る。特に、従来から摩擦低減効果はあるもの
の、精練性が問題との指摘があるジメチルポリシロキサ
ンを含有した場合でも本発明のエポキシまたはアミド変
性ポリシロキサン類の含有によって精練性が向上できる
ことが判る。また、膠着性、膨潤性に関しても従来の油
剤と同等以上の膠着防止性、膨潤特性を有することが判
る。それに対し、比較例1(従来のジメチルポリシロキ
サンを主体とした油剤)、比較例2(従来の鉱物油を主
体とした油剤)、比較例3(分子中のオキシエチレン含
量が少ないエポキシ変性ポリシロキサンを主体とした油
剤)の中にはすべての性能項目を満たすものはない。
【0061】
【発明の効果】従来、ポリウレタン弾性繊維を製造する
際に、ジメチルポリシロキサンをメイン成分とした油剤
で処理すると、精練が困難で、染色時にオイルスポット
等の問題が起こり、安定な操業性を得ることは出来なか
った。しかし、本発明のエポキシまたはアミド変性ポリ
シロキサンを含有する弾性繊維用油剤を用いて製造する
場合には精練性が良く、染色ムラの発生が少なく、かつ
繊維中への膨潤が少なく、糸同士の膠着防止性にも優れ
ていることから、ポリウレタン弾性繊維を紡糸から後加
工工程において安定な操業性を保ちながら製造すること
ができるものである。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリオキシエチレン骨格の含有量が分子
    中に20〜80重量%であるエポキシ変性またはアミド
    変性ポリシロキサン(A)を含有することを特徴とする
    弾性繊維用油剤。
  2. 【請求項2】 該エポキシ変性またはアミド変性ポリシ
    ロキサン(A)が、一般式1で表わされるエポキシ変性
    またはアミド変性ポリシロキサン(A1)、一般式2で
    表わされるエポキシ変性またはアミド変性ポリシロキサ
    ン(A2)および一般式3で表わされるエポキシ変性ま
    たはアミド変性ポリシロキサン(A3)からなる群より
    選ばれる1種以上である請求項1記載の弾性繊維用油
    剤。 【化1】 (式中、X1 はトリアルキルシリル基またはY2 ;Y1
    とY2 は一般式4で表わされるポリエーテル基含有基
    で、それぞれ同一でも異なっていてもよい;R1 とR2
    は1価の炭化水素基でそれぞれ同一でも異なっていても
    よい;mは0〜15の数を表わす。) 【化2】 (式中、X3 はトリアルキルシロキサン基またはY2
    2 はトリアルキルシロキサン基;Y1 とY2 は一般式
    4で表わされるポリエーテル基含有基で、それぞれ同一
    でも異なっていてもよい;R1 は1価の炭化水素基;n
    は0〜10の数を表わす。) 【化3】 (式中、X3 はトリアルキルシロキサン基またはY2
    2 はトリアルキルシリル基;Y1 とY2 は一般式4で
    表わされるポリエーテル基含有基で、それぞれ同一でも
    異なっていてもよい;kは0〜7の数を表わす。) 【化4】 (式中、X4 は1価の炭化水素基またはトリアルキルシ
    ロキサン基で、それぞれ同一でも異なっていてもよい;
    Zは水素原子、アルキル基、またはカルボキシル(塩)
    基、スルホン酸(塩)基もしくはリン酸(塩)基を有す
    る基;Bは鎖中または鎖端にエポキシ基またはアミド基
    を有する有機基;R1 とR2 は1価の炭化水素基でそれ
    ぞれ同一でも異なっていてもよい;OAはオキシエチレ
    ン基および/またはオキシプロピレン基;pは1〜50
    の数;qは1〜4の数;rは1〜5の数を表わす。)
  3. 【請求項3】 該エポキシ変性またはアミド変性ポリシ
    ロキサン(A)の25℃における粘度が10〜400セ
    ンチストークスである請求項1または2記載の弾性繊維
    用油剤。
  4. 【請求項4】 該エポキシ変性またはアミド変性ポリシ
    ロキサン(A)中のSi原子の数が2〜20個である請
    求項1〜3のいずれか記載の弾性繊維用油剤。
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